以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
図1は、本実施例のパチンコ機Pの遊技盤の正面図である。遊技盤1の周囲には、打球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の入賞口2と、複数のランプ4a1〜4a4,6,7a1〜7a4とが設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての特別図柄(以下、単に「図柄」と称す)などを表示する特別図柄表示装置としての液晶(LCD)ディスプレイ3が設けられている。このLCDディスプレイ3の表示画面は横方向に3分割されており、3分割された各表示領域において、それぞれ右から左へ横方向にスクロールしながら図柄の変動表示が行われる。
LCDディスプレイ3の上方には、「0〜9」までを表示可能な普通図柄表示装置としての7セグメントLED7が設けられており、その両側には、4つのLEDランプ7a1〜7a4がそれぞれ上下に2つずつ配設されている。また、LCDディスプレイ3の両側には、普通図柄作動用ゲート7bがそれぞれ1つずつ設けられている。打球が、いずれかの普通図柄作動用ゲート7bを通過すると、7セグメントLED7の変動表示が開始される。7セグメントLED7の変動表示が「3」または「7」で終了すると、LCDディスプレイ3の下方に配設されるいわゆるチューリップで構成された普通電動役物4が所定時間(約0.3〜1.3秒)、所定回数(1〜3回)開放される。なお、打球の普通図柄作動用ゲート7bの通過回数は4個まで保留可能にされており、その保留数は、4つのLEDランプ7a1〜7a4が点灯することによって表示される。
普通電動役物4の中には、特別図柄作動口(第1種始動口)(図示せず)が設けられており、普通電動役物4に入賞した打球がこの特別図柄作動口を通過することにより、前記したLCDディスプレイ3の変動表示が開始される。普通電動役物4の下方には、特定入賞口(大入賞口)5が設けられている。この特定入賞口5は、LCDディスプレイ3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、打球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、あるいは、打球が10個入賞するまで)開放される入賞口である。
特定入賞口5内には、Vゾーン5aが設けられている。特定入賞口5の開放中に、打球がVゾーン5a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口5の閉鎖後、再度、その特定入賞口5が所定時間(又は、特定入賞口5に打球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口5の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特別遊技状態)である。なお、打球の特別図柄作動口の通過回数は4個まで保留可能にされており、その保留数は、LCDディスプレイ3の両側に上下に2つずつ配設された4つのランプ4a1〜4a4を点灯することによって表示される。
図2は、かかるパチンコ機Pの電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機Pは、主に、遊技の進行を制御する主制御基板Cと、LCDディスプレイ3の表示を制御する表示用制御基板Dと、スピーカ57を用いて効果音の出力を制御する効果音制御基板Mと、複数のランプ4a1〜4a4,6,7a1〜7a4の点灯または消灯を制御するランプ制御基板Lと、主制御基板Cに接続され、その主制御基板Cから送信される制御用コマンドに基づいて、7セグメントLED7の変動表示を制御すると共に、前記した表示用制御基板D、効果音制御基板M、ランプ制御基板Lへ、表示コマンド35、効果音コマンド36、ランプコマンド37をそれぞれ送信して、各制御基板D,M,Lを制御するサブ制御基板Sとにより構成されている。
主制御基板Cには、演算装置であるMPU11と、そのMPU11により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM12と、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM13とが搭載されている。図12及び図13に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM12内に記憶されている。
RAM13は、送信バッファ13aと、コマンドカウンタ13bとを備えている。送信バッファ13aは、LCDディスプレイ3の変動表示の制御のためなどに、主制御基板Cからサブ制御基板Sへ送信される制御用コマンドを記憶するためのバッファである。制御用コマンドは2バイトで構成されるので、この送信バッファ13aも2バイトで構成されている。送信バッファ13aへセット(書き込み)された制御用コマンドは、タイマ割込処理によって、1バイトずつサブ制御基板Sへ送信される。
図3は、LCDディスプレイ3の表示画面を9つの表示領域に分割した様子を示した図である。前記した通り、本実施例の変動表示は、横方向に3分割された3つの表示領域3a,3b,3cにおいて、それぞれ矢印A方向へ横方向にスクロールしながら行われる。この横方向に3分割された3つの表示領域3a,3b,3cを、縦方向に更に3分割して9つの表示領域3a1,・・・,3c3とし、その9つの表示領域3a1,・・・,3c3に対して、図3に示すように、それぞれ表示される「図柄1〜図柄9」の9つの図柄番号32aが付されている。
図2に示すコマンドカウンタ13bは、制御用コマンドの一種である停止図柄指定コマンド32(図5参照)が指定するLCDディスプレイ3の表示領域3a1〜3c3を示すためのカウンタであり、「1〜10」の範囲で「1」ずつ更新される。コマンドカウンタ13bの値が「1〜9」の範囲内にある場合には、そのコマンドカウンタ13bの値に対応する図柄番号32a(図5参照)の表示領域3a1〜3c3が指定される。また、コマンドカウンタ13bの値が「10」である場合には、いずれの表示領域も指定されない。
図2に示すように、これらMPU11、ROM12、RAM13は、バスライン14を介して互いに接続されており、バスライン14は、また、入出力ポート15にも接続されている。この入出力ポート15はサブ制御基板Sやランプ制御基板L、他の入出力装置16と接続されている。主制御基板Cは、入出力ポート15を介して、サブ制御基板Sやランプ制御基板L、他の入出力装置16へ各種コマンドを送り、それら各装置を制御する。
なお、主制御基板Cからランプ制御基板Lへは、ランプコマンド37(図11参照)の一部が、サブ制御基板Sを介さずに直接送信される。具体的には、普通電動役物4内に設けられた特別図柄作動口の保留球数を表示するランプ4a1〜4a4を点灯又は消灯させるための「10H〜14H」のランプコマンド37、および、普通図柄作動用ゲート7bの保留球数を表示するLEDランプ7a1〜7a4を点灯又は消灯させるための「20H〜24H」のランプコマンド37が、それぞれ主制御基板Cからランプ制御基板Lへ直接送信される。
主制御基板Cとサブ制御基板S及びランプ制御基板Lとの接続は、それぞれ入力および出力が固定的な2つのバッファ(インバータゲート)17,26,18,67を介して行われている。よって、主制御基板Cとサブ制御基板S及びランプ制御基板Lとの間における制御用コマンド等の送受信は、主制御基板Cからサブ制御基板S及びランプ制御基板Lへの一方向にのみ行われ、サブ制御基板S又はランプ制御基板Lから主制御基板Cへ制御用コマンド等を送信することはできない。
サブ制御基板Sは、主制御基板Cから受信した制御用コマンドに基づいて、普通図柄表示装置としての7セグメントLED7の変動表示を制御すると共に、受信した制御用コマンドを複数の表示コマンド35(図8及び図9参照)や、効果音コマンド36(図10参照)、ランプコマンド37(図11参照)にそれぞれ展開して、表示用制御基板D、効果音制御基板M、ランプ制御基板Lへ送信して、各制御基板D,M,Lをそれぞれ制御するための制御基板である。本実施例のように、比較的制御負担の少ない7セグメントLED7の制御を、サブ制御基板Sで行うことにより、主制御基板Cを始めとする他の制御基板D,M,Lの制御負担を軽減することができるのである。
このサブ制御基板Sには、前記したバッファ(インバータゲート)26の他に、演算装置であるMPU21と、そのMPU21により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM22と、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM23とが搭載されている。図14及び図15に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM22内に記憶されている。また、RAM23には、受信バッファ23aと、コマンド受信フラグ23bと、9つの停止図柄1〜9メモリ23c〜23kと、表示コマンド送信バッファ23lと、効果音コマンド送信バッファ23mと、ランプコマンド送信バッファ23nとが設けられている。
受信バッファ23aは、主制御基板Cから送信される制御用コマンドを受信するためのバッファである。制御用コマンドは2バイトで構成されるので、受信バッファ23aも同様に2バイトで構成されている。コマンド受信フラグ23bは、新たな制御用コマンドが受信バッファ23aへ記憶された場合にオンされるフラグである。コマンド受信フラグ23bがオンされていると、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドが読み出される。読み出された制御用コマンドは、表示コマンド35、効果音コマンド36、ランプコマンド37にそれぞれ展開され、サブ制御基板Sから表示用制御基板D、効果音制御基板M、ランプ制御基板Lの各制御基板へそれぞれ送信される。そして、各制御基板D,M,Lによって、各コマンド35〜37に応じた制御がそれぞれ行われる。即ち、各制御基板D,M,Lによって、LCDディスプレイ3の変動表示などの制御がそれぞれ行われるのである。なお、一旦オンされたコマンド受信フラグ23bは、受信バッファ23aから制御用コマンドを読み出す際にオフされる。
停止図柄1〜9メモリ23c〜23kは、制御用コマンドの一種である停止図柄指定コマンド32によって送信される停止図柄の図柄コード32b(図5参照)を記憶するためのメモリであり、前記したLCDディスプレイ3の9つの表示領域3a1〜3c3(図3参照)に対応してそれぞれ1つ、合計9つの停止図柄1〜9メモリ23c〜23kが設けられている。なお、停止図柄1〜9メモリ23c〜23kの詳細については後述する。
表示コマンド送信バッファ23lは、サブ制御基板Sから表示用制御基板Dへ送信される表示コマンド35を記憶するためのバッファである。表示コマンド35は2バイトで構成されるので、表示コマンド送信バッファ23lも2バイトで構成されている。表示コマンド送信バッファ23lへ書き込まれた表示コマンド35は、サブ制御基板Sのタイマ割込処理によって、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。なお、表示コマンド35の詳細については、図8及び図9を参照しつつ後述する。
効果音コマンド送信バッファ23mは、サブ制御基板Sから効果音制御基板Mへ送信される効果音コマンド36を記憶するためのバッファである。効果音コマンド36は1バイトで構成されるので、効果音コマンド送信バッファ23mも1バイトで構成されている。効果音コマンド送信バッファ23mへ書き込まれた効果音コマンド36は、表示コマンド35を送信するタイマ割込処理とは別のサブ制御基板Sのタイマ割込処理によって、効果音制御基板Mへ送信される。なお、効果音コマンド36の詳細については図10を参照しつつ後述する。
ランプコマンド送信バッファ23nは、サブ制御基板Sからランプ制御基板Lへ送信されるランプコマンド37を記憶するためのバッファである。ランプコマンド37は1バイトで構成されるので、ランプコマンド送信バッファ23nも1バイトで構成されている。ランプコマンド送信バッファ23nへ書き込まれたランプコマンド37は、表示コマンド35及び効果音コマンド36を送信するタイマ割込処理とは別のサブ制御基板Sのタイマ割込処理によって、ランプ制御基板Lへ送信される。なお、ランプコマンド37の詳細については図11を参照しつつ後述する。
サブ制御基板SのMPU21、ROM22、RAM23は、バスライン24を介して互いに接続されており、バスライン24は、また、入出力ポート25にも接続されている。この入出力ポート25は、前記したインバータゲート26を介して主制御基板Cと接続されるほか、7セグメントLED7、表示用制御基板D、効果音制御基板M、ランプ制御基板Lとそれぞれ接続されている。
表示用制御基板Dは、特別図柄表示装置としてのLCDディスプレイ3の変動表示を制御するための制御基板である。この表示用制御基板Dは、MPU41と、ROM42と、ワークRAM43と、ビデオRAM45と、キャラクタROM46と、画像コントローラ47と、入力ポート48と、出力ポート49とを備えている。入力ポート48の入力にはサブ制御基板Sの出力が接続され、その入力ポート48の出力は、MPU41、ROM42、ワークRAM43、画像コントローラ47を接続するバスライン44と接続されている。また、画像コントローラ47は出力ポート49の入力にも接続されており、その出力ポート49の出力にはLCDディスプレイ3が接続されている。
表示用制御基板DのMPU41は、サブ制御基板Sから送信される表示コマンド35に基づいてLCDディスプレイ3の(変動)表示を制御するためのものであり、ROM42は、そのMPU41により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。図16に示すフローチャートのプログラムは制御プログラムの一部としてROM42内に記憶されている。ワークRAM43は、MPU41による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを記憶するためのメモリである。
ビデオRAM45は、LCDディスプレイ3に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM45の内容を書き換えることにより、LCDディスプレイ3の表示内容が変更される。即ち、各表示領域3a1〜3c3における図柄の変動表示は、ビデオRAM45の内容が書き換えられることにより行われる。キャラクタROM46は、LCDディスプレイ3に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ47は、MPU41、ビデオRAM45、出力ポート49のそれぞれのタイミングを調整して、データの読み書きを介在するとともに、ビデオRAM45に記憶される表示データをキャラクタROM46を参照しつつ所定のタイミングでLCDディスプレイ3に表示させるものである。
効果音制御基板Mは、LCDディスプレイ3の変動表示などに合わせた効果音をスピーカ57から出力するための制御を行う制御基板である。この効果音制御基板Mは、MPU51と、ROM52と、RAM53と、入力ポート55と、出力ポート56とを備えている。入力ポート55の入力にはサブ制御基板Sの出力が接続され、その入力ポート55の出力は、MPU51、ROM52、RAM53を接続するバスライン54と接続されている。バスライン54は、また、出力ポート56の入力にも接続されており、その出力ポート56の出力にはスピーカ57が接続されている。
効果音制御基板MのMPU51は、サブ制御基板Sから送信される効果音コマンド36に基づいてスピーカ57の効果音出力を制御するためのものであり、ROM52は、そのMPU51により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。図17に示すフローチャートのプログラムは制御プログラムの一部としてROM52内に記憶されている。RAM53は、MPU51による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを記憶するためのメモリである。
ランプ制御基板Lは、LCDディスプレイ3の変動表示などに合わせて、複数のランプ4a1〜4a4,6,7a1〜7a4を点灯又は消灯させるための制御を行う制御基板である。このランプ制御基板Lは、前記したインバータゲート67の他に、MPU61と、ROM62と、RAM63と、入力ポート65と、出力ポート66とを備えている。入力ポート65の入力には、主制御基板Cおよびサブ制御基板Sの出力が接続され、その入力ポート65の出力は、MPU61、ROM62、RAM63を接続するバスライン64と接続されている。バスライン64は、また、出力ポート66の入力にも接続されており、その出力ポート66の出力には、複数のランプ4a1〜4a4,6,7a1〜7a4がそれぞれ接続されている。
ランプ制御基板LのMPU51は、主制御基板Cおよびサブ制御基板Sから送信されるランプコマンド37に基づいて、複数のランプ4a1〜4a4,6,7a1〜7a4の点灯又は消灯を制御するためのものであり、ROM62は、そのMPU61により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。図18に示すフローチャートのプログラムは制御プログラムの一部としてROM62内に記憶されている。RAM63は、MPU61による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを記憶するためのメモリである。
次に、図4から図7を参照して、LCDディスプレイ3の変動表示などの制御のために主制御基板Cからサブ制御基板Sへ送信される制御用コマンドについて説明する。LCDディスプレイ3の変動表示に用いられる制御用コマンドとしては、図4に示す変動パターン指定コマンド31と、図5に示す停止図柄指定コマンド32と、図7に示す図柄停止コマンド33とがある。制御用コマンドは2バイトで構成されるので、その1バイト目と2バイト目のコマンドコードを区別するために、1バイト目のコマンドコードは最上位ビットがセットされ、2バイト目のコマンドコードは最上位ビットがリセットされている。なお、制御用コマンドは、LCDディスプレイ3の変動表示以外を制御するものもあるが、本実施例では、それらの制御用コマンドについては特に図示していない。
図4は、変動パターン指定コマンド31のコマンドコードと、そのコマンド内容とを示した図である。変動パターン指定コマンド31は、変動表示を開始させると共に、変動表示の開始から終了までの一連の変動パターンとしての表示パターンと効果音パターンと発光パターン(ランプパターン)とを指定するためのコマンドである。1バイト目のコマンドコードは「C0H」または「C1H」とされており、合計56種類の変動パターンが用意されている。
なお、変動パターン指定コマンド31によって指定される変動表示の制御(効果音制御およびランプ制御を含む)は、その変動パターン指定コマンド31を受信したサブ制御基板Sが、表示用制御基板D、効果音制御基板M、ランプ制御基板Lを制御することによって行われる。よって、サブ制御基板Sの制御プログラムの内容を変更することにより、同一コードの変動パターン指定コマンド31に対する効果音やランプ表示を含めた変動表示の内容を変更することができる。即ち、主制御基板Cの制御プログラムを変更することなく、サブ制御基板Sの制御プログラムを変更するだけで、変動表示の内容を変更することができる。
図5(a)は、停止図柄指定コマンド32のコマンドコードと、そのコマンドコードによって指定される図柄番号32aとの対応関係を示した図である。前記した通り、各図柄番号32aには、図3に示す各表示領域3a1〜3c3がそれぞれ対応付けされている。また、図5(b)は、20種類の図柄コード32bと図柄名32cとの対応関係を示した図である。
停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31で指定された変動パターンの変動表示の終了時に、LCDディスプレイ3の各表示領域3a1〜3c3にそれぞれ停止表示される図柄を指定するためのコマンドである。停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31が送信され変動表示が開始された後に、LCDディスプレイ3の9つの表示領域3a1〜3c3のそれぞれに対して、主制御基板Cからサブ制御基板Sへ送信される。
この停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31と同様に2バイトで構成されている。停止図柄指定コマンド32の1バイト目には、図柄1〜9の表示領域3a1〜3c3を指定するコマンドコードがセットされる。図5(a)に示すように、停止図柄指定コマンド32の1バイト目のコマンドコードが「90H」であれば図柄1の表示領域3a1が、「A0H」であれば図柄2の表示領域3b1が、・・・、「B2H」であれば図柄9の表示領域3c3が、それぞれ指定される。停止図柄指定コマンド32の2バイト目には、1バイト目のコマンドコードで指定した図柄1〜9の表示領域3a1〜3c3に停止表示される図柄の図柄コード32bがセットされる。即ち、図5(b)に示すように、停止表示される図柄が「タコ」である場合には「10H」が、「ハリセンボン」である場合には「11H」が、・・・、「サメ(2)」である場合には「23H」が、それぞれ停止図柄指定コマンド32の2バイト目のコードとしてセットされる。
サブ制御基板Sは、停止図柄指定コマンド32を受信すると、実行中の変動パターンを考慮した上で、停止図柄指定コマンド32で指定された図柄コード32bの図柄で変動表示が終了するように、変動中の図柄を差し替えるための表示コマンド35(図8参照)を表示用制御基板Dへ送信する。この図柄の差し替えは、変動表示が高速変動されている場合に限って行われるので、遊技者に図柄の差し替えが行われたことを気づかれることがない。
図5(b)に示すように、各図柄にはすべて異なった図柄コード32bが付与されている。特に、図柄名32c「サメ(1)」と「サメ(2)」とは、LCDディスプレイ3に全く同じ図柄として表示されるが、図5(b)に示すように、両図柄には「13H」と「23H」との異なった図柄コード32bが付与されている。同様に、図柄名32c「貝(1)」〜「貝(10)」も、LCDディスプレイ3に全く同じ図柄として表示されるが、図5(b)に示すように、「19H」〜「22H」の異なった図柄コード32bが付与されている。
ここで、図6を参照して、LCDディスプレイ3の上段・中段・下段の各表示領域3a〜3cにおいて、図3の矢印A方向にスクロールしつつ変動表示を行う仮想図柄リール41〜43の構成について説明する。図6は、上段・中段・下段の各段の仮想図柄リール41〜43の構成を模式的に示した図である。
図6(a)には、LCDディスプレイ3の上段の表示領域3aで変動表示される上段の仮想図柄リール41の構成が模式的に図示されている。図6(a)に示すように、上段の仮想図柄リール41には、18種類の図柄が「貝(9)」,「カニ」,「貝(8)」,・・・,「タコ」の順に配列されており、最終の「タコ」の図柄の次には、先頭の図柄に戻って「貝(9)」,「カニ」,「貝(8)」,・・・の各図柄が配列される。上段の仮想図柄リール41は、かかる図柄の配列順に、LCDディスプレイ3の上段の表示領域3aで変動表示される。
同様に、図6(c)には、LCDディスプレイ3の下段の表示領域3cで変動表示される下段の仮想図柄リール43の構成が模式的に図示されている。図6(c)に示すように、下段の仮想図柄リール43には、上段の仮想図柄リール41の配列と全く逆の配列で、18種類の図柄が「タコ」,「貝(1)」,「ハリセンボン」,・・・,「貝(9)」の順に配列されている。最終の「貝(9)」の図柄の次には、先頭の図柄に戻って「タコ」,「貝(1)」,「ハリセンボン」,・・・の各図柄が配列される。下段の仮想図柄リール43は、かかる図柄の配列順に、LCDディスプレイ3の下段の表示領域3cで変動表示される。
図6(b)には、LCDディスプレイ3の中段の表示領域3bで変動表示される中段の仮想図柄リール42の構成が模式的に図示されている。図6(b)に示すように、中段の仮想図柄リール42には、下段の仮想図柄リール43の配列の最後尾に「サメ(2)」,「貝(10)」の2種類の図柄を加えた合計20種類の図柄が順に配列されている。上段および下段の仮想図柄リール41,43の場合と同様に、最終の「貝(10)」の図柄の次には、先頭の図柄に戻って「タコ」,「貝(1)」,「ハリセンボン」,・・・の各図柄が配列される。中段の仮想図柄リール42は、かかる図柄の配列順に、LCDディスプレイ3の中段の表示領域3bで変動表示される。
図7は、図柄停止コマンド33のコマンドコードと、そのコマンド内容とを示した図である。図柄停止コマンド33は、指定した図柄番号32aの表示領域3a1〜3c3で変動表示されている図柄を停止表示(確定)させるためのコマンドである。サブ制御基板Sが図柄停止コマンド33を受信すると、その図柄停止コマンド33によって指定される表示領域3a1〜3c3に、停止図柄指定コマンド32によって既に指定されている停止図柄を停止表示させるための表示コマンド35(図8参照)が、サブ制御基板Sから表示用制御基板Dへ送信される。また、その表示コマンド35の送信と共に、サブ制御基板Sは、図柄の停止時に出力される効果音を指定するための効果音コマンド36と、図柄の停止時に点灯または消灯させるランプ6を指定するためのランプコマンド37とを、効果音制御基板Mとランプ制御基板Lとへそれぞれ送信する。
表示用制御基板Dは、上記表示コマンド35を受信すると、その表示コマンド35で指定された表示領域3a1〜3c3の変動表示を、指定された図柄で停止表示し、その表示領域3a1〜3c3の図柄を確定する。即ち、図柄停止コマンド33で指定された表示領域3a1〜3c3の変動表示が終了するのである。同時に、効果音制御基板Mのスピーカ57からは図柄の停止を報せる効果音が発せられ、ランプ制御基板Lのランプ6は、図柄の停止に合わせて点灯または消灯される。図柄停止コマンド33によって、9つすべての表示領域3a1〜3c3の図柄が確定すると、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動パターン(表示パターン、効果音パターン、発光パターンを含む)の変動表示が終了する。
サブ制御基板Sは、変動パターン指定コマンド31と停止図柄指定コマンド32との内容を考慮しつつ、変動表示終了のタイミングで停止図柄指定コマンド32によって指定された図柄が該当する表示領域3a1〜3c3に表示されるように、変動表示の高速変動中に予め表示用制御基板Dへ表示コマンド35を送信して、表示用制御基板Dに図柄の差し替えを行わせている。しかも、主制御基板Cは、変動パターン指定コマンド31で指定した変動表示の変動パターンが終了するタイミングを見計らって、図柄停止コマンド33をサブ制御基板Sへ送信するように制御している。図柄停止コマンド33がサブ制御基板Sへ送信されると、その図柄停止コマンド33に応じた表示コマンド35、効果音コマンド36、ランプコマンド37が、サブ制御基板Sから直ちに、表示用制御基板D、効果音制御基板Mおよびランプ制御基板Lへそれぞれ送信される。よって、図柄停止コマンド33による図柄の停止表示(確定)を、遊技者に違和感を与えることなく、スムースに行うことができるのである。
なお、主制御基板Cからの図柄停止コマンド33の送信タイミングが速まった結果、変動パターン指定コマンド31で指定した変動パターンの終了前であるにも拘わらず、サブ制御基板Sが図柄停止コマンド33を受信した場合には、サブ制御基板Sは、変動パターンの終了前であっても、既に停止図柄指定コマンド32で指定されている停止図柄を停止表示するための各コマンド35〜37を、各制御基板D,M,Lへ直ちに送信する。よって、図柄停止コマンド33の送信タイミングが速まったとしても、その送信タイミングに合わせて、図柄停止コマンド33で指定される表示領域3a1〜3c3の図柄を停止表示(確定)することができるのである。
図柄停止コマンド33には、9つの表示領域3a1〜3c3の図柄を個別に確定させる9種類のコマンドと、9つの表示領域3a1〜3c3の図柄をすべて一度に確定させる1種類のコマンドと、上段・中段・下段の3段に分かれた3つの表示領域3a,3b,3cの図柄を各段毎に個別に確定させる3種類のコマンドとがあり、合計13種類のコマンドが用意されている。このうち、スクロールの単位となる上段・中段・下段の各段毎に、3つずつの図柄を一度に確定させる図柄停止コマンド33((1)「80H,0BH」,(2)「80H,0CH」,(3)「80H,0DH」)を用いれば、制御によってLCDディスプレイ3の表示上に表される仮想図柄リール41〜43のスクロールを、実際の図柄リールのスクロールと同じように行わせるができ、遊技者の興趣を一層向上させることができる。
次に、図8から図11を参照して、サブ制御基板Sから各制御基板D,M,Lへ送信されるコマンド35〜37について説明する。サブ制御基板Sから送信されるコマンドとしては、表示用制御基板Dを制御する表示コマンド35と、効果音制御基板Mを制御する効果音コマンド36と、ランプ制御基板Lを制御するランプコマンド37とがある。サブ制御基板Sは、主制御基板Cから制御用コマンドを受信すると、その制御用コマンドを複数の表示コマンド35と効果音コマンド36とランプコマンド37とに展開し、展開した各コマンド35〜37を、それぞれのコマンドに応じたタイミングで、各制御基板D,M,Lへそれぞれ送信する。
図8および図9は、表示コマンド35のコマンドコードと、そのコマンド内容とを示した図である。表示コマンド35は、表示用制御基板Dを制御するためのコマンドであり、サブ制御基板Sから表示用制御基板Dへ送信される。表示コマンド35は2バイトで構成されるので、その1バイト目と2バイト目のコマンドコードを区別するために、1バイト目のコマンドコードは最上位ビットがセットされ、2バイト目のコマンドコードは最上位ビットがリセットされている。
図10は、効果音コマンド36のコマンドコードと、そのコマンド名称と、コマンド内容とを示した図である。効果音コマンド36は、効果音制御基板Mを制御するためのコマンドであり、サブ制御基板Sから効果音制御基板Mへ送信される。この効果音コマンド36は、表示コマンド35と異なり、1バイトで構成されている。
図11は、ランプコマンド37のコマンドコードと、そのコマンド名称と、コマンド内容とを示した図である。ランプコマンド37は、ランプ制御基板Lを制御するためのコマンドであり、主制御基板Cおよびサブ制御基板Sからランプ制御基板Lへ送信される。具体的には、コマンドコードが「10H〜24H」のランプコマンド37は、LCDディスプレイ3や7セグメントLED7の変動表示の保留数を表示するランプ4a1〜4a4,7a1〜7a4の点灯又は消灯を制御するコマンドであるので、主制御基板Cからランプ制御基板Lへ送信される。また、コマンドコードが「30H〜AAH」のランプコマンド37は、他のランプ6の点灯又は消灯を制御するコマンドであるので、サブ制御基板Sからランプ制御基板Lへ送信される。このランプコマンド37も、効果音コマンド36と同様に、1バイトで構成されている。
次に、上記のように構成されたパチンコ機Pで実行される各処理を、図12から図18のフローチャートを参照して説明する。図12は、パチンコ機Pの主制御基板Cにおいて、4ms毎に実行されるリセット割込処理のフローチャートである。パチンコ機Pの主な制御は、このリセット割込処理によって実行される。
リセット割込処理では、まず、スタックポインタを設定し(S1)、RAM13の所定エリアに書き込まれているパターンのチェックを行う(S2)。チェックの結果、所定エリアに所定のパターンが書き込まれていれば、RAM13に異常はなく正常であるので(S2:正常)、処理をS3へ移行する。一方、S2のチェックの結果、所定エリアに所定のパターンが書き込まれていなければ、電源投入後最初に実行されたリセット割込処理であるか、或いは、RAM13に異常があるので(S2:異常)、この場合には処理をS21へ移行して、一旦、RAM13の内容をクリアした後、RAM13内へ初期値を書き込んで(S21)、次のリセット割込処理の発生を待機する。なお、このS21の処理でRAM13に書き込まれる初期値の中には、S2の処理でチェックされる所定のパターンが含まれている。
S3の処理ではタイマ割込の設定を行う(S3)。ここで設定されるタイマ割込としては、LCDディスプレイ3の変動表示を制御する制御用コマンドを表示用制御基板Dへ送信するためのストローブ信号を発生させるタイマ割込などがある。タイマ割込の設定後は、各割込を許可状態とする(S4)。割込の許可後は、前回のリセット割込処理において更新された出力データを一度に各ポートへ出力するポート出力処理を実行する(S5)。
更に、大当たりを決定するための乱数カウンタの値を「+1」更新する乱数更新処理(S6)を実行し、記憶タイマ減算処理を実行する(S7)。記憶タイマ減算処理は、大当たり判定の保留球が所定数以上あり、且つ、LCDディスプレイ3において図柄の変動表示中である場合に、図柄の変動表示の時間短縮を行うものである。
スイッチ読込処理(S8)は、各スイッチの値を読み込んで、遊技領域1へ打ち込まれた打球の入賞口2や大入賞口5(Vゾーン5aを含む)への入賞、普通電動役物4への入賞およびその普通電動役物4内に設けられた特別図柄作動口の通過、更には賞球や貸球を検出するための処理である。カウント異常監視処理(S9)は、S8のスイッチ読込処理によって読み込まれたスイッチデータに異常があるか否かを監視するための処理である。例えば、大入賞口5が開放され、打球のVゾーン5aの通過を検出するVカウントスイッチで打球が検出されたにも拘わらず、Vゾーン5a以外の大入賞口5への入賞を検出する10カウントスイッチで1球の打球も検出できない場合には、10カウントスイッチが抜き取られるなどして、10カウントスイッチに何らかの異常が発生している。また、賞球の払い出しを行う払出モータ(図示せず)を駆動したにも拘わらず、1球の賞球も払い出されない場合には、賞球の払出装置に何らかの異常が発生している。このようにカウント異常監視処理(S9)では、スイッチ読込処理(S8)によって読み込まれたスイッチデータに基づいて、上記のような異常の有無を監視している。
図柄カウンタ更新処理(S10)では、LCDディスプレイ3で行われる変動表示の結果、停止表示される図柄を決定するためのカウンタの更新処理が行われる。また、図柄チェック処理(S11)では、図柄カウンタ更新処理(S10)で更新されたカウンタの値に基づいて、特別図柄変動処理(S15)で使用される大当たり図柄や、はずれ図柄、更にはリーチ図柄などが決定される。
S3からS11までの処理において、エラーが発生していなければ(S12:正常)、普通図柄変動処理(S13)によって、普通図柄表示装置としての7セグメントLED7の変動表示を行うと共に、その変動表示が「3」または「7」で終了して当たりが発生した場合には、普通電動役物4を所定時間および所定回数開放するための当たり処理を実行する。その後、状態フラグをチェックし(S14)、LCDディスプレイ3において図柄の変動開始または変動表示中であれば(S14:図柄変動中)、特別図柄変動処理(S15)によって、打球が特別図柄作動口を通過するタイミングで読み取った乱数カウンタの値に基づいて、大当たりか否かの判定を行うと共に、LCDディスプレイ3において特別図柄の変動処理を実行する。
この特別図柄の変動処理において、LCDディスプレイ3の変動表示を実行するための表示データや効果音データ、更にはランプデータが作成され、3種類の制御用コマンド(変動パターン指定コマンド31、停止図柄指定コマンド32、図柄停止コマンド33)に変換されて、主制御基板Cからサブ制御基板Sへ、S3の処理で設定されたタイマ割込処理によって送信される。
一方、状態フラグをチェックした結果、大当たり中であれば(S14:大当り中)、大入賞口5を開放するなどの大当たり処理(S16)を実行する。更に、状態フラグをチェックした結果、図柄の変動中でも大当たり中でもなければ(S14:その他)、S15及びS16の処理をスキップして、S17の表示データ作成処理へ移行する。なお、S12の処理において、エラーが確認された場合には(S12:エラー)、S13〜S16の各処理をスキップして、S17の表示データ作成処理へ移行する。
表示データ作成処理(S17)では、特別図柄の変動表示以外にLCDディスプレイ3に表示されるデモデータや、7セグメントLED7の表示データなどが作成される。作成された表示データは、制御用コマンドとして、S3の処理で設定されたタイマ割込処理によって主制御基板Cからサブ制御基板Sへ送信される。サブ制御基板Sへ送信された表示データのうちLCDディスプレイ3の表示に関するデータは、そのサブ制御基板Sによって表示コマンド35に展開され、サブ制御基板Sから表示用制御基板Dへ送信される。また、サブ制御基板Sへ送信された表示データのうち7セグメントLED7の表示に関するデータは、サブ制御基板Sによって直接7セグメントLED7の表示制御に用いられる。なお、特別図柄の変動表示に用いられる表示データは、前記した通り、特別図柄変動処理(S15)によって作成され、制御用コマンドとしてサブ制御基板Sへ送信される。
ランプ・情報処理(S18)では、保留球の数を表示するランプ4a1〜4a4,7a1〜7a4を点灯又は消灯させるランプデータをはじめ、そのランプ4a1〜4a4,7a1〜7a4以外の他のランプ6を特別図柄の変動表示以外で点灯又は消灯させる各種のランプデータが作成される。保留球の数を表示するランプ4a1〜4a4,7a1〜7a4についてのランプデータは、ランプコマンド37として、この主制御基板Cからランプ制御基板Lへ、直接、タイマ割込処理によって送信される。また、他のランプ6についてのランプデータは、制御用コマンドとして、主制御基板Cからサブ制御基板Sへタイマ割込処理によって送信され、そのサブ制御基板Sによってランプコマンド37に展開された後に、サブ制御基板Sからランプ制御基板Lへ送信される。なお、特別図柄の変動表示に用いられるランプデータは、前記した通り、特別図柄変動処理(S15)によって作成され、制御用コマンドとしてサブ制御基板Sへ送信される。
効果音処理(S19)では、特別図柄の変動表示以外の遊技の状況に応じた効果音データが作成される。作成された効果音データは、制御用コマンドとして、主制御基板Cからサブ制御基板Sへタイマ割込処理によって送信され、そのサブ制御基板Sによって効果音コマンド36に展開された後に、サブ制御基板Sから効果音制御基板Mへ送信される。なお、特別図柄の変動表示に用いられる効果音データは、前記した通り、特別図柄変動処理(S15)によって作成され、制御用コマンドとしてサブ制御基板Sへ送信される。
効果音処理(S19)の終了後は、次のリセット割込処理が発生するまでの残余時間の間、S10と同一の処理である図柄カウンタ更新処理(S20)が繰り返し実行される。S1〜S19の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するので、次のリセット割込処理が発生するまでの残余時間は、一定の時間ではない。よって、かかる残余時間を使用して図柄カウンタ更新処理(S20)を繰り返し実行することにより、停止図柄をランダムに変更することができる。
図13は、図12におけるリセット割込処理の特別図柄変動処理(S15)内で実行されるコマンド設定処理を示したフローチャートである。このコマンド設定処理は、LCDディスプレイ3の変動表示を制御する制御用コマンドである変動パターン指定コマンド31、停止図柄指定コマンド32、図柄停止コマンド33を、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信するために、各コマンド31〜33を送信バッファ13aへ書き込む(セットする)ための処理である。
コマンド設定処理では、まず、変動表示の状態が状態フラグによってチェックされる(S31)。チェックの結果、変動表示の開始であれば(S31:変動開始)、変動パターン指定コマンド31を送信バッファ13aへ書き込み(S32)、コマンドカウンタ13bの値を「1」として(S33)、この処理を終了する。送信バッファ13aへ書き込まれた変動パターン指定コマンド31は、前記した通り、S3の処理で設定されるタイマ割込処理によって、1バイトずつサブ制御基板Sへ送信される。
S31の処理において、状態フラグをチェックした結果、図柄の変動表示中であれば(S31:変動表示中)、コマンドカウンタ13bの値が「9」以下であるか否かを調べる(S34)。コマンドカウンタ13bの値が「9」以下であれば(S34:Yes)、そのコマンドカウンタ13bの値に対応する停止図柄指定コマンド32の1バイト目を送信バッファ13aの上位バイトへ書き込む(S35)。図5(a)に示す対応関係に基づいて、例えば、コマンドカウンタ13bの値が「1」であれば「90H」が、コマンドカウンタ13bの値が「2」であれば「A0H」が、・・・、コマンドカウンタ13bの値が「9」であれば「B2H」が、それぞれ送信バッファ13aの上位バイトへ書き込まれる。
更に、コマンドカウンタ13bの値に対応する停止図柄の図柄コード32bを送信バッファ13aの下位バイトへ書き込む(S36)。例えば、コマンドカウンタ13bの値が「1」であれば図柄1(3a1)の表示領域に停止表示される図柄の図柄コード32bが、コマンドカウンタ13bの値が「2」であれば図柄2(3b1)の表示領域に停止表示される図柄の図柄コード32bが、・・・、コマンドカウンタ13bの値が「9」であれば図柄9(3c3)の表示領域に停止表示される図柄の図柄コード32bが、それぞれ図5(b)に示す対応関係に基づいて、送信バッファ13aの下位バイトへ書き込まれる。ここで、停止図柄として「タコ」の図柄が指定される場合には「10H」の図柄コード32bが、「ハリセンボン」の図柄が指定される場合には「11H」の図柄コード32bが、・・・、「サメ(2)」の図柄が指定される場合には「23H」の図柄コード32bが、それぞれ指定される。
S35およびS36の処理によって、2バイトの停止図柄指定コマンド32を送信バッファ13aへ書き込んだ後は、コマンドカウンタ13bの値を「1」加算して(S37)、この処理を終了する。なお、送信バッファ13aへ書き込まれた停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31の場合と同様に、S3の処理で設定されるタイマ割込処理によって、1バイトずつサブ制御基板Sへ送信される。
一方、コマンドカウンタ13bの値が「10」以上であれば(S34:No)、9つ全ての表示領域3a1〜3c3について停止図柄指定コマンド32を送信したということである。よって、かかる場合には、S35からS37の各処理をスキップして、この処理を終了する。
S31の処理において、状態フラグをチェックした結果、変動表示の終了のタイミングであれば(S31:変動表示終了)、9つの表示領域3a1〜3c3の全図柄を一度に停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33(80H,0AH)を送信バッファ13aへ書き込み(S38)、この処理を終了する。送信バッファ13aへ書き込まれた図柄停止コマンド33は、変動パターン指定コマンド31の場合と同様に、S3の処理で設定されるタイマ割込処理により、1バイトずつサブ制御基板Sへ送信される。この図柄停止コマンド33がサブ制御基板Sへ送信され、そのサブ制御基板Sから表示用制御基板D、効果音制御基板M、ランプ制御基板Lのそれぞれへ、図柄停止コマンド33に応じた表示コマンド35、効果音コマンド36、ランプコマンド37が送信されることにより、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動表示が終了する。
なお、図柄停止コマンド33による図柄の停止表示(確定)は、必ずしも、9つすべての図柄を一度に確定させる必要はなく、例えば、9つの図柄をそれぞれ別々に確定させたり、或いは、スクロールが行われる単位、即ち、上段の図柄、中段の図柄、下段の図柄の各単位毎に図柄を確定させるようにしても良い。前者の場合には、図7に示すように「80H,01H」〜「80H,09H」の図柄停止コマンド33が使用され、後者の場合には「80H,0BH」〜「80H,0DH」の図柄停止コマンド33が使用される。
図14は、サブ制御基板Sの受信割込処理で実行されるコマンド受信処理のフローチャートである。このコマンド受信処理は、主制御基板Cからサブ制御基板Sへ制御用コマンドが送信されると実行される。まず、主制御基板Cから送信されサブ制御基板Sで受信した制御用コマンドを受信バッファ23aへ書き込み(S41)、更に、コマンド受信フラグ23bをオンして(S42)、新たな制御用コマンドが受信バッファ23aに記憶されていることを示して、この処理を終了する。
図15は、サブ制御基板Sのメイン処理のフローチャートである。このメイン処理では、主制御基板Cから受信した制御用コマンドに基づいて、各種の制御が行われる。まず、コマンド受信フラグ23bがオンされているか否かを確認する(S51)。コマンド受信フラグ23bがオンされていれば(S51:Yes)、これをオフした後に(S52)、受信バッファ23aの上位バイトに記憶されているデータにより制御用コマンドの種類を確認する(S53)。
受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドの上位バイトが「C0H」または「C1H」であれば、その制御用コマンドは変動パターン指定コマンド31である。よって、かかる場合には(S53:変動パターン指定コマンド)、全ての停止図柄1〜9メモリ23c〜23kの内容を0クリアした後で(S54)、その変動パターン指定コマンド31で指定される変動パターンを複数の表示コマンド35、効果音コマンド36、ランプコマンド37に展開する(S55)。展開した各コマンド35〜37は、各処理(S56)において、それぞれのタイミングに応じて、表示用制御基板D、効果音制御基板M、ランプ制御基板Lの各制御基板へそれぞれ送信される。
一方、S53の処理において、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドの上位バイトが「90H〜92H」,「A0H〜A2H」または「B0H〜B2H」のいずれかであれば、その制御用コマンドは停止図柄指定コマンド32である。よって、かかる場合には(S53:停止図柄指定コマンド)、その停止図柄指定コマンド32の2バイト目のコマンドである図柄コード32bを対応する停止図柄1〜9メモリ23c〜23kへ書き込む(S57)。図5(a)(b)に示すように、例えば、受信バッファ23aに記憶される停止図柄指定コマンド32が「90H,14H」であれば、「90H」に対応する停止図柄1メモリ23cに、「14H(エビの図柄)」の図柄コード32bが書き込まれる。また、受信バッファ23aに記憶される停止図柄指定コマンド32が「B2H,21H」であれば、「B2H」に対応する停止図柄9メモリ23kに、「21H(貝の図柄)」の図柄コード32bが書き込まれる。
その後は、LCDディスプレイ3上で高速に変動されている変動中の図柄を、変動パターン(特に、表示パターン)とその変動パターンの進行状況とを考慮して、停止図柄1〜9メモリ23c〜23kに記憶される図柄コード32bの図柄で変動表示が終了するように図柄を差し替えるための表示コマンド35(図8参照)を算出する(S58)。例えば、停止図柄1メモリ23cに「14H」が記憶されている場合には、図柄1の表示領域3a1の変動表示が「14H」の図柄コード32bである「エビ」の図柄で終了するように、図柄の差し替えのための表示コマンド35を算出する。また、停止図柄9メモリ23kに「21H」が記憶されている場合には、図柄9の表示領域3c3の変動表示が「21H」の図柄コード32bである「貝」の図柄で終了するように、図柄の差し替えのための表示コマンド35を算出する。算出した図柄の差し替えのための表示コマンド35は、各処理(S56)において、図柄の高速変動中に表示用制御基板Dへ送信される。
S53の処理において、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドの上位バイトが「80H」であれば、その制御用コマンドは図柄停止コマンド33である。よって、かかる場合には(S53:図柄停止コマンド)、その図柄停止コマンド33で指定された図柄番号32aの表示領域3a1〜3c3の図柄を確定して、その表示領域3a1〜3c3へ該当する図柄を停止表示するために、受信した図柄停止コマンド33を表示コマンド35、効果音コマンド36、ランプコマンド37にそれぞれ展開する(S59)。展開した各コマンド35〜37は、各処理(S56)において、それぞれのタイミングに応じて、表示用制御基板D、効果音制御基板M、ランプ制御基板Lの各制御基板へそれぞれ送信される。
例えば、「80H,0AH」の図柄停止コマンド33が受信バッファ23aに記憶されていれば、その図柄停止コマンド33は、9つすべての表示領域3a1〜3c3の図柄を一度に確定し停止表示するための表示コマンド35、効果音コマンド36、ランプコマンド37にそれぞれ展開される。また、「80H,0CH」の図柄停止コマンド33が受信バッファ23aに記憶されていれば、その図柄停止コマンド33は、中段の表示領域3bに表示される3つの図柄2,5,8を一度に確定し停止表示するための表示コマンド35、効果音コマンド36、ランプコマンド37にそれぞれ展開される。
なお、変動表示の終了タイミングの到来前であっても、図柄停止コマンド33を受信した場合には、S59の処理を実行して、その図柄停止コマンド33により指示された表示領域3a1〜3c3の変動表示を即座に停止(確定)する。よって、図柄停止コマンド33を受信するタイミングで、変動表示を実際に終了させることができる。
S53の処理において、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドが、変動パターン指定コマンド31、停止図柄指定コマンド32および図柄停止コマンド33のいずれの制御用コマンドでもなければ(S53:その他)、その制御用コマンドが7セグメントLED7の表示を制御するためのコマンドであるか否かを確認する。7セグメントLED7の表示を制御する制御用コマンドでなければ(S60:No)、受信した制御用コマンドを、その制御用コマンドに対応する各コマンド35〜37に展開する(S61)。展開した各コマンド35〜37は、各処理(S56)において、それぞれのタイミングに応じて、対応する各制御基板D,M,Lをそれぞれ送信される。一方、S60の処理において、受信した制御用コマンドが7セグメントLED7の表示に関する制御用コマンドであれば(S60:Yes)、各処理(S56)において、その制御用コマンドに基づき7セグメントLED7の表示が、サブ制御基板Sによって直接制御される。
S51の処理においてコマンド受信フラグ23bがオフされている場合や(S51:No)、S55,S58,S59,S60:Yes,S61の各処理の実行後は、サブ制御基板Sの状況に応じて各処理を実行する(S56)。その後は、処理をS51へ移行して、このメイン処理を繰り返す。なお、前記した通り、S55,S58,S59及びS61の各処理において展開された各コマンド35〜37は、この各処理(S56)において、それぞれのタイミングで、対応する制御基板D,M,Lへそれぞれ送信される。
図16は、表示用制御基板Dのメイン処理のフローチャートである。このメイン処理では、サブ制御基板Sから受信した表示コマンド35に基づいて、LCDディスプレイ3の制御が行われる。まず、新たな表示コマンド35を受信したか否かを確認し(S71)、受信していれば(S71:Yes)、受信した表示コマンド35に基づいてLCDディスプレイ3の(変動)表示を制御する(S72)。その後、各処理を実行した後で(S73)、処理をS71へ移行し、このメイン処理を繰り返す。一方、S71の処理において新たな表示コマンド35を受信していなければ(S71:No)、今までに受信した表示コマンド35に基づいて各処理を実行し(S73)、LCDディスプレイ3の(変動)表示を制御する。その後は、処理をS71へ移行して、このメイン処理を繰り返す。
図17は、効果音制御基板Sのメイン処理のフローチャートである。このメイン処理では、サブ制御基板Sから受信した効果音コマンド36に基づいて、スピーカ57の効果音出力が制御される。まず、新たな効果音コマンド36を受信したか否かを確認し(S81)、受信していれば(S81:Yes)、受信した効果音コマンド36に基づいてスピーカ57の効果音出力を制御する(S82)。その後、各処理を実行した後で(S83)、処理をS81へ移行し、このメイン処理を繰り返す。一方、S81の処理において新たな効果音コマンド36を受信していなければ(S81:No)、今までに受信した効果音コマンド36に基づいて各処理を実行し(S83)、スピーカ57の効果音出力を制御する。その後は、処理をS81へ移行して、このメイン処理を繰り返す。
図18は、ランプ制御基板Lのメイン処理のフローチャートである。このメイン処理では、主制御基板Cおよびサブ制御基板Sから受信したランプコマンド37に基づいて、各ランプ4a1〜4a4,6,7a1〜7a4を点灯または消灯する制御が行われる。まず、新たなランプコマンド37を受信したか否かを確認し(S91)、受信していれば(S91:Yes)、受信したランプコマンド37に基づいて各ランプ4a1〜4a4,6,7a1〜7a4の点灯または消灯を制御する(S92)。その後、各処理を実行した後で(S93)、処理をS91へ移行し、このメイン処理を繰り返す。一方、S91の処理において新たなランプコマンド37を受信していなければ(S91:No)、今までに受信したランプコマンド37に基づいて各処理を実行し(S93)、各ランプ4a1〜4a4,6,7a1〜7a4の点灯または消灯を制御する。その後は、処理をS91へ移行して、このメイン処理を繰り返す。
次に、図19及び図20のタイミングチャートを参照して、上述の説明に基づく変動表示のタイミングについて説明する。まず、図19を参照して、9つ全ての図柄を一度に停止表示(確定)させる場合のタイミングについて説明する。主制御基板Cからサブ制御基板Sへ変動パターン指定コマンド31が送信されると、その変動パターン指定コマンド31に応じた表示コマンド35、効果音コマンド36、ランプコマンド37が、サブ制御基板Sから表示用制御基板D、効果音制御基板M、ランプ制御基板Lへそれぞれ送信され、それら各コマンド35〜37に基づいて、LCDディスプレイ3の図柄1(3a1)〜図柄9(3c3)の全ての図柄について変動表示が開始される。
この変動パターン指定コマンド31に続いて、高速変動の最中に、停止図柄指定コマンド32が9つの表示領域3a1〜3c3に対して順に送信される。停止図柄指定コマンド32がサブ制御基板Sによって受信されると、その停止図柄指定コマンド32により指定される停止図柄に合わせて、変動中の図柄を差し替えるための表示コマンド35が算出される。算出された表示コマンド35は、サブ制御基板Sから表示用制御基板Dへ送信され、図柄の高速変動中に、表示用制御基板Dによって図柄の差し替えが行われる。その後、変動パターン指定コマンド31で指定された変動パターンとしての表示パターン、効果音パターンおよび発光パターンがそれぞれ変化するタイミングに応じて、サブ制御基板Sから各制御基板D,M,Lへそれぞれ各コマンド35〜37が送信され、各制御基板D,M,Lによって変動表示が継続される。
変動表示の終了タイミングには、主制御基板Cからサブ制御基板Sへ、9つの全図柄を一度に停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33(80H,0AH(図7参照))が送信される。この図柄停止コマンド33がサブ制御基板Sにより受信されると、サブ制御基板Sから各制御基板D,M,Lへ、図柄停止コマンド33により指定された図柄を停止表示させるための各コマンド35〜37が送信され、その結果、変動パターン指定コマンド31によって開始されたLCDディスプレイ3の一連の変動表示が終了する。変動表示の終了後は、所定時間の経過により、各表示領域3a1〜3c3に停止表示されている停止図柄指定コマンド32で指定した停止図柄の表示が別の表示に切り替えられる。
なお、変動表示の終了タイミングが到来する前に、サブ制御基板Sが図柄停止コマンド33を受信した場合には、変動パターン指定コマンド31で指定された変動表示の終了タイミングが到来していなくても、サブ制御基板Sから各制御基板D,M,Lへ図柄を停止表示させるための各コマンド35〜37が送信され、停止図柄指定コマンド32により指定された停止図柄が指定された表示領域3a1〜3c3へ、即座に、停止表示される。かかる制御により、図柄停止コマンド33の送信(受信)タイミングに合わせて、変動表示を終了させることができるのである。
次に、図20のタイミングチャートを参照して、上段、下段、中段の順に、9つの図柄を3図柄ずつ停止表示(確定)させる場合のタイミングについて説明する。停止図柄指定コマンド32の送信までは、図19のタイミングと同様に行われ、高速変動中に図柄の差し替えが行われる。
変動表示終了のタイミングで、主制御基板Cからサブ制御基板Sへ、まず、上段の表示領域3aに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信される(80H,0BH(図7参照))。この図柄停止コマンド33がサブ制御基板Sにより受信されると、サブ制御基板Sから各制御基板D,M,Lへ、図柄停止コマンド33により指定された上段の図柄1,4,7を停止表示させるための各コマンド35〜37が送信され、その結果、上段の図柄1,4,7が確定し停止表示される。次に、下段の表示領域3cに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信され(80H,0DH(図7参照))、下段の図柄3,6,9が確定し停止表示される。更に、中段の表示領域3bに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信され(80H,0CH(図7参照))、中段の図柄2,5,8が確定し停止表示される。以上3つの図柄停止コマンド33により、変動パターン指定コマンド31によって開始されたLCDディスプレイ3の一連の変動表示が終了する。
このように図柄のスクロール方向に合わせて、上段、下段、中段の順に図柄を停止表示(確定)させることにより、制御によって表示上に表される仮想図柄リール41〜43を、実際の図柄リールのように表現することができる。なお、図柄のスクロール方向が縦方向の場合には、図柄の停止表示(確定)は、例えば、左、右、中の順に行われる。
以上説明したように、本実施例のパチンコ機Pによれば、変動パターン指定コマンド31によって変動表示の一連の変動パターンとしての表示パターンと効果音パターンと発光パターンとを一度に指定することができるので、変動表示の状態が変化する各ポイント毎に、主制御基板Cから各制御基板S,D,M,Lへそれぞれ制御用コマンドを送信する必要がない。しかも、変動パターン指定コマンド31の表示コマンド35、効果音コマンド36およびランプコマンド37への展開は、サブ制御基板Sによって行われるので、主制御基板Cの制御負担をサブ制御基板Sへ分散して軽減することができる。よって、主制御基板Cに搭載されるプログラム容量やデータ容量を減少させて、主制御基板Cのプログラム開発を容易にすることができる。
また、変動パターン指定コマンド31を受信してその変動パターン指定コマンド31に対応する制御を行うサブ制御基板Sの制御プログラムを変更することにより、主制御基板Cの制御プログラムをそのままにして、制御の内容(変動パターン、即ち、表示パターン、効果音パターン及び発光パターン)を変更することができる。よって、主制御基板C(のプログラム)を共通化しつつ、単に主制御基板Cに接続されるサブ制御基板S(或いは、サブ制御基板Sに接続される各制御基板D,M,L)を取り替えるだけで、LCDディスプレイ3やスピーカ57、各ランプ4a1〜4a4,6,7a1〜7a4などに異なった動作をさせることができる。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施例では、サブ制御基板Sは、表示用制御基板D、効果音制御基板Mまたはランプ制御基板Lとぞれぞれ別体に構成されたが、かかる構成に代えて、サブ制御基板Sと他の1以上の制御基板D,M,Lとを一体に構成するようにしても良いのである。例えば、サブ制御基板Sを表示用制御基板Dと一体に構成する場合には、効果音コマンド36およびランプコマンド37は、サブ制御基板Sと一体に構成された表示用制御基板Dから、効果音制御基板Mおよびランプ制御基板Lへそれぞれ送信される。また、サブ制御基板Sを効果音制御基板Mおよびランプ制御基板Lと一体に構成する場合には、表示コマンド35は、サブ制御基板Sと一体に構成された効果音制御基板Mおよびランプ制御基板Lから、表示用制御基板Dへ送信される。なお、当然のことながら、表示用制御基板D、効果音制御基板Mおよびランプ制御基板Lのすべてを、サブ制御基板Sと一体に構成しても良いのである。
また、上記実施例では、サブ制御基板Sと表示用制御基板Dとの表示コマンド35等の送受信は、サブ制御基板Sから表示用制御基板Dへの一方向にのみ行われた。同様に、サブ制御基板Sと効果音制御基板Mとの効果音コマンド36等の送受信や、サブ制御基板Sとランプ制御基板Lとのランプコマンド37等の送受信についても、サブ制御基板Sから効果音制御基板Mまたはランプ制御基板Lへの一方向にのみ行われた。しかし、これに代えて、サブ制御基板Sと表示用制御基板D、サブ制御基板Sと効果音制御基板M、或いは、サブ制御基板Sとランプ制御基板Lとの間におけるコマンド等の送受信を双方向に行うように構成しても良いのである。
以下に本発明の変形例を示す。請求項1記載の遊技機において、前記サブ制御基板は、前記主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドを前記表示パターンが変化するポイント毎に展開する表示パターン展開手段と、その表示パターン展開手段により展開された表示パターンをその表示パターンが変化するポイントに合わせて前記表示用制御基板へ送信(出力)する展開表示パターン送信(出力)手段と、前記主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドを前記効果音パターンが変化するポイント毎に展開する効果音パターン展開手段と、その効果音パターン展開手段により展開された効果音パターンをその効果音パターンが変化するポイントに合わせて前記効果音制御基板へ送信(出力)する展開効果音パターン送信(出力)手段と、前記主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドを前記発光パターンが変化するポイント毎に展開する発光パターン展開手段と、その発光パターン展開手段により展開された発光パターンをその発光パターンが変化するポイントに合わせて前記発光装置制御基板へ送信(出力)する展開発光パターン送信(出力)手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。
請求項1記載の遊技機または遊技機1において、前記サブ制御基板は、前記表示用制御基板、効果音制御基板または発光装置制御基板のうち1以上の制御基板を備えていることを特徴とする遊技機2。なお、表示用制御基板、効果音制御基板および発光装置制御基板のすべてが一体となってサブ制御基板を構成しても良い。
請求項1記載の遊技機または遊技機1若しくは2において、前記サブ制御基板は、前記表示用制御基板、効果音制御基板および発光装置制御基板を制御すると共に、7セグメントLEDの表示を制御することを特徴とする遊技機3。
請求項1記載の遊技機または遊技機1乃至3は、前記変動パターン指定コマンドに加えて更に、前記制御用コマンドとして、前記変動表示の終了時に前記表示装置に停止表示される停止図柄を指定する停止図柄指定コマンドと、その停止図柄指定コマンドにより指定された停止図柄を前記表示装置へ停止表示(確定表示)させるタイミングを指定するための図柄停止コマンドとを備えていることを特徴とする遊技機4。
請求項1記載の遊技機または遊技機1乃至4において、前記制御用コマンドを前記主制御基板から前記サブ制御基板へ一方向にのみ送信する一方向手段を備えていることを特徴とする遊技機5。