以下に、本願の開示するプロジェクタ装置及び画像出力プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[プロジェクタシステムの外観構成]
また、本実施例に係るプロジェクタシステムの外観構成について説明する。図1は、実施例1に係るプロジェクタシステムの外観構成を示す斜視図である。図1に示すプロジェクタシステム10は、背面投影方式、いわゆるリアプロジェクション(rear-projection)を採用するプロジェクタ装置である。なお、プロジェクタシステム10は、車両の前部座席に乗る乗車者または車両の後部座席に乗る乗車者のいずれかの乗車者によって閲覧される表示装置として車両に搭載されるものとする。
かかる「リアプロジェクション」とは、プロジェクタ13によって投射される投影光をスクリーン11の背面から観察者が位置するスクリーンの正面に向けて透過させることにより、スクリーンの正面に画面を表示する方式を指す。なお、ここでは、スクリーン11のうち画像が投影される投影側の面、すなわちプロジェクタ13からスクリーン11を隔てた反対側に位置するユーザから見てスクリーン11の背中側に位置する面を「背面」と呼ぶ。また、スクリーン11のうち投影側の面とは反対側の面、すなわちユーザと正対するスクリーン11の面を「正面」と呼ぶ。
図1に示すように、プロジェクタシステム10は、スクリーン11と、ミラー12と、
プロジェクタ13と、暗箱14と、カメラ15と、コントローラ17とを有する。なお、以下では、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)などの携帯端末に搭載されるプロジェクタ機能、カメラ機能及び情報処理機能をプロジェクタ13、カメラ15及びコントローラ17として用いる場合を想定する。
このプロジェクタシステム10では、プロジェクタ13の投射口及びカメラ15のレンズが外光を遮断する暗箱14に覆われた状態で画像をスクリーン11に投影させる。これによって、プロジェクタシステム10では、スクリーン11に表示される画像に外光が与える影響を低減させ、表示画像のコントラスト(contrast)を向上させる。
また、プロジェクタシステム10では、暗箱14を小型化するために、プロジェクタ13からスクリーン11までの光路を直進させずに、ミラー32を用いて、プロジェクタ13から投射された投影光をスクリーン11に折り返す。
さらに、プロジェクタシステム10では、車両に乗る乗車者のうち特定の乗車者に限ってプロジェクタ13が投影する画像を閲覧させるために、プロジェクタ13によって投影される投影光の光路を制御するプリズムがスクリーン11の正面に配置される。
図2は、プロジェクタによって投影される投影光の光路の一例を示す図である。図2に示す11bは、フレネルレンズ(Fresnel lens)を指す。また、図2に示す符号20は、投影光の光路を制御するプリズムを指す。
図2に示すように、プロジェクタ13によって投影された投影光は、ミラー12で反射することによってその進行方向をスクリーン11の背面に向かって折り返す。このようにしてミラー12で反射した投影光は、スクリーン11の背面に配置されたフレネルレンズ11bに入射することよって拡散光から平行光となってスクリーン11を透過する。そして、スクリーン11の正面に透過した投影光は、プリズム20に入射することによって特定の乗車席、例えば運転席、助手席、前部座席または後部座席などに出射する。
ここで、図3〜図6を用いて、プリズムの構造及び機能について説明する。図3は、2人用のプリズムの一例を示す図である。図4は、プリズムを配置しない場合における投影光の測定方位及び輝度の相関関係を示すグラフである。図5は、2人用のプリズムを配置した場合における投影光の測定方位及び輝度の相関関係を示すグラフである。図6は、運転席用のプリズムの一例を示す図である。図4及び図5に示すグラフの横軸は、測定方位(deg)を示す。図4及び図5に示すグラフの縦軸は、輝度(cd/m2)を示す。
図3に示す2人用のプリズム20Bの正面は、二等辺三角形の頂角が凸状に連続して突出した構造を有する。一例として、プリズム20Bの二等辺三角形の頂角が130度であり、頂角のピッチが10μmとした場合を想定する。このようなプリズム20Bをスクリーン11の正面に配置した場合には、プリズム20Bを配置しない場合に比べて、光強度分布のピークを2つの方向に分けて投影光を投影できる。
図4に示すように、プリズム20Bを配置しない場合には、輝度のピークがスクリーン11の正面、すなわち測定方位「0度」で2300cd/m2程度の投影光が測定され、スクリーン11の正面から斜めにズレるにしたがって輝度が急激に下がる。このため、プリズム20Bを配置しない場合には、スクリーン11の正面に所在する者しか画面を閲覧することはできない。一方、図5に示すように、プリズム20Bを配置した場合には、輝度のピークがスクリーン11の正面から斜めにズレた2箇所、すなわち測定方位「−15度」及び「+15度」の2箇所で1000cd/m2程度の投影光が測定される。それゆえ、プリズム20Bを配置した場合には、前部座席に乗る乗車者、例えば運転席及び助手席に乗る乗車者が画面を閲覧できる。なお、ここでは、2人用のプリズムを前部座席に乗る乗車者に表示画像を閲覧させる場合を想定して以下の説明を行うが、後部座席に乗る乗車者に表示画像を閲覧させる場合に2人用のプリズムを用いることとしてもよい。
なお、ここでは、プリズムの正面に二等辺三角形の頂角を凸状に連続して突出させる構造を採用する場合を例示したが、プリズムの形状はこれに限定されない。一例としては、プリズムの正面に台形を凸状に連続して突出させる構造を採用した場合には、光強度分布のピークを3つの方向に分けて投影光を投影できる。このため、プロジェクタシステム10を後部座席用の表示装置として利用する場合には、3人の乗車者、例えば後部座席に乗る乗車者に表示画像を閲覧させることができる。
また、図6に示す運転席用のプリズム20Aの正面は、直角三角形の斜辺が運転席の方向を向いて連続的に突出した構造を有する。このようなプリズム20Aをスクリーン11の正面に配置した場合には、光強度分布のピークが測定される位置をスクリーン11の正面から運転席が所在する方向へシフトできる。これによって、車両に乗る乗車者のうち運転席に乗る運転者だけに表示画像を閲覧させることができる。なお、図6に示す例では、運転者に表示画像を閲覧させるプリズムを例示したが、直角三角形の斜辺を助手席の方向に向けて連続的に突出させた構造を採用した場合には、助手席に乗る乗車者だけに表示画像を閲覧させることができる。
ここで、上記のプリズムの背面には、運転席、助手席、前部座席または後部座席のうちいずれにプロジェクタ13の投影光を誘導するものであるかを示すプリズムコードが付与される。例えば、図3に示す2人用のプリズムには、前部座席にプロジェクタ13の投影光を誘導するプリズムであることを示すプリズムコード「ISOT130」が付与されている。また、図6に示す運転席用のプリズムには、運転席にプロジェクタ13の投影光を誘導するプリズムであることを示すプリズムコード「RT30」が付与されている。なお、図示は省略したが、2人用のプリズム及び運転席用のプリズムと同様にして、助手席にプロジェクタ13の投影光を誘導するプリズムであることを示すプリズムコードが付与された助手席用のプリズムをスクリーン11の正面に装着することもできる。また、後部座席にプロジェクタ13の投影光を誘導するプリズムであることを示すプリズムコードが付与された3人用のプリズムをスクリーン11の正面に装着することもできる。
これらのプリズムコードは、カメラ15に反転した文字を撮像させずに済むように、プリズムの背面にプリズムコードを構成する文字が標示される。かかるプリズムコードによって、本実施例に係るプロジェクタシステム10では、カメラ15によって撮像された撮画像に映るプリズムコードから運転席用、助手席用、2人用または3人用のうちいずれのプリズムが装着されているかを判別できる。
[プロジェクタシステムの機能構成]
続いて、本実施例に係るプロジェクタシステムの機能構成について説明する。図7は、実施例1に係るプロジェクタシステムの機能的構成を示すブロック図である。図7に示すように、プロジェクタシステム10は、プロジェクタ13と、カメラ15と、コントローラ17とを有する。なお、図7に示した機能部以外にも既知の携帯端末が有する各種の機能部を有するものとする。例えば、カメラ15が表示デバイスや音声出力デバイスと一体化されたユニットとして構成されてもよい。
スクリーン11は、プロジェクタ13によって投射された画像を映し出す平面である。かかるスクリーン11の一例としては、背面から投影される画像が正面に向けて透過散乱される半透明の物質、例えば「すりガラス」などを採用できる。
スクリーン11の正面には、図2に示すように、運転席用、助手席用、2人用または3人用のうちいずれかのプリズムが装着される。これらのプリズムは、車両に乗る乗車者によって任意のプリズムが自由に装着される得るものとする。また、スクリーン11の背面には、図2に示すように、投影光の指向性を向上させるために、スクリーン11及びプロジェクタ13の距離と同等の焦点距離を持つフレネルレンズ11bが配置される。
プロジェクタ13は、画像をスクリーン11に投影することにより表示するユニットである。かかるプロジェクタ13がスクリーン11に投影する画像は、プロジェクタ13と接続される後述のコントローラ17によって供給される。
かかるプロジェクタ13の一例としては、携帯電話やPHSなどの携帯端末に搭載されるプロジェクタを始め、公知のプロジェクタを好適に採用できる。なお、プロジェクタ13は、プロジェクタ13によって投影される画像がスクリーン11の所定のスペース、例えばスクリーン全面に投影できる程度に焦点距離を調節して配置されるのが好ましい。
カメラ(camera)15は、画像を撮像するユニットである。かかるカメラ15の一例としては、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などが挙げられる。また、かかるカメラ15の一例としては、上記のプロジェクタ13と同様に、携帯端末に搭載されるカメラを採用できる。なお、カメラ15がスクリーン11の背面を撮像した撮画像は、カメラ15と接続される後述のコントローラ17に出力される。
ここで、カメラ15は、スクリーン11の背面に投影される画像を含む領域を撮像可能に配置される。一例としては、スクリーン11の背面に投影される画像とともにスクリーン11の正面に装着されたプリズム20を撮像可能に配置される。図1に示す例で言えば、スクリーン11に画像を投影するプロジェクタ13と略同一の位置にカメラ15の光軸を投影方向に向けて配置される。このとき、プロジェクタ13及びカメラ15が連結された携帯端末を使用する場合には、プロジェクタ13が画像を投影する方向と、カメラ15が撮像する方向とが合わない場合もある。この場合には、スクリーン11の背面をカメラ15の光軸に結像させるためのプリズムをカメラ15に設けることもできる。
コントローラ17は、プロジェクタ13及びカメラ15を制御するユニットである。コントローラ17は、入力部17aと、アプリ実行部17bと、供給部17cと、取得部17dと、認識部17eと、決定部17fとを有する。
入力部17aは、各種の情報の指示入力を受け付ける入力デバイス(device)である。例えば、入力部17aは、利用者による操作を介して、携帯端末にインストールされているナビゲーションのアプリケーションプログラム、以下「ナビアプリ」に対する指示操作を受け付ける。また、入力部17aは、利用者による操作を介して、携帯端末にインストールされているテレビチューナ(television tuner)のアプリケーションプログラム、以下「ワンセグ(1 segment broadcasting)」に対する指示操作を受け付ける。
かかる入力部17aの一態様としては、各種の操作キーを採用できる。一例としては、数字および文字等を入力するテンキー(ten+key)、さらには、メニューを選択したり、画面表示をスクロールしたりなどに用いられるカーソルキー(cursor key)などが挙げられる。また、入力部17aの他の態様としては、タッチパネル(touch panel)を採用できる。
アプリ実行部17bは、ナビアプリやワンセグなどのアプリの実行を制御する処理部である。一例としては、アプリ実行部17bは、入力部17aからの指示操作により「ナビアプリ」や「ワンセグ」の起動が指示された場合や起動中のアプリにコマンドの実行が指示された場合にアプリを動作させる。その上で、アプリ実行部17bは、「ナビアプリ」や「ワンセグ」を実行することにより得られた処理結果の表示用イメージを表示画像として後述の決定部17fに出力する。
供給部17cは、後述の決定部17fによる指示にしたがって、プロジェクタ13に表示させる画像を供給する処理部である。一例として、供給部17cは、プロジェクタ13が起動されている場合に、後述の決定部17fによってプロジェクタ13に投影させることが決定された表示画像をプロジェクタ13に出力する。
取得部17dは、カメラ15によって撮像された撮画像を取得する処理部である。一例としては、取得部17dは、プロジェクタ13が起動されたことを契機に、カメラ15を起動する。そして、取得部17dは、プロジェクタ13の電源をOFFする電源OFF操作が受け付けられるまで、カメラ15から撮画像を取得してその撮画像を後述の認識部17eに出力する。その後、取得部17dは、プロジェクタ13の電源がOFFされると、カメラ15の電源もOFFにする。なお、以下では、カメラ15によって撮像された撮画像、すなわちスクリーン11に投影された画像とともにプリズム20が撮像された撮画像を「カメラ画像」と呼ぶ。
認識部17eは、カメラ画像に映るプリズムコードを認識する処理部である。一例としては、認識部17eは、文字や記号の特徴が表現されたテンプレート画像を図示しない作業用メモリから読み出す。かかるテンプレート画像の一例には、仮名、漢字、英字や数字の画像などが含まれる。そして、認識部17eは、カメラ15によって撮像されたカメラ画像のうちプリズムコードが映ると想定される領域と、作業用メモリから読み出したテンプレート画像とをマッチングする。かかるテンプレートマッチングにより、認識部17eは、カメラ画像に映るプリズムコードを構成する文字を認識することによりプリズムコードを抽出する。
決定部17fは、認識部17eによってカメラ画像から抽出されたコードに基づいて、プロジェクタ13に投影させる画像の内容を決定する処理部である。すなわち、決定部17fは、プリズム20を含んだ画像から抽出されるコードに基づいて、運転席用の画像、助手席用の画像、前部座席用の画像または後部座席用の画像のうちいずれの画像をプロジェクタ13に投影させるかを決定する。
これを説明すると、決定部17fは、図示しない作業メモリに記憶されたコード対応表から、カメラ画像から認識されたプリズムコードを検索する。かかるコード対応表の一例としては、プリズムコードごとにプリズムコードが運転席用のプリズム、助手席用のプリズム、2人用のプリズムまたは3人用のプリズムのいずれの種類のプリズムに付与されるコードであるのかを示すコード種別が対応付けて記憶される。例えば、図3及び図6の例で言えば、プリズムコード「ISOT130」とコード種別「2人用コード」とが対応付けて記憶され、また、プリズムコード「RT30」とコード種別「運転席用コード」とが対応付けて記憶される。このような検索によってコード種別が判別すると、決定部17fは、コード種別に適合する表示メニューを選択する。
例えば、コード種別が「運転者用コード」と判別した場合には、決定部17fは、運転席に乗る運転者向けに定められた「運転席用メニュー」を選択する。このようにして「運転席用メニュー」が選択された場合には、アプリ実行部17bによって出力される表示画像のうち静止画の表示を許可する一方で動画の表示を禁止するポリシーが適用される。一例としては、ナビアプリの表示は許可される一方でワンセグを含む動画の表示が禁止される。かかるポリシーは、運転に集中すべき運転者の注意を他のことにそらさないようにするために設定される。
また、コード種別が「助手席用コード」と判別した場合には、決定部17fは、助手席に乗る乗車者向けに定められた「助手席用メニュー」を選択する。このようにして「助手席用メニュー」が選択された場合には、アプリ実行部17bによって出力される表示画像の表示を全て許可するポリシーが適用される。かかるポリシーは、運転者の場合とは異なり、運転に注意を払う必要がないので、乗車者が望む画像を表示できるように設定される。
また、コード種別が「2人用コード」と判別した場合には、決定部17fは、前部座席に乗る乗車者向けに定められた「2人用メニュー」を選択する。このようにして「2人用メニュー」が選択された場合には、アプリ実行部17bによって出力される表示画像のうち静止画の表示を許可する一方で動画の表示を禁止するポリシーが適用される。一例としては、ナビアプリの表示は許可される一方でワンセグを含む動画の表示が禁止される。かかるポリシーは、運転に注意を払う必要のない乗車者だけでなく、運転に集中すべき運転者にもプロジェクタ13によって投影される画像が閲覧されるので、2人のうち運転者に合わせた設定がなされる。
また、コード種別が「3人用コード」と判別した場合には、決定部17fは、後部座席に乗る乗車者向けに定められた「3人用メニュー」を選択する。このようにして「3人用メニュー」が選択された場合には、アプリ実行部17bによって出力される表示画像の表示を全て許可するとともに、輝度が所定の条件、例えば画像の平均輝度が閾値であることを満たす画像だけ表示するのを推奨するポリシーが適用される。かかるポリシーは、運転者の場合とは異なり、運転に注意を払う必要がないので、乗車者が望む画像を表示させるために設定される。また、上記のポリシーは、投影光が3人の座る方向に拡散して表示されることが原因で光の強度が落ちることにより表示画像が見にくくなるのを防止するために設定される。この「3人用メニュー」が選択された場合には、アプリ実行部17bによって出力された表示画像の輝度を入力されたものよりも上げて供給部17cに出力するようにしてもよい。また、表示画像の高周波成分及び低周波成分のダイナミックレンジを圧縮する補正を行うことによってコントラストを向上させた上で供給部17cに出力するようにしてもよい。
ここで、図8を用いて、カメラ画像が撮像されてから表示メニューが選択されるまでの一連の流れの具体例を例示する。図8は、カメラ画像の一例を示す図である。図8に示すように、スクリーン11に投影される画像とともにプリズム20を含んだカメラ画像が取得部17dによって取得される。そして、認識部17eによって文字認識が実行されることによってカメラ画像からプリズムコード「ISOT130」が抽出する。このようにして抽出されたプリズムコード「ISOT130」は、コード種別「2人用コード」に対応するので、決定部17fによって表示メニュー「2人用メニュー」が選択される。その後、プリズム20が他のプリズムに装着されない限りは、アプリ実行部17bによって出力される表示画像のうち「2人用メニュー」のポリシーを満たす表示画像だけが決定部17fによって供給部17cに出力される。
なお、図7に示したコントローラ17に含まれるアプリ実行部17b、供給部17c、取得部17d、認識部17e及び決定部17fには、各種の集積回路や電子回路を採用できる。また、コントローラ17に含まれる機能部の一部を別の集積回路や電子回路とすることもできる。例えば、集積回路としては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。また、電子回路としては、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などが挙げられる。
[処理の流れ]
図9は、実施例1に係る投影内容決定処理の手順を示すフローチャートである。この投影内容決定処理は、プロジェクタ13が起動された場合に開始される処理であり、プロジェクタ13の電源がOFFにされるまで再帰的に繰り返して実行される。
図9に示すように、プロジェクタ13が起動されると(ステップS101)、決定部17fは、スクリーン11への投影開始時に表示する初期画面をプロジェクタ13に投影させる(ステップS102)。そして、取得部17eは、カメラ15を起動して、スクリーン11に投影される画像を含む領域の撮像を開始させる(ステップS103)。
続いて、取得部17dは、カメラ15によって撮像されたカメラ画像を取得する(ステップS104)。そして、認識部17eは、カメラ画像に文字認識を実行してカメラ画像に映るプリズムコードを抽出する(ステップS105)。
このとき、カメラ画像からプリズムコードを抽出できなかった場合(ステップS106否定)には、決定部17fは、スクリーン11の正面に所在する1人の乗車者に向けに定められた「1人用メニュー」を選択する(ステップS107)。なお、「1人用メニュー」が設定された場合には、アプリ実行部17bによって出力される表示画像の表示を全て許可するポリシーが適用される。
また、プリズムコードのコード種別が「運転者用コード」である場合(ステップS106肯定かつステップS108肯定)には、決定部17fは、運転席に乗る運転者向けに定められた「運転席用メニュー」を選択する(ステップS109)。
また、プリズムコードのコード種別が「助手席用コード」である場合(ステップS108否定かつステップS110肯定)には、決定部17fは、助手席に乗る乗車者向けに定められた「助手席用メニュー」を選択する(ステップS111)。
また、プリズムコードのコード種別が「2人用コード」である場合(ステップS110否定かつステップS112肯定)には、決定部17fは、前部座席に乗る乗車者向けに定められた「2人用メニュー」を選択する(ステップS113)。
また、プリズムコードのコード種別が「3人用コード」である場合(ステップS112否定かつステップS114肯定)には、決定部17fは、後部座席に乗る乗車者向けに定められた「3人用メニュー」を選択する(ステップS115)。
その後、決定部17fは、ステップS107、ステップS109、ステップS111、ステップS113またはステップS115で選択された表示メニューにしたがってプロジェクタ13に画像を投影させる(ステップS116)。
そして、プロジェクタ13の電源OFF操作が実行されない限りは(ステップS117否定)、上記のステップS104〜ステップS116までの処理を繰り返し実行する。その後、プロジェクタ13の電源OFF操作が実行された場合(ステップS117肯定)には、カメラ15の電源をOFFにして処理を終了する。
[実施例1の効果]
上述してきたように、本実施例に係るプロジェクタシステム10は、車両に搭載されるスクリーン11に投影された画像を含む領域が撮像されたカメラ画像から抽出される、プリズム20のコードに基づいて画像をプロジェクタ13に表示させる。このため、本実施例に係るプロジェクタシステム10では、プロジェクタ13が搭載される車両の環境に関する情報を検知した上でそれに合わせてプロジェクタ13に表示させる画像を決定できる。よって、本実施例に係るプロジェクタシステム10によれば、車両に乗る乗車者に合った情報を提示することが可能である。
さらに、本実施例に係るプロジェクタシステム10は、プロジェクタ13によって投影される投影光の光路を制御するプリズム20を含んだ画像を撮像する。さらに、本実施例に係るプロジェクタシステム10は、プリズム20を含んだ画像から抽出されるプリズムコードに基づいて、運転席用の画像、助手席用の画像、前部座席用の画像又は後部座席用の画像のうちいずれの画像をプロジェクタ13に投影させるかを決定する。このため、本実施例に係るプロジェクタシステム10では、各乗車者が乗車する車両内の座席位置に応じてプロジェクタ13に画像を投影させることができる。よって、本実施例に係るプロジェクタシステム10によれば、各乗車者の座席位置に合った情報を提示することが可能である。
また、本実施例に係るプロジェクタシステム10は、携帯端末に搭載されるプロジェクタ機能、カメラ機能及び情報処理機能をプロジェクタ13、カメラ15及びコントローラ17として使用する。よって、本実施例に係るプロジェクタシステム10では、専用のプロジェクタを用いる場合よりも携帯性に優れるとともに、既存のナビゲーションシステムや乗車者位置検出用車載カメラなどの機器と連携せずとも、各乗車者の座席位置に合った情報を提示することが可能である。
さらに、本実施例に係るプロジェクタシステム10は、プロジェクタ13によって投影される投影光の光路を制御するプリズムをスクリーン11の正面に配置することにより、各乗車者の座席位置に合った情報の提示を実現する。それゆえ、本実施例に係るプロジェクタシステム10では、垂直透過スリットなどの視差光学機器を用いてディスプレイに相対して左右の位置に所在する閲覧者への閲覧を制限する場合よりも、各乗車者の座席位置に合った多様な情報を提示することが可能である。
さて、上記の実施例1では、カメラ画像から抽出されるプリズムコードに基づいてプロジェクタ13に表示させる画像を決定する場合を説明したが、他のコードによってプロジェクタ13に表示させる画像を決定することもできる。そこで、本実施例では、外光遮断部材の一態様である暗箱を含んだカメラ画像から抽出される暗箱コードに基づいてプロジェクタ13に表示させる画像を決定する場合について説明する。
図10は、実施例2に係るプロジェクタシステムの外観構成を示す斜視図である。図10に示すように、本実施例に係るプロジェクタシステム30は、図1に示したプロジェクタシステム10に比較して、スクリーン11の正面に配置されるプリズムの代わりに、暗箱40の内面に暗箱コード40aが付与される点が異なる。かかる暗箱コード40aは、暗箱40が搭載される車両の車種と対応付けられたコードであり、一例としては、スクリーン11の背面の下部に付与される。例えば、図10に示す暗箱40には、車両が車種「車種A」と対応付けられた暗箱コード「B2010−0001」が付与されている。暗箱コードは車種を直接示すコードでもよく、車種と対応付けられるシリアル番号であっても良い。
図11は、実施例2に係るプロジェクタシステムの機能的構成を示すブロック図である。なお、以下では、上記の実施例1で説明したプロジェクタシステム10との間で異なる機能部について説明し、同一の機能を発揮する機能部についてはその説明を省略する。
図11に示すように、本実施例に係るプロジェクタシステム30は、図7に示したプロジェクタシステム10に比較して、コントローラ31が有する機能部の一部が異なる。すなわち、図11に示すコントローラ31は、図7に示した取得部17d、認識部17e及び決定部17fに比較して、通信部34をさらに有するとともに、取得部32、認識部33及び決定部35が発揮する機能が異なる。
取得部32は、図7に示した取得部17dに比較して、カメラ15によって撮像されたカメラ画像を取得する処理を実行する点は共通するが、スクリーン11に投影された画像とともに暗箱コードを持つ暗箱40が撮像されたカメラ画像を取得する点が異なる。
認識部33は、図7に示した認識部17eに比較して、カメラ画像に文字認識を同様に実行する一方で、カメラ画像に映る暗箱コードを構成する文字を認識することにより暗箱コードを抽出する点が異なる。
通信部34は、外部装置との間で通信を実行する処理部である。一例としては、後述の決定部35の指示に基づき、車両に情報提供を行う図示しないサーバ装置との間でキャリア(carrier)による通信を行う。
ここで、サーバ装置は、暗箱コードごとに暗箱コードが示す車種が対応付けられた車種対応表を記憶する。例えば、図11の例で言えば、暗箱コード「B2010−0001」と車種「車種A」とが対応付けて記憶される。さらに、サーバ装置は、車種ごとにその車種に対応するコンテンツを対応付けて記憶するコンテンツデータベースを有する。一例としては、コンテンツデータベースには、ファミリーカーに属する車種にファミリー向けのコンテンツが対応付けて記憶される。他の一例としては、コンテンツデータベースには、スポーツタイプに属する車種に若者向けのコンテンツが対応付けて記憶される。
このサーバ装置で実行される処理を説明すると、サーバ装置は、後述の決定部35から暗箱コードを受信すると、暗箱コードに対応する車種を車種対応表から検索する。かかる検索によってコード種別が判別すると、サーバ装置は、コンテンツデータベースから車種に対応するコンテンツを抽出し、抽出したコンテンツをコントローラ31に応答する。このようにして、サーバ装置は、暗箱コードを送信したコントローラ31に車種に適合するコンテンツを提供する。なお、サーバ装置は、暗箱コードごとに過去に選択されたコンテンツの履歴を収集しておき、コントローラ31から暗箱コードを受信した場合に、高頻度で要求されるコンテンツを優先的に提供するようにしてもよい。また、サーバ装置は、暗箱コードを車両の識別情報とし、暗箱コードごとにその暗箱コードを持つプロジェクタシステム30が搭載される車両が走行した場所、経路、距離、速度などを収集することとしてもよい。
決定部35は、認識部33によって抽出された暗箱40の暗箱コードに基づいて、車両の車種に応じた画像の内容を決定する。一例としては、決定部35は、認識部33によって抽出された暗箱コードを図示しないサーバ装置に送信することにより、サーバ装置から車種に合ったコンテンツを取得してそのコンテンツをプロジェクタ13に投影させる画像とする。なお、ここでは、サーバ装置によって車種対応表が保持される場合を説明したが、決定部35が図示しない内部メモリに車種対応表を保持しておいてもよく、決定部35によって車種をサーバ装置に通知させることとしてもよい。
ここで、図12を用いて、カメラ画像が撮像されてからコンテンツが表示されるまでの一連の流れの具体例を例示する。図12は、カメラ画像の一例を示す図である。図12に示すように、スクリーン11に投影される画像とともに暗箱40を含んだカメラ画像が取得部32によって取得される。そして、認識部33によって文字認識が実行されることによってカメラ画像から暗箱コード「B2010−0001」が抽出される。このようにして抽出された暗箱コード「B2010−0001」は、決定部35によってサーバ装置に送信される。そして、暗箱コード「B2010−0001」は、車種「車種A」に対応するので、車種Aに合ったコンテンツがサーバ装置によって決定部35に応答される。
図13は、実施例2に係る投影内容決定処理の手順を示すフローチャートである。この投影内容決定処理は、プロジェクタ13が起動された場合に開始される処理であり、プロジェクタ13の電源がOFFにされるまで再帰的に繰り返して実行される。
図13に示すように、プロジェクタ13が起動されると(ステップS301)、決定部35は、スクリーン11への投影開始時に表示する初期画面をプロジェクタ13に投影させる(ステップS302)。そして、取得部32は、カメラ15を起動して、スクリーン11に投影される画像を含む領域の撮像を開始させる(ステップS303)。
続いて、取得部32は、カメラ15によって撮像されたカメラ画像を取得する(ステップS304)。そして、認識部33は、カメラ画像に文字認識を実行してカメラ画像に映る暗箱コードを抽出する(ステップS305)。
ここで、決定部35は、暗箱コードが抽出された場合(ステップS306肯定)には、認識部33によって抽出された暗箱コードを図示しないサーバ装置に送信することにより、サーバ装置から車種に合ったコンテンツを取得する(ステップS307)。そして、決定部35は、ステップS307で取得したコンテンツをプロジェクタ13に投影させる(ステップS308)。
一方、カメラ画像から暗箱コードを抽出できなかった場合(ステップS306否定)には、決定部35は、サーバ装置からコンテンツを取得せずに、アプリ実行部17bによって出力された表示画像をプロジェクタ13に投影させる(ステップS308)。
そして、プロジェクタ13の電源OFF操作が実行されない限りは(ステップS309否定)、上記のステップS308の処理、すなわちプロジェクタ13による画像の投影を繰り返し実行する。その後、プロジェクタ13の電源OFF操作が実行された場合(ステップS309肯定)には、カメラ15の電源をOFFにして処理を終了する。
[実施例2の効果]
上述してきたように、本実施例に係るプロジェクタシステム30は、車両に搭載されるスクリーン11に投影された画像を含む領域が撮像されたカメラ画像から抽出される、暗箱40のコードに基づいて画像をプロジェクタ13に表示させる。このため、本実施例に係るプロジェクタシステム30では、プロジェクタ13が搭載される車両の環境に関する情報を検知した上でそれに合わせてプロジェクタ13に表示させる画像を決定できる。よって、本実施例に係るプロジェクタシステム30によれば、上記の実施例1と同様に、車両に乗る乗車者に合った情報を提示することが可能である。
さらに、本実施例に係るプロジェクタシステム30は、暗箱40を含んだ画像を撮像し、暗箱40を含んだ画像から抽出される暗箱コードに基づいて、車両の車種に応じた画像の内容を決定する。それゆえ、本実施例に係るプロジェクタシステム30によれば、乗車者が実際に乗車する車両の車種に合った情報を提示することが可能である。
さて、上記の実施例2では、カメラ画像から抽出される暗箱コードに基づいてプロジェクタ13に表示させる画像を決定する場合を説明したが、他のコードによってプロジェクタ13に表示させる画像を決定することもできる。そこで、本実施例では、表示灯を含んだカメラ画像から抽出される表示灯コードに基づいてプロジェクタ13に表示させる画像を決定する場合について説明する。
図14は、実施例3に係るプロジェクタシステムの外観構成を示す斜視図である。図14に示すように、本実施例に係るプロジェクタシステム50は、図10に示したプロジェクタシステム30に比較して、スクリーン11の正面に配置される暗箱の代わりに、暗箱40の内面に設けられた表示灯60によって表示灯コードが表示される点が異なる。
図14に示す表示灯60は、車両の速度が増加するにしたがって点灯するランプを増加させる表示器である。この表示灯60は、図示しない速度メータまたはECU(Engine Control Unit)と接続されており、暗箱14の奥側のミラーの下部に配置される。一例として、車両の速度が停車状態である0km/hから20km/h増加する度にLED(light emitting diode)等のランプを赤色に発光させる。図示の例では、ランプが2つ赤色で表示されているので、車両が40km/h〜60km/hの速度帯域で走行していることを示す。このようにして、車両の走行状態の一態様である車両の速度を表す表示灯60のランプの点灯状態を表示灯コードと呼ぶ。
なお、ここでは、表示灯60が車両の速度を表示灯コードとして表示する場合を例示したが、他の車両の走行状態、例えばエンジンの回転数などを表示灯コードとして表示することとしてもよい。また、ここでは、ランプの点灯状態により表示灯コードを表示する場合を例示したが、デジタル表示やバーコード表示によって表示灯コードを表現することとしてもよい。
図15は、実施例3に係るプロジェクタシステムの機能的構成を示すブロック図である。なお、以下では、上記の実施例2で説明したプロジェクタシステム30との間で異なる機能部について説明し、同一の機能を発揮する機能部についてはその説明を省略する。
図15に示すように、本実施例に係るプロジェクタシステム50は、図11に示したプロジェクタシステム30に比較して、コントローラ51が有する機能部の一部が異なる。すなわち、図15に示すコントローラ51は、図11に示した取得部32、認識部33及び決定部35に比較して、取得部52、認識部53及び決定部55が発揮する機能が異なる。
取得部52は、図11に示した取得部32に比較して、カメラ15によって撮像されたカメラ画像を取得する処理を実行する点は共通するが、スクリーン11に投影された画像とともに表示灯60が撮像されたカメラ画像を取得する点が異なる。
認識部53は、図11に示した認識部33に比較して、カメラ画像に文字認識を同様に実行する一方で、カメラ画像に映る表示灯60の点灯状態を認識することにより表示灯コードを抽出する点が異なる。
通信部54は、外部装置との間で通信を実行する処理部である。一例としては、後述の決定部55の指示に基づき、車両に情報提供を行う図示しないサーバ装置との間でキャリア(carrier)による通信を行う。
ここで、サーバ装置は、表示灯コードごとに表示灯コードが示す速度帯域が対応付けられた速度対応表を記憶する。例えば、図14の例で言えば、表示灯コード「赤ランプ2つ」と速度「40km/h〜60km/h」とが対応付けて記憶される。さらに、サーバ装置は、速度帯域ごとにその速度帯域に対応するコンテンツを対応付けて記憶するコンテンツデータベースを有する。一例としては、コンテンツデータベースには、高速度、例えば60km/h超過に高速道路向けのコンテンツが対応付けて記憶される。
このサーバ装置で実行される処理を説明すると、サーバ装置は、後述の決定部55から表示灯コードを受信すると、表示灯コードに対応する速度を速度対応表から検索する。かかる検索によって速度が判別すると、サーバ装置は、コンテンツデータベースから速度に対応するコンテンツを抽出し、抽出したコンテンツをプロジェクタシステム50に応答する。このようにして、サーバ装置は、表示灯コードを送信したプロジェクタシステム50に車両の速度に適合するコンテンツを提供する。なお、サーバ装置は、車両の速度に適したコンテンツのみならず、プロジェクタシステム50で動作するナビアプリと連動して場所に適したコンテンツを提供するようにしてもよい。
決定部55は、認識部53によって抽出された表示灯コードに基づいて、車両の速度に応じた画像の内容を決定する。一例としては、決定部55は、認識部53によって抽出された表示灯コードを図示しないサーバ装置に送信することにより、サーバ装置から速度に合ったコンテンツを取得してそのコンテンツをプロジェクタ13に投影させる画像とする。なお、ここでは、サーバ装置によって速度対応表が保持される場合を説明したが、決定部55が図示しない内部メモリに速度対応表を保持しておいてもよく、決定部55によって速度をサーバ装置に通知させることとしてもよい。
ここで、図16を用いて、カメラ画像が撮像されてからコンテンツが表示されるまでの一連の流れの具体例を例示する。図16は、カメラ画像の一例を示す図である。図16に示す符号71は、カメラ画像のうち暗箱14内をミラー12を介して撮像される部分を指す。図16に示す符号72は、カメラ画像のうちミラー12を介さず、直接撮像される部分を指す。図16に示すように、スクリーン11に投影される画像とともに表示灯60を含んだカメラ画像が取得部52によって取得される。そして、認識部53によって表示灯60のランプの点灯状態が認識されることによってカメラ画像から表示灯コード「赤ランプ2つ」が抽出される。このようにして抽出された表示灯コード「赤ランプ2つ」は、決定部55によってサーバ装置に送信される。そして、表示灯コード「赤ランプ2つ」は、速度「40km/h〜60km/h」に対応するので、速度「40km/h〜60km/h」に合ったコンテンツがサーバ装置によって決定部55に応答される。
図17は、実施例3に係る投影内容決定処理の手順を示すフローチャートである。この投影内容決定処理は、プロジェクタ13が起動された場合に開始される処理であり、プロジェクタ13の電源がOFFにされるまで再帰的に繰り返して実行される。
図17に示すように、プロジェクタ13が起動されると(ステップS501)、決定部55は、スクリーン11への投影開始時に表示する初期画面をプロジェクタ13に投影させる(ステップS502)。そして、取得部52は、カメラ15を起動して、スクリーン11に投影される画像を含む領域の撮像を開始させる(ステップS503)。
続いて、取得部52は、カメラ15によって撮像されたカメラ画像を取得する(ステップS504)。そして、認識部53は、カメラ画像に画像認識を実行してカメラ画像に映る表示灯コードを抽出する(ステップS505)。
ここで、決定部55は、認識部53によって抽出された表示灯コードを図示しないサーバ装置に送信することにより、サーバ装置から速度に合ったコンテンツを取得する(ステップS506)。そして、決定部55は、ステップS506で取得したコンテンツをプロジェクタ13に投影させる(ステップS507)。
そして、プロジェクタ13の電源OFF操作が実行されない限りは(ステップS508否定)、上記のステップS504〜ステップS507の処理を繰り返し実行する。その後、プロジェクタ13の電源OFF操作が実行された場合(ステップS508肯定)には、カメラ15の電源をOFFにして処理を終了する。
[実施例3の効果]
上述してきたように、本実施例に係るプロジェクタシステム50は、車両に搭載されるスクリーン11に投影された画像を含む領域が撮像されたカメラ画像から抽出される、表示灯60のコードに基づいて画像をプロジェクタ13に表示させる。このため、本実施例に係るプロジェクタシステム50では、プロジェクタ13が搭載される車両の環境に関する情報を検知した上でそれに合わせてプロジェクタ13に表示させる画像を決定できる。よって、本実施例に係るプロジェクタシステム50によれば、上記の実施例1と同様に、車両に乗る乗車者に合った情報を提示することが可能である。
さらに、本実施例に係るプロジェクタシステム50は、車両の走行状態を示す表示灯60を含んだ画像を撮像し、表示灯60を含んだ画像から抽出される表示灯コードに基づいて、車両の走行状態に応じた画像の内容を決定する。それゆえ、本実施例に係るプロジェクタシステム50によれば、車両が実際に走行している走行状態に合った情報を提示することが可能である。