JP5611041B2 - 高効率低損失noからno2への転換装置 - Google Patents

高効率低損失noからno2への転換装置 Download PDF

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Description

本出願は2007年9月4日に提出された米国特許仮出願60/967,552号に基づいて優先権を主張する、2007年10月25日に提出された米国特許出願11/924,328号に基づいて優先権を主張する、2008年8月18日に提出された米国特許出願12/193,353号に基づいて優先権を主張するものである。これらのすべての開示内容は本願にあらゆる目的に対して参照して組み込まれるものとする。
本発明はNOからNO2へのコンバータを含む高効率低損失NOからNO2への触媒コンバータ及びその製法に関する。
呼吸の中のNO検出は気道炎症(及びその他の組織炎症、免疫性応答、及びその他の条件)の為のマーカーとして立証されたものである。それ故に、吐き出された呼吸気のパラメータとしてのNO、例えば呼気酸化窒素(FeNO)測定の能力は診断、監視、及び喘息及びその他の疾患の監督治療用の有用なツールである。例えば米国特許6010459”Method and apparatus for the measurement of components of exhaled breath in humans”(本願にあらゆる目的に対して参照して組み込まれるものとする)を参照。しかし医学用呼吸解析応用の為のNO測定用の医学システムには一般的にカプノグラフ(capnograph)に関すると同じ限定、即ち高価、高重量、及び複雑さがある。
医学的呼吸解析応用の為には数々の異なるNO感知技術がある。レーザ検知に於いては、レーザがNOによって選択的に吸収される周波数に同調される。ガスによる吸収の程度がNO濃度に関係するので、光検出器が次いでサンプルコラムを通過するレーザ透過を検出する。NOは化学発光及びその他の光学的検出法のような方法によっても検出される。例えば、米国特許6038913”Device for determining the level of NO in exhaled air”;米国公開特許出願2003−0134427”Method and apparatus for determining gas concentration”;及び米国公開特許出願2004−0017570”Device and system for the quantification of breath gases”を参照。これらのすべての開示内容は本願にあらゆる目的に対して参照して組み込まれるものとする。しかし、従来の各NO検出方法は用具は低価な患者携帯用として大きさ、重量、価格、及び/或は操作の複雑さの面で制限がある。
此処に供されるのは検出器の中に使用可能な改良された触媒コンバータである。種々の実施例によるコンバータは触媒(例えばPt,Pd及びRh)のナノ粒子薄膜で形状適合的にコーティングされた高表面面積触媒支持体を含むものである。膜は連続的なものであり、触媒支持表面区域の有効的使用と触媒物質の有効的使用とを供するものである。形状適合的で完全なコーティングとして、触媒膜は触媒支持体の種の吸収を障碍するものである。コンバータはまたコンバータ内の化学種の減量の最小化を提供するものである。コンバータは従来のコンバータに比してより高い酸化効率を供し、或る実施例に於いては反応の化学量論的比率に近接する。更に提供されるものは支持体へのPt及びその他の触媒の原子層堆積に関連する触媒コンバータの新規な製法及びNOからNO2への触媒転換と関連するサンプル内のNO感知の方法と装置である。
本発明の一形態は、後の測定のためにサンプル中のNOをNO 2 へ転換する装置であって、
(a)導管であって、連通順に、(i)その導管の中を流すに十分な入力圧力のもとにサンプルを受け取るように構成された入口部と、(ii)転換部と、(iii)転換の後に前記サンプルを排出するように構成された出口部と、を含む導管、及び
(b)前記転換部内に設けられ、ナノ規模次元で連続的なナノ粒子充填金属触媒膜で形状適合的にコーティングされたキャリヤ物質を含む転換物質と、
を備え、
前記転換物質は、NOをNO 2 へ転換するように構成されている。
(1)本発明の第1の形態では、前記転換装置は、更に、
前記導管に隣接して配置された加熱機構であって、前記転換部を選択された高温に維持するように構成された加熱機構を備え、
前記加熱機構は、加熱要素と、前記加熱要素及び前記導管の少なくとも前記転換部と効果的な熱伝導関係にある導熱体とを有し、
前記導管は、更に、前記転換部の上流側に配置されて前記加熱機構と連絡するように設けられた予備加熱領域を有し、前記予備加熱領域を流通中に前記サンプルが所定の温度上昇するように構成されており、
前記加熱機構が、更に、前記転換部の中を100℃と300℃の間の所定の温度に維持するように構成されたフィードバック温度センサと制御回路とを有する。
(2)本発明の第2の形態では、前記転換装置は、更に、前記キャリヤ物質、又は、前記触媒膜と前記キャリヤ物質との間に位置される中間層で構成された加熱要素を有する。
(3)本発明の第3の形態では、前記キャリヤ物質は、外部回路と電気的に連結する金属ワイヤーを含む。
(4)本発明の第4の形態では、前記触媒膜との一個以上の電気的接触端子を備える。
(5)本発明の第5の形態では、前記キャリヤ物質は、下地層の中の微小チャンネルを有し、前記触媒膜は、前記微小チャンネルを形状適合的にコーティングするものである。
本発明に関し一酸化窒素の二酸化窒素への高効率低損失触媒転換(NO−NO2)用に構成(この例に於いて)された触媒コンバータの実施例を示す図である。 種々の実施例に於いて使用されてよい触媒支持体の形態の例を示す図である。 繊維状マトリクスと触媒膜との間に中間層が位置された繊維状触媒コンバータの一部の実施例を示す図である。 触媒膜への電気的連結を有する触媒コンバータの実施例を示す図である。 或る実施例による触媒コンバータの製法の中の或る工程を示すフロー図である。 湿式化学工程で石英綿上に堆積されたPtの画像である図である。 湿式化学工程で石英綿上に堆積されたPtの画像である図である。 湿式化学工程で石英綿上に堆積されたPtの画像である図である。 湿式化学工程で石英綿上に堆積されたPtの画像である図である。 原子層堆積工程で石英綿上に堆積されたPtの画像である図である。 原子層堆積工程で石英綿上に堆積されたPtの画像である図である。 連続的薄膜触媒物質でコーティングされる前後の繊維状触媒コンバータマトリクスを示す図である。 本発明の実施例の工程及び電子供与性(NH3)及び電子求引性(NO2)種のナノチューブ電界効果トランジスタ(NTFET)装置特性への効果を示す図である。 PEIポリマー認識層を含む本発明実施例の典型的NTFETの四回の異なる濃度のNO2ガスへの短時間露出への応答を示す図である。 米国特許6733463から引用された呼気中のNOの呼吸速度への依存性を示す図である。 患者の呼気中のNOの部分組成プロファイルを示す典型的な図である。
一面に於いて本発明はNOからNO2へ転換する触媒コンバータに関する。室温及び圧力に於ける酸素を含む環境(例えば空気)にあって、一酸化窒素(NO)は終局的に二酸化窒素(NO2)になる。この反応は何時間或は何日もかかることがある。高温に於いてこれは加速することが出来るが、それでも何分或は何時間とかかるものである。
NOを転換及び/或は破壊する数々の異なる工業的応用がある。一般的にこれらの応用に於ける終局の目的はNOX化合物全体の除去であり、それはこれら化合物が有害及び/或は汚染物質だからである。このような工業的応用に於いて、NOはNO2に、NO2は更にN2及びO2に転換され、典型的にはこれらNOやNO2が一部紛失しようが破壊されようが、それが終局的な目的なので無関係である。
工業に於いてNOからNO2へ、更にN2及びO2へとの転換に使用されるPt触媒の例は典型的な自動車の触媒コンバータ及びその他の汚染制御に使用のコンバータである。これらは一般的に触媒のウオッシュコート付きのセラミックのマトリクスで出来たものである。典型的な三元触媒コンバータはPt,Pd及びRhを含むものでよい。これらのコンバータのセラミックマトリクスはNOを吸収し、NO濃度を正味的に擦り降ろすものである。しかし、これらのコンバータは減量が高く、反応物質或は生成物質の多くはコンバータの上に吸収されてしまう。目的が排出の浄化である自動車及びその他の応用面では好適ながら、これらのコンバータはサンプルの定量解析には使用不可能である。しかも、現在の技術は高処理量/流通/濃度への応用に向けられて居る。
NOからNO2へ転換する別の方法にはオゾン(O3)との反応がある。この方法は転換効率が高いが、オゾン生成を必要とするのみか、反応に過剰のオゾンを必要とするため、転換完了の後に残余オゾンを洗い落とす必要がある。過剰オゾンが必要となるのは100%の転換効率を達成するための実際的な動力学的立場によるものである。これにより転換工程はより複雑なものとなり、オゾンによる危険の可能性も生じる。
此処に記述される触媒コンバータはPt或はその他の触媒物質が形状適合的にコーティングされたマトリクス或は下地層を含むものである。一例に於いて、マトリクスの露出が僅少であるように石英綿が形状適合的にPtでコーティングされる。触媒のコーティングは反応物質及び生成物質分子(例えばNO及びNO2)の下地マトリクスとの接触が最小化されるようにナノ規模の次元で形状適合的及び連続的である。
顕微鏡的に、従来例のコンバータに於ける触媒は下地層の表面を露出させた”島”を形成するものである。これらの島はその内部質量が活性面として使用不可能であるから、触媒容量に対する活性面面積の観点から効率的に悪いものである。下地層は触媒を支持するものであり、典型的には多孔性として表面積を増加させてある。従来例のコンバータはこうして反応活性エネルギを低下するのに必要な露出された部位を提供するものではあるが、NO及びその他の反応物質/生成物質を吸収或いは下地層とのその他の反応によって消失させてしまうものである。
それと対照的に、此処に記述されるコンバータは顕微鏡的に連続的であり、ナノ粒子が密に充填されており、支持マトリクスがNOやNO2の分子に露出しないような触媒薄膜を有する。ナノ粒子は下地層の多孔性によることなしに大きな表面積を供するものである。
その結果、此処に記述されるコンバータは4%、2%、そして或る実施例に於いては総NOX種について0%に近い低消失率を有する。NOからNO2への転換効率も高く、即ち少なくとも80%、90%、96%、98%、そして或る実施例に於いては100%に近い。
転換効率の考えが反応に於いて質量バランス方程式の右側に移行する程度を把握するのに使用される。効率は得られる反応生成物の量を質量バランス方程式から予期される反応生成で割った比である。
此処で使用される効率とは望まれる生成物、この実施例ではNO2へ転換されたNO(或いはその他の反応物質)の量に関することである。この実施例に於いて、NOモル数の完全、即ち効率100%の転換とは残余NOモル数が無くて同じモル数のNO2を得ることである。
生成流の中で測定されたものとして:転換効率=[NO2_out]/[NO_in+NO2_in](モル数で)。
此処で使用される用語としての減量とはコンバータの中で吸収或いはその他で消失される生成物に関することである。NOからNO2への転換の場合、[(NO)in−(NO2+NO)out]/(NO)inによって測定される。反応物質や生成物質を吸収する触媒コンバータは効率が高いが減量も高い。
図1は本発明を具現して高効率低損失の一酸化窒素の二酸化窒素への転換(NO─NO2)用として構成された(この例の場合)触媒コンバータ100を示す。コンバータ100は連結順に次のものを含む導管101及び転換部に位置される転換物質105を有する:(i)導管内に流れを誘発するのに十分な入力圧力のもとに呼吸サンプルを受けるように構成された入口部102;(ii)転換部103;及び(iii)転換の後に呼吸サンプルを排出するように構成された出口部104。転換物質はNOからNO2への転換を促進する活性物資(例えば触媒)及び呼吸サンプルに接触する活性物質を支持するように構成されたキャリヤ物質或いはマトリクスであってよい。
この例に於いてはエネルギ障害を低下させ、それによって或る条件下で反応率を増加させる触媒としてPtのような触媒が使用されてよい。Pd及びRhのような代行的或いは追加的触媒も含まれてよい。本実施例はプラチナ金属の酸化状態及び物理的形態を転換効率と安定性の最適化に提供するものとする。
マトリクスは触媒の支持に好適であり、Pt及びその他の触媒と好適に結合し、表面積が大きくて反応部位を提供する。或る実施例に於けるマトリクス物質は反応物質や生成物質に不活性であり、従って逆転換や反応物質或いはマトリクスとの生成物の化学的或いは物理的吸収或いはその他の反応は起こらない。物質の例には例えばビーズやワイヤの形態の石英、ダイヤモンド、アルミナ、シリカ、ガラス及びタングステンのような比較的不活性金属が含まれる。上記の如く、或る実施例に於いてPt或いはその他の触媒は完全にマトリクスを覆い、ガス状反応物質及び生成物質に露出されるマトリクスの表面積は無視できる程度或いは実質上ゼロである。このような場合、マトリクス物質のNO、NO2或いはその他のガス状成分との反応の可能性は物質が成分に接触しないので意義が少ない。或る実施例に於いて、マトリクスの表面は平滑で連続的な膜を支持するために欠陥が殆ど皆無で非常に平滑である。石英ガラスのような均一なグレイン構造を持った表面が平滑で連続性の触媒膜の堆積に好適である。堆積に好適な表面を形成するその他の物資にはガラス、アルミナ及びバッキー紙がある。
或る実施例に於いて、物理的に触媒物質の支持に加えてマトリクスには例えば加熱要素として、或いは湿気条件での操作で疎水性特性を提供するためのような他の追加的機能がある。これらについて以下記述される。
Ptの大きな表面積を達成するため、ある実施例にはウール状の繊維状物質(例えば繊維直径が約6から約15ミクロンの範囲の石英綿)のようなキャリヤ物質の上に堆積された触媒物質(例えばPt粒子)が含まれる。高純度、高質の石英綿は吸収がなく、ppbのレベルの濃度でNOを通過させることが見いだされている。このことは高精度での低程度の検出が要求される応用に重要である。
マトリクス形状は必要とされる表面積及び幾何学的或いはその他の応用面での特種条件に左右される。或る実施例に於いては石英綿のような繊維状構成体が使用される。石英ガラス綿はWale Apparatus Co.,Inc.,(Hellertown,PA)から入手可能である。その他の実施例に於いて、バッキー紙の繊維状構成が触媒コンバータマトリクス物質として使用される。下記される如く、本発明はウールのような複雑なマトリクス形状をも含めてのマトリクスを触媒で形状適合的にコーティングし、それによって此処に記述される低損失コンバータを可能とする工程を含むものである。
Pt及び他の触媒は典型的に約5−20nmの間、更に詳細的には10−15nmの厚さ、即ち触媒がサンプルの流速に影響しない厚さ(例えば10μm繊維上で10nm)に堆積される。
呼吸解析用に構成された一実施例のコンバータに於いて、少量のPtが石英綿の上に堆積され、一個以上の適宜な囲い(例えば石英チューブ、ホウケイ酸塩ガラス、PTFE、及びそのような不活性チューブ)の中へルースに詰められる。一例に於いて、総量約0.2−0.4gのウール及びPtが長さ約10インチで内径約1/8−1/4”のチューブに入れられた。ウールはチューブの長さの約1−2インチを占めるように調節され、一端から約1/4の所に位置された。この代わりに、例えば石英或いはSiO2から成るメッシュのような別のマトリクスを下地層として使用することが出来る。
或る実施例に於いて、マトリクスは例えばウールのような変形可能な物質であり、触媒はコンバータ導管の中に詰め込まれ形成される前に堆積されてもよい。その他の実施例に於いて、マトリクスは通常運転温度で固定される構成である。図2Aはマトリクスやキャリヤ物質がとり得る種々の形態の例を示すものである。201には圧縮され(図に示される如く)或いは拡張されてコンバータのハウジングに合うように形成された繊維状構成体が示されている。203に示されるのは固定された構成体であり、この場合触媒が形状適合的にコーティングされた微小チャンネル205を有するウエハ或いは下地層203である。下記の如く、或る実施例に於いて、触媒は例えば原子層堆積により直接微小チャンネル内に堆積される。微小チャンネルを有する下地層は堆積前にコンバータのハウジングに連結或はその一部とされてよく、これによって製造工程が簡素化される。マトリクス構成体のその他の例にはチャンネルを含む円板、格子体、メッシュ、蜂巣体、チューブ、及び応用のために必要とされるガス流路用表面積を有するその他の構成体が含まれるが、これらに限定されるものではない。
或る実施例に於いて、マトリクスは例えば多孔性及び欠陥を減少して触媒堆積用表面としての改善のためコーティング或いはその他の改変が行われる。図2Bは中間層223が繊維221と触媒225の間に位置された繊維状マトリクスの中の単一の繊維を示すものである。(図は説明の目的のものであり、スケール通りに描かれたものではないことに留意されたい。上記の如く繊維は典型的にミクロン規模のものであり、触媒層はナノメートル規模である。)例えば一実施例に於いて、ガラスウールが触媒堆積前にジルコニアでコーティングされる。コーティングのないガラスウールは多孔性であり、NO2と高度の活性を有する。例えば原子層堆積によって準備されたコーティング表面によって、表面積を大きく維持したまま不活性面を得ることが出来る。種々の実施例に於いて、表面はジルコニア、アルミナ、窒化珪素或いは二酸化珪素のような物質によって改変することが出来る。
疎水性特徴を付与するために中間層が使用されてもよい。或る応用によっては高湿条件のもとでの連続的運行が要求される。或る実施例に於いては疎水性特徴を有する中間層が供される。疎水性特徴を有する中間層の例にはジルコニア、アルミナ、窒化珪素などが含まれる。(もし触媒を保持するのに十分であるならば、これらの物質は場合によってはマトリクス物質として使用されてもよい。)下記の如く、熱的に伝導性のある中間層は加熱要素としても使用されてよい。或る実施例に於いて、マトリクスと触媒の間に複数の中間層が位置されてもよい。例えば金属中間層がマトリクスの上で加熱用、第二の中間層が金属中間層の上で平滑な非多孔性堆積面を供するものである。
触媒への電気的連結
或る実施例に於いて、触媒コンバータは触媒への電気的連結を含む。従来例の触媒コンバータと異なり、此処に記述する方法では連続的均一的な触媒膜の堆積ができる。粒子はすべて連結しているので触媒への外部からの電気的接触が可能である。図3に電気的接触を有する触媒コンバータ301の断面図が示されている。例えば石英から成る触媒支持体303がPt或いはその他の触媒305の連続的な膜を支持している。電気的接点307が触媒との接触を供する。電気的接触は触媒の清浄度及びコンバータの性能の指標として使用可能である触媒に亘る導電率の監視に使用されてもよい。更に、この接触により触媒の熱的でなくて電気的な再生が可能となる。
図3の触媒コンバータはチューブ内面に触媒の連続的な層が堆積された構成のチュープを有する触媒支持体を示すものであることに留意されたい。連続的な触媒膜がある限り、どのような構成の触媒でも図3に示されるように電気的に接続が成される。電気的接触を維持するために、図2Aに於いて203に示されるような固定構成体は特に有用である。或る実施例に於いて、もし触媒に電気的に隔離された領域があるならば、複数の接触がなされても良い。例えば各々が他のチューブ内の触媒から隔離された触媒の連続的膜の層を含むチュープの配列は触媒層の間に電気的接触が含まれて良く、或は各々の触媒層が外部電気源への個別の接触から成ってもよい。
加熱要素
任意的に転換装置は最善の結果を得る運転温度が維持されるように温度調節機構を含むものでよい。図1に示される転換装置実施例100は加熱機構が導管に近接して配置され、転換領域を選択された高温に維持するように構成されている。一例に於いて、加熱機構は加熱要素106と、効果的に加熱要素及び少なくとも導管101の転換領域103と熱伝達関係にある導熱体107とを含む。実施例の導管は更に順番に転換領域の上流側に位置されて加熱機構と連絡する予備加熱領域108を有してよく、これでこの予備加熱領域を流通する間にサンプルに選択された高温が供される。実施例の加熱機構は更にフィードバック温度センサ109及び選択された温度を転換領域に維持するように構成された制御回路(図示せず)から成るものでよい。任意的に、コンバータは断熱物質或はジャケット110で覆われてもよい。
一例に於いて、チューブがヒータ内部に活性加熱長が6─8インチとなるように位置され、ウールは活性加熱面積の一端に位置される。サンプルガスは触媒からこのチューブの中へ他端を通じて導入されるのでPtでコーティングされたウールに達する前に加熱された領域を通過する。サンプルの流動は例えば100─500sccm,150─500sccm,或は200─500sccmの定速であってよい。
NOからNO2への転換は、転換が十分高速であるような高さになるように選択された温度プロファイルであり、かつ、ガスの熱力学的特性が転換を最大化する(例えばNO→NO2反応の逆転換の平衡速度が最小化される)ような低さになるように選択された温度プロファイル(例えば平均温度)である。一実施例に於いて、転換は室温(約22℃)と約350℃の間の範囲、好適には約100℃から約250℃の間の範囲で起こる。一般的に高温であれば高速の転換が促進されるが、動力、安全性及び価格の面で望ましいことでないかもしれない。
図1の例に於いて、サンプルチューブは制御可能な電気ヒータのカートリッジカートリッジを含む導熱体(例えばアルミニウム)で包まれて居る。任意的にこの温度を測定しカートリッジのフィードバック制御の為に使用されるように温度センサ(例えばサーミスタ或はそれと同様なもの)チューブに隣接して置かれてもよい。触媒領域の前の加熱されたチューブは流入するサンプルガス(図に於いて左から右へ流れるように示されている)を選択された転換温度に暖めるための熱交換器として機能する。触媒(例えば石英綿の上のPt)はサンプル内のNOガスが容易に触媒と反応出来るように大きな表面積を持つ領域を供するものである。この実施例ではサンプルの流動につれての圧力低下が小さいものであり、従ってガスのコンバータ通過にあまりエネルギを要さない。チューブの直径及び流速はコンバータ内のサンプル露出時間(一例で約0.5─1秒)を決定するように選択される。不活性物質によってNOXの減量が最小化され、転換の効率的であることが保証される。滞留時間は例えばマイクロ秒或はそれ以下の程度のように実質的に更に低くてよい。例えば、150cc/min,1/4インチ内径チューブ、2インチコンバータ、滞留時間は10ms以下である。
別の実施例に於いては、マトリクス自身或はその上の導熱コーティングが加熱要素として機能する。タングステン、ニッケル、モリブデンなどのような相対的に非活性金属が図2Bの223で示される中間層のような支持体の上に形状適合的に堆積される。タングステンはその後触媒用の加熱要素として使用される。別の実施例に於いては、例えばニッケル、タングステン、モリブデンで出来た導熱マトリクスが加熱要素としてのみでなく、触媒用支持体として機能する。
上記に於ける触媒コンバータでは主としてPt触媒及びNOからNO2への触媒コンバータについて言及されたものであるが、代行的実施例として追加的或はその他の触媒(例えばRh,Pd及びそれと同様のもの、及びこれらの或はPtとの合金及び混合物)。同様に、上記の実施例は触媒反応によるその他のガスの転換(例えばCO─CO2など)に使用されてもよい。
8.コンバータの製造法
本発明は更にその別の面に於いて触媒コンバータの新規な製造方法に関する。上記の如く、触媒コンバータはマトリクス面への触媒ナノ粒子の形状適合的連続的な膜の堆積により低損失高効率なものである。Pt粒子で蜂巣構成体をコーティングする従来の製法は湿式化学に関するものである。湿式化学では反応が湿り性能に依存し、良好な再現性及びナノ粒子のサイズ制御の達成が難しい。此処に記述する方法はナノ粒子の原子層堆積(ALD)に関するものである。ALD法はPtを含む(或はその他の触媒を含む)前駆物質と共反応物質の交互添加に関するものである。化学蒸着法のような他のタイプの蒸着法と異なり、ALD法は表面制御反応である。ALD法はPt及びその他の触媒の連続的形状適合的ナノ粒子層をウール或は他の繊維状表面のような複雑な面の上にさえ形成する効率的な方法であると見出されて居る。
図4は本発明の実施例による触媒コンバータの製造方法を示す。第一に工程401に於いてマトリクス物質が堆積反応器の中に入れられる。マトリクス物質及びこれがコンバータ内で最終的にとるべき形態により、この物質はその形態或は別の構成としてよい。例えば、繊維状物質が堆積用反応器の中に設置され、その後圧縮或はコンバータ内へ入れるのに必要なように形成されてよい。ALD法の特性により、触媒は直接微小チャンネル内へシリコン或は石英の下地層へ(図2Aの203に示されるような)堆積されてよく、マトリクスは直接コンバータのハウジングの中に位置されるか、或る実施例に於いて他の部品に接続されてよい。マトリクス物質が反応器の中に設置される前或はその後に、光学的洗浄工程が実施されてよい。次に工程403に於いて、中間層が適宜な前駆物質の交互添加を使用する原子層法によってマトリクスの上に堆積される。例えばタングステンを堆積するのに、六フッ化タングステンのようなタングステンを含む前駆物質及び水素、シラン及びその他のような還元剤の交互添加量が浄化ガスで隔離されて反応器内へ導入される。膜厚はサイクル数で制御され、単一サイクルで典型的にモノレイヤー以下の物質が堆積される。触媒層はその後工程405に於いて触媒を含む前駆物質及び共反応物質の交互添加によって堆積される。例えば(メチルシクロペンタジエニル)トリメチルプラチナム(MeCpPt−Me3,(CH354)Pt(CH33)及び酸素がALD堆積に使用されてよい。Aaltonen et al.,” Atomic Layer Deposition of Platinum Thin Films”, Chem. Mater. 2003, 15, 1924─1928(本願にあらゆる目的に対して参照して組み込まれるものとする)を参照。酸素、水素、或はその他の共反応物質はPtを含む前駆物質の配位子を分解し、Ptのモノレイヤー以下(例えば約0.1nm)を堆積する。厚さはサイクル数で制御され、例えば5─20nmの触媒が50─200サイクルで堆積される。触媒の厚さはマトリクスが完全に覆われて露出面積のないことが保証されるに十分でなくてはならない。一旦薄膜が堆積されると、必要に応じてマトリクスが次いで形成され、工程407に於いてコンバータ内に位置される。
或る実施例に於いてはALD反応器の中に設置される構造体の或る領域への堆積を防ぐのが望ましいことがある。例えば図2Aの203の構造体の場合、コーティングをするのが微少チャンネル205のみであり、下地層201の上面及び底面でないのが望ましいことがある。同様に、マトリクスをコンバータのハウジングにはめ込むのに使用する部品にコンバータマトリクス物質が連結している場合、これらの部品への堆積は望ましくないであろう。堆積が望ましくない領域はマスクされ、或はPt或は他の触媒とよく結合しない物質、例えばホトレジストから製造することが出来る。
ALD工程でPtナノ粒子が密に堆積され、粒子はすべて連結して居る。反応は表面でのみ起こるので、下地層表面はすべて覆われる。これは制御の難しい湿式化学法と対照的である。堆積薄膜の質的相違は湿式化学法で石英綿の上に堆積されたPtを示す図5A─5DとALDで堆積されたPtナノ粒子を示す図5E及び5Fとを比較すれば明瞭である。図5A─5Dのミクロン規模の画像に見られる如く、湿式化学法ではPtが不平等に堆積され、有意義的な部分(ミクロン規模或はそれ以上)のウールが露出している。図5Eのミクロン規模の画像はALD工程で石英綿の上に連続的な薄膜が堆積されることを示して居る。図5Fのナノメートル規模の画像ではウール面の露出が僅少である密接な詰め込みが示されている。薄膜はナノメートル規模の次元で連続的である。粒子サイズは工程条件(時間、温度、その他)に依存し、特定の実施例に於いて領域サイズは5nmから20nmの範囲であり、特定の工程でサイズは極めて均一である。
図6はALD堆積前(601)及び後(603)での石英綿マトリクスのグラフである。ALD工程では表面が第一反応物質で飽和され、表面制御されるものであるため、化学蒸着法(CVD)及び物理蒸着法(PVD)を含む他の蒸着法で不可能であるのに対し、複雑な構造体を均一的にコーティングすることが可能である。CVDでは反応が蒸気相で起こりマトリクスの表面上ではない結果、マトリクスの全表面が覆われない。このことは構造体全部のコーティングに蒸気相成分の拡散が必要となる図6に示されるような構造体の場合殊に真である。PVDも同様であり、構造体のどの部分への堆積も入射角と原子の自由行程に依存するものであり、そのような構造体のコーティングには不適切である。ALD法では触媒薄膜の均一的分配も可能である。触媒の目的での薄膜の重要なパラメータは表面総面積であり、これは主として粒子サイズと分配によって制御される。均一的に薄膜が分布されると表面総面積の制御が良好となる。
8.NOをNO2へ転換する方法
本発明は更に高効率低損失でNOをNO2へ転換する方法に関する。この方法は一般的にNOを含むガス流を図1の102に示すコンバータ導管の入口部に誘致することを含む。或る実施例に於いて、ガス流の誘致は入口部或は呼吸サンプルを収集する実施例の場合入口部に連結するサンプリング部へ息を吐くことを含む。他の実施例の場合、環境学的応用に使用される空気サンプラーポンプのようなポンプが導管への流れを誘致するのに使用されてもよい。その他の特定の応用に適応される方法でコンバータへの流れを誘致してもよい。導管内の流通の間、ガスは導管内に広がる触媒でコーティイングされたマトリクスに接触する。酸素(例えば分子状或は原子状酸素、或は酸素を含む化合物)の存在下でのこの接触により、NOからNO2への触媒反応が起こる。(サンプル源により、必要とする酸素の供給に別個の酸素源が必要の場合も必要でない場合もある。)或る場合には表面に吸収された酸素で反応を起こすのに十分のこともある。生成されたガスは次いで出口部へ例えばサンプル収集とかNO2の測定のために導かれる。
流速は個々の応用に依存する。例えば呼吸サンプルの場合、流速は毎分0から60リットルの範囲であってよい。表面積が大きく、高多孔率でありナノ規模の次元で連続性のマトリクスの上に形状適合的にコーティニングされた薄膜触媒を供することにより、この方法は上記の如く高効率低損失でNOをNO2への転換を提供する。別の重要な利点は、上記のコンバータでは非常に短い反応滞留時間が可能となり、リアルタイムの転換が可能となることである。或る実施例に於いて、滞留時間はミリ秒規模或はそれ以下であり、効果的にリアルライム転換を提供するものである。多くの触媒コンバータシステムの場合一般的である速度と精度との間のトレードオフが此処ではないので、このことは有意義的なことである。即ち、ALD堆積の触媒は滞留時間を短くし、高効率と低損失とを提供するものである。
9.NO呼吸解析を含むNO定量の方法
或る実施例に於いては、上記の如くNOは酸化されてNO2が形成され、その後NO2に感度を有するように構成されたセンサを使用して残余のNO2が検出される。本発明は吐き出された呼気及び環境サンプルのようなその他のサンプル内のNOを感知する方法に関する。この方法は上記の如くにNOをNO2へ転換し、次いで生成されたガス流をサンプル内のNO2の存在及び/或は量を決定すべくNO2の解析器へと導くことに関する。上記の触媒コンバータの高効率低損失により、もとのサンプル内でのNOの量は生成ガス流の中のNO2の量から決定可能である、即ち種々の実施例に於いては実質上サンプル内の総てのNOが生成ガス流の存在するNO2へ転換する(即ち吸収や破壊による減量ではない)。
サンプルが空気である一例に於いては、患者或は試験対象に投与の前に、環境的NO(及び/或はCO2,NOXなどあらゆるその他の選択された物質)の除去のために吸気はスクラバ装置を通過させられる。その後吐き出された空気サンプルの収集の間或はそれ以後、サンプルは図1に示されたような転換装置を通過させられ、NOの全部或は一部がNO2へ酸化される。任意的に、吐き出された空気は微粒子、水蒸気、粒子化された流体及び/或はCO2のようなガスを除去するように一個以上のフィルタ或は吸収装置を通過させられてもよい。同様に、その他の実施例に於いて、環境的NOの感知は環境的サンプルを転換装置通過前にスクラッビング工程を含む。
図7は本発明の一実施例の工程及び電子供与性種(NH3)及び電子求引性種(NO2)がナノチューブ電界効果トランジスタ(NTFET)装置特性に与える効果を示すものであり、これは分子種と炭素ナノチューブ間の電荷交換の結果と信じられる。この例に於いて、NTFET装置は200nmの二酸化シリコンの上鉄ナノ粒子からドーピングされたシリコンの上900℃のメタン/水素混合ガスでの化学蒸着法(CVD)で成長された単壁ナノチューブ(SWNT)を使用して製造された。電気リード線は厚さ5nmの金層を頂く厚さ35nmのチタン薄膜から、ソースとドレイン間の間隔を0.75μmとしてナノチューブの上にパタンされた。装置はリード線の上を数百ナノメートル両側の上を伸びたリフトオフパタンされたSO2層で接触不動態化された。(その他の例のNTFET装置は50−400nmの二酸化シリコンの上鉄ナノ粒子からドーピングされたシリコンの上850−950℃Cのメタン/水素混合ガスでの化学蒸着法(CVD)で成長されたSWNTを使用して製造された。電気リード線は厚さ50−200nmの金層を頂く厚さ5−10nmのチタン薄膜から、ソースとドレイン間の間隔を5−100μmとしてナノチューブの上にパタンされた。)
ガスに曝されると、移転特性は、左向き(NH3の向き)或は右向き(NO2の向き)に、より負或はより正のゲート電圧の方に移動した。これらの発見は曝されたナノチューブチャンネルが電界効果の特徴を表すことを示している。理論に限定されることなく、これらの結果はナノチューブと電子ドーナ(NH3)或は電子アクセプター(NO2)に関する反応物質との間の電荷移転によるものかもしれない。
本発明の代行的実施例に於いては、ナノチューブネットワークがポリ(エチレンイミン)(”PEI”)のような薄いポリマー層でコーティングされてもよいとする米国特許11/924328に示され記載されたようなナノチューブ装置が使用される。例えばポリマー層は約10nmの厚さでよい。この構成に於いて、装置はn型FETとして作用してよい。図8はPEIポリマーコーティングのNTFETの四回の異なる濃度のNO2ガスへの短時間露出への応答を示す。
これは抵抗性モードでセンサとして作用されてもよく、NH3,NO2及びH2に対して優れた応答を示す。一例として、ナノ構成体装置のPEIのコーティングによる機能付与は装置のNH3及びNO2のような或るガスへの応答を改善し、H2のようなその他のガスへの応答を誘発することが見出されて居る。
これ以外の記述としては(a)米国特許出願10/656898、出願日2003年9月5日(発行2005−0279987)”Polymer Recognition Layers For Nanostructure Sensor Devices”; (b) A. Star, K. Bradley, J.−C. P. Gabriel, G. Gruener, ”Nano−Electronic Sensors: Chemical Detection Using Carbon Nanotubes”, Pol. Mater.: Sci. Eng. 89, pp 204 (2003);及び(c)米国特許出願11/259414、出願日2005年10月25日(発行2006−0228723)”Systems And Method For Electronic Detection Of Biomolecules”を参照。(これらは本願にあらゆる目的に対して参照して組み込まれるものとする。)
上記の如く、呼吸の中のNO測定は炎症状態、免疫応答、及び多くのその他の状態の指標として重要である。殊に呼気一酸化窒素(NO)は気道の疾患及び殊に気管支喘息の重要な診断的及び管理指標である可能性がある。典型的に喘息患者は非喘息患者に比して高い呼気NOレベルを持つものであり、対炎症療法はこれらのNOレベルの実質的低下と相関して居る。
現行の高価で嵩ばり複雑な用具を使用する呼気のNOの試験は現行の臨床外来患者に於ける喘息状態の診断及び評価に有用であるが、必要なのは安価で実際に携帯可能であり患者による使用可能な、典型的な喘息患者(或はその父兄或は看護人)にリアルタイムの自己投与の薬品の管理或はそのような療法への応答の指標を提供するNO監視ユニットである。患者への日ごと(或は短時間規模)の気管支炎症状態の治療プログラムへの迅速な追従により喘息の発症が緊急要件となるのを防止可能である。更に過剰投薬を伴わない慢性気管支炎症的気道条件の順向性制御は累積組織障碍を減少し、長期的患者の結果を向上せしめる。
例えば (a) S. A. Kharitonov et al,” Increased nitric oxide in exhaled air of asthmatic patients”, The Lancet (1994) vol.343, pp.133−135; (b) B. Kimberly et al, ”Nasal Contribution to Exhaled Nitric Oxide at Rest and during Breathholding in Humans”, Am. J. Resp. Critical Care Med.(1996) 153 pp.829−836; (c) A. F. Massaro et al, ”Expired nitric oxide levels during treatment of acute asthma”, Am. J. Resp. Critical Care Med. (1995) vol. 152, No.2, pp.800−803; 及び (d) P. E. Sikoff et al, ”Airway nitric oxide diffusion in asthma: Role in pulmonary function and bronchial responsiveness”, Am. J. Resp. Critical Care Med. (2000) 161 pp. 1218−1228(以上の各々を本願にあらゆる目的に対して参照して組み込まれるものとする)を参照。
吐き出される呼気の主成分(典型的に1−5%)であるCO2と異なり、NOは典型的に数ppbの規模である一般的に僅少な量で存在するものである。喘息以外の患者は5─25ppbの範囲でeNOの試験をされてよいが、喘息の患者は30─100+ppbの範囲で試験されてよい。勿論これらのレベルでの試験にはCO2の場合より非常に高感度が必要である。しかし重要なこととして、NOは多くの異なる組織及び細胞応答での新陳代謝工程によって生成され、これは僅少量が医学的に有意義であるから無視可能なものではない。呼吸において、NOは気管支気道での肺胞ガス交換のみならず、鼻、口、気管及び咽喉組織の中でも生成される。更に大気中及び局地的大気汚染のNOXが測定に貢献する。従って、サンプルとされる呼吸の中のNOが気管支気道を源とするのであるという保証のための多くの仕事が代行的貢献を最小化しながらなされて来た。例えば、吸い込まれた空気から周囲のNOを除去するために摂取フィルタが使用されてもよい。鼻腔から上咽頭を経て現れる空気をサンプルから除外する技術が使用されてもよい。更に、呼気のNOの濃度は実質上呼気流速に依存する。
サンプルの収集は呼気の初期部分の排泄とそれに次ぐ流通抵抗或は逆圧力に抗しての呼気期間に於けるサンプル空気の収集が含まれてよい。例えば (a) P. Sikoff et al., ”Marked Flow−dependence of Exhaled Nitric Oxide Using a New Technique to Exclude Nasal Nitric Oxide”, Am. J. Respir. Crit. Care Med., (1997) 155 pp. 260−67; (b) 米国特許5795787&6010459, ”Method and apparatus for the measurement of exhaled nitric oxide in humans”; (c) 米国特許6067983,”Method and apparatus for controlled flow sampling from the airway”; (d) 米国特許6733463, ”Method and measuring equipment for measuring nitric oxide concentration in exhaled air”; 及び (e) 米国特許出願2004−0017570,”Device and system for the quantification of breath gases”(以上の各々を本願にあらゆる目的に対して参照して組み込まれるものとする)を参照。
図9は呼吸NO濃度の呼吸率(上記米国特許6733463による)への依存を示す図であり、健康な人を気道に病気の状態を有する患者と比較するものである。総ての患者のセットに対し、呼吸率の増加と共に著しい非線的濃度の減少が見られる。この著しい依存性から、単に指示に従おうとする患者の努力の度合いを代表するものでなく、気道条件を代表する再現性のある結果を与えるべく、測定の期間に組織的に呼吸率を制御することが望ましい。濃度に対する呼吸率の平行的効果は一般的に各患者人口について同じであるが、患者人口の中での絶対的相違(ppb単位)は最低呼吸率に於いて最大であることを図9は更に示して居る。
図10は呼気中のNOの濃度を時間及び呼吸持続期間の関数として示す図である。CO2(吐き出された呼気の中では殆ど全部肺胞が源)と異なり、吐き出された呼気の中のNO有意義的な部分は多数の組織からのものであり、図10のようなプロファイルはサンプリング因子及び流速によって変化する。
結論
本発明の方法及び装置の最適実施例が記載された後に於いて、本発明の利点は当業者に自明であろう。種々の変更,応用及び代行が本発明の範囲及び意向を逸脱することなしに可能であることも理解されよう。例えば、これらの方法及び装置はPt,Pd、Rh或はその他の原子層堆積法或はその他の下地支持体の上に形状適合的コーティングを形成可能な方法によって堆積される触媒を使用する触媒転換に使用可能である。

Claims (14)

  1. 後の測定のためにサンプル中のNOをNO2へ転換する装置であって、
    (a)導管であって、連通順に、(i)その導管の中を流すに十分な入力圧力のもとにサンプルを受け取るように構成された入口部と、(ii)転換部と、(iii)転換の後に前記サンプルを排出するように構成された出口部と、を含む導管、及び
    (b)前記転換部内に設けられ、ナノ規模次元で連続的なナノ粒子充填金属触媒膜で形状適合的にコーティングされたキャリヤ物質を含む転換物質と、
    を備え、
    前記転換物質は、NOをNO2へ転換するように構成されており、
    前記転換装置は、更に、
    前記導管に隣接して配置された加熱機構であって、前記転換部を選択された高温に維持するように構成された加熱機構を備え、
    前記加熱機構は、加熱要素と、前記加熱要素及び前記導管の少なくとも前記転換部と効果的な熱伝導関係にある導熱体とを有し、
    前記導管は、更に、前記転換部の上流側に配置されて前記加熱機構と連絡するように設けられた予備加熱領域を有し、前記予備加熱領域を流通中に前記サンプルが所定の温度上昇するように構成されており、
    前記加熱機構が、更に、前記転換部の中を100℃と300℃の間の所定の温度に維持するように構成されたフィードバック温度センサと制御回路とを有する、転換装置。
  2. 後の測定のためにサンプル中のNOをNO2へ転換する装置であって、
    (a)導管であって、連通順に、(i)その導管の中を流すに十分な入力圧力のもとにサンプルを受け取るように構成された入口部と、(ii)転換部と、(iii)転換の後に前記サンプルを排出するように構成された出口部と、を含む導管、及び
    (b)前記転換部内に設けられ、ナノ規模次元で連続的なナノ粒子充填金属触媒膜で形状適合的にコーティングされたキャリヤ物質を含む転換物質と、
    を備え、
    前記転換物質は、NOをNO2へ転換するように構成されており、
    前記転換装置は、更に、前記キャリヤ物質、又は、前記触媒膜と前記キャリヤ物質との間に位置される中間層で構成された加熱要素を有する、転換装置。
  3. 後の測定のためにサンプル中のNOをNO2へ転換する装置であって、
    (a)導管であって、連通順に、(i)その導管の中を流すに十分な入力圧力のもとにサンプルを受け取るように構成された入口部と、(ii)転換部と、(iii)転換の後に前記サンプルを排出するように構成された出口部と、を含む導管、及び
    (b)前記転換部内に設けられ、ナノ規模次元で連続的なナノ粒子充填金属触媒膜で形状適合的にコーティングされたキャリヤ物質を含む転換物質と、
    を備え、
    前記転換物質は、NOをNO2へ転換するように構成されており、
    前記キャリヤ物質は、外部回路と電気的に連結する金属ワイヤーを含む、転換装置。
  4. 後の測定のためにサンプル中のNOをNO2へ転換する装置であって、
    (a)導管であって、連通順に、(i)その導管の中を流すに十分な入力圧力のもとにサンプルを受け取るように構成された入口部と、(ii)転換部と、(iii)転換の後に前記サンプルを排出するように構成された出口部と、を含む導管、及び
    (b)前記転換部内に設けられ、ナノ規模次元で連続的なナノ粒子充填金属触媒膜で形状適合的にコーティングされたキャリヤ物質を含む転換物質と、
    を備え、
    前記転換物質は、NOをNO2へ転換するように構成されており、
    前記触媒膜との一個以上の電気的接触端子を備える、転換装置。
  5. 後の測定のためにサンプル中のNOをNO2へ転換する装置であって、
    (a)導管であって、連通順に、(i)その導管の中を流すに十分な入力圧力のもとにサンプルを受け取るように構成された入口部と、(ii)転換部と、(iii)転換の後に前記サンプルを排出するように構成された出口部と、を含む導管、及び
    (b)前記転換部内に設けられ、ナノ規模次元で連続的なナノ粒子充填金属触媒膜で形状適合的にコーティングされたキャリヤ物質を含む転換物質と、
    を備え、
    前記転換物質は、NOをNO2へ転換するように構成されており、
    前記キャリヤ物質は、下地層の中の微小チャンネルを有し、
    前記触媒膜は、前記微小チャンネルを形状適合的にコーティングするものである、転換装置。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の転換装置であって、
    前記キャリヤ物質が、繊維状物質を含む、転換装置。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の転換装置であって、
    前記キャリヤ物質が、石英綿を含む、転換装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の転換装置であって、
    前記触媒膜が、O2又は原子状酸素の存在のもとでNOを酸化しNO2を生成する触媒活性を有する金属を含み、前記金属が、Pt,Rh、及びPdの一種以上を含む、転換装置。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の転換装置であって、
    前記キャリヤ物質が、第二薄膜物質で形状適合的にコーティングされた第一物質を含む、転換装置。
  10. 請求項1〜4に記載の転換装置であって、
    前記キャリヤ物質が、第二薄膜物質で形状適合的にコーティングされた第一物質を含み、
    前記第一物質は、繊維性物質である、転換装置。
  11. 請求項9又は10に記載の転換装置であって、
    前記第二物質は、アルミナ或いはジルコニア物質である、転換装置。
  12. 請求項9又は10に記載の転換装置であって、
    前記第二物質は、金属物質である、転換装置。
  13. 請求項9又は10に記載の転換装置であって、
    前記第二物質は、疎水性物質である、転換装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の転換装置であって、
    前記触媒膜は、連続的に導電性である、転換装置。
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