JP5589446B2 - 画像処理装置、撮像装置、および画像処理方法、並びにプログラム - Google Patents
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Description
[Rv]=a×[Dv]+b×[Mv]
として算出される。
複数の画像を合成して生成した合成画像と、合成画像中に含まれる偽色画素位置を示す偽色画素情報を入力し、前記合成画像内の偽色画素を補正対象画素とした画素値補正を実行する画像補正部を有し、
前記画像補正部は、
前記補正対象画素の周囲領域に設定した参照領域から、前記偽色画素情報に基づいて偽色でないと判定された非偽色画素を参照画素として選択し、
各参照画素に対して、参照画素の画素値が補正対象画素自信の画素値に近いほど大きな重みを設定した類似度重み係数と、補正対象画素の画素位置に距離的に近いほど大きな重みを設定した画素位置重み係数を設定し、
各参照画素の画素値に対して前記類似度重み係数と画素位置重み係数を乗算して加算する加重加算処理により前記補正対象画素の補正画素値を決定する画像処理装置にある。
異なる露光時間の撮影画像を撮影する撮像デバイスと、前記画像処理を実行する画像処理部を有する撮像装置にある。
画像処理装置において画素値補正を実行する画像処理方法であり、
画像補正部が、複数の画像を合成して生成した合成画像と、合成画像中に含まれる偽色画素位置を示す偽色画素情報を入力し、前記合成画像内の偽色画素を補正対象画素とした画素値補正を実行する画像補正ステップを有し、
前記画像補正ステップは、
前記補正対象画素の周囲領域に設定した参照領域から、前記偽色画素情報に基づいて偽色でないと判定された非偽色画素を参照画素として選択するステップと、
各参照画素に対して、参照画素の画素値が補正対象画素自信の画素値に近いほど大きな重みを設定した類似度重み係数と、補正対象画素の画素位置に距離的に近いほど大きな重みを設定した画素位置重み係数を設定するステップと、
各参照画素の画素値に対して前記類似度重み係数と画素位置重み係数を乗算して加算する加重加算処理により前記補正対象画素の補正画素値を決定するステップを実行する画像処理方法にある。
画像処理装置において画素値補正を実行させるプログラムであり、
画像補正部に、複数の画像を合成して生成した合成画像と、合成画像中に含まれる偽色画素位置を示す偽色画素情報を入力し、前記合成画像内の偽色画素を補正対象画素とした画素値補正を実行させる画像補正ステップを有し、
前記画像補正ステップは、
前記補正対象画素の周囲領域に設定した参照領域から、前記偽色画素情報に基づいて偽色でないと判定された非偽色画素を参照画素として選択させるステップと、
各参照画素に対して、参照画素の画素値が補正対象画素自信の画素値に近いほど大きな重みを設定した類似度重み係数と、補正対象画素の画素位置に距離的に近いほど大きな重みを設定した画素位置重み係数を設定させるステップと、
各参照画素の画素値に対して前記類似度重み係数と画素位置重み係数を乗算して加算する加重加算処理により前記補正対象画素の補正画素値を決定させるステップを含むプログラムにある。
1.画像処理装置の全体構成例について
2.画像処理装置の具体的実施例について
2−1.実施例1
2−2.実施例2
2−3.実施例3
3.縮小画像の生成処理例について
4.異なる色空間の適用処理について
5.その他の変更を加えた実施例について
5−1.重み係数の算出処理の変更例
5−2.輝度値も補正する処理例
5−3.補正後の画像に対するぼかし処理の適用処理
まず、本発明の画像処理装置の全体構成例について図2を参照して説明する。
図2は、本発明の画像処理装置の一例である撮像装置の構成例を示すブロック図である。光学レンズ101を通して入射される光は例えばCMOSイメージセンサなどによって構成される撮像デバイス102に入射し、光電変換による画像データを出力する。出力画像データはメモリ103を介して画像処理部104に入力される。制御部105は、例えば図示しないメモリに格納されたプログラムに従って各部に制御信号を出力し、各種の処理制御を行う。
画像1(露光時間T1)111
画像2(露光時間T2)112
:
画像N(露光時間TN)
ただし、T1<T2・・<TN
画像処理部104は、これらのN種類の異なる露光時間(T1〜TN)の画像を撮像素子102から入力し、これらの異なる露光時間の複数の画像に基づいて出力画像120を生成する。
本発明は、例えば、このような複数の異なる露光時間の画像など、複数の画像を合成して1つの画像を生成する画像合成処理工程で発生しがちな偽色の補正を行う構成に関する。
なお、偽色は被写体の動きのみならず、撮影条件の変化、例えば明るさの変化など様々な要因で発生する。
本発明の画像処理装置は、例えば露光時間の異なる複数の撮影画像など、異なるタイミングで撮影した複数の画像を合成して生成する合成画像に発生する偽色を補正する処理を実行する。本発明の画像処理装置において実行する画素値補正の基本的な処理は、補正対象となる偽色画素の近傍画素の画素値を参照画素として設定し、参照画素の画素値を用いて補正対象となる偽色画素の画素値を決定する処理である。
まず、図3以下を参照して、本発明の第1実施例の画像処理装置の構成と処理について説明する。上述したように、本発明の画像処理装置は、偽色画素の補正に際して、補正対象となる偽色画素自身の輝度レベルに着目し、補正対象画素の近傍領域の予め規定した参照領域の各画素の輝度を検証し、補正対象画素の輝度に近い輝度の近傍画素を重要度が高い画素として、その画素の重みを大きく設定して、参照領域内の近傍がその画素値に基づいて補正対象画素の画素値を設定する画素値補正処理を行なう。
画素位置(x,y)に位置する画素の輝度Lと色差a,bを以下のように表現する。
輝度LをDL(x,y)、
色差a,bをDa,b(x,y)
とする。ただし、
Da,b(x,y)=Da(x,y),Db(x,y)
である。
図3は、横軸が画素位置、縦軸が、(a)補正前の色差成分Da,b、(b)補正前の輝度値DL、(c)補正後の色差成分Da,b、これらを示したグラフである。
しかし、この偽色発生画素位置と推定されるq〜rの画素部分においても、図3(b)のように輝度値DLなど他の信号レベルは、周囲(r〜s)との連続性が維持されており、正しい輝度が設定されていると推定される。
図3(a)〜(c)とも横軸が画素位置を示している。偽色の発生している画素範囲はq〜r区間である。
このような偽色の発生は、例えば
p〜q区間は画像1から選択された画素領域、
q〜rは画像1と異なる画像2から選択された画像領域、
r〜sは画像1,2と異なる画像3から選択された画像領域、
このような合成処理が行われた場合に発生しやすい。
画像1(露光時間T1)111
画像2(露光時間T2)112
:
画像N(露光時間TN)
ただし、T1<T2・・<TN
合成画像生成部201は、これらのN種類の異なる露光時間(T1〜TN)の画像を図2に示す撮像素子102から入力し、これらの異なる露光時間の複数の画像に基づいて合成画像を生成する。
偽色であると推定される画素に対して識別フラグ=0
偽色でないと推定される画素に対して識別フラグ=1
このような画素対応の識別情報を設定した画像である。
画像補正部203は、まず、補正対象とする偽色画素の近傍に参照領域を設定する。参照領域は、例えば補正対象とする偽色画素を中心としたn×nの画素領域である。n=は例えば3〜10等、様々な設定が可能である。
次に、画像補正部203は、偽色画素の周囲に設定した参照領域から、
非偽色画素であり、かつ、輝度値が補正対象とする偽色画素の輝度に近い画素、
を検出する。
さらに、この検出画素を重要画素として、参照領域の重要画素の重みを大きく設定して参照領域の画素の画素値をベースとした偽色画素の補正画素値の算出処理を行う。
この補正により、偽色画素をより真に近い画素値に補正することができる。
画素位置(x,y)に位置する画素の輝度Lと色差a,bを以下のように表現する。
輝度LをDL(x,y)、
色差a,bをDa,b(x,y)
合成画像中の補正対象画素の近傍の参照領域の参照画素(画素位置(x+i,y+j))の色差をNa,b(x,y)、
とする。
ただし、Da,b(x,y)=Na,b(x,y)である。
E(i,j)は画素(i,j)が偽色であれば0、偽色で無ければ1を出力する偽色判定画像(図5参照)である。(Eの上部に(−)を設定したデータは、E(i,j)と逆の値、すなわち偽色であれば1、偽色で無ければ0を出力する)
c(x,y,i,j)は、Lab色空間での、
画素(x,y)の画素値構成情報である輝度DL(x,y)と、色差Da,b(x,y)と、
参照画素(x+i,y+j)の画素値構成情報である輝度DL(x+i,y+j)と、色差Da,b(x+i,y+j)と、
の画素値差分(距離)を示すΔLabである。
図6は、参照画素に対する重み係数を設定するために利用するガウス関数について説明する図である。
なお、各ガウス関数に含まれるσはガウシアンパラメータ、tはx,y方向のタップ数となっている。ガウシアンパラメータは大きく設定すると、補正がされやすくなるが、副作用が強くなる。
上記式(式1)は、偽色画素の周囲に設定した参照領域から、
非偽色画素(偽色判定画像(図5参照)において1の設定された画素)であり、かつ、補正対象とする偽色画素の持つ画素値構成情報であるDL(x,y)と、色差Da,b(x,y)に近い画素値(Lab)を持つ参照画素を重要画素として、これらの重要画素の重みを大きく設定し、さらに、補正対象とする偽色画素に距離的に近い画素の重みを大きくして、参照領域の画素の画素値をベースとした偽色画素の補正画素値の算出処理を行っている。
偽色画素の持つ画素値構成情報(Lab)に近い画素値に応じた重みは、C(x,y,i,j)、
偽色画素との距離に応じた画素の重みは、P(x,y,i,j)、
に対応する。
すなわち、
画素値類似度に応じた重み係数(類似度重み係数):C(x,y,i,j)、
画素間距離に応じた重み係数(画素位置重み係数):P(x,y,i,j)、
である。
これらの重みは、図7に示すガウス曲線に応じた重みとなる。
各画素の持つ画素値構成情報の各々についての差分に応じて算出される。
補正対象とする偽色画素の持つ画素値構成情報であるDL(x,y)と、色差Da,b(x,y)に近い画素値(Lab)を持つ参照画素であるほど重みが大きく設定され、
補正対象とする偽色画素に距離的に近い参照画素であるほど重みが大きく設定され、
設定した重みを適用し、参照領域にある複数の画素の色情報(色差Nab(x+i,y+j))が重み付け加算が実行されて補正対象画素(偽色画素)の色値(色差Dab(x,y))が決定される。
なお、前述したように、輝度DL(x,y)については、補正することなく、入力画像の設定値をそのまま出力画像の輝度とする。
(a)補正前の画像、
(b)補正後の画像、
これらを示している。
図8(a)に示す例では、補正対象となる偽色画素221aの周囲の画素を含む3×3の画素領域を参照領域としている。
この図8(a)に示す参照領域から、まず、非偽色画素(偽色判定画像(図5参照)において1の設定された画素)を選択する。
図8(a)に示す参照領域において、補正対象となる偽色画素221a以外の8つの参照領域中の画素中、偽色画素は、画素223のみである。
従って、図8(a)に示す参照領域中の補正対象となる偽色画素221を除く8つの画素から、さらに偽色画素223を除く7つの画素の画素値が、偽色画素221の画素値(色差Dab(x,y))を決定するために利用される参照画素となる。
この7つの参照画素の色差がNab(x+i,y+j)、
として上記式(式1)において利用される。
i,jは、補正対象となる偽色画素221aと参照画素の座標位置のずれを示し、Nは画素番号を示している。この場合、7つの画素が参照画素として利用されることになるのでN=1〜7の7つの画素情報が利用されることになる。
補正対象とする偽色画素221aの持つ画素値構成情報であるDL(x,y)と、色差Da,b(x,y)に近い画素値(Lab)を持つ参照画素の重みを大きく設定し、さらに、偽色画素221に距離的に近い参照画素の重みを大きくして、参照領域の画素の画素値をベースとした偽色画素の補正画素値の算出処理を行う。
画像補正部203は、まず、補正対象画素の周囲領域に設定した参照領域から、画像解析部202の生成する偽色画素情報に基づいて偽色でないと判定された非偽色画素を参照画素として選択する。
次に、各参照画素に対して、参照画素の画素値が補正対象画素自信の画素値に近いほど大きな重みを設定した類似度重み係数と、補正対象画素の画素位置に距離的に近いほど大きな重みを設定した画素位置重み係数を設定する。
次に、各参照画素の画素値に対して類似度重み係数と画素位置重み係数を乗算して加算する加重加算処理により補正対象画素の補正画素値を決定する。
このような処理を実行することで、偽色画素を本来の正しい画素値を持つ画素に補正することが可能となる。
次に、図9以下を参照して、本発明の第2実施例の画像処理装置の構成と処理について説明する。
実施例2は、合成画像の縮小画像を生成して縮小画像を適用して偽色画素の補正画素値を算出する処理例である。
図9(a)に示す画像301は、補正対象となる偽色画素が含まれる合成画像301である。
この合成画像301に含まれる偽色画素311対して補正画素値を算出する場合、例えば、図9(a)に示す参照領域a312を設定し、参照領域a312に含まれる画素の偽色判定結果と、画素値(Lab)の取得処理を行い、先に実施例1において説明した式(式1)を適用した画素値算出処理を行うことになる。
この処理では、参照領域a312に含まれる画素数の増加に伴い処理量、演算量が増加することになる。
従って、縮小画像に対する補正画素値の算出処理を行うことで、処理量、演算量を減少させることが可能となる。
図10に示すように、画像処理部104は、実施例1と同様の処理を行う合成画像生成部201、画像解析部202、画像補正部203の他、縮小画像生成部331を有する。
縮小画像生成部331は、合成画像生成部201の生成した合成画像の縮小処理を実行して縮小画像を生成する。
画像補正部203は、合成画像と、縮小画像と、偽色判定画像を入力して、合成画像の偽色領域の補正処理を実行して補正された合成画像を生成して出力画像120を生成して出力する。
さらに、この検出画素を重要画素として、参照領域の重要画素の重みを大きく設定して参照領域の画素の画素値をベースとした偽色画素の補正画素値の算出処理を行う。
画素値類似度に応じた重み係数(類似度重み係数):C(x,y,i,j)、
画素間距離に応じた重み係数(画素位置重み係数):P(x,y,i,j)、
参照画素の色差:Nab(x+i,y+j)
これらの情報は、縮小画像から取得して処理を行う。
縮小前の合成画像における画素位置を(x,y)とし、
縮小後の縮小合成画像の画素位置を(X,Y)とする。
縮小画像の合成画像に対する縮小率を[Q]とする。
例えば縮小画像が合成画像の1/10の画像である場合、Q=10であり、縮小画像が合成画像の1/50の画像である場合、Q=50である。
この設定において、縮小合成画像の画素位置(X,Y)は、縮小前の合成画像における画素位置(x,y)を用いて、以下のような関係式で定義される。
(X,Y)=(x/Q,y/Q)
輝度LをDL(x,y)、
色差a,bをDa,b(x,y)
合成画像中の補正対象画素(画素位置(x,y))の色情報である色差をDa,b(x,y)、
合成画像中の補正対象画素の近傍の参照領域の参照画素(画素位置(x+i,y+j))の色差をNa,b(x,y)、
とする。
ただし、Da,b(x,y)=Na,b(x,y)である。
E(i,j)は画素(i,j)が偽色であれば0、偽色で無ければ1を出力する偽色判定画像(図5参照)である。(Eの上部に(−)を設定したデータは、E(i,j)と逆の値、すなわち偽色であれば1、偽色で無ければ0を出力する)
c(X,Y,i,j)は、Lab色空間での、
画素(x,y)の画素値構成情報である輝度DL(x,y)と、色差Da,b(x,y)と、
縮小された参照画素(X+i,Y+j)の画素値構成情報である輝度DL(X+i,Y+j)と、色差Da,b(X+i,Y+j)と、
の画素値差分(距離)を示すΔLabである。
P(X,Y,i,j)は縮小画像において設定される偽色画素(x,y)の対応位置にある画素(X,Y)と画素(X+i,Y+j)の間の空間距離のガウス関数(図6、図7参照)である。
画像補正部203は、上記の式2に従って、合成画像の補正対象画素(x,y)の補正後の出力画素の色情報である色差Rab(x,y)を算出する。
非偽色画素(偽色判定画像(図5参照)において1の設定された画素)であり、かつ、補正対象とする偽色画素の持つ画素値構成情報であるDL(x,y)と、色差Da,b(x,y)に近い画素値(Lab)を持つ参照画素を重要画素として、これらの重要画素の重みを大きく設定し、さらに、補正対象とする偽色画素に距離的に近い画素の重みを大きくして、参照領域の画素の画素値をベースとした偽色画素の補正画素値の算出処理を行っている。
画素値類似度に応じた重み係数(類似度重み係数):C(X,Y,i,j)、
画素間距離に応じた重み係数(画素位置重み係数):P(X,Y,i,j)、
参照画素の色差:Nab(X+i,Y+j)
これらの情報は、縮小画像から取得して処理を行う。
次に、図11以下を参照して、本発明の第3実施例の画像処理装置の構成と処理について説明する。
これまでの実施例1,2においては、参照画素を取得する画像を補正対象となる偽色画素を含む合成画像、またはその縮小画像のいずれか1つを利用する実施例であった。すなわち、参照する画像は1つの画像のみとしていた。
(a)第1参照画像=補正対象画素である偽色画像を含む第1の合成画像と、
(b)第2参照画像=第1の合成画像より過去の撮影画像に基づいて生成された第2の合成画像の縮小画像
これらの2つの参照画像を用いて、補正対象画素の画素値構成情報としての色情報である色差:Da,b(x,y)の補正値:Ra,b(x,y)を算出する処理例について説明する。
図12に示すように、画像処理部104は、実施例1と同様の処理を行う合成画像生成部201、画像解析部202、画像補正部203の他、実施例2と同様の縮小画像を生成する縮小画像生成部331と、さらに、縮小画像を一次的に格納するフレームメモリ401を有する。
画像補正部203は、さらに、補正対象となる合成画像の前のタイミングの撮影処理によって生成された過去の合成画像に基づいて生成された縮小画像をフレームメモリ401から入力する。この縮小画像が第2参照画像として利用される。
(a)第1参照画像=補正対象画素である偽色画像を含む第1の合成画像と、
(b)第2参照画像=第1の合成画像より過去の撮影画像に基づいて生成された第2の合成画像の縮小画像
これらの2つの参照画像を利用した処理を行う。
画像補正部203は、合成画像と、縮小画像と、偽色判定画像を入力して、合成画像の偽色領域の補正処理を実行して補正された合成画像を生成して出力画像120を生成して出力する。
さらに、この検出画素を重要画素として、参照領域の重要画素の重みを大きく設定して参照領域の画素の画素値をベースとした偽色画素の補正画素値の算出処理を行う。
ただし、本実施例3では、参照画素を2つの参照画像から抽出する。すなわち、
(a)第1参照画像=補正対象画素である偽色画像を含む第1の合成画像と、
(b)第2参照画像=第1の合成画像より過去の撮影画像に基づいて生成された第2の合成画像の縮小画像
これらの2つの参照画像から参照画素の画素値を取得する。
補正対象画素の色差:Da,b(x,y)、
合成画像と等しい第1参照画像における画素位置(x,y)から距離(i,j)の近傍画素の色差:N1a,b(x+i,y+j)、
第2参照画像(異なるタイミングで撮影された合成画像の縮小画像(縮小率Q))における補正対象画素の対応画素位置(X,Y)((X,Y)=(x/Q,y/Q))から距離(i,j)の近傍画素の色差:N2a,b(X+i,Y+j)、
このようなパラメータの設定の下に、
(vp+wq)の式中、
v,w(v+w=1)は各参照画像の重みであり、予め設定した値を用いる。
pは、先に説明した実施例1において示した式1の補正後の出力画素値Ra,b(x,y)の算出式の前半の項と同様の式である。
qは、先に説明した実施例2において示した式2の補正後の出力画素値Ra,b(x,y)の算出式の前半の項と同様の式である。
ただし、
(vp+wq)において、
pは、補正対象画像と同一の合成画像(第1参照画像)から選択される参照画素から算出される。
qは、補正対象画像と異なる合成画像の縮小画像(第2参照画像)から選択される参照画素から算出される。
E(i,j)は画素(i,j)が偽色であれば0、偽色で無ければ1を出力する偽色判定画像(図5参照)である。(Eの上部に(−)を設定したデータは、E(i,j)と逆の値、すなわち偽色であれば1、偽色で無ければ0を出力する)
画素(x,y)の画素値構成情報である輝度DL(x,y)と、色差Da,b(x,y)と、
第1参照画素(x+i,y+j)の画素値構成情報である輝度DL(x+i,y+j)と、色差Da,b(x+i,y+j)と、
の画素値差分(距離)を示すΔLabである。
C(x,y,i,j)は、上記のc(x,y,i,j)のガウス関数(図6、図7参照)である。
P(x,y,i,j)は画素(x,y)と第1参照画像の画素(x+i,y+j)の間の空間距離のガウス関数(図6、図7参照)である。
画素(x,y)の画素値構成情報である輝度DL(x,y)と、色差Da,b(x,y)と、
第2参照化画像である縮小画素(X+i,Y+j)の画素値構成情報である輝度DL(X+i,Y+j)と、色差Da,b(X+i,Y+j)と、
の画素値差分(距離)を示すΔLabである。
C(X,Y,i,j)は、上記のc(X,Y,i,j)のガウス関数(図6、図7参照)である。
P(X,Y,i,j)は第2参照画像(縮小画像)において設定される偽色画素(x,y)の対応位置にある画素(X,Y)と画素(X+i,Y+j)の間の空間距離のガウス関数(図6、図7参照)である。
なお、v,w(v+w=1)は前述したように、各参照画像の重みであり、予め設定した値を用いる。
非偽色画素(偽色判定画像(図5参照)において1の設定された画素)であり、かつ、補正対象とする偽色画素の持つ画素値構成情報であるDL(x,y)と、色差Da,b(x,y)に近い画素値(Lab)を持つ参照画素を重要画素として、これらの重要画素の重みを大きく設定し、さらに、補正対象とする偽色画素に距離的に近い画素の重みを大きくして、参照領域の画素の画素値をベースとした偽色画素の補正画素値の算出処理を行っている。
なお、図12を参照して説明した処理例では、過去画像については縮小画像として参照していたが、縮小処理を行わず補正対象画素を含む第1の合成画像を第1参照画像とし、補正対象画素を含まない第2の合成画像を縮小することなく第2参照画像としてそれぞれの画像から参照画素を取得して補正画素値を算出する構成としてもよい。
また、3以上の異なる画像を参照画像として設定する処理を行なう構成としてもよい。
上述した実施例2,3において説明したように、偽色画素の画素値を決定するために利用する参照画像は、縮小画像とすることで効率的な処理を行うことが可能となる。
以下、この縮小画像の生成処理の具体的な処理例について説明する。
図13は一般的な縮小画像の生成処理例、
図14は本発明の一実施例に従った偽色の存在を考慮して縮小画像を生成する処理例、
これらを示している。
図13(A1)には、6×6画素を2×2画素に縮小する処理例を示している。すなわち、元画像の3×3画素を縮小画像の1画素とする縮小処理例である。
6×6画素の元画像の右上の3×3画素のブロック501は、縮小画像の画素502として設定される。
従来型の縮小処理における画素値設定処理について図13(A2)を参照して説明する。2×2画素の縮小画像の右上の画素502の画素値の設定例について説明する。
縮小画像の右上の画素502の画素値は、図13(A2)に示すように、6×6画素の元画像の右上の3×3画素のブロック501を構成する9画素の画素値の平均値として設定される。
縮小処理は、元画像の1/nのサイズの縮小画像であるとする。
縮小画像の画素位置(i,j)の画素の画素値をPL,a,b(i,j)とする。
このとき、縮小画像の画素位置(i,j)の画素の画素値をPL,a,b(i,j)は以下の式(式4)に従って算出される。
i,jは、縮小画像の画素位置を示す座標であり、それぞれx,y方向の画素位置を示す。
PL,a,b(k,l)は、縮小前の元画像の構成画素の画素値に対応する。図13(A2)に示す例では、縮小前の3×3=9個の画素の画素値である。
図13(A2)に示す例では、例えば、縮小前の元画像の右上の3×3画素のブロック501に含まれる各画素の画素値をa,b,c,d,e,f,g,h,iとした場合、
縮小画像の画素502の画素値PL,a,b(i,j)は、以下の式に従って算出される。
PL,a,b(i,j)=(1/9)a+(1/9)b+(1/9)c+(1/9)d+(1/9)e+(1/9)f+(1/9)g+(1/9)h+(1/9)i
上記式によって、縮小画像の画素値:PL,a,b(i,j)が算出される。
6×6画素の元画像の右上の3×3画素のブロック521は、縮小画像の画素523として設定される。
6×6画素の元画像の右上の3×3画素のブロック521には1つの偽色画素522が含まれている。
図14(B2)に示すように、6×6画素の元画像の右上の3×3画素のブロック521を構成する9画素について、
まず、偽色画素であるか非偽色画素であるかを判別する。なお、この判別情報は、例えば先の実施例1〜3において説明した画像処理部104内の画像解析部202の生成する偽色判定画像を利用することができる。
偽色画素であれば小さい重み、
非偽色画素であれば大きい重み、
このような重み設定を行う。
図に示す例では、
偽色画素=(1/81)
非偽色画素=(10/81)
このような重みを設定した例を示している。
縮小処理は、元画像の1/nのサイズの縮小画像であるとする。
縮小画像の画素位置(i,j)の画素の画素値をPL,a,b(i,j)とする。
このとき、縮小画像の画素位置(i,j)の画素の画素値をPL,a,b(i,j)は以下の式(式5)に従って算出される。
i,jは、縮小画像の画素位置を示す座標であり、それぞれx,y方向の画素位置を示す。
PL,a,b(k,l)は、縮小前の元画像の構成画素の画素値に対応する。図14(B2)に示す例では、縮小前の3×3=9個の画素の画素値である。
E(k,l)は、縮小前の元画像の構成画素の画素(k,l)が偽色であれば0、偽色で無ければ1を出力する偽色判定画像(図5参照)である。
numはΣ中のE(k,l)=1の数である。
なお、縮小画像の1画素に対応する元画像の画素ブロック領域が全て偽色であり、num=0の場合は、例外処理として、隣接ブロックの画素値を適用する、あるいは通常の平均値を算出する処理などを行う。
縮小画像の画素523の画素値PL,a,b(i,j)は、以下の式に従って算出される。
PL,a,b(i,j)=(10/81)a+(10/81)b+(10/81)c+(10/81)d+(10/81)e+(10/81)f+(10/81)g+(1/81)h+(10/81)i
上記式によって、縮小画像の画素値:PL,a,b(i,j)が算出される。
なお、図14を参照して説明した縮小画像生成処理は、例えば前述の実施例2、実施例3における縮小画像生成部331における縮小画像の生成処理に適用可能である。
上述した実施例では、色空間としてLab色空間を適用した処理例について説明したが、本発明は、Lab色空間に限らず、その他の色空間を適用した場合でも利用可能である。
輝度情報Lと、色情報である色差abを有している設定として説明した。
補正対象とする画像がLab色空間に対応する画素値を設定されてない場合、例えば、YCbCr色空間に対応する画素情報を持つ場合について説明する。
Lab色空間に対応する色情報である色差abの代わりに、YCbCrでのCb、Cr値を用いることが可能である。また、Lab色空間に対応する輝度情報であるLの代わりに、YCbCrでのY値を用いることが可能である。
また、画素値差分としては、ΔLabの代わりにΔYCbCrを適用することができる。
次に、上述した実施例1〜3に対するその他の変更処理例について説明する。
上述した実施例1〜3では、例えば、
画素値類似度に応じた重み係数(類似度重み係数):C(x,y,i,j)、
画素間距離に応じた重み係数(画素位置重み係数):P(x,y,i,j)、
これらの重み係数を設定する場合、図6、図7を参照して説明したように、ガウス関数を適用して重みを設定している。
これらの実施例1〜3では、ガウス関数に対する入力は、例えば、画素値類似度に応じた重み係数(類似度重み係数):C(x,y,i,j)を算出する場合、補正対象とする偽色画素と参照画素の画素値、実施例ではLabの差分(距離)を示すノルムを利用している。
具体的には、以下の式(式6)で示されるノルムをガウス関数に対する入力としている。
画素値類似度に応じた重み係数(類似度重み係数):C(x,y,i,j)、
画素間距離に応じた重み係数(画素位置重み係数):P(x,y,i,j)、
これらの重み係数を設定する場合、図6、図7を参照して説明したように、ガウス関数を適用しているが、ガウス関数の代わりに、たとえば図15に示す近似折れ線を示す関数や固定値を使用して近似する処理を行って重み係数を算出する構成としてもよい。簡単な関数で近似することで計算量を削減することができる。
上述した実施例では、偽色の補正処理に際して、Lab色空間における色情報としての色差abのみを変更対象とし、輝度情報Lについては補正対象としてはいなかった。
実施例1〜3の処理において、輝度情報Lなど色差ab以外の画素情報についても変更する処理としてもよい。
ただし、この処理を行うか否かは、補正対象となる画像の性質に応じて決定することが好ましい。
例えば、補正対象とする画像には、以下の4種類がある。
1:輝度は正しく色差も正しい、
2:輝度は誤っているが色差は正しい、
3:輝度は正しいが色差は誤っている、
4:輝度も色差も誤っている、
これらの4種類があり、上述した実施例1〜3では、3のケース、すなわち、「輝度は正しいが色差は誤っている」というケースを救済するものであった。
上記1の場合は補正処理は不要であり、3の場合は、上述した実施例1〜3の処理が好ましい。2,4の場合は、輝度の補正処理を実行することが好ましい。
上述した実施例1〜3では、偽色補正を行った画像を最終的な処理画像として出力しているが、偽色補正を行った補正画像に対して、さらに、ローパスフィルターを使用してぼかし処理を施す構成としてもよい。なお、ローパスフィルターの適用位置は、偽色補正を実行した画素部分のみとする。ローパスフィルターを使用することによって、補正対象画像中の色差の違和感が緩和される。なお、ローパスフィルターは色差成分のみを対象としても良い。
11 高輝度領域
12 低輝度領域
101 光学レンズ
102 撮像デバイス
103 メモリ
104 画像処理部
105 制御部
111〜113 画像
120 出力画像
201 合成画像生成部
202 画像解析部
203 画像補正部
331 縮小画像生成部
401 フレームメモリ
Claims (12)
- 複数の画像を合成して生成した合成画像と、合成画像中に含まれる偽色画素位置を示す偽色画素情報を入力し、前記合成画像内の偽色画素を補正対象画素とした画素値補正を実行する画像補正部を有し、
前記画像補正部は、
前記補正対象画素の周囲領域に設定した参照領域から、前記偽色画素情報に基づいて偽色でないと判定された非偽色画素を参照画素として選択し、
各参照画素に対して、参照画素の画素値が補正対象画素自身の画素値に近いほど大きな重みを設定した類似度重み係数と、補正対象画素の画素位置に距離的に近いほど大きな重みを設定した画素位置重み係数を設定し、
各参照画素の画素値に対して前記類似度重み係数と画素位置重み係数を乗算して加算する加重加算処理により前記補正対象画素の補正画素値を決定する構成であり、
前記類似度重み係数の設定処理においては、前記補正対象画素の輝度に近い輝度を持つ参照画素の重みを大きくする輝度差分を考慮した重み係数設定を実行する画像処理装置。 - 前記画像補正部は、
前記合成画像の各画素の持つ画素値構成情報の各々についての差分に応じて前記類似度重み係数を算出する請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記合成画像の画素の各々にはLab色空間に対応する画素値情報が設定され、
前記画像補正部は、
前記合成画像の各画素の持つ画素値構成情報である輝度Lと色差abの各々についての差分に応じて前記類似度重み係数を算出する請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記画像処理装置は、
前記合成画像の縮小処理を実行する縮小画像生成部を有し、
前記画像補正部は、前記縮小画像生成部の生成した縮小画像中に前記参照領域を設定し、縮小画像中に設定した参照領域から選択した参照画素を適用して前記類似度重み係数と前記画素位置重み係数を算出する請求項1〜3いずれかに記載の画像処理装置。 - 前記画像処理装置は、
前記補正対象画素を含む第1の合成画像と異なるタイミングの撮影画像に基づく第2の合成画像、または第2の合成画像の縮小画像を第2参照画像として入力し、
前記第2参照画像に対して、前記第1の合成画像の補正対象画素に対応する画素位置周囲に第2の参照領域を設定し、該第2の参照領域に含まれる非偽色画素を参照画素として選択し、選択した各参照画素に前記類似度重み係数と画素位置重み係数を設定し、
前記補正対象画素を含む合成画像から選択した参照画素、および前記第2の参照領域から選択した参照画素の双方を適用して、各参照画素の画素値に対して前記類似度重み係数と画素位置重み係数を乗算して加算する加重加算処理により前記補正対象画素の補正画素値を決定する請求項1〜4いずれかに記載の画像処理装置。 - 前記画像補正部は、
前記類似度重み係数と画素位置重み係数をガウス関数を適用して算出する請求項1〜5いずれかに記載の画像処理装置。 - 前記画像処理装置は、さらに、
前記合成画像を入力し、合成画像内に含まれる偽色画素の検出を実行して前記偽色画素情報を生成する画像解析部を有し、
前記画像補正部は、前記画像解析部の生成する偽色画素情報を適用して参照領域内の非偽色画素の選択を行う請求項1〜6いずれかに記載の画像処理装置。 - 前記画像処理装置は、さらに、
複数の画像を合成して合成画像を生成する合成画像生成部を有し、
前記画像補正部は、前記合成画像生成部の生成する合成画像の補正を実行する請求項1〜7いずれかに記載の画像処理装置。 - 前記合成画像は、
異なる露出時間を設定して撮影された複数の画像を合成して生成した合成画像である請求項1〜8いずれかに記載の画像処理装置。 - 異なる露光時間の撮影画像を撮影する撮像デバイスと、
請求項1〜9いずれかに記載の画像処理を実行する画像処理部を有する撮像装置。 - 画像処理装置において画素値補正を実行する画像処理方法であり、
画像補正部が、複数の画像を合成して生成した合成画像と、合成画像中に含まれる偽色画素位置を示す偽色画素情報を入力し、前記合成画像内の偽色画素を補正対象画素とした画素値補正を実行する画像補正ステップを有し、
前記画像補正ステップは、
前記補正対象画素の周囲領域に設定した参照領域から、前記偽色画素情報に基づいて偽色でないと判定された非偽色画素を参照画素として選択するステップと、
各参照画素に対して、参照画素の画素値が補正対象画素自身の画素値に近いほど大きな重みを設定した類似度重み係数と、補正対象画素の画素位置に距離的に近いほど大きな重みを設定した画素位置重み係数を設定するステップと、
各参照画素の画素値に対して前記類似度重み係数と画素位置重み係数を乗算して加算する加重加算処理により前記補正対象画素の補正画素値を決定するステップを実行し、
前記類似度重み係数の設定処理においては、前記補正対象画素の輝度に近い輝度を持つ参照画素の重みを大きくする輝度差分を考慮した重み係数設定を実行する画像処理方法。 - 画像処理装置において画素値補正を実行させるプログラムであり、
画像補正部に、複数の画像を合成して生成した合成画像と、合成画像中に含まれる偽色画素位置を示す偽色画素情報を入力し、前記合成画像内の偽色画素を補正対象画素とした画素値補正を実行させる画像補正ステップを有し、
前記画像補正ステップは、
前記補正対象画素の周囲領域に設定した参照領域から、前記偽色画素情報に基づいて偽色でないと判定された非偽色画素を参照画素として選択させるステップと、
各参照画素に対して、参照画素の画素値が補正対象画素自身の画素値に近いほど大きな重みを設定した類似度重み係数と、補正対象画素の画素位置に距離的に近いほど大きな重みを設定した画素位置重み係数を設定させるステップと、
各参照画素の画素値に対して前記類似度重み係数と画素位置重み係数を乗算して加算する加重加算処理により前記補正対象画素の補正画素値を決定させるステップを含み、
前記類似度重み係数の設定処理においては、前記補正対象画素の輝度に近い輝度を持つ参照画素の重みを大きくする輝度差分を考慮した重み係数設定を実行させるプログラム。
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