JP5591080B2 - データ圧縮装置及びデータ処理システム及びコンピュータプログラム及びデータ圧縮方法 - Google Patents
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Description
高変動な時系列データでは、線形予測を適用しても予測精度に限界があるため、高い圧縮率が得にくい。特許文献1には、複数の線形予測器を使って先行する値から符号化対象値に対する予測値を複数生成し、符号化対象値に最も近いものを選択して、その予測残差を符号化する方式が記載されている。その際、その予測値(予測器)を伸張時に識別するためのインデックスも合わせて符号化する。このように複数の予測値を用意することにより、予測値を1点だけ用いるよりも広範な領域をカバーすることが出来る。このため、インデックス符号を補助情報として保存する必要は生じるものの、予測残差は小さくなると期待出来る。
この発明は、例えば上記のような課題を解決するためになされたものであり、センサデータ等の数値データ、特に値の変動が激しく予測が困難な時系列データを対象として、圧縮率の高い可逆圧縮方式を得ることを目的とする。
上記予測部は、上記処理装置を用いて、一連の値のうち少なくともいずれかの値について、上記一連の値のうち上記値よりも前の値に基づいて上記値を予測することにより、上記値の予測値を算出し、
上記予測残差算出部は、上記処理装置を用いて、上記一連の値のうち上記予測部が予測値を算出した値それぞれについて、上記値と上記予測部が算出した予測値との差を算出することにより、予測残差を算出し、
上記予測残差分類部は、上記処理装置を用いて、上記予測残差算出部が算出した予測残差を複数のクラスタに分類し、
上記基準値算出部は、上記処理装置を用いて、上記予測残差分類部が分類した複数のクラスタそれぞれについて、上記予測残差分類部が上記クラスタに分類した予測残差の代表値を算出することにより、複数の残差基準値を算出し、
上記基準値選択部は、上記処理装置を用いて、上記一連の値のうち上記予測部が予測値を算出した値それぞれについて、上記基準値算出部が算出した複数の残差基準値のなかから、上記予測残差算出部が算出した予測残差に最も近い残差基準値を選択し、
上記基準残差算出部は、上記処理装置を用いて、上記一連の値のうち上記予測部が予測値を算出した値それぞれについて、上記予測残差算出部が算出した予測残差と上記基準値選択部が選択した残差基準値との差を算出することにより、基準残差を算出し、
上記符号化部は、上記処理装置を用いて、上記一連の値のうち上記予測部が予測値を算出した値それぞれについて、上記値を表わす符号として、上記基準値選択部が上記複数の残差基準値のうちどの残差基準値を選択したかを表わす選択基準値符号と、上記基準残差算出部が算出した基準残差を表わす基準残差符号との組を生成することを特徴とする。
実施の形態1について、図1〜図11を用いて説明する。
データ圧縮記憶システム800(データ圧縮システム)は、観測したデータを圧縮して記憶しておき、必要に応じて復元して取り出すことができるシステムである。データ圧縮記憶システム800は、例えば、観測装置810と、データ圧縮装置100と、データ記憶装置820と、データ復元装置200とを有する。
観測装置810は、何らかの観測対象を観測して、観測した結果を表わす観測データを生成する。観測装置810は、観測対象を定期的もしくは不定期に繰り返し観測し、その都度、観測データを生成する。したがって、観測装置810は、時系列的な順序がある一連の観測データを生成する。
観測装置810が生成する観測データは、数値データであり、例えば0以上2のn乗未満の整数値をnビットの2進数で表わす。ここで、nは、2以上の整数であり、例えば、16や32である。
あるいは、観測データは、例えば0以上1未満の2のn乗分の1の倍数をnビットの固定小数点数形式の2進数で表わすものであってもよい。この場合、観測データは、観測した実際の数値を2のn乗倍した整数を表わすものとして取り扱うことができるから、0以上2のn乗未満の整数値をnビットの2進数で表わす場合と同様に扱うことができる。
または、観測データは、例えば所定の範囲内の実数値を、IEEE(電気電子学会)754形式のような浮動小数点数形式で表わすものであってもよい。浮動小数点数形式は、例えば、符号部・仮数部・指数部からなり、それぞれの部分は、整数値として取り扱うことができるから、この場合、観測データは、3つの整数値の組(あるいは、符号部を仮数部の一部として扱って、2つの整数値の組)として扱うことができる。
更に、観測データは、例えば複素数やベクトルなどのように、複数の整数値や実数値の組を表わすものであってもよい。
データ圧縮装置100及びデータ復元装置200は、それぞれ、システムユニット910、CRT(Cathode・Ray・Tube)やLCD(液晶)の表示画面を有する表示装置901、キーボード902(Key・Board:K/B)、マウス903、FDD904(Flexible・Disk・Drive)、コンパクトディスク装置905(CDD)、プリンタ装置906、スキャナ装置907などのハードウェア資源を備え、これらはケーブルや信号線で接続されている。
システムユニット910は、コンピュータであり、ファクシミリ機932、電話器931とケーブルで接続され、また、ローカルエリアネットワーク942(LAN)、ゲートウェイ941を介してインターネット940に接続されている。
データ圧縮装置100及びデータ復元装置200は、それぞれ、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信装置915、表示装置901、キーボード902、マウス903、FDD904、CDD905、プリンタ装置906、スキャナ装置907、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部の一例である。通信装置915、キーボード902、スキャナ装置907、FDD904などは、入力部、入力装置の一例である。
また、通信装置915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力部、出力装置の一例である。
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。
ファイル群924には、以下に述べる実施の形態の説明において、「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」として説明する情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、以下に述べる実施の形態の説明において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク、CDD905のコンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD(Digital・Versatile・Disk)等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
データ圧縮装置100は、観測装置810が生成した一連の観測データを、入力データとして入力する。データ圧縮装置100は、圧縮データとして、ヘッダデータと、残差符号列データと、基準値インデックスデータとを生成する。
データ圧縮装置100は、予測器10と、オフセット量決定部20と、基準値生成部30と、最小残差選択部40と、残差符号化部50と、パラメータ記憶部70と、ヘッダ生成部80とを有する。
オフセット量決定部20(予測残差算出部・予測残差分類部・基準値算出部)は、予測値の予測誤差の分布に基づいて、予測誤差からの距離が最小となるような予測誤差代表値の集合を決定する。
基準値生成部30は、予測値と予測誤差代表値の集合を元に、複数の残差基準値を決定する。
最小残差選択部40(基準値選択部・符号化部)は、複数の残差基準値の中から、符号化対象値に最も近いものを選択して、該誤差基準値と符号化対象値の差を残差(基準残差)として出力するとともに、選択した残差基準値のインデックス(選択基準値符号)を圧縮データに出力する。
残差符号化部50(符号化部)は、残差を符号語(基準残差符号)に変換して圧縮データに出力する。
パラメータ記憶部70は、オフセット量決定部20や基準値生成部30が用いるパラメータをあらかじめ記憶している。
ヘッダ生成部80(符号化部)は、パラメータ記憶部70が記憶したパラメータなどに基づいて、ヘッダデータを生成する。
データ圧縮装置100の特徴は、予測符号化における予測方式(残差生成方式)にある。
バツ印(×)で示す点は、予測器10による予測点である。この例において、予測器10は、直前の値xt−1をそのまま次の時刻の予測値ptとして用いる。ただし、予測器10は、これに限定するものではなく、他の線形予測器であってもよいし、非線形予測器であってもよい。例えば、予測器10は、次の時刻の予測値ptとして、直前のm個の値xt−m,…,xt−1の平均値を算出する構成であってもよい。あるいは、予測器10は、次の時刻の予測値ptとして、直前の2つの値xt−2,xt−1の差を直前の値xt−1に加えた値を算出する構成であってもよい。または、予測器10は、直前のk個の値xt−k,…,xt−1を通る[k−1]次曲線を算出し、次の時刻の予測値ptとして、算出した[k−1]次曲線上の点の座標を算出する構成であってもよい。あるいは、予測器10は、直前のm個の値xt−m,…,xt−1を近似する[k−1]次曲線を最小自乗法などにより算出し(ただし、m>k)、次の時刻の予測値ptとして、算出した[k−1]次曲線上の点の座標を算出する構成であってもよい。また、観測対象の物理モデルがわかっている場合には、予測器10は、例えばカルマンフィルタなどの予測フィルタを用いて、次の時刻の予測値ptを算出する構成であってもよい。
なお、各クラスタの代表値は、各クラスタに属する予測誤差の平均値のほか、例えば、各クラスタに属する予測誤差の中央値、最頻値などであってもよい。
また、クラスタリングの方式は、k−means法が望ましいが、他の非階層型クラスタリングであってもよいし、ウォード法など階層型クラスタリングであってもよい。なお、分割するクラスタ数をあらかじめ定めておくのではなく、予測誤差の分布に基づいて、クラスタ数を決定する方式であってもよい。
ステップS10において、データ圧縮装置100は、すべての入力データ{xt|t=1,…,T}に対し、処理が完了したかを判定する。処理が完了した場合、データ圧縮装置100は、データ圧縮処理を終了する。処理が完了していない場合、データ圧縮装置100は、S20へ進む。
ステップS20において、オフセット量決定部20は、次の時刻の予測値ptに対応するn個の予測誤差代表値{e ̄i|i=1,…,n}を決定する。この代表値は、時刻t−N,…,t−1におけるN個(N>n)の予測誤差の履歴{et−N,…,et−1}を対象にk−means法を適用して、n個のクラスタに分類したときのクラスタ重心として得ることができる。k−means法では、予測誤差の履歴に対し次の式で表わされる関数fの値を準最小化する代表値を得ることができる。
符号化対象値が整数値である場合、残差符号化部50は、例えば、残差rtの正負符号1ビットと、|rt|の値をガンマ符号やデルタ符号や指数ゴロム符号により符号化した符号とを出力する。例えば、rt≧0の場合、残差符号化部50は、1ビットの正負符号「0」と、rt+1をデルタ符号で符号化した符号とを出力する。rt<0の場合、残差符号化部50は、1ビットの正負符号「1」と、|rt|をデルタ符号で符号化した符号とを出力する。
あるいは、残差符号化部50は、ライス符号やゴロム符号など、符号化する値が小さいほど符号長が短くなる性質を有する他の符号化方式を用いる構成であってもよい。ライス符号(ゴロム−ライス符号)における次数kやゴロム符号における法mなどのパラメータは、あらかじめ定めた値を用いる構成であってもよいし、生成する符号のビット長が最も短くなるよう、残差符号化部50が決定する構成であってもよい。例えば、残差符号化部50は、マルチパス構成として、第一パスで全ての残差{pt|t=1,…,N}を得る。第二パスにおいて、残差符号化部50は、次数kを0から元のバイナリビット数まで変化させ、それぞれの次数kによる符号化を試行する。残差符号化部50は、符号化の結果、最も符号長が短くなる次数kを選択し、符号化に用いるパラメータに決定する。残差符号化部50は、決定したパラメータを表わす符号を、圧縮データの一部として出力する。
横軸は、時刻を表わす。縦軸は、時系列データの値を表わす。折れ線は、各時刻における符号化対象値を結んだ線である。バツ印(×)は、第一比較例における予測器が予測した予測値を示す。矢印は、符号化される残差を示す。
横軸は、時刻を表わす。縦軸は、時系列データの値を表わす。折れ線は、各時刻における符号化対象値を結んだ線である。バツ印(×)は、第二比較例における複数の予測器がそれぞれ予測した予測値を示す。矢印は、符号化される残差を示す。
第二比較例における残差符号化部は、4つの予測器が算出した4つの予測値ptのうち、符号化対象値xtに一番近い予測値ptと、符号化対象値xtとの差を、符号化する。
横軸は、時刻を表わす。縦軸は、時系列データの値を表わす。折れ線は、各時刻における符号化対象値を結んだ線である。バツ印(×)は、第二比較例における複数の予測器がそれぞれ予測した予測値を示す。各時刻における符号化対象値から放射状に伸びる細線は、予測誤差の履歴を示す。白抜き正方形(□)は、基準値生成部30が生成した残差基準値を示す。矢印は、残差符号化部50が符号化する残差を示す。
データ復元装置200は、データ圧縮装置100が生成した残差符号列データと、基準値インデックスデータと、ヘッダデータとを、圧縮データとして入力する。データ復元装置200は、入力した圧縮データを損失なく伸長して、データ圧縮装置100が入力した入力データと同じ出力データを復元する。
データ復元装置200は、予測器15と、オフセット量決定部25と、基準値生成部35と、選択部45と、残差復号部55と、値復元部65と、パラメータ記憶部75と、ヘッダ取得部85とを有する。
パラメータ記憶部75は、ヘッダ取得部85が取得したヘッダデータが表わすデータサイズTや履歴の個数Nや代表値の数nなどのパラメータを記憶する。
予測器15(復元予測部)は、データ圧縮装置100の予測器10と同じ方式を用いて、値復元部65が生成した出力データの先行する値から後続する復号対象値の予測値を決定する。
オフセット量決定部25は、データ圧縮装置100のオフセット量決定部20と同じ方式を用いて、予測値の予測誤差の分布に基づいて、予測誤差からの距離が最小となるような予測誤差代表値の集合を決定する。
基準値生成部35は、予測値と予測誤差代表値の集合を元に、複数の残差基準値を決定する。
選択部45は、基準値インデックスデータのなかから、復号対象値についてのインデックスを取得する。選択部45は、複数の残差基準値の中から、取得したインデックスにより示される残差基準値を選択する。
残差復号部55は、残差符号列データのなかから、復号対象値についての符号語を取得する。残差復号部55は、取得した符号語を復号して、残差を算出する。
値復元部65は、選択部45が選択した残差基準値と、残差復号部55が算出した残差とを合計して、元の値を復元し、出力データに出力する。
実施の形態2について、図12〜図15を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
データ圧縮装置100は、実施の形態1で説明したブロックに加えて、更に、値記憶部11と、予測値記憶部12と、オフセット量記憶部21とを有する。
予測値記憶部12は、予測器10が予測した予測値を記憶する。
オフセット量記憶部21は、オフセット量決定部20が決定した複数の代表値を記憶する。
実施の形態1では、予測誤差代表値{e ̄i|i=1,…,n}の値が逐次変化するが、この実施の形態では、すべての入力データに対して同一の値を用いる。
データ復元装置200は、データ圧縮装置100が生成した圧縮データから、元の入力データを損失なく伸張する。
データ復元装置200は、実施の形態1で説明した機能ブロックと同様の機能ブロックを有するが、オフセット量決定部25を有さない点が、実施の形態1のデータ復元装置200と異なる。
基準値生成部35は、実施の形態1で説明したオフセット量決定部25が算出した予測誤差代表値の代わりに、パラメータ記憶部75が記憶した予測誤差代表値を使って、基準値を生成する。
なお、実施の形態1で説明したステップと同じ番号を付与したステップの処理は、実施の形態1と同じであるため、説明を省略する。
実施の形態3について、図16〜図16を用いて説明する。
なお、実施の形態1及び実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
オフセット量決定部20は、例えば、予測誤差の履歴{e1,…,et−1}に基づいて、予測誤差の平均値m及び標準偏差σを算出する。なお、予測誤差の平均値mが0になると期待できる場合、オフセット量決定部20は、予測誤差の平均値m=0を仮定して、予測誤差の平均値mを算出せず、標準偏差σだけを算出する構成であってもよい。
オフセット量決定部20は、算出した予測誤差の平均値m及び標準偏差σに基づいて、予測誤差代表値{e ̄i|i=1,…,n}を算出する。オフセット量決定部20は、例えば、次の式を用いて、予測誤差代表値を算出する。
横軸は、予測誤差を示す。縦軸は、予測誤差の確率分布を示す。
曲線300は、予測誤差の確率分布関数である。この例は、予測誤差の平均値mが0の場合を示す。
斜線で示した領域301〜304は、予測誤差の確率分布をn個に分割した領域である。オフセット量決定部20は、予測誤差代表値{e ̄i|i=1,…,n}として、各領域301〜304の重心を算出する。
予測誤差の確率分布が正規分布にしたがうと仮定できる場合、各領域の重心と平均値mとの差が、標準偏差σの何倍にあたるかを、あらかじめ計算しておくことができる。例えばn=4の場合、予測誤差が下から25%以内である領域301の重心は(m−1.27σ)、予測誤差が平均値より下の25%以内である領域302の重心は(m−0.325σ)、予測誤差が平均値より上の25%以内である領域303の重心は(m+0.325σ)、予測誤差が上から25%以内である領域304の重心は(n+1.27σ)である。オフセット量決定部20は、あらかじめa1=0.325、a2=1.27を記憶しておく。オフセット量決定部20は、算出した標準偏差σに基づいて、各領域の重心を算出し、予測誤差代表値{e ̄i|i=1,…,n}とする。
一般に、予測誤差が上からb1%〜b2%の間(0≦b1<b2≦100)にある領域の重心aは、
実施の形態4について、図17〜図20を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態3と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
データ圧縮装置100は、データ入力部110と、データ記憶部115と、予測部120と、予測残差算出部125と、予測残差記憶部140と、基準値算出部145と、パラメータ算出部150と、基準値選択部180と、基準残差算出部185と、符号化部190と、符号出力部195とを有する。
データ記憶部115は、磁気ディスク装置920(記憶装置)を用いて、データ入力部110が入力した観測データを記憶する。
予測部120は、例えば線形予測や非線形予測、カルマンフィルタやその他フィルタを用いた予測などを用いて、観測値を予測する。予測部120は、観測値の順序を所定の方式で入れ替える構成であってもよい。例えば、2a番目の観測値と2a+1番目の観測値の順序を入れ替えて、2a+1番目の観測値を2a番目の観測値よりも先に予測する構成であってもよい。その場合、予測部120は、2a番目の観測値を使わず、2a−1番目以前の観測値だけを使って、2a+1番目の観測値を予測する。その代わり、予測部120は、2a番目の観測値の予測に、2a+1番目の観測値を使う。これにより、2a番目の観測値の予測精度を高めることができる。
このように、観測値の順序は、実際にその観測値を観測した順序と異なっていてもよい。ここでいう「観測値の順序」とは、観測値を符号化した符号の依存関係のことである。すなわち、ある観測値xaを使って別の観測値xbを予測し、その別の観測値xbを使って観測値xaを予測するという循環があると、どちらかの観測値がわからなければもう一方の観測値を予測できないから、符号化した符号を復号できない。したがって、このような循環が存在してはならない。このような循環が存在しなければ、復号時には、復号済の観測値を使ってまだ復号していない観測値を予測することができ、すべての観測値を復号できる。観測値の順序が実際の時系列順と異なる場合、復号後に観測値の順序を入れ替えて、実際にその観測値を観測した時系列順に戻せばよい。
また、観測値が浮動小数点形式で表現された実数値である場合、例えば、予測残差算出部125は、指数部の予測残差として、予測値の指数部を観測値の指数部から差し引いた差を、整数の引き算を使って算出する。予測残差算出部125は、予測値を変換して、観測値の指数部に予測値の指数部を一致させる。例えば、予測値の指数部が観測値の指数部より小さい場合、予測残差算出部125は、指数部の差の分だけ、予測値の仮数部を右にシフトする。この際、アンダーフローするビットは、無視してよい。逆に、予測値の指数部が観測値の指数部より大きい場合、予測残差算出部125は、指数部の差の分だけ、予測値の仮数部を左にシフトする。この際、オーバーフローするビットも、無視してよい。予測残差算出部125は、仮数部の予測残差として、変換した予測値の仮数部を観測値の仮数部から差し引いた差を、整数の引き算を使って算出する。また、予測残差算出部125は、符号部の予測残差として、観測値の符号部と予測値の符号部とが同じか異なるかを算出する。予測残差算出部125は、指数部の予測残差と、仮数部の予測残差と、符号部の予測残差との組を、観測値の予測残差とする。なお、観測値の符号があらかじめわかっている場合、予測残差算出部125は、符号部の予測残差を算出しない構成であってもよい。
また、観測値が複数の整数値や実数値の組からなるベクトル値である場合、予測残差算出部125は、各成分ごとに予測残差を算出し、算出した予測残差の組を、観測値の予測残差とする。
基準値算出部145は、その観測値よりも前の観測値についての予測残差すべてを使って、予測残差基準値を算出する構成でもよいし、その観測値の直前のいくつかの観測値についての予測残差を使って、予測残差基準値を算出する構成でもよい。その場合、基準値算出部145が使う予測残差の数は、予測部120が予測値の算出に使う観測値の数と異なっていてもよいし、同じであってもよい。
基準値算出部145は、算出する予測残差基準値の数をあらかじめ定めず、予測残差の分布に基づいて、最適な数の予測誤差基準値を算出する。予測残差基準値の数を増やすと、符号化部190が符号化する整数(残差)が小さくなる分、符号長が短くなるが、どの予測残差基準値を選択したかを示すインデックスの符号長が長くなるので、全体としての符号長は、必ずしも短くなるとは限らない。そこで、基準値算出部145は、符号長の期待値が最小になる数の予測残差基準値を算出する。例えば、予測残差が比較的まばらなところに予測残差基準値を設けても、その予測残差基準値を使う確率が低いので、残差の符号長はあまり短くならない。また、1つの予測残差密集領域内に複数の予測残差基準値を設けても、どちらの予測残差基準値を使っても残差があまり変わらないので、やはり、残差の符号長はあまり短くならない。このため、符号長の期待値が最小になるのは、予測残差基準値の数が、予測残差密集領域の数と等しい場合である。基準値算出部145は、予測残差密集領域の数と同じ数の予測残差基準値を算出する。
なお、予測残差が複数の整数の組で表わされ、基準値算出部145が各成分ごとに独立して予測残差を算出する構成である場合、パラメータ算出部150は、各成分ごとに独立して予測残差基準値を選択する確率を推定する構成であってもよいし、各成分の予測残差基準値の組について、その組を選択する確率を推定する構成であってもよい。
パラメータ算出部150は、予測残差の分布に基づいて、それぞれの予測残差基準値を選択した場合における残差の確率分布を推定する。パラメータ算出部150は、推定した確率分布に基づいて、どの符号化方式が最適であるかを判定し、ライス符号のようにパラメータを持つ符号化方式が最適であると判定した場合は、更に、最適なパラメータの値を算出する。
なお、ある予測残差基準値に対して、予測残差のほうが大きい場合と、予測残差のほうが小さい場合とでは、符号化する残差の確率分布が異なる場合がある。このため、パラメータ算出部150は、同じ予測残差基準値を選択した場合でも、符号化する残差が正である場合と、符号化する残差が負である場合とで、異なる符号化方式やパラメータを算出する構成であってもよい。
また、予測残差が複数の整数の組によって表わされる場合、パラメータ算出部150は、各成分ごとに異なる符号化方式やパラメータを算出する構成であってもよい。また、基準値算出部145が各成分ごとに独立して予測誤差基準値を算出する構成である場合、パラメータ算出部150は、各成分に対して選択した予測誤差基準値の組に対して、それぞれ異なる符号化方式やパラメータを算出する構成であってもよい。例えば、予測残差が2つの整数の組(x,y)によって表わされ、基準値算出部145が各成分についてそれぞれ独立に予測誤差基準値を算出し、x成分についてa個、y成分についてb個の予測誤差基準値を算出した場合、予測誤差基準値の組合せは、a×b通りある。パラメータ算出部150は、a×b通りの組合せそれぞれについて、x成分の符号化方式やパラメータと、y成分の符号化方式やパラメータとの組を選択する。
予測残差が複数の整数の組で表わされる場合、基準残差算出部185は、各成分ごとに、予測残差基準値を予測残差から差し引いた差を、整数の引き算を使って計算する。
基準残差の正負を選択基準値符号の一部として符号化する構成の場合、符号化部190は、例えば、基準残差算出部185が算出した基準残差が正であるか負であるかを判定する。なお、基準残差が0である場合は、正に含まれるものとして扱う構成であってもよいし、負に含まれるものとして扱う構成であってもよいし、符号長が短くなるほうに含まれるものとして扱う構成であってもよい。
基準残差が正であると判定した場合、符号化部190は、例えば、基準値選択部180が選択した基準値インデックスに、基準残差が正であることを示すビットを付加したものを符号化し、選択基準値符号を生成する。基準残差が0の場合を正として扱う場合において、符号化部190は、指数ゴロム符号のように0以上の整数を符号化できる符号化方式を使って、基準残差算出部185が算出した基準残差を符号化し、基準残差符号を生成する。なお、ガンマ符号のように1以上の整数を符号化できる符号化方式を使う場合、符号化部190は、例えば、基準残差算出部185が算出した基準残差に1を加えたものを符号化する。
基準残差が負であると判定した場合、符号化部190は、例えば、基準値選択部180が選択した基準値インデックスに、基準残差が負であることを示すビットを付加したものを符号化し、選択基準値符号を生成する。基準残差が0の場合を正として扱う場合において、符号化部190は、基準残差算出部185が算出した基準残差に−1を乗じて正負を反転し、ガンマ符号のように1以上の整数を符号化できる符号化方式により符号化する。なお、指数ゴロム符号のように0以上の整数を符号化できる符号化方式を使う場合は、符号化部190は、基準残差算出部185が算出した基準残差を−1から差し引いた差(あるいは基準残差の1の補数)を符号化する。
基準残差が正の場合と負の場合とで、基準残差の符号化方式が異なる場合、基準残差の正負を選択基準値符号の一部として符号化する方式が好ましい。また、選択基準値符号をハフマン符号などのエントロピー符号を用いて符号化する構成で、基準残差が正の場合の出現確率と負の場合の出現確率とが異なる場合、基準残差の正負を選択基準値符号の一部として符号化することにより、符号長を短くすることができる。
なお、基準値インデックスを圧縮符号化せず、固定長バイナリ形式の符号を生成する構成であってもよい。
なお、符号出力部195は、符号化部190が生成した選択基準値符号と基準残差符号との組をそのまま圧縮データとするのではなく、更に、別の圧縮方式を用いて圧縮したものを圧縮データとして出力する構成であってもよい。
データ復元装置200は、データ出力部210と、値記憶部215と、復元予測部220と、予測残差算出部225と、値復元部230と、予測残差記憶部240と、復元基準値算出部245と、パラメータ算出部250と、復元基準値選択部280と、復号部290と、符号取得部295とを有する。
観測値が整数値や固定小数点形式で表現された実数値である場合、値復元部230は、整数の足し算を計算することにより、復元値を算出する。
観測値が浮動小数点形式で表現された実数値であり、予測残差算出部225が算出する予測残差が、指数部の予測残差を表わす整数と、仮数部の予測残差を表わす整数と、符号部の予測残差を表わす整数との組である場合、値復元部230は、例えば、復元予測部220が予測した予測値の仮数部を、指数部の予測残差の分だけシフトする。値復元部230は、例えば、指数部の予測残差が正であれば予測値の仮数部を左にシフトし、指数部の予測残差が負であれば予測値の仮数部を右にシフトする。このとき、オーバーフローあるいはアンダーフローしたビットは無視してよい。次に、値復元部230は、シフトした予測値の仮数部と、予測誤差の仮数部とを合計した和を、整数の足し算を使って計算する。値復元部230は、符号部の予測残差が0でない場合、予測値の符号部を反転する。こうして算出した指数部・仮数部・符号部に基づいて、値復元部230は、浮動小数点形式で表現された実数値を復元して、観測値の復元値を得る。これにより、観測値が浮動小数点形式で表現されている場合であっても、桁落ちなどが発生せず、元の観測値とまったく同じ復元値を得ることができる。
値復元部230が復元した観測値は、値記憶部215が記憶して、次の観測値などを予測するために使われる。
データ圧縮処理S610において、データ圧縮装置100は、一連の観測値を表わす圧縮データを生成する。データ圧縮処理S610は、観測値取得工程S611と、基準値算出工程S612と、パラメータ算出工程S613と、観測値予測工程S614と、予測残差算出工程S615と、基準値選択工程S616と、基準残差算出工程S617と、符号化工程S618とを有する。データ圧縮装置100は、観測値取得工程S611から処理を開始する。
データ圧縮装置100は、CPU911を用いて、データ記憶部115が記憶した一連の観測値のなかから、観測値を1つ選択する。すべての観測値が選択済である場合、データ圧縮装置100は、データ圧縮処理S610を終了する。未選択の観測値がある場合、データ圧縮装置100は、未選択の観測値のなかから、先頭の観測値を1つ選択し、基準値算出工程S612へ処理を進める。
パラメータ算出工程S613において、パラメータ算出部150は、CPU911を用いて、予測残差記憶部140が記憶した予測残差と、基準値算出工程S612で基準値算出部145が算出した予測残差基準値とに基づいて、符号化パラメータを算出する。
予測残差算出工程S615において、予測残差算出部125は、CPU911を用いて、観測値取得工程S611で選択した観測値と、観測値予測工程S614で算出した予測値とに基づいて、予測残差を算出する。予測残差記憶部140は、磁気ディスク装置920を用いて、予測残差算出部125が算出した予測残差を記憶する。
基準残差算出工程S617において、基準残差算出部185は、CPU911を用いて、予測残差算出工程S615で予測残差算出部125が算出した予測残差と、基準値選択工程S616で基準値選択部180が選択した予測残差基準値とに基づいて、基準残差を算出する。
符号化工程S618において、符号化部190は、CPU911を用いて、パラメータ算出工程S613でパラメータ算出部150が算出した符号化パラメータに基づいて、基準値選択工程S616で基準値選択部180が選択した予測残差基準値を示す基準値インデックスを符号化して、選択基準値符号を生成する。符号化部190は、CPU911を用いて、パラメータ算出工程S613でパラメータ算出部150が算出した符号化パラメータと、基準値選択工程S616で基準値選択部180が選択した予測残差基準値を示す基準値インデックスとに基づいて、基準残差算出工程S617で基準残差算出部185が算出した基準残差を符号化して、基準残差符号を生成する。符号出力部195は、CPU911を用いて、符号化部190が生成した選択基準値符号と基準残差符号との組を、観測値取得工程S611で選択した観測値を表わす符号として出力する。
データ圧縮装置100は、CPU911を用いて、観測値取得工程S611に処理を戻し、次の観測値を選択する。
データ復元処理S620において、データ復元装置200は、データ圧縮装置100が生成した圧縮データから、元の一連の観測値を復元する。データ復元処理S620は、符号取得工程S621と、基準値算出工程S622と、パラメータ算出工程S623と、復号工程S624と、基準値選択工程S625と、予測残差算出工程S626と、観測値予測工程S627と、観測値復元工程S628とを有する。データ復元装置200は、符号取得工程S621から処理を開始する。
パラメータ算出工程S623において、パラメータ算出部250は、CPU911を用いて、予測残差記憶部240が記憶した予測残差と、基準値算出工程S622で復元基準値算出部245が算出した予測残差基準値とに基づいて、符号化パラメータを算出する。
基準値選択工程S625において、復元基準値選択部280は、CPU911を用いて、基準値算出工程S622で復元基準値算出部245が算出した予測残差基準値のなかから、復号工程S624で復号部290が算出した基準値インデックスによって示される予測残差基準値を選択する。
予測残差算出工程S626において、予測残差算出部225は、CPU911を用いて、復号部290で復号部290が算出した基準残差と、基準値選択工程S625で復元基準値選択部280が選択した予測残差基準値とに基づいて、予測残差を算出する。予測残差記憶部240は、磁気ディスク装置920を用いて、予測残差算出部225が算出した予測残差を記憶する。
観測値復元工程S628において、値復元部230は、CPU911を用いて、予測残差算出工程S626で予測残差算出部225が算出した予測残差と、観測値予測工程S627で復元予測部220が算出した予測値とに基づいて、符号取得工程S621で符号取得部295が取得した選択基準値符号と基準残差符号との組によって表わされる観測値の復元値を算出する。値記憶部215は、磁気ディスク装置920を用いて、値復元部230が復元した観測値を記憶する。データ出力部210は、CPU911を用いて、値復元部230が復元した観測値を出力する。
データ復元装置200は、CPU911を用いて、符号取得工程S621に戻り、次の選択基準値符号と基準残差符号との組を取得する。
上記予測部は、上記処理装置を用いて、一連の値(観測値)のうち少なくともいずれかの値について、上記一連の値のうち上記値よりも前の値に基づいて上記値を予測することにより、上記値の予測値を算出する。
上記予測残差算出部は、上記処理装置を用いて、上記一連の値のうち上記予測部が予測値を算出した値それぞれについて、上記値と上記予測部が算出した予測値との差を算出することにより、予測残差(予測誤差)を算出する。
上記基準値算出部は、上記処理装置を用いて、上記予測残差算出部が算出した予測残差に基づいて、複数の残差基準値(予測誤差代表値)を算出する。
上記基準値選択部は、上記処理装置を用いて、上記一連の値のうち上記予測部が予測値を算出した値それぞれについて、上記基準値算出部が算出した複数の残差基準値のなかから、上記予測残差算出部が算出した予測残差に最も近い残差基準値を選択する。
上記基準残差算出部は、上記処理装置を用いて、上記一連の値のうち上記予測部が予測値を算出した値それぞれについて、上記予測残差算出部が算出した予測残差と上記基準値選択部が選択した残差基準値との差を算出することにより、基準残差(残差)を算出する。
上記符号化部は、上記処理装置を用いて、上記一連の値のうち上記予測部が予測値を算出した値それぞれについて、上記値を表わす符号として、上記基準値選択部が上記複数の残差基準値のうちどの残差基準値を選択したかを表わす選択基準値符号(基準値インデックス)と、上記基準残差算出部が算出した基準残差を表わす基準残差符号との組を生成する。
上記予測残差分類部は、上記処理装置(CPU911)を用いて、上記予測残差算出部(オフセット量決定部20)が算出した予測残差(予測誤差)を複数のクラスタに分類する。
上記基準値算出部(オフセット量決定部20)は、上記処理装置を用いて、上記予測残差分類部が分類した複数のクラスタそれぞれについて、上記予測残差分類部が上記クラスタに分類した予測残差の代表値を算出することにより、残差基準値(予測誤差代表値)を算出する。
上記符号化部(190;ヘッダ生成部80)は、上記一連の値を表わす符号として、更に、上記基準値算出部が算出した複数の残差基準値を表わす残差基準値符号を生成する。
上記符号取得部は、上記処理装置を用いて、一連の値(観測値)のうち少なくともいずれかの値を表わす符号として、複数の残差基準値(予測誤差代表値)のなかからどの残差基準値を選択すべきかを表わす選択基準値符号(基準値インデックス)と、基準残差(残差)を表わす基準残差符号との組を取得する。
上記復元予測部は、上記処理装置を用いて、上記符号取得部が選択基準値符号と基準残差符号との組を取得した値について、上記一連の値のうち上記値よりも前の値に基づいて上記値を予測することにより、上記値の予測値を算出する。
上記復元基準値選択部は、上記処理装置を用いて、複数の残差基準値のなかから、上記符号取得部が取得した選択基準値符号によって示される残差基準値を選択する。
上記値復元部は、上記処理装置を用いて、上記復元予測部が算出した予測値と、上記基準値選択部が選択した残差基準値と、上記符号取得部が取得した基準残差符号が表わす基準残差との合計を算出することにより、上記値を復元した復元値を算出する。
コンピュータをデータ圧縮装置またはデータ復元装置またはデータ処理システムとして機能させるコンピュータプログラムによれば、一連の値を効率よく圧縮して記憶することができる。
Claims (8)
- データを処理する処理装置と、予測部と、予測残差算出部と、予測残差分類部と、基準値算出部と、基準値選択部と、基準残差算出部と、符号化部とを有し、
上記予測部は、上記処理装置を用いて、一連の値のうち少なくともいずれかの値について、上記一連の値のうち上記値よりも前の値に基づいて上記値を予測することにより、上記値の予測値を算出し、
上記予測残差算出部は、上記処理装置を用いて、上記一連の値のうち上記予測部が予測値を算出した値それぞれについて、上記値と上記予測部が算出した予測値との差を算出することにより、予測残差を算出し、
上記予測残差分類部は、上記処理装置を用いて、上記予測残差算出部が算出した予測残差を複数のクラスタに分類し、
上記基準値算出部は、上記処理装置を用いて、上記予測残差分類部が分類した複数のクラスタそれぞれについて、上記予測残差分類部が上記クラスタに分類した予測残差の代表値を算出することにより、複数の残差基準値を算出し、
上記基準値選択部は、上記処理装置を用いて、上記一連の値のうち上記予測部が予測値を算出した値それぞれについて、上記基準値算出部が算出した複数の残差基準値のなかから、上記予測残差算出部が算出した予測残差に最も近い残差基準値を選択し、
上記基準残差算出部は、上記処理装置を用いて、上記一連の値のうち上記予測部が予測値を算出した値それぞれについて、上記予測残差算出部が算出した予測残差と上記基準値選択部が選択した残差基準値との差を算出することにより、基準残差を算出し、
上記符号化部は、上記処理装置を用いて、上記一連の値のうち上記予測部が予測値を算出した値それぞれについて、上記値を表わす符号として、上記基準値選択部が上記複数の残差基準値のうちどの残差基準値を選択したかを表わす選択基準値符号と、上記基準残差算出部が算出した基準残差を表わす基準残差符号との組を生成することを特徴とするデータ圧縮装置。 - 上記予測残差分類部は、ケー平均法または非階層型クラスタリングまたは階層型クラスタリングを用いて、上記予測残差算出部が算出した予測残差を複数のクラスタに分類することを特徴とする請求項1に記載のデータ圧縮装置。
- 上記基準値算出部は、上記予測残差分類部が上記クラスタに分類した予測残差の平均値または中央値または最頻値を算出して、上記代表値とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデータ圧縮装置。
- 上記基準値算出部は、上記処理装置を用いて、上記一連の値のうち上記予測部が予測値を算出した値それぞれについて、上記一連の値のうち上記値よりも前の値について上記予測残差算出部が算出した予測残差に基づいて、上記複数の残差基準値を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のデータ圧縮装置。
- 上記基準値算出部は、上記処理装置を用いて、上記一連の値のうち上記予測部が予測値を算出したすべての値について上記予測残差算出部が算出した予測残差に基づいて、上記複数の残差基準値を算出し、
上記符号化部は、上記一連の値を表わす符号として、更に、上記基準値算出部が算出した複数の残差基準値を表わす残差基準値符号を生成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のデータ圧縮装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載のデータ圧縮装置と、データ復元装置とを有するデータ処理システムであって、
上記データ復元装置は、データを処理する処理装置と、符号取得部と、復元予測部と、復元基準値選択部と、値復元部とを有し、
上記符号取得部は、上記処理装置を用いて、一連の値のうち少なくともいずれかの値を表わす符号として、複数の残差基準値のなかからどの残差基準値を選択すべきかを表わす選択基準値符号と、基準残差を表わす基準残差符号との組を取得し、
上記復元予測部は、上記処理装置を用いて、上記符号取得部が選択基準値符号と基準残差符号との組を取得した値について、上記一連の値のうち上記値よりも前の値に基づいて上記値を予測することにより、上記値の予測値を算出し、
上記復元基準値選択部は、上記処理装置を用いて、複数の残差基準値のなかから、上記符号取得部が取得した選択基準値符号によって示される残差基準値を選択し、
上記値復元部は、上記処理装置を用いて、上記復元予測部が算出した予測値と、上記復元基準値選択部が選択した残差基準値と、上記符号取得部が取得した基準残差符号が表わす基準残差との合計を算出することにより、上記値を復元した復元値を算出する
ことを特徴とするデータ処理システム。 - 一連の値のうち少なくともいずれかの値について、上記一連の値のうち上記値よりも前の値に基づいて上記値を予測することにより、上記値の予測値を算出する予測処理と、
上記一連の値のうち上記予測処理が予測値を算出した値それぞれについて、上記値と上記予測処理が算出した予測値との差を算出することにより、予測残差を算出する予測残差算出処理と、
上記予測残差算出処理が算出した予測残差を複数のクラスタに分類する予測残差分類処理と、
上記予測残差分類処理が分類した複数のクラスタそれぞれについて、上記予測残差分類処理が上記クラスタに分類した予測残差の代表値を算出することにより、複数の残差基準値を算出する基準値算出処理と、
上記一連の値のうち上記予測処理が予測値を算出した値それぞれについて、上記基準値算出処理が算出した複数の残差基準値のなかから、上記予測残差算出処理が算出した予測残差に最も近い残差基準値を選択する基準値選択処理と、
上記一連の値のうち上記予測処理が予測値を算出した値それぞれについて、上記予測残差算出処理が算出した予測残差と上記基準値選択処理が選択した残差基準値との差を算出することにより、基準残差を算出する基準残差算出処理と、
上記一連の値のうち上記予測処理が予測値を算出した値それぞれについて、上記値を表わす符号として、上記基準値選択処理が上記複数の残差基準値のうちどの残差基準値を選択したかを表わす選択基準値符号と、上記基準残差算出処理が算出した基準残差を表わす基準残差符号との組を生成する符号化処理と
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。 - データを処理する処理装置を有するデータ圧縮装置が、一連の値を表わす圧縮データを生成するデータ圧縮方法において、
上記処理装置が、一連の値のうち少なくともいずれかの値について、上記一連の値のうち上記値よりも前の値に基づいて上記値を予測することにより、上記値の予測値を算出し、
上記処理装置が、上記一連の値のうち上記予測値を算出した値それぞれについて、上記値と上記予測値との差を算出することにより、予測残差を算出し、
上記処理装置が、算出した予測残差を複数のクラスタに分類し、
上記処理装置が、分類した複数のクラスタそれぞれについて、上記クラスタに分類した予測残差の代表値を算出することにより、複数の残差基準値を算出し、
上記処理装置が、上記一連の値のうち上記予測値を算出した値それぞれについて、上記複数の残差基準値のなかから、上記予測残差に最も近い残差基準値を選択し、
上記処理装置が、上記一連の値のうち上記予測値を算出した値それぞれについて、上記予測残差と上記残差基準値との差を算出することにより、基準残差を算出し、
上記処理装置が、上記一連の値のうち上記予測値を算出した値それぞれについて、上記値を表わす符号として、上記複数の残差基準値のうちどの残差基準値を選択したかを表わす選択基準値符号と、上記基準残差を表わす基準残差符号との組を生成することを特徴とするデータ圧縮方法。
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