JP5606002B2 - ガスクラスターイオンビーム照射装置及びガスクラスターイオンビーム照射方法 - Google Patents

ガスクラスターイオンビーム照射装置及びガスクラスターイオンビーム照射方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5606002B2
JP5606002B2 JP2009072103A JP2009072103A JP5606002B2 JP 5606002 B2 JP5606002 B2 JP 5606002B2 JP 2009072103 A JP2009072103 A JP 2009072103A JP 2009072103 A JP2009072103 A JP 2009072103A JP 5606002 B2 JP5606002 B2 JP 5606002B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cluster
ion beam
vacuum
skimmer
beam irradiation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009072103A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010225442A (ja
Inventor
耕治 木谷
中村  聡
嘉則 杉浦
洋一 福宮
哲郎 齊藤
辰美 庄司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2009072103A priority Critical patent/JP5606002B2/ja
Publication of JP2010225442A publication Critical patent/JP2010225442A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5606002B2 publication Critical patent/JP5606002B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ガスクラスターイオンビームにより加工や表面形成を行うガスクラスターイオンビーム照射装置及びガスクラスターイオンビーム照射方法に関するものである。
近年、プラズマから引き出したイオンビームでは達成できない一原子当たり100eV以下のレベルの照射エネルギーを実現させるガスクラスターイオンビーム加工が注目されている。ガスクラスターイオンビームは、高圧の気体をノズルから真空下に断熱膨張させ、その際の過冷却によりクラスター化した粒子に電子を照射してイオン化させ、電場により加減速を行い得られるイオンビームである。
このイオンビームをターゲットに照射するガスクラスターイオンビーム照射装置は、真空チャンバーを備えており、真空チャンバーは、クラスター生成室、ビーム制御室及び照射室に分割されており、それぞれ真空ポンプで適切な真空度に減圧される。クラスター生成室には、ノズルが配置されており、ノズルからクラスター生成室に噴出されたガスが断熱膨張することによりクラスター流が生成される。真空チャンバー内には、スキマーが配設され、クラスター流の一部がビーム制御室にあるイオン化室に導かれる。イオン化室には、例えば熱電子を発生するフィラメントなどの電子源と、電子を引きつけるアノード電極とが配置されている。そして、電子源で発生した電子をクラスター流に衝突させ、クラスターを構成する一部の原子又は分子を電子衝撃により正イオン化し、クラスターイオン流を生成させる。そして、引き出し電極で引き出されたクラスターイオンビームは、電圧の異なる複数の環状の電極からなる電極群を通過し、この電極群によりビームの加速やビームの収束又は発散の制御が行われる。電極群を通過したクラスターイオンビームは、質量分離器で磁界によりモノマーイオン及びサイズの小さいクラスターイオンの軌道が曲げられる。そして、アパーチャーで適切なサイズのクラスターが選別され、照射室に配置した基板に照射される。
この種のガスクラスターイオンビーム照射装置では、エッチング、成膜、ドーピングなどの処理時間短縮のため、エッチングレート向上や成膜速度向上などの処理の高速化が求められている。この処理の速度は、照射されるクラスターイオンビームの量に比例するため、処理を高速化するには、ビームの量を増やす必要があり、クラスター生成の改善と有効利用が求められている。
ところで、ノズルからの断熱膨張により生成したクラスター流の三次元の速度分布は、クラスター流の中心部分が最も小さく、中心から離れるほど大きくなる。速度分布のうちの速度の低い原子(分子)はエネルギー差が少ないために衝突時に小さな力で結合しやすく、クラスター化しやすい。したがって、クラスター流の中心部分が最もクラスターの密度が高く、中心から離れるほど低くなる。また、密度が高い方が原子(分子)の衝突確率が高いため、クラスター流の中心部分がクラスターの量(すなわち、数)、サイズ共に大きくなる。そのため、クラスター流の中心とスキマーとの位置合わせは非常に重要である。
しかし、クラスター流の中心は、機械的製作誤差により必ずしも機械的な中心とは一致しない場合が生じる。つまり、ノズルの噴出口の径方向の中心とスキマーのアパーチャーの径方向の中心とが一致するようにノズルとスキマーとを配置しても、ノズル又はスキマーの製作誤差により、ノズル又はスキマーの中心がクラスター流の中心と一致しない場合が生じる。そこで、生成したクラスターを効率的に使うために、ノズルに調節機構を設け、ノズルを、スキマーのアパーチャーにアライメントし、また、イオン化室開口部にアライメントする方法が提案されている(特許文献1参照)。
米国特許第6486478号明細書
しかしながら、クラスター生成室には、クラスター生成のために多量のガスが導入されるので、高い排気能力が必要であり、排気経路のコンダクタンスの関係から排気口及び真空チャンバーのクラスター生成室を大きくしなければならない。そのため、上記従来の構成では、調節機構を含めたノズルは長尺となり、ノズルの径方向の剛性が弱い。このような構成でガスを流した際にガスの噴出方向がノズルの軸からずれていると、ノズルには径方向に力がかかり、ノズルが振動することがある。その振動でクラスター流が乱れ、スキマーを通るクラスターの密度が変動し、結果的にクラスターイオンビームのサイズ分布、電流などが変動する原因となっていた。
また、上記従来の構成では、ノズルへのガスの供給圧力が高いため、ガス供給配管は固定するのが原則であり、ノズルの位置調整をすると、ガス供給配管との接続部も同時に動かす必要がある。したがって、たとえ応力を緩和する構成にしてもクリープ現象でノズルが動くことがあるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、ノズルが動くのを抑制し、安定した適切なサイズ分布のクラスターイオンビームを得、かつクラスターイオンビーム電流を多く取れるように真空中で調整可能にするガスクラスターイオンビーム照射装置及びガスクラスターイオンビーム照射方法を提供することにある。
本発明は、クラスターをイオン化部にてイオン化して加速し、ターゲットにクラスターを照射するガスクラスターイオンビーム照射装置において、開口部を有する第1の真空容器と、前記第1の真空容器とは別体に形成され、前記イオン化部が内部に配置され、開口部を有する第2の真空容器とを有し、前記第1の真空容器の開口部と前記第2の真空容器の開口部とが接続された真空チャンバーと、前記第1の真空容器の内部に配置され、前記クラスターを生成するノズルと、前記ノズルに対向して配置され、前記ノズルから生成された前記クラスターを前記第2の真空容器の開口部に向かわせるスキマーと、前記第2の真空容器内の圧力を測定する真空計と、前記真空計の測定結果に基づいて前記スキマーを移動可能な調整機構と、を備えたことを特徴とするものである。
また、本発明は、クラスターを生成するノズルと、前記クラスターをイオン化して加速するイオン化部と、前記ノズルが内部に配置され、開口部を有する第1の真空容器、及び前記第1の真空容器とは別体に形成され、前記イオン化部が内部に配置され、開口部を有する第2の真空容器を有し、前記第1の真空容器の開口部と前記第2の真空容器の開口部とが接続された真空チャンバーと、前記ノズルに対向して配置され、前記ノズルから生成された前記クラスターを前記第2の真空容器の開口部に向かわせるスキマーと、を備えたガスクラスターイオンビーム照射装置を用いて、ターゲットに前記クラスターを照射するガスクラスターイオンビーム照射方法において、前記第2の真空容器内の圧力を測定する測定工程と、前記測定工程による測定結果に基づいて前記スキマーの位置を調整する調整工程と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、スキマーの位置を調整するようにしたので、ノズルを移動させる機構を設ける必要がなくなり、ノズルが動くのを抑制することができる。また、真空チャンバーの真空度を保持した状態でスキマーの位置を調整することで、クラスターの密度が最も高い部分をイオン化部に取り入れることができ、クラスターイオンビーム電流を増やすことができる。また、真空チャンバーの真空度を保持した状態でスキマーの位置を調整することで、照射に適切なクラスターサイズに調整することができる。さらに、スキマーの位置を調整する度に真空チャンバーを大気開放する必要がないので、スキマーの位置を調整する作業を短縮することができる。
本発明の第1実施形態に係るガスクラスターイオンビーム照射装置の概略構成を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係るガスクラスターイオンビーム照射装置の概略構成を示す説明図であり、(a)は装置の要部を示す説明図、(b)は、調整機構の平行移動部を示す概略斜視図である。 本発明の第3実施形態に係るガスクラスターイオンビーム照射装置の概略構成を示す説明図である。 本発明の第4実施形態に係るガスクラスターイオンビーム照射装置の概略構成を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るガスクラスターイオンビーム照射装置の概略構成を示す説明図である。ガスクラスターイオンビーム照射装置100は、2つの真空容器41,42からなる真空チャンバー40を備えている。真空チャンバー40の2つの真空容器41,42のうち、第1の真空容器41には、クラスター生成室1が形成され、第1の真空容器41と別体の第2の真空容器42には、ビーム制御室2及び照射室3が分割して形成されている。各部屋1,2,3には、真空ポンプ4,5,6が接続され、適切な真空度に減圧される。
クラスター生成室1内には、コニカル型、ラヴァル型などの適切な形状のノズル14が固設されている。不図示の供給源から供給されるガス(例えば6気圧のArガス)は、不図示のレギュレータで圧力が制御され、ガス供給管12を介してよどみ室13へ供給され、ノズル14から真空チャンバー内であるクラスター生成室1内に噴出される。噴出したガスは、断熱膨張により同一方向に超音速で移動するガス原子又は分子からなる噴流となる。このガスの噴流からファンデルワールス力により数個〜数万個の原子又は分子からなるクラスターが生成される。原料ガスとしては、Ar以外にも、CO,O,N,NO,NO,NH,SF,CF等のガス、又はそれらのクラスター生成を容易にするためにHeを混合したガスが利用できる。ここで、加速電圧によって加速されているクラスターを「ビーム」、それ以外を「流」と表記して区別する。
この噴流の三次元の速度分布は、ノズル14の噴出口14aから噴出されたガス流の中心部分が最も小さく、中心から径方向に離れるほど大きくなる。ガスの速度が低いほどガスの温度は低くなるので、中心に向かうほどクラスターの量(つまり、単位面積を単位時間当たりに通過するクラスターの数、換言すると密度)及びクラスターサイズ(個々のクラスターを構成する原子数又は分子数)が大きくなる。
また、クラスター生成室1内には、衝撃波を防止するために小径のアパーチャーが形成されたスキマー7がノズル14に対向して配置され、クラスター流の一部をビーム制御室2にあるイオン化部としてのイオン化室16に通過させる。イオン化室16には電圧が印加されており、例えば熱電子を発生するフィラメントなどの電子源及び電子を引きつけるアノード電極が配置されている。そして、電子源で発生した電子がクラスター流に効率よく衝突し、クラスターを構成する一部の原子又は分子を電子衝撃により正イオン化し、クラスターイオン流を生成させる。
引き出し電極18は、イオン化室16の電位よりも低いアース電位に印加され、電位差で生じた電界によりクラスターイオンビームを引き出す。引き出し電極18で引き出されたクラスターイオンビームは、電圧の異なる複数の環状の電極からなる環状電極群19を通過するが、この環状電極群19によりビームの加速やビームの収束又は発散(ビーム径)の制御が行われる。
環状電極群19のクラスタービーム進行方向下流側には、質量分離器20及びアパーチャー21が配設されている。質量分離器20では、モノマーイオン及びサイズの小さいクラスターイオン等の質量の小さいモノマー及びクラスターの除去を行うために、磁界の発生により、これら質量の小さいモノマー及びクラスターのイオンの軌道が大きく曲げられる。アパーチャー21は、開口の大きさが調整されており、アパーチャー21で適切なサイズのクラスターが選別される。これら質量分離器20及びアパーチャー21により、適切なサイズ分布を持つクラスターイオンビームが照射室3に導かれる。照射室3には、XYZステージ26及びXYZステージ26に搭載されたターゲットである基板23が配置され、基板23にアパーチャー21を通過したクラスターイオンビームが照射される。
基板23が絶縁物であって電荷が溜まる場合は、適宜ニュートラライザー25を動作させることにより、クラスターを中性化し、反発力によるビーム軌道や照射エネルギーの変化を防ぐことができ、ビームを安定して基板23に照射することができる。なお、排気開始時、ベント時(大気開放時)等に生じる両室の圧力差によるスキマー破壊防止のため、両室の間には不図示のバイパス用の配管とバルブが設置されている。
ところで、本第1実施形態では、ガスクラスターイオンビーム照射装置100は、真空チャンバー40を密閉状態でノズル14に対するスキマー7の位置を調整する調整機構50を備えている。このように、ノズル14を真空チャンバー40(クラスター生成室1)に固定し、調整機構50でスキマー7の位置を調整するようにしたので、ノズル14を移動させる機構を設ける必要がなくなり、ノズル14が動くのを抑制することができる。
調整機構50は、スキマー7を、ノズル14から噴出したクラスター流の噴出方向(矢印Z方向)を法線方向とする面内(矢印XY方向)で移動させる面内移動部10を有している。面内移動部10は、スキマー7と一体に面内で移動可能にプレート8を介してスキマー7を支持するXYステージ10aと、XYステージ10aを移動操作するXYステージ操作部である2つのマイクロメータ10b,10cとからなる。
具体的に説明すると、XYステージ10aには、ステージ中央に開口部が形成され、プレート8が固定されている。プレート8には、プレート中央に開口部が形成され、スキマー7が固定されている。第1の真空容器41の壁部41aには開口部が形成され、XYステージ10aは、第1の真空容器41の開口部にスキマー7を臨ませて第1の真空容器41の外面に固定されている。第2の真空容器42の壁部42aには、開口部が形成され、クラスター生成室1とビーム制御室2とが連通するように、第1の真空容器41の開口部と第2の真空容器42の開口部とがベローズ9で接続されている。XYステージ10aに固定されたプレート8は、スキマー7と共に、図中、奥行き方向(矢印X方向)と上下方向(矢印Y方向)の2軸でそれぞれ(例えば±5mm)移動可能である。つまり、スキマー7は、ノズル14の噴出口14aに対してクラスター流の噴出方向を法線方向とする面内で、矢印XY方向に移動させることができる。マイクロメータ10b,10cは、手動式のものであり、真空チャンバー40の外部に露出して配置されている。これにより、スキマー7の位置を調整する作業の際には、真空チャンバー40を大気開放することなく、密閉状態で行うことができる。
また、本第1実施形態では、ガスクラスターイオンビーム照射装置100は、調整機構50にてスキマー7の位置を調整する際に用いる物理量を測定する測定装置(測定手段)30を備えている。
ここで、スキマー7を通過したクラスター流15は密度分布があるために、スキマー7の位置によってビーム制御室2に入るクラスターの量が変化する。そして、スキマー7を通過したクラスターの量を直接測定することは困難であり、これに対応する物理量を測定する必要がある。
したがって、本第1実施形態の測定装置30は、スキマー7を通過したクラスターの量に対応する物理量を測定するクラスター量測定部として圧力を測定する真空計32を備えている。この真空計32は、真空封止のダイヤフラム型の圧力計又はピエゾゲージ等を有する力学的な圧力計であり、表示部が第2の真空容器42から露出するようにビーム制御室2に設けられている。なお、各部屋1,3には、真空計32と同じ構成の真空計31,33が設けられている。
ここで、スキマー7を通過したガスのほとんどはクラスターである。そして、ビーム制御室2の圧力(真空度)とクラスターの量とは、ノズル14からのガス供給量及び排気量一定の下で、相関がある。特に、一定の速度及び一定のクラスターサイズの下では、ビーム制御室2の圧力とクラスターの量とは比例関係にある。つまり、真空計32による圧力の測定では、直接クラスターの量を測定するよりも精度が低いが、真空計32を取り付けるだけの簡単な構成でよく、また、相対的にクラスターの量が多いか少ないかを評価できればスキマー7の位置調整は可能である。したがって、物理量として真空計32でビーム制御室2の圧力を測定することにより、クラスターの量を評価することができる。
そして、ビーム制御室2に設けた真空計32の圧力が最も高くなるようにXYステージ10aの位置を調整することで、ビーム制御室2に入るクラスターの量を最大にすることができる。これにより、ノズル14から噴出するクラスター流の中でクラスターの密度が最も高い部分をイオン化室16に取り入れることができる。このように、真空計32でクラスター量を評価することで、クラスター流全体の評価ができるため、スキマー7の位置をクラスター流が最もイオン化室16に入るように調整することができる。
したがって、真空チャンバー40の真空度を保持した状態でスキマー7の位置を調整することで、クラスターの密度が最も高い部分をイオン化室16に取り入れることができ、クラスターイオンビーム電流を増やすことができる。また、クラスターの量が最大となるクラスター流の径方向の中心は、クラスターのサイズが最大となる部分でもある。したがって、スキマー7の位置をクラスターの量が最大となる位置に調整することで、照射に適切なクラスターサイズに調整することができる。さらに、スキマー7の位置を調整する度に真空チャンバー40を大気開放する必要がないので、スキマー7の位置を調整する作業を短縮することができる。
[第2実施形態]
次に第2実施形態のガスクラスターイオンビーム照射装置について説明する。なお、本第2実施形態において、上記第1実施形態と同一の構成については、同一符号を付して説明を省略する。図2(a)及び図2(b)に示すように、本第2実施形態の調整機構50Aは、面内移動部10と、スキマー4を、ノズル14から噴出したクラスター流の噴出方向に対して平行方向(矢印Z方向)に移動させる平行移動部11と、を備えている。平行移動部11は、スキマー7と一体に矢印Z方向に移動可能なZステージ11aと、Zステージ11aを移動操作するZステージ操作部としてZステージ11aに対角に配置された2つのマイクロメータ11bと、を有している。また、平行移動部11は、対角に配置された2つのリニアブッシュ11c及びリニアガイド11dを有している。
スキマー7はプレート8に固定されており、プレート8はXYステージ10aに固定されており、XYステージ10aは、Zステージ11aに固定されており、Zステージ11aは、クラスター生成室1が形成されている第1の真空容器41に固定されている。これによりクラスター流の噴出方向を含め3軸調整可能となっている。Zステージ11aは、矢印Z方向に例えば可動範囲±3mmで移動可能である。
マイクロメータ11bは、手動式のものであり、真空チャンバー40の第1の真空容器41の外部に露出して配置されている。これにより、スキマー7の位置を調整する作業の際には、真空チャンバー40を大気開放することなく、密閉状態で行うことができる。ガス種、圧力に対してクラスター流の噴出方向に対する最適位置が異なるので、操作者は、ビーム制御室2の真空度(真空計32が示す圧力)を見ながらマイクロメータ10b,10c(図1参照)及びマイクロメータ11bを操作して3軸調整することができる。この操作によりクラスターを効率よくイオン化室16(図1)に導入することができる。なお、XYステージ10aとZステージ11aの組み付け順序はステージの搭載可能重量や、使い勝手により決めることができる。
ここで、ノズル14とスキマー7との間隔が広すぎる場合には、クラスターを含む粒子に、速度の異なる別の粒子が衝突することで衝撃波が発生してしまい、衝撃波によって多数のクラスター粒子が分解して、モノマーが大量に発生してしまう。逆に、ノズル14とスキマー7との間隔が狭すぎる場合には、クラスター流の中心から遠いモノマー或いは質量の小さいクラスター等の粒子(温度を上げる成分)がスキマー7を通過してしまい、その粒子がビーム制御室2に拡散して浮遊分子となってしまう。この浮遊分子にクラスターが衝突すると、クラスターの進行方向が変化してしまう。
そこで、ノズル14から噴出したクラスター流と平行な矢印Z方向にスキマー7の位置を調整することで、衝撃波の発生を抑制することができ、温度を上げる成分をスキマー7で取り除くことができる。これにより、方向の揃ったクラスター流を多く取り出すことができ、クラスターイオンビームのサイズ分布、電流を向上させることができる。
[第3実施形態]
次に第3実施形態のガスクラスターイオンビーム照射装置について説明する。なお、本第3実施形態において、上記第1及び第2実施形態と同一の構成については、同一符号を付して説明を省略する。上記第1及び第2実施形態では、真空計32が真空封止のダイヤフラム型圧力計、ピエゾゲージなどの力学的な圧力計である場合について説明したが、本第3実施形態では、真空計をイオンゲージとした場合について説明する。図3に示すイオンゲージ17は、クラスターをイオン化させてイオン電流を測定するものであり、例えば、電子が飛び出すフィラメント、グリッド、イオンを集めるコレクタより構成される。イオンゲージ17は、可動式であり、ビーム制御室2内におけるクラスターの経路と、経路から外れる位置とに移動可能に配置される。また、このイオンゲージ17は、スキマー7のクラスター流噴出方向下流側(スキマー7の直後)に配置され、イオン化していないクラスターが照射される。つまり、本第3実施形態では、イオンゲージ17はスキマー7を通過したクラスターの量に対応する物理量としての電流を測定する。そして、XYステージ10a、Zステージ11aを動かしてスキマー7の位置を調整することで、イオンゲージ17の出力が変化する。
このように、イオンゲージ17には、直接クラスター流が当てられるので、上記真空計32(図1)よりも感度のよい測定ができ、スキマー7の位置調整の精度が向上する。また、イオンゲージ17をクラスター流の経路からはずすことで、基板23にクラスターを照射するときにイオンゲージ17にクラスターが衝突するのを防ぐことができるので、クラスターの破壊及びイオンゲージ17のコンタミネーションを防ぐことができる。
[第4実施形態]
次に第4実施形態のガスクラスターイオンビーム照射装置について説明する。なお、本第4実施形態において、上記第1実施形態と同一の構成については、同一符号を付して説明を省略する。上記第1〜第3実施形態では、測定装置が、スキマーを通過したクラスターの量に対応する物理量を測定する真空計を備えた場合について説明した。これに対し、本第4実施形態では、図4に示すように、測定装置が、スキマーを通過したクラスターのサイズに対応する物理量を測定するクラスターサイズ測定部である測定器35を備える場合について説明する。
測定器35は、チョッパー電極22及び電流を検出する検出器としてのファラデーカップ24とを有し、クラスターの飛行時間を測定するものである。チョッパー電極22は、ビーム制御室2内であって環状電極群19のクラスターの噴出方向下流側に設けられ、クラスタービームを偏向させ、パルス的に偏向を開放することで、パルス状の直進ビームを得ることができる。ファラデーカップ24は、照射室3内に設けられ、パルス状の直進ビームが照射される。
クラスターイオンビーム中の個々のクラスターイオン粒子は、イオン化室16の電位のエネルギーを運動エネルギーとして持っているため、クラスターの大きさにより速度が異なる。したがって、パルス状の直進ビームがチョッパー電極22からファラデーカップ24に到達する時間は、クラスターサイズが大きいほど長い。例えばチョッパー電極22とファラデーカップ24との間隔を40cmとし、イオン化室16の電位が20kVの場合、モノマーイオンで約18μsecである。これに対し、Ar100原子からなるクラスターで約183μsec、Ar1000原子からなるクラスターで約580μsecとなる。
そのため、ファラデーカップ24により検出されたイオン電流を、不図示のオシロスコープで観測することにより、クラスターサイズを評価することができる。このチョッパー電極22も可動式になっており、クラスターイオンビームの経路からはずすことができ、ビーム光路の妨げにならないようにしている。
また、ファラデーカップ24をビームの進行方向を法線方向とする面内で移動させることにより、ファラデーカップ24の移動する面内でのクラスターサイズ分布が評価できる。したがって、アパーチャー21の位置及びファラデーカップ24の位置から基板23の位置及びXYZステージ26のスキャン範囲を幾何的に求めることで、照射するクラスターイオンビームのサイズ分布を所望のものにすることができる。
ここで、クラスター流は径方向の中心から外側に離れるに連れ、クラスターサイズが小さくなっている。そこで、クラスターサイズを測定しながら、クラスター流を法線方向とする面内(矢印XY方向)でスキマー7を動かすと、クラスター流の径方向のクラスターサイズの分布がわかる。つまり、クラスター流は、径方向にクラスターサイズの分布を有し、スキマー7のアパーチャーの口径がクラスター流の径よりも小さいので、スキマー7を動かすと、それぞれの位置でクラスターサイズの分布を評価することができる。このように、スキマー通過後のクラスターサイズを評価することで、クラスターが良く生成しているところにスキマーを調整することができる。
また、必要なクラスターサイズの分布する領域を通過させる大きさのアパーチャーを持つスキマー7を選択でき、試行錯誤をする必要がなく、一回の真空チャンバー40の大気開放だけでスキマー7を配設することができる。この最適なスキマー7の選択と配設により、スキマー7を通過しイオン化室16に輸送できるクラスターは格段に増加し、その装置のクラスター生成能力を最大限に引き出すことができる。
また、クラスターイオンビームでは、1原子あたりのエネルギー量が照射作用程度の基本のパラメータになっている。そのため、加速電圧、ガス種、所望の作用により適切なサイズ分布を持ったクラスターイオンビームを効率よく得られるように、上記パラメータに加えスキマー7の位置を調整することでその装置の能力を最大限に引き出すことができる。
なお、イオンビーム粒子の評価手法として、タイムオブフライト法のほか、減速電極法などがあり、文献(“荷電粒子ビーム工学”石川順三著、コロナ社2001年発行)に詳しく記載されており、各方法によりクラスターサイズを評価することが可能である。中でも、上述したように、同じ運動エネルギーを与えた時の検出器までの飛行時間を測定して、質量を算出するいわゆるタイムオブフライト法を用いると、リアルタイムにクラスターサイズ分布が測定結果として得られ、調整の精度、時間共に非常に有効である。
なお、上記実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。上記第1〜第実施形態では、XYステージを移動操作するマイクロメータを手動で操作する場合について説明したが、これに限定するものではなく、電動モータ等で操作する場合であってもよい。同様に、上記第2〜第実施形態では、Zステージを移動操作するマイクロメータを手動で操作する場合について説明したが、これに限定するものではなく、電動モータ等で操作する場合であってもよい。つまり、クラスターの量、クラスターのサイズが最大となるように測定装置の測定結果に基づいて各マイクロメータの操作量を制御装置で制御すればよい。
また、上記第1実施形態では、測定装置が真空計32であり、真空計32を直読する場合について説明したが、測定装置がクラスターをイオン化してファラデーカップでイオン電流を測定する装置やレーザ干渉計によりイオン電流を測定する装置であってもよい。これによっても、クラスター量を評価することができる。
また、上記第実施形態では、電流を検出する検出器がファラデーカップ24である場合について説明したが、これに限定するものではなく、検出器が電子増倍管、シンチレータ等であってもよく、イオン電流を検出できればいかなる検出器であってもよい。
また、上記第1〜第実施形態では、測定装置がクラスター量測定部としての真空計を有し、上記第実施形態では、測定装置がクラスターサイズ測定部としての測定器を有する場合について説明したが、これに限定するものではない。測定装置が、クラスター量測定部及びクラスターサイズ測定部を有する場合であってもよい。
7 スキマー
14 ノズル
16 イオン化室
40 真空チャンバー
50,50A 調整機構
100 ガスクラスターイオンビーム照射装置

Claims (9)

  1. クラスターをイオン化部にてイオン化して加速し、ターゲットにクラスターを照射するガスクラスターイオンビーム照射装置において、
    開口部を有する第1の真空容器と、前記第1の真空容器とは別体に形成され、前記イオン化部が内部に配置され、開口部を有する第2の真空容器とを有し、前記第1の真空容器の開口部と前記第2の真空容器の開口部とが接続された真空チャンバーと、
    前記第1の真空容器の内部に配置され、前記クラスターを生成するノズルと、
    前記ノズルに対向して配置され、前記ノズルから生成された前記クラスターを前記第2の真空容器の開口部に向かわせるスキマーと、
    前記第2の真空容器内の圧力を測定する真空計と、
    前記真空計の測定結果に基づいて前記スキマーを移動可能な調整機構と、を備えたことを特徴とするガスクラスターイオンビーム照射装置。
  2. 前記調整機構は、前記スキマーを固定したプレートと、前記プレートを支持するステージと、前記ステージを移動させるマイクロメータと、を有することを特徴とする請求項1に記載のガスクラスターイオンビーム照射装置。
  3. 前記マイクロメータが手動式であることを特徴とする請求項2に記載のガスクラスターイオンビーム照射装置。
  4. 前記マイクロメータの操作量を制御する制御装置を備えたことを特徴とする請求項2に記載のガスクラスターイオンビーム照射装置。
  5. 前記第1の真空容器の開口部と前記第2の真空容器の開口部とを接続するためのベローズを備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガスクラスターイオンビーム照射装置。
  6. 前記真空計は、ダイヤフラム型圧力計又はピエゾゲージであることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載のガスクラスターイオンビーム照射装置。
  7. クラスターを生成するノズルと、前記クラスターをイオン化して加速するイオン化部と、前記ノズルが内部に配置され、開口部を有する第1の真空容器、及び前記第1の真空容器とは別体に形成され、前記イオン化部が内部に配置され、開口部を有する第2の真空容器を有し、前記第1の真空容器の開口部と前記第2の真空容器の開口部とが接続された真空チャンバーと、前記ノズルに対向して配置され、前記ノズルから生成された前記クラスターを前記第2の真空容器の開口部に向かわせるスキマーと、を備えたガスクラスターイオンビーム照射装置を用いて、ターゲットに前記クラスターを照射するガスクラスターイオンビーム照射方法において、
    前記第2の真空容器内の圧力を測定する測定工程と、
    前記測定工程による測定結果に基づいて前記スキマーの位置を調整する調整工程と、を備えたことを特徴とするガスクラスターイオンビーム照射方法。
  8. 前記スキマーは、プレートに固定され、
    前記調整工程では、前記プレートを移動して前記スキマーの位置を調整することを特徴とする請求項7に記載のガスクラスターイオンビーム照射方法。
  9. 前記調整工程では、前記圧力が最も高くなるように前記スキマーの位置を調整することを特徴とする請求項7または8に記載のガスクラスターイオンビーム照射方法。
JP2009072103A 2009-03-24 2009-03-24 ガスクラスターイオンビーム照射装置及びガスクラスターイオンビーム照射方法 Expired - Fee Related JP5606002B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009072103A JP5606002B2 (ja) 2009-03-24 2009-03-24 ガスクラスターイオンビーム照射装置及びガスクラスターイオンビーム照射方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009072103A JP5606002B2 (ja) 2009-03-24 2009-03-24 ガスクラスターイオンビーム照射装置及びガスクラスターイオンビーム照射方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010225442A JP2010225442A (ja) 2010-10-07
JP5606002B2 true JP5606002B2 (ja) 2014-10-15

Family

ID=43042416

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009072103A Expired - Fee Related JP5606002B2 (ja) 2009-03-24 2009-03-24 ガスクラスターイオンビーム照射装置及びガスクラスターイオンビーム照射方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5606002B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014086247A (ja) * 2012-10-23 2014-05-12 Canon Inc 超音速ビーム装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4412790Y1 (ja) * 1965-06-21 1969-05-27
JPH0479143A (ja) * 1990-07-23 1992-03-12 Jeol Ltd 高周波誘導結合プラズマ質量分析装置
AU1876592A (en) * 1991-04-25 1992-12-21 Shui-Yin Lo Forming charges in a fluid and generation of a charged beam
JP3569323B2 (ja) * 1994-10-07 2004-09-22 独立行政法人 科学技術振興機構 クラスタービームの強度とクラスターサイズ 分布の測定方法
EP1238406B1 (en) * 1999-12-06 2008-12-17 TEL Epion Inc. Gas cluster ion beam smoother apparatus
JP2004507037A (ja) * 2000-07-14 2004-03-04 エピオン コーポレイション Gcibのサイズ診断、及びワークピース加工

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010225442A (ja) 2010-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2088613B1 (en) Use of a dual mode gas field ion source
US7772564B2 (en) Particle-optical apparatus equipped with a gas ion source
EP1981058B1 (en) Ion implantation apparatus and ion implantation method
US20020070361A1 (en) Gas cluster ion beam size diagnostics and workpiece processing
JP2004527875A (ja) ガスクラスターイオンビームのための充電制御および線量測定システム
US6770874B2 (en) Gas cluster ion beam size diagnostics and workpiece processing
JP5713576B2 (ja) 予め位置合わせされたノズル/スキマー
CN111344489B (zh) 紧凑型静电离子泵
Moradmand et al. Momentum-imaging apparatus for the study of dissociative electron attachment dynamics
JP2014197538A (ja) 質量選別器並びにイオン銃、イオン照射装置及び質量顕微鏡
KR20110034430A (ko) 입자 빔 질량 분석기
US20140326874A1 (en) Printed circuit board multipole units used for ion transportation
US9230789B2 (en) Printed circuit board multipole for ion focusing
TW202025211A (zh) 離子植入設備、離子植入器及靜電過濾器
US9343259B2 (en) GCIB nozzle assembly
JP5606002B2 (ja) ガスクラスターイオンビーム照射装置及びガスクラスターイオンビーム照射方法
JP2011171009A (ja) 集束イオンビーム装置
JP2011171008A (ja) 集束イオンビーム装置
US9754772B2 (en) Charged particle image measuring device and imaging mass spectrometry apparatus
JP2011086471A (ja) クラスターイオンビーム装置及びクラスターイオンビーム装置の調整方法
JP7286420B2 (ja) イオン注入装置
US20160020064A1 (en) Apparatus for focusing and for storage of ions and for separation of pressure areas
JP6624790B2 (ja) 投影型の荷電粒子光学系、およびイメージング質量分析装置
JP3970497B2 (ja) イオン源を用いたイオンビーム発生方法,イオン源
US5543615A (en) Beam charge exchanging apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120203

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120322

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20130228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130716

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140703

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140729

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140826

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees