以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る位置管理システムの構成を示すシステム構成図である。本実施の形態は、本発明を、高齢者見守りのためのファシリティサービスに適用した例である。
図1において、位置管理システム100は、被観察者端末200、観察者端末300、タグリーダ400、無線基地局500、および位置管理サーバ600を有する。タグリーダ400および無線基地局500は、1つのユニットを構成し、高齢者や子供等の観察対象者である被観察者710の自宅(以下「被観察者宅」という)720や、病院等の被観察者710が訪れる施設730のそれぞれに配置されている。1つのユニットとして設置されたタグリーダ400と無線基地局500との間では、通信エリアがほぼ一致している。また、タグリーダ400および無線基地局500は、インターネット網800を介して、位置管理サーバ600にそれぞれ接続されている。
被観察者端末200は、被観察者710が携帯する無線端末であり、無線タグ(図示せず)を有する。観察者端末300は、被観察者710を担当する生活支援サービスを行う担当者や民生委員等である観察者740が携帯する無線端末であり、アクティブタグである無線タグと無線LANインタフェース(いずれも図示せず)とを有する。被観察者端末200の無線タグおよび観察者端末300の無線タグと、タグリーダ400との間では、ID情報の交換が行われる。被観察者端末200の無線LANインタフェースおよび観察者端末300の無線LANインタフェースと、位置管理サーバ600との間では、無線基地局500を介して、例えばWi−Fi(登録商標)によるデータ通信が行われる。
被観察者端末200は、いずれかのタグリーダ400の通信エリア、つまり受信信号強度(RSSI値)が充分なエリアに進入したとき、タグリーダ400からタグリーダ400の存在通知のために定期的に送出される所定の信号(ビーコン)を受信する。また、被観察者端末200は、被観察者端末200に割り当てられたタグIDを送出する。
観察者端末300は、いずれかのタグリーダ400の通信エリアに進入したとき、タグリーダ400から送出されるタグリーダ400に割り当てられたリーダIDを受信する。そして、観察者端末300は、いずれかの無線基地局500の通信エリアに進入したとき、位置管理サーバ600に対して、被観察者710の在宅情報を要求する在宅情報要求を送信する。在宅情報は、被観察者710が被観察者宅720に居るか否か(以下「在宅」および「不在宅」という)を示す情報である。また、観察者端末300は、位置管理サーバ600から返信された在宅情報が被観察者710の不在宅を示す内容である場合に、いずれかの無線基地局500の通信エリア内に位置したとする。このとき、観察者端末300は、位置管理サーバ600に対して、被観察者710の居場所情報の返信の要求を含む居場所情報要求を送信する。居場所情報は、被観察者710がどこに居るかを示す情報である。以下、在宅情報および居場所情報は、適宜、「プレゼンス情報」と総称する。また、在宅情報要求および居場所情報要求は、適宜、「プレゼンス確認要求」と総称する。
タグリーダ400は、タグリーダ400の通信エリアに、リーダIDを含む所定の信号を定期的に送出する。また、タグリーダ400は、被観察者端末200から送出されるタグIDを受信し、受信したタグIDを、タグリーダ400のリーダIDと組み付けて、位置管理サーバ600へ送信する。
ここでは、タグリーダ400の通信エリアは、半径数十メートル程度であるものとする。したがって、被観察者端末200のタグIDが施設730のタグリーダ400によって受信されるということは、被観察者710が施設730に居るということを意味する。また、被観察者宅720のタグリーダ400のリーダIDが観察者端末300によって受信されるということは、観察者740が被観察者宅720に在宅しているということを意味する。
無線基地局500は、観察者端末300から受信したプレゼンス確認要求を、位置管理サーバ600へ転送する。また、無線基地局500は、位置管理サーバ600から受信したプレゼンス情報を、観察者端末300へ転送する。すなわち、無線基地局500は、観察者端末300と位置管理サーバ600との間の通信の中継を行う。
位置管理サーバ600は、観察者端末300から在宅情報要求を受信したとき、アクセス管理情報に基づいて、当該要求が観察者740の権限の範囲内であるか否かを判断する。アクセス管理情報は、観察者端末300が在宅情報要求を行うことが観察者740の範囲内である場所を少なくとも規定する情報である。より具体的には、アクセス管理情報は、被観察者宅720のタグリーダ400を介して送られてきた在宅情報要求のみを、観察者740の権限の範囲内として扱う内容となっている。つまり、アクセス管理情報は、観察者740が担当する被観察者710を訪問したときに行われた在宅情報要求のみを、観察者740の権限の範囲内として扱うものである。そして、位置管理サーバ600は、在宅情報要求が許可されるとき、被観察者710の在宅情報を観察者端末300へ送信するとともに、居場所情報要求に応じて、居場所情報を観察者端末300へ送信する。
このような位置管理システム100は、観察者端末300の在宅情報要求が、被観察者宅720付近で行われる場合に制限して、被観察者710のプレゼンス情報の返信を行うことができる。これにより、位置管理システム100は、プレゼンス情報の要求に関する権限の範囲が、観察者の居場所に対応している場合に、観察者740のプレゼンス情報の取得を、観察者740の権限の範囲内に制限することができる。したがって、位置管理システム100は、例えば、観察者740が業務に全く関係のない場所に居るときに行った在宅情報要求に対しては、在宅情報および居場所情報の返信を行わないようにすることができる。
ここで、位置管理システム100における観察者740の行動と各装置間の通信の流れの概要について、図1を用いて簡単に説明する。
被観察者710が、外出して施設730に向かっている場合を想定する。高齢者ファシリティサービスでは、生活支援サービスを行う担当者や民生委員等が無線端末を携帯して高齢者宅を定期的に訪問する。民生委員等の観察者740が、高齢者である被観察者710を訪問するために、被観察者宅720へ向う(S1300)。観察者端末300は、被観察者宅720のタグリーダ400の通信エリアに入り、タグリーダ400からリーダIDを受信する(S1400)。
観察者端末300は、受信したリーダIDから、観察者740が担当する被観察者宅720に設置されているタグリーダ400の通信エリア内に進入したことを検出する。
観察者端末300は、観察者端末300のタグIDおよび受信したリーダIDを含む在宅情報要求を、無線基地局500へ送信する(S1500)。無線基地局500は、観察者端末300から受信した在宅情報要求を、位置管理サーバ600へ送信する(S1600)。
位置管理サーバ600は、受信した在宅情報要求の内容から、当該要求が許可されるか否か、つまり、観察者740が観察者740の権限の範囲内で在宅情報要求を行ったか否かを判断する。すなわち、位置管理サーバ600は、在宅情報要求に含まれるID情報とアクセス管理情報とに基づいて、アクセス権の確認を行う。そして、位置管理サーバ600は、当該要求が許可されるとき、保持している被観察者710のプレゼンス情報を、無線基地局500を介して、観察者端末300へ送信する(S1700、S1800)。
ここで、位置管理サーバ600は、被観察者710が在宅中である場合には、在宅情報の送信により、その旨を観察者端末300に通知して処理を終了する。一方で、位置管理サーバ600は、図1に示すように被観察者710が不在宅である場合には、居場所情報の送信により、被観察者710の居場所を観察者端末300に更に通知する。しかし、居場所が特定することができない場合(例えば、被観察者710がまだ施設730に到着していない場合)には、位置管理サーバ600は、以降の被観察者710の位置情報の更新を監視する。観察者740は、観察者端末300に表示されるプレゼンス情報の内容を確認し、在宅中である場合には、そのまま被観察者710を訪問し、不在宅である場合には、即時の訪問を断念する。
被観察者710が施設730に到着すると、被観察者端末200は、施設730に設置されたタグリーダ400から送出されるビーコンを受けて、施設730のタグリーダ400にタグIDを送信する(S1100)。施設730のタグリーダ400は、受信したタグIDとタグリーダ400のリーダIDとを、被観察者710の位置情報として、位置管理サーバ600へ送信する(S1200)。
位置管理サーバ600は、受信した被観察者710の位置情報を格納する。位置管理サーバ600は、被観察者710の位置情報が更新されたことを検出して、被観察者710の居場所が施設730であることを、観察者端末300に通知する。この通知は、例えば、被観察者宅720以外の場所に設置された無線基地局500を介して行われる。観察者740は、被観察者宅720の前で待機したり被観察者宅720を再訪問することなく、観察者端末300に表示されるプレゼンス情報の内容から、被観察者710の居場所を知ることができる。
このように、位置管理システム100では、位置管理サーバ600を核として、各種の情報のやり取りが行われる。また、観察者740は、観察者740の権限の範囲内で要求を行ったとき、被観察者710のプレゼンス情報を取得することができる。
次に、各装置の構成について説明する。
図2は、各装置の構成を示すブロック図である。
まず、観察者端末300の構成について説明する。
図2において、観察者端末300は、エリア情報受信部310、エリア近傍判定部320、在宅情報取得部330、居場所情報取得部340、および結果表示部350を有する。
エリア情報受信部310は、タグリーダ400から定期的に送出される所定の信号を受信する。そして、エリア情報受信部310は、受信した所定の信号からリーダIDを抽出し、抽出したリーダIDと現在時刻とを含むリーダ情報を、エリア近傍判定部320へ出力する。タグリーダ400から定期的に送出される所定の信号の到達範囲は狭い。したがって、エリア情報受信部310が受信するリーダIDは、タグリーダ400の通信エリアに位置するか否か、およびどのタグリーダ400の通信エリアに位置するかを示す、エリア情報となる。
エリア近傍判定部320は、エリア情報受信部310から入力されたリーダ情報に基づいて、観察者端末300が後述の在宅情報要求を行うことができるか否かを判断する。より具体的には、エリア近傍判定部320は、リーダ情報と予め保持する観察場所情報とに基づいて、在宅情報要求を行うことが許可されている通信エリアに位置するか否かを判断する。観察場所情報は、観察者端末300の観察者740が担当する被観察者710と、その被観察者宅720に設置されたタグリーダ400のリーダIDとを、対応付けてリスト化した情報である。エリア近傍判定部320は、在宅情報要求を行うことができるとき、リーダIDに対応する被観察者IDを観察場所情報から取得し、取得した被観察者IDとリーダ情報とを、在宅情報取得部330へ出力する。観察場所情報の詳細については後述する。
在宅情報取得部330は、エリア近傍判定部320から入力された被観察者IDおよびリーダ情報に基づいて、在宅情報要求を生成する。そして、在宅情報取得部330は、生成した在宅情報要求を、無線基地局500およびインターネット網800を介して位置管理サーバ600へ送信する。そして、在宅情報取得部330は、在宅情報要求に対する応答として位置管理サーバ600から送信される在宅情報を受信し、受信した在宅情報を、居場所情報取得部340および結果表示部350へそれぞれ出力する。在宅情報要求および在宅情報の詳細については後述する。
居場所情報取得部340は、在宅情報取得部330から入力された在宅情報が不在宅を示すとき、居場所情報要求を、無線基地局500およびインターネット網800を介して位置管理サーバ600へ送信する。そして、居場所情報取得部340は、居場所情報要求に対する応答として位置管理サーバ600から送信される居場所情報を受信し、受信した居場所情報を、結果表示部350へ出力する。居場所情報の詳細については後述する。
図2の結果表示部350は、液晶ディスプレイ等の表示部(図示せず)を有し、入力される在宅情報および居場所情報を画面表示する。
なお、観察者端末300は、図示しないが、例えば、CPU(central processing unit)、制御プログラムを格納したフラッシュメモリ等の記憶媒体、RAM(random access memory)等の作業用メモリ、および通信回路を有する。この場合、観察者端末300は、CPUにおける制御プログラムの実行によって、上述した各部の機能を実現する。
図3は、エリア近傍判定部320が保持する観察場所情報の内容の一例を示す図である。
図3に示すように、観察場所情報900は、被観察者ID901と、リーダID902とを対応付けて記述する。被観察者ID901は、ある観察者740が担当する被観察者710の識別情報である。リーダID902は、観察場所である高齢宅に設置されたタグリーダ400のリーダIDである。本実施の形態では、被観察者IDは、被観察者端末200のタグIDであるものとする。
図3に示す例では、例えば、「S」という被観察者ID901に、「GW_2」というリーダID902が対応付けられている。これは、観察者740が被観察者ID「S」の被観察者710を担当し、その被観察者710の自宅にはリーダID「GW_2」のタグリーダ400が設置されていることを示す。
図4は、在宅情報取得部330が生成する在宅情報要求の内容の一例を示す図である。
図4に示すように、在宅情報要求910は、観察者ID911、リーダID912、リーダID受信時刻913、および被観察者ID914を含む。観察者ID911は、観察者740の識別情報である。本実施の形態では、観察者IDは、観察者端末300のタグIDであるものとする。リーダID912は、観察者ID911に対応する観察者端末300が直近に受信したリーダIDである。リーダID受信時刻913は、リーダID912の受信時刻である。被観察者ID914は、観察場所情報(図3参照)から取得された、リーダID912に対応する被観察者IDである。
図4に示す例では、例えば、「B」という観察者ID911に、「GW_2」というリーダID912と、「2009/5/15 11:22」というリーダID受信時刻913と、「S」とう被観察者ID914が対応付けられている。これは、観察者ID「B」の観察者740が、2009年5月15日の11時22分に受信した、リーダID「GW_2」に対応する被観察者「S」のプレゼンス情報を、要求していることを示す。
在宅情報取得部330は、リーダ情報に含まれる現在時刻を、同じリーダ情報に含まれるリーダIDのリーダID受信時刻として取得し、観察者端末300のタグIDを予め保持しているものとする。
図5は、居場所情報取得部340が生成する居場所情報要求の内容の一例を示す図である。
図5に示すように、居場所情報要求920は、観察者ID921および被観察者ID922を含む。観察者ID921は、居場所情報要求920の送信元を示す。被観察者ID922は、居場所情報要求920の対象を示す。
図5に示す例では、例えば、「B」という観察者ID921に、「S」という被観察者ID922が対応付けられている。これは、観察者ID「B」の観察者740が、被観察者「S」の居場所情報を要求していることを示す。
次いで、被観察者端末200の構成について説明する。
図2において、被観察者端末200は、無線タグ210を有する。無線タグ210は、タグリーダ400から定期的に送出される所定の信号を受信したとき、つまり、いずれかのタグリーダ400の通信エリアに進入したとき、被観察者端末200のタグIDを送出する。このタグIDは、タグリーダ400によって受信される。
次いで、タグリーダ400の構成について説明する。
図2において、タグリーダ400は、エリア情報送信部410、無線タグ受信部420、および位置情報送信部430を有する。
エリア情報送信部410は、タグリーダ400のリーダIDを含む所定の信号を、通信エリア内に定期的に送出する。この所定の信号は、通信エリア内に位置する観察者端末300によって受信される。
無線タグ受信部420は、通信エリア内に位置する被観察者端末200から送出されるタグIDを受信し、受信したタグIDを、位置情報送信部430へ出力する。
位置情報送信部430は、無線タグ受信部420から入力されたタグIDに基づいて、位置情報を生成する。位置情報は、無線タグ受信部420から入力されたタグIDとタグリーダ400のリーダIDとを含む。そして、位置情報送信部430は、生成した位置情報を、インターネット網800を介して位置管理サーバ600へ送信する。
次いで、位置管理サーバ600の構成について説明する。
図2において、位置管理サーバ600は、アクセス管理情報格納部610、位置情報受信部620、位置時刻情報格納部630、在宅情報要求受信部640、アクセス権判定部650、在宅情報送信部660、居場所情報管理部670、および居場所情報送信部680を有する。
アクセス管理情報格納部610は、予めアクセス管理情報を保持する。アクセス管理情報は、上述の通り、観察者740が、観察者740が担当する被観察者710を訪問したときにのみ在宅情報要求が許可されることを規定する情報である。アクセス管理情報の詳細については後述する。
位置情報受信部620は、タグリーダ400から送られてきた位置情報を受信し、受信した位置情報に対してその受信時刻である位置受信時刻を組み付けた位置時刻情報を、位置時刻情報格納部630に格納する。すなわち、位置情報受信部620は、被観察者端末200の各時刻における位置情報を、位置時刻情報として、位置時刻情報格納部630に登録する。位置時刻情報の詳細については後述する。
位置時刻情報格納部630は、位置情報受信部620によって格納された位置時刻情報を、在宅情報送信部660および居場所情報管理部670から読み取り可能な状態で保持する。このとき、位置時刻情報格納部630は、位置情報に含まれるリーダIDが設置された場所の、名称、緯度経度情報、および地図画像データを、新たな位置情報として格納する。具体的には、位置時刻情報格納部630は、リーダIDと、そのリーダIDが設置された場所の名称、緯度経度情報、および地図画像データとを対応付けたテーブルを予め格納している。そして、位置時刻情報格納部630は、このテーブルに基づいて、タグリーダ400から送られてきたリーダIDに対応する名称、緯度経度情報、および地図画像データを、位置情報として格納する。なお、位置情報格納部630は、このような変換を格納段階では行わずに位置情報としてリーダIDをそのまま格納し、出力段階において、対応する名称、緯度経度情報、および地図画像データを出力するようにしても良い。
在宅情報要求受信部640は、観察者端末300から送られてきた在宅情報要求を受信し、受信した在宅情報要求を、アクセス権判定部650へ出力する。
アクセス権判定部650は、アクセス管理情報に基づいて、在宅情報要求受信部640から入力された在宅情報要求に応じる形で在宅情報を送信するか否かを決定する。次に、アクセス権判定部650は、在宅情報を送信することを決定したとき、在宅情報要求を、在宅情報送信部660へ出力する。すなわち、アクセス権判定部650は、観察者740が、担当する被観察者710を訪問したときにのみ、その観察者740に位置時刻情報に対するアクセス権があると判断し、在宅情報要求を在宅情報送信部660へ出力する。
在宅情報送信部660は、予め保持する被観察者情報と、位置時刻情報格納部630の位置時刻情報とに基づいて、アクセス権判定部650から入力された在宅情報要求が指定する被観察者710が在宅しているか否かを判断する。次に、在宅情報送信部660は、在宅情報要求が指定する被観察者710の判断結果を示す在宅情報を生成する。被観察者情報は、被観察者710毎に、被観察者710が持つ被観察者端末200のタグIDと、被観察者宅720に設置されたタグリーダのリーダIDとを組み付けた情報である。そして、在宅情報送信部660は、生成した在宅情報を、インターネット網800および無線基地局500を介して観察者端末300へ送信する。被観察者情報の詳細については後述する。
また、在宅情報送信部660は、在宅情報要求が指定する被観察者710が不在宅である場合には、在宅情報要求を居場所情報管理部670へ出力する。
居場所情報管理部670は、在宅情報送信部660から入力された在宅情報要求に応じた内容で、居場所情報予約を登録する。居場所情報予約は、在宅情報要求に含まれる被観察者IDおよび観察者IDを、居場所情報の対象および送信先として指定して、居場所情報の生成および送信の予約を規定するものである。居場所情報管理部670は、位置時刻情報格納部630の位置時刻情報に基づいて、居場所情報予約に対応する居場所情報を生成して蓄積する。次に、居場所情報管理部670は、居場所情報送信部680からの問い合わせに応じて、該当する居場所情報を、居場所情報送信部680へ出力する。なお、居場所情報管理部670は、最新の居場所情報、または、過去10分以内等の所定の時間範囲内に生成された居場所情報のみを、居場所情報送信部680へ出力するようにしても良い。
居場所情報送信部680は、観察者端末300から送られてきた居場所情報要求を受信し、居場所情報管理部670に対して、受信した居場所情報要求に対応する居場所情報を問い合わせる。そして、居場所情報送信部680は、居場所情報管理部670から取得した居場所情報を、居場所情報要求の送信元である観察者端末300に対して送信すると共に、居場所情報管理部670の対応する居場所情報予約を解除する。
なお、位置管理サーバ600は、図示しないが、例えば、CPU、制御プログラムを格納したROM(read only memory)の記憶媒体、RAM等の作業用メモリ、および通信回路を有する。この場合、位置管理サーバ600は、CPUにおける制御プログラムの実行によって、上述した各部の機能を実現する。
図6は、アクセス権管理情報格納部610が格納するアクセス管理情報の内容の一例を示す図である。
図6に示すように、アクセス管理情報930は、観察者ID931、リーダID932、および被観察者ID933を対応付けて記述する。
図6に示す例では、例えば、「B」という観察者ID931に、「GW_2」というリーダID932と、「S」という被観察者ID933とが対応付けられている。これは、観察者ID「B」の観察者740は、リーダID「GW_2」のタグリーダ400の通信エリア内に居るときには、被観察者ID「S」の被観察者710を指定した在宅情報要求を行うことが可能であることを示す。
図7は、位置時刻情報格納部630に格納される位置時刻情報の内容の一例を示す図である。
図7に示すように、位置時刻情報940は、被観察者ID941、位置受信時刻942、および位置情報943を対応付けて記述する。
図7に示す例では、例えば、「S」という被観察者ID941と、「2009/5/15 12:05」という位置受信時刻942と、場所の名称「病院」を含む位置情報943とが対応付けられている。これは、被観察者ID(被観察者端末200のタグID)「S」の被観察者710が、2009年5月15日の12時5分に、病院に居ることを示す。
図8は、在宅情報送信部660が保持する被観察者情報の内容の一例を示す図である。
図8に示すように、被観察者情報950は、被観察者ID951と、リーダID952とを対応付けて記述する。本実施の形態では、観察者740の観察場所を被観察者710の自宅とする。したがって、リーダID952は、図3に示す観察場所情報900のリーダID902と同一となる。
図8に示す例では、例えば、「S」という被観察者ID951に、「GW_2」というリーダID952が対応付けられている。これは、観察者740が被観察者ID951「S」の被観察者710の自宅に、リーダID「GW_2」のタグリーダ400が設置されていることを示す。
なお、在宅情報送信部660は、被観察者情報950を利用せずに、在宅情報要求に記述された被観察者IDを、そのままリーダIDに組み付けられたIDとして取得することもできる。
図9は、在宅情報送信部660が生成する在宅情報の内容の一例を示す図である。
図9に示すように、在宅情報960は、被観察者ID961、リーダID962、および在宅/不在宅963を含む。在宅/不在宅963は、被観察者ID961が示す被観察者710が、リーダID962が示すタグリーダ400が設置された被観察者宅720に居るか否か、つまり、在宅か不在宅かを示す。
図9に示す例では、「S」という被観察者ID961に、「GW_2」というリーダID962と、「不在宅」という在宅/不在宅963とが対応付けられている。これは、被観察者ID951「S」の被観察者710が、リーダID「GW_2」のタグリーダ400が設置された被観察者宅720に不在であることを示す。
図10は、居場所情報管理部670が保持する居場所情報予約および居場所情報の内容の一例を示す図である。
図10に示すように、居場所情報予約970と居場所情報980とは組み付けられている。居場所情報予約970は、観察者ID971、リーダID受信時刻972、および被観察者ID973を記述する。また、居場所情報980は、位置受信時刻981および位置情報982を記述する。居場所情報予約970は、位置管理サーバ600が受信した在宅情報要求(図4参照)に対応している。居場所情報980は、位置管理サーバ600が取得した位置時刻情報(図7参照)に対応している。
以下、各装置の全体動作および位置管理システム100の処理の流れについて説明する。
図11は、観察者端末300の全体動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS2100において、エリア情報受信部310は、タグリーダ400が送出する所定の信号を受信する毎に(S2100:YES)、リーダ情報をエリア近傍判定部320へ出力し、ステップS2200へ進む。
ステップS2200において、エリア近傍判定部320は、エリア情報受信部310から入力されたリーダ情報に含まれるリーダIDが、観察場所情報(図3参照)に存在するか否かを判断する。つまり、エリア近傍判定部320は、観察者端末300の観察者740が担当する被観察者710の、被観察者宅720に近付いたか否かを判定する(以下「エリア近傍判定」という)。エリア近傍判定部320は、当該リーダIDが観察場所情報に存在する場合には(S2200:YES)、そのリーダIDに組み付けられた被観察者IDと入力されたリーダ情報とを在宅情報取得部330へ出力し、ステップS2300へ進む。
ステップS2300において、在宅情報取得部330は、入力された被観察者IDおよびリーダ情報に基づいて、在宅情報要求(図4参照)を生成し、生成した在宅情報要求を、位置管理サーバ600へ送信する。なお、在宅情報取得部330は、同一のリーダIDに関する在宅情報要求を連続して送信する場合には、所定の時間間隔を置くことが望ましい。
そして、ステップS2400において、在宅情報取得部330は、在宅情報(図9参照)を位置管理サーバ600から受信したか否かを判断する。在宅情報取得部330は、在宅情報を受信した場合には(S2400:YES)、受信した在宅情報を、結果表示部350および居場所情報取得部340へそれぞれ出力して、ステップS2500へ進む。
ステップS2500において、結果表示部350は、入力された在宅情報の内容を表示する。これにより、観察者端末300の観察者740は、観察者740が訪問している被観察者宅720に被観察者710が在宅している否かを知ることができる。
そして、ステップS2600において、居場所情報取得部340は、入力された在宅情報が不在宅を示すか否かを判断し、不在宅を示す場合には(S2600:YES)、ステップS2700へ進む。
ステップS2700において、居場所情報取得部340は、入力された在宅情報に基づいて、居場所情報予約を登録する。居場所情報予約は、在宅情報に含まれる被観察者ID961を居場所情報の対象として指定して、居場所情報要求の送信の予約を規定するものである。
そして、ステップS2800において、居場所情報取得部340は、対応する居場所情報がまだ取得されていない居場所情報予約(以下「未解決の居場所情報予約」という)が、登録されているか否かを判断する。居場所情報取得部340は、未解決の居場所情報予約が登録されている場合には(S2800:YES)、ステップS2900へ進む。
ステップS2900において、居場所情報取得部340は、未解決の居場所情報予約に基づいて居場所情報要求(図5参照)を生成し、生成した居場所情報要求を、位置管理サーバ600へ送信する。観察者端末300は、ステップS2800、S2900の処理を、後段のステップS3200の処理により繰り返し実行するので、居場所情報を取得するまで、居場所情報要求を繰り返し実行することになる。
なお、在宅情報取得部330は、同一の被観察者IDに関する居場所情報要求を連続して送信する場合には、所定の時間間隔を置くことが望ましい。また、観察者端末300は、居場所情報要求を、在宅情報の受信から所定の時間範囲内に制限しても良い。これにより、観察者端末300は、位置管理サーバ600が、居場所情報の返信を在宅情報の送信から所定の時間範囲内に制限している場合に、無効な要求を繰り返すのを防ぐことができる。
そして、ステップS3000において、居場所情報取得部340は、居場所情報を受信したか否かを判断する。居場所情報取得部340は、居場所情報を受信した場合には(S3000:YES)、受信した居場所情報を結果表示部350へ出力すると共に、対応する居場所情報予約を解除して、ステップS3100へ進む。
ステップS3100において、結果表示部350は、居場所情報取得部340から入力された居場所情報の内容を表示する。これにより、観察者端末300の観察者740は、観察者740が訪問した被観察者宅720の被観察者710の居場所を、場所の名称、緯度経度、および地図画像から確認することができる。
そして、ステップS3200において、観察者端末300は、プレゼンス情報の取得のための処理を継続するか否かを判断する。観察者端末300は、処理を継続する場合には(S3200:YES)、ステップS2100へ戻り、処理を終了する場合には(S3200:NO)、一連の動作を終了する。
一方、観察者端末300は、リーダIDが観察場所情報に存在しない場合(S2200:NO)、在宅情報を受信していない場合(S2400:NO)、在宅情報が在宅を示す場合(S2600:NO)には、それぞれステップS2800へ進む。また、観察者端末300は、所定の信号を受信していない場合(S2100:NO)、未解決の居場所情報予約が登録されていない場合(S2800:NO)、居場所情報を受信していない場合(S3000:YES)には、それぞれステップS3200へ進む。
このような動作により、観察者端末300は、観察者740の担当する被観察者710の在宅情報を、位置管理サーバ600に対して要求して取得することができる。また、このとき、観察者740の権限の範囲内においてのみ要求を行うので、無駄な通信を低減することができる。また、観察者端末300は、すぐに居場所情報を取得することができなくても、被観察者宅720を離れた後に、居場所情報を取得することができる。
図12は、位置管理サーバ600の全体動作の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS4100において、位置情報受信部620は、タグリーダ400から位置情報を受信したか否かを判断する。位置情報受信部620は、位置情報を受信した場合には(S4100:YES)、ステップS4200へ進み、位置情報を受信していない場合には(S4100:NO)、ステップS4300へ進む。
ステップS4200において、位置情報受信部620は、受信した位置情報から位置時刻情報(図7参照)を生成し、生成した位置時刻情報を位置時刻情報格納部630に格納する。
そして、ステップS4400において、位置管理サーバ600は、プレゼンス情報の提供のための処理を継続するか否かを判断する。位置管理サーバ600は、処理を継続する場合には(S4400:YES)、ステップS4100へ戻り、処理を終了する場合には(S4400:NO)、一連の処理を終了する。
一方、ステップS4300において、在宅情報要求受信部640は、観察者端末300から在宅情報要求(図4参照)を受信したか否かを判断する。在宅情報要求受信部640は、在宅情報要求を受信した場合には(S4300:YES)、受信した在宅情報要求をアクセス権判定部650へ出力してステップS4500へ進む。一方、在宅情報要求受信部640は、在宅情報要求を受信していない場合には(S4300:NO)、ステップS4600へ進む。
ステップS4500において、アクセス権判定部650は、在宅情報要求を行った場所が、その要求を行った観察者740のアクセス権の範囲内か否かを判定する(以下「アクセス権判定」という)。より具体的には、アクセス権判定部650は、在宅情報要求受信部640から入力された在宅情報要求に含まれる観察者ID、リーダID、および被観察者IDの組み合わせが、アクセス管理情報(図6参照)に存在するか否かを判断する。アクセス権判定部650は、要求を行った場所が観察者740のアクセス権の範囲内である場合には(S4500:YES)、在宅情報要求を在宅情報送信部660へ出力してステップS4700へ進む。一方、アクセス権判定部650は、要求を行った場所が観察者740のアクセス権の範囲外である場合には(S4500:NO)、ステップS4400へ進む。
ステップS4700において、在宅情報送信部660は、位置時刻情報(図7参照)を参照して、アクセス権判定部650から入力された在宅情報要求に含まれる被観察者IDが示す被観察者710が在宅中か否かを判断する(以下「在宅判定」という)。より具体的には、在宅情報送信部660は、現在時刻から一定時間の範囲内に、位置情報が「自宅」となっている位置時刻情報が存在するとき、在宅中であると判断し、それ以外のとき、不在宅であると判断する。そして、在宅情報送信部660は、判断結果を示す在宅情報(図9参照)を生成し、生成した在宅情報、在宅情報要求に含まれる観察者IDが示す観察者端末300へ送信する。
そして、ステップS4800において、居場所情報管理部670は、在宅情報要求に含まれる観察者IDおよび被観察者IDを指定した居場所情報予約(図10参照)を登録し、ステップS4400へ進む。
なお、居場所情報管理部670は、位置時刻情報格納部630において、登録されている居場所情報予約に関連する位置時刻情報の更新を継続的に監視する。居場所情報予約に関連する位置時刻情報の更新とは、居場所情報予約が指定するIDを含む位置時刻情報の、過去1分以内等の所定の範囲内における追加である。そして、居場所情報管理部670は、位置時刻情報の更新がある毎に、その位置時刻情報を居場所情報として取得し、居場所情報予約と組み付けて保持する。すなわち、居場所情報管理部670は、居場所情報予約が登録されている間、被観察者710の居場所を、居場所情報として蓄積する。
また、居場所情報管理部670は、登録されてから一定期間が経過した居場所情報予約については、対応する居場所情報が観察者端末300に送信されていなくても、解除することが望ましい。これにより、例えば、観察者740の業務が終了して時間が経っているにもかかわらず、被観察者710の居場所が観察者端末300に送信されてしまうのを防ぐことができる。
また、ステップS4600において、居場所情報送信部680は、観察者端末300から居場所情報要求(図5参照)を受信したか否かを判断する。居場所情報送信部680は、居場所情報要求を受信した場合には(S4600:YES)、ステップS4900へ進み、居場所情報要求を受信していない場合には(S4600:NO)、ステップS4400へ進む。
ステップS4900において、居場所情報送信部680は、居場所情報要求に含まれる観察者IDを指定する居場所情報予約が登録されているか否かを、居場所情報管理部670に対して問い合わせる。居場所情報送信部680は、該当する居場所情報予約が登録されている場合には(S4900:YES)、ステップS5000へ進み、登録されていない場合には(S4900:NO)、ステップS4400へ進む。
ステップS5000において、居場所情報送信部680は、居場所情報管理部670から居場所情報を取得し、取得した居場所情報を、居場所情報要求の送信元である観察者端末300へ送信して、ステップS4400へ進む。
このような動作により、位置管理サーバ600は、観察者端末300がプレゼンス情報を要求することが許可される場所のみからの要求に応じて、観察者740の担当する被観察者710のプレゼンス情報を返信することができる。
なお、位置管理サーバ600は、許可される在宅情報要求であるにもかかわらず、対応する在宅情報および居場所情報を返信することができない場合には、その旨を要求元の観察者端末300に対して通知することが望ましい。
図13は、位置管理システム100の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
タグリーダ400は、リーダIDを定期的に送信する(S6100)。観察者端末300は、タグリーダ400の通信エリアに進入して、このリーダIDを受信すると(S6200)、エリア近傍判定の結果に応じて(S6300)、在宅情報要求を位置管理サーバ600へ送信する(S6400)。位置管理サーバ600は、在宅情報要求を受信すると(S6500)、アクセス権判定の結果と(S6600)、在宅判定の結果とに応じて(S6700)、在宅情報を観察者端末300に送信する(S6800)。観察者端末300は、この在宅情報を受信し、在宅情報の内容を表示する(S6900)。
そして、位置管理サーバ600は、在宅情報要求に対応する居場所情報取得予約を登録する(S7000)。一方、在宅情報要求が指定する被観察者710の被観察者端末200は、タグリーダ400を介して、位置情報を送信位置管理サーバ600へ送信する(S7100)。位置管理サーバ600は、位置情報の受信によって、位置情報、つまり被観察者710の移動を検知し(S7200)、観察者端末300からの居場所情報要求に応じて、対応する居場所情報を送信する(S7300、S7400)。
以上説明したように、本実施の形態に係る位置管理システム100は、観察者端末300がプレゼンス情報を要求することが許可される場所から要求を行うときにのみ、プレゼンス情報の返信を行うようにする。これにより、位置管理システム100は、観察者端末300によるプレゼンス情報の取得を、観察者740の権限の範囲内に制限することができ、被観察者である被観察者710に、プライバシ確保に関する安心感を与えることができる。また、これにより、サービスへの加入を、被観察者710に対してより積極的に促すことができる。
また、位置管理システム100は、すぐには居場所情報を返信することができない場合であっても、許可される要求を行ったことをアクセスキーとして、後で別の場所からの居場所情報取得を可能にする。これにより、位置管理システム100は、観察者740に対して、居場所情報を取得するために再び被観察者宅720に足を運ばせる必要がなくなり、観察者740の負担を軽減することができる。
また、観察者端末300は、いずれかのタグリーダ400の通信エリア内に進入したときにこれを検知し、自動でプレゼンス情報取得のための処理を開始するので、観察者740の負担を更に軽減することができる。
また、観察者端末300は、被観察者宅720の外において在宅情報を観察者740に通知することができる。これにより、観察者740は、例えば呼び鈴を鳴らしても応答が無いような場合に、被観察者710が家の中で動けない状態になっているのか、それとも外出しているのかを、すぐに判断することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、各観察者端末のエリア近傍判定を位置管理サーバ側で行うように構成した位置管理システムである。
図14は、本発明の実施の形態2に係る位置管理システムの各装置の構成を示すブロック図であり、実施の形態1の図2に対応するものである。図2と同一部分には同一符号を付し、これについての説明を省略する。
図14において、位置管理システム100aは、図2の観察者端末300および位置管理サーバ600に代えて、これらとは構成が異なる観察者端末300aおよび位置管理サーバ600aを有する。
観察者端末300aは、図2の在宅情報取得部330に代えて、これとは異なる内容の在宅情報要求を生成する在宅情報取得部330aを有し、更に、存在通知部360aを有する。また、実施の形態1において観察者端末300に配置されていたエリア近傍判定部320に対応する機能部は、位置管理サーバ600aに、エリア近傍判定部690aとして配置されている。
観察者端末300aの存在通知部360aは、被観察者端末200の無線タグ210と同様に、タグリーダ400から定期的に送出される所定の信号を受信したとき、観察者端末300のタグIDを送出する。このタグIDは、タグリーダ400の無線タグ受信部420によって受信される。また、存在通知部360aは、エリア情報受信部310から出力されるリーダ情報を、在宅情報取得部330aへ出力する。
在宅情報取得部330aは、実施の形態1の在宅情報要求910(図4参照)と同様の在宅情報要求を生成して送信する。
タグリーダ400は、被観察者端末200から送出されるタグIDと同様に、観察者端末300aの存在通知部360aから送出されるタグIDを受信し、受信したタグIDを、位置管理サーバ600aへ送信する。位置管理サーバ600aは、受信した観察者端末300aのタグIDに基づいて、被観察者端末200のタグIDと同様に、位置時刻情報を生成して登録する。すなわち、位置管理サーバ600aの位置時刻情報格納部630には、観察者端末300aの各時刻における居場所を示す位置時刻情報が登録される。
位置管理サーバ600aのエリア近傍判定部690aは、各観察者端末300aの観察場所情報(図3参照)を予め保持する。エリア近傍判定部690aは、在宅情報要求受信部640およびアクセス権判定部650を介して、在宅情報要求を入力する。次に、エリア近傍判定部690aは、実施の形態1と同様に、在宅情報要求と、位置時刻情報格納部630に格納された観察者端末300aの位置時刻情報とに基づいて、要求元である観察者端末300aについて存在エリア近傍判定を行う。そして、エリア近傍判定部690aは、観察者端末300aが在宅情報要求を行うことができると判断したとき、在宅情報要求を、在宅情報送信部660へ出力する。
図15は、位置管理システム100aの処理の流れの一例を示すシーケンス図であり、実施の形態1の図13に対応するものである。図13と同一部分には同一ステップ番号を付し、これについての説明を省略する。
観察者端末300aは、タグリーダ400のリーダIDを受信すると(S6200)、観察者端末300aのタグIDを送出することによって存在の通知を行う(S6210a)。タグリーダ400は、このタグIDを受信すると(S6220a)、受信したタグIDとタグリーダ400のリーダIDとを含む位置情報を、位置管理サーバ600aへ送信する(S6230a)。位置管理サーバ600aは、この位置情報を受信し、受信した位置情報と受信時刻とを、位置時刻情報(図7参照)として登録する(S6240a)。
また、観察者端末300aは、在宅情報要求910(図4参照)を位置管理サーバ600aへ送信する(S6400)。位置管理サーバ600aは、アクセス権判定と併せて、観察者端末300aのエリア近傍判定を行い(S6610a)、観察者端末300aが在宅情報要求が可能なエリアに居るときにのみ、以降のプレゼンス情報送信の処理を行う。
このように、本実施の形態に係る位置管理システム100aは、エリア近傍判定を位置管理サーバ600a側で行う構成とした。これにより、位置管理システム100aは、観察者端末300aの処理負荷を軽減することができ、装置構成の簡略化、小型化、低コスト化を図ることができる。また、位置管理サーバ600a側で、タグリーダ400を経由して得られた情報に基づいてエリア近傍判定を行うので、セキュリティを向上させることができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、タグリーダが在宅情報を観察者端末へ送信するように構成した例である。
図16は、本発明の実施の形態3に係る位置管理システムの各装置の構成を示すブロック図であり、実施の形態1の図2に対応するものである。図2と同一部分には同一符号を付し、これについての説明を省略する。
図16に示す位置管理システム100bは、図2の観察者端末300、タグリーダ400、および位置管理サーバ600に代えて、これらとは構成が異なる観察者端末300b、タグリーダ400b、および位置管理サーバ600bを有する。
タグリーダ400bは、図2の位置情報送信部430に代えて、これとは異なる処理を行う位置情報送信部430bを有し、更に、位置時刻情報格納部440bを有する。また、実施の形態1において位置管理サーバ600に配置されていた在宅情報送信部660に対応する機能部は、タグリーダ400bに、在宅情報送信部450bとして配置されている。観察者端末300bは、図2の在宅情報取得部330に代えて、これとは異なる処理を行う在宅情報取得部330bを有し、更に、居場所情報予約部370bを有する。位置管理サーバ600bは、図2の在宅情報要求受信部640を有さず、居場所情報予約受信部695bを有する。
タグリーダ400bの位置情報送信部430bは、位置情報を位置管理サーバ600bに送信する。これと共に、位置情報送信部430bは、その位置情報に対して、被観察者端末200からタグIDを受信した時刻である位置受信時刻を組み付けた位置時刻情報を、位置時刻情報格納部440bに格納する。
タグリーダ400bの位置時刻情報格納部440bは、位置情報送信部430bによって格納された位置時刻情報を、在宅情報送信部450bから読み取り可能な状態で保持する。
タグリーダ400bの在宅情報送信部450bは、予め保持する被観察者情報と、位置時刻情報格納部440bの位置時刻情報とに基づいて、タグリーダ400bに対応する被観察者710が在宅しているか否かを判断する。次に、在宅情報送信部450bは、被観察者710の判断結果を示す在宅情報を生成する。タグリーダ400bに対応する被観察者710とは、つまり、タグリーダ400bが設置された被観察者宅720に住む被観察者710である。そして、在宅情報送信部450bは、生成した在宅情報を、通信エリア内に定期的に送出する。なお、在宅情報の送出は、エリア情報送信部410によって、リーダIDの送出と共に行われても良い。
観察者端末300bの在宅情報取得部330bは、タグリーダ400bから定期的に送出される在宅情報を受信し、受信した在宅情報を、結果表示部350へ出力する。また、在宅情報取得部330bは、エリア近傍判定部320から出力される被観察者IDおよびリーダ情報を入力する。そして、在宅情報取得部330bは、受信した在宅情報が、エリア近傍判定部320から入力された被観察者IDが不在宅であることを示す内容であるか否かを判定する。次に、不在宅である場合、在宅情報取得部330bは、当該被観察者IDおよびリーダ情報を、居場所情報予約部370bへ出力する。
居場所情報予約部370bは、在宅情報取得部330bから入力された被観察者IDおよびリーダ情報に基づいて、居場所情報予約を生成する。そして、居場所情報予約部370bは、生成した居場所情報予約を、無線基地局500およびインターネット網800を介して位置管理サーバ600bへ送信する。居場所情報予約は、実施の形態1の在宅情報要求(図4参照)と実質的に同じである。
位置管理サーバ600bの居場所情報予約受信部695bは、観察者端末300bから送られてくる居場所情報予約を受信し、受信した居場所情報予約を、居場所情報管理部670に登録する。
図17は、位置管理システム100bの処理の流れの一例を示すシーケンス図であり、実施の形態1の図13に対応するものである。図13と同一部分には同一ステップ番号を付し、これについての説明を省略する。
タグリーダ400bは、通信エリア内に被観察者端末200が位置するか否かを示す在宅情報とリーダIDとを、定期的に送信する(S6100b)。観察者端末300bは、タグリーダ400の通信エリアに進入して、これらリーダIDおよび在宅情報を受信する(S6200b)。そして、観察者端末300bは、受信したエリア近傍判定の結果および在宅判定の結果に応じて(S6300b、S6310b)、居場所情報予約を位置管理サーバ600bへ送信する(S6410b)。位置管理サーバ600bは、居場所情報予約を受信すると(S6510b)、アクセス権判定の結果に応じて(S6600)、居場所情報予約を登録する(S7010b)。そして、位置管理サーバ600bは、観察者端末300bからの要求に応じて、居場所情報の送信を行う。
このように、本実施の形態に係る位置管理システム100bは、タグリーダ400bが在宅情報を観察者端末300bへ送信する構成とした。これにより、位置管理システム100bは、観察者端末300bおよび位置管理サーバ600bの通信負荷および処理負荷を軽減することができ、装置構成の簡略化、小型化、低コスト化を図ることができる。
なお、以上説明した各実施の形態では、プレゼンス情報の要求が許可される範囲は、観察者が担当の被観察者を訪問したときとなっているが、これに限定されるものではなく、例えば、観察者が所定の福祉事務所に居るとき等を含めても良い。
また、プレゼンス情報の内容は、上述の例に限定されるものではない。プレゼンス情報は、例えば、被観察者の居た場所と時間情報とを示す行動履歴、特定の場所に誰が居るかを示す情報、被観察者の心拍数等の生体情報、被観察者が何をしているかを示す状況情報(知人と一緒に居る、食事中である等)を含んでも良い。この場合には、位置管理サーバは、被観察者端末において被観察者の操作により入力された状況情報を取得したり、同じ場所に位置する他の被観察者のID情報を取得して状況情報を生成する。
また、観察者端末は、エリア近傍判定において、タグリーダから送出される無線信号の受信信号強度が規定値以上であるか否かを判断しても良い。そして、観察者端末は、受信信号強度が規定値(例えば−15dB)以上である場合にのみ、在宅情報要求を行うことができると判定するようにしても良い。これにより、タグリーダの通信エリアの外縁、つまり無線基地局の通信エリアの外縁に位置するような、通信が不安定と成り得る状態では、在宅情報要求を行わないようにすることができる。
また、観察者端末は、在宅確認要求および居場所情報要求の一方または両方を、観察者が手動で観察者端末に対して実行を指示したときにのみ行うようにしても良い。これにより、観察者が業務外で被観察者宅の前をたまたま通りがかったような場合に、観察者の意に反して要求処理が行われるのを防ぐことができる。この場合、位置管理サーバは、在宅情報要求に含まれるリーダID受信時刻が、過去1分以内等、リアルタイムとみなすことができる時間範囲にある場合にのみ、在宅情報要求に対する処理を行うようにすることが望ましい。これにより、非観察者宅から離れて時間が経ってからの要求を無効化とすることができる。
また、観察者端末は、確認要求および居場所情報要求の一方または両方を、権限の範囲として予め設定された曜日や時間帯に制限して行うようにしても良い。この場合でも、観察者の意に反して要求処理が行われるのを防ぐことができる。
また、位置管理システムは、位置管理サーバまたは無線基地局と観察者端末との間で、所定の認証処理を行うようにしても良い。これにより、第三者の成りすましによって情報が流出するのをより確実に防ぐことができる。
また、位置管理サーバは、タグリーダから、タグIDに関する暗号化された情報を秘密通信により取得しておき、このデータと比較することにより、プレゼンス情報要求に含まれる情報の正真性を判定するようにしても良い。これにより、改ざんされた情報に基づいてプレゼンス情報を送信してしまうのをより確実に防ぐことができる。
また、位置管理サーバは、プレゼンス情報に対するアクセスログを取っておき、アクセスログを解析するようにしても良い。これにより、例えば、不正な時間帯のプレゼンス要求や、異常な頻度で行われるプレゼンス要求の存在を確認することができ、プレゼンス情報への不正アクセスをより確実に防ぐことができる。
また、観察者端末と被観察者端末との間で、VoIP、電子メール等による直接の通信が可能であることが望ましい。これにより、観察者は、プレゼンス情報の取得状況および内容に基づいて、迅速に、被観察者に直接連絡を取ることができる。また、高齢者は、外出時に困った事や相談事が発生した場合に、観察者に対して、煩わしい説明の必要なく現在位置を通知して、連絡を取ることができる。
また、本発明を高齢者見守りサービスに適用した例について説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。本発明は、児童見守りサービス等、観察者が持つ無線端末に対して被観察者の居場所に関するプレゼンス情報を提供する各種のサービスに適用することができる。児童見守りサービスに適用される場合には、例えば、タグリーダが学校の教室や図書館等公共施設に設置され、タグリーダおよび無線基地局が、学校の職員室や児童宅に設置される。そして、児童が被観察者端末を携帯し、児童の教師や保護者が観察者端末を携帯する。教師は、例えば、児童の姿が教室内に見当たらないときに、観察者端末から位置管理サーバへ児童の居場所を問い合わせることができる。
また、観察者端末および被観察者端末は、有線端末であっても良い。この場合には、例えば、予め各所に設置された有線端末に対して、観察者がログイン操作を行うようにしたり、予め各所に設置された通信用端子に、観察者が携帯する情報端末を接続するようにすれば良い。