JP5588795B2 - 伝送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、IEEE802.3に規定されるイーサネット(登録商標)などに代表されるパケット通信信号の伝送装置において、入力フレームをいくつかのフレームに分割したフラグメント方式の処理に関する。
近年、各家庭内にインターネットを始めとするブロードバンド回線が普及し、IPトラフィックを中心として回線需要が増大しており、これまでWANの主流であったSONET/SDHやATMなどに代わり、大容量で安価なイーサネットが急速に市場に普及している。
イーサネット信号は、IEEE802.3(非特許文献1)で規定されているMAC (Media Access Control) フレームとMACフレームの間のIFG(Inter Frame Gap)と呼ばれる無信号状態を表すデータ(最低12バイト以上)により構成される。MACとは、OSI参照モデルの第2層(レイヤ2)に属するプロトコルのことであり、その役割はOSI参照モデルの第3層(レイヤ3)以上のプロトコルやデータをMACフレームのデータ領域に格納し、この格納されたレイヤ3以上のプロトコルを確実に目的の端末へ伝送することである。図1の1)-1に示す通常イーサネットフレームのように、MACフレームは、MACフレームの先頭を示すプリアンブル(8バイト)と、MACフレームの宛先の端末のMACアドレスを示す宛先アドレス(6バイト)と、MACフレームを送信する端末のMACアドレスを示す送信元アドレス(6バイト)と、MACフレームの長さなどを示すType/Length(2バイト)と、データ領域(可変長46〜1500バイト)及びチェックサム値(4バイト)とで構成される。通常、プリアンブルを除いた部分が有効フレーム範囲に数えられ、フレーム長は、64バイト~1518バイトとなる。図1の2)に、イーサネットフレームのデータフォーマットをそのままに、フレーム長を1518バイト以上に拡張したイーサネットフレームを示す。このようなイーサネットフレームは、ジャンボフレームとよばれる。ジャンボフレームは、通常フレームよりもIFG(無信号状態)の割合を少なくすることが可能なため、通常フレームを用いた場合よりも伝送路帯域を効率的に使用可能である。
さらに、現在、旧来から存在するSDH/SONET技術をベースとするバックボーンネットワークと新しいIP・Ethernet技術をベースとするバックボーンネットワークが並存することによる設備、保守の非効率解消が望まれている。図2に、SDH/SONET信号及びIP・イーサネットフレームなどのオリジナルデータをカプセル化したフレームを示す。これは、上記の非効率解消の為に、SDH/SONET信号及びIP・イーサネットフレームなどのオリジナルデータを同一の規格のヘッダやフッタを付けカプセル化することにより、フレーム通信ベースのバックボーンネットワークに集約を図るものである。具体的には、
T-MPLS(Transport-MPLS)技術などに代表される。このようなカプセル化されたフレームを生成する装置を、以下、カプセル化装置とよぶ。
IEEE802.3 IETF RFC4623 ITU-T Y.1415
このカプセル化装置では、ジャンボフレーム対応や帯域管理などの機能が求められる。以下、ジャンボフレームとは、所定Byte長以上のフレームであり、特には、IEEE802.3で規定されるイーサフレームの最大長である1518Byteの関係から、1518Byte以上のフレーム長を持つフレームを指すものとする。現状としてはジャンボフレーム対応のカプセル化装置で構成されるネットワークとジャンボフレーム非対応のカプセル化装置で構成されるネットワークが混在することがある。図3にジャンボパケット対応と非対応のカプセル化装置で構成されたネットワークの一例を示す。図3はクライアント装置100-1からクライアント装置100-2の間に、ジャンボフレーム対応のネットワークA(所定Byte長以上のフレームに対応する最大伝送単位を備えるネットワーク。ヘッダを除いた通信回線の最大伝送単位(Maximum Transmission Unit, MTU)が1518Byte以上の意味)、ジャンボフレーム非対応のネットワークB(所定Byte長未満のフレームに対応する最大伝送単位を備えるネットワーク。ヘッダを除いた通信回線のMTUが1518Byte未満の意味)、ジャンボフレーム対応のネットワークCが存在し、各ネットワークは、同一伝送規格によってつながっているものとする。クライアント装置100-1からクライアント装置100-2にジャンボフレームを送付する場合に、何もしないと、ネットワークBはジャンボフレームに非対応なため、エッジノード200-3にてフレームを廃棄してしまうという課題がある。
そのような場合に用いられる技術に例えばIETF RFC4623(非特許文献2)やITU-T Y.1415(非特許文献3)で規定されているフラグメント化技術がある。フラグメント化技術では、長大なフレームをある規定の長さで分割する。また、分割最後のフラグメントが規定の最小フレーム長に満たない場合は、最小フレーム長になるまで“0”データを加えるパディング処理がなされる。図4にその一例を示す。図4の1)はフレーム長1522Byteのジャンボフレームを、図4の2)はジャンボフレームのヘッダを除いた部分について1512Byte単位で分割した場合を、各々記載している。ここで、分割された各フラグメントにはヘッダが付与される。図4の2)では、最後のフラグメントフレームは10Byteに分割される。ここで、10Byteは、イーサネットの最小フレーム長64Byteに満たないため、54Byte分のパディング処理がなされる。このようにフレームの分割が実施された後、例えば、ITU-T Y.1415では、図5の1)に示すIWFヘッダを付与する。図5の2)に、IWFのフィールド毎の用途を示す。ここで、FRG領域にフラグメントの実施有無及びその状態を書き込むことまた、パディングしたフレームのフレーム長をLength Fieldに書き込むことが定められている。
このようなフラグメント化技術を用いた場合において、図3の構成のネットワークに図4の1)のジャンボフレームを入力する場合について説明する。クライアント装置100-1より出力したジャンボフレームは、ネットワークAをジャンボフレームのまま経由し、エッジノード200-3にてフラグメント化され、図4の2)のような状態となる。その状態のフレームがネットワークBで伝送され、エッジノード200-4にてフラグメント結合がなされ、図4の1)の状態に戻される。その後、ジャンボフレームはネットワークCを経由し、クライアント装置100-2にて受信される。ここで、帯域の観点で考えると、パディングは、本来、送信したい信号ではないので、無駄な帯域が発生している。つまり、上記のフラグメント化技術では、最小フレーム長に満たないフラグメントフレームは、最小フレーム長になるまで“0”データで埋めるパディング処理がなされるため、“0”データ追加によるフレーム長追加によって、無駄な帯域が発生するという課題がある。
伝送装置において、信号のフラグメント化を実施する際に、最後のフラグメントについて、規定の最小フレーム長を閾値に分割・非分割を判断し、非分割と判断する場合には最後のフラグメントへのパディング処理を回避する。
本発明による伝送装置は、一例として、パケット信号のヘッダを除いた部分のフレーム長を計測する計測部と、前記パケット信号のヘッダを除いた部分を第1フラグメント長で分割してフラグメントを生成し、前記パケット信号の前記ヘッダ側ではない他端を含む部分のフレーム長が前記第1フラグメント長と閾値との和未満の場合に当該部分を分割しないよう処理し、前記パケット信号を複数のフラグメントにする第1フラグメント処理部と、前記複数のフラグメントにヘッダを付与するヘッダ付与部とを有する。
ここで、前記パケット信号のヘッダを除いた部分を第2フラグメント長で分割してフラグメントを生成し、前記パケット信号の前記ヘッダ側ではない他端を含む部分が前記第2フラグメント長未満の場合にデータを追加して前記パケット信号が従う規格上の最小フレーム長のフラグメントを生成し、前記パケット信号を複数のフラグメントにする第2フラグメント処理部と、前記第1フラグメント処理部と前記第2フラグメント処理部とのいずれかを選択する方式判定部と、前記方式判定部の選択に基づいて、前記第1フラグメント処理部と前記第2フラグメント処理部とのいずれかに前記パケット信号を送信するセレクタとをさらに有し、前記ヘッダ付与部は、前記第1フラグメント処理部と前記第2フラグメント処理部とのいずれかから送られる複数のフラグメントにヘッダを付与してもよい。
パケット通信信号のフラグメント化を実施する際に、パディング処理をなくし、帯域の逼迫を回避することが可能となる。また、パディング処理をしないため、パディング処理を行ったフラグメントフレームのIWFヘッダにフレーム長を書き込む処理を省くことが可能となる。よって、より簡易な構成で、フラグメント処理が実現可能となる。
イーサネットフレームフォーマットを示す図 カプセル化装置内フレームを示す図 ジャンボフレーム対応と非対応のカプセル化装置で構成されたネットワークの一例を示す図 フラグメント方式の一例を示す図 IWFヘッダを示す図 実施例1によるフラグメント方法を示す図 実施例1のフローチャートを示す図 実施例1における回路の一例を示す図 実施例1のデータ帯域の一例を示す図 実施例2のフローチャートを示す図 実施例2における回路の一例を示す図 実施例2のデータ帯域の一例を示す図
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。ここで、伝送装置に入力される信号は、イーサネット信号でもよく、またMPLSヘッダを付与されるパケット信号であってもよい。
図6に実施例1によるフラグメント処理の概念図を示す。ここで、入力されたパケット通信信号(フレーム)のヘッダを除いた部分のフレーム長をL[Byte]、等間隔に分割するフラグメント長設定値をA[Byte]、最終フラグメントの設定閾値をB[Byte]とする。ここで、Bは入力されたパケット通信信号(フレーム)が従う規格上の最小フレーム長である。本実施例では、Lのフレームを、Aの長さのフラグメントとして分割していく(図6中の601の部分)。そして、ヘッダ側ではない他端を含む残りのフレーム長がA〜2Aとなった場合、残りのフレーム長が、A+B未満か以上かの判定を実施し、A+B未満だった場合、残りのフレーム長をそのまま出力し、A+B以上であった場合は、Aとその残りのフレーム長のフラグメントを出力する。すなわち、図6中の602の部分が設定閾値B[Byte]よりも小さかった場合、図6中の602の部分と隣接する部分とを分割しない。
図7に実施例1の方式のフローチャートを示す。図8に伝送装置(エッジノード)の構成を示す。伝送装置(エッジノード)にパケット通信信号(フレーム列)が入力されるとき、フレーム長計測部500にてヘッダを除いた部分のフレーム長の計測が実施される(A02)。その後、フラグメント処理部501にて、ヘッダを除いた部分のフレームについて、フレーム長が設定値A+B以上か未満かの判定を行う(A03)。ヘッダを除いた部分のフレーム長L[Byte]が設定値A+B以上の場合は、当該フレームについて、フラグメントフレーム長Aに分割してフラグメント化され(A04)、フラグメントフレームではない方のフレームのフレーム長L-A[Byte]にて再度設定値A+B以上か未満かの判定を行う。これが、フラグメントフレームではない方のフレームのフレーム長がA+B[Byte]未満となるまで繰り返される。フラグメントフレームではない方のフレームのフレーム長がA+B[Byte]未満となるときには、ヘッダ側ではない他端を含むフレームを分割せずに、フラグメント化の処理を完了する。フラグメント化の処理が完了後、各フラグメントフレームに対してヘッダ付与部502にてヘッダが付与される(A05)。
本実施例で、A+B-1[Byte] にMTUを設定した場合のデータ帯域は、定性的には、図9のようになる。本実施例による場合を本方式として示し、比較対象として、オリジナルフレームの帯域(破線)と従来フラグメント方式の帯域(点線)を示す。オリジナルフレームの帯域とは、比較のために、仮想的にフラグメントを実施しない場合におけるフレームの帯域を指す。従来のパディング処理をするフラグメント方式は、MTUをフラグメント長とした場合とする。オリジナル帯域に比べ、従来フラグメント方式帯域及び、本方式帯域が低くなっているのは、フラグメントフレームのヘッダ部分の帯域が増えることによる。
従来フラグメント方式帯域及び、本方式帯域が急瞬に帯域が低くなる箇所は、フラグメント分割が行われたことを示す。本方式は、従来フラグメント方式で見られるフラグメント分割が行われた直後のパディングが行われたことによる帯域低下が、なくなっている。
実施例1のフラグメント方式では、伝送システムのMTUを意識した場合には、フラグメント分割長Aを従来のパディング処理をする方式よりも小さくする必要がある。これは、伝送システムのMTUをD[Byte]としたときに、実施例1の最大フラグメント長フレーム長は、フラグメント分割長+最小フレーム長-1(A+B-1[Byte])で規定されるため、A=D-B+1となり、従来方式の最大フラグメントフレーム長は、フラグメント分割長(C[Byte])のみで規定されるため、D=Cとなることによる。そのため、実施例1と従来方式ではフラグメント分割長が異なるため、実施例1の分割ポイントから従来方式の分割ポイントの間のフレーム長は、実施例1よりも従来方式のほうが、データ帯域を広くなる。この帯域は、パディングの帯域に比べれば小さいものであるが、よりフレキシブルにシステム都合に対応することを目的とし、実施例2で、入力フレーム長によって、実施例1と従来方式を組み合わせることによって、全てのフレーム長で、従来方式以上のデータ帯域となるようにする。
そこで、本実施例では、実施例1の伝送装置に加えて、フラグメント方式判定部を加え、従来のパディング処理をする方式と実施例1を使い分けられるようにする。これにより、パディングの必要な伝送装置入力フレーム長と、実施例1のパディングが不要な伝送装置入力フレーム長とを選択して対応することによって、全てのフレーム長でデータ帯域をパディングの分だけ従来よりも広くもつことが可能となる。具体的には、入力されたパケット通信信号(フレーム)のヘッダを除いた部分のフレーム長L[Byte]、分割数n、実施例1の方式に沿って分割するフラグメント長設定値をA[Byte]、最終フラグメントの設定閾値(=規格上の最低フレーム長)をB[Byte]、従来のパディング処理をする方式の分割フラグメント長設定値をC[Byte]とした場合に、
(数1)
n x C < L < n x C + B
をみたす場合に、実施例1の方式にてフラグメント化を実施する。
本実施例の場合には、帯域を逼迫を低減しつつ、従来のパディング処理をする方式と比較して同等以上の帯域を持つことが可能となる。
図10に実施例2によるフラグメント方法のフローチャートを示す。図11に伝送装置(エッジノード)の構成を示す。ここで、入力フレーム長L[Byte]、分割数n、実施例1の方式に沿って分割するフラグメント長設定値をA[Byte]、最終フラグメントの設定閾値(=規格上の最低フレーム長)をB[Byte]、従来のパディング処理をする方式の分割フラグメント長設定値をC[Byte]とする。
伝送装置(エッジノード)にパケット通信信号(フレーム列)が入力されるとき、フレーム長計測部1000にてヘッダを除いた部分のフレーム長の計測が実施される(B02)。その後、フラグメント方式判定部1010にてフレーム長について n x C < L < n x C + Bの関係を満たしているかを判定し、フラグメント方式を選択する(B03)。n x C < L < n x C + Bの関係を満たしている場合は、フラグメント方式判定部1000が後段のセレクタを制御して、フレームを第1フラグメント処理部1001に送り、実施例1のフラグメント方式に沿ってフラグメントを実施する。n x C < L < n x C + Bの関係を満たしていない場合は、フラグメント方式判定部1000が後段のセレクタを制御して、フレームを第2フラグメント処理部1002に送り、下記に示す従来のパディング処理をする方式のフラグメントを実施する。すなわち、まず、LがC以上かを判定(B04)し、以上場合は、フレーム長Cにてフラグメントを実施(B05)し、再度、残りのフレーム長がC以上かを判定する。これを、フレーム長がC未満となるまで繰り返す。そして、いずれの場合においても、第1フラグメント処理部1001と第2フラグメント処理部1002の後段にあるセレクタを介して、それぞれのフラグメントフレームをヘッダ付与部1003に送り、フラグメントフレームにヘッダを付与(B08)し、伝送装置から出力させる。
本実施例で、A+B-1[Byte]及びC[Byte]にMTUを設定した場合のデータ帯域は、定性的には、図12のようになる。パディングが必要な場合には、実施例1の方式を採用しているため、全てのフレーム長に対して、帯域を従来のパディング処理をする方式以上の帯域とすることが可能となる。

Claims (5)

  1. パケット信号のヘッダを除いた部分のフレーム長を計測する計測部と、
    前記パケット信号のヘッダを除いた部分をネットワークで定められる最大フレーム長から前記パケット信号が従う規格上の最小フレーム長を引いた値に1足した値以下で前記規格上の最小フレーム長より大きい値の第1フラグメント長で分割してフラグメントを生成し、前記パケット信号の前記ヘッダ側ではない他端を含む部分のフレーム長が前記第1フラグメント長と前記パケット信号が従う規格上の最小フレーム長である閾値との和未満の場合に当該部分を分割しないよう処理し、前記パケット信号を複数のフラグメントにする第1フラグメント処理部と、
    前記複数のフラグメントにヘッダを付与するヘッダ付与部とを有する伝送装置。
  2. 前記第1フラグメント処理部は、前記第1フラグメント長での分割ごとに、前記パケット信号の前記ヘッダ側ではない他端を含む部分のフレーム長について、前記第1フラグメント長と前記閾値との和未満か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
  3. 前記閾値は、イーサネットの最小フレーム長であることを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
  4. 前記パケット信号はイーサネット信号であることを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
  5. 前記パケット信号はMPLSヘッダを付与されるパケット信号であることを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
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