JP5615064B2 - 摩擦ダンパー用ライニング - Google Patents

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Description

本発明は、摩擦ダンパー用ライニングに関する。
建築物や土木構造物等を制震する装置として、制震用摩擦ダンパー装置が知られている。制震用摩擦ダンパー装置は、摩擦材と、この摩擦材に接触する相手部材(例えばステンレス鋼等)とを備える。建築物等が地震によって振動すると、摩擦材と相手部材とが摺動して地震の振動エネルギーを熱エネルギーに変換する。この結果、建築物等の揺れが抑制される。このような役割を担う摩擦材には、その特性として、安定して高い摩擦係数(動摩擦係数)を示すこと、高い耐摩耗性及び耐食性があること等が要求される。
さらに、このような制振システムでは、強風、暴風時に発生する低周波、低エネルギーの揺れに対する耐摩耗性や耐ノイズ性が求められる。すなわち、地震時の高周波、高エネルギーの振動だけでなく、比較的低周波の振動が繰り返された場合の摩擦材の耐摩耗性および耐ノイズ性が必要となる。特に、耐ノイズ性に関しては、一般に振動が低周波になるほどノイズ発生の可能性が高くなることが知られており、また地震より遙かに高い頻度で発生する強風時の揺れに対する耐ノイズ性は、居住性を確保する上でも十分な対策が必要である。
従来、制震用摩擦ダンパー装置に用いられる摩擦材の組成物としては、粘弾性材料(例えば、ゴム等)、金属(例えば、焼結金属等)、セラミック等を主成分とするもの(例えば特許文献1−2を参照)が知られている。しかし、これらはいずれも高く安定した摩擦係数、耐摩耗性及び耐ノイズ性といった特性を兼ね備えることは困難であった。
さらに、低エネルギー、低周波の振動も含めた広範囲の振動に対する制振システムとしては、粘弾性ダンパーと摩擦材ダンパーを組み合わせた機構(例えば、特許文献3−4を参照)や、種類の異なる粘弾性ダンパーを組み合わせた機構(例えば、特許文献5を参照)などが提案されている。これらは、いずれも設計時や施工時に複雑な工程、手間が必要となり、コストも高くなることが問題点として挙げられる。これらの問題を解決するものとして、本願の発明者は、既に、低コストで簡単形状の摩擦ダンパー用のライニングとして、大エネルギーの摺動に対し安定して高い摩擦係数(動摩擦係数)μと適度な耐摩耗性を有する熱硬化樹脂組成材(例えば、特許文献6を参照)を提案している。さらに、高周波から低周波の揺れに対して安定した摩擦係数と耐摩耗性、及び耐食性と耐ノイズ性を兼ね備えた摩擦材組成物(例えば、特許文献7を参照)を提案している。
特開平7−35183号公報 特開平8−283070号公報 特開平10−299284号公報 特開2004−100308号公報 特開2004−132415号公報 特開2005−29648号公報 特開2010−6957号公報 特開2009−210048号公報
熱硬化型樹脂製のライニング材は、地震などの高エネルギーの摺動及び強風などの低周波、低エネルギーの振動に対する摩擦材としては十分な特性、すなわち高く安定した摩擦係数、耐摩耗性及び耐食性を有している。しかし、中低層ビルや一般住宅においてはより高度の居住性確保のため、広範囲の周波数やエネルギーを有する振動に対してより確実にノイズの発生を抑制する必要があり、従来材ではまだ不十分である。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、地震時の揺れに対しても、また低周波、低エネルギーの揺れに対しても十分高く安定した摩擦係数、耐摩耗性、耐食性を持ちながら、広範囲の振動に対する耐ノイズ性、耐振動性を兼ね備えた摩擦ダンパー用ライニングを提供することにある。
各種繊維や酸化物を熱硬化樹脂で固めた摩擦材では、含有物の種類や量を変化させることにより摩擦係数、摩耗量及び耐ノイズ性を広範囲に変化させることができる。また、摩擦ダンパー用ライニングのノイズや振動の多くは、スティックスリップ(Stick-Slip)現象により発生している。このスティックスリップ現象は、滑り速度、材料の組み合わせの他に、摩擦材のバネ定数(すなわち、剛性率とライニング材とそれと接触する部材界面の摩擦係数特性)が大きく影響する。そこで、本願では、ライニングの剛性率を変化させたり、ライニングとそのライニングを埋設する構造物との摩擦係数特性を変化させたりして、ノイズや振動の発生を抑制できることに注目した。すなわち、本願の発明者らは、摩擦材の含有成分を調整すること、摩擦材にバックプレートを一体化させて剛性を大きくすること、さらにライニングとライニングが埋設されている構造体との界面の摩擦係数を小さくすることにより、広範囲なエネルギーや周波数の振動に対する耐ノイズ性の確保が可能であり、従来手法では必要となっていた設計・施工時の複雑な手間を大幅に省略できることを見出した。
すなわち、本発明は、建造物を構成する構造材の震動を摩擦材の摩擦力で制止する摩擦ダンパー用ライニングであって、前記摩擦材を補強する繊維材と、該摩擦材の摩擦力を調整する摩擦調整材と、該繊維材と該摩擦調整材とを結合する結合材とを含む摩擦材と、前記摩擦材が一体的に固着されるバックプレートと、を備え、前記結合材は、熱硬化性樹脂を含み、前記繊維材は、前記摩擦材に対し15体積%以上45体積%以下であり、前記摩擦調整材は、一又は複数種の固体潤滑材を前記摩擦材に対し5体積%以上25体積%以下含み、モース硬度7.5以下の硬質粒子を該摩擦材に対し2体積%以上15体積%以下含み、さらに該固体潤滑材と該硬質粒子の体積%比(固体潤滑材/硬質粒子)が0.5以上4.0以下であり、前記摩擦材は、前記バックプレートに対する厚みの比(摩擦材/バックプレート)が0.3以上4.0以下である。
このような摩擦ダンパー用ライニングであれば、地震時の揺れに対しても、また低周波、低エネルギーの揺れに対しても十分高く安定した摩擦係数、耐摩耗性、耐食性を持ちながら、広範囲の振動に対する耐ノイズ性、耐振動性を兼ね備えることができる。
また、前記固体潤滑材は、平均粒径が1μm以上100μm未満の粒子状のグラファイトを含むものであってもよい。この範囲外だと、潤滑効果が減少するからである。また、前記摩擦調整材は、融点または軟化点が600℃よりも高い組成物で構成されるものであってもよい。この範囲外だと、制震時に発生する熱により変性し得るからである。
また、前記バックプレートは、ビッカ−ス硬度110以上の鉄鋼材で構成されるものであってもよい。また、前記バックプレートは、前記摩擦材が固着される面の反対側の前記構造材と当接する面に、潤滑材が固着されるか或いは潤滑層が形成されるものであっても
よい。潤滑層があるとバックプレートと構造材との摩擦係数を低減できるからである。
地震などの大エネルギーの摺動に対しても、また、強風などの低エネルギー、低周波の振動に対しても十分高く安定した摩擦係数、耐摩耗性、耐食性を持ちながら、広範囲の振動に対する耐ノイズ性、耐振動性を兼ね備えた摩擦ダンパー用ライニングを提供することができる。
載荷試験機の概略構成図。 実施例と比較例の特性を比較した表(表1)。 実施例と比較例の特性を比較した表(表2)。 載荷試験での観測結果として、中板に対する摩擦材組成物の摩擦係数の変化を示すグラフ。 載荷試験での観測結果として、中板に対する摩擦材組成物の摩擦係数の変化を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態に係る摩擦ダンパー用ライニングについて説明する。なお、以下に説明する摩擦ダンパー用ライニングは、本発明の一実施態様であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施形態に係る摩擦ダンパー用ライニングの摩擦材は、繊維成分、摩擦調整成分、結合成分を含む。繊維成分としては、耐熱性有機繊維、セラミック繊維、ガラス繊維及び金属繊維を含む。
耐熱性有機繊維としては、アラミド繊維、アクリル繊維、ポリイミド繊維、フェノール繊維等が挙げられる。セラミック繊維としては、特に制限はないが、例えば、アルミナシリカ系繊維を用いるのが好ましい。ガラス繊維としては、特に制限はないが、例えば、平均粒径1μm以上200μm以下、長さ1μm以上5mm以下のものを用いるのが好ましい。金属繊維の組成成分としては、特に制限はないが、例えば、繊維径3μm以上300μm以下、繊維長0.5mm、ビッカース硬度500以下のCu合金系繊維又はFe系繊維を用いるのが好ましい。なお、平均粒径とは、体積平均粒子径のことであり、レーザー回析式粒度分布測定装置などで測定できる。
本実施形態に係る摩擦ダンパー用ライニングの摩擦材において、繊維成分の合計は、組成物全量に対し15体積%以上45体積%以下である。繊維成分の含有量を15体積%以上とすることにより、各成分の混合時に十分に高い均一性が確保されるようになる。また、繊維成分の含有量を45体積%以下とすることにより、組成物の成型時にひび割れが生じ難くなり、摩擦材の剪断強度が確保できる。
また、本実施形態に係る摩擦ダンパー用ライニングの摩擦材は、摩擦調整成分として、ZrO2、Fe23、MgO、SiO2等のモース硬度7.5以下の硬質粒子を1種又は2種以上、組成物全量に対し2体積%以上15体積%以下含む。硬質粒子の含有量を2体積%以上とすることで、当該硬質粒子を含有することによる摩擦作用の向上が有意に認められる。また、摩擦調整成分の含有量を15体積%以下にしておけば、摩擦材の相手部材に対する攻撃性が強くなりすぎることがない。
また、固体潤滑材にはグラファイト、MoS2、SnS等があり、これらのうち1種又
は2種以上を5体積%以上25体積%以下含む。固体潤滑材の含有量が5体積%未満の場
合は、潤滑効果がほとんど認められず耐ノイズ性、耐摩耗性の向上が得られない。一方、25体積%を超えると摩擦係数の低下が著しくなる。
なお、固体潤滑材には、平均粒径が1μm以上100μm未満のグラファイトを含むことが好ましい。ここで、グラファイトの平均粒径が1μm未満だと混合時の成分の均一性が乱れて潤滑効果が減少し、100μm以上では摺動中のグラファイトの脱落が多くなって潤滑効果が著しく減少する。
さらに、固体潤滑材の体積%とモース硬度7.5以下の硬質粒子との体積%の比(固体潤滑材/硬質粒子)は、0.5以上4.0以下であることが好ましい。体積比が0.5未満の場合は、耐ノイズ性が低下し、相手材への攻撃性が高くなり、4.0超の場合は摩擦係数が低すぎて十分な制振効果が得られない。
また、任意の摩擦調整成分として、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、カルシウム塩、焼成雲母等を混合してもよい。但し、摩擦係数の安定化向上のため、摩擦調整成分として融点または軟化点が600℃以下のものを含まないことが好ましい。
結合成分は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂又はこれらの変性樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂を、適宜組み合わせて使用することもできる。
また、本実施形態に係る摩擦ダンパー用ライニングは、上述した摩擦材を硬質のバックプレートに一体的に固着させることを特徴とする。硬質プレート材としては、金属、樹脂、セラミック等が挙げられるが、剛性、耐熱性、耐食性などから、Fe、Al、Mg、Ti、Cu等の金属及びその合金が望ましい。特に、コストと耐熱性を重視する場合は、ビッカ−ス硬度110以上の鉄鋼材が望ましい。硬度が110未満では大きな地震振動時にせん断変形し摩擦材が剥離する恐れがある。摩擦材とバックプレートの厚みの比は、0.3以上4.0以下である。4.0以上だとバックプレートを固着した効果が小さく剛性の向上代が少ない。また、0.3以下だと摩擦材の摩耗が激しくなり、摩擦材が剥離しやすくなる。
また、バックプレートの摩擦材が積層された面と反対側の面に潤滑層を固着することが望ましい。潤滑層としては、固体潤滑材のグラファイト、MoS2、BN、フッ素樹脂等
を含むものが望ましい。さらに、このバックプレートに固着する潤滑層の代わりに、バックプレート面と当該バックプレートを埋設するフレームとの界面に潤滑コーティングおよび潤滑材を含むプレート等の挿入により、摩擦係数の低下を図ることが望ましい。なお、上記潤滑層の厚みに特に制限はないが、潤滑層による界面の摩擦係数の低下の効果が、摩擦ダンパーの交換時期まで持続するような厚みであることが望ましい。
本実施形態に係る摩擦ダンパー用ライニングの摩擦材は、上記の各種成分(原料)をブレンダ等で混合し、得られた粉末状混合物を予備成型金型に入れて予備成型する。そして、その後、その予備成型物を熱成型金型に投入して加圧加熱成型し、さらに熱処理を行うことによって得られる。
なお、摩擦材組成物の予備成型、加圧加熱成型及び熱処理の条件について、特に制限はないが、熱成型時の温度は120℃〜250℃、最終の熱加圧は20MPa〜80MPa、加圧時間は100秒〜200秒とするのが好ましい。
また、使用開始当初の摩擦係数を安定化させるため、摩擦材の表面を加熱するいわゆる表面焼き処理を実施してもよい。
上記構成を採ることにより、摩擦ダンパー用ライニングとして好ましい以下の特性が得られる。すなわち、大エネルギーで高周波の振動に対しても、また、小エネルギーで低周波の振動に対しても、摩擦係数(動摩擦係数)μが高く安定しており、安定性が確保できる。さらに、摩耗量が少なく、耐食性が高い。また、適度の厚みを有する硬質バックプレートを積層したこと、さらにバックプレート界面の摩擦係数を制御することで、耐ノイズ性が厳しく要求される建築物で、広範囲の周波数の振動に対しても長期間にわたってノイズの発生を防止することが出来る。また、適度な剛性を有し、高い面圧に耐えられる。また、固体潤滑材と硬質粒子の体積比を制御することで、耐摩耗性と耐ノイズ性を一層高めることが出来る。
このような特性を有する本発明の摩擦材組成物を、例えば中高層構造物の制震用摩擦ダンパー装置の摩擦材組成物として用いた場合、地震などの高エネルギー、高周波の振動に対して必要な安定した摩擦係数(動摩擦係数)μを有し、適度な剛性を有し、高い面圧に耐え、大エネルギーの摺動に対しても摩耗量が少ない。さらに、強風時などの低エネルギー、低周波の振動に対しても十分な耐ノイズ性や耐振動性、安定した摩擦係数を有するため居住性にも優れる。また、製造法も簡便であり、製造コストも低いため、産業上非常に有益である。また、本発明のライニングは、制震用摩擦ダンパー装置の摩擦材以外の摺動用部材にも広く適用することができる。
以下、本発明の実施例を比較例とともに説明するが、本発明は下記に示す実施例に限定されるものではない。
有機繊維(商品名「ケブラー(登録商標)繊維」;デュポン社製)、セラミック繊維、金属繊維(銅繊維)、結合成分(フェノール樹脂)及び摩擦調整成分を適宜の配合率で配合し、摩擦材組成物を得た。
摩擦材の作製は、先ず原料をブレンダで十分均一に混合した後、粉末状混合物を予備成型金型に投入し、常温下、圧力約40MPaで約5秒間加圧し、予備成型物を形成した。次いで、鋼板から打ち抜きで作製したバックプレートと予備成型物を熱成型金型にセットし、加圧圧力50MPa、温度150℃で7分間熱成型した。これをさらに250℃で3時間加熱処理しダンパー用摩擦材組成物を得た。また、上部ガスバーナー式輻射型表面焼き装置によって、表面焼きを実施した。
次に、上記手順に従って作製されたライニング(摩擦材組成物+バックプレート)と、中板(摩擦材に接触する相手部材に相当)とを用いて、載荷試験を実施した。なお、バックプレート材は厚み6mmの通常の鉄鋼熱圧延材(HV=180)を使用した。ライニング材の厚みは10mmである。
〔載荷試験〕載荷試験には、図1に示すように、アクチュエータ1の駆動力によって中板2を高速及び低速で往復動させ、固定された試験片(サンプル)3に対して摺動させる機能を有する特殊載荷試験機10を使用した。試験条件は以下の通りである。なお、地震時と強風時の振動を想定して、低周波は0.01と0.1Hz、高周波は1Hz、3Hz、5Hzの計5種とした。
摩擦材:実施例、比較例
中板:ステンレス板(SUS304,6mm厚)
摩擦断面:140×70mm
平均面圧:16.2MPa
ボルト軸力:8.0トン
載荷周波数:0.01Hz、0.1Hz、1Hz、3Hz、5Hz、
載荷振幅:±5mm、±30mm
載荷波形:sin波
載荷回数:5サイクル×8回(高周波)、30サイクル(低周波)
測定項目:摩擦係数(動摩擦係数)μ・摩擦係数μの変化・摩耗量(試験前後の摩擦材の厚み変化量)
〔試験結果に基づく考察〕図2に示す表1および図3に示す表2には、ダンパー用ライニングとして、本発明の実施例であるサンプルと、その比較例であるサンプルとの間にみられる配合成分および特性の相違を示す。
表1において、符号「a」〜「i」は、本実施例にかかる摩擦材組成物のサンプル(実施例:繊維量、摩擦調整材の配合率が本発明の適用範囲内であるもの)である。また、符号「1」〜「6」は、比較例のサンプル(繊維量、摩擦調整成分および配合比等が本発明の適用範囲外であるもの)である。
なお、実施例及び比較例を含め、表1中の全てのサンプルは、平均粒径が45μmのグラファイトを使用し、融点または軟化点が600℃以下の摩擦調整成分(例えばカシューダスト等)を含まない。
表2において、符号「j」〜「k」は、本実施例にかかる摩擦材組成物のサンプル(グラファイトの粒径、バックプレートの硬度などが本発明の適用範囲内であるもの)である。また、符号「7」〜「11」は、比較例のサンプル(グラファイト平均粒径、バックプレート硬度、レジンダストの有無が本発明の適用範囲外であるもの)である。
また、図4には、表1中の2つのサンプルについて、上記試験における高速載荷試験機の作動中に観測された摩擦係数μの変化を示す。なお、図4(a)は実施例「c」、図4(b)は比較例「1」のサンプルに関するものであり、載荷周波数が0.1Hzで載荷振幅が±30mmの場合の摩擦係数μの変化を示す。図5は、前記同条件(0.1Hz、±30mm)でスティックスリップが生じ、ノイズが発生したときの摩擦係数μの変化を示す。
ここで、表1や表2に示す「摩擦係数μ」は、試験を実施した周波数の全サイクルの平均値である。また、「摩擦係数の安定性」は、図4に現れるような摩擦係数μの変動幅に基づいて判定した。具体的には、往動時及び復動時に観測された摩擦係数の変動幅が「0.05」未満であった場合、そのサンプルの摩擦係数μの安定性は「○」であると判定した。一方、往動時及び復動時に観測された摩擦係数μの変動幅が「0.05」以上であった場合、そのサンプルの摩擦係数μの安定性は「×」であると判定した。また、試験実施によるサンプルの摩耗量が「100μm」未満である場合にはそのサンプルの摩耗量は「小」であると判定し、摩耗量が「100μm」以上である場合にはそのサンプルの摩耗量は「大」であると判定した。
ノイズに関しては、試験したすべての載荷周波数でノイズ発生がない場合を「無し」とし、いずれかの周波数でノイズが発生したものは「×」とした。但し、ただ1つの周波数だけでノイズが確認され、かつそのノイズが途中で止んだもの、または途中でノイズの発生、停止を繰り返したものは「△」とした。
表1及び図4に示すように、実施例と比較例とを比べると、実施例はいずれも比較例に比べて摩擦係数が比較的高く、安定も高く、摩耗が少なく、耐ノイズ性も優れている。各比較例は、実施例に比べて摩擦係数μが低いか、その変動幅が大きいか、ノイズが発生し
ているか、または熱成形時に割れが発生している。
表2は、固体潤滑材のグラファイトの平均粒径が、本発明の適用範囲外であるサンプル(比較例9、平均粒径=250μm)と、本発明の適用範囲内である100μm以下のグラファイトを含むサンプル(実施例j、k、平均粒径=45μm)との比較結果を示している。また、表2は、低融点(または低軟化点)の摩擦調整成分を含有しないサンプル(実施例j)と、当該摩擦調整成分(レジンダスト)を含有するサンプル(比較例8、11)との間にみられる特性の相違を示している。また、表2は、バックプレートの硬度が本発明の範囲外である110以下の場合(比較例7,硬度=98)と、本発明の適用範囲内の場合(実施例j、硬度=180)との間にみられる特性の相違を示している。また、表2は、バックプレートが埋設される部材との界面に潤滑層が存在する場合(実施例k)と存在しない場合(比較例10)の間とにみられる特性の相違を示す。
表2に示すように、比較例の特性はいずれも摩擦係数の安定性、摩耗量または耐ノイズ性のいずれかが実施例に比べ劣っていることが判る。
1 アクチュエータ
2 中板(ステンレス板)
3 摩擦材組成物の試験片(サンプル)
10 載荷試験機

Claims (3)

  1. 建造物を構成する構造材の震動を摩擦材の摩擦力で制止する摩擦ダンパー用ライニングであって、
    前記摩擦材を補強する繊維材と、該摩擦材の摩擦力を調整する摩擦調整材と、該繊維材と該摩擦調整材とを結合する結合材とを含む摩擦材と、
    前記摩擦材が一体的に固着されるバックプレートと、を備え、
    前記結合材は、熱硬化性樹脂を含み、
    前記繊維材は、前記摩擦材に対し15体積%以上45体積%以下であり、
    前記摩擦調整材は、一又は複数種の固体潤滑材を前記摩擦材に対し5体積%以上25体積%以下含み、モース硬度7.5以下の硬質粒子を該摩擦材に対し2体積%以上15体積%以下含み、さらに該固体潤滑材と該硬質粒子の体積%比が0.5以上4.0以下であり、
    前記摩擦材は、前記バックプレートに対する厚みの比が0.3以上4.0以下であり、
    前記バックプレートは、ビッカ−ス硬度110以上の鉄鋼材で構成され、前記摩擦材が固着される面の反対側の前記摩擦ダンパー用ライニングが埋設される前記構造材と当接する面に、潤滑材が固着されるか或いは潤滑層が形成される、
    摩擦ダンパー用ライニング。
  2. 前記固体潤滑材は、平均粒径が1μm以上100μm未満の粒子状のグラファイトを含む、
    請求項1に記載の摩擦ダンパー用ライニング。
  3. 前記摩擦調整材は、融点または軟化点が600℃よりも高い組成物で構成される、
    請求項1または2に記載の摩擦ダンパー用ライニング。
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