JP5601183B2 - ダイヤモンド基板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイヤモンド基板、その製造方法及び製造装置に関する。本発明は、特に、磁気センシングに適用可能な蛍光強度の揃ったダイヤモンド基板、その製造方法及び製造装置に関する。
NVセンターをはじめとするダイヤモンド中のカラーセンターを用いることにより、微小領域における磁場を室温において高感度に測定することが検討されている(例えば、下記非特許文献1参照)。非特許文献1には、ダイヤモンド中に任意に生じたNVセンターが記載されており、NVセンターのスピン状態が外部磁場によって変化し、磁気共鳴周波数が変化することで蛍光強度が変化することが記載されている。
J.R.Maze et al. Nature 455,644−647(2008)
ところで、近年、広範囲の領域の磁場を二次元的に且つ高感度に測定することが求められており、上記NVセンターをはじめとするダイヤモンド中のカラーセンターを磁気センシングに用いることが検討されている。しかしながら、このような要求を達成可能な技術については未だ確立されておらず技術の確立が求められている。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、磁場を二次元的に且つ高感度に測定する磁気センシングに好適に用いられるダイヤモンド基板、その製造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、複数のカラーセンターを含有するダイヤモンド基板に電場や磁場を印加して当該基板の表面において測定される蛍光強度を調整することにより、磁気センシングに好適に用いられるダイヤモンド基板が得られることを見出した。
すなわち、本発明に係るダイヤモンド基板は、複数のカラーセンターを含有するダイヤモンド基板であって、ダイヤモンド基板の表面は、当該表面において所定間隔毎に測定される蛍光強度のそれぞれが平均蛍光強度の±10%の範囲内である領域を有する。
本発明では、ダイヤモンド基板の表面が、当該表面において所定間隔毎に測定される蛍光強度のそれぞれが平均蛍光強度の±10%の範囲内である領域を有している。このように蛍光強度が均一に揃えられたダイヤモンド基板は、磁場を二次元的に且つ高感度に測定する磁気センシングに好適に用いられる。
カラーセンターは、NVセンターであることが好ましい。NVセンターは、室温において安定であり、ゼロ磁場分裂したエネルギー状態のスピンを有する。このようなNVセンターを含有するダイヤモンド基板は、室温動作の磁気センサー(例えば磁気センシングアレー)に特に好適であり、液体窒素やヘリウム等の冷媒を利用することなく、小型であり且つランニングコストの小さい高感度磁気センサーとして好適に用いられる。
本発明に係るダイヤモンド基板におけるNVセンターの含有量は、0.01〜200ppmであることが好ましい。このようなダイヤモンド基板は、磁場を二次元的に且つ更に高感度に測定する磁気センシングに好適に用いられる。
本発明に係るダイヤモンド基板の表面の面方位は、{110}面又は{100}面であることが好ましい。このようなダイヤモンド基板は、磁場を二次元的に且つ更に高感度に測定する磁気センシングに好適に用いられる。
ところで、ダイヤモンド中のNVセンターは<111>の等価な4軸に対してランダムにダイポールを形成するため、ダイヤモンドにおける蛍光強度は、ダイヤモンドへの入射光やダイヤモンドに印加される外場(例えば外部磁場)の向きによって変化する傾向がある。そのため、一定の蛍光強度を維持しつつ蛍光強度が均一な光を得るためには、複数のNVセンターのスピン状態を外場によって一方向に揃えなければならない。しかしながら、このような異方性を制御する方法は未だ確立されておらず、ダイヤモンドのNVセンターを磁気センシングへ利用するべく技術の確立が求められている。
このような課題を解決するために、本発明者らは、複数のNVセンターのスピン状態を外場によって一方向に誘導するため、以下の知見を見出した。すなわち、ダイヤモンドの結晶成長時において、結晶中にNVセンターを形成することは容易であるものの、NVセンターを形成することは容易ではない。そのため、安定なNVセンターをダイヤモンド中に形成するためには、ダイヤモンドの結晶成長時にNVセンターを形成し、結晶成長後に結晶に電子線を照射して欠陥を形成した後に結晶をアニールする必要がある。本発明では、特定温度以上の温度においてダイヤモンドをアニールしつつ電場や磁場を印加することにより、複数のNVセンターのスピン状態の異方性を調整することができる。
すなわち、本発明に係るダイヤモンド基板の製造方法は、窒素を含有するダイヤモンド部材に電子線を照射する第1工程と、第1工程の後に、ダイヤモンド部材の温度を600℃以上に保持した状態で、電場又は磁場の少なくとも一方の外場をダイヤモンド部材に印加する第2工程と、第2工程の後に、上記外場をダイヤモンド部材に印加した状態で、ダイヤモンド部材の温度を600℃未満に低下させる第3工程と、を備える。
本発明に係るダイヤモンド基板の製造方法では、第1工程においてダイヤモンド部材に電子線を照射した後、第2工程においてダイヤモンド部材の温度を600℃以上に保持することにより、充分なNVセンターをダイヤモンド部材中に形成することができる。さらに、本発明に係るダイヤモンド基板の製造方法では、充分なNVセンターが形成されたダイヤモンド部材に対して第2工程において電場又は磁場の少なくとも一方の外場を印加した後、第3工程において外場をダイヤモンド部材に印加した状態で、ダイヤモンド部材の温度を600℃未満に低下させることにより、複数のNVセンターのスピン状態を安定した状態で揃えることができる。このような本発明に係るダイヤモンド基板の製造方法では、複数のNVセンターのスピン状態が均一に揃えられたダイヤモンド基板が得られる。このようなダイヤモンド基板は、磁場を二次元的に且つ高感度に測定する磁気センシングに好適に用いられる。
なお、ダイヤモンド部材に電場を印加することによりNVセンターのスピン状態が揃えられる理由について、本発明者は以下のように推測している。すなわち、NVセンター中の電子は、電場によって強制的に一定の方向、すなわち電場勾配に従った方向を向く傾向がある。ここで、通常カラーセンターの蛍光強度は、カラーセンターが吸収、放出する光の電気ベクトルに依存するものであり、特に、電気ベクトルに対する内積q・E(q:電荷、E:電場ベクトル)に依存する。そのため、結晶内におけるNVセンターの電子の向き(ベクトル)が一方向に揃えられることによって内積q・Eがほぼ一様になるため、NVセンターのスピン状態が揃えられると推測される。
第2工程において、電場及び磁場を同時にダイヤモンド部材に印加することが好ましい。この場合、磁場を二次元的に且つ更に高感度に測定する磁気センシングに好適に用いられるダイヤモンド基板が得られる。
ダイヤモンド部材の窒素含有量は、0.1〜200ppmであることが好ましい。この場合、磁場を二次元的に且つ更に高感度に測定する磁気センシングに好適に用いられるダイヤモンド基板が得られる。
ダイヤモンド部材の表面の面方位は、{110}面又は{100}面であることが好ましい。この場合、磁場を二次元的に且つ更に高感度に測定する磁気センシングに好適に用いられるダイヤモンド基板が得られる。
また、本発明者らは、ダイヤモンド部材に外場を印加する電磁場印加部を備え、磁場を二次元的に且つ高感度に測定する磁気センシングに好適に用いられるダイヤモンド基板を得ることが可能な製造装置を見出した。
本発明の第1実施形態に係るダイヤモンド基板の製造装置は、ダイヤモンド部材を支持すると共に加熱するための支持部と、支持部を収容するチャンバと、ダイヤモンド部材に対して電場又は磁場の少なくとも一方の外場を印加する電磁場印加部と、を備える。
また、本発明の第2実施形態に係るダイヤモンド基板の製造装置は、ダイヤモンド部材を支持するための支持部と、支持部を収容するチャンバと、ダイヤモンド部材を加熱する加熱部と、ダイヤモンド部材に対して電場又は磁場の少なくとも一方の外場を印加する電磁場印加部と、を備える。
電磁場印加部は、電場及び磁場を同時にダイヤモンド部材に印加することが好ましい。この場合、磁場を二次元的に且つ更に高感度に測定する磁気センシングに好適に用いられるダイヤモンド基板が得られる。
本発明によれば、磁場を二次元的に且つ高感度に測定する磁気センシングに好適に用いられるダイヤモンド基板、その製造方法及びその製造装置を提供することができる。本発明に係るダイヤモンド基板は、蛍光強度が磁気共鳴によって変化することで外部磁場を測定する磁気センサーとして好適に用いることができる。
また、本発明に係るダイヤモンド基板を用いることにより、品質の整った磁気センサーを得ることができる。この場合、磁気センサーに個体差が生じることが抑制され、磁気センサーの校正にかかる作業が簡略化されるため、性能の安定性を向上させると共にコストを低減することができる。したがって、本発明に係るダイヤモンド基板は、磁気センシングアレーを組むことが容易となるため、異物検査や半導体の非接触検査等に好適に用いられる。
本発明の一実施形態に係るダイヤモンド基板の製造装置を模式的に示す断面図である。
以下、本実施形態について詳細に説明する。
<ダイヤモンド基板>
本実施形態に係るダイヤモンド基板は、例えば厚さ0.05〜2mmの板状のダイヤモンド結晶であり、天然のダイヤモンド結晶であっても、人工的に得られたダイヤモンド結晶であってもよい。ダイヤモンド結晶を人工的に得る方法としては、周知の高圧合成法や気相合成法が挙げられる。ダイヤモンド基板を構成するダイヤモンド結晶は、単結晶や多結晶のいずれでもよい。
ダイヤモンド結晶は、含有される不純物やその濃度等により分類される。本実施形態では、不純物として窒素を含有するIIa型やIb型と呼ばれるダイヤモンド結晶や、これらの中間の窒素不純物濃度のダイヤモンド結晶が好ましい。
本実施形態に係るダイヤモンド基板の表面(主面)の面方位は、{110}面又は{100}面が好ましく、蛍光強度を向上させる観点から、{110}面がより好ましい。なお、上記面方位は、その記載自体により特定されるものだけでなく、結晶学的に等価な面を含む。例えば、{100}面とは、(100)面のみならず、(001)面や(010)面を含む。
本実施形態に係るダイヤモンド基板は、少なくとも表面に複数のカラーセンターを含有しており、ダイヤモンド基板の全体にカラーセンターを含有していることが好ましい。カラーセンターとしては、NVセンターが好ましい。
NVセンターとは、ダイヤモンド結晶中の空格子欠陥Vと当該空格子欠陥Vに隣接した置換位置にある窒素原子Nとで構成される中性のNVセンターに一つの電子が入り込み負に帯電した窒素−空孔中心をいう。NVセンターは、S=1のスピン状態を有している。ダイヤモンド結晶中にNVセンターを導入する方法としては、窒素原子を含有するダイヤモンド結晶に電子線等を照射してダイヤモンド結晶中に欠陥を生じさせた後にアニールする方法等が挙げられる。
本実施形態に係るダイヤモンド基板におけるNVセンターの含有量は、0.01〜200原子ppmが好ましく、0.1〜10原子ppmがより好ましい。NVセンターの含有量が0.01原子ppm未満であると、スピン間の相互作用が低減されるため単独のNVセンターあたりの磁場感度が高くなるものの、ダイヤモンド基板の単位面積当たりのNVセンターの数が少なくなり、ダイヤモンド基板の磁場感度が低下する傾向がある。なお、NVセンターの含有量が0.01原子ppm未満であると、NVセンターの含有量が1桁減少するに伴い磁場感度が1桁以上低下する傾向がある。NVセンターの含有量が1000原子ppmを超えると、放出された蛍光が結晶内で再び吸収されてしまい、磁気感度が低下する傾向がある。NVセンターの含有量は、電子スピン共鳴法(ESR法)により測定することが可能であり、後述するように電子線が照射されるダイヤモンド結晶中の窒素含有量や電子線の照射量により調整することができる。
本実施形態に係るダイヤモンド基板の表面は、当該表面において所定間隔(例えば100μm)毎に測定される蛍光強度のそれぞれが、平均蛍光強度の±10%の範囲内である領域を有している。換言すると、当該領域における平均蛍光強度を100%としたときに、所定間隔毎に測定される上記蛍光強度の全てが、平均蛍光強度に対して90〜110%の蛍光強度の範囲内に収まっている。
また、本実施形態に係るダイヤモンド基板の表面全体が、当該表面において所定間隔毎に測定される蛍光強度のそれぞれが当該表面における平均蛍光強度の±10%の範囲内である領域として構成されていることが好ましい。例えば、基板表面が2mm角(2mm×2mm)の正方形状である場合には、基板面内(2mm角の表面全体)において上記条件が満たされていることが好ましい。上記蛍光強度のそれぞれは、上記領域における平均蛍光強度の±8%の範囲内であることが好ましい。
ダイヤモンド基板の表面が上記条件を満たす領域を有していない場合は、当該ダイヤモンド基板を磁気センシングに用いたとしても、磁場を二次元的に且つ高感度に測定することはできない。平均蛍光強度100%に対して±10%の範囲内に収まる蛍光強度を示す測定点には、磁場方向に向いたNVセンター(強度:1.0)が少なくとも80%存在し、磁場方向に対して109°ずれた軸(磁場方向に向いた軸と等価な他の<111>の軸)方向を向いたNVセンター(強度:0.5)が20%以下存在している。これに対し、平均蛍光強度100%に対して80%の蛍光強度を示す測定点が測定領域に含まれている場合、当該測定点には、磁場方向に向いたNVセンター(強度:1.0)が60%存在するのに対し、磁場方向に対して109°ずれた軸方向を向いたNVセンター(強度:0.5)が40%存在することになる。この場合には、およそ半数のNVセンターが磁場方向から傾くことになり、磁場(ベクトル)の有効な大きさがかわることとなる。この場合、検出に必要なマイクロ波の共鳴周波数が2つになり著しく感度が低下するため、磁気センシングに好適に用いられるものではない。
蛍光強度の測定には、例えば波長500〜540nmの励起光(レーザ光等の偏光)が用いられ、カラーセンターからは波長630〜700nmの蛍光が出力される。蛍光強度の測定には、フォトンカウンター、又は光電子増倍管やCCDを用いることが可能である。フォトンカウンターを用いる場合、測定点毎にカウント数を読み取り、測定領域全体におけるカウント数の平均値を平均蛍光強度とすることができる。光電子増倍管やCCDを用いる場合、蛍光強度が電圧値や電流値として得られ、測定点毎にこれらの値を読み取り、測定領域全体における平均値を平均蛍光強度とすることができる。
磁気センサー用途の場合、NVセンターのようにスピンを有するカラーセンターは、1nm〜1mm程度の間隔で存在することが好ましい。そのため、蛍光強度測定における測定点のスポットサイズ直径Φと間隔dについては、それぞれΦ=1mm以内、d=1mm以内であることが好ましい。CCDのような撮像素子を用いて測定領域全体の蛍光を撮像する場合、撮像素子の解像度(撮像素子を構成する単位素子サイズ)に依存するが、一般的にスポットサイズ直径Φが1mm以下であれば検査装置として好適に利用できる。その場合、各単位素子からの信号は電圧として得られることが多いが、その強度を測定領域内で平均化した値を平均蛍光強度とする。
カラーセンターの蛍光強度は、カラーセンターに入射する光の電気ベクトルに依存するものであり、レーザ光等の偏光がカラーセンターに入射した際に、複数のカラーセンターにおける蛍光強度が平均蛍光強度に対して一定範囲内に収まる場合には、複数のカラーセンターのそれぞれのスピン状態(スピン配置やスピンの向き)が複数のカラーセンターの平均スピン状態に対して一定範囲内に収まっているものと考えられる。複数のカラーセンターのそれぞれのスピン状態は、後述するように電場や磁場により調整される。
<ダイヤモンド基板の製造装置>
NVセンターをカラーセンターとして含有するダイヤモンド基板は、本実施形態に係るダイヤモンド基板の製造装置100を一手段として得ることができる。図1は、本実施形態に係るダイヤモンド基板の製造装置を模式的に示す断面図であり、(a)は製造装置の全体図であり、(b)は、(a)の一部を拡大して示す拡大図である。
本実施形態に係るダイヤモンド基板の製造装置100は、高温RTA炉内でダイヤモンド結晶に磁場、電場を印加可能にしたものである。製造装置100は、図1に示すように、ダイヤモンド結晶である試料(ダイヤモンド部材)10を支持すると共に加熱するためのサンプル固定部(支持部)12と、サンプル固定部12を内部に収容する真空チャンバ14と、一対のランプヒーター(加熱部)16と、電磁場印加部18とを備えている。
サンプル固定部12は、固定部材12a、一対の固定部材12b及び一対の支持部材12cから構成されている。固定部材12aは、試料10の底面の縁部を支持しており、試料10の底面の縁部に沿って配置されている。固定部材12bのそれぞれは、固定部材12aに接続されていると共に試料10の側面を支持している。支持部材12cのそれぞれは、真空チャンバ14内の底面側から垂直方向に延びて固定部材12bに接続されている。
サンプル固定部12は、支持部材12cに支持されることにより、真空チャンバ14内の略中央の位置に配置されている。サンプル固定部12は、非磁性体によって形成されていることが好ましく、例えばBN、Al、SiC等のセラミクス材料や黒鉛により形成されている。
支持部材12cの先端側の側面は、固定部材12bに接続されており、支持部材12cの他端は、導電線30に接続されている。サンプル固定部12は、真空チャンバ14の外部に配置された電源(図示せず)に導電線30を介して接続されており、当該電源から電流が供給されて加熱される。サンプル固定部12は、試料10を加熱するための加熱部でもあり、試料10は、サンプル固定部12及びランプヒーター16により加熱される。
試料10は、例えば2mm(縦)×2mm(横)×0.3mm(厚さ)の大きさを有している。試料10の上面(表面)10aは、電子線が照射される主面であり、蛍光強度の測定領域とすることができる。試料10の底面(裏面)は、固定部材12aにより覆われた部分を除き真空チャンバ14の底面側に露出している。
真空チャンバ14は、対向する一対の側面の略中央にそれぞれ開口を有する容器であり、試料を交換するための試料交換窓(図示せず)を有している。真空チャンバ14は、非磁性金属(例えばステンレス)や石英により形成されている。
真空チャンバ14の側面の開口には、真空ポンプ20に接続されたダクト22aと、リークバルブ24に接続されたダクト22bとがそれぞれ接続されている。真空チャンバ14は、ダクト22a,22bにより支持されており、ダクト22a,22bのそれぞれは、支持部材26に固定されている。真空チャンバ14の内部は、真空ポンプ20により例えば真空度1.0×10−4Paに減圧することができる。
真空チャンバ14の上面及び底面の略中央は、平坦な頂部(頂面)14a,14bが真空チャンバ14の内部に形成されるように真空チャンバ14の内側方向に屈曲している。頂部14a,14bは、試料10を垂直方向に挟むように互いに対向している。
ランプヒーター16は、試料10を加熱するために真空チャンバ14内に配置されている。一対のランプヒーター16は、真空チャンバ14内の上面に支持されており、試料10を挟むように試料10の側面側にそれぞれ配置されている。ランプヒーター16は、真空チャンバ14の外部に配置された電源(図示せず)に導電線32を介して接続されており、当該電源から電流が供給されて加熱される。ランプヒーター16としては、例えば赤外線ランプヒーターを用いることができる。ランプヒーター16は、試料10の最高到達温度を例えば1400℃にすることができる。ランプヒーター16のフィラメントは、非磁性体(例えばカーボン)であることが好ましい。
電磁場印加部18は、試料10に対して電場や磁場を印加するために配置されている。電磁場印加部18は、試料10に電場を印加するための一対の平行平板電極18aと、試料10に磁場を印加するための一対の電磁石18bとを有している。
一対の平行平板電極18aは、真空チャンバ14内において頂部14a,14bに固定されており、試料10を垂直方向に挟むように互いに対向している。一対の平行平板電極18aは、真空チャンバ14の外部に配置された電源(図示せず)に導電線34を介して接続されており、当該電源から電流が供給される。一対の平行平板電極18aの間には垂直方向に電場が印加され、試料10に対して垂直方向に電場が印加されることとなる。一対の平行平板電極18aは、試料10に対して例えば最大20MV/cmの電場を印加することができる。試料10と平行平板電極18aとの間隔は、例えば1mmである。
一対の電磁石18bは、真空チャンバ14の外側において試料10を垂直方向に挟むように互いに対向している。一対の電磁石18bのそれぞれの先端部分は、真空チャンバ14の上面及び底面の屈曲に沿うように上面及び底面に形成された凹部内に位置している。一対の電磁石18bの間には垂直方向に磁場が印加され、試料10に対して垂直方向に磁場が印加されることとなる。すなわち、本実施形態では、電場及び磁場を同時に試料10に印加した場合には、試料10に対して電場及び磁場が同一方向から印加されることとなる。電磁石18bは、試料10に対して例えば最大20Tの磁場を印加することができる。
電磁石18bとしては、超伝導コイルを用いた電磁石を用いることが可能であり、一対の電磁石18bのそれぞれに対して超伝導コイル28が接触配置されている。超伝導コイル28は、電磁石18bにおける真空チャンバ14と反対側の位置に配置されている。
<ダイヤモンドの製造方法>
NVセンターを含有するダイヤモンド基板は、例えば、上記製造装置100を用いて以下のように製造される。本実施形態に係るダイヤモンドの製造方法は、準備工程と、電子線照射工程(第1工程)と、外場印加工程(第2工程)と、冷却工程(第3工程)とをこの順に備えている。
準備工程では、高圧合成法や気相合成法等の周知の方法によりダイヤモンド結晶(ダイヤモンド部材)を準備する。準備工程の後、ダイヤモンド結晶に対して研削加工や研磨を施すことにより所望の形状に加工してもよい。また、ダイヤモンド結晶の表面が所望の面方位を有するように加工してもよい。
電子線照射工程では、準備工程で得られたダイヤモンド結晶をサンプル固定部12に固定した後、ダイヤモンド結晶の上面10a(例えば{110}面や{100}面)に向かって、例えば加速電圧1〜10MeV、照射線量0.1kGy〜100GGyの条件で電子線を照射する。この場合、電子線は、一般にダイヤモンド結晶の表面から少なくとも2mm程度の深さまで侵入可能であり、厚さ2mm未満のダイヤモンド結晶であれば、結晶の表面から裏面にかけて電子線を照射することができる。このような電子線照射工程により、ダイヤモンド結晶中に欠陥が生じる。
ここで、電子線照射工程において電子線が照射されるダイヤモンド結晶の窒素含有量(窒素濃度)は、磁気センシングに用いた場合の感度の低下を抑制する観点から、0.1〜200原子ppmが好ましく、1〜200原子ppmがより好ましく、5〜200原子ppmが更に好ましい。窒素含有量は、ESR法により測定することが可能であり、合成時の窒素含有成分の添加と窒素ゲッター(例えばTi粉末)の添加量により調整することができる。
窒素含有量を5〜200原子ppmとすることにより、磁気センシングに用いた場合の感度の低下を特に抑制することができる理由について、本発明者らは以下のように推察している。
すなわち、NVセンターとしての窒素の常磁性スピンが多くなると、ダイヤモンド基板を磁気センシングに用いた場合の感度が低下する傾向があり、このような感度の低下を抑制するためには、NVセンター同士の間隔が100nm以上であることが好ましい。ここで、ダイヤモンドの格子定数は0.35nm程度であり、8個の原子位置を有するユニットセルを最小単位とすると、1個の窒素原子を含むユニットセルでは、8個の原子位置のうち1個に窒素原子が配置されていることとなる。上記のとおりスピン間の相互作用を抑制する観点から、窒素原子を含むユニットセル同士を100nm以上離すとすれば、ユニットセル同士は100/0.35=285個のユニットセルをおいて離れることになる。すなわち、各ユニットセルにおいて8個の原子位置を有しているため、1辺あたり285個のユニットセルが配列されて23149125個のユニットセルからなる立方体状のセルにおいては、185193000原子中に1個の窒素原子が含有されていることとなる。このような窒素含有量は、0.05原子ppmに相当する。
ここで、電子線照射とその後に続く熱処理によってユニットセル中の窒素原子がNVセンターに変換する効率は、後述するようにアニール温度が600℃以上の場合には1/10〜1/100程度である。そのため、変換効率1/100においてもNVセンターを充分に得るためには、電子線が照射されるダイヤモンド結晶中に5原子ppm程度の窒素原子が少なくとも含有されていることが特に好ましい。
一方、窒素含有量が200原子ppmである場合、窒素のもつ電子スピンが過剰になり、NVセンターに帰属するスピンのスピン緩和時間が短くなるため、分解能が低下することが懸念される。しかしながら、蛍光強度はカラーセンターが多いほど増える傾向があることから、窒素含有量が5原子ppmの場合と比較して磁気センシングの感度を40倍近く高めることができるため、窒素含有量が200原子ppmである場合にも磁気センシングに有用である。一方、窒素含有量300原子ppmともなると、ユニットセル間距離が10nm以下となり、磁気センシングにおいて実用的な感度が得られなくなってしまう。
ここで、上記窒素含有量に関して、本発明者らは以下の検討を行った。すなわち、ラマン分光によって、ダイヤモンドに特有の1333cm−1のピークのピーク幅を観測して結晶性の評価を予備実験として行った。その結果、ピーク幅は、窒素含有量0.1原子ppmでは1.7cm−1であり、窒素含有量200〜300原子ppmでは2.0cm−1であり、窒素含有量300原子ppm以上では2.5cm−1であり、窒素含有量の増加に伴いピーク幅は増加した。これは、ダイヤモンド結晶中において原子半径の大きな窒素原子の置換率が高くなることで、格子の歪みや欠陥が生じていることを示している。
また、窒素含有量0.1〜200原子ppmでは、ピーク幅は窒素含有量に対して直線的に変化し、0.1原子ppmから200原子ppmへの変化量は0.3cm−1であった。一方、窒素含有量200原子ppmから300原子ppmへの変化では、わずか100原子ppmの窒素含有量の増加においてピーク幅は0.5cm−1増加した。したがって、窒素含有量200原子ppmを超えると、格子の歪みや欠陥が生じる頻度が急激に高まり、ダイヤモンド結晶中に極めて多くの格子の歪みや欠陥が生じることとなることが推測される。したがって、窒素含有量は200原子ppm以下であることが好ましい。
外場印加工程では、まず、電子線が照射されたダイヤモンド結晶を製造装置100のサンプル固定部12に固定する。この際、例えば電子線が照射された上面10aが上側の平行平板電極18aと対向するように試料10を配置する。そして、サンプル固定部12及びランプヒーター16により試料10を600℃以上の高温まで昇温する。試料10の温度は、800℃以上が好ましく、1000℃以上がより好ましい。また、試料10の温度は、1400℃以下が好ましく、1200℃以下がより好ましい。
次に、真空ポンプ20により真空チャンバ14内を減圧(例えば真空度10−7〜10−1Pa)した後、試料10の温度を600℃以上に保持した状態で、電磁場印加部18により電場又は磁場の少なくとも一方の外場を試料10の上面10a全体に印加する。ここで、外場印加工程において試料10の温度が600℃未満である場合には、窒素のNVセンターへの変換率は1/1000以下となり、充分なNVセンターを含有するダイヤモンド基板を得ることができない。一方、試料10の温度を600℃以上とすることにより、変換率を1/10〜1/100程度に向上させることができる。
外場印加工程では、試料10のアニールに際して、電場又は磁場の少なくとも一方のみが印加されていればよいが、カラーセンターのスピン状態が揃いやすくなり、磁気センシングに用いた場合の感度が向上する観点から、電場及び磁場を同時に又は連続して順に印加することが好ましく、電場及び磁場を同時に印加することがより好ましい。なお、電場及び磁場を連続して順に印加する場合、印加する順序は特に限定されるものではない。
試料10に印加される電場は、磁気センシングに用いた場合の感度が更に向上する観点から、50V/cm以上が好ましい。試料10に印加される電場は、試料が破損することを抑制する観点から、ダイヤモンドの絶縁破壊電界である20MV/cm以下が好ましい。
試料10に印加される磁場は、NVセンターの基底3重項状態におけるS=0とS=±1との状態間のエネルギー差が0.1T程度であり、その状態を良好に保存する観点から、0.1T以上が好ましく、3T以上がより好ましく、15T以上が更に好ましい。磁場の上限値は、例えば30Tとすることができる。なお、試料10に印加される電場及び磁場の上記範囲は、試料10の上面10aに印加される電場及び磁場の範囲であるものとする。
冷却工程では、外場印加工程において外場を試料10に印加した状態及び減圧状態を保持しつつ、試料10の温度を600℃未満に急冷させる。例えば、ランプヒーター16への電力供給を停止し、試料10を室温(25℃)まで急冷した後に、外場の印加を停止する。これにより、試料10がクエンチされてNVセンターが安定化する。ここで、冷却工程において外場の印加を停止した後に試料10の温度を600℃未満に冷却した場合には、最終的に得られるダイヤモンド基板において平均蛍光強度が±10%の範囲内に収まらない。
以上により、NVセンターのスピン状態が揃い、磁気センシングに好適なダイヤモンド基板を得ることができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、製造装置100においてサンプル固定部12及びランプヒーター16によって試料10を加熱しているが、試料10をサンプル固定部12のみによって加熱してもよく、試料10をサンプル固定部12によって加熱することなくランプヒーター16のみによって加熱してもよい。
また、上記実施形態では、試料10に対して電場及び磁場が同一方向から印加されているが、電場及び磁場の印加方向が互いに交差していてもよく、例えば磁場の印加方向に直交する方向から電場が印加されていてもよい。
また、上記実施形態では、サンプル固定部12に試料10を保持する前に予め試料10に電子線を照射しているが、製造装置100が電子銃を備える構成とした上で、サンプル固定部12に試料10を保持した後に電子銃により試料10に電子線を照射してもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す製造装置100と同様の構成を有する装置を用いて、ダイヤモンド基板を作製した。真空チャンバ−として石英から形成されたチャンバ−を用い、加熱用ヒーターとして赤外線ランプヒーターを用い、サンプル保持部としてはグラファイトから形成された支持棒や固定具を用いた。磁石には、超伝導コイルによる電磁石を採用した。このような構成を採用することにより、最高加熱温度1400℃、最大磁場20T、真空度1.0×10−4Paに到達する性能を有する装置とした。電場としては、電源ユニットを交換することにより、ダイヤモンドの破壊電界といわれる20MV/cmまで到達可能な設計とした。
窒素含有量1原子ppmである2mm×2mm×0.3mmの寸法のダイヤモンド結晶における2mm×2mmの表面(ダイヤモンドの{110}面)に電子線を3MeVで50kGy照射し、ダイヤモンド結晶中にNVセンターを作製した。そのダイヤモンド結晶を2mm×2mmの表面が上側を向くように上記製造装置にセットし、ダイヤモンド結晶の温度を1000℃まで昇温し、真空チャンバ内を真空度1.0×10−4Paに減圧した。次に、磁場10T、電場100V/cmを同時にダイヤモンド結晶の{110}面に垂直に印加しつつ、1時間アニールした後にヒーターの電源をOFFにしてダイヤモンド結晶を600℃未満に急冷した。以上により、複数のNVセンターを含有するダイヤモンド基板を作製した。ダイヤモンド基板中のNVセンターの含有量は、電子スピン共鳴法により測定したところ0.1原子ppmであった。
作製したダイヤモンド基板について、波長532nmの緑色のレーザー照射に対する発光ピークは波長637nmであり、波長700nm付近にはサブバンドからと考えられる蛍光が確認された。
このダイヤモンド基板の2mm×2mmの表面において、波長637nmの蛍光の蛍光強度の分布を100μm毎に表面全体について2次元的に測定したところ、蛍光強度のそれぞれは、規格化した平均蛍光強度の±9%の範囲内に収まるようになった。なお、ダイヤモンド基板の蛍光強度は、Karl Zeiss社製の商品名「MCS521VLS」を用いて測定し、波長532nmの光を励起光として用いた。以下の実施例・比較例においても実施例1と同様の条件により蛍光強度の測定を行った。
(比較例1)
電場・磁場のいずれも印加せずにアニールしたことを除き実施例1と同様にしてダイヤモンド結晶を処理してダイヤモンド基板を作製した。作製したダイヤモンド基板について、実施例1と同様に蛍光強度の分布を100μm毎に測定すると、規格化した平均蛍光強度からのばらつきは50%以上であった。
(実施例2)
窒素含有量1原子ppmである2mm×2mm×0.3mmの寸法のダイヤモンド結晶における2mm×2mmの表面(ダイヤモンドの{110}面)に電子線を3MeVで50kGy照射し、ダイヤモンド結晶中にNVセンターを作製した。そのダイヤモンド結晶を2mm×2mmの表面が上側を向くように上記製造装置にセットし、ダイヤモンド結晶の温度を1000℃まで昇温し、真空チャンバ内を真空度1.0×10−4Paに減圧した。次に、磁場15T、電場100V/cmを同時にダイヤモンド結晶の{110}面に垂直に印加しつつ、1時間アニールした後にヒーターの電源をOFFにしてダイヤモンド結晶を600℃未満に急冷した。以上により、複数のNVセンターを含有するダイヤモンド基板を作製した。ダイヤモンド基板中のNVセンターの含有量は、電子スピン共鳴法により測定したところ0.1原子ppmであった。
作製したダイヤモンド基板について、波長532nmの緑色のレーザー照射に対する発光ピークは波長637nmであり、波長700nm付近にはサブバンドからと考えられる蛍光が確認された。このダイヤモンド基板の2mm×2mmの表面において、蛍光強度の分布を100μm毎に測定したところ、蛍光強度のそれぞれは、規格化した平均蛍光強度の±8%の範囲内に収まるようになった。
(実施例3)
窒素含有量100原子ppmである2mm×2mm×0.3mmの寸法のダイヤモンド結晶における2mm×2mmの表面(ダイヤモンドの{110}面)に電子線を3MeVで50kGy照射し、ダイヤモンド結晶中にNVセンターを作製した。そのダイヤモンド結晶を2mm×2mmの表面が上側を向くように上記製造装置にセットし、ダイヤモンド結晶の温度を1000℃まで昇温し、真空チャンバ内を真空度1.0×10−4Paに減圧した。次に、磁場15T、電場100V/cmを同時にダイヤモンド結晶の{110}面に垂直に印加しつつ、1時間アニールした後にヒーターの電源をOFFにしてダイヤモンド結晶を600℃未満に急冷した。以上により、複数のNVセンターを含有するダイヤモンド基板を作製した。ダイヤモンド基板中のNVセンターの含有量は、電子スピン共鳴法により測定したところ1原子ppmであった。
作製したダイヤモンド基板について、波長532nmの緑色のレーザー照射に対する発光ピークは波長637nmであり、波長700nm付近にはサブバンドからと考えられる蛍光が確認された。このダイヤモンド基板の2mm×2mmの表面において、蛍光強度の分布を100μm毎に測定したところ、蛍光強度のそれぞれは、規格化した平均蛍光強度の±8%の範囲内に収まるようになった。
(実施例4)
窒素含有量200原子ppmである2mm×2mm×0.3mmの寸法のダイヤモンド結晶における2mm×2mmの表面(ダイヤモンドの{110}面)に電子線を3MeVで50kGy照射し、ダイヤモンド結晶中にNVセンターを作製した。そのダイヤモンド結晶を2mm×2mmの表面が上側を向くように上記製造装置にセットし、ダイヤモンド結晶の温度を1000℃まで昇温し、真空チャンバ内を真空度1.0×10−4Paに減圧した。次に、磁場15T、電場100V/cmを同時にダイヤモンド結晶の{110}面に垂直に印加しつつ、1時間アニールした後にヒーターの電源をOFFにしてダイヤモンド結晶を600℃未満に急冷した。以上により、複数のNVセンターを含有するダイヤモンド基板を作製した。ダイヤモンド基板中のNVセンターの含有量は、電子スピン共鳴法により測定したところ10原子ppmであった。
作製したダイヤモンド基板について、波長532nmの緑色のレーザー照射に対する発光ピークは波長637nmであり、波長700nm付近にはサブバンドからと考えられる蛍光が確認された。このダイヤモンド基板の2mm×2mmの表面において、蛍光強度の分布を100μm毎に測定したところ、蛍光強度のそれぞれは、規格化した平均蛍光強度の±8%の範囲内に収まるようになった。
(実施例5)
窒素含有量200原子ppmである2mm×2mm×0.3mmの寸法のダイヤモンド結晶における2mm×2mmの表面(ダイヤモンドの{100}面)に電子線を3MeVで50kGy照射し、ダイヤモンド結晶中にNVセンターを作製した。そのダイヤモンド結晶を2mm×2mmの表面が上側を向くように上記製造装置にセットし、ダイヤモンド結晶の温度を1000℃まで昇温し、真空チャンバ内を真空度1.0×10−4Paに減圧した。次に、磁場15T、電場100V/cmを同時にダイヤモンド結晶の{100}面に垂直に印加しつつ、1時間アニールした後にヒーターの電源をOFFにしてダイヤモンド結晶を600℃未満に急冷した。以上により、複数のNVセンターを含有するダイヤモンド基板を作製した。ダイヤモンド基板中のNVセンターの含有量は、電子スピン共鳴法により測定したところ2原子ppmであった。
作製したダイヤモンド基板について、波長532nmの緑色のレーザー照射に対して発光ピークは波長637nmであり、波長700nm付近にはサブバンドからと考えられる蛍光が確認された。このダイヤモンド基板の2mm×2mmの表面において、蛍光強度の分布を100μm毎に測定したところ、蛍光強度のそれぞれは、規格化した平均蛍光強度の±8%の範囲内に収まるようになった。
{100}面に垂直に外場を印加した実施例5における平均蛍光強度の絶対値は、{110}面に垂直に外場を印加した実施例4の平均蛍光強度の絶対値を基準として80%程度であるが、平均蛍光強度を±10%以内に収めるという点では充分に効果があることが確認された。
10…試料(ダイヤモンド部材)、10a…上面(表面)、12…サンプル固定部(支持部)、14…真空チャンバ、16…ランプヒーター(加熱部)、18…電磁場印加部、100…製造装置。

Claims (3)

  1. 複数のカラーセンターを含有するダイヤモンド基板であって、
    前記カラーセンターがNV センターであり、
    前記NV センターの含有量が0.01〜200ppmであり、
    前記ダイヤモンド基板の表面は、当該表面において所定間隔毎に測定される蛍光強度のそれぞれが平均蛍光強度の±10%の範囲内である領域を有し、
    前記表面の面方位が{110}面又は{100}面である、ダイヤモンド基板。
  2. 窒素を含有するダイヤモンド部材に電子線を照射する第1工程と、
    前記第1工程の後に、前記ダイヤモンド部材の温度を600℃以上に保持した状態で、電場又は磁場の少なくとも一方の外場を前記ダイヤモンド部材に印加する第2工程と、
    前記第2工程の後に、前記外場を前記ダイヤモンド部材に印加した状態で、前記ダイヤモンド部材の温度を600℃未満に低下させる第3工程と、を備え
    前記ダイヤモンド部材の窒素含有量が0.1〜200ppmであり、
    前記ダイヤモンド部材の表面の面方位が{110}面又は{100}面である、ダイヤモンド基板の製造方法。
  3. 前記第2工程において、前記電場及び前記磁場を同時に前記ダイヤモンド部材に印加する、請求項に記載の製造方法。
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