JP5611928B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
これにより、条件1に設定された初期開度となるように膨張弁を制御した場合には、室内熱交換器の凍結を防止したり、また、室内熱交換器の凍結を予防するために運転と停止を繰り返す断続運転状態を回避したり、圧縮機の吐出温度の過度の上昇を防止することができる。また、条件2に設定された初期開度となるように膨張弁を制御した場合には、吸入圧力が高く吸入ガス密度の高い状態、つまり冷媒循環量の多い状態でも、吸入過熱度(吸入スーパーヒート)を十分に付けることができ、冷媒が液状態で圧縮機に戻り液圧縮などの要因で圧縮機の故障に至る可能性のある、いわゆる液バック状態に陥る可能性を抑えることができる。
これにより、条件5に設定された初期開度となるように膨張弁を制御した場合には、冷媒の過冷却度(サブクール)が付くことで必要な暖房性能を得ることができ、立ち上がりの室内機吹出し温度を十分に高くすることが可能となる。また、条件4に設定された初期開度となるように膨張弁を制御した場合には、冷媒による圧縮機の冷却効果で吐出温度の過度の上昇を抑えることがきる。
本実施の形態の空気調和機は、圧縮機1、四方弁7、室外熱交換器2、電子リニア膨張弁4、室内熱交換器5、アキュームレータ11等が冷媒配管15により順次に接続されて構成される冷媒回路16を備えている。また、空気調和機は、後述する複数のセンサーからの温度情報に基づいて、圧縮機1や電子リニア膨張弁4、室外用送風機3、室内用送風機6等のアクチュエータ類の制御を司る制御装置10を備えている。なお、制御装置10は、空気調和機の運転停止のときでも電源が入っている間、一定間隔で外気温度センサー8、室外配管温度センサー13a、13b、室内温度センサー9、室内配管温度センサー14a、14bによりそれぞれ検出される各部の温度を読み込んでいる。
図2は実施の形態に係る空気調和機の冷房運転開始時の動作を示すフローチャート、図3は横軸を外気温度および縦軸を室内吸込み温度として、図2の条件1、条件2および条件3を区画化して示すマップ図である。なお、図3に示す条件1及び条件2は、T1(第1の所定値)とTea=Tca−T2(第2の所定値)を閾値として分けられ、条件2及び条件3は、T1とTea=Tca−T3(第3の所定値)を閾値として分けられている。
Sj=220+C1×(Fj−C2) ・・・(1)
なお、ここで、Sjは電子リニア膨張弁4の起動開度のパルス、Fjは圧縮機1の起動周波数、C1およびC2は定数を表す。
Sj=120+C1×(Fj−C2) ・・・(2)
Sj=140+C1×(Fj−C2) ・・・(3)
前述した従来技術のように外気温度だけで判定した場合、電子リニア膨張弁4の初期開度を小さく設定するので、適正な循環冷媒量を確保できないが、本実施の形態では、適正な循環冷媒量を確保できる。これにより、蒸発圧力の過度の低下を防止することが可能になり、室内熱交換器5の凍結を防止したり、室内熱交換器5の凍結を予防するために運転と停止を繰り返す断続運転状態を回避することが可能になり、圧縮機1の吐出温度の過度の上昇を防止することができる。
前述した従来技術のように外気温度だけで判定した場合、電子リニア膨張弁4の初期開度を大きく設定するので、液バック状態に陥る可能性があるが、本実施の形態では、吸入圧力が高く吸入ガス密度の高い状態、つまり循環冷媒量の多い状態でも、吸入過熱度(吸入スーパーヒート)を十分に付けることができるようになり、そのため、冷媒が液状態で圧縮機1に戻り液圧縮などの要因で圧縮機1の故障に至る可能性のある、いわゆる液バック状態に陥る可能性を抑えることができる。
前述した従来技術のように外気温度だけで判定した場合、電子リニア膨張弁4の初期開度を小さく設定するので、適正な循環冷媒量を確保できないが、本実施の形態では、適正な循環冷媒量を確保できる。これにより、冬期にサーバールーム内で冷房運転を行っても、前述のような室内側熱交換器5の凍結予防のための断続運転を防止することができる。
図5は実施の形態に係る空気調和機の暖房運転開始時の動作を示すフローチャート、図6は横軸を外気温度および縦軸を室内吸込み温度として、図5の条件4および条件5を区画化して示すマップ図である。なお、図6に示す条件4及び条件5は、T4(第4の所定値)とTea=Tca−T5(第5の所定値)を閾値として分けられている。
Sj=157+C3×(Fj−C4) ・・・(4)
なお、ここで、C3およびC4は定数を表す。
Sj=167+C3×(Fj−C4) ・・・(5)
Claims (4)
- 少なくとも、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、膨張弁および室内熱交換器が冷媒配管により順次に接続されて構成される冷媒回路を有する空気調和機において、
前記室外熱交換器側に設けられ、外気温度を検出する外気温度センサーと、
前記室内熱交換器側に設けられ、室内吸込み温度を検出する室内温度センサーと、
冷房運転開始時の圧縮機起動時における前記膨張弁の初期開度を決定するための条件が少なくとも条件1および条件2として設定され、前記室内温度センサーにより検出された室内吸込み温度が第1の所定値より高いときに、当該室内吸込み温度が前記外気温度センサーにより検出された外気温度と第2の所定値との差分より低いときには、前記条件1を満たしているとして、当該条件1に設定された初期開度となるように前記膨張弁を制御し、前記室内吸込み温度が前記第1の所定値より高いときに、当該室内吸込み温度が前記差分より高く、かつ前記室内吸込み温度が前記外気温度と第3の所定値との差分より低いときには、前記条件2を満たしているとして、前記条件1のときの初期開度より小さい初期開度となるように前記膨張弁を制御する制御装置と
を備えたことを特徴とする空気調和機。 - 前記制御装置は、
冷房運転開始時の圧縮機起動時における前記膨張弁の初期開度を決定するための条件が条件1および条件2に加えて条件3が設定され、前記室内吸込み温度が前記外気温度と第3の所定値との差分以上のときに、前記条件3を満たしているとして、前記条件1のときの初期開度より小さく、かつ前記条件2のときの初期開度よりも大きい初期開度となるように前記膨張弁を制御することを特徴とする請求項1記載の空気調和機。 - 前記制御装置は、
前記室内吸込み温度が第1の所定値より低いとき、
あるいは前記室内吸込み温度が第1の所定値より高く、かつ当該室内吸込み温度が前記外気温度と第2の所定値との差分より低いときには、前記条件1を満たしていると判定することを特徴とする請求項1又は2記載の空気調和機。 - 暖房運転開始時の圧縮機起動時における前記膨張弁の初期開度を決定するための条件が少なくとも条件4および条件5として設定され、
前記制御装置は、
前記外気温度が第4の所定値より低いとき、
あるいは当該外気温度が第4の所定値より高く、かつ前記外気温度が前記室内吸込み温度と第5の所定値との差分より低いときには、前記条件5を満たしているとして、当該条件5に設定された初期開度となるように前記膨張弁の開度を制御し、
前記外気温度が前記差分より高いときには、前記条件4を満たしているとして、前記条件5のときの初期開度より大きい初期開度となるように前記膨張弁の開度を制御することを特徴とする請求項2又は3記載の空気調和機。
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