JP5591518B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Description
このようなコイルアレイによれば、各要素コイルの検出信号を合成することにより、高感度を維持したまま撮像領域を拡大することができる。よって、そのようなNMR信号検出の高感度化と、撮像領域の拡大化とを両立させるためには、コイルアレイを構成する要素コイルを小型化して多数配列することが有効である。
このような場合、各要素コイルの数に合わせてその出力信号(アナログ信号)の受信チャンネルを設けることは、MRI装置の複雑化・大型化及びコスト上昇を招来する問題がある。このため、少ない受信チャンネルで撮像が可能となるように、分散する複数部位を一つずつ特定し、そのNMR信号を検出する要素コイルを限定させ、アナログ信号を切り替えながら受信チャンネルで受信する撮像方式がとられている(例えば、特許文献1)。
また、被検体を腹側と背側を挟むように構成されるコイルアレイを使用する場合においては、撮像領域がさらに狭くなる問題がある。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すようにMRI装置10は、被検体Pに調整された磁場を付与してRF波を照射する本体部20と、この被検体Pからの応答波(NMR信号)を受信してアナログ信号を出力するコイルアレイ50(50A,50B)と、この本体部20の動作を制御するとともにアナログ信号を入力して画像化する制御部30と、オペレータ(図示略)により撮像条件が入力される入力部11と、被検体Pの撮像結果を画像表示する表示部12と、各種処理を実行させるプログラムやパラメータや画像等の電子データを記憶する記憶部13と、から構成されている。
なおここで、被検体Pが載置される円筒形状のボアBの中心軸をZ軸にとりZ軸と直交する水平方向にX軸及び鉛直方向にY軸を定義する。
そして、このラーモア周波数と同じRFパルスを照射すると、原子は共鳴しエネルギーを吸収して励起する核磁気共鳴現象(NMR現象;Nuclear Magnetic Resonance)を発現する。このNMR現象を発現させた後に、RFパルス照射を停止すると、原子はエネルギーを放出して元の定常状態に戻る緩和過程で、ラーモア周波数と同じ周波数の電磁波(NMR信号)を出力する。
この出力されたNMR信号を被検体Pからの応答波としてコイルアレイ50で受信し、制御部30において被検体Pの画像化が実行される。
制御部30は、静磁場電源31と、傾斜磁場電源32と、送信部33と、受信部40と、シーケンス設定部35と、受信した応答信号を演算処理して画像化データにする演算部36と、寝台24をZ軸方向の任意位置に移動させる寝台移動部37と、から構成される。
また、制御部30は、各機能部を動作させるコンピュータであって、記憶部13にインストールされたプログラムに基づいて指定された演算やデータ処理を演算部36やシーケンス設定部35で実行させるものである場合も含まれる。
これらXコイル、Yコイル及びZコイルは、それぞれX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向を順番に切り替えながら、ボアB内の均一磁場に対し傾斜磁場を重畳させ、静磁場に強度勾配を付与するものである。
ここで、パルスシーケンスは、傾斜磁場発生手段22の動作を規定する傾斜磁場パルス、及びRF照射部23の動作を規定するRFパルスの振幅やon/offタイミングの組み合わせで定義される。
なお、RF照射部23は、図1において本体部20に内蔵されているが、寝台24に設けられていたり、コイルアレイ50と一体化されていたりする場合もある。
図2に例示されるコイルアレイ50は、X軸方向が4列でZ軸方向が8列の合計32個の要素コイルC(C1A〜C4H)からなる脊椎用コイルアレイ50Aと、X軸方向が4列でZ軸方向も4列の合計16個の要素コイルC(C1I〜C4L)からなる腹部用コイルアレイ50Bとから構成されている。
なお、合成部41(41−1〜41−24)の設置位置は、このコイルアレイ50に限定されるものではなく、受信部40に設けられる場合もある。
具体的には、合成信号(a+b)は二つのアナログ信号a,bを同位相で合成し、差分信号(a−b)は二つのアナログ信号a,bの一方の位相を反転させて(180°位相をずらして)合成することによって得る。
ここで合成信号(a+b)は、対応する二つの小口径の要素コイルC1,C2が合体して一つの大口径の要素コイルから出力されたアナログ信号とみなすことができる。つまり、合成信号(a+b,c+d)に基づいて画像形成するとすれば、デジタル変換処理する合成信号の数を減らすことができる。このために画像解像度が低下するものの、デジタル変換の処理対象とする要素コイルCの数を増やし、撮像領域を拡張することができる。
変換部43は、要素コイルCの数よりも少ない数(図3では8個)の受信チャネル44(441〜448)を有し、入力した合成信号又は差分信号をデジタル信号に変換し出力するものである。
ここで、受信チャネル44の個数は、画像解像度の向上及び撮像領域の拡大の観点からは多いことが望まれるが、MRI装置10の小型化及び低コスト化の観点からは少ないことが望ましく、撮像対象(目的)に応じて最適値が選ばれる設計項目である。
撮像領域IIは、脊椎用コイルアレイ50Aを用いて被検体Pの左側下半身を高解像度で撮像する設定であり、Z軸方向第1列と第2列の下側半分の要素コイルCを選択し、それらからの合成信号(a+b)と差分信号(a−b)を用いて画像形成するものである。
なお、図示した撮像領域は例示であって、任意の要素コイルCを選択し、受信チャネル44の数を超えない範囲で合成信号及び差分信号を入力し、画像形成することができる。
静磁場電源31から静磁場発生手段21に電流を供給しボアBに均一な静磁場を生成する。この状態でコイルアレイ50(50A,50B)を配置した被検体Pを寝台24上に載置して、ボアBに挿入し撮像領域が静磁場の均一領域の中心に位置するように寝台移動部37を調整する。
次に、入力部11から、NMR信号を受信させる要素コイルCの選択(撮像領域の設定)、合成部41における出力を合成信号及び差分信号にするかもしくは合成信号のみにするかの選択(画像解像度の選択)、並びに所定の検査パラメータを入力する。
そして、シーケンス設定部35において、設定されたパルスシーケンスに基づき傾斜磁場電源32及び送信部33を動作させ、傾斜磁場発生手段22及びRF照射部23を駆動させる。
図5を参照して第2実施形態に係るMRI装置の説明を行う。
第2実施形態に係るMRI装置の特徴は、要素コイルCと合成部41との間にスイッチ45が配置されている点にある。その他の構成については、第1実施形態の場合と共通しているので、すでにした説明を援用することとして記載を省略する。
つまり、スイッチ45は、要素コイルCのZ軸方向の奇数列及び偶数列のいずれか一方に(図5では奇数列)、切替片46,46が設けられ、アナログ信号の出力先である合成部41を切り替えることができるようになっている。
すなわち、図5で図示される切替片46,46と異なる設定の場合は、要素コイルCから合成部41に伝達されるアナログ信号の流れは図4と同じになる。
一方、図5で図示されるように切替片46,46が設定される場合は、アナログ信号a,cの出力先は交換されることになる。
このスイッチ45における切替片46,46の切り替えは、例えばPINダイオード等で電気的に実行されることになる。
さらに、選択部42(図3)の機能により、要素コイル群(C1A〜C4L)の右側配列、中央配列及び左側配列のうち任意に選択されるものからの合成信号及び差分信号を変換部43に入力させることができる。
これにより、被検体Pの右側、中央側、左側について、それぞれ独立に狭範囲の高解像度画像、及び広範囲の低解像度画像を取得することができる。
撮像領域Vは、脊椎用コイルアレイ50A及び腹部用コイルアレイ50Bを用いて被検体Pの中央全体を低解像度で撮像する設定であり、Z軸方向第2列、第3列のX軸方向4行分の要素コイルCを選択し、それらからの合成信号(c+b)を用いて画像形成するものである。
本発明は前記した実施形態に限定されるものでなく、共通する技術思想の範囲内において、適宜変形して実施することができる。
例えば、実施形態において、脊椎用コイルアレイ50A及び腹部用コイルアレイ50Bを例示したが、他の身体部位の専用コイルアレイについても同様に適用することができる。また、コイルアレイ50を構成する要素コイルCの配列数は任意であり、各要素コイルCの口径も一定である必要はない。
Claims (1)
- 被検体にRF波を照射させる送信部と、
前記被検体からの応答波を検出してアナログ信号を出力する要素コイルが複数配列してなるコイルアレイと、
隣接する二つの前記要素コイルのそれぞれの前記アナログ信号を処理して合成信号及び差分信号を出力する合成部と、
受信チャネルから入力した前記合成信号又は前記差分信号をデジタル信号に変換する変換部と、
選択された前記要素コイルの前記合成信号を前記受信チャネルに出力したり、選択された前記要素コイルの前記合成信号及び前記差分信号を前記受信チャネルに出力したりする選択部と、
複数の前記合成部のうち隣接するもの同士において、入力させる一方の前記アナログ信号を相互に交換するスイッチと、を備え、
前記選択部は、前記コイルアレイを構成する要素コイル群の右側配列、中央配列及び左側配列のうち任意に選択されるものからの前記合成信号及び前記差分信号もしくは前記合成信号のみを前記変換部に入力させる、ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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