JP5605927B1 - 抗シワ用、コラーゲン収縮用、ヒアルロン酸増加用、細胞増殖用の美顔器・美容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】表皮内側の線維芽細胞とコラーゲン組織に照射する変動磁気で、表皮を傷つけずに「抗シワ効果」を発揮できる。
【解決手段】表皮H内側の線維芽細胞Fとコラーゲン組織Cに照射する磁場Mを、表皮H外側で発生させる磁場発生部2を有し、磁場発生部2は、磁場Mを変動させながら表皮H越しに照射する。磁場発生部2は、磁場Mを発生する磁場発生面3aが設けられたケース体3と、ケース体3に内蔵されたコイル4を有し、コイル4は、両端に鍔部5a、5bを設けたスプール部6周面に電線が巻かれたボビン7と、ボビン7一端側から一端部8aが突出した状態でスプール部6内に嵌入される鉄心8を備え、鉄心8の突出した一端部8aが進入可能な磁極孔9をケース体3の磁場発生面3a側に形成し且つボビン7一端側の鍔部5aをケース体3の磁場発生面3a側の内面に当接させ、ボビン7の電線に流す電流が、交流電流又はパルス電流である。
【選択図】図9

Description

本発明は、表皮越しに、その内側の線維芽細胞とコラーゲン組織に、変動する磁場(変動磁気)などを照射することで、表皮下方のコラーゲン組織を収縮させる等をして、変動磁気などによって肌のハリを良くする美容機器に関する。この他、美容方法、コラーゲン収縮方法、ヒアルロン酸増加方法、及び、細胞増殖方法についても記載する。
従来、相対的な突出部およびエネルギーが与えられ相対的に窪んだ溶解セグメントからなる実質的に平面的な先端部を備えたシャフトからなるフェイスタイトニング装置が知られている(特許文献1参照)。
このフェイスタイトニング装置は、先端部、シャフトおよびハンドル、および前記先端部の遠位端にあり、エネルギーが付与される相対的に窪んだ少なくとも一つの溶解セグメントによって隔てられた複数の相対的に突出する部分、を含み、複数の相対的に突出する部分は、前記窪んだ少なくとも一つの溶解セグメントと共に組織を実質的に平面に溶解させるように構成され、相対的な突出および窪みは少なくとも一つの視角から見ることで規定される。
特表2008−508051号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたフェイスタイトニング装置は、特許文献1の図2〜4において、当該装置の典型的な切開および挿入地点等が示されたように、皮膚を切開して当該装置を挿入するものであって、皮下の組織を溶解させることを必須とする。
つまり、このフェイスタイトニング装置は、外科手術によってしか使用できない。
更に、特許文献1の図2〜4における符号410は、避けるべき表面神経経路周辺を、二重点線円を示しており、この表面神経経路周辺410の近傍を、フェイスタイトニング装置の経路を示すベクトル300が通っており、危険である。
本発明は、このような点に鑑み、表皮を傷つけることがないのであれば、表皮内側の線維芽細胞とコラーゲン組織に、変動するか否かを問わず、表皮越しに磁場を照射しても良く、表皮内部のコラーゲン組織を収縮させ、抗シワ効果を奏する美容機器等を提供すること目的とする。
この他、表皮内側の線維芽細胞とコラーゲン組織に、表皮越しに照射する磁場を変動させることで、表皮を傷つけることなく、その内部のコラーゲン組織を収縮させ、抗シワ効果を奏する美容機器を提供すると共に、表皮越しに発生する磁場を変動させる等の美容方法、及び、コラーゲンそのものを収縮させる方法を提供することや、更に、コラーゲン収縮方法、ヒアルロン酸増加方法、細胞増殖方法についても記載する。
本発明に係る美容機器1は、表皮H内側の線維芽細胞Fとコラーゲン組織Cに照射する磁場Mを、前記表皮H外側で発生させる磁場発生部2を有し、この磁場発生部2は、前記磁場Mを前記表皮H越しに照射し、前記磁場Mの発生を所定時間ごとにON/OFFさせる際において、前記磁場Mが発生するON状態の時間と、前記磁場Mが発生しないOFF状態の時間を調節するタイマー部を有し、前記磁場発生部2は、前記磁場Mを発生する磁場発生面3aが設けられたケース体3と、このケース体3に内蔵されたコイル4を有し、このコイル4は、両端に鍔部5a、5bを設けたスプール部6周面に電線が巻かれたボビン7と、このボビン7一端側から一端部8aが突出した状態でスプール部6内に嵌入される鉄心8を備え、この鉄心8の突出した一端部8aが進入可能な磁極孔9を前記ケース体3の磁場発生面3a側に形成し、且つ、前記ボビン7一端側の鍔部5aを前記ケース体3の磁場発生面3a側の内面に当接させていて、前記磁気発生部2は、前記コイル4を1つ有し、前記鉄心8は、略E字状であると共に、前記磁極孔9が有底状の孔であり、且つ、前記磁場発生面3aには前記表皮Hを当該磁場発生面3aから抗シワ用、及び/又は、コラーゲン収縮用の所定距離だけ離れた位置にセットする部材が設けられていることを第1の特徴とする。
本発明に係る美容機器1の第2の特徴は、表皮H内側の線維芽細胞Fに照射する磁場Mを、前記表皮H外側で発生させる磁場発生部2を有し、この磁場発生部2は、前記磁場Mを前記表皮H越しに照射し、前記磁場Mの発生を所定時間ごとにON/OFFさせる際において、前記磁場Mが発生するON状態の時間と、前記磁場Mが発生しないOFF状態の時間を調節するタイマー部を有し、前記磁場発生部2は、前記磁場Mを発生する磁場発生面3aが設けられたケース体3と、このケース体3に内蔵されたコイル4を有し、このコイル4は、両端に鍔部5a、5bを設けたスプール部6周面に電線が巻かれたボビン7と、このボビン7一端側から一端部8aが突出した状態でスプール部6内に嵌入される鉄心8を備え、この鉄心8の突出した一端部8aが進入可能な磁極孔9を前記ケース体3の磁場発生面3a側に形成し、且つ、前記ボビン7一端側の鍔部5aを前記ケース体3の磁場発生面3a側の内面に当接させていて、前記磁気発生部2は、前記コイル4を1つ有し、前記鉄心8は、略E字状であると共に、前記磁極孔9が有底状の孔であり、且つ、前記磁場発生面3aには前記表皮Hを当該磁場発生面3aから抗シワ用、ヒアルロン酸増加用、及び/又は、細胞増殖用の所定距離だけ離れた位置にセットする部材が設けられている点にある。
この他、美容機器1は、表皮H内側の線維芽細胞Fとコラーゲン組織Cに照射する磁場Mを、前記表皮H外側で発生させる磁場発生部2を有し、この磁場発生部2は、前記磁場Mを変動させながら前記表皮H越しに照射している場合もある。
又、この他に、美容機器1は、前記磁場発生部2は、前記磁場Mを発生する磁場発生面3aが設けられたケース体3と、このケース体3に内蔵されたコイル4を有し、このコイル4は、両端に鍔部5a、5bを設けたスプール部6周面に電線が巻かれたボビン7と、このボビン7一端側から一端部8aが突出した状態でスプール部6内に嵌入される鉄心8を備え、この鉄心8の突出した一端部8aが進入可能な磁極孔9を前記ケース体3の磁場発生面3a側に形成し、且つ、前記ボビン7一端側の鍔部5aを前記ケース体3の磁場発生面3a側の内面に当接させていて、前記ボビン7の電線に流す電流が、交流電流又はパルス電流である場合もある。
これらの特徴により、図9に示したように、表皮H内側の線維芽細胞Fとコラーゲン組織Cに対して、表皮H越しに、表皮H外部の磁場発生部2で、磁場Mを発生させることで、特許文献1のように表皮Hを切開するなど、傷つけることなく、表皮H内側のコラーゲン組織Cを収縮させることなどが出来、その結果、肌にハリを持たせることが可能となる。
つまり、「抗シワ効果」が実現できる。
この他、図9に示したように、表皮H内側の線維芽細胞Fとコラーゲン組織Cに対して、表皮H越しに、表皮H外部の磁場発生部2で、変動する磁場Mを発生させる場合にも、特許文献1のように表皮Hを切開するなど、傷つけることなく、表皮H内側のコラーゲン組織Cを収縮させることなどが出来、その結果、肌にハリを持たせることが可能となる。
尚、本発明における磁場Mの「変動」とは、磁場Mにおける磁束密度(ガウス)が変化することは勿論のこと、磁場Mにおける磁力線の向きも変化することを意味する。
又、磁場発生部2において、コイル4の鉄心8の一端部8aが進入可能な磁極孔9をケース体3の磁場発生面3a側に形成し、ボビン7一端側の鍔部5aをケース体3の磁場発生面3a側の内面に当接させことで、鉄心8の一端部8aを、極力、表皮H内側(表皮H下方)の線維芽細胞Fとコラーゲン組織Cに近接させて、線維芽細胞Fやコラーゲン組織Cに届く磁場Mの磁束密度(ガウス)が高くなり、「高ガウス化」が図れる。
これと同時に、磁場発生部2の磁場発生面3aを、内面から、ボビン7一端側の鍔部5aが支えることにもなり、ケース体3の「強度向上」にも繋がる。
従って、美容機器1の「高ガウス化」と「強度向上」を両立できる。
この他、ボビン7の電線に交流電流又はパルス電流を流す場合もある。
尚、本発明に係る美容機器1は、表皮H内側の線維芽細胞Fとコラーゲン組織Cに照射する磁場Mを、前記表皮H外側で発生させる磁場発生部2を有し、この磁場発生部2は、前記磁場Mを前記表皮H越しに照射することとしても良い。
この他、美容方法は、表皮H内側の線維芽細胞Fとコラーゲン組織Cに、変動する磁場Mを前記表皮H越しに照射する場合もある。
又、この他に、美容方法、前記変動する磁場Mを、所定時間ごとに間欠的に照射する場合もある。
同じく図9に示す如く、表皮H内側の線維芽細胞Fとコラーゲン組織Cに、表皮H越しに、変動する磁場Mを照射した場合には、表皮Hを切開して装置を挿入したり、挿入した装置によって、表皮H下(内側)溶解させたり外科的な方法は一切必要なく、表皮H内側のコラーゲン組織Cを収縮させて「抗シワ効果」を発揮できる。
又、変動する磁場Mを、所定時間ごとで間欠的に照射した場合には、コラーゲン組織Cの収縮が促進されやすい温度環境下で、変動磁場(変動磁気)を照射でき、更なる「抗シワ効果」の向上が図れる。
尚、この他、美容方法は、表皮H内側の線維芽細胞Fとコラーゲン組織Cに、磁場Mを前記表皮H越しに照射する場合もある
又、この他、美容方法は、ヒトに対する医療行為を除く。この他、美容方法は、ヒトを含む動物に対する医療行為を除いても良い。
尚、この他、コラーゲン収縮方法は、線維芽細胞Fを埋包したコラーゲンに磁場Mを照射し、この磁場Mを変動させる場合もあり、図9に示すように、この場合には、コラーゲンゲルG(コラーゲン組織C)も収縮させることが可能となる。
又、この他に、コラーゲン収縮方法は、線維芽細胞Fを埋包したコラーゲンに磁場Mを照射する場合もある
更に、この他、ヒアルロン酸増加方法は、線維芽細胞Fに磁場Mを照射する場合もありこの他に、細胞増殖方法も、線維芽細胞Fに磁場Mを照射する場合もある。
発明は、表皮内側の線維芽細胞とコラーゲン組織に、表皮越しに磁場を照射することで、表皮を傷つけることなく、その内部のコラーゲン組織を収縮させ、抗シワ効果を奏する。
その他、更に、ヒアルロン酸増加方法、及び、細胞増殖方法も提供できる場合もある。 又、その他、美容機器、美容方法によると、表皮内側の線維芽細胞とコラーゲン組織に、表皮越しに、磁場発生部で変動する磁場を照射することで、表皮を傷つけずに、表皮内側のコラーゲン組織を収縮させることが出来、肌にハリを持たせ「抗シワ効果」が実現できると共に、コラーゲン収縮方法も提供可能となる場合もある。
は表皮と表皮内側の線維芽細胞とコラーゲン組織を示す断面図である。 は本発明に係る美容機器を示す断面図である。 は照射試験1−1における線維芽細胞を埋包したコラーゲンゲルへの磁気の照射試験装置を示す概要側面図である。 は照射試験1−1における線維芽細胞を埋包したコラーゲンゲルへの磁気の照射試験装置を示す概要平面図である。 は照射試験1−1の2日目におけるコラーゲンゲルの様子を示す図面代用写真である。 は照射試験1−1の3日目におけるコラーゲンゲルの様子を示す図面代用写真である。 は照射試験1−1の4日目におけるコラーゲンゲルの様子を示す図面代用写真である。 は線維芽細胞を埋包したコラーゲンゲルへの磁気の照射試験1−1における培養液のみの場合と10%血清添加の場合の結果を示す折線グラフである。 は線維芽細胞を埋包したコラーゲンゲルへの磁気の照射試験1−1における培養液のみの場合の結果を示す棒グラフである。 は線維芽細胞を埋包したコラーゲンゲルへの磁気の照射試験1−1における10%血清添加の場合の結果を示す棒グラフである。 は照射試験1−2における線維芽細胞への磁気の照射試験装置に用いられた細胞培養用48穴平底プレートの各ウェルの内容物を示す概要平面図である。 は線維芽細胞への磁気の照射試験1−2におけるヒアルロン酸の産生の結果(細胞数での補正なしの場合)を示す棒グラフである。 は線維芽細胞への磁気の照射試験1−2におけるヒアルロン酸の産生の結果(細胞数での補正ありの場合)を示す棒グラフである。 は線維芽細胞への磁気の照射試験1−2における細胞増殖の度合いの結果を示す棒グラフである。 はヒトの目尻のシワへの磁気の照射試験2「前」における一の被験者の「磁気照射」される右側の目尻の様子を示す図面代用写真である。 はヒトの目尻のシワへの磁気の照射試験2「後」における当該被験者の「磁気照射」された右側の目尻の様子を示す図面代用写真である。 はヒトの目尻のシワへの磁気の照射試験2「前」における当該被験者の「磁気照射」される右側の目尻の解析結果を示す図である。 はヒトの目尻のシワへの磁気の照射試験2「後」における当該被験者の「磁気照射」された右側の目尻の解析結果を示す図である。 はヒトの目尻のシワへの磁気の照射試験2「前」における当該被験者の「磁気非照射」側である左側の目尻の三次元解析結果を示す図である。 はヒトの目尻のシワへの磁気の照射試験2「後」における当該被験者の「磁気非照射」側である左側の目尻の三次元解析結果を示す図である。 はヒトの目尻のシワへの磁気の照射試験2におけるシワ面積率、総シワ平均深さ、最大シワ平均深さ、最大シワ最大深さ及びシワ総体積に関する「磁気照射」と「磁気非照射」の変化率を示す棒グラフである。 はヒトの目尻のシワへの磁気の照射試験2における紅斑に関する「磁気照射」と「磁気非照射」の変化率を示す棒グラフである。
<皮膚>
ここでは、まず、本発明の美容機器1が、磁場Mを照射する対象である皮膚と、この皮膚のハリ、タルミ・シワについて述べる。
人(ヒト)は老化等により皮膚の真皮結合組織(コラーゲン組織C)が収縮力を失い、更には強度、弾力性も失って、結果として皮膚のハリが低下し、タルミやシワが生じると考えられている。
図1に示したように、皮膚は、大きく分けて、外側から表皮H、真皮S、皮下組織Uより構成されている。
表皮Hは、その厚みが約0.2mmであって、角層H1、表皮層H2、基底膜(表皮基底膜)H3を有している。
このうち、表皮層H2は、更に、顆粒層(2〜3層)、有棘層(5〜10層)、基底層(1層)から成る。
真皮Sは、表皮H内側(表皮H下方)に位置し、真皮Sの厚みは約2.0mmであって表皮Hよりも領域の広い部分となっている。
真皮Sは、線維芽細胞Fとその周囲にI 型、及び、III 型コラーゲン組織Cなどからなる細胞外マトリックスが密につまった状態になっており、皮膚の弾性やハリなどの強度を保っている。
尚、線維芽細胞Fは、皮膚の機能を保つ上で重要な細胞であって、皮膚が揖傷した際に、その揖傷部に遊走し、コラーゲンなどの細胞外マトリックスの産生を始める結合組織の固有細胞である。
コラーゲン組織Cをはじめとする細胞外マトリックス(細胞外基質)は、生体を構成する細胞の外側にある線維状や網目状の構造体であって、人等の動物の場合、コラーゲン・ヒアルロン酸・プロテオグリカンなどが主な成分である。細胞と細胞の間を満たし、生体組織を支持するだけでなく、細胞の増殖・分化・形質発現の制御にも重要な役割を果たす。
皮下組織Uは、真皮Sの内側(下方)に位置し、脂肪(皮下脂肪)が蓄えられており、この皮下脂肪は、エネルギーを蓄えるための貯蔵庫的な役割や、外部からの衝撃を吸収するクッションの役割を持っている。皮下組織Uは、熱を伝えにくい脂肪の特性によって、体温の調整にも役立っている。
尚、皮下組織Uの厚みは、身体の部位、年齢、性別、肥満度によって左右されるが、顔や頭部における皮下組織Uの厚みは、約2.0mmである。
上述した表皮H、真皮S、皮下組織Uを持つ皮膚(肌)のタルミやシワの予防・回復、ハリのある肌(特に、顔の肌)の維持・改善は、美容上の観点から注目されている。
肌のハリの維持・改善に用いられる本発明の美容機器(美顔器)1を、図面を参照して説明する。
<全体構成>
図2には、本発明に係る美容機器1が示されている。
この美容機器1は、表皮H内側の真皮S(線維芽細胞Fとコラーゲン組織C)に照射する磁場Mを発生させる磁場発生部2を有している。
又、美容機器1は、磁場発生部2を保持する保持部や、磁場Mの発生時間を調節するタイマー部、磁場Mの変動を調節する磁場操作部、現在の磁場Mの変動状態を表示する画面などを有していても良い(保持部、タイマー部、磁場操作部、画面などは、図示省略)。
上述した保持部は、磁場Mを照射したい箇所(顔や首、腕、脚等)に、磁場発生部2を当てた状態に保つものである。
この保持部を、ベルト等の帯状部材とし、この帯状部材を磁場発生部2に取り付けてベルト型としても良く、この場合は、人体の一部(顔、首、腕、脚など)に当て易く、集中してピンポイントで磁場Mを部分的に作用させることが容易となる。
又、この保持部を、クッション部材として、磁場発生部2がクッション部材の枠又は凹みに対して嵌合可能として、枠又は凹みに嵌合した磁場発生部2は、クッション部材に囲まれたシートクッション型であっても良く、この場合には、例えば、1つのクッション部材に対して複数の美容機器1を備えた美容機器としたり、美容機器1を備えたクッション部材を、他のクッション部材(美容機器1の有無を問わず)を、2つ、3つ又は4つ以上を連結させた美容機器としても構わない。
このシートクッション型とすることで、人体からの荷重を所定の広さで支えながら、広範囲に亘って人の全身に磁場を作用させることが可能となると共に、美容機器1を備えたクッション部材等を連結した美容機器であれば、床等の平坦面上や椅子やソファなどの形状に応じて変形し、床や椅子等の上に広げることが可能となる。
又、タイマー部は、磁場Mを発生させる時間や、所定時間ごとに間欠的に磁場Mを発生させる(つまり、磁場Mの発生を所定時間ごとにON/OFFさせる)際のON状態の時間やOFF状態の時間を調節するものである。
更に、磁場操作部は、発生させる磁場Mの変動周期、変動幅(磁束密度(ガウス)や磁場Mの強さ)、変動波形等を調節するものである。
<磁場発生部2>
図2で示されたように、磁場発生部2は、表皮H内側の線維芽細胞Fとコラーゲン組織Cに照射する磁場Mを、表皮Hの外側で発生させるものである。
尚、表皮Hの外側で発生させるため、磁場Mは、表皮H越しに、表皮H内側の線維芽細胞Fとコラーゲン組織Cへ照射される。
従って、磁場発生部2により発生された磁場Mは、表皮Hを切開して装置を挿入する等の外科的な方法(手術)はせずとも、表皮H内側の線維芽細胞Fとコラーゲン組織Cに届く。
更に、磁場発生部2が発生させる磁場Mは、その磁束密度や磁力線の向きが変化する。
このような変化する磁場Mを発生させ得る磁場発生部2は、磁場Mを発生する磁場発生面3aが設けられたケース体3と、このケース体3に内蔵されたコイル4を有している。
尚、磁場発生部2は、変化する磁場Mを発生させないものであっても構わない。
<ケース体3>
図2で示した如く、ケース体3は、珪素樹脂、ナイロン(ポリアミド)ポリマー等の合成樹脂や、ポリアセタール、ポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチックで構成されている。更に、ケース体3は、上下分割可能であって、下ケース体11と上ケース体12を備えている。
ケース体3は、何れの形状であっても構わないが、例えば、平面視略矩形状(略直方体状)であっても構わない。
尚、ケース体3は、上面の部分(磁場発生面3aの部分)のみが、着脱自在であったり、前後方向又は左右方向が開口し、横からコイル4をケース体3内に入れた後、横蓋で開口を閉じる構成であっても構わない。
又、ケース体3は、手のひらに乗るサイズであっても良い。
更に、ケース体3は、下ケース体11、上ケース体12以外に、これら上下ケース体11、12間に配備され且つその内部にコイル4(例えば、個数は2つであったり、1つであっても良い)を配備可能な中間フレーム(図示省略)を有していても良い。
更に、ケース体3は、帯状部材を取付可能な第1ジョイントと、ケース体3が嵌合可能なクッション部材の枠又は凹みに係止する第2ジョイントのうち少なくとも1つが設けられていても良い(第1ジョイント、第2ジョイントは、図示省略)。
尚、第1ジョイントは、帯状部材を取り付けられるのであれば、帯状部材の端部と嵌合、係止、縫合、再剥離可能な接着や、面ファスナ等による着脱などの何れであっても良い。
又、第2ジョイントは、クッション部材の枠又は凹みに係止するのであれば、出退する鉤部を有していたり、第1ジョイントのように、クッション部材の枠又は凹みに対して嵌合、係止、縫合、接着や、面ファスナ等による着脱など、何れの構成であっても構わない。
<下ケース体11>
図2に示されたように、下ケース体11は、2つで1組としたコイル4、4を下方から支える容器状の部材であって、下ケース体11の内底面には、コイル4、特に、後述する鉄心8の略角柱状の鉄心胴部19を位置決め保持する(左右)一対の係止片13、13が立設されている。
この一対の係止片13、13は、それぞれが平面視で略コ字状であって、各係止片13は、係止片胴部の両端に設けた係止片枝部が、互い向き合うように配備されている。
従って、これら各係止片13間に、鉄心胴部19を載置すれは、コイル4が所定位置で支持され、つまり、コイル4が下方に移動しないよう(コイル4の下端がケース体3の内面に当接して)下支えされ、この下支えされた所定位置において、コイル4上面側の鉄心8の突出した一端部8aが、上ケース体12内面の磁極孔9に対応する位置となる。
これに加えて、下ケース体11(係止片13、13間)と各コイル4(後述する鉄心胴部19)とに挟まれて配置され、且つ、それぞれのコイル4を上方へ付勢するバネ板14を有している。尚、バネ板14を有していなくても良い。
又、ケース体3には、コイル4に電力を供給するコードを、ケース体3内から外へ挿通させるコード孔の下半分を形成する下切欠が、下ケース体11の1つ側面に、当該側面を略半円状に下方へ切り欠いて設けられている(コード、下切欠は、図示省略)。
下ケース体11の内底面には、固定筒体が立設しており、上ケース体12の後述する固定孔に挿通されるネジ等によって、上下ケース体11、12が一体固定される(固定筒体は、図示省略)。
尚、上下ケース体11、12を一体固定するのであれば、これら固定筒体や固定孔、ネジ等の構成に限定されず、嵌め合いや接着等で一体固定しても良い。
<上ケース体12>
図2に示した如く、上ケース体12は、2つ1組のコイル4、4の上方に被さる蓋状の部材である。
この上ケース体12の外上面がケース体3における平面状の磁場発生面3aを構成している。
この磁場発生面3aには、上ケース体12の上面側を厚み方向に沿って貫通した(左右)一対の磁極孔9、9が設けられており、これらの各磁極孔9は、コイル4における鉄心8の突出した一端部8aがそれぞれ進入可能な大きさに設定されている。
尚、各磁極孔9は、貫通孔でなく、有底状の孔であっても良く、この場合は、後述する被覆シート15や外凹部16、接着剤18を有さない。
各磁極孔9は、平面視で略円形であり、この円形の略中心か若干ずれた位置に、下ケース体11の係止片13、13で位置決めされたコイル4の鉄心8の突出した一端部8a(特に、一端部8aの頂面21)に位置する。
又、磁極孔9の貫通長さは、当然、上ケース体12の上面側の厚みと略同一であると共に、鉄心8の一端部8aが、ボビン7の一方の鍔部4から突出した長さとも、略一致している。
これに加えて、磁極孔9における内周面9aは、鉛直方向(上下方向)に沿った略直筒状に形成されているが、この内周面9aは、磁極孔9の内面開口9bから外面開口9cに近づくほど直径が広がる上方末広がり状(上方へいくほど直径が広がるよう)に形成されたり、下方末広がり状に形成されていても良い。
上述した一対の磁極孔9、9の外面開口9cは被覆シート15で被われている。
この被覆シート15を上ケース体12に貼り付けた際、磁場発生面3aが略面一となるように、上ケース体12には、外上面(磁場発生面3a)を所定範囲だけ窪ませた外凹部16が設けられている。
この外凹部16の平面視形状は、被覆シート15と平面視で相似形且つ若干小さく、外凹部16の深さは、被覆シート15の厚みと略同一である。
このように、被覆シート15を外凹部16内に貼り付けて、磁場発生面3aを略面一とすることで、磁場発生面3a側の体裁(見栄え)が向上するだけでなく、被覆シート15端面が露出しないので、被覆シート15の剥れを抑制できる。
尚、磁場発生面3aは、これに貼り付けて略面一状となった被覆シート15も含めて、必ずしも平面でなくとも良く、使用者の腰部や肩部、腕、脚等の形状にあわせて、窪みが形成された曲面であっても、このような曲面と平面の両方から成る面であっても良い。
又、上述した各磁極孔9の外面開口9cは、外凹部16の底面内に位置することとなる。
更に、上ケース体12における磁場発生面3a側の内面(内上底面)には、2つのコイル4における各ボビン7、7の隣接した一方の鍔部5、5両方を嵌合させて位置決め可能な凹部17も、形成されている。
この凹部17は、平面視において、略長方形であって、隣接した2つの鍔部5、5両方を外側から囲うように、窪んでいる。
このように窪んだ凹部17に、隣接した2つの鍔部5、5両方をあてがえば、コイル4における鉄心8の突出した一端部8aが、それぞれ磁極孔9に対応する位置となる。
このように、2つのボビン7、7の鍔部5、5を位置決め可能な凹部17を、磁場発生面3a側の内面に形成することで、複数のコイル4を同時に、位置決め(つまり、支柱兼用位置に配設)でき、ケース体3の強度を確保しながら、組立が容易となる。
尚、上ケース体12には、上述したコード孔の上半分を形成する上切欠が、上ケース体の1つの側面(の下切欠に対応する位置)に、当該側面を略半円状に上方へ切り欠いて設けられている(上切欠は、図示省略)。
又、上ケース体12には、内上底面を貫通する固定孔が設けられており、この固定孔を通るネジ等が、下ケース体11の固定筒体に螺合することによって、上下ケース体11、12が一体固定されることとなる(固定孔、ネジ等は、図示省略)。
当然、上述したように、上下ケース体11、12の一体固定は、固定できるのであれば、ネジ等による固定手段に限定されない。
<被覆シート15>
図2に示すように、被覆シート15は、一対の磁極孔9、9を被う大きさであり、上ケース体12の磁場発生面3a(外凹部16内)に、接着剤18を介して貼り付けられている。尚、被覆シート15が、磁場発生面3aをはみ出すほど大きい場合であっても、各磁極孔9を被えるのであれば、構わない。
被覆シート15の平面視における形状は、特に限定されないが、例えば、大小で同心状に配置された略8字図形を上面(表面)に描き、磁力線をイメージした模様を形成したものでも良い。
但し、この模様は、同心円又は一重円のみで構成されたものであったり、形成されていなくても良い。
被覆シート15は、樹脂フィルムや紙素材、非磁性である金属の薄板等で構成され、更に詳しくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル(PVC)等の合成樹脂のフィルムや、これらの合成樹脂フィルムの上(表面)に、アルミ蒸着加工やホログラム加工を施したものであったり、パルプ(セルロース繊維)を主成分とする各種紙(上質紙、アート紙、クラフト紙、和紙等)やこれらの紙の表面にアルミ蒸着加工を施したもの、金・銀・銅・アルミニウム・マグネシウムなどの非磁性の金属薄板などでも良い。
これらの素材で構成される被覆シート15の厚みは、0.05mm以上1.00mm以下、好ましくは0.07mm以上0.7mm以下、更に好ましくは0.1mm以上0.5mm以下である。
又、被覆シート15は、上述した素材のシートの裏面15a側に接着剤18を塗布や含浸等されたシール体であっても良く、その場合、接着剤18が成す層(接着層)18aを形成することとなる。
尚、被覆シート15(シール体)の接着層18aの裏面(ケース体3側の面)には、剥離紙が設けられていても良く、製造の際に、ケース体3(上ケース体12)へ貼り付ける際には、剥離紙を剥がして被覆シート15を容易に貼り付けられると同時に、貼り付ける前までの被覆シート15の扱い・管理が容易となる。
被覆シート15は、少なくとも裏面(ケース体3側の面(上ケース体12に貼り付けられる側の面))15aが、略平坦となっているため、この被覆シート15の厚み等が、コイル4の鉄心8における上端部8aの先端(頂面21)から、ケース体3外の人体等までの距離となる。
尚、被覆シート15で裏面15aが略平坦であれば、つまり、被覆シート15に、裏面15aから上方に開口した有底状の孔や凹み等を設けず、鉄心8の上端部8aの先端(頂面21)を近接させることは、上ケース体12の磁極孔9側「だけ」に担わせることを意味する。
尚、本発明における被覆シート15の裏面15aが「略平坦」とは、製造当初は、鉄心8の上端部8aの先端(頂面21)に裏面15aが当接して、多少削れてしまった(窪んでしまった)等の場合も含む。
更に、被覆シート15は、製造当初は表面、裏面15a共に、略平坦であっても、上ケース体12に貼り付け後、表面(つまり、磁場発生面3a)側から下方に湾曲したり、窪みが出来ていたり、下方に削れていたり等しても、裏面15a側が略平坦であれば、本発明における「被覆シート15」に含まれる。
<接着剤18>
図2に示す如く、接着剤18は、被覆シート15の裏面15aを、上ケース体12における外凹部16の内底面に貼り付ける(接着させる)ものであって、当然に、被覆シート15と上ケース体12との間に存在する。
接着剤18は、被覆シート15と上ケース体12との間に存在するのであれば、いずれの構成でも良く、上述したように、被覆シート15がシール体であれば被覆シート15側に存在することとなり、これとは逆に、上ケース体12側が、当初から接着剤18が塗布等され(その上面は剥離紙で覆われ)たシール状となっていても良い。
又、被覆シート15を上ケース体12に貼り付ける直前に、被覆シート15と上ケース体12の何れか(又は両方)に、接着剤18を塗布等するものであっても良く、更には、被覆シート15がシール体であるか、上ケース体12側がシール状となっている場合であっても、直前に接着剤18を塗布等することとしても構わない。
接着剤18は、有機系(合成系、天然系)や無機系の接着剤など、被覆シート15の裏面15aを、ケース体3に貼り付け、各磁極孔9を被うのであれば何れでも良いが、以下に詳解する。
接着剤18は、有機系であれば、アクリル酸および誘導体を主成分とする接着剤や、ジアクリレートと過酸化物を主成分とする接着剤、アクリル樹脂エマルジョンを主成分とする接着剤等のアクリル系接着剤、α−オレフィン(イソブチレン等)と無水マレイン酸との共重合樹脂を主成分とする接着剤や、非結晶性ポリプロピレン(APP)樹脂を主成分とする接着剤等のオレフィン系接着剤、ウレタン基等のイソシアネート基やヒドロキシ基から誘導され化合する接着剤や、ポリウレタン(PU)樹脂またはウレタンプレポリマーを溶剤に溶融させた接着剤、ポリウレタン樹脂エマルジョンを主成分とする接着剤、各種親水性高分子の水溶液またはエマルション溶液と架橋剤としてのイソシアネート化合物を主成分とする接着剤、ポリウレタン樹脂を主成分としホットメルトに反応系の特性を付与した接着剤、熱可塑性ポリウレタン樹脂を主成分とする接着剤等のウレタン系接着剤、エーテル系誘導体セルロースを主成分とするエーテル系セルロ−ス接着剤、エチレンビニルアルコール(EVA)と酢酸ビニルを共重合させた樹脂やそのエマルジョンを主成分とするEVA系接着剤、エポキシ樹脂やそのエマルジョンを主成分とするエポキシ系接着剤、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂を主成分とするポリ塩化ビニル系接着剤、クロロプレンゴムとフェノール樹脂を主成分とするクロロプレンゴム系接着剤、ポリ酢酸ビニル樹脂やそのエマルジョンを主成分とするポリ酢酸ビニル系接着剤、2−シアノアクリル酸エステルモノマーを主成分とするシアノアクリレート系接着剤、オルガノポリシロキサンを主成分とする接着剤や、メチルジメトキシシリル基を末端に持つポリプロピレンオキシド(変成シリコーン)を主成分とする接着剤等のシリコーン系接着剤、スチレンとブタジエンとの共重合体やそのラテックスを主成分とするスチレン−ブタジエンゴム系接着剤、ニトリルゴムを主成分とするニトリルゴム系接着剤、セルロースのエステル系誘導体のひとつであるニトロセルロース(硝化綿)を主成分とするニトロセルロース系接着剤、フェノール樹脂を主成分とするフェノール系接着剤、ポリアミド(ナイロン)樹脂を主成分とするポリアミド系接着剤、ポリイミド(PI)類の低分子ポリマーを主成分とするポリイミド系接着剤、ポリスチレン(PS)樹脂を主成分とするポリスチレン系接着剤、ポリビニルアルコールを主成分とする接着剤や、ポリビニルアルコールの一種であるポリビニルブチラール樹脂を主成分とする接着剤等のポリビニルアルコール系接着剤、ポリビニルピロリドン(PVP)樹脂を主成分とするポリビニルピロリドン系接着剤、芳香族複素環ポリマーに属するポリベンズイミダソール(PBI)を主成分とするポリベンズイミダソール系接着剤、ポリメタクリレート樹脂を主成分とするポリメタクリレート系接着剤、メラミン(シアヌリル酸アミド)を主成分とするメラミン系接着剤、尿素を主成分とするユリア系接着剤、レゾルシノール樹脂またはフェノール・レゾルシノール樹脂を主成分とするレゾルシノール系接着剤などの合成系の接着剤の何れでも構わない。
又、接着剤18は、ラテックスを主成分とする天然ゴム系接着剤、植物由来のデンプンを主成分とするデンプン系接着剤、牛乳由来の蛋白質の一種であるカゼインを成分とするカゼイン系接着剤、動物由来のゼラチンを主成分とする接着剤である膠、血液に含まれる蛋白質の一種であるフィブリンを利用したフィブリン接着剤、マツ属の木から分泌される天然樹脂である松やに、ウルシ科のウルシノキやブラックツリーから採取した樹液を加工したウルシオールを主成分とする天然樹脂である漆、卵白の主成分タンパク質であるアルブミン、マメ科のアラビアゴムノキまたはその同属近縁植物の樹皮の傷口からの分泌物を乾燥させたアラビアガム、原油に含まれる炭化水素類の中で最も重質なアスファルトなどの天然系の接着剤であったり、二酸化ケイ素を主成分とするシリカ系接着剤、ケイ酸ナトリウムの濃い水溶液である水ガラス、石膏や石灰等を組み合わせたセメントなどの無機系の接着剤の何れでも良い。
尚、これらの素材で構成される接着剤18が、被覆シート15の裏面15aや上ケース体12の上面に塗布又は含浸等された際の厚み(接着層18aの厚み)は、0.01mm以上0.20mm以下であって、好ましくは、0.03mm以上0.15mm以下、更に好ましくは0.05mm以上0.10mm以下である。
又、接着剤18が当初より被覆シート15の裏面15a側に塗布等されたシール体である場合、被覆シート15自体と接着層18aを合わせた厚みは、0.06mm以上1.2mm以下、好ましくは0.10mm以上0.85mm以下、更に好ましくは0.15mm以上0.60mm以下である。
更に、接着剤18を、被覆シート15の裏面15aにおいて磁極孔9に対応する部分を避けて存在させることで、接着剤18がない分(接着層18aの厚み分)だけ、鉄心8の一端部8aを、より人体等に近づけることが可能となる。
<コイル4>
図2に示したように、本発明におけるコイル4は、2つのボビン7、7と、この2つのボビン7、7に嵌入される略コ字状の鉄心8を備えている。
尚、コイル4は、上述では、2つであるが、合計で4つや、1つ、3つ、更には、5つ以上であっても良い。
この場合、鉄心8は、嵌入するボビン7の一方の鍔部4から、突出する部分(一端部8a)があるのであれば、略コ字状でなくとも良く、1つのボビン7に嵌入する棒状の鉄心(1本棒)であったり、略E字状であっても良い。
<ボビン7>
コイル4におけるボビン7は、珪素樹脂、ナイロン(ポリアミド)ポリマー等の合成樹脂や、ポリアセタール、ポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチックで構成され、鉄心8を内部に嵌入可能なスプール部6と、同じく合成樹脂で構成され、このスプール部6の両端(上端、下端)に設けられた鍔部5、5と、スプール部6の外周面に巻回された電線を備えている。
ボビン7におけるスプール部6は、断面略正方形の角筒状部材であって、この筒内の断面形状・断面積は、鉄心8(鉄心枝部20)の断面形状・断面積より若干大きいか又は略同一である。
従って、スプール部6が、嵌め合いや両面テープ、接着剤等によって、鉄心8(鉄心枝部20)に固定されることなる。
尚、スプール部6は、略コ字状の鉄心8を介して、ケース体3に対して、その上下方向にスプール部6の軸心が沿うように配置される。
ボビン7における鍔部5は、スプール部6の上下端に一体的に設けられた一対の略正方形の平板状部材であって、各鍔部5は、スプール部6の軸心に直交する、つまり、それぞれの上下面が略水平方向に向くように配設される。
ここで、一対の鍔部5、5のうち、スプール部5の上端に設けられた一方の鍔部5(上鍔部5a)は、上述したように、上ケース体12の内上底面(磁場発生面3a側の内面)に当接配置される。
一方、一対の鍔部5、5のうち、スプール部6の下端に設けられた他方の鍔部5(下鍔部5b)は、略コ字状の鉄心8における鉄心胴部19上面に当接することによって、鉄心8に対するボビン7の位置決めをし、鉄心枝部20のスプール部6内への嵌入深さ、つまり、ボビン7上鍔部からの鉄心8の突出した一端部8aの突出長さを規定する。
尚、下鍔部5bにおいて対応する一対の側端面(互いに対向する位置にある前後面、左右面)には、電線をスプール部6に巻き始め又は巻き終りに、その電線を絡げる掛止ピンが立設されている(掛止ピンは、図示省略)。
尚、その掛止ピンに電線を絡げる際に、その電線を案内可能な案内溝が下鍔部5bに設けられていても良い。
又、掛止ピンは、各側端面に所定間隔をおいて、2本ずつを一対として設けられており、この場合には、スプール部6に対して、左右どちらの方向でも巻線が対応可能(巻回しする電線の方向を、右巻きでも左巻きでも可能)となり、作業の自由度が増し、作業工程も軽減した整列巻きが出来る。
更には、各側端面において、2本ずつ設けられた掛止ピンの間(略中間位置)に、電線を引っ掛けて巻く向きを変える凸部を設けていても良い。
これに加えて、互いに対向する一対の側端面のうち、一方の側端面に設けられた一対の掛止ピンの間の距離(ピン間の距離)を、他方の側端面に設けられた2本の掛止ピン間の距離(ピン間の距離)より小さく又は大きく(幅狭又は幅広)となるように(つまり、異なるように)設定している。
尚、掛止ピンは、各側端面に1本ずつ設けられていたり、設けられていなくても良い。
又、鉄心8の上端部8aの先端(頂面21)を、被覆シート15の裏面15aに、より近接させるために、上鍔部5aや下鍔部5bを薄くしたり、スプール部6を短くしても良い。
ボビン7における電線は、銅をはじめ、銀、金、アルミ等の電流を流し得るものであれば、素材、線種は何れであっても構わない。
この電線をスプール部6に巻く際には、手巻きや、巻線器等など、何れであっても構わない。尚、巻線器を利用して整列巻回しをする場合には、ある程度電線にテンションをかけて、電線を張った状態でないと綺麗な整列巻きが出来ないため、巻き始め及び巻き終りの電線を、テープで仮止めしたり、上述の掛止ピンに絡げても良い。
<亘り線・コード>
隣接した(隣り合う)2つのボビン7のうち、一方のボビン7の下鍔部5bの側端面に立設された2本の掛止ピンと、これら2本の掛止ピンと同じ側の側端面に立設されている他方のボビン7における2本の掛止ピンの合計4本の掛止ピンに亘って、ハンダ等を介して、亘り線が取り付けられている(亘り線は、図示省略)。
又、これら4本の掛止ピンと互いに対向する位置の側端面に立設している別の4本の掛止ピンにも、また別の亘り線が取り付けられており、2つのボビン7、7は、平面視で2本の亘り線に挟まれている。
尚、亘り線は、4本の掛止ピンの下方に位置しているが、各掛止ピンの上方で取り付けられていても良く、又、各掛止ピンを縫うように上下互い違いに亘されていても良い。
又、1本の亘り線が亘される4本の掛止ピンのうち、実際に巻き始め及び巻き終りの電線を絡げられるものは、2つのボビン7それぞれの巻き始め及び巻き終りの電線の合計2本だが、亘り線を4本ともに取り付けることによって、取付強度の向上を図っている。
2つのボビン7、7(2つ1組のコイル4)に亘された2本の亘り線それぞれの一端には、それぞれコードが接続されている(コードは、図示省略)。
これらコード(2本のコード)が、ON/OFFスイッチやタイマー等を経て、上述したコード孔からケース体3外にある商用電源(50Hz又は60Hz)等から供給される電力によって、ケース体3の磁場発生面3aに磁場を発生させる。
<鉄心8>
図2に示した如く、コイル4における鉄心8は、略コ字状に形成されており、略角柱状(断面視略正方形状)の鉄心胴部19と、この鉄心胴部19の両端(左右両端)に設けられた鉄心枝部20、20を備えている。尚、各鉄心枝部20も、略角柱状(断面視略正方形状)である。
つまり、長手方向を有する鉄心胴部19の左右両端から、この鉄心胴部19の長手方向と直交し且つ上方向に、それぞれの鉄心枝部20が延伸して、略コ字状(馬蹄状)を成している。
尚、鉄心8は、軟鉄などの薄板を所定の形にくり抜いて、重ね合せて一定の厚みを持たせるように構成されている。
又、各鉄心枝部20の上端部(突出した鉄心8の一端部)8aは、先細り状で、その最先端に頂面21を有し、この頂面21から根元に向け徐々に太くなるよう形成されている。
更に、この上端部8aの形状は、鉄心8の正面視だけでなく、側面視においても、先細るよう構成されている。
そこで、まずは、各鉄心枝部20の上端部8aにおける正面視の構成を述べる。
鉄心枝部20の上端部8aを正面から見るとは、略平坦で略水平状の頂面21と、この頂面21に連なる垂直面22と、この垂直面22の反対側に位置する傾斜部23を備えている。
上端部8aにおける垂直面22は、左右一対の鉄心枝部20、20が互いに向かい合う側(内側)に設けられており、鉄心胴部19の上面両端から上方へ連続して延びる垂直な面である。
上端部8aにおける傾斜部23は、左右一対の鉄心枝部20、20で互いに向かい合っていない側(外側)に設けられており、この外側から各鉄心枝部20が近づく側につれて高くなる向きに傾斜している。
更に、傾斜部23は、各鉄心枝部20の内側に位置する上段の上傾斜面24と、この上傾斜面24より各鉄心枝部20外側に位置する下段の下傾斜面25と、これら2つの傾斜面24、25の間に位置する平坦面26を備えている。
尚、上端部8aを正面から見た際の形状は、上述のように、上傾斜面24、下傾斜面25、平坦面26を備えていなくとも良く、例えば、間の平坦面26を有さず、上傾斜面24と下傾斜面25が連続して1つの傾斜部(傾斜面)23を構成していたり、上傾斜面24と平坦面26だけで傾斜部23を構成し、下傾斜面25を有さない場合など、先細り形状であれば、種々の形状を採用できる。
一方、各鉄心枝部20の上端部8aにおける側面視では、鉄心8を構成する薄板を、鉄心枝部20の長いものと短いもの2種類用い、鉄心8の厚み方向(側面視)においても先細るよう構成されている。
つまり、側面視における尖った部分は、鉄心枝部20が長い薄板を数枚積層したものを、鉄心枝部20が短い薄板を数枚積層したもので前後から挟むことで、構成している。
尚、この側面視における尖った部分(鉄心枝部20が長い薄板を数枚積層したものの上端部)の厚みは、当然、鉄心胴部19など鉄心8における他の部分(鉄心枝部20が長い積層体を、鉄心枝部20が短い積層体で挟んだ部分)より薄く、例えば、他の部分の厚みの1/3以上2/3以下となっている。
このように、鉄心8の突出した上端部8aを先細り状に形成することで、磁場の放出端からの磁束密度が上がり、その結果、放出される磁力(ガウス)が高まる。
つまり、ボビン7の電線に通電した際に、鉄心8内に発生した磁束が、尖った上端部8aから出ていくとき、より狭い空間を通るので、その空間内の磁束密度が高くなって、磁界内での磁力(ガウス)が高くなる。
又、上端部8aの傾斜した傾斜部23からは磁力線が放射されず、小さく尖った部分の先端に設けられた頂面21から全ての磁力線が出ていくので、磁力線が小さい面積の頂面21から集中して放射されることでも、磁力が高まる。
尚、ボビン7の電線に流す電流は、所定の周波数(例えば、50Hz、60Hz又はこれら以外の周波数)、振幅の交流電流としても良く、この場合には、コイルボビンからは、周波数によって磁極性が切り替わりながら磁束密度が時間的に変化する交流磁場が発生する。
又、本発明における周波数は、特に限定されないが、例えば、上述した50Hzや60Hzのほか、100Hz以下の周波数(低周波、超低周波)であっても良い。超低周波数としては20Hz以下としても良い。
ここで、100Hz以下や20Hz以下ということは、磁場操作部により周波数が0Hzとなった場合も含まれ、その際、磁場発生部2は、コイル4を有しているものの、変化する磁場M(変動磁場)を発生させないものとなる。尚、変動磁場を発生させない磁場発生部2としては、永久磁石でも良い。
更に、ボビン7の電線に流す電流は、所定の周期で所定値の電流が間欠的に流れるパルス電流、例えば、瞬時に立ち上がりややなだらかに立ち下がるという、三角形状の波形をしたパルス電流を流しても良く、この場合には、正弦波状のなだらかな波形をした交流電流よりも磁束変化が大きくなる。又、パルス電流は、正なら正だけ、負なら負だけの電流が間欠的に発生するので、交流電流のように、正の電流と負の電流が交互に流れる場合よりも、磁束の変化が相殺され難い。
これに加えて、鉄心8の上端部8aに形成された頂面21は、略平坦で略水平であり、各磁極孔9を被う被覆シート15の裏面15aも、同様に、略平坦で略水平であるため、上端部8aの頂面21と、被覆シート15の裏面15aは、対向している。
よって、鉄心8の上端部8aで尖った部分(例えば、頂面21と上傾斜面24を分ける縁部)で、ケース体3の磁場発生面3a側を突き抜けること等を抑制できると共に、鉄心8の一端部8aの頂面21が、対向する被覆シート15の裏面15aに当接して、頂面21と被覆シート15との間でも、ケース体3の磁場発生面3aを支えられる。
又、鉄心8の上端部8aの先端(頂面21)を、被覆シート15の裏面15aに、より近接させるために、鉄心8の各鉄心枝部20を伸ばしても良い。
ここまで述べた構成を持つ本発明は、コイル4における鉄心8の突出した上端部8aを、上ケース体12の磁場発生面3a側の内面に形成された磁極孔9に進入させる一方で、磁極孔9の外面開口9cを被覆シート15で被い、この被覆シート15に鉄心8の一端部8aを近接させることで、磁場発生面3a側では、ケース体3と被覆シート15の2層構造となって、ケース体3の2層分の強度が確保できると同時に、鉄心8の一端部8aから被覆シート15の表面(人体等)までの距離が、被覆シート15自体の厚み分だけの距離となり、所定の入力電力に対して発生する磁場の強度が上がる。
つまり、「磁場効率の向上」と「ケース強度保持」の両立が可能となる。
この磁場効率の向上により、最大磁束密度が1800ガウス(180ミリテスラ)の美容機器1ができると共に、「磁場発生手段によるケース体の支柱兼用」と「磁場効率の向上」の両立も実現する。
更に、上鍔部5aを、上ケース体12の磁場発生面3a側の内面に当接させることで、磁場発生面3aの内面側への凹みを、コイル4で規制して、コイル4を、ケース体3の磁場発生面3aを支える支柱として兼用することとなり、更なるケース強度の保持が図れる。
<実施例1>
上述した本発明に係る美容機器1を用いて、肌のシワやハリに対する予防ないし回復に役立つかを評価するin vitro(試験管内)での方法として、線維芽細胞Fを埋包したコラーゲンゲルG(以下、コラーゲンゲルGと略す)を用いる。
このコラーゲンゲルGに、美容機器1で発生される磁場Mを照射して、コラーゲンゲルGの収縮能(収縮活性)を試験する(照射試験1−1)。
尚、この照射試験1−1における線維芽細胞F、コラーゲンゲルGに用いるコラーゲン、培地、陽性対照物質、抗生物質を、以下に示す。
線維芽細胞Fには、正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB細胞、理研細胞バンク(独立行政法人理化学研究所 理研バイオリソースセンター))を用いた。
コラーゲンには、アテロコラーゲン(AteloCell (登録商標) DME-02H、DMEM 高グルコース(2mg/mL)、株式会社高研)を用いた。
培地には、DMEM培地(和光純薬工業株式会社)を用いた。
陽性対照物質には、牛胎児血清(Fetal bovine serum; 以下「FBS」、Hana-Nesco Bio(株式会社ハナ・ネスコバイオ))10%を用いた。
抗生物質には、ペニシリン+ストレプトマイシン(Cat No. (製品番号)10378-016 、インビトロジェン株式会社(ライフテクノロジーズ株式会社))を用いた。
ここで、「陽性対照」とは、ある試験において明らかに陽性を示すと予想される対照を言い、仮に、陽性対照においても陽性を示さない試験は、その試験自体の信頼性がないと判断される。
本照射試験1−1において「陽性を示す」とは、「コラーゲンゲルGが収縮する」ことを意味し、陽性対照物質であるFBSを(10%)含有させたコラーゲンゲルGが、磁場Mの照射の有無に拠らず、収縮すれば、本照射試験1−1の信頼性があると判断する。
一方、「陽性対照」とは逆の「陰性対照」とは、ある試験において明らかに陰性を示すと予想される対照を言い、「ネガティブコントロール」とも言う。
本照射試験1−1において陰性対照のコラーゲンゲルGとは、FBSを微量の0.25%だけ含有させた(つまり、実質的には、含有されていない)コラーゲンゲルGである。
この陰性対照のコラーゲンゲルGにおいて、本来、陰性である(収縮しない)コラーゲンゲルGが、磁場Mを照射させた方だけが、収縮すれば、磁場Mの照射によって、コラーゲンゲルGが収縮した、すなわち、磁場Mの照射(磁気刺激)にコラーゲンゲルGの収縮能(収縮活性)があると判断される。
又、DMEMとは、ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco's Modified Eagle's Medium)である。
更に、アテロコラーゲンとは、たんぱく質であるコラーゲン(トロポコラーゲン)の両端において、他の高分子と結合(分子間架橋)するためのテロペプチドを有さないコラーゲンである。
<照射試験装置30>
又、本照射試験1−1において、本発明に係る美容機器1を用いた照射試験装置30を、以下に示す。
照射試験装置30は、平面視略矩形状の美容機器1を2台用い、CO2 インキュベーター(MCO-96、三洋電機株式会社、以下「インキュベーター」、図示省略)内に設置した。
図3に示したように、各美容機器1の上面(磁場発生面3a)の4隅に、コルク製の台座31を置き、その上に、細胞培養用12穴平底プレート32(蓋付き、BD(ベクトン・ディッキンソンアンドカンパニー)、以下「プレート32」)を設置した。
温度測定装置(メモリハイロガーLR8400、日置電機株式会社)から延びる温度センサ33は、4本用い、(1)美容機器1の磁場発生面3a、(2)プレート32の下面、(3)後述する培養液34中、及び、(4)インキュベーター内の美容機器1から所定距離(例えば、5cm)離れた位置に、それぞれセットした((4)の温度センサは、図示省略)。
尚、(3)の培養液34中の温度センサ33は、センサ部分を密封するもの(例えば、エポキシ系の接着剤)で覆い、センサ部分の内部に培養液34が浸入しないようにした。
<培養液の調製>
本照射試験1−1におけるコラーゲンゲルGの培養液は、DMEM培地と、FBSと、ペニシリン+ストレプトマイシンから、FBSの濃度が10%となる培養液を調製した(10%FBS抗生物質含有DMEM培養液)。
この10%FBS抗生物質含有DMEM培養液を、FBSを含まない抗生物質含有DMEM培地にて希釈して、FBSの濃度が0.25%となる培養液を調製した(0.25%FBS抗生物質含有DMEM培養液)。
<細胞懸濁液の調製>
線維芽細胞Fを、10%FBS抗生物質含有DMEM培養液を用いてサブコンフルエントとなるように培養フラスコで前培養した。
培養フラスコに植えつけた線維芽細胞Fがサブコンフルエント状態に達した時、培地を吸引除去した。
トリプシン−EDTA溶液(インビトロジェン株式会社(ライフテクノロジーズ株式会社))を加え、インキュベートし、培養フラスコから線維芽細胞Fが剥離したことを確認後、10%FBS抗生物質含有DMEM培養液を加えて(トリプシン−EDTA溶液の働きを止めて)、懸濁液が出来る。
この懸濁液をコニカルチューブに回収し、遠心分離機を用いて遠心分離を行った。
遠心分離後、上清を除去し、線維芽細胞Fの沈殿をタッピングしてほぐし、10%FBS抗生物質含有DMEM培養液を加えて、再び遠心分離を行った。
遠心分離後、上清を除去し、線維芽細胞Fが6×105 cells/mLとなるように、DMEM培地を加えて懸濁し、細胞懸濁液を調製した。
<コラーゲンゲルGの作製>
DMEM培地とFBSを混合した後で、アテロコラーゲンを加え、ピペッティング操作にて緩やかに混合した。最後に、細胞懸濁液を加えて混合して、コラーゲン溶液(A溶液)を得た。
このA溶液を、上述したプレート32の各ウェル(well、穴)35に入れた後に、すぐにインキュベートして、コラーゲンを、コラーゲンゲルGにゲル化する。
<収縮活性の測定準備>
図4に示すように、照射試験装置30におけるプレート32の各ウェル35内で、コラーゲンゲルGにゲル化した後、プレート32の各ウェル35に、10%FBS抗生物質含有DMEM培養液と、0.25%FBS抗生物質含有DMEM培養液を加えていく。
このとき、図4において符号aで示された区分の8つのウェル35aは、培養液のみ(FBSの濃度が0.25%、つまり、実質FBSなし)を加え、磁場Mの照射(磁気刺激)をしないものを指す。
図4において符号bで示された区分の8つのウェル35bは、培養液のみ(実質FBSなし)を加え、磁場Mの照射(磁気刺激)をするものを指す。
尚、これら符号a、bで示された区分のウェル35a、35bが、陰性対照のコラーゲンゲルGである。
一方、図4において符号cで示された区分の4つのウェル35cは、10%FBS抗生物質含有DMEM培養液を加え、磁場Mの照射(磁気刺激)をしないものを指す。
図4において符号dで示された区分の4つのウェル35dは、10%FBS抗生物質含有DMEM培養液を加え、磁場Mの照射(磁気刺激)をするものを指す。
尚、これら符号c、dで示された区分のウェル35c、35dが、陽性対照のコラーゲンゲルGである。
<照射試験1−1>
上述した符号a〜dに4区分した2つのプレート32が、磁場発生面3a上に置かれた2つの美容機器1のうち、符号b、dの2区分を含むプレート32側の美容機器1だけに、安定化電源(又は、商用電源)から電流値や電流の向きが変動する電流(例えば、60Hzの交流)を流し、符号b、dのプレート32だけに変動する磁場Mを照射する。
この変動磁場Mの照射する方の美容機器1と安定化電源との間に、タイマーを設置することで、美容機器1への電流のON/OFFし、所定時間ごとに間欠的に変動磁場Mの照射を行った。
このように、変動する磁場Mを、所定時間ごとで間欠的に照射することで、コラーゲンゲルGの収縮が促進されやすい温度環境下で、変動磁場M(変動磁気)を照射でき、「抗シワ効果」の向上が図れる。
尚、本照射試験1−1にて用いた美容機器1は、コイル4に、例えば、50Hzや60Hzの交流(つまり、低周波又は超低周波と言える交流)を流して美容機器1で磁場Mを発生させていたが、この磁場Mは、周波数が0Hzである磁場Mであったり、又、美容機器1の磁場発生部2が永久磁石であっても良い。
ここで、所定時間ごとの間欠的な変動磁場Mの照射は、ONである時間、OFFである時間は、特に限定されないが、例えば、8時間ごとに1回15分間のON時間とし、それ以外をOFF時間としても良い。
このようなON/OFFを行う照射試験1−1を、例えば、4日間行い、コラーゲンゲルGの収縮活性を毎日評価した。
この収縮活性は、2つのプレート32それぞれの平面視におけるコラーゲンゲルGの面積により求めた。
図5〜7に示されたように、コラーゲンゲルGの面積は、各プレート32を真上から写真撮影し、その写真データよりコラーゲンゲルGの直径とウェル35の内径の測定値から求めた。
そして、変動磁場Mを照射したコラーゲンゲルGの面積と、変動磁場Mを照射しなかったコラーゲンゲルGの面積を比較し、収縮活性を評価した。
以下の表1〜6と図8〜10に、本照射試験1−1の結果を示す。
<照射試験1−1の評価>
上述の表1〜6及び図5〜10に示したように、収縮促進の陽性対照として用いた図4中の符号c、dの10%FBS抗生物質含有DMEM培養液を用いたコラーゲンゲルGの群(10%血清添加群)は、符号a、bの培養液のみ(0.25%FBS抗生物質含有DMEM培養液)のコラーゲンゲルGの群と比較して、2日目から4日目の各測定において、変動磁場Mの照射の有無に関わらず、有意に小さいコラーゲンゲルGの面積を示した(図8参照)。
又、変動磁場Mの照射(磁気刺激)によるコラーゲンゲルGの収縮に及ぼす影響については、符号a、bの培養液のみにおける磁場M未照射群(磁場Mを照射していない群)と磁場M刺激群(磁場Mを照射した群)の間で、刺激群のコラーゲンゲルGの面積が、2日目から4日目に有意に小さいことが示された(図9参照)。
更に、磁気刺激によるコラーゲンゲルGの収縮に及ぼす影響については、符号c、dの10%血清添加群は、磁場M未刺激群と刺激群の間で、2日目において有意な縮小が認められた。3日目と4日目では面積に有意な差は認められなかった(図10参照)。
以上の結果より、有意なコラーゲンゲルGの縮小が認められたことから、本照射試験1−1において磁気刺激の抗シワ効果が期待できることが明らかになった。
従って、線維芽細胞Fを埋包したコラーゲンに磁場Mを照射し、この磁場Mを変動させることによって、コラーゲンゲルG(コラーゲン組織C)を収縮させることが可能となり、これは、表皮H内側の線維芽細胞Fとコラーゲン組織Cに照射する磁場Mを、前記表皮H外側で発生させる磁場発生部2を有し、この磁場発生部2は、前記磁場Mを変動させながら前記表皮H越しに照射することで、特許文献1のように表皮Hを切開するなど、傷つけることなく、表皮H内側のコラーゲン組織Cを収縮させることも出来、その結果、肌にハリを持たせて「抗シワ効果」が実現できることを意味する。
尚、本照射試験1−1にて用いた美容機器1は、コイル4に、例えば、50Hzや60Hzの交流(つまり、低周波又は超低周波と言える交流)を流して磁場発生部2で磁場Mを発生させていたが、線維芽細胞Fを埋包したコラーゲンに対して、変動するか否かを問わず(つまり、コイル4を有する磁場発生部2であれば、交流か否かを問わず、又、磁場発生部2が永久磁石か否かを問わず)、磁場Mを照射することで、コラーゲンゲルG(コラーゲン組織C)を収縮させ、シワの改善作用が期待し得る。
<照射試験1−2>
上述した照射試験1−1と同様に、本発明に係る美容機器1を用いるが、照射時間や、範囲等が照射試験1−1と異なる照射試験1−2を行う。
尚、この照射試験1−2で用いる線維芽細胞F、コラーゲンゲルGに用いるコラーゲン、培地、陽性対照物質、抗生物質を、以下に示す。
線維芽細胞Fには、照射試験1−1と同じく、正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB細胞、理研細胞バンク(独立行政法人理化学研究所 理研バイオリソースセンター))を用いた。
コラーゲンには、I型コラーゲン(Human Collagen type I ELISA kit (without pepsin) EC1-E105 、株式会社エーセル)を用いた。
培地には、EMEM培地(和光純薬工業株式会社)を用いた。
陽性対照物質には、ビタミンCの誘導体であるパルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(以下、APPS:TriSodium Ascorbyl Palmitate Phosphate)を用いた。
抗生物質には、照射試験1−1と同じく、ペニシリン+ストレプトマイシン(Cat No. (製品番号)10378-016 、インビトロジェン株式会社(ライフテクノロジーズ株式会社))を用いた。
尚、後述する培養液には、照射試験1−1で使用した牛胎児血清(Fetal bovine serum; 以下「FBS」、Hana-Nesco Bio(株式会社ハナ・ネスコバイオ)を用いた。
又、EMEMとは、イーグル最少必須培地(Eagle's Minimum Essential Medium Dulbecco's Modified Eagle's Medium )である。
更に、I型コラーゲンとは、グリシン(アミノ酢酸):Gly −アミノ酸X−アミノ酸Yの繰り返しからなるポリペプチド鎖(α鎖)のうち、が3本より合わさったものであって、これら3本のα鎖は、α1鎖(I型)が1本と、α2鎖(I型)2本で構成される。
尚、アミノ酸Xやアミノ酸Yは、任意のアミノ酸を表すが、例えば、アミノ酸Xをプロリンとし、アミノ酸Yをヒドロキシプロリン又はアラニン等としても良い。
<照射試験装置30’>
又、本照射試験1−2において、本発明に係る美容機器1を用いた照射試験装置30’を、以下に示す。
図11に示す如く、照射試験装置30’では、照射試験1−1における細胞培養用12穴平底プレート32に替わって、ウェル(穴)の数が48である細胞培養用48穴平底プレート32’(蓋付き、BD(ベクトン・ディッキンソンアンドカンパニー)、以下「プレート32’」)を用いた。
このプレート32’は、縦6行(列A〜列F)、横8列(列1〜列8)で合計48個のウェル(穴)35’を有し、大まかに言えば、図11のプレート32’における左半分(列1〜列4)は、APPSなしとし、図11のプレート32’における右半分(列5〜列8)は、APPSありとしている。
左半分について詳解すれば、図11のプレート32’における1番左端の列1では、行A〜行Fの6つのウェル35’全てに、培養液を加えたのみで、線維芽細胞FやAPPSを入れていない(このようなウェルを、以下「未使用のウェル」とする)。
図11のプレート32’における左端から2番目の列2では、行Aのウェル35’は「未使用のウェル」である。行B〜行Eのウェル35’は、培養液と線維芽細胞Fを入れ、APPSを入れていない(このようなウェルを、以下「細胞のみのウェル」とする)。行Fのウェル35’は「未使用のウェル」である。
図11のプレート32’における左端から3番目の列3、及び、4番目の列4も、列2と全く同様で、行Aのウェル35’は「未使用のウェル」であり、行B〜行Eのウェル35’は「細胞のみのウェル」であり、行Fのウェル35’は「未使用のウェル」である。
右半分についても詳解すれば、図11のプレート32’における1番右端の列8では、列1と同様に、行A〜行Fの6つのウェル35’全てが「未使用のウェル」である。
図11のプレート32’における右端から2番目の列7では、行Aのウェル35’は「未使用のウェル」である。行B〜行Eのウェル35’は、培養液と線維芽細胞Fと共に、APPSを3μM(3×10-6mol/L )入れている(このようなウェルを、以下「細胞とAPPSのウェル」とする)。行Fのウェル35’は、培養液と共に、APPSを3μM(3×10-6mol/L )入れているが、線維芽細胞Fは入れていない(このようなウェルを、以下「APPSのみのウェル」とする)。
図11のプレート32’における右端から3番目の列6、及び、4番目の列5も、列7と全く同様で、行Aのウェル35’は「未使用のウェル」であり、行B〜行Eのウェル35’は「細胞とAPPSのウェル」であり、行Fのウェル35’は「APPSのみのウェル」である。
本照射試験1−2においても、照射試験装置30’として、このようなプレート32’を2つ用意し、ぞれぞれのプレート32’を、平面視略矩形状の美容機器1上に、台座31’を介して置いた。
このとき、一方のプレート32’のみに、磁場Mの照射(磁気刺激)をするものとし、他方のプレート32’に対しては、磁場Mの照射(磁気刺激)をしない。
この他、本照射試験1−2における照射試験装置30’の構成、作用効果及び使用態様は、照射試験1−1の照射試験装置30と同様である。
<培養液、線維芽細胞Fの調製>
本照射試験1−2における線維芽細胞Fの培養液は、EMEM培地と、FBSと、ペニシリン+ストレプトマイシンから、FBSの濃度が5%となる培養液を調製した(5%FBS抗生物質含有EMEM培養液)。
この5%FBS抗生物質含有EMEM培養液を、上述したプレート32’で培養液として用いた。
上述のプレート32’の各ウェル35’のうち、「細胞のみのウェル」や「細胞とAPPSのウェル」に、線維芽細胞Fを、当該線維芽細胞Fの密度が所定の値(例えば、1×104 cells/200μL/ウェル等)となるように播種し、所定の時間(例えば、24時間)培養した。
尚、この培養で用いた培養液は、新鮮な培養液(別途調整して、FBSの濃度を0.5%とした0.5%FBS抗生物質含有EMEM培養液)と交換して、「細胞のみのウェル」や「細胞とAPPSのウェル」として照射試験1−2を行った。
<照射試験1−2>
上述した2つのプレート32’が置かれた2つの美容機器1のうち、一方のプレート32’側の美容機器1だけに、安定化電源(又は、商用電源)から電流値や電流の向きが変動する電流(例えば、60Hzの交流)を流し、当該一方のプレート32’だけに変動する磁場Mを照射する。他方のプレート32’側の美容機器1には、電流を流さない(通電しない)。
この変動磁場Mの照射する方の美容機器1と安定化電源との間に、タイマーを設置することで、美容機器1への電流のON/OFFし、所定時間ごとに間欠的に変動磁場Mの照射を行った。
このように、変動する磁場Mを、所定時間ごとで間欠的に照射することで、コラーゲンゲルGの収縮が促進されやすい温度環境下で、変動磁場M(変動磁気)を照射でき、「抗シワ効果」の向上が図れる。
尚、本照射試験1−2でも、用いる美容機器1が、コイル4を有した磁場発生部2で、周波数が0Hzである磁場Mを発生させたり、美容機器1の磁場発生部2が永久磁石であっても構わない。
ここで、所定時間ごとの間欠的な変動磁場Mの照射は、ONである時間、OFFである時間は、特に限定されないが、例えば、磁気刺激を行う一方のプレート32’側の美容機器1に対し、1時間ごとに1回15分間のON時間とし、その後の45分間をOFF時間として、3日間(72時間)ON/OFFを行った。
このように3日間、一方のプレート32’側の美容機器1をON/OFFした後に、線維芽細胞F内でのヒアルロン酸の産生能と、線維芽細胞Fの増殖促進能を評価した。
維芽細胞F内でのヒアルロン酸産生能は、各ウェル35’中のヒアルロン酸の量を、ELISA (Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay )測定して判断した。
このELISA 測定では、Hyaluronic Acid, ELISA Kit, QnE (96well)BTP-96200 (Biotech Trading Partners社)を用いて、図11のプレート32’における列4の「細胞のみのウェル」と列5の「細胞とAPPSのウェル」内の培養液のヒアルロン酸の量を測定した。
又、線維芽細胞Fの増殖促進能は、各ウェル35’中の細胞数を、当該ウェル35’中の培養液に試薬を加えて培養した後、所定の波長(例えば、主波長450nm、副波長700nm)で吸光度を測定して判断した。
この測定には、Premix WST-1 Cell Proliferation Assay System MK400(タカラバイオ株式会社)を試薬として用い、図11のプレート32’における列2〜4の「細胞のみのウェル」と列5〜7の「細胞とAPPSのウェル」内の培養液の吸光度を、各列ごとに測定した。
以下の表7〜9と図12〜14に、本照射試験1−2の結果を示す。
尚、これら表7〜9と図12〜14における「mediumのみ」とは、「細胞のみのウェル」を示し、「APPS3μM 添加」とは、「細胞とAPPSのウェル」を意味する。
又、表7及び図12は、ヒアルロン酸量を、細胞数で補正していない結果を示し、表8及び図13は、ヒアルロン酸量を、細胞数で補正した結果を示す。
ここで、「細胞数で補正」したのは、各ウェル35’ごとに入れた線維芽細胞Fの数自体に、元々違いがあった場合、単純に線維芽細胞Fの数の実測値同士を比較しても、ヒアルロン酸の産生能や線維芽細胞Fの増殖促進能の正確な判断が出来ないためである。
<照射試験1−2の評価>
上述の表7、8及び図12、13に示したように、磁気刺激をする一方のプレート32’におけるヒアルロン酸量の値は、「細胞のみのウェル」であるか「細胞とAPPSのウェル」であるか、又は、補正の有無に関わらず、磁気刺激をしない他方のプレート32’におけるヒアルロン酸量の値より大きい。
以上の結果より、線維芽細胞F内でのヒアルロン酸の産生量の増加が認められたことから、本照射試験1−2において、ヒアルロン酸量の観点から、磁気刺激の抗シワ効果が期待できることが明らかになった(ヒアルロン酸量の観点から、磁気刺激、つまり、磁気照射は、ヒアルロン酸のビーム(ヒアルビーム)を照射しているとも捉えられる)。
尚、この本照射試験1−2におけるヒアルロン酸の産生量の増加は、磁気照射のON/OFFの時間・タイミング・期間等が、上述の照射試験1−1と異なっていても生じていることから、磁気照射のON/OFFの時間・タイミング・期間等が変わっても、磁気刺激による抗シワ効果が期待できることを示している。
上述の表9及び図14に示したように、磁気刺激をする一方のプレート32’における吸光度(つまり、線維芽細胞Fの数)は、「細胞のみのウェル」であるか「細胞とAPPSのウェル」であるかに関わらず、磁気刺激をしない他方のプレート32’における吸光度(つまり、線維芽細胞Fの数)より大きい。
以上の結果より、線維芽細胞Fの増殖度合いの増加が認められたことから、本照射試験1−2において、線維芽細胞Fの数の観点からも、磁気刺激の抗シワ効果が期待できることが明らかになった。
尚、この本照射試験1−2における線維芽細胞Fの増殖度合いの増加も、磁気照射のON/OFFの時間・タイミング・期間等が、上述の照射試験1−1と異なっていても生じていることから、磁気照射のON/OFFの時間・タイミング・期間等が変わっても、磁気刺激による抗シワ効果が期待できることを示している。
更に、図11にて示したように、プレート32’における列2〜7ごとに、磁気の強さに差がある(美容機器1における中央付近の列4、5の磁気が最も強く、美容機器1の端に近づくにつれて磁気が弱くなる)にも関わらず、この本照射試験1−2における線維芽細胞Fの増殖度合いの増加は生じていることから、磁気の強弱が変わっても、磁気刺激による抗シワ効果が期待できることを示している。
従って、線維芽細胞Fに磁場Mを照射し、この磁場Mを変動させることによって、線維芽細胞F内でのヒアルロン酸量を増加させ、線維芽細胞Fを増殖促進させることが可能となり、これは、表皮H内側の線維芽細胞Fに照射する磁場Mを、前記表皮H外側で発生させる磁場発生部2を有し、この磁場発生部2は、前記磁場Mを変動させながら前記表皮H越しに照射することで、特許文献1のように表皮Hを切開するなど、傷つけることなく、表皮H内側のヒアルロン酸量を増加させ、線維芽細胞Fを増殖促進させることも出来、その結果、肌にハリを持たせて「抗シワ効果」が実現できることを意味する。
尚、本照射試験1−2にても、用いた美容機器1は、コイル4に、例えば、50Hzや60Hzの交流(つまり、低周波又は超低周波と言える交流)を流して磁場発生部2で磁場Mを発生させていたが、線維芽細胞Fに対して、変動するか否かを問わず(つまり、コイル4を有する磁場発生部2であれば、交流か否かを問わず、又、磁場発生部2が永久磁石か否かを問わず)、磁場Mを照射することで、線維芽細胞F内でのヒアルロン酸量を増加させ、線維芽細胞Fを増殖促進して、シワの改善作用が期待し得る。
<実施例2>
上述した本発明に係る美容機器1を用いて、肌のシワやハリに対する予防ないし回復に役立つかを評価する方法として、美容機器1で発生される磁場Mをヒトの目尻のシワに照射して、シワの改善作用を試験する(照射試験2)。
ここで、「目尻」とは、抗シワ製品評価ガイドライン(抗老化機能評価専門委員会、「<化粧品機能評価法ガイドライン>新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン」、日本香粧品学会、2006年、Vol.30、No.4、pp.316-332)等にて記載されたように、「外眼角(上下の眼瞼が出会う点)部」を指す。
又、「目尻のシワ」とは、同じく、抗シワ製品評価ガイドライン等にて記載されたように、「外眼角から線状に走る溝」を指す。
<照射試験2>
この実施例2の本照射試験2における被験者は、目尻に適当な深さのシワを有する成人の健常で、試験の事前に同意書を得た男女全8名である。このうち、後述の表10における被験者番号3の1名が試験途中で使用中止となり、後述の表11〜17において、被験者番号3は欠番としている。
又、本照射試験2では、被験者は、左右どちら一方の目尻に磁場Mを照射し、同一被験者における左右の目尻のシワを比較する。尚、左右どちらの目尻に磁場Mを照射するかは、男女それぞれ半分、無作為に割り当てる。
この照射試験2では、上述の被験者に対し、<1>専門医の目視によるシワグレードの判定(目視判定)と、<2>シワレプリカによる肌表面形状測定・三次元解析、<3>肌状態解析を行う。
尚、本照射試験2の美容機器1にも、安定化電源(又は、商用電源)から電流値や電流の向きが変動する電流(例えば、50Hzや60Hzの交流)を流すことで、変動磁場M(変動磁気)を照射する機器(交流磁気タイプの美容機器)を用いる。
又、本照射試験2は、平成25年7月19日に<1>目視判定及び<3>肌状態解析を行い、平成25年7月26日に<2>シワレプリカを採取し、平成25年9月29日に<2>再びシワレプリカを採取し、平成25年9月30日に再び<1>目視判定及び<3>肌状態解析を行った。
尚、本照射試験2の<1>目視判定及び<3>肌状態解析における照射試験2「前」とは「平成25年7月19日以前」を言い、照射試験2「後」とは「平成25年9月30日以後」を言う。
同様に、本照射試験2の<2>シワレプリカによる肌表面形状測定・三次元解析における照射試験2「前」とは「平成25年7月26日以前」を言い、照射試験2「後」とは「平成25年9月30日以後」を言う。
本照射試験2における磁気照射は、各被験者によって、平成25年7月19日から平成25年9月30日までの約2ヶ月間、毎日2回(何れの時間帯でも良いが、例えば、午前と午後(より具体的には、午前9時頃と午後8時)など)、1回当り15分間行われた。
尚、本照射試験2の期間中、各被験者には、磁気照射確認及び体調確認のため、毎日セルフチェックシートを記載した。
<1>目視判定
本照射試験2における被験部位(観察対象部位)となる「目尻のシワ」を、照射試験2の「前」と「後」に、専門医が、上述の抗シワ製品評価ガイドラインにて開示された「シワグレード(シワグレード標準写真)」に基づき、各被験者の状態を目視判定した。
尚、「シワグレード」には、グレード0(シワは無い)、グレード1(不明瞭な浅いシワが僅かに認められる)、グレード2(明瞭な浅いシワが僅かに認められる)、グレード3(明瞭な浅いシワが認められる)、グレード4(明瞭な浅いシワの中に、やや深いシワが僅かに認められる)、グレード5(やや深いシワが認められる)、グレード6(明瞭な深いシワが認められる)、グレード7(著しく深いシワが認められる)の8つのスコアがある。
以下の表10に、<1>目視判定の結果を示す。
又、この<1>目視判定と同時に、各被験者の目尻の写真撮影も行っている。
図15に示した図面代用写真は、後述する表10における被験者番号6の照射試験2「前」の「磁気照射」される右側の目尻の様子を示し、このシワグレードのスコアは、グレード6である。
図16に示した図面代用写真は、同じく、表10における被験者番号6の照射試験2「後」の「磁気照射」された右側の目尻の様子を示し、このシワグレードのスコアは、グレード5である。
つまり、照射試験2「後」の方がシワグレードのスコアは減少している(図面代用写真の図15、16を比較しても、照射試験2「後」の方が、実際、シワが薄く見える)。
尚、図15、16中、目尻の左上(シワ観察対象部位の近傍であり、評価に影響を与えない部分)には、画像の色補正やスケール補正のための画像補正用カラーチャート(CASMATCH(キャスマッチ)、株式会社ベアーメディック)を貼付した。
又、照射試験2の「前」と「後」における写真撮影は、角度、距離、撮影範囲、アゴのせ台(アゴ台)の使用などの撮影条件を可能な限り同じとした。
<1の評価>目視判定
上述の表10と共に、図15、16でも示された如く、目視判定によるシワグレードについて、「磁気照射」された左右何れかの側における「目尻のシワ」は、照射試験2「後」の各被験者のスコアは、照射試験2「前」のスコアよりも減少している。
つまり、磁気刺激によりシワ改善の作用が見られた。
<2>シワレプリカによる肌表面形状測定・三次元解析
本照射試験2におけるシワレプリカの採取は、目の際から10mm程度離れた位置における10mm×10mmの範囲を、被験部位(観察対象部位)とした。
この採取では、レプリカ剤(レプリカセット)として、SILFLO(Flexico Ltd., 、England )を用いた。
又、採取する際の顔面の表情は、一定とするために、軽く目を閉じた状態で安静にして採取し、身体の姿勢(座位、仰臥位など)も一定の条件下で採取した。
採取したシワレプリカを、3D肌表面レプリカスキャナ(LPW-20HS、株式会社浜野エンジニアリング、抗シワ製品評価ガイドライン対応)を用いて三次元解析を行った。
この解析では、3D画像(俯瞰図、シワ高低カラーマップ画像、シワ分布画像)と共に、シワ面積率、総シワ平均深さ、最大シワ平均深さ、最大シワ最大深さ及びシワ総体積について解析した。
尚、「シワ面積率」とは、抗シワ製品評価ガイドライン等にて記載されたように、「形状補正された三次元形状からシワを抽出し、測定範囲に占める抽出されたシワの面積比率」を意味する。
以下同様に、抗シワ製品評価ガイドライン等にて記載されたように、「総シワ平均深さ」とは「形状補正された三次元形状からシワを抽出し、測定範囲内のシワの平均深さ」を意味し、「最大シワ平均深さ」とは「形状補正された三次元形状からシワを抽出し、解析範囲に存在する最大の体積(もしくは面積)のシワに対してシワの平均の深さ」を意味し、「最大シワ最大深さ」とは「形状補正された三次元形状からシワを抽出し、解析範囲に存在する最大の体積(もしくは面積)のシワに対してシワの最大の深さ」を意味し、「シワ総体積」とは「形状補正された三次元形状からシワを抽出し、測定範囲内のシワ個々の体積を算出し、すべてのシワの体積の総和」を意味する。
これら3D画像やシワ面積率等の項目の三次元解析について、以下、具体例を示す。
図17は、図15に示した表10における被験者番号6の照射試験2「前」の「磁気照射」される右側の目尻を、三次元解析した結果を示す。
図18は、図16に示した表10における被験者番号6の照射試験2「後」の「磁気照射」された右側の目尻を、三次元解析した結果を示す。
図17、18中には、3D画像やシワ面積率等の項目以外に、算術平均粗さRa、最大高さRy、十点平均粗さRzも示されている。
又、図17、18は、「磁気照射」された右側の目尻を三次元解析した結果であるが、逆に、磁気照射されなかった「磁気非照射」の左側の目尻を三次元解析した結果として、図19、20を示す。
ここで、「算術平均粗さRa」とは、抗シワ製品評価ガイドライン等にて記載されたように、「平均線から測定曲線までの距離の絶対値を足し合わせて平均したもの」を意味し、「最大高さRy」とは「長さ中の最大山と最大谷の距離」を意味し、「十点平均粗さRz」とは「最も高い5つの山の平均と最も低い5つの谷の平均の深さの間の値の和(距離)」を意味する。
これら算術平均粗さRa、最大高さRy、十点平均粗さRzは、ISO標準表面粗さパラメータとも言う。
上述した図17〜20に示された如くの三次元解析を、照射試験2「前」と「後」で、各被験者における「磁気照射」側と「磁気非照射」側の目尻に対して行った。
それらの三次元解析の結果、照射試験2「前」の各項目(シワ面積率等)の値を基準とした照射試験2「後」の各項目の変化(変化率)を求めた。
尚、この「変化率」は、その数値が1以上であった場合は、照射試験2「前」のシワ面積率等の各項目の値が増した(つまり、シワの面積や深さが増した)ことを示し、逆に、「変化率」の数値が1以下であれば、シワの面積や深さが減少したことを示す。
以下の表11〜15には、本照射試験2におけるシワ面積率、総シワ平均深さ、最大シワ平均深さ、最大シワ最大深さ及びシワ総体積の各項目についての各被験者の個別データを示す。
更に、以下の表16と図21には、「磁気照射」側と「磁気非照射」側を対比したシワ面積率等の各項目の平均変化率の結果を示す。
<2の評価>シワレプリカによる肌表面形状測定・三次元解析
上述の表11〜16及び図21に示したように、シワ面積率、総シワ平均深さ、最大シワ平均深さ、最大シワ最大深さ及びシワ総体積の全ての項目について、「磁気非照射」側より「磁気照射」側の方が、平均変化率の数値が小さいなっている。
つまり、シワの面積や深さは、「磁気照射」側の方が「磁気非照射」側より減少している。
特に、シワ面積率については、「磁気照射」側と「磁気非照射」側を、対応のあるt−testで検定したところ、片側検定(p<0.05)において有意差が認められただけでなく、更に、両側検定(p<0.05)においても有意差が認められた。
<3>肌状態解析
本照射試験2における各被験者の目尻の肌状態解析では、皮膚計測機(MPA5&9、Courage+Khazaka electronic GmbH 、Germany )を用いて、肌の色(紅斑)についても測定する。
この肌状態解析も、照射試験2「前」と「後」で、各被験者における「磁気照射」側と「磁気非照射」側の目尻に対して行った。
この解析の結果、照射試験2「前」の肌の色(紅斑)の値を基準とした照射試験2「後」の紅斑の変化(変化率)を求めた。
尚、この「変化率」は、上述した<2>シワレプリカによる肌表面形状測定・三次元解析と同様で、その数値が1以上であった場合は、照射試験2「前」のシワ面積率等の各項目の値が増した(つまり、紅斑が増した)ことを示し、逆に、「変化率」の数値が1以下であれば、紅斑が減少したことを示す。
以下の表17には、本照射試験2における紅斑についての各被験者の個別データを示し、以下の図22には、「磁気照射」側と「磁気非照射」側を対比した紅斑の平均変化率の結果を示す。
<3の評価>肌状態解析
上述の表17及び図22に示したように、紅斑については、「磁気非照射」側より「磁気照射」側の方が、平均変化率の数値が小さいなっている。
つまり、紅斑も、「磁気照射」側の方が「磁気非照射」側より減少している。
更に、紅斑については、「磁気照射」側と「磁気非照射」側を、対応のあるt−testで検定したところ、片側検定(p<0.05)において有意差が認められ、両側検定(p<0.05)においても、「磁気照射」側の方が紅斑が減少する傾向が認められた。
<照射試験2の評価>
以上の<1>目視判定、<2>シワレプリカによる肌表面形状測定・三次元解析、<3>肌状態解析の結果より、シワの面積や深さ、目尻の紅斑は、「磁気照射」側の方が「磁気非照射」側より減少していたことから、本照射試験2において磁気刺激のシワの改善作用が期待できることが明らかになった。
従って、被験者に対して、表皮H内側の線維芽細胞Fとコラーゲン組織Cに照射する磁場Mを、前記表皮H外側で発生させる磁場発生部2を有し、この磁場発生部2は、前記磁場Mを変動などをさせながら前記表皮H越しに照射することで、特許文献1のように表皮Hを切開するなど、傷つけることなく、実際に、表皮H内側のコラーゲン組織Cを収縮させることも出来、その結果、肌にハリを持たせて「抗シワ効果」が実現できた。
尚、本照射試験2にて用いた美容機器1は、コイル4に、例えば、50Hzや60Hzの交流(つまり、低周波又は超低周波と言える交流)を流して磁場発生部2で磁場Mを発生させていたが、表皮Hを傷つけることがないのであれば、表皮H内側の線維芽細胞Fとコラーゲン組織Cに対して、変動するか否かを問わず(つまり、コイル4を有する磁場発生部2であれば、交流か否かを問わず、又、磁場発生部2が永久磁石か否かを問わず)、表皮H越しに磁場Mを照射することで、表皮H内部のコラーゲン組織Cを収縮させ、シワの改善作用が期待し得る。
<その他>
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。美容機器1等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
ケース体3やボビン7の素材は、合成樹脂、エンジニアリングプラスチックに限らず、上述した構成となるのであれば、繊維強化プラスチック、陶器、木材などの素材でも良い。
鉄心8の上端部8aの頂面21と、被覆シート15の裏面15aや、磁極孔9が貫通していない場合における内底面は、必ずしも、対向していなくても良い。
上ケース体12の外上面(磁場発生面3a)には、外凹部16が設けられていなくとも良い。
被覆シート15は、ケース体3(上ケース体12)に対して、接着剤18を介して貼り付けられずとも良く、例えば、超音波溶融によって、被覆シート15と上ケース体12を融着させていても良い。
本発明に係る美容機器1は、変動磁場などによって人(ヒト)の肌のハリを良くするだけでなく、犬や猫等の動物全般などに対しても、変動磁場などによって血行を良くし、人及び動物(ペット)の健康増進を図り、人及び動物用の美容分野の他、医療、理容、健康分野に利用できる。
1 美容機器
2 磁場発生部
3 ケース体
3a ケース体の磁場発生面
4 コイル
5a ボビンの一端側の鍔部
5b ボビンの他端側の鍔部
6 ボビンのスプール部
7 ボビン
8 鉄心
8a 鉄心の一端部(鉄心の突出した一端部)
9 磁極孔
H 表皮
F 線維芽細胞
C コラーゲン組織
M 磁場

Claims (2)

  1. 表皮(H)内側の線維芽細胞(F)とコラーゲン組織(C)に照射する磁場(M)を、前記表皮(H)外側で発生させる磁場発生部(2)を有し、
    この磁場発生部(2)は、前記磁場(M)を前記表皮(H)越しに照射し
    前記磁場(M)の発生を所定時間ごとにON/OFFさせる際において、前記磁場(M)が発生するON状態の時間と、前記磁場(M)が発生しないOFF状態の時間を調節するタイマー部を有し、
    前記磁場発生部(2)は、前記磁場(M)を発生する磁場発生面(3a)が設けられたケース体(3)と、このケース体(3)に内蔵されたコイル(4)を有し、
    このコイル(4)は、両端に鍔部(5a、5b)を設けたスプール部(6)周面に電線が巻かれたボビン(7)と、このボビン(7)一端側から一端部(8a)が突出した状態でスプール部(6)内に嵌入される鉄心(8)を備え、
    この鉄心(8)の突出した一端部(8a)が進入可能な磁極孔(9)を前記ケース体(3)の磁場発生面(3a)側に形成し、且つ、前記ボビン(7)一端側の鍔部(5a)を前記ケース体(3)の磁場発生面(3a)側の内面に当接させていて、
    前記磁気発生部(2)は、前記コイル(4)を1つ有し、
    前記鉄心(8)は、略E字状であると共に、
    前記磁極孔(9)が有底状の孔であり、且つ、前記磁場発生面(3a)には前記表皮(H)を当該磁場発生面(3a)から抗シワ用、及び/又は、コラーゲン収縮用の所定距離だけ離れた位置にセットする部材が設けられていることを特徴とする美容機器。
  2. 表皮(H)内側の線維芽細胞(F)に照射する磁場(M)を、前記表皮(H)外側で発生させる磁場発生部(2)を有し、
    この磁場発生部(2)は、前記磁場(M)を前記表皮(H)越しに照射し
    前記磁場(M)の発生を所定時間ごとにON/OFFさせる際において、前記磁場(M)が発生するON状態の時間と、前記磁場(M)が発生しないOFF状態の時間を調節するタイマー部を有し、
    前記磁場発生部(2)は、前記磁場(M)を発生する磁場発生面(3a)が設けられたケース体(3)と、このケース体(3)に内蔵されたコイル(4)を有し、
    このコイル(4)は、両端に鍔部(5a、5b)を設けたスプール部(6)周面に電線が巻かれたボビン(7)と、このボビン(7)一端側から一端部(8a)が突出した状態でスプール部(6)内に嵌入される鉄心(8)を備え、
    この鉄心(8)の突出した一端部(8a)が進入可能な磁極孔(9)を前記ケース体(3)の磁場発生面(3a)側に形成し、且つ、前記ボビン(7)一端側の鍔部(5a)を前記ケース体(3)の磁場発生面(3a)側の内面に当接させていて、
    前記磁気発生部(2)は、前記コイル(4)を1つ有し、
    前記鉄心(8)は、略E字状であると共に、
    前記磁極孔(9)が有底状の孔であり、且つ、前記磁場発生面(3a)には前記表皮(H)を当該磁場発生面(3a)から抗シワ用、ヒアルロン酸増加用、及び/又は、細胞増殖用の所定距離だけ離れた位置にセットする部材が設けられていることを特徴とする美容機器。
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