JP5605117B2 - 車両走行用駆動源出力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両走行用駆動源に対する出力制御装置に関する。
車両運転時において、アクセル操作とブレーキ操作とが同時に生じた場合に、不都合な走行状態発生を回避するために、アクセル操作による出力指令値を低減して車両走行用駆動源(内燃機関や電動モータなど)の出力制御を行う技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1では、走行レンジにて、誤操作としてブレーキペダルとアクセルペダルとの同時踏み込みが生じた場合に、エンジン出力をクリープトルク以下に制限して、不都合な走行状態発生を回避しようとするものである。
更にこのようにアクセル操作とブレーキ操作とが同時に生じた場合に、その全ての状況で出力低減を行うことにより発生する不都合について解決する技術が知られている(例えば特許文献2,3参照)。
特許文献2では、ブレーキペダルとアクセルペダルとが同時に踏み込まれた場合には、エンジン出力を低減しているが、コーナリングなどで意図的に車両ドライバーがブレーキペダルとアクセルペダルとを同時に踏み込む場合にはエンジン出力が十分に生じるように制御するものである。すなわちブレーキペダルとアクセルペダルとの同時踏み込み時に、ブレーキペダル踏み込み量が、意図的な同時踏み込み時に対応したレベル以上であれば、アクセルペダルの踏み込み量にかかわらずエンジンを強制的にアイドル状態とするが、レベル未満であれば、アクセルペダルの踏み込みに対応したエンジン出力を許している。
特許文献3では、ブレーキペダルとアクセルペダルとが同時に踏み込まれた場合には、エンジン出力を低減しているが、手動変速時において意図的に車両ドライバーがブレーキペダルとアクセルペダルとを同時に踏み込む場合にはエンジン出力が十分に生じるように制御するものである。すなわち、ヒールアンドトゥ操作やダブルクラッチ操作においてはブレーキペダルとアクセルペダルとの同時踏み込みがなされるが、この場合にクラッチペダルによるクラッチ操作がなされていればエンジン出力の低減をしないように制御するものである。
特開2002−271917号公報(第3−4頁、図3) 特開2005−291030号公報(第4−6頁、図2) 特開2006−233870号公報(第6−8頁、図2,3)
しかし特許文献2ではブレーキペダル踏み込み量に基づいて意図的な同時踏み込みか否かを判別しているが、ブレーキペダルの踏み込みの浅いか深いかでは、意図的か否かは実際には判別は困難である。
例えば、自動変速制御においては、シフトダウン時の変速ショックを防止するためにロックアップを解除して短時間にスロットルバルブを開いて適切なエンジン回転数に上昇させてからシフトダウンを実行する、いわゆるダウンシフトブリッピングが知られている。
ブレーキペダルとアクセルペダルとが同時に踏み込まれた状態でダウンシフトブリッピングを実行しようとしても、エンジン出力が上昇できなければ、エンジン回転数を適切に上昇させることができず、変速ショックが防止できなかったり、あるいは変速時間が長大化するおそれがある。
このようなシフトダウン実行時に、ブレーキペダルの踏み込み量は様々であり、ブレーキペダルの踏み込み量で判別すると変速ショック防止は不十分なものとなる。
更に特許文献3ではクラッチペダルによるクラッチ操作有無が意図的であるか否かの判別となっているが、特許文献3はクラッチペダルの存在が前提であり、自動変速機の場合のごとくクラッチペダルが存在しない場合には判別は不可能である。したがって自動変速車両においてはダウンシフトブリッピングに際して変速ショックを防止できない。
本発明は、出力要求と制動要求とが同時に生じている場合に、不都合な走行状態発生を回避しつつ、必要に応じて車両走行用駆動源に対して適切な出力制御を行うことを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用・効果について記載する。
請求項1に記載の車両走行用駆動源出力制御装置は、駆動出力指令値に応じて車両走行用駆動源の出力を調節する出力調節手段と、制動操作に応じて車両の制動力を調節する制動力調節手段とを備えた車両における車両走行用駆動源出力制御装置であって、前記出力調節手段は、前記駆動出力指令値を高周波数成分とこれ以外の低周波数成分とに分離し、前記駆動出力指令値が前記車両走行用駆動源に出力を要求する状態であると同時に、前記制動操作が車両制動を要求する状態である場合には、前記低周波数成分に対して調節感度を低下させる処理を加えた後に、この調節感度低下処理を加えた後の低周波数成分と前記高周波数成分との和を、前記車両走行用駆動源への駆動出力指令値とすることにより、前記駆動出力指令値に含まれる周波数の違いに応じてその周波数成分による前記車両走行用駆動源の出力に対する調節感度を変更することを特徴とする。
出力調節手段は、駆動出力指令値が車両走行用駆動源に出力を要求する状態であると同時に、制動操作が車両制動を要求する状態である場合には、すなわち出力要求と制動要求とが同時に生じている場合には、駆動出力指令値に含まれる周波数の違いに応じてその周波数成分による車両走行用駆動源の出力に対する調節感度を変更している。
出力要求と制動要求とが同時に生じている場合に、その同時要求状態が車両ドライバーに意図されたものであったり、あるいは車両の各機構において制御上必要な処理としてなされたものであったりした場合には、その他の場合と比較して、出力要求である駆動出力指令値における周波数が異なる。
たとえば、誤操作や何らかの異常により出力要求と制動要求とが同時に生じている場合と、車両ドライバーや制御によるダウンシフトなどのために出力要求と制動要求とを意図して同時に実行している場合とは、駆動出力指令値としては異なる周波数成分を生じる。
このため出力調節手段は、駆動出力指令値が含む周波数成分によって車両走行用駆動源の出力に対する調節感度を変更するようにしている。このことにより出力調節手段は、誤操作や何らかの異常による駆動出力指令値と、車両ドライバーの意図や制御上の必要性に応じた駆動出力指令値とを分けて、車両走行用駆動源の出力に対する駆動出力指令値の影響を調節できることになる。
このため、出力調節手段は、誤操作や異常時である場合には車両走行用駆動源の出力に対する駆動出力指令値の影響を少なくあるいは無くすように設定した調節感度にて出力調節することが可能となる。そして、車両ドライバーの意図や制御上の必要性に応じた場合には車両走行用駆動源の出力に対する駆動出力指令値の影響を通常通りとするように設定した調節感度にて出力調節することが可能となる。
なお、出力調節手段は、出力要求と制動要求とが同時に生じている場合には、上述のごとく算出した和の値に基づいて、車両走行用駆動源の出力を調節する。この和の値に含まれる低周波数成分には調節感度低下処理がなされている。
すなわち出力要求と制動要求とが同時に生じている場合に、誤操作や異常時では駆動出力指令値は低周波成分となるため、その値による調節感度を低下できる。このことから誤操作や異常時では駆動出力指令値による車両走行用駆動源の出力に対する影響を少なく、あるいは無くすことができる。
そして車両ドライバーの意図や制御上の必要性に応じた駆動出力指令値は高周波数成分となるため、その値による調節感度については低下せずに維持できる。このことから、要求に応じた適切な出力を実現できる。
このようにして、出力要求と制動要求とが同時に生じている場合に、不都合な走行状態発生を回避しつつ、必要に応じて車両走行用駆動源に対して適切な出力制御を行うことが可能となる。
請求項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置は駆動出力指令値に応じて車両走行用駆動源の出力を調節する出力調節手段と、制動操作に応じて車両の制動力を調節する制動力調節手段とを備えた車両における車両走行用駆動源出力制御装置であって、前記出力調節手段は、前記駆動出力指令値と前記制動操作を表す値との積を算出し、この積に含まれる低周波数成分を取り出して、元の前記駆動出力指令値との差を算出し、この差又はこの差に制限を加えた値を、前記車両走行用駆動源への駆動出力指令値とすることにより、前記駆動出力指令値が前記車両走行用駆動源に出力を要求する状態であると同時に、前記制動操作が車両制動を要求する状態である場合には、前記駆動出力指令値に含まれる周波数の違いに応じてその周波数成分による前記車両走行用駆動源の出力に対する調節感度を変更することを特徴とする。
出力調節手段が算出している駆動出力指令値と制動操作を表す値との積において、この積の値に含まれる低周波数成分は、特に制動操作を表す値が小さい場合には小さく、制動操作を表す値が大きい場合に大きい値となる。したがってこの積の低周波数成分は、出力要求と制動要求とが同時に生じている状態での低周波数成分を高精度に反映する値となっている。すなわち、この低周波数成分には誤操作や異常時での駆動出力指令値が高精度に反映されていることになる。
このため出力調節手段は、低周波数成分と元の駆動出力指令値との差を算出することで、出力要求と制動要求との同時発生状態での高周波成分を高精度に抽出できる。すなわち車両ドライバーの意図や制御上の必要性に応じた駆動出力指令値を高周波成分として抽出でき、この高周波成分を出力制御に反映させることが可能となる。
そして出力要求と制動要求との同時発生状態での低周波数成分については元の駆動出力指令値から削除されることから調節感度は0となる。このことから誤操作や異常時では駆動出力指令値による車両走行用駆動源の出力に対する影響を無くすことができる。
このようにして、出力要求と制動要求とが同時に生じている場合に、不都合な走行状態発生を回避しつつ、必要に応じて車両走行用駆動源に対して適切な出力制御を行うことが可能となる。
請求項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置では、請求項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置において、前記出力調節手段は、前記駆動出力指令値と前記制動操作を表す値との積の算出において、前記制動操作を表す値を増幅して用いていることを特徴とする。
出力調節手段は、駆動出力指令値と制動操作を表す値との積の計算において、制動操作を表す値を増幅して積を計算することにより、制動操作を表す値が大きくなっていなくても、すなわち制動操作が小さくても、出力要求と制動要求とが同時に生じた状況を早期に捉えることができ、早期に適切な車両走行用駆動源出力制御が可能となる。
請求項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置では、請求項のいずれか一項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置において、前記駆動出力指令値に含まれる高周波数成分は、自動シフト処理又は手動シフト処理によるシフトダウンに伴って生じたものであることを特徴とする。
駆動出力指令値に含まれる高周波数成分は、自動シフト処理時に、ダウンシフトブリッピングとして自動的に駆動出力指令値の一時的な増加がなされる際に生じる。あるいは、このような高周波数成分は、車両ドライバーによる手動シフト処理時に、車両ドライバー自身がヒールアンドトゥ操作やダブルクラッチ操作を実行して駆動出力指令値の一時的な増加を行う際に生じる。
このようにして出力要求と制動要求とが同時に生じている場合に、不都合な走行状態発生を回避しつつ、必要に応じて車両走行用駆動源に対して適切な出力制御を行うことが可能となる。
請求項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置では、請求項のいずれか一項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置において、前記出力調節手段は、前記駆動出力指令値に含まれる高周波数成分は直流成分を除いた成分とし、前記駆動出力指令値に含まれる低周波数成分は直流成分としていることを特徴とする。
出力要求と制動要求とが同時に生じている場合には、誤操作や異常時では駆動出力指令値は主として直流成分として現れ、車両ドライバーの意図や制御上の必要性に応じた駆動出力指令値である場合には直流成分ではなく変動する成分として現れる。
したがって出力調節手段は、駆動出力指令値における直流成分を除いた成分を全て高周波数成分とし、直流成分を低周波数成分として処理しても良い。
請求項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置では、請求項1〜のいずれか一項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置において、前記出力調節手段は、前記駆動出力指令値に含まれる周波数成分を分別するためにフィルタ手段による処理を実行していることを特徴とする。
このように出力調節手段はフィルタ手段を備えて、その処理により周波数成分を分別することで、出力要求と制動要求とが同時に生じている場合に、不都合な走行状態発生を回避しつつ、必要に応じて車両走行用駆動源に対して適切な出力制御を行うことが可能となる。
請求項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置では、請求項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置において、前記フィルタ手段は、バタワースフィルタを用いていることを特徴とする。
特にフィルタ手段として、バタワースフィルタを採用することにより、周波数成分に対応した制御を実行するに際してリップルのない安定した処理が可能となる
請求項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置では、請求項1〜のいずれか一項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置において、前記車両走行用駆動源は内燃機関と電動モータとのいずれか一方又は両方であり、前記駆動出力指令値はアクセル開度であり、前記制動操作はブレーキペダルの踏み込みであることを特徴とする。
このように車両走行用駆動源が内燃機関と電動モータとのいずれか一方又は両方である場合、すなわち内燃機関駆動車両、電気駆動車両、あるいはハイブリッド車両などである場合において、本発明を適用して上述した作用・効果を生じさせることができる。
実施の形態1の車両用制御装置の要部ブロック図。 実施の形態1のエンジン出力制御処理の制御ブロック図。 実施の形態1の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態1の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態2のエンジン出力制御処理の制御ブロック図。 実施の形態3のエンジン出力調節処理のフローチャート。 実施の形態3の制御の一例を示すタイミングチャート。
[実施の形態1]
図1は車両走行用駆動源出力制御装置が適用された車両用制御装置の要部ブロック図である。本実施の形態における車両は、内燃機関(ガソリンエンジン)を車両走行用駆動源として用いている。
アクセル開度センサ2は、車両ドライバーによるアクセルペダルの踏み込み量をアクセル開度ACCPとして検出するものである。ブレーキペダルセンサ4は、車両ドライバーによるブレーキペダルの踏み込み状態(ブレーキスイッチ状態BSW及びストロークセンサによるブレーキ踏み込み量BST)を検出するものである。これらアクセル開度センサ2及びブレーキペダルセンサ4からの出力は、電子制御ユニット(以下、ECUと称する)6に入力される。
ECU6では、アクセル開度ACCPに基づいてエンジン制御部8を駆動し、内燃機関の出力(以下、エンジン出力と称する)を調節している。すなわちアクセル開度ACCPに基づいて駆動出力指令値を算出し、この駆動出力指令値に応じて、内燃機関の各気筒への吸気量を調節するスロットルバルブの開度(以下、スロットル開度と称する)TAを調節する。このことによりアクセル開度ACCPに応じてエンジン出力を調節している。
更にECU6では、ブレーキペダルの状態(BSW,BST:制動操作を表す値)に基づいて制動制御部10に対する車両ドライバーの制動操作状態を検出している。実際に車両に生じる制動力は、ブレーキペダルに連動する油圧系を中心とする制動制御部10により調節されている。
図2に、ECU6が車両走行用駆動源出力制御装置として実行するエンジン出力制御処理の制御ブロック図を示す。
ここでアクセル開度センサ2が出力するアクセル開度ACCPは、スロットル開度指令入力TAin(駆動出力指令値に相当)に変換される。ここではアクセル開度ACCPが0%〜100%の値が、スロットル開度指令入力TAinでは0.0〜1.0に変換される。この変換はアクセル開度ACCPとスロットル開度指令入力TAinとの換算式やマップによりなされる。
このスロットル開度指令入力TAinは、ハイパスフィルタHPFとローパスフィルタLPFとで並列にフィルタ処理がなされる。
ハイパスフィルタHPFは、スロットル開度指令入力TAin<Fs[Hz](低周波数成分に相当)である周波数成分をカットオフ周波数として遮断するものである。したがってスロットル開度指令入力TAin≧Fs[Hz](高周波数成分に相当)である周波数成分は通過させるフィルタ処理を実行する。
ローパスフィルタLPFはスロットル開度指令入力TAin≧Fs[Hz]である周波数成分をカットオフ周波数として遮断するものである。したがってスロットル開度指令入力TAin<Fs[Hz]である周波数成分は通過させるフィルタ処理を実行する。
ここで低周波数と高周波数との境界となる周波数Fsは、出力要求と制動要求とが同時に生じている場合において、誤操作や異常時で生じるスロットル開度指令入力TAinの周波数と、車両ドライバーの意図や自動変速などの制御上の必要性に応じたスロットル開度指令入力TAinの周波数との境界となる周波数である。本実施の形態では、0.2Hz〜1Hzの間で周波数Fsを設定している。
このようなハイパスフィルタHPF及びローパスフィルタLPFは、種々知られているが、ここではリップルの少ないバタワースフィルタが用いられる。バタワースフィルタとしては1次でもそれ以上の次数でも良い。例えば1次から4次のバタワースフィルタを用いる。
そしてローパスフィルタLPFから出力されたスロットル開度指令入力TAinの低周波数成分については、ブレーキペダルセンサ4の出力に基づいてブレーキオーバーライド処理BOSを実行する。
ここでブレーキオーバーライド処理BOSは、ブレーキペダルセンサ4にてブレーキペダルの踏み込みが検出されている場合(ブレーキスイッチ状態BSW=オン)、すなわち車両ドライバーにより制動操作がなされている場合には、低周波数成分の通過を阻止する処理である。そしてブレーキペダルが踏み込まれていない場合(ブレーキスイッチ状態BSW=オフ)、すなわち車両ドライバーにより制動操作がなされていない場合には、低周波数成分の通過を許す処理である。
尚、ブレーキスイッチ状態BSWを用いるのではなく、ブレーキ踏み込み量BSTを用いても良い。すなわちブレーキ踏み込み量BSTが0でない場合、あるいは所定以上のブレーキ踏み込み量BSTである場合に、ブレーキオーバーライド処理BOSにて低周波数成分の通過を阻止し、これ以外では低周波数成分の通過を許可するようにしても良い。
このようにブレーキオーバーライド処理BOS後の、スロットル開度指令入力TAinの低周波数成分については、加算部12にてハイパスフィルタHPFを通過したスロットル開度指令入力TAinの高周波数成分との和が算出されて、スロットル開度指令出力TAoutとして、実際にエンジン出力を制御するための出力制御計算に用いられる。すなわちスロットル開度指令出力TAoutはエンジン制御部8を駆動するための駆動出力指令値となる。
すなわち、このスロットル開度指令出力TAoutが、低周波数成分についてブレーキオーバーライド処理BOSにより調節感度が変更された後の駆動出力指令値である。
図3,4のタイミングチャートに本実施の形態における処理の一例を示す。
ここでスロットル開度指令入力TAin>0.0である状態がエンジン(車両走行用駆動源)に出力を要求する状態であり、ブレーキスイッチ状態BSW=オンである状態が車両制動を要求する状態である。
図3において、タイミングt3まではブレーキスイッチ状態BSWがオフ(OFF)の状態である。したがってブレーキオーバーライド処理BOSは低周波数成分の通過を許す。
この状態で車両ドライバーによりアクセルペダルの踏み込み及び踏み戻しがなされている(t0〜t1)。この場合にはスロットル開度指令入力TAinにおける高周波数成分も低周波数成分もいずれも加算部12まで到達して和が算出され、スロットル開度指令出力TAoutとして出力される。
すなわちスロットル開度指令入力TAinとスロットル開度指令出力TAoutとはフィルタ処理によりわずかなずれが存在したとしても、ほぼ同一の指令となる。このために車両ドライバーはアクセルペダルによる加減速操作に違和感を生じることはない。
次に車両ドライバーがタイミングt2からアクセルペダルの踏み込みを開始し、更にタイミングt3からブレーキペダルを踏み込んでいる(BSW=ON)。この状態では高周波数成分はハイパスフィルタHPF側にてそのまま通過するが、低周波数成分はローパスフィルタLPFを通過した後にブレーキオーバーライド処理BOSにて通過を阻止される。
したがってタイミングt5〜t7に示すごとく、車両ドライバーがアクセルペダルを踏み戻す際に、何らかの原因でスロットル開度指令入力TAinが戻らずに維持されたとしても、維持されている状態は低周波数成分(この場合は直流成分)となることから、ブレーキオーバーライド処理BOSにて通過が阻止される。
この結果、スロットル開度指令入力TAinとしては維持されたままであるが、実際にスロットルバルブの開度TAを調節するスロットル開度指令出力TAoutは急速に低下して、アクセルペダルを踏み込んでいない状態と同等の状態(0.0)になる(t5〜t6)。
このため誤操作や異常時においても車両の飛び出しなどの不都合な走行状態を回避できる。
図4では、タイミングt12からブレーキペダルを踏み込んでいる(BSW=ON)。車両に自動変速機が搭載されているとすると、このブレーキペダル踏み込み期間(t12〜t15)内に生じるシフトダウン実行時のショックを、一時的なエンジン出力上昇により防止(ダウンシフトブリッピング)するため、自動変速制御により、タイミングt13〜t14にて、スロットル開度指令入力TAinを一時的に上昇させている。
尚、車両に搭載されているのが手動変速機の場合には、シフトダウン実行時のショック防止のための一時的なエンジン出力上昇(t13〜t14)は、ヒールアンドトゥ操作やダブルクラッチ操作時に車両ドライバーによりなされることになる。
自動変速及び手動変速のいずれにしても、この一時的な出力上昇時では、スロットル開度指令入力TAinは、高周波数成分となることから、ハイパスフィルタHPF側にてそのまま通過する。
低周波数成分は、ローパスフィルタLPFを通過した後にブレーキオーバーライド処理BOSにて通過を阻止されるが、この場合には、ほとんど低周波数成分は存在しないので、加算部12による処理後のスロットル開度指令出力TAoutにはほとんど影響しない。すなわち、スロットル開度指令入力TAinとスロットル開度指令出力TAoutとは、ほぼ同じとなり、スロットルバルブの開度TAは、ほぼスロットル開度指令入力TAin通りに調節されることになる。このことによりブレーキオーバーライド処理BOSが実行される状態でも、車両ドライバーの意図や制御上の必要性に応じてエンジン出力を調節できることになる。
尚、図4においてタイミングt10〜t11については、図3のタイミングt0〜t1にて説明したごとくである。
上述した構成において、請求項との関係は、ECU6が出力調節手段に相当する。ハイパスフィルタHPF、ローパスフィルタLPF、ブレーキオーバーライド処理BOS及び加算部12が出力調節手段としての処理に相当する。ハイパスフィルタHPF及びローパスフィルタLPFがフィルタ手段としての処理に相当する。ブレーキペダルセンサ4及びブレーキペダルを含む制動制御部10が制動力調節手段に相当する。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(1)スロットル開度指令入力TAin>0.0であると同時に、制動操作を表す値、ここではブレーキスイッチ状態BSWがオンあるいはブレーキ踏み込み量BST>0.0である場合には、スロットル開度指令入力TAinに含まれる周波数の違いに応じてその周波数成分によるエンジン出力に対する調節感度を変更している。
この調節感度変更は、具体的にはブレーキオーバーライド処理BOSによりなされている。
すなわちハイパスフィルタHPFにより抽出したスロットル開度指令入力TAin内の周波数成分がFs[Hz]以上の成分については、ブレーキスイッチ状態BSWがオンであっても、ブレーキオーバーライド処理BOSは作用しないので、調節感度は低下せず、そのままスロットル開度指令出力TAoutに寄与している。
しかしローパスフィルタLPFにより抽出したFs[Hz]未満の成分については、ブレーキオーバーライド処理BOSが機能しているのでブレーキスイッチ状態BSWがオンであれば、その値が遮断されることで、調節感度が0となり、スロットル開度指令出力TAoutに寄与しなくなる。
図3にて述べたごとく誤操作や何らかの異常により出力要求と制動要求とが同時に生じている場合のスロットル開度指令入力TAinは低周波数となり、図4に述べたごとく車両ドライバーや制御上にてダウンシフトなどのために出力要求と制動要求とを意図して実行している場合のスロットル開度指令入力TAinは高周波数となる。
したがって上述のごとく周波数成分による調節感度を周波数の違いにより変更することで、誤操作や何らかの異常によるスロットル開度指令入力TAinはエンジン出力に対するその影響を無くすようにでき、車両ドライバーの意図や制御上の必要性に応じたスロットル開度指令入力TAinはエンジン出力に対するその影響を通常通りにできる。
このようにして出力要求と制動要求とが同時に生じている場合に、不都合な走行状態発生を回避しつつ、必要に応じてエンジンに対して適切な出力制御を行うことが可能となる。
(2)ハイパスフィルタHPF及びローパスフィルタLPFを実現するフィルタ手段としてバタワースフィルタを用いている。このことにより周波数成分毎にリップルのない安定したエンジン出力制御を行うことが可能となる。
[実施の形態2]
本実施の形態におけるエンジン出力制御処理の制御ブロック図を図5に示す。他の構成は前記実施の形態1と同じである。したがって図1も参照して説明する。
アクセル開度センサ2が出力するアクセル開度ACCPは前記実施の形態1にて説明したごとくスロットル開度指令入力TAin(0.0〜1.0)に変換される。
このスロットル開度指令入力TAinは、乗算部112にてブレーキペダルセンサ4が出力するブレーキ踏み込み量BST(0.0〜1.0)の値と掛け算されて積が求められる。
尚、ブレーキ踏み込み量BSTは乗算部112にてそのまま用いられるのではなく、増幅部114を介して増幅されてから乗算部112にてスロットル開度指令入力TAinと掛け算される。尚、増幅部114は、その増幅を、例えば1より大きい値、例えば2等の係数をブレーキ踏み込み量BSTに掛け算することにより実行しているが、増幅の結果が1.0を越える場合には、増幅結果の出力が1.0となるように上限を設定している。
そして乗算部112にて算出された積は、ローパスフィルタLPFによりフィルタ処理される。このローパスフィルタLPFの処理は前記実施の形態1にて述べたごとくである。
次に減算部116にて、元のスロットル開度指令入力TAinとの差が算出される。この算出により、乗算部112とローパスフィルタLPFとを通過して低周波数成分が出力されれば、減算部116ではフィルタ処理前のスロットル開度指令入力TAinから低周波数成分が除かれて、減算部116からは飽和処理部を介して高周波数成分のみがスロットル開度指令出力TAoutとして出力される。尚、飽和処理部で行われる飽和処理は、減算部116からの出力が0.0〜1.0の範囲を外れた場合に、この範囲に出力を規制するための処理である。
このように乗算部112とローパスフィルタLPFとを通過して低周波数成分が出力される状況とは、ブレーキ踏み込み量BST>0.0の場合である。すなわち出力要求と制動要求とが同時に生じている場合である。
したがって増幅部114における増幅の程度にもよるが、或る程度、ブレーキ踏み込み量BSTが大きければ、減算部116では元のスロットル開度指令入力TAinから低周波数成分が除かれて、減算部116からは高周波数成分のみがスロットル開度指令出力TAoutとして出力される。
一方、乗算部112とローパスフィルタLPFとを通過して低周波数成分が出力されない場合には、減算部116では元のスロットル開度指令入力TAinから低周波数成分が除かれることはない。したがって減算部116からは元のスロットル開度指令入力TAinがそのままスロットル開度指令出力TAoutとして出力される。
このように乗算部112とローパスフィルタLPFとを通過して低周波数成分が出力されない状況とは、ブレーキペダルが全く踏み込まれておらず、ブレーキ踏み込み量BST=0.0の場合である。すなわち出力要求のみで制動要求が同時に生じていない場合である。したがって減算部116では元のスロットル開度指令入力TAinから低周波数成分が全く除かれることがなく、減算部116からは元のスロットル開度指令入力TAinがそのまま飽和処理部を介してスロットル開度指令出力TAoutとして出力されることになる。
このような処理により前記実施の形態の図3,4にて示したごとくの機能を生じさせることができる。
尚、増幅部114に入力するものとして、ブレーキ踏み込み量BSTを用いるのではなく、ブレーキスイッチ状態BSWを用いても良い。この場合、増幅部114にては、増幅を実行するのではなく、ブレーキスイッチ状態BSW=オフを「0.0」に、ブレーキスイッチ状態BSW=オンを「1.0」に換算して、乗算部112側に出力する機能としても良い。
このように減算部116にて処理された後のスロットル開度指令入力TAinの値が飽和処理部を介してスロットル開度指令出力TAoutとして、実際にエンジン出力を制御するための出力制御計算に用いられる。
上述した構成において、請求項との関係は、ECU6が出力調節手段に相当する。乗算部112、増幅部114、ローパスフィルタLPF、減算部116及び飽和処理部が出力調節手段としての処理に相当する。ローパスフィルタLPFがフィルタ手段としての処理に相当する。ブレーキペダルセンサ4及びブレーキペダルを含む制動制御部10が制動力調節手段に相当する。
以上説明した本実施の形態2によれば、前記実施の形態1と同様な効果を得られる。
[実施の形態3]
本実施の形態では、前記実施の形態1,2の図2,5にて説明した処理の代わりに、ECU6において図6のフローチャートに示すごとくのエンジン出力調節処理が実行される。この処理は時間周期での割り込み処理として実行される。なお個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
本処理が開始されると、まずアクセル開度センサ2にて検出されているアクセル開度ACCPが作業メモリに読み込まれる(S102)。次にこのアクセル開度ACCPの値がマップや関係式Mtaによりスロットル開度指令入力TAin(範囲:0.0〜1.0)に変換される(S104)。
次にこのスロットル開度指令入力TAinが0.0を越えているか否かが判定される(S106)。TAin=0.0であれば(S106でNO)、直ちにスロットル開度指令出力TAoutにスロットル開度指令入力TAinの値、この場合には「0.0」が設定される(S114)。ECU6はこのスロットル開度指令出力TAoutに応じてエンジン制御部8を駆動する。この場合にはスロットルバルブの開度TA=0.0(全閉)とされる。
TAin>0.0であれば(S106でYES)、次に現在、制動中であるか否かが判定される(S108)。ここではブレーキスイッチ状態BSW=オンか否かが判定される。ブレーキスイッチ状態BSWを用いるのではなく、前記実施の形態1にて説明したごとくブレーキ踏み込み量BSTを用いても良い。
制動中でない(BSW=オフ)場合には(S108でNO)、直ちにスロットル開度指令出力TAoutにスロットル開度指令入力TAinの値、この場合は「0.0」より大きい値が設定される(S114)。したがってECU6はこのスロットル開度指令出力TAout(=TAin)に応じてエンジン制御部8を駆動することにより、スロットルバルブがスロットル開度指令出力TAoutに対応した開度TAに開くことになる。
制動中である場合には(S108でYES)、今回のスロットル開度指令入力TAinの増加における最初の処理か否かが判定される(S110)。最初の処理であれば(S110でYES)、次に出力限定時間tmtが設定される(S112)。
この出力限定時間tmtは、車両ドライバーや制御上にてダウンシフトなどのために出力要求と制動要求とを意図して実行している場合に、高周波数として現れるスロットル開度指令入力TAinを十分に含むことができる長さに設定されている。更に、この出力限定時間tmtは、誤操作や何らかの異常により出力要求と制動要求とが同時に生じている場合に、低周波数として現れるスロットル開度指令入力TAinを十分に限定でき、この限定により飛び出しのような不都合な走行状態発生を回避できる長さに設定されている。具体的には、例えば1秒前後の値に設定されている。
次にスロットル開度指令出力TAoutにスロットル開度指令入力TAinの値が設定される(S114)。したがってECU6は、スロットル開度指令出力TAout(=TAin)に対応した開度TAにスロットルバルブを開くことになる。
次の制御周期においても、ステップS102,S104を処理した後に、更にステップS106でYES、ステップS108でYESと判定されたものとする。このときもステップS110の判定がなされるが、今回のスロットル開度指令入力TAin増加における最初ではない(S110でNO)。したがって出力限定時間tmtを設定したタイミングから出力限定時間tmtが経過したか否かが判定される(S116)。出力限定時間tmt(例えば、1秒)経過していなければ(S116でNO)、今回、ステップS104で設定されたスロットル開度指令入力TAinがスロットル開度指令出力TAoutに設定される(S114)。したがってECU6は、スロットル開度指令出力TAout(=TAin)に対応した開度TAにスロットルバルブを開く状態を継続することになる。
その後の制御周期においても出力限定時間tmtが経過していなければ(S116でNO)、それぞれステップS104で設定されたスロットル開度指令入力TAinがスロットル開度指令出力TAoutに設定される処理(S114)が継続する。このことでスロットルバルブの開度TAは、車両ドライバーのアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度ACCP)に対応した状態が継続する。
そして出力限定時間tmtが経過すると(S116でYES)、スロットル開度指令入力TAinの値にかかわらず、スロットル開度指令出力TAoutには「0.0」が設定される(S118)。したがって、スロットルバルブの開度TAは、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度ACCP)にかかわらず、「0.0」(全閉)となる。
以後、制動中に、スロットル開度指令入力TAin>0.0の状態が継続する限り、スロットル開度指令出力TAoutには「0.0」が設定され(S118)、スロットルバルブの開度TAは、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度ACCP)にかかわらず、「0.0」(全閉)である状態が継続する。
そしてアクセルペダルの踏み込み量が「0.0」に戻れば、ステップS106にてNOと判定されることにより、ステップS114を実行するようになり、最初に説明した状態に戻ることになる。
前記実施の形態1の図4(t13〜t14)に示したごとく、車両ドライバーや制御上にてダウンシフトなどのために出力要求と制動要求とを意図して実行している場合には、制動中のスロットル開度指令入力TAinの上昇期間は1秒以内に終了する。この場合には、本実施の形態では上述したエンジン出力調節処理(図6)により、前記図4のタイミングチャートに示した状態(t13〜t14)と同様に、スロットル開度指令入力TAinに対応したエンジン出力となる。
そして誤操作や何らかの異常による制動中でのスロットル開度指令入力TAinの上昇は1秒を越えることから、上述したエンジン出力調節処理(図6)によって、図7のタイミングチャートに示すごとく、車両の飛び出しなどの不都合な走行状態を回避できる。
図7のタイミングt20〜t21については、図3で説明した制動中でない場合での車両ドライバーによるアクセルペダルの踏み込み及び踏み戻し(図3:t0〜t1)であり、この場合にはスロットル開度指令入力TAinはそのままスロットル開度指令出力TAoutとして出力される。このために車両ドライバーはアクセルペダルによる加減速操作に違和感を生じることはない。
更に、図7では、車両ドライバーがタイミングt22からアクセルペダルの踏み込みを開始し、更にタイミングt23からブレーキペダルを踏み込んでいる(BSW=ON)状態を示している。このように出力要求と制動要求とが重なった直後は、出力限定時間tmtを経過していないので、スロットル開度指令入力TAinはそのままスロットル開度指令出力TAoutとして出力され、スロットルバルブは対応した開度TAで開いている。
しかしタイミングt25〜t27にかけて、車両ドライバーがアクセルペダルを踏み戻す際に、何らかの原因でスロットル開度指令入力TAinが戻らずに維持される。このため、制動中にスロットル開度指令入力TAin>0.0の状態が継続して、出力限定時間tmtを経過する(t26)。このことによりスロットル開度指令出力TAoutには「0.0」が設定されるようになる。
この結果、スロットル開度指令入力TAinとしては上昇状態に維持されたままであるが、スロットルバルブの開度TAは全閉(0.0)となりアクセルペダルを踏み込んでいない状態と同等となる。
このため、車両の飛び出しなどの不都合な走行状態を回避できる。
上述した構成において、請求項との関係は、ECU6が出力調節手段に相当する。エンジン出力調節処理(図6)が出力調節手段としての処理に相当する。ブレーキペダルセンサ4及びブレーキペダルを含む制動制御部10が制動力調節手段に相当する。
以上説明した本実施の形態3によれば、出力要求と制動要求とが重なった場合には、短時間の出力要求に限定してエンジン出力を調節している。このことでスロットル開度指令入力TAinの周波数の違いに応じてその周波数成分によるエンジン出力に対する調節感度の変更を実行している。こうして前記実施の形態1と同様な効果を得られる。
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態1では、ハイパスフィルタHPFとローパスフィルタLPFとの周波数境界は、Fs[Hz]であったが、ハイパスフィルタHPFはスロットル開度指令入力TAinの変動成分は全て通過させるものとし、ローパスフィルタLPFはスロットル開度指令入力TAinの直流成分のみを通過させるものとしても良い。
前記実施の形態2においても、同じくローパスフィルタLPFを直流成分のみ通過させるものとしても良い。
出力要求と制動要求とが同時に生じている場合での誤操作や異常時ではスロットル開度指令入力TAinは主として直流成分として現れ、車両ドライバーの意図や制御上の必要性に応じたスロットル開度指令入力TAinである場合には直流成分ではなく変動する成分として現れる。
このため制動要求時にはスロットル開度指令入力TAinに含まれる直流成分に基づくエンジン出力調節は行わないように、調節感度の変更を前記実施の形態1,2のごとく実行することで、誤操作や異常時でのスロットル開度指令入力TAinが実際のエンジン出力に影響しないようにできる。
そして直流成分以外の成分に基づいてはエンジン出力を調節することにより、出力要求と制動要求とが同時に生じている場合においても、出力要求に応じた適切なエンジン出力を実現できる。
・前記実施の形態2では増幅部114において増幅後のブレーキ踏み込み量BSTに「1.0」の上限を設定したが、増幅部114では上限を設定せず、減算部116の後の飽和処理部にて制限するようにしても良い。
・前記実施の形態2に示した飽和処理部は、前記実施の形態1に示した加算部12からの出力に適用しても良い。
・前記実施の形態2において、増幅部114は設けずに、ブレーキペダルセンサ4からのブレーキ踏み込み量BSTあるいはブレーキスイッチ状態BSWに対応する値を、そのまま乗算部112に用いても良い。
・前記各実施の形態では、内燃機関駆動車両、すなわち車両走行用駆動源として内燃機関を用いている車両の例を示したが、内燃機関以外に、電動モータを用いる電気駆動車両、あるいは内燃機関と電動モータとを用いるハイブリッド車両にも本発明を適用して、前記各実施の形態に述べた効果を生じさせることができる。
・ブレーキペダルセンサ4は、ブレーキペダルの踏み込み状態として、ブレーキスイッチ状態BSW及びブレーキ踏み込み量BSTを検出するものであったが、ブレーキ踏み込み量BSTのみを検出するものであっても良く、ブレーキスイッチ状態BSWのみを検出するものであっても良い。
2…アクセル開度センサ、4…ブレーキペダルセンサ、6…ECU、8…エンジン制御部、10…制動制御部、12…加算部、112…乗算部、114…増幅部、116…減算部。

Claims (8)

  1. 駆動出力指令値に応じて車両走行用駆動源の出力を調節する出力調節手段と、制動操作に応じて車両の制動力を調節する制動力調節手段とを備えた車両における車両走行用駆動源出力制御装置であって、
    前記出力調節手段は、前記駆動出力指令値を高周波数成分とこれ以外の低周波数成分とに分離し、前記駆動出力指令値が前記車両走行用駆動源に出力を要求する状態であると同時に、前記制動操作が車両制動を要求する状態である場合には、前記低周波数成分に対して調節感度を低下させる処理を加えた後に、この調節感度低下処理を加えた後の低周波数成分と前記高周波数成分との和を、前記車両走行用駆動源への駆動出力指令値とすることにより、前記駆動出力指令値に含まれる周波数の違いに応じてその周波数成分による前記車両走行用駆動源の出力に対する調節感度を変更することを特徴とする車両走行用駆動源出力制御装置。
  2. 駆動出力指令値に応じて車両走行用駆動源の出力を調節する出力調節手段と、制動操作に応じて車両の制動力を調節する制動力調節手段とを備えた車両における車両走行用駆動源出力制御装置であって、
    前記出力調節手段は、前記駆動出力指令値と前記制動操作を表す値との積を算出し、この積に含まれる低周波数成分を取り出して、元の前記駆動出力指令値との差を算出し、この差又はこの差に制限を加えた値を、前記車両走行用駆動源への駆動出力指令値とすることにより、前記駆動出力指令値が前記車両走行用駆動源に出力を要求する状態であると同時に、前記制動操作が車両制動を要求する状態である場合には、前記駆動出力指令値に含まれる周波数の違いに応じてその周波数成分による前記車両走行用駆動源の出力に対する調節感度を変更することを特徴とする車両走行用駆動源出力制御装置。
  3. 請求項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置において、前記出力調節手段は、前記駆動出力指令値と前記制動操作を表す値との積の算出において、前記制動操作を表す値を増幅して用いていることを特徴とする車両走行用駆動源出力制御装置。
  4. 請求項のいずれか一項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置において、前記駆動出力指令値に含まれる高周波数成分は、自動シフト処理又は手動シフト処理によるシフトダウンに伴って生じたものであることを特徴とする車両走行用駆動源出力制御装置。
  5. 請求項のいずれか一項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置において、前記出力調節手段は、前記駆動出力指令値に含まれる高周波数成分は直流成分を除いた成分とし、前記駆動出力指令値に含まれる低周波数成分は直流成分としていることを特徴とする車両走行用駆動源出力制御装置。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置において、前記出力調節手段は、前記駆動出力指令値に含まれる周波数成分を分別するためにフィルタ手段による処理を実行していることを特徴とする車両走行用駆動源出力制御装置。
  7. 請求項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置において、前記フィルタ手段は、バタワースフィルタを用いていることを特徴とする車両走行用駆動源出力制御装置。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の車両走行用駆動源出力制御装置において、前記車両走行用駆動源は内燃機関と電動モータとのいずれか一方又は両方であり、前記駆動出力指令値はアクセル開度であり、前記制動操作はブレーキペダルの踏み込みであることを特徴とする車両走行用駆動源出力制御装置。
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