JP5604081B2 - 酸化物半導体を用いた、高移動度の電界効果型トランジスタ - Google Patents
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Description
シリコン系半導体の問題を解決するために、酸化インジウム、酸化亜鉛を含むn型半導体材料の検討や、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムからなる電子キャリア濃度が1018/cm3未満である非晶質の酸化物半導体膜を作製し、電界効果型トランジスタを駆動させる方法が検討されている(特許文献1、2、3及び4)。
さらに、システムオングラス(SOG)等の周辺回路や有機ELディスプレイの電流駆動を行うスイッチング素子に適用するために必要な、高い移動度と、高い信頼性(ΔVthが小さい)と、絶対値が小さい閾値電圧(Vth)とを持つ電界効果型トランジスタを提供できることを見出した。
ΔVthが小さいと、有機EL素子の駆動や回路の駆動等を直流で長時間行っても特性に変化が無く、高い信頼性が得られる。また、閾値電圧(Vth)の絶対値が小さいと、駆動電圧が小さくて済み、省電力化が可能となることを見出し、本発明を完成させた。
1.電子キャリア密度n(cm−3)が1018<n<1020であり、かつ、膜厚t(nm)が1≦t<30の酸化物薄膜からなるチャンネル層と、
比誘電率が2〜9の誘電体材料からなるゲート絶縁膜と、
を有する電界効果型トランジスタ。
2.前記酸化物薄膜が、アモルファス酸化物である上記1に記載の電界効果型トランジスタ。
3.前記酸化物薄膜が、少なくともIn(インジウム)を含む上記1又は2に記載の電界効果型トランジスタ。
4.前記酸化物薄膜が、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)及びO(酸素)を含み、かつ、In、Zn及びGaを、原子比で下記式の範囲で含む上記1〜3のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
0.45≦In/(In+Zn+Ga)≦0.70
0.10≦Zn/(In+Zn+Ga)≦0.50
0.00<Ga/(In+Zn+Ga)≦0.25
5.前記酸化物薄膜に含有される金属元素が、実質的にIn、Ga及びZnである上記4に記載の電界効果型トランジスタ。
電子キャリア密度nは、1018<n<1019の範囲内であることが好ましく、2×1018<n<8×1018の範囲内であることが特に好ましい。
電子キャリア密度n(cm−3)は、ホール測定装置によって測定できる。
膜厚は触針式表面形状測定器(例えば、Dektak 150(アルバック株式会社製))で測定することができる。
比誘電率(relative permittivity、dielectric constant)とは媒質の誘電率と真空の誘電率の比ε/ε0=εrのことである。比誘電率は無次元量であり、用いる単位系によらず、一定の値をとる。
尚、本発明の電界効果型トランジスタのゲート絶縁膜は、異なる2層以上の絶縁膜を積層した構造でもよい。
また、ゲート絶縁膜は、結晶質、多結晶質、非晶質のいずれであってもよいが、工業的に製造しやすい多結晶質か、非晶質であるのが好ましい。
また、In(インジウム)の他にZn(亜鉛)を含むと、安定した非晶質膜が得られ、大面積で均一な電界効果型トランジスタとなることが期待できる。
0.45≦In/(In+Zn+Ga)≦0.70
0.10≦Zn/(In+Zn+Ga)≦0.50
0.00<Ga/(In+Zn+Ga)≦0.25
Zn/(In+Zn+Ga)が0.10以上であると安定した非晶質膜が得られることが期待でき、0.50以下であると、酸化物薄膜の耐湿性や耐薬品性の向上が期待できる。
Ga/(In+Zn+Ga)が0超であると成膜時の酸素分圧を低くできることが期待でき、0.25以下であると移動度の低下が抑制できる。
0.50≦In/(In+Zn+Ga)≦0.65
であり、さらに好ましくは、
0.55≦In/(In+Zn+Ga)≦0.65
である。
0.20≦Zn/(In+Zn+Ga)≦0.45
であり、さらに好ましくは、
0.25≦Zn/(In+Zn+Ga)≦0.40
である。
0.08≦Ga/(In+Zn+Ga)≦0.20
であり、さらに好ましくは、
0.10≦Ga/(In+Zn+Ga)≦0.15
である。
In、Ga及びZn以外に酸化物薄膜に含有されていてもよい金属元素としては、Sn、Ge、Si、Ti、Hf、Zr、Cu等が挙げられる。
基板
基板の材料については特に制限はなく、本技術分野で公知のものを使用できる。例えば、ケイ酸アルカリ系ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等のガラス基板、シリコン基板、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等の高分子フィルム基材等が使用できる。
本発明において、半導体層は非晶質膜であることが好ましい。非晶質膜であることにより、絶縁膜や保護層との密着性が改善でき、大面積でも均一なトランジスタ特性が容易に得られることとなる。ここで、半導体層が非晶質膜であるか否かは、X線結晶構造解析により確認できる。明確なピークが観測されない場合が非晶質である。
チャンネル長(L)は、1〜50μmが好ましく、3〜40μmがさらに好ましく、5〜25μmが特に好ましい。50μm以上であると、トランジスタのサイズが大きくなりすぎ集積度が下がるおそれがある。1μm以下であるとフォトリソグラフィに高い精度が必要となり、大面積ディスプレイ等での採用が難しくなるおそれがある。
チャンネル幅(W)は、1〜500μmが好ましく、3〜100μmがさらに好ましく、5〜50μmが特に好ましい。500μm以上であると、トランジスタが大きくなりすぎ集積度が下がるおそれがある。1μm以下であるとフォトリソグラフィに高い精度が必要となり、大面積ディスプレイ等での採用が難しくなるおそれがある。
本発明の電界効果型トランジスタは、チャンネル層(半導体層)の保護層を有していてもよい。
チャンネル層(半導体層)の保護層を形成する材料は特に制限はない。本発明の効果を失わない範囲で一般に用いられているものを任意に選択できる。例えば、SiO2,SiNx,Al2O3,Ta2O5,TiO2,MgO,ZrO2,CeO2,K2O,Li2O,Na2O,Rb2O,Sc2O3,Y2O3,Hf2O3,CaHfO3,PbTi3,BaTa2O6,SrTiO3又はAlN等の酸化物を用いることができる。これらのなかでも、SiO2,SiNx,Al2O3,Y2O3,Hf2O3又はCaHfO3を用いるのが好ましく、より好ましくはSiO2,SiNx,Y2O3,Hf2O3又はCaHfO3であり、特に好ましくはSiO2,Y2O3,Hf2O3又はCaHfO3である。これらの酸化物の酸素数は、必ずしも化学量論比と一致していなくともよい(例えば、SiO2でもSiOxでもよい)。また、SiNxは水素元素を含んでいてもよい。
このような保護膜は、異なる2層以上の絶縁膜を積層した構造でもよい。
本発明の電界効果型トランジスタのゲート絶縁膜を構成する材料等については前述した通りである。
ゲート電極、ソ−ス電極及びドレイン電極の各電極を形成する材料に特に制限はなく、本発明の効果を失わない範囲で一般に用いられているものを任意に選択することができる。
例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、ZnO、SnO2等の透明電極や、Al,Ag,Cr,Ni,Mo,Au,Ti,Ta、Cu等の金属電極、又はこれらを含む合金の金属電極を用いることができる。
電界効果型トランジスタの各構成部材(層)は、本技術分野で公知の手法で形成できる。
具体的には、成膜方法としては、スプレー法、ディップ法、CVD法等の化学的成膜方法、又はスパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、パルスレーザーディポジション法等の物理的成膜方法を用いることができる。キャリア密度が制御し易く、膜質向上が容易であることから、物理的成膜方法を用いることが好ましく、中でも、生産性が高いことからスパッタ法を用いることがより好ましい。
形成した膜は、各種エッチング法によりパターニングできる。
熱処理は、不活性ガス中で酸素分圧が10−3Pa以下の環境下で行うか、あるいはチャンネル層(半導体層)を保護層で覆った後に行うことが好ましい。上記条件下であると再現性が向上する。
原料
原料粉の比表面積は、2〜16m2/gが好ましい。また、原料粉のメジアン径は0.1〜3μmが好ましい。各原料粉の純度は、通常99.9%(3N)以上、好ましくは99.99%(4N)以上、さらに好ましくは99.995%以上、特に好ましくは99.999%(5N)以上である。各原料粉の純度が99.9%(3N)未満であると、不純物により半導体特性が低下したり、色むらや斑点等の外観上の不良が発生したり、信頼性が低下する等のおそれがある。
In−Zn酸化物、In−Ga酸化物、Ga−Zn酸化物等の複合酸化物を原料としてもよい。特にIn−Zn酸化物、あるいはGa−Zn酸化物を用いるとZnの昇華を抑制することができるため好ましい。
上記混合粉体を、例えば、湿式媒体撹拌ミルを使用して混合粉砕する。このとき、粉砕後の比表面積が原料混合粉体の比表面積より1.0〜3.0m2/g増加する程度か、又は粉砕後の原料混合粉体の平均メジアン径が0.6〜1μmとなる程度に粉砕することが好ましい。このように調整した原料粉を使用することにより、仮焼工程を全く必要とせずに、高密度の酸化物焼結体を得ることができる。また、還元工程も不要となる。尚、原料混合粉体の比表面積の増加分が1.0m2/g未満又は粉砕後の原料混合粉の平均メジアン径が1μmを超えると、焼結密度が十分に大きくならない場合がある。一方、原料混合粉体の比表面積の増加分が3.0m2/gを超える場合又は粉砕後の平均メジアン径が0.6μm未満であると、粉砕時の粉砕器機等からのコンタミ(不純物混入量)が増加する場合がある。ここで、各粉体の比表面積はBET法で測定した値である。各粉体の粒度分布のメジアン径は、粒度分布計で測定した値である。これらの値は、粉体を乾式粉砕法、湿式粉砕法等により粉砕することにより調整できる。粉砕工程後の原料混合粉体をスプレードライヤ等で乾燥した後、成形する。成形は公知の方法、例えば、加圧成形、冷間静水圧加圧が採用できる。
仮焼した場合も、成形は公知の方法、例えば、加圧成形、冷間静水圧加圧が採用できる。
次いで、得られた成形物を焼結して焼結体を得る。焼結は、通常1100〜1450℃で1〜100時間焼行う。焼結は、1160〜1380℃で1〜80時間焼結することが好ましく、1200〜1350℃で2〜50時間焼結することが特に好ましい。1100℃以上であれば相対密度が向上し抵抗率が下がりやすい。1450℃以下であれば亜鉛の蒸散を防ぐことが容易で、焼結体の組成が変化したり、蒸散により焼結体中にボイド(空隙)が発生したりする危険性が少ない。また、炉が傷む危険性も少なくなる。また、焼結時間が1時間以上であれば焼結不足によるばらつきが防止でき、100時間以下であれば反りや変形が防止できる。
上記のようにして得られた酸化物焼結体は、研磨等の加工を施すことによりターゲットとなる。具体的には、焼結体を、例えば、平面研削盤で研削して表面粗さRaを5μm以下とする。さらに、ターゲットのスパッタ面に鏡面加工を施して、平均表面粗さRaが1000オングストローム以下としてもよい。この鏡面加工(研磨)は機械的な研磨、化学研磨、メカノケミカル研磨(機械的な研磨と化学研磨の併用)等の、すでに知られている研磨技術を用いることができる。例えば、固定砥粒ポリッシャー(ポリッシュ液:水)で#2000以上にポリッシングしたり、又は遊離砥粒ラップ(研磨材:SiCペースト等)にてラッピング後、研磨材をダイヤモンドペーストに換えてラッピングすることによって得ることができる。このような研磨方法には特に制限はない。
尚、ターゲットの清浄処理には、エアーブローや流水洗浄等を使用できる。エアーブローで異物を除去する際には、ノズルの向い側から集塵機で吸気を行なうとより有効に除去できる。
エアーブローや流水洗浄の他に、超音波洗浄等を行なうこともできる。超音波洗浄では、周波数25〜300KHzの間で多重発振させて行なう方法が有効である。例えば周波数25〜300KHzの間で、25KHz刻みに12種類の周波数を多重発振させて超音波洗浄を行なうのがよい。
還元工程は、上記焼成工程で得られた焼結体の抵抗率をターゲット全体として均一化するために還元処理を行う、必要に応じて設けられる工程である。本工程で適用することができる還元方法としては、例えば、還元性ガスによる方法や真空焼成又は不活性ガスによる還元等が挙げられる。還元性ガスによる還元処理の場合、水素、メタン、一酸化炭素や、これらのガスと酸素との混合ガス等を用いることができる。不活性ガス中での焼成による還元処理の場合、窒素、アルゴンや、これらのガスと酸素との混合ガス等を用いることができる。尚、還元処理時の温度は、通常100〜800℃、好ましくは200〜800℃である。また、還元処理の時間は、通常0.01〜10時間、好ましくは0.05〜5時間である。
[ターゲットの作製及び評価]
比表面積15m2/gのIn2O3粉、比表面積14m2/gのGa2O3粉、及び比表面積4m2/gのZnO粉末を配合し、ボールミルにて各原料粉末の粒度が1μm以下になるまで混合、粉砕を行った。こうして作製したスラリーを取り出して、スラリー供給速度140mL/min、熱風温度140℃、熱風量8Nm3/minの条件で、スプレードライヤを用いて急速乾燥造粒し、造粒物を冷間静水圧プレスにて3ton/cm2の圧力で成形し、成形体を得た。
ガラス基板(コーニング1737)上に、上記で製造したターゲットを使用して、膜厚15nmのチャンネル層(半導体層)に相当する膜を形成し評価した。
スパッタ条件は、基板温度;50℃、到達圧力;1×10−6Pa、雰囲気ガス;Ar90%及び酸素10%、スパッタ圧力(全圧);4×10−1Pa、投入電力;100W、S−T距離;100mmとした。
上記薄膜に対し、大気下、280℃で1時間の熱処理を2回行った。
[X線回折測定(XRD)]
・装置:(株)リガク製Ultima−III
・X線:Cu−Kα線(波長1.5406Å、グラファイトモノクロメータにて単色化)
・2θ−θ反射法、連続スキャン(1.0°/分)
・サンプリング間隔:0.02°
・スリット DS、SS:2/3°、RS:0.6mm
東陽テクニカ製:Resi Test8310(ホール測定装置)
・測定条件
室温(25℃)
0.5[T]
10−4〜10−12A
AC磁場ホール測定
膜厚計:(株)小坂研究所 ET3000
誘電率測定装置:アジレント・テクノロジー社製E4980A型LCRメータ
図1及び図2に示すボトムゲート構造の電界効果型トランジスタを作製した。
スパッタリングターゲットを、スパッタ法の一つであるRFマグネトロンスパッタリング法の成膜装置に装着し、熱酸化膜(100nm)付シリコン基板上に、膜厚が15nmのチャンネル層(半導体層)を成膜した。スパッタ条件は、上述の薄膜作製と同様とした。フォトリソグラフィにより半導体領域(いわゆる島)を構成した。
次に、半導体付き基板を、大気下280℃で1時間熱処理した。
リフトオフのために、フォトレジスト材料を塗布しフォトレジスト膜を形成後、ソース電極及びドレイン電極となる金属薄膜を成膜した。金属薄膜は、DCスパッタリングでTi/Au/Tiの順に積層して成膜した。成膜後リフトオフでパターニングしてソース電極、ドレイン電極を形成した。
その後、金属薄膜付き基板を、再度大気下280℃で1時間熱処理して、W=20μm、L=20μmのSi基板をゲート電極としたボトムゲート構造の電界効果型トランジスタを製造した。
(1)電界効果移動度(μ)、オンオフ比、オフ電流、S値、閾値電圧(Vth)
半導体パラメーターアナライザー(ケースレー4200)を用い、大気圧の乾燥窒素雰囲気下、室温、遮光環境下で測定した。
半導体パラメーターアナライザーを用い、昇電圧時の伝達曲線(I−V特性)と降電圧時の伝達曲線(I−V特性)を測定し、昇降時の電圧の差をΔVgとする。ΔVgの最大値が0.5V以下であるものを「少ない」、0.5Vを超え3V未満であるものを「ある」、3V以上であるものを「大きい」とした。
尚、図4は、昇電圧時及び降電圧時の伝達曲線(I−V特性)の例であり、(a)はヒステリシスの少ない例であり、(b)はヒステリシスの大きい例を示す。
ストレス条件は、ゲート電圧20Vで10μAの直流電圧を50℃で105秒加えることとした。ストレスをかける前後のVthを比較し、閾値電圧のシフト量(ΔVth)を測定した。
湿度85%環境下に120時間放置し、閾値電圧のシフトを下記基準に従って評価した。
A:変化量が0.5V未満
B:変化量が0.5V以上2V未満
C:変化量が2V以上5V未満
D:変化量が5V以上
ターゲット原子比、成膜条件、成膜方法及びTFT作製プロセスを表1−1〜1−3に示すように変更した以外は実施例A−1と同様に薄膜作製及びTFT作製を行い、実施例A−1と同様に特性評価を行った。得られた結果を表1−1〜1−3に示す。
また、チャンネル層(半導体層)の電子キャリア密度n(cm−3)を、安定して1018<n<1020の範囲内とするには、
0.45≦In/(In+Zn+Ga)≦0.70
0.10≦Zn/(In+Zn+Ga)≦0.50
0.00<Ga/(In+Zn+Ga)≦0.25
とすることが効果的であることも確認できた。
図1及び図2に示すボトムゲート構造の電界効果型トランジスタを作製した。
表1−2に示すターゲット原子を有するスパッタリングターゲットを、スパッタ法の一つであるRFマグネトロンスパッタリング法の成膜装置に装着し、熱酸化膜(100nm)付シリコン基板上に、半導体層(膜厚15nm)を成膜した。成膜は、表1−2に示すスパッタ条件で行った。フォトリソグラフィにより半導体領域(いわゆる島)を構成した。
次に、大気下280℃で1時間熱処理した。
次に、プラズマ化学気相成長装置(PECVD)にてSiOx、SiNxの順に成膜し、第一の保護層、第二の保護層を形成した。コンタクトホールを形成し、外部配線と接続した。
その後、大気下、280℃で1時間熱処理して、W=20μm、L=20μmのボトムゲート構造電界効果型トランジスタを製造した。
図3に示すボトムゲート構造のエッチストッパー(ES)型の電界効果型トランジスタを作製した。
ガラス基板上に、室温のRFスパッタリングでモリブデン金属を200nm積層した後、ドライエッチングでパターニングし、ゲート電極を作製した。ゲート電極は、エッチング後に順テーパとなっていた。
次に、ゲート電極を作製した基板に、プラズマ化学気相成長装置(PECVD)にて、SiNx、SiO2の順に成膜し、積層膜をゲート絶縁膜とした。
次に、280℃で1時間熱処理した。
次に、PECVDにてSiOxを成膜し、薄膜を形成した。続けて、レジスト膜を成膜し、パターニングした。ドライエッチ(RIE)で薄膜をパターニングして第一の保護層(エッチストッパー層)を形成した。
その後、大気下、280℃で1時間熱処理して、W=20μm、L=20μmのボトムゲート構造エッチストッパー型電界効果型トランジスタを製造した。
膜厚の違いによる効果を示すため、下記に示す条件以外は実施例A−2と同様にしてTFTを作製し評価した。
下記3種の膜組成からなるチャンネル層(半導体層)を有するTFTにおける電界効果移動度μの膜厚依存性(グラフ(A))、及び閾値電圧Vthの膜厚依存性(グラフ(B))を図5に示す。
A:In:Ga:Zn=40:40:20
B:In:Ga:Zn=50:15:35
C:In:Ga:Zn=83:0:17
本発明の電界効果型トランジスタは、半導体メモリ集積回路の単位電子素子、高周波信号増幅素子、液晶駆動用素子等として広く用いることができる。
本発明の電界効果型トランジスタは、ボトムゲート構造を採ることができるため、マスク枚数の削減等コストダウンが可能である。
10 基板(Si基板)
11 熱酸化膜
12 ゲート電極
14 ゲート絶縁膜
16 チャンネル層(半導体層)
18a ソース電極
18b ドレイン電極
20 エッチングストッパー
Claims (2)
- 電子キャリア密度n(cm−3)が1018<n<1020であり、かつ、膜厚t(nm)が10≦t<30の酸化物薄膜からなるチャンネル層と、
比誘電率が2〜9の誘電体材料からなるゲート絶縁膜と、
を有し、
前記酸化物薄膜が、アモルファス酸化物であり、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)及びO(酸素)を含み、かつ、In、Zn及びGaを、原子比で下記式の範囲で含む電界効果型トランジスタ。
0.45≦In/(In+Zn+Ga)≦0.70
0.10≦Zn/(In+Zn+Ga)≦0.50
0.00<Ga/(In+Zn+Ga)≦0.25 - 前記酸化物薄膜に含有される金属元素が、実質的にIn、Ga及びZnである請求項1に記載の電界効果型トランジスタ。
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