JP5611260B2 - 照明装置 - Google Patents

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本発明は、照明装置に関し、特に、液晶ディスプレイなどのバックライトとして使用される照明装置に関する。
近年、液晶ディスプレイ(LCD)の発展は目覚しく、携帯電話、デジタルカメラ、PDAなど様々な機器に使用されている。LCDの薄型化に対する要求は強く、さらなる薄型化にはバックライトユニットの薄型化が有効であり、精力的に研究がなされている。
これに関連して本願発明者は、下記特許文献1に、図8に示した構成の光ファイバを用いたバックライトを提案した。図8では、主要な構成要素のみを示しており、導光体の上部または下部に配置される出力カプラなどは省略している。図8に示したバックライトは、レーザーダイオード11の発光領域Lから放射されるレーザー光を、光ファイバ12によって光均一化部13まで伝送する。光均一化部13に入射したレーザー光は、空間的に拡散されて蛍光材料14に入射する。蛍光材料14は入射レーザー光から所定範囲の波長の光を生成し、生成された光は、導光体15によって平面状に伝搬され、出力カプラ(図示せず)を介して導光体15の表面から出力される。
特願2007−097563号明細書
しかし、図8に示したバックライトでは、光ファイバ12が光均一化部13に垂直に結合されているため、他の部品の実装に支障が出る問題がある。
また、レーザー光は位相が揃っているため、導光体の内部や出力カプラ等の構成要素により反射されて、定常的な干渉波が形成される。この干渉波は空間の決まった場所に輝度の濃淡パターンとして現れる。このパターンはランダムに発生するが、時間的には変化しない。このため、このパターンはザラザラとした斑点模様として目に見え、この斑点模様はスペックルと呼ばれる。スペックルは、光強度の強い、微小な領域の集合であるため、レーザー光を用いたバックライトでは、照明の均一性が劣化するという問題がある。
従って、本発明は、レーザー光を用いる照明装置において、光ファイバと導光体との結合部を小型化し、スペックルに起因する照明の均一性の劣化を防止することができる照明装置を提供することを目的とする。
本発明の目的は、以下の手段によって達成される。
即ち、本発明に係る第1の照明装置は、レーザー光を発生する光源と、前記レーザー光を伝送する光ファイバと、光を面状に伝搬させる導光体とを備え、前記光ファイバの一端が、前記レーザー光を前記光ファイバの側面から外部に取り出す光取出部を構成し、前記光ファイバから外部に取り出されたレーザー光が、前記導光体の入力部から前記導光体に入力するように、前記光取出部の長軸方向が前記入力部に沿って配置されていることを特徴としている。
前記光取出部は、前記光ファイバのコアの表面に形成された、前記光ファイバの軸に対して傾斜した方向の複数の溝、または、前記光ファイバのクラッドの一部を置換して配置された光の拡散材料を有することができる。
本発明に係る第2の照明装置は、レーザー光を発生する光源と、入力部から入力された光を面状に伝搬させる導光体と、前記光源から出力された前記レーザー光を、前記導光の入力部に伝送する光ファイバと、前記レーザー光の位相を時間的に変化させる位相変調手段とを備えることを特徴としている。
前記位相変調手段は、前記光ファイバに接触して配置された振動発生手段であることができる。
また、前記振動発生手段は、16kHz以上の超音波を発生することができる。
また、前記位相変調手段は、前記光源から前記導光の前記入力部までの前記レーザー光の光路中に配置され、印加される電圧に応じて液晶分子の配列方向を変化させる液晶素子であってもよい。
本発明によれば、光ファイバの側面から光を取り出すので、光ファイバを導光体の光入力部に沿わせて配置することができ、導光体の結合部を小型化することができる。従って、他の部品の実装に支障を生じない。例えば、厚さ100μmの導光体と外径100μmの光ファイバを用いれば、結合部の厚さを100μmにすることができる。
また、本発明によれば、レーザー光の位相を時間的に変化させるので、スペックルによる照明の均一性の劣化を抑制することができる。
以下、本発明に係る実施の形態を、添付した図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図である。本照明装置は、レーザー光を発生する光源1と、レーザー光を伝送する光ファイバ2と、蛍光材料3と、光を伝搬させる平板状の導光体4と、導光体4から光を取り出す平板状の出力カプラ5と、光ファイバ2に接触して配置された振動発生素子6とを備えて構成されている。
光源1は、例えばレーザーダイオードである。光ファイバ2は、外径が例えば100μm以下であり、一端の端面がレーザーダイオードの発光領域Lに近接して配置され、他端の側面が、蛍光材料3に近接して配置されている。蛍光材料3は、導光体4の端部に配置され、入射光に応じて所定範囲の波長の光を出力する。導光4の厚さは、例えば100μm以下である。出力カプラ5は、例えば、厚さが100μm以下のOPF(Optically Patterned Film)である。振動発生素子6は、約50Hz以上の周波数で機械的な振動を発生させる手段であり、例えば超音波発生素子である。これらは何れも公知であるので詳細説明を省略する。
図2は、光ファイバ2と導光体4との結合部分をより詳細に示す図であり、(a)は平面図、(b)はA−A’に沿った断面図である。光ファイバ2は、蛍光材料3に近接して配置される側の端部が、光ファイバ2からレーザー光を取り出すための光取出部7となっている。光取出部7は、一方の側面ではクラッド(被覆)およびコア(芯線)に複数の溝が、光ファイバの軸に対して傾斜した方向に形成されている。光取出部7は、溝が形成されていない側の側面を蛍光材料3に対向させて、配置されている。
図3は、光ファイバ2の光取出部7の一例を示す断面図である。光取出部7の溝の形状に関しては、様々に設計することが可能である。例えば、図3の(a)に示すように、傾き角度45oの斜面とすることができる。また、図3の(b)に示すように、光を拡散させるために、クラッド及びコアの一部を不定形の凸凹に削ってもよい。
次に、図1〜3に示した本実施の形態に係る照明装置の動作に関して説明する。本照明装置を動作させるには、電力供給手段(図示せず)から光源1および振動発生素子6に電力を供給する。これによって、光源1から所定波長のレーザー光が放射され、光ファイバが振動発生素子6によって振動を受ける。光源1から放射されたレーザー光は、光ファイバ2の内部を伝搬し、光取出部7に到達する。
光取出部7では、レーザー光が蛍光材料3側に出力される。例えば、光取出部7が図3の(a)のように形成されていれば、レーザー光は、各斜面で全反射されて蛍光材料3側に向かって、光ファイバ2の外部へ漏れ出す。あるいは、レーザー光は、ある斜面で屈折されて外部に漏れ出た後に、隣接する斜面から再び光ファイバ2のコア内に侵入し、更に隣接する別の斜面で全反射する等の光路を経て、蛍光材料3側に向かって、光ファイバ2の外部へ漏れ出す。
その後、レーザー光は蛍光材料3に入射し、一部または全ての光の波長が別の波長の光に変換される。例えば、青色レーザーダイオードを用い、青色のレーザー光が入射すると、白色光が得られるような蛍光材料を用いることができる。波長変換された光は、導光体4の端部(光の入力部)から導光体4の内部に侵入する。導光体4の内部を伝搬する光は、例えば図2の(b)に示したOPFのような形状をした出力カプラ5により、導光体4の外部へ取り出される。
このとき、光ファイバ2の内部では、振動発生素子6によって発生された音波(機械的振動)も伝搬される。従って、光ファイバ2の材料(コア)に密度が高い領域と低い領域とが周期的に形成される。この周期的な空間パターンは時間と共に変化するため、光ファイバ2を伝搬する光の位相遅れが時間的に変化する。その結果、様々な構成要素による反射光の干渉によって発生するスペックルのパターンも時間的に変化する。上記したように、振動発生素子6が発生する周波数は、約50Hz以上であるので、人の目ではスペックルの時間的変化は観察されないので、空間的に強度分布が均一な照明が得られる。
以上、実施の形態を用いて本発明を説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されず種々変更して実施することが可能である。
例えば、光取出部は、図3の(a)、(b)のように光ファイバ2に溝を形成した構成に限定されず、レーザー光を光ファイバの側面から取り出すことができる手段であればよく、例えば、光ファイバ2のクラッドの一部を光の拡散材料で置換した構成としてもよい。
また、蛍光材料はレーザー光源を波長変換することにより白色光を得ることを主な目的としているため、蛍光材料が配置される場所は光ファイバと導光体との間に限定されるわけではなく、光源と光ファイバの間であってもよい。
また、照明装置の用途によっては、蛍光材料を備えずに、光ファイバで伝送されたレーザー光をそのまま導光体に入力してもよい。この場合は、単色光の照明装置となる。蛍光材料を備えずに、白色の照明装置を構成することもできる。これは、例えば青、緑、赤色の光をそれぞれ出力する3種類のレーザーダイオードを用いて、それぞれの出力光を1本の光ファイバに入力することにより実現される。このための光学素子としては、光通信や光配線などの分野で一般に用いられている光導波路の技術を適用すればよい。あるいは、個々のレーザーダイオードに対応して、光取出部を設けた光ファイバ3本を備え、それぞれの光取出部が導光体の光入力部に対向するように配置してもよい。
また、光取出部の配置は図1の配置に限定されず、光取出部は蛍光材料の形状に沿って配置されていればよい。蛍光材料を備えていない照明装置の場合には、光取出部は導光体の光入力部に沿って配置されていればよい。
また、上記で説明した振動発生素子6の代わりに、液晶素子を用い、これに印加する電圧を時間と共に変化させてもよい。液晶素子を用いた構成の一例を図4に示す。液晶素子8に印加する電圧を時間的に変化させることにより、液晶層を通過したレーザー光の位相を変調させることができる。その結果、様々な構成要素による反射光の干渉波であるスペックルが時間的に変化することになる。従って、時間変化の周波数を所定値以上に高く設定すれば、即ち約50Hz以上に設定すれば、人の目ではスペックルの時間的変化は観察されないので、空間的に強度分布が均一な照明が得られる。図4では、光源1と光ファイバ2の端面との間に、液晶素子8を挿入しているが、これに限定されず、光源から出力されたレーザー光が導光体に入力するまでの光路中であれば、任意の場所に配置することができる。例えば、光ファイバ2の光取出部7と蛍光材料3との間に液晶素子を配置してもよく、複数の光ファイバを直列に経由させる場合には、2本の光ファイバの間に液晶素子を配置してもよい。
液晶素子としては、種々の構成のものを採用することができる。例えば、図5に示す3種類の構成を利用することができる。図5の(a)〜(c)はそれぞれ、高分子分散型液晶(Polymer-Dispersed Liquid Crystal)、液晶位相回折素子(Liquid Crystal Phase Grating)、液晶レンズと呼ばれる。(a)〜(c)の各々において、上側の図は電圧が0Vの状態、下側の図は0V以外の所定の電圧を印加した状態を模式的に示している。図5(a)のPDLCにおいては、ポリマー領域と液晶(LC)領域が分離されている。この素子に入射した光は、これらの領域の屈折率が一致する場合には透過し、一致しない場合には散乱される。図5(b)のLCPGの例では、透明電極ITOを櫛歯状に形成し、電圧無印加時には液晶分子が透明基板に垂直に配向する。このとき、LCPGに入射する光はそのまま透過する。電極に電圧を印加すると、電極間の領域に基板に水平な方向へ電界が形成され、この領域の液晶分子は基板に水平に配向する。その結果、LCPGへ入射する光には周期的な位相遅れが生じるので、回折公式で決まる様々な方向へ回折光が発生する。図5(c)の液晶レンズの例では、液晶領域とポリマー領域の屈折率の一致又は不一致に応じて、素子に入射する光が透過する状態と屈折する状態とが切り換わる。このように、いずれの構成の液晶素子においても、液晶層を挟む透明電極ITOに印加する電圧に応じて液晶分子LCの配列方向が変化し、液晶層を伝搬する光の伝搬方向や位相の遅れが変化する。
また、振動発生素子を使用する場合、単一の周波数を発生する素子に限定されず、複数の周波数を混在させて発生させてもよい。さらに、不要な騒音を防止するために、人の可聴周波数以外の周波数の振動を発生させることが望ましい。従って、低周波数の超音波ではスペックルのパターンの時間的変化が視認可能であることをも考慮すると、16kHz以上の周波数の振動を発生させる超音波発生素子を使用することが望ましく、20kHz以上の周波数の振動を発生させることがより望ましい。
また、上記した振動発生素子または液晶素子によって、スペックルの視認性を抑制する方法は、図8に示したバックライトなどの従来の照明装置にも適用することが可能であり、その場合にもスペックルによる照明の均一性の劣化を防止することができる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確に示す。
レーザーダイオード(出力波長532nm)、外径が500μmのプラスチック光ファイバ、導光(厚さ0.95mm)及びOPFを、図1と同様に設置して照明装置を試作した。但し、蛍光材料は使用しなかった。光ファイバの端部の所定領域のクラッド及びこれに接するコアの表面を切削して光取出部を形成した。振動発生素子には、超音波発生素子(PU−2202、株式会社イーケージャパン製)を用い、超音波出力部を光ファイバのクラッドに密着させて配置した。
実験室の室内灯を消し、光取出部を形成しなかった側の光ファイバの端部からレーザーダイオードの出力光(波長532nm)を入射させた結果を図6及び図7に示す。図6及び図7はそれぞれ、超音波発生素子の電源をオン、オフした状態の写真である。これらの図から、何れの場合にも、光ファイバに形成した光取出部によって光ファイバから光が取り出され(図6、7の左上部分参照)、その光が導光体及びOPFによって面状に放射されていることが分かる。また、超音波発生素子の電源をオンした状態(図6)では、超音波発生素子の電源をオフした状態(図7)よりも光の強度分布が滑らかであり、スペックルが軽減され、より均一な照明になっていることが分かる。
本発明の実施の形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図である。 図1に示した照明装置の光ファイバと導光体との結合部を示す図であり、(a)は平面図、(b)はA−A’に沿った断面図である。 光ファイバの光取出部の一例を示す断面図であり、(a)は45oの斜面を形成した例、(b)は不定形の凸凹を形成した例を示す。 振動発生素子の代わりに液晶素子を用いた照明装置の構成の一例を示す図である。 液晶素子の各種の構成及びその動作を示す図であり、(a)は高分子分散型液晶、(b)は液晶位相回折素子、(c)は液晶レンズを示す。 本発明の実験例を示す図であり、超音波発生素子の電源をオンした状態で、レーザーダイオードからレーザー光を供給した場合を示す写真である。 本発明の実験例を示す図であり、超音波発生素子の電源をオフした状態で、レーザーダイオードからレーザー光を供給した場合を示す写真である。 本願発明者によって提案された光ファイバを用いたバックライトを示す斜視図である。
1 光源
2 光ファイバ
3 蛍光材料
4 導光体
5 出力カプラ
6 振動発生素子
7 光取出部
8 液晶素子

Claims (3)

  1. レーザー光を発生する光源と、
    入力部から入力された光を面状に伝搬させる導光体と、
    前記光源から出力された前記レーザー光を、前記導光体の入力部に伝送する光ファイバと、
    前記レーザー光の位相を時間的に変化させる位相変調手段とを備え
    前記位相変調手段が、前記光ファイバに接触して配置された振動発生手段であることを特徴とする照明装置。
  2. 前記振動発生手段が、16kHz以上の超音波を発生することを特徴とする請求項に記載の照明装置。
  3. レーザー光を発生する光源と、
    入力部から入力された光を面状に伝搬させる導光体と、
    前記光源から出力された前記レーザー光を、前記導光体の入力部に伝送する光ファイバと、
    前記レーザー光の位相を時間的に変化させる位相変調手段とを備え、
    前記位相変調手段が、前記光源から前記導光体の前記入力部までの前記レーザー光の光路中に配置され、印加される電圧に応じて液晶分子の配列方向を変化させる液晶素子であることを特徴とする照明装置。
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