JP5594918B1 - 止水装置を備えた空調ダクト - Google Patents

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Abstract

【課題】津波や洪水などの水災害時に、空調ダクトを通じて建屋内に水が浸入するのを防止する止水装置を備えた空調ダクトにおいて、水災害時に前記止水装置が作動しダクトを完全に封鎖するまでの間に止水装置を越えて下流側に流れてしまった水を空調室に放出しないようにする。
【解決手段】前記止水装置1の配設位置よりも下流側であって吹出口52よりも上流側位置に、ダクト30内の水が落下するようにダクト下面に水受け槽31を設ける。また、前記水受け槽の流入口に、多孔板32、逆流防止ダンパ33、ルーバー34のいずれかを設けて、前記水受け槽31の空間が影響して流通空気の流れに乱れが生じるのを防止するのが望ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、津波や洪水などの水災害時に、空調ダクトを通じて建屋内に水が浸入するのを防止する止水装置を備えた空調ダクトに関する。
従来、原子力発電所などにおいては、建屋内部への浸水を防止する技術が幾つか開発されているが、空調ダクトを通じた建屋内への浸水についてはほとんど考慮されていなかった。
しかし、3.11東日本大震災の教訓により、近年、津波などの水災害時に、空調ダクトを通じて建屋内に水が浸入するのを防止する止水装置の開発が行われている。この止水装置の設計条件としては、(1)通常時はダクト内の空気の流れを阻害しないこと、(2)災害時の作動条件として、全ての電源が失われる場合も考慮して浸水を検知してから自動的にダクトを閉止するまでの全ての工程において電気や圧縮空気などの駆動源を一切要しないこと、(3)ダクト内の圧力損失を起こさず空調機の運転効率の低下を招かないことなどが挙げられる。
本出願人においても、特許文献1(未公開)において、空調ダクト内に浸入した水が流れ込む検知槽と、前記検知槽に流れ込んだ水の自重に連動して留め具による掛止状態が解除され、重力落下によって流路を閉止する閉止板とが備えられ、前記閉止板は、前記留め具に掛止された状態で、空気の流れを妨げない位置に配設されている空調ダクトの止水装置を提案した。この止水装置については後述する。
特願2013−82628号
しかしながら、前記止水装置は、空調ダクト内に浸入した水が検知槽に流れ込んで、この検知槽が流れ込んだ水が所定の重量になることで揺動し、この揺動動作により留め具による掛止状態が解除され、閉止板がダクトを封鎖するようにしたものである。
従って、前記検知槽に水が流れ込んでから、止め具による掛止状態が解除され、閉止板がダクトを封鎖するまでの間に多少の時間差が生じているため、ある程度の水量が止水装置を越えて下流側に流れてしまうことになる。空調室には水を嫌う重要機器が備えられている場合も多く、前記止水装置を越流した水を空調室に放出しない工夫が望まれる。
そこで本発明の主たる課題は、津波や洪水などの水災害時に、空調ダクトを通じて建屋内に水が浸入するのを防止する止水装置を備えた空調ダクトにおいて、水災害時に前記止水装置が作動しダクトを完全に封鎖するまでの間に止水装置を越えて下流側に流れてしまった水を空調室に放出しないようにすることにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、水災害時に空調ダクトを通じて建屋内に水が浸入するのを防止する止水装置を備えた空調ダクトにおいて、
前記止水装置の配設位置よりも下流側であって吹出口よりも上流側位置に、ダクト内の水が落下するようにダクト下面に水受け槽を設け、水災害時に前記止水装置が作動しダクトを封鎖するまでの間に止水装置を越えて下流側に流れた水を捕集するようにし、かつ前記水受け槽の流入口に、多孔板、流入方向への可動を許容する逆流防止ダンパ及び羽根板を間隔を空けて複数並設したルーバーの内のいずれかを配設することにより気流安定化対策を施したことを特徴とする止水装置を備えた空調ダクトが提供される。
上記請求項1記載の発明では、止水装置の配設位置よりも下流側であって吹出口よりも上流側位置に、ダクト内の水が落下するようにダクト下面に水受け槽を設けるようにした。従って、水災害時に前記止水装置が作動しダクトを完全に封鎖するまでの間に止水装置を越えて下流側に流れた水を前記水受け槽で捕集するため、止水装置を越えた水を空調室に放出させないようにできる。
また、本発明は、前記水受け槽の流入口が大きく開口したままとした場合、通常時(空調時)に前記水受け槽の空間が影響して流通空気の流れに乱れが生じることが予想される。従って、ダクト内の空気の乱れを最小化するために、前記水受け槽の流入口に、多孔板、流入方向への可動を許容する逆流防止ダンパ及び羽根板を間隔を空けて複数並設したルーバーの内のいずれかの気流安定化対策を施したことにより流通空気の乱れを低減することができる。
請求項に係る本発明として、前記水受け槽とは別に補助水受け槽を増設してある請求項1記載の止水装置を備えた空調ダクトが提供される。
上記請求項記載の発明は、水災害時に止水装置を越えて下流側に流れた水が多い場合の対応策として補助水受け槽を増設するものである。
請求項に係る本発明として、前記水受け槽と吹出口との間に、水平状の流路から上昇流路を経て再度水平状の流路に至るクランク状流路を形成してある請求項1〜いずれかに記載の止水装置を備えた空調ダクトが提供される。
上記請求項記載の発明は、前記水受け槽と吹出口との間に、前記クランク状の流路を形成することにより、仮に水受け槽を溢れ出た水があったとしても、ダクト内に貯水されるため、空調室への水の放出を完全に無くすことができる。
請求項に係る本発明として、前記止水装置は、空調ダクト内に浸入した水が流れ込む検知槽と、前記検知槽に流れ込んだ水の自重に連動して留め具による掛止状態が解除され、重力落下によって流路を閉止する閉止板とが備えられ、前記閉止板は前記留め具に掛止された状態で、空気の流れを妨げない位置に配設されている請求項1〜いずれかに記載の止水装置を備えた空調ダクトが提供される。
上記請求項記載の発明は、止水装置の構造例を規定したものである。本止水構造は、不可避的にある程度の水量が止水装置を越えて下流側に流れてしまうものであるため、本発明の前記水受け槽との組み合わせが最適である。
以上詳説のとおり本発明によれば、津波や洪水などの水災害時に、空調ダクトを通じて建屋内に水が浸入するのを防止する止水装置を備えた空調ダクトにおいて、水災害時に前記止水装置が作動しダクトを完全に封鎖するまでの間に止水装置を越えて下流側に流れてしまった水を空調室に放出しないようにすることができる。
本発明に係る、止水装置を備えた空調ダクト30の側面図である。 止水装置1が作動した際の水受け槽31に貯水される状態を示す側面図である。 水受け槽31の基本形態例を示す要部側面図である。 ダクト内の空気の乱れを低減するための水受け槽31の第1例を示した要部側面図である。 ダクト内の空気の乱れを低減するための水受け槽31の第2例を示した要部側面図である。 ダクト内の空気の乱れを低減するための水受け槽31の第3例を示した要部側面図である。 水受け槽31の他の形態例を示す要部側面図である。 補助水受け槽38を設置した例を示す要部側面図である。 水受け槽31より下流側でダクト流路例を示す要部側面図である。 止水装置1の正面側の縦断面図である。 止水装置1の横断面図である。 止水装置1の側面側の縦断面図である。 閉止板12のヒンジ部分を示す拡大図である。 留め具11による閉止板12の掛止状態を示す拡大図である。 ストッパーアーム14とストッパー受け台17との係合状態を示す、(A)は平面図、(B)は正面図である。 閉止板12による流路の閉止要領を示す正面図である。 フロートユニット20を備えた止水装置1の正面図である。 フロートユニット20を示す、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。 他の形態に係る留め具11を示す止水装置1の側面側の縦断面図である。 他の形態に係る留め具11を示す拡大図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
本発明に係る空調ダクト30は、図1に示されるように、中間に水災害時に空調ダクトを通じて建屋内に水(海水を含む)が浸入するのを防止する止水装置1を備える。
そして、前記止水装置1の配設位置よりも下流側であって吹出口52、52よりも上流側位置に、ダクト内の水が落下するようにダクト下面に水受け槽31を設けるようにしたものである。津波等の水災害が起こり、ダクト30内に水が浸入した場合、前記止水装置1が作動してダクト流路を封鎖するが、不可避的にタイムラグが生じ、ある程度の水量が前記止水装置1を越えて下流側に流れてしまうことになる。しかし、前記水受け槽31を備えることにより、止水装置1を越えて下流側に流れた水を捕集することができ、前記吹出口52から空調室に水を放出させないで済むようになる。前記水受け槽31の具体的構造については更に後述する。
〔止水装置1の構造例〕
先ず、前記止水装置1については特願2013−82628号において提案されているものであるが、この止水装置1自体は従来より公知のものではないため、この構造について、図10〜図20に基づいて詳述する。
止水装置1は、図10〜図12に示されるように、外形がほぼ矩形状に形成され、水平方向に沿って配設された空調ダクトの流路の途中に配置され、両端にそれぞれ前記空調ダクトを連結するためのフランジ3、4が備えられている。
空調ダクト内に浸入した水が流れる方向としては、図10の左側方向又は右側方向いずれの方向でも構わないが、後段で詳述する閉止板12が重力落下によって流路を閉止する方向(図10の左側方向)に水が流れるような構造とした方が、浸入した水によって閉止板12にかかる圧力が閉止板12を閉止する方向に作用するようになるため、止水効果が維持されやすく好ましい。
前記止水装置1の内部は、空調ダクトからの空気が流通し、接続する空調ダクトとほぼ同じサイズの流路断面を有する流路空間2と、前記流路空間2の上側に該流路空間2に連通するとともに、後述する閉止板12が掛止状態において収容される上部収容空間5と、前記流路空間2の下側に該流路空間2に連通するとともに、後述する検知槽10が収容される下部収容空間6とに画成されている。
前記上部収容空間5部分及び下部収容空間6部分の外形はそれぞれ、既存のダクト経路上に容易に追加設置できるように、接続する空調ダクトの外形から200mm以上突出させない寸法で形成されている。
前記止水装置1に接続されるダクトとしては、前記フランジ3、4の形状を適宜変更することにより、角ダクト(図示例)や丸ダクトなど、種々の形状のものに対応させることができる。
前記止水装置1の内部には、空調ダクト内に浸入した水が流れ込む検知槽10と、前記検知槽10に流れ込んだ水の自重に連動して留め具11による掛止状態が解除され、重力落下によって流路を閉止する閉止板12とが備えられている。前記閉止板12は、通常時の前記留め具11に掛止された掛止状態で、前記上部収容空間5に収容され、空気の流れを妨げない位置に配設されている。ここで、空気の流れを妨げない位置に配設されるとは、閉止板12の掛止状態で、空調ダクトとほぼ同じサイズの断面形状で連通する前記流路空間2の断面内に、前記閉止板12が存在しないということである。
さらに詳細には、前記閉止板12は、一方側の端縁12aが1又は複数の、図示例では幅方向に間隔をあけた4つのヒンジ部材13、13…によって流路上部に回動自在に支持されるとともに、他方側の端縁12bが自由端とされ、前記他方側の端縁12bに設けられた係合部12cに留め具11を掛止させた掛止状態で、前記上部収容空間5内にほぼ水平に収容されている。ほぼ水平に収容されるとは、水平の他、±5°程度の傾斜を有した状態で収容されることである。
また、前記閉止板12は、重力落下によって流路を閉止する方向と反対側の面に、一端14aが前記閉止板12の自由端側(他方側の端縁12b側)に設けられたヒンジ部材15によって回動自在に支持され、他端が自由端とされるとともに、前記閉止板12の掛止状態で前記他端を閉止板12の一方側の端縁12a側に位置させることによって閉止板12に沿うように配向されたストッパーアーム14を備えている。
前記閉止板12は、止水装置1の流路空間2の断面形状とほぼ同じ大きさの鋼板からなる板状体と、その周縁及び適宜の位置に設けられた鋼材などからなる補強材とからなり、前記ヒンジ部材13の回動軸を中心に回動することによって、上部収容空間5にほぼ水平に収容された掛止状態と、流路空間2の一方側の開口を封鎖するようにほぼ垂直に配置された閉止状態とが切り替え可能になっている。
前記閉止板12は、図13に示されるように、重力落下によって流路を閉止する方向の側の面に、前記板状体の周縁に沿ってゴムやプラスチックなどからなる水密部材15が取り付けられている。また、前記流路空間2の一方側の開口周縁であって、前記閉止板12が流路に対してほぼ垂直となる位置に、前記水密部材15が当接する受枠16が設けられている。前記水密部材15が前記受枠16に圧密されることにより、止水性が確保されるようになっている。
前記ストッパーアーム14は、図10に示されるように、アーム本体14aと、このアーム本体14aの一端を前記閉止板12の他方側の端縁12b寄りの位置に回動自在に支持するためのヒンジ部材14とから主に構成されている。
前記ストッパーアーム14は、図10に示されるように、前記閉止板12が重力落下によって流路を閉止した反動で、閉止板12に沿うように配向された状態から回動を開始し、前記閉止板12とほぼ垂直になる位置で、前記ストッパーアーム14の他端が流路に配置されたストッパー受け台17に係合するようになっている。前記ストッパーアーム14の先端がストッパー受け台17に係合することによって、前記水密部材15が前記受け枠16に圧着され、閉止板12の圧着閉止が可能になり、水密性がより一層確保されやすくなるとともに、例えば重力落下によって空調ダクトの流路を閉止する方向の側の面からの浸水による水圧を受けたときでも、閉止板12による止水状態が維持できるようになる。
前記ストッパーアーム14は、前記閉止板12が重力落下によって流路を閉止した反動で回動を開始した後、該ストッパーアーム14の自重によって前記ストッパー受け台17と確実に係合させるため、該ストッパーアーム14の他端(自由端)にローラー14cを設けることが好ましい。前記ローラー14cとしては、前記ストッパーアーム14の回動方向に回転するように取り付けられた軸受け部材が好適であり、ストッパーアーム14がストッパー受け台17に係合する際に、これらの間の摩擦によってストッパーアーム14が途中で止まってしまうのを防止し、ストッパーアーム14を最後まで(閉止板12とほぼ垂直になる位置まで)係合させることによって閉止板12の圧着閉止を確実にしている。
また、前記アーム本体14aの他端側(自由端側)には、図15に示されるように、ストッパーアーム14とストッパー受け台17との係合状態で、ストッパー受け台17の上面17bに当接し、ストッパーアーム14の回動停止位置を調整するための調整用ボルト14dが螺設されている。前記調整用ボルト14dの締め込み量を調整してアーム本体14aからの突出長を調整することによって、ストッパーアーム14の停止位置が調整できる。
前記ストッパー受け台17は、図15に示されるように、前記ストッパーアーム14の他端(自由端)が当接し、流路と直交する当接面17aと、前記ストッパーアーム14の調整用ボルト14dが当接し、流路と平行する上面17bとを有している。前記当接面17aには前記ストッパーアーム14の先端が当接したときの衝撃を受け止める緩衝板17cが固設されている。このストッパー受け台17は、図11に示されるように、流路空間2の下部の幅方向中央部に流路方向に沿って跨設された支持板2a上に固定されている。
前記支持板2aの両側は、下部収容空間6と連通する開口2b、2bが形成され、空調ダクトから流路空間2に浸入した水が前記開口2b、2bから下部収容空間6の検知槽10に流れ込むことができるようになっている。
前記検知槽10は、図12に示されるように、流れ込んだ水の自重により傾斜するように設置されるとともに、検知槽10に接続するロッド棒18及び揺動支持された作動杆19を介して前記留め具11に連設されている。
前記検知槽10は、上面が開放したトレイ状に形成されたもので、図12に示されるように、底面を流路幅方向の一方側に傾斜させることにより、流れ込んだ水が一方側に溜まりやすい構造となっている。流路幅方向の他方側は、止水装置1の底面に対し、流路方向に沿って配置された軸10a回りに回動自在に支持されている。流路幅方向の一方側は、ロッド棒18の下端が回動可能に接続され、前記閉止板12の掛止状態で、前記ロッド棒18を介して接続された作動杆19によって吊り下げ支持され、止水装置1の底面から浮いた状態でバランスが保持されている。前記検知槽10に水が流れ込むと、幅方向一方側に水が溜まり、前記軸10a回りに幅方向一方側が沈み込むように傾斜するとともに、これに伴ってロッド棒18が引き下げられる。
前記ロッド棒18は、下部収容空間6から流路空間2を通って上部収容空間5まで延び、下端が前記検知槽10に回動自在に支持されるとともに、上端が前記作動杆19に回動自在に支持されている。
前記作動杆19は、図14に示されるように、上部収容空間5の内壁に揺動自在に支持されるとともに、この支持点からほぼ水平方向に延びるとともに、先端部に前記ロッド棒18の上端が回動自在に支持される水平方向杆19aと、前記支持点からほぼ鉛直方向に延びる鉛直方向杆19bとからなる略L字状に形成されている。また、前記鉛直方向杆19bの中間部分から前記水平方向杆19aと反対側の水平方向に延び、閉止板12の掛止状態における釣り合いを保持するための第2水平方向杆19cが備えられている。前記第2水平方向杆19cの先端には、止水装置1の上面に対し反力を作用させるスプリング19dが設けられ、前記閉止板12の掛止状態で、第2水平方向杆19cに下向きの反力を作用させることによって、作動杆19に対し、ロッド棒18を介して検知槽10の幅方向一方側を吊り上げる方向に回転力を作用させている。
前記鉛直方向杆19bの先端部には、前記作動杆19の回動方向と直交する方向に突出する留め具11が備えられ、閉止板12の掛止状態で、前記留め具11が閉止板12の他方側の端縁12bに設けられた係合部12cに掛止するようになっている。また、この掛止状態から、前記検知槽10の傾斜に伴って、ロッド棒18を介して作動杆19が揺動することにより、前記留め具11が係合部12cに掛止した状態が解除され、閉止板12が重力落下するようになる。
前記留め具11は、円柱状に形成し、この円周部分で前記係合部12cに接するように設けることにより、係合部12cとの摩擦が軽減するため好ましい。また、前記係合部12cに円柱状の受け部12d、12dを2つ並設することによって、これら受け部12d、12dの間に形成された凹部に、前記留め具11を嵌り込ませることができるようになるため、掛止状態を維持しやすくなる。また、図14に示されるように、前記係合部12cの前記留め具11の解除方向と反対側には、作動杆19が誤って反対側に回転し留め具11と係合部12cとの係合が解除されるのを防止するため、規制板12eが設けられている。
ところで、本止水装置1においては、止水圧に対する要求により閉止板12は重く頑丈なものとなり、閉止動作(重力落下)時には、受枠16との間に挿入した水密部材15を破損させたりして確実な止水の妨げになることに鑑みて、図10及び図11に示されるように、流路空間2の下部に、閉止直前で前記閉止板12の先端側の端縁12bが当接し乗り越えるようにして閉止状態になるとともに、乗り越え後は該閉止板12を閉止状態で停止させる跳ね返り防止部材が備えられている。
前記跳ね返り防止部材は、矩形板の一方側を斜め上方に傾斜させるように折り曲げ加工するとともに、その先端を水平に折り曲げ加工した板バネ状のものであり、この折り曲げ加工した一方側を、閉止板12が重力落下によって流路を閉止する方向に配向するとともに、他方側の折り曲げ加工しない部分に設けた開孔にビスを挿入して、流路空間2の下面に設けられた前記支持板2aに固定されている。
このように跳ね返り防止部材を設けたときの閉止板12の動作について説明すると、詳細には図16に示されるように、流路上部にほぼ水平に掛止された閉止板12の掛止状態が解除されると、前記閉止板12の一方側の端縁12aに取り付けられたヒンジ部材13の回動軸を回動中心として、閉止板12の先端側の端縁12bが円弧を描くように重力落下を始める。この端縁12bが閉止直前で前記跳ね返り防止部材の上方に突出した部分に当接すると、上方に突出した部分を押し下げるように弾性変形させながら、閉止板12の端縁12bが跳ね返り防止部材を摺接しながら乗り越えて閉止状態になる。このとき、閉止板12の端縁12bは、跳ね返り防止部材の上方に突出した部分に摺接しながら移動するため、閉止板12の重力落下による速度が低減し、閉止時の受枠16にかかる衝撃力が緩和できる。そして、跳ね返り防止部材を乗り越えた後は、跳ね返り防止部材の弾性変形した部分の復元力によって、この弾性変形した部分が素早く元の上方に突出した状態に戻るため、閉止板12を閉止状態で停止させることが可能となり、閉止板12に備えられた水密部材15が受枠16に当接した反動で閉止板12が跳ね返るのが防止できる。
また、前記閉止板12を閉止状態にする際の衝撃を和らげるための手段として、前記ヒンジ部材13にダンパーを備えたダンパーヒンジを採用するようにしてもよい。このダンパーヒンジとしては、予め閉止板12の掛止状態の方向にバネ力を作用させたスプリング機構を備えたものや、ヒンジ部材13の回動軸にトルクを作用させたもの、摩擦力や油圧を利用して緩衝機能を持たせたものなど、公知のものを採用できる。
上記の構造からなる本止水装置1では、空調ダクト内に浸入した水が検知槽10に流れ込んでから、閉止板12と留め具11との掛止状態が解除され閉止板12が重力落下して流路を閉止するまでの全ての工程において、電気などの駆動源を一切必要とせずに空調ダクトの止水が完了する。また、通常時の前記閉止板12と留め具11との掛止状態においては、前記閉止板12が流路空間2の上部に設けられた上部収容空間5の空気の流れを妨げない位置に配設されているため、通常時に圧力損失を増大させることがないとともに、空調機の運転効率が低下せずに、水害時に空調ダクトの止水ができるようになる。
次に、地震などによって留め具11の掛止状態が解除してしまう誤作動を防止するための誤作動防止手段について、図17及び図18に基づいて説明する。具体的に前記誤作動防止手段としては、検知槽10と留め具11との連動機構に係合し、検知槽10に流れ込んだ水の水位が所定の水位に達するまで留め具11による閉止板12の掛止状態が解除されないようにしたフロートユニット20を備えている。
前記フロートユニット20は、止水装置1に固定されたベース部材27に対し回動軸21によって回動自在に支持された本体ブロック22と、この本体ブロック22の側面から延びる連結棒23の先端に取り付けられたフロート24と、前記本体ブロック22の上部に突設され、先端が前記ロッド棒18に設けられたストッパカラー26に係合するとともに、前記検知槽10の水位が所定の水位に達するまで前記ロッド棒18が下方に移動するのを阻止するブラケット25とから構成されている。
前記フロートユニット20による誤作動防止手段では、空調ダクト内に水が流入しない通常時には、フロート24が検知槽10の底面に着底した状態にあり、この状態では前記ブラケット25の先端がストッパカラー26に係合して、ロッド棒18がそれより下側に移動するのを規制している。したがって、この状態で、地震などによって検知槽10が傾斜するような負荷がかけられたとしても、留め具11が閉止板12に掛止した状態が解除されないようになっている。一方、検知槽10に水が流れ込んで検知槽10内の水位が上昇すると、浮力によってフロート24が上昇し、これに伴い本体ブロック22が回動軸21を中心に回動するとともに、これの上部に突設されたブラケット25が前記ストッパカラー26に係合した状態が解除され、ロッド棒18が下側に移動可能となり、留め具11による閉止板12の掛止状態が解除されるようになる。
ところで、上記形態例では、前記留め具11は、作動杆19に備えられた留め具11が閉止板12の係合部12cに掛止するようになっており、前記係合部12cは、平面状に形成されるか、並設した2つの円柱状の受け部12d、12dによって形成されるようにしていたが、前記留め具11と係合部12cとの係合をより外れにくくするため、図19及び図20に示されるように、前記係合部12cをフック状に形成することも可能である。この場合、通常時には、留め具11がフック状の係合部12cの最も上方に高くなった部分に嵌り込んでいるので、留め具11が係合部12cから容易に外れることがなくなる。
このフック状に形成された係合部12cは、前記検知槽10に水が流れ込んで作動杆19が回転する方向と反対側の面がほぼ垂直に形成され、前記作動杆10の回転方向の面がこれと60°〜75°の角度を有するように形成されることが好ましい。
また、前記作動杆19が回動して留め具11と係合部12cとの係合を解除するには、フック部分を乗り越えなければならないため、上記形態に係る構造より作動杆19の可動範囲を広く取る必要があり、例えば作動杆19を20〜30°回動させたときに掛止状態が解除されるようにすることができる。
〔水受け槽31の構造〕
水受け槽31の構造としては、図3に示されるように、水受け槽31の流入口が大きく開口したままとすることもできるが、この場合は通常時(空調時)に前記水受け槽31の空間が影響して流通空気の流れに乱れが生じることが予想される。そこで、流通空気の流れを乱さないように工夫した水受け槽31の例について後述する。
(第1例)
先ずは、図4にその第1例を示す。同図4に示された気流安定化対策は、水受け槽31の流入口に、パンチングメタル等の多孔板32を配設したものである。多孔板の材質としては、金属板の他に樹脂などを用いてもよい。特に材質については制限はない。多孔板を配設した場合、水受け槽31の空間の影響を極小化でき、前記水受け槽31の上面を大きく開口させた場合よりも大幅に気流を安定化させることができる。
(第2例)
図5に示された第2例は、、水受け槽31の流入口に、流入方向への可動を許容する逆流防止ダンパ33を配設したものである。前記逆流防止ダンパ33は、通常時は、各羽根板が水平方向に保持されており、ダクト底面がほぼ平面に保たれている。水災害時には、各羽根板が水の重量により流入方向に回動し、水が水受け槽31内に落下する。通常時はほぼ開孔が無い状態で維持されているため、飛躍的に気流を安定化させることができる。
(第3例)
図6に示された第3例は、前記水受け槽31の流入口に、羽根板を間隔を空けて複数並設したルーバー34を配設したものである。羽根板の材質としては、金属板の他に樹脂などを用いてもよい。ルーバー34を配設した場合、水受け槽31の空間の影響を極小化でき、前記水受け槽31の上面を大きく開口させる場合よりも大幅に気流を安定化させることができる。
(水受け槽31の他の形態例)
図7に示される水受け槽31の例は、水受け槽31内の水を排出可能としたものである。水受け槽31の下面に開孔を設け、この開孔に連続して排出管35を設けるようにする。前記排出管35の内部には、ダクト内を流れる気体を外部に逃がさないようにするため、通常時は閉状態を保持し、水が流れた場合だけ流出方向に回動する逆流防止ダンパ36を設けるようにする。水封式トラップ(Uシール)を排出管35の途中に設けるようにしてもよい。
次に、図8に示される水受け槽31の例は、水災害時に止水装置1を越えて下流側に流れた水の多い場合の対応策として水受け槽31と共に、これと連続する補助水受け槽38を増設するようにしたものである。
図9に示される水受け槽31の例は、増量時にダクト自体を水受け槽とする構造例である。具体的には、前記水受け槽31と吹出口52との間に、水平状の流路39から上昇流路40を経て再度水平状の流路41に至るクランク状流路を形成するようにしたものである。同図9に示されるように、水受け槽31を溢れるほどの水が止水装置1を越えて流れたとしても、水平状の流路39が水受け槽として機能し、それ以上、下流側に流下させないようにできる。
1…止水ダンパ、2…流路空間、3・4…フランジ、5…上部収容空間、6…下部収容空間、10…検知槽、11…留め具、12…閉止板、13…ヒンジ部材、14…ストッパーアーム、15…水密部材、16…受枠、17…ストッパー受け台、18…ロッド棒、19…作動杆、20…フロートユニット、30…空調ダクト、31…水受け槽、32…多孔板、33…逆流防止ダンパ、34…ルーバー、38…補助水受け槽、39・41…水平状の流路、40…上昇流路

Claims (4)

  1. 水災害時に空調ダクトを通じて建屋内に水が浸入するのを防止する止水装置を備えた空調ダクトにおいて、
    前記止水装置の配設位置よりも下流側であって吹出口よりも上流側位置に、ダクト内の水が落下するようにダクト下面に水受け槽を設け、水災害時に前記止水装置が作動しダクトを封鎖するまでの間に止水装置を越えて下流側に流れた水を捕集するようにし、かつ前記水受け槽の流入口に、多孔板、流入方向への可動を許容する逆流防止ダンパ及び羽根板を間隔を空けて複数並設したルーバーの内のいずれかを配設することにより気流安定化対策を施したことを特徴とする止水装置を備えた空調ダクト。
  2. 前記水受け槽とは別に補助水受け槽を増設してある請求項1記載の止水装置を備えた空調ダクト。
  3. 前記水受け槽と吹出口との間に、水平状の流路から上昇流路を経て再度水平状の流路に至るクランク状流路を形成してある請求項1〜いずれかに記載の止水装置を備えた空調ダクト。
  4. 前記止水装置は、空調ダクト内に浸入した水が流れ込む検知槽と、前記検知槽に流れ込んだ水の自重に連動して留め具による掛止状態が解除され、重力落下によって流路を閉止する閉止板とが備えられ、前記閉止板は前記留め具に掛止された状態で、空気の流れを妨げない位置に配設されている請求項1〜いずれかに記載の止水装置を備えた空調ダクト。
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