以下の詳細な説明において、本明細書の一部を構成し、本発明が実施可能な特定の実施形態が例示される添付の図面が参照される。この点で、説明されている図面の向きを参照しながら、「上」、「下」、「前」、「後」、「前方」、「後方」等の方向に関する用語が用いられる。本発明の実施形態の構成要素は、多数の異なる向きに配置することができるので、方向に関する用語は、例示のために用いられており、決して限定するものではない。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を用いることができること、及び構造的又は論理的変更を行なうことができることは理解されたい。それゆえ、以下の詳細な説明は、限定の意味に解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
図1はインクジェット印刷システム20の一実施形態を示す。インクジェット印刷システム20は、流体吐出システムの一実施形態を構成し、流体吐出システムは、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22のような流体吐出デバイスと、インク供給源アセンブリ24のような流体供給源アセンブリとを含む。インクジェット印刷システム20は、取付アセンブリ26、媒体輸送アセンブリ28、及び電子コントローラ30も備える。少なくとも1つの電源32が、インクジェット印刷システム20の種々の電気的な構成要素に電力を供給する。
一実施形態では、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22は、印刷媒体36上に印刷するために、複数のオリフィス又はノズル34を通じて、印刷媒体36に向かってインク滴と吐出する少なくとも1つのプリントヘッド又はプリントヘッドダイ40を備える。プリントヘッドダイ40は、流体吐出デバイスの一実施形態である。印刷媒体36として、紙、カードストック、透明紙、マイラ、布等の任意のタイプの適切なシート材料を用いることができる。典型的には、ノズル34は、1つ又は複数の列又はアレイとして配列されており、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22及び印刷媒体36が互いに対して動かされるのに応じて、適切な順序でノズル34からインクを吐出することによって、文字、記号、及び/又は他のグラフィックス若しくは画像が印刷媒体36上に印刷されるようにする。以下の説明は、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22からのインクの吐出を参照するが、透明な液体を含む、他の液体、流体又は流動可能な材料を、プリントヘッドアセンブリ22から吐出することができることは理解されたい。
流体供給源アセンブリの一実施形態としてのインク供給源アセンブリ24が、プリントヘッドアセンブリ22にインクを供給し、インクを蓄えるための容器38を含む。したがって、インクは、容器38からインクジェットプリントヘッドアセンブリ22まで流れる。インク供給源アセンブリ24及びインクジェットプリントヘッドアセンブリ22は、使い捨てのインク供給システム、又は再循環インク供給システムのいずれにも形成できる。使い捨てのインク供給システムでは、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22に供給される概ね全てのインクが印刷中に消費される。再循環インク供給システムでは、プリントヘッドアセンブリ22に供給されるインクの一部だけが印刷中に消費される。したがって、印刷中に消費されないインクは、インク供給源アセンブリ24に戻される。
一実施形態では、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22及びインク供給源アセンブリ24はともに、インクジェットカートリッジ又はペンに収容される。インクジェットカートリッジ又はペンは、流体吐出デバイスの一実施形態である。別の実施形態では、インク供給源アセンブリ24は、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22とは別であり、供給管(図示せず)のような、インターフェース接続を通じて、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22にインクを供給する。いずれの実施形態でも、インク供給源アセンブリ24の容器38は、取り外すことができ、交換することができ、且つ/又は補充することができる。一実施形態では、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22及びインク供給源アセンブリ24がともにインクジェットカートリッジに収容される場合、容器38は、カートリッジ内に配置される内蔵容器を含み、カートリッジとは別に配置される大型の容器を備えることもできる。したがって、個別の大型容器は、内蔵容器を補充する役割を果たす。したがって、個別の大型容器及び/又は内蔵容器を、取り外すことができ、交換することができ、且つ/又は補充することができる。
取付アセンブリ26は、媒体輸送アセンブリ28に対してインクジェットプリントヘッドアセンブリ22を位置決めし、媒体輸送アセンブリ28は、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22に対して印刷媒体36を位置決めする。こうして、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22と印刷媒体36との間のエリア内に、ノズル34に隣接して印刷ゾーン37が画定される。一実施形態では、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22は、走査タイプのプリントヘッドアセンブリである。したがって、取付アセンブリ26は、媒体輸送アセンブリ28に対してインクジェットプリントヘッドアセンブリ22を動かして印刷媒体36を走査するためのキャリッジ(図示せず)を含む。別の実施形態では、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22は非走査タイプのプリントヘッドアセンブリである。その場合、取付アセンブリ26は、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22を、媒体輸送アセンブリ28に対して所定の位置に固定する。こうして、媒体輸送アセンブリ28は、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22に対して印刷媒体36を位置決めする。
電子コントローラ又はプリンタコントローラ30は典型的には、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22、取付アセンブリ26、及び媒体輸送アセンブリ28と通信し、且つ制御するためのプロセッサ、ファームウエア、及び他の電子回路、又はその任意の組み合わせを含む。電子コントローラ30は、コンピュータのようなホストシステムからデータ39を受信し、通常は、データ39を一時的に格納するためのメモリを備える。典型的には、データ39は、電子、赤外線、光又は他の情報転送経路に沿って、インクジェット印刷システム20に送信される。データ39は、たとえば、印刷されることになるドキュメント及び/又はファイルを表す。したがって、データ39は、インクジェット印刷システム20のためのプリントジョブを形成し、1つ又は複数のプリントジョブコマンド及び/又はコマンドパラメータを含む。
一実施形態では、電子コントローラ30は、ノズル34からインク滴を吐出するためにインクジェットプリントヘッドアセンブリ22を制御する。したがって、電子コントローラ30が、吐出されるインク滴のパターンを画定し、そのパターンによって、印刷媒体36上に文字、記号、及び/又はグラフィックス若しくは画像が形成される。吐出されるインク滴のパターンは、プリントジョブコマンド及び/又はコマンドパラメータによって決定される。
一実施形態では、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22は、1つのプリントヘッドダイ40を含む。別の実施形態では、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22は、ワイドアレイ又はマルチヘッドプリントヘッドアセンブリである。1つのワイドアレイ実施形態では、インクジェットプリントヘッドアセンブリ22はキャリアを備えており、キャリアは、プリントヘッドダイ40を支持し、プリントヘッドダイ40と電子コントローラ30との間で電気的に通信できるようにし、プリントヘッドダイ40とインク供給源アセンブリ24との間で流体が流動できるようにする。
図2は、プリントヘッドダイ40の一実施形態の一部を示す図である。プリントヘッドダイ40は、印刷素子又は流体吐出素子42のアレイを含む。印刷素子42は、基板44上に形成され、基板の中にインク供給スロット46が形成されている。したがって、インク供給スロット46は、印刷素子42への液体インクの供給源を提供する。インク供給スロット46は、流体供給源の一実施形態である。流体供給源の他の実施形態は、限定はしないが、対応する気化チャンバに供給する対応する個別のインク供給孔、及び対応する流体吐出素子群にそれぞれ通じる複数の短いインク供給トレンチを含む。薄膜構造48の中には、基板44内に形成されるインク供給スロット46に連通するインク供給チャネル54が形成されている。オリフィス層50が、前面50aと、前面50a内に形成されるノズル開口部34とを有する。オリフィス層50は、その中にノズルチャンバ又は気化チャンバ56も形成されており、そのチャンバは、ノズル開口部34、及び薄膜構造48のインク供給チャネル54と連通する。気化チャンバ56内に発射抵抗器52が配置され、リード58が、発射抵抗器52を、選択された発射抵抗器の中に電流を流すのを制御する回路に電気的に接続する。本明細書において参照されるような液滴発生器60は、発射抵抗器52と、ノズルチャンバ又は気化チャンバ56と、ノズル開口部34とを備える。
印刷中に、インクが、インク供給スロット46から、インク供給チャネル54を介して、気化チャンバ56まで流れる。発射抵抗器52に電圧が印加されると、気化チャンバ56内のインク滴が、ノズル開口部34を通って(たとえば、発射抵抗器52の面に対して概ね垂直に)、印刷媒体36に向かって吐出されるように、ノズル開口部34が発射抵抗器52に動作可能に関連付けられる。
プリントヘッドダイ40の例示的な実施形態は、サーマルプリントヘッド、圧電プリントヘッド、静電プリントヘッド、又は多層構造の中に組み込むことができると共に当該技術分野において知られている任意の他のタイプの流体吐出デバイスを含む。基板44は、たとえば、シリコン、ガラス、セラミック、又は安定ポリマーから形成され、薄膜構造48は、二酸化シリコン、炭化シリコン、窒化シリコン、タンタル、ポリシリコンガラス、又は他の適切な材料から成る1つ又は複数のパッシベーション又は絶縁層を含むように形成される。また、薄膜構造48は少なくとも1つの導電層を含み、その導電層は発射抵抗器52及びリード58を画定する。その導電層は、たとえば、アルミニウム、金、タンタル、タンタル−アルミニウム、又は他の金属又は合金を含むように形成される。一実施形態では、基板44及び薄膜構造48のような、基板及び薄膜層内に、以下に詳細に説明されるような発射セル回路が実現される。
一実施形態では、オリフィス層50は、感光性エポキシ樹脂、たとえば、Micro−Chem社(Newton, MA)によって市販される、SU8と呼ばれるエポキシを含む。SU8又は他のポリマーでオリフィス層50を形成するための例示的な技法が、米国特許第6,162,589号において詳述されており、その特許は参照により本明細書に援用される。一実施形態では、オリフィス層50は、障壁層(たとえば、ドライフィルムフォトレジスト障壁層)及び障壁層上に形成される金属オリフィス層(たとえば、ニッケル、銅、鉄/ニッケル合金、パラジウム、金又はロジウム層)と呼ばれる2つの個別の層から形成される。しかしながら、オリフィス層50を形成するために、他の適切な材料を用いることもできる。
図3は、プリントヘッドダイ40の一実施形態においてインク供給スロット46に沿って配置される液滴発生器60を示す図である。インク供給スロット46は、対向するインク供給スロットサイド46a及び46bを含む。液滴発生器60が、対向するインク供給スロットサイド46a及び46bのそれぞれに沿って配置される。インク供給スロット46に沿って、全部でn個の液滴発生器60が配置されており、インク供給スロットサイド46aに沿ってm個の液滴発生器60が配置され、インク供給スロットサイド46bに沿ってn−m個の液滴発生器60が配置される。一実施形態では、nはインク供給スロット46に沿って配置される200個の液滴発生器60に等しく、mは、対向するインク供給スロットサイド46a及び46bのそれぞれに沿って配置される100個の液滴発生器60に等しい。他の実施形態では、インク供給スロット46に沿って、任意の数の適切な液滴発生器60を配置することができる。
インク供給スロット46は、インク供給スロット46に沿って配置されるn個の液滴発生器60にそれぞれインクを供給する。n個の液滴発生器60はそれぞれ、発射抵抗器52と、気化チャンバ56と、ノズル34とを備える。n個の気化チャンバ56はそれぞれ、少なくとも1つのインク供給チャネル54を通じて、インク供給スロット46に液通する。液滴発生器60の発射抵抗器52は、制御シーケンスにおいて電圧を印加され、気化チャンバ56から、ノズル34を通じて流体を吐出し、印刷媒体36上に画像を印刷する。
図4は、プリントヘッドダイ40の一実施形態において用いられる発射セル70の一実施形態を示す図である。発射セル70は、発射抵抗器52と、抵抗器駆動スイッチ72と、メモリ回路74とを備える。発射抵抗器52は、液滴発生器60の一部である。駆動スイッチ72及びメモリ回路74は、発射抵抗器52の中に電流を流すのを制御する回路の一部である。発射セル70は、薄膜構造48内、及び基板44上に形成される。
一実施形態では、発射抵抗器52は薄膜抵抗器であり、駆動スイッチ72は電界効果トランジスタ(FET)である。発射抵抗器52は、発射線76、及び駆動スイッチ72のドレイン−ソース経路に電気的に接続される。駆動スイッチ72のドレイン−ソース経路は基準線78にも電気的に接続され、基準線はグランドのような基準電圧に接続される。駆動スイッチ72のゲートは、駆動スイッチ72の状態を制御するメモリ回路74に電気的に接続される。
メモリ回路74は、データ線80及びイネーブル線82に電気的に接続される。データ線80は画像の一部を表すデータ信号DATAを受信し、イネーブル線82はメモリ回路74の動作を制御するイネーブル信号ENABLEを受信する。メモリ回路74は、イネーブル信号によって起動されるのに応じて、1ビットのデータを格納する。格納されるデータビットの論理レベルは、駆動スイッチ72の状態(たとえば、オン又はオフ、導通又は非導通)を設定する。イネーブル信号は、1つ又は複数の選択信号と、1つ又は複数のアドレス信号とを含むことができる。
発射線76は、エネルギーパルスを含むエネルギー信号FIREを受信し、発射抵抗器52にエネルギーパルスを与える。一実施形態では、エネルギーパルスは、液滴発生器60の気化チャンバ56内の流体を加熱し、気化するだけの適切な量のエネルギーを与えるために、決められた開始時刻、及び持続時間、それゆえ、結果として終了時刻を有するように、電子コントローラ30によって与えられる。駆動スイッチ72がオンである(導通している)場合には、エネルギーパルスは発射抵抗器52を加熱し、流体を加熱して、液滴発生器60から流体を吐出する。駆動スイッチ72がオフである(導通していない)場合には、エネルギーパルスは発射抵抗器52を加熱しないので、流体は液滴発生器60内に留まる。
図5は、インクジェットプリントヘッド発射セルアレイ100の一実施形態を示す回路図である。発射セルアレイ100は、n個の発射グループ102a〜102nとして配列される複数の発射セル70を含む。一実施形態では、発射セル70は、6個の発射グループ102a〜102n内に配列される。他の実施形態では、発射セル70は、4つ以上の発射グループ102a〜102nのような、任意の適切な数の発射グループ102a〜102nに配列することができる。
アレイ100内の発射セル70は、図式的に、L行及びm列に配列される。L行の発射セル70は、イネーブル信号ENABLEを受信するイネーブル線104に電気的に接続される。発射セル70の各行は、本明細書において行サブグループ又は発射セル70のサブグループと呼ばれ、1組のサブグループイネーブル線106a〜106Lに電気的に接続される。サブグループイネーブル線106a〜106Lは、サブグループイネーブル信号SG1、SG2、...SGLを受信し、それらの信号は、発射セル70の対応するサブグループを起動することができる。
m列は、データ信号DATAのそれぞれのデータ信号D1、D2...Dmをそれぞれ受信するm個のデータ線108a〜108mに電気的に接続される。m個の列はそれぞれ、n個の発射グループ102a〜102nのそれぞれにおいて発射セル70を含み、発射セル70の各列は、本明細書においてデータ線グループ又はデータグループと呼ばれ、データ線108a〜108mのうちの1つに電気的に接続される。言い換えると、データ線108a〜108mはそれぞれ、各発射グループ102a〜102n内の発射セル70を含む、1つの列内の各発射セル70に電気的に接続される。たとえば、データ線108aは、各発射グループ102a〜102n内の発射セル70を含む、最も左側にある列内の各発射セル70に電気的に接続される。データ線108bは、隣接する列内の各発射セル70に電気的に接続され、それ以降、各発射グループ102a〜102n内の発射セル70を含む、最も右側にある列内の各発射セル70に電気的に接続されるデータ線108mまで同様である。
一実施形態では、アレイ100は、6つの発射グループ102a〜102nに配列され、6つの発射グループ102a〜102nはそれぞれ、13個のサブグループ及び8個のデータ線グループを含む。他の実施形態では、アレイ100は、任意の適切な数の発射グループ102a〜102n内に配列することができ、任意の適切な数のサブグループ及びデータ線グループ内に配列することができる。いずれの実施形態においても、発射グループ102a〜102nは、同じ数のサブグループ及びデータ線グループを有することには限定されない。代わりに、発射グループ102a〜102nはそれぞれ、任意の他の発射グループ102a〜102nと比べて、異なる数のサブグループ及び/又はデータ線グループを有することができる。さらに、各サブグループは、任意の他のサブグループと比べて、異なる数の発射セル70を有することができ、各データ線グループは、任意の他のデータ線グループと比べて、異なる数の発射セル70を有することができる。
各発射グループ102a〜102n内の発射セル70は、発射線110a〜110nのうちの1つに電気的に接続される。発射グループ102aでは、各発射セル70は、発射信号又はエネルギー信号FIRE1を受信する発射線110aに電気的に接続される。発射グループ102bでは、各発射セル70は、発射信号又はエネルギー信号FIRE2を受信する発射線110bに電気的に接続され、それ以降、各発射セル70が発射信号又はエネルギー信号FIREnを受信する発射線110nに電気的に接続される発射グループ102nまで同様である。さらに、各発射グループ102a〜102n内の各発射セル70は、グランドに接続される共通の基準線112にも電気的に接続される。
動作時に、サブグループイネーブル信号SG1、SG2、...SGLが、サブグループイネーブル線106a〜106L上に与えられ、発射セル70の1つのサブグループが起動される。起動された発射セル70は、データ線108a〜108m上に与えられるデータ信号D1、D2...Dmを格納する。データ信号D1、D2...Dmは、起動された発射セル70のメモリ回路74に格納される。格納されたデータ信号D1、D2...Dmはそれぞれ、起動された発射セル70のうちの1つの駆動スイッチ72の状態を設定する。駆動スイッチ72は、格納されたデータ信号値に基づいて、導通するか、又は導通しないように設定される。
選択された駆動スイッチ72の状態が設定された後に、発射セル70の選択されたサブグループを含む、発射グループ102a〜102nに対応する発射線110a〜110n上にエネルギー信号FIRE1〜FIREnが与えられる。エネルギー信号FIRE1〜FIREnはエネルギーパルスを含む。エネルギーパルスは、導通している駆動スイッチ72を有する発射セル70内の発射抵抗器52に電圧を印加するために、選択された発射線110a〜100n上に与えられる。電圧を印加された発射抵抗器52は、インクを加熱して、印刷媒体36上に吐出し、データ信号D1、D2...Dmによって表される画像を印刷する。発射セル70のサブグループを起動し、起動されたサブグループ内のデータ信号D1、D2...Dmを格納し、起動されたサブグループ内の発射抵抗器52に電圧を印加するためにエネルギー信号FIRE1〜FIREnを与える過程は、印刷が終了するまで続けられる。
一実施形態では、選択された発射グループ102a〜102nにエネルギー信号FIRE1〜FIREnが与えられるのに応じて、サブグループイネーブル信号SG1、SG2、...SGLが、異なる発射グループ102a〜102n内の別のサブグループを選択し、起動するように変化する。新たに起動されたサブグループは、データ線108a〜108n上に与えられるデータ信号D1、D2...Dmを格納し、発射線110a〜110nのうちの1つにエネルギー信号FIRE1〜FIREnが与えられ、新たに起動された発射セル70内の発射抵抗器52に電圧が印加される。いつでも、発射セル70のうちの1つのサブグループだけがサブグループイネーブル信号SG1、SG2、...SGLによって起動され、データ線108a〜108m上に与えられるデータ信号D1、D2...Dmを格納する。この態様では、データ線108a〜108m上のデータ信号D1、D2...Dmは、時分割多重化されたデータ信号である。また、選択された発射グループ102a〜102n内の1つのサブグループだけが、エネルギー信号FIRE1〜FIREnが選択された発射グループ102a〜102nに与えられている間に導通するように設定される駆動スイッチを含む。しかしながら、異なる発射グループ102a〜102nに与えられるエネルギー信号FIRE1〜FIREnは重複することができる。
図6は、プリチャージ式発射セル120の一実施形態を示す回路図である。プリチャージ式発射セル120は、発射抵抗器52に電気的に接続される駆動スイッチ172を含む。一実施形態では、駆動スイッチ172は、一端において発射抵抗器52の1つの端子に電気的に接続され、他端において基準線122に電気的に接続されるドレイン−ソース経路を含むFETである。基準線122は、グランドのような基準電圧に接続される。発射抵抗器52の他方の端子は、エネルギーパルスを含む発射信号又はエネルギー信号FIREを受信する発射線124に電気的に接続される。駆動スイッチ172がオンである(導通している)場合には、エネルギーパルスは発射抵抗器52に電圧を印加する。
駆動スイッチ172のゲートはストレージノードキャパシタンス126を形成し、ストレージノードキャパシタンスは、プリチャージトランジスタ128及び選択トランジスタ130を順次に起動するのに応じてデータを格納するためのメモリ素子としての役割を果たす。ストレージノードキャパシタンス126は、駆動スイッチ172の一部であるので、破線で示される。別法では、メモリ素子として、駆動スイッチ172とは別のキャパシタを用いることができる。
プリチャージトランジスタ128のドレイン−ソース経路及びゲートは、プリチャージ信号PRECHARGEを受信するプリチャージ線132に電気的に接続される。駆動スイッチ172のゲートは、プリチャージトランジスタ128のドレイン−ソース経路及び選択トランジスタ130のドレイン−ソース経路に電気的に接続される。選択トランジスタ130のゲートは、選択信号SELECTを受信する選択線134に電気的に接続される。プリチャージ信号PRECHARGEは、1つのタイプのパルス形式の充電制御信号である。別のタイプのパルス形式の充電制御信号は、放電式発射セルの実施形態において用いられる放電信号である。
データトランジスタ136、第1のアドレストランジスタ138、及び第2のアドレストランジスタ140は、電気的に並列に接続されるドレイン−ソース経路を含む。データトランジスタ136、第1のアドレストランジスタ138、及び第2のアドレストランジスタ140の並列の組み合わせは、選択トランジスタ130のドレイン−ソース経路と基準線122との間に電気的に接続される。データトランジスタ136、第1のアドレストランジスタ138、及び第2のアドレストランジスタ140の並列の組み合わせに接続される選択トランジスタ130を含む直列回路は、駆動スイッチ172のノードキャパシタンス126の両端に電気的に接続される。データトランジスタ136のゲートは、データ信号〜DATAを受信するデータ線142に電気的に接続される。第1のアドレストランジスタ138のゲートは、アドレス信号〜ADDRESS1を受信するアドレス線144に電気的に接続され、第2のアドレストランジスタ140のゲートは、アドレス信号〜ADDRESS2を受信する第2のアドレス線146に電気的に接続される。データ信号〜DATA、並びにアドレス信号〜ADDRESS1及び〜ADDRESS2は、信号名の先頭にある波形記号(〜)によって示されるように、ローであるときにアクティブである。ノードキャパシタンス126、プリチャージトランジスタ128、選択トランジスタ130、データトランジスタ136、並びにアドレストランジスタ138及び140はメモリセルを形成する。
動作時に、プリチャージ線132上に高レベル電圧パルスを与えることによって、ノードキャパシタンス126がプリチャージトランジスタ128を通じてプリチャージされる。一実施形態では、プリチャージ線132上に高レベル電圧パルスを与えた後に、データ線142上にデータ信号〜DATAが与えられ、データトランジスタ136の状態が設定され、アドレス線144及び146上にアドレス信号〜ADDRESS1及び〜ADDRESS2が与えられ、第1のアドレストランジスタ138及び第2のアドレストランジスタ140の状態が設定される。選択線134上に高レベル電圧パルスが与えられ、選択トランジスタ130がオンにされ、データトランジスタ136、第1のアドレストランジスタ138、及び/又は第2のアドレストランジスタ140がオンである場合には、ノードキャパシタンス126が放電する。別法では、データトランジスタ136、第1のアドレストランジスタ138、及び第2のアドレストランジスタ140が全てオフである場合には、ノードキャパシタンス126は充電されたままである。
両方のアドレス信号〜ADDRESS1及び〜ADDRESS2がローである場合には、プリチャージ式発射セル120がアドレス指定された発射セルであり、データ信号〜DATAがハイである場合には、ノードキャパシタンス126は放電し、データ信号〜DATAがローである場合には、充電されたままである。アドレス信号〜ADDRESS1及び〜ADDRESS2のうちの少なくとも一方がハイである場合には、プリチャージ式発射セル120はアドレス指定された発射セルではなく、ノードキャパシタンス126は、データ信号〜DATAの電圧レベルに関係なく放電する。第1のアドレストランジスタ136及び第2のアドレストランジスタ138は、アドレスデコーダを構成し、プリチャージ式発射セル120がアドレス指定される場合には、データトランジスタ136がノードキャパシタンス126上の電圧レベルを制御する。
図7は、インクジェットプリントヘッド発射セルアレイ200の一実施形態を示す回路図である。発射セルアレイ200は、6発射グループ202a〜202fに配列される複数のプリチャージ式発射セル120を含む。各発射グループ202a〜202f内のプリチャージ式発射セル120は、図式的には、13行及び8列に配列される。アレイ200内の発射グループ202a〜202f及びプリチャージ式発射セル120は、図式的には、78行及び8列に配列される。
プリチャージ式発射セル120の8つの列は、データ信号〜D1、〜D2、...〜D8をそれぞれ受信する8つのデータ線208a〜208hに電気的に接続される。本明細書においてデータ線グループ又はデータグループと呼ばれる8つの列はそれぞれ、6つの各発射グループ202a〜202f内にそれぞれプリチャージ式発射セル120を含む。プリチャージ式発射セル120の各列内の発射セル120はそれぞれ、データ線208a〜202hのうちの1つに電気的に接続される。データ線グループ内の全てのプリチャージ式発射セル120は、同じデータ線208a〜208hに電気的に接続され、そのデータ線は、その列内のプリチャージ式発射セル120内のデータトランジスタ136のゲートに電気的に接続される。一実施形態では、データ信号〜D1、〜D2、...〜D8はそれぞれ、1つの画像の一部を表す。また、一実施形態では、データ線208a〜208hはそれぞれ、対応するインターフェースデータパッドを介して、外部制御回路に電気的に接続される。
データ線208aは、各発射グループ202a〜202f内のプリチャージ式発射セルを含む、最も左側にある列内のプリチャージ式発射セル120にそれぞれ電気的に接続される。データ線208bは、隣接する列内のプリチャージ式発射セル120にそれぞれ電気的に接続され、それ以降、各発射グループ202a〜202f内のプリチャージ式発射セル120を含む、最も右側にある列内の各プリチャージ式発射セル120に電気的に接続されるデータ線208hまで同様である。
プリチャージ式発射セル120の78行は、アドレス信号〜A1、〜A2...〜A7をそれぞれ受信するアドレス線206a〜206gに電気的に接続される。プリチャージ式発射セル120の行内の各プリチャージ式発射セル120は、本明細書において、行サブグループ又はプリチャージ式発射セル120のサブグループと呼ばれ、アドレス線206a〜206gのうちの2つに電気的に接続される。1つの行サブグループ内の全てのプリチャージ式発射セル120は、同じ2つのアドレス線206a〜206gに電気的に接続される。
発射グループ202a〜202fのサブグループは、発射グループ1(FG1)202a内のサブグループSG1−1〜SG1−13、発射グループ2(FG2)202b内のサブグループSG2−1〜SG2−13等として特定され、これ以降、発射グループ6(FG6)202f内のサブグループSG6−1〜SG6−13まで同様である。他の実施形態では、各発射グループ202a〜202fは、14以上のサブグループのような、任意の適切な数のサブグループを含むことができる。
プリチャージ式発射セル120の各サブグループは、2つのアドレス線206a〜20gに電気的に接続される。1つのサブグループに対応する2つのアドレス線206a〜206gは、そのサブグループの全てのプリチャージ式発射セル120内の第1のアドレストランジスタ138及び第2のアドレストランジスタ140に電気的に接続される。一方のアドレス線206a〜206gは、第1のアドレストランジスタ138及び第2のアドレストランジスタ140のうちの一方のゲートに電気的に接続され、他方のアドレス線206a〜206gは、第1のアドレストランジスタ138及び第2のアドレストランジスタ140の他方のゲートに電気的に接続される。アドレス線206a〜206gは、アドレス信号〜A1、〜A2...〜A7を受信し、そのアドレス信号〜A1、〜A2...〜A7を、以下のように、アレイ200のサブグループに与える。
他の実施形態では、行サブグループアドレス信号と行サブグループとの任意の適切なマッピングを与えるために、アドレス線206a〜206gとサブグループとの任意の適切な接続において、アドレス線206a〜206gがアレイ200のサブグループに電気的に接続される。
プリチャージ式発射セル120のサブグループは、アドレス線206a〜206g上にアドレス信号〜A1、〜A2...〜A7を与えることによってアドレス指定される。一実施形態では、アドレス線206a〜206gは、プリントヘッドダイ40上に設けられる1つ又は複数のアドレス発生器に電気的に接続される。他の実施形態では、アドレス線206a〜206gは、インターフェースパッドによって外部制御回路に電気的に接続される。
プリチャージ線210a〜210fは、プリチャージ信号PRE1、PRE2...PRE6を受信し、プリチャージ信号PRE1、PRE2...PRE6を対応する発射グループ202a〜202fに与える。プリチャージ線210aはFG1 202a内の全てのプリチャージ式発射セル120に電気的に接続される。プリチャージ線210bはFG2 202b内の全てのプリチャージ式発射セル120に電気的に接続され、それ以降、FG6 202f内の全てのプリチャージ式発射セル120に電気的に接続されるプリチャージ線210fまで同様である。プリチャージ線210a〜210fはそれぞれ、対応する発射グループ202a〜202f内の全てのプリチャージトランジスタ128のゲート及びドレイン−ソース経路に電気的に接続され、1つの発射グループ202a〜202f内の全てのプリチャージ式発射セル120は、ただ1つのプリチャージ線210a〜210fに電気的に接続される。こうして、発射グループ202a〜202f内の全てのプリチャージ式発射セル120のノードキャパシタンス126は、対応するプリチャージ線210a〜210fに、対応するプリチャージ信号PRE1、PRE2...PRE6を与えることによって充電される。一実施形態では、プリチャージ線210a〜210fはそれぞれ、対応するインターフェースパッドを介して、外部制御回路に電気的に接続される。
選択線212a〜212fは選択信号SEL1、SEL2...SEL6を受信し、選択信号SEL1、SEL2...SEL6を対応する発射グループ202a〜202fに与える。選択線212aは、FG1 202a内の全てのプリチャージ式発射セル120に電気的に接続される。選択線212bは、FG2 202b内の全てのプリチャージ式発射セル120に電気的に接続され、それ以降、FG6 202f内の全てのプリチャージ式発射セル120に電気的に接続される選択線212fまで同様である。各選択線212a〜212fは、対応する発射グループ202a〜202f内の全ての選択トランジスタ130のゲートに電気的に接続され、1つの発射グループ202a〜202f内の全てのプリチャージ式発射セル120は、ただ1つの選択線212a〜212fに電気的に接続される。一実施形態では、各選択線212a〜212fは、対応するインターフェースパッドを介して、外部制御回路に電気的に接続される。また、一実施形態では、プリチャージ線210a〜210fのうちのいくつか、及び選択線212a〜212fのうちのいくつかが互いに電気的に接続され、インターフェースパッドを共有する。
発射線214a〜214fは発射信号又はエネルギー信号FIRE1、FIRE2...FIRE6を受信し、エネルギー信号FIRE1、FIRE2...FIRE6を対応する発射グループ202a〜202fに与える。発射線214aは、FG1 202a内の全てのプリチャージ式発射セル120に電気的に接続される。発射線214bは、FG2 202b内の全てのプリチャージ式発射セル120に電気的に接続され、それ以降、FG6 202f内の全てのプリチャージ式発射セル120に電気的に接続される発射線214fまで同様である。各発射線214a〜214fは、対応する発射グループ202a〜202f内の全ての発射抵抗器52に電気的に接続され、1つの発射グループ202a〜202f内の全てのプリチャージ式発射セル120は、ただ1つの発射線214a〜214fに電気的に接続される。発射線214a〜214fは、適切なインターフェースパッドを介して、外部電源回路に電気的に接続される。アレイ200内の全てのプリチャージ式発射セル120は、グランドのような基準電圧に接続される基準線216に電気的に接続される。こうして、プリチャージ式発射セル120の行サブグループ内のプリチャージ式発射セル120は、同じアドレス線206a〜206g、プリチャージ線210a〜210f、選択線212a〜212f及び発射線214a〜214fに電気的に接続される。
動作時に、一実施形態では、発射グループ202a〜202fが次々に選択され、発射される。FG1 202aはFG2 202bの前に選択され、FG2 202bはFG3の前に選択され、それ以降、FG6 202fまで同様である。FG6 202f後に、FG1 202aで、第1のグループのサイクルが新たに始められる。
アドレス信号〜A1、〜A2...〜A7は、行サブグループアドレスを繰り返す前に、13個の行サブグループアドレスを一巡する。アドレス線206a〜206g上に与えられるアドレス信号〜A1、〜A2...〜A7は、発射グループ202a〜202fを一巡する度に、1つの行サブグループアドレスに設定される。アドレス信号〜A1、〜A2...〜A7は、発射グループ202a〜202fを一巡している間に、各発射グループ202a〜202fにおいて1つの行サブグループを選択する。発射グループ202a〜202fを次に一巡する間に、アドレス信号〜A1、〜A2...〜A7は、各発射グループ202a〜202fにおいて別の行サブグループを選択するように変更される。これは、アドレス信号〜A1、〜A2...〜A7が、発射グループ202a〜202f内の最後の行サブグループを選択するまで続けられる。最後の行サブグループの後に、アドレス信号〜A1、〜A2...〜A7は最初の行サブグループを選択して、アドレスサイクルを繰り返す。
動作の別の態様では、発射グループ202a〜202fのうちの1つが、1つの発射グループ202a〜202fのプリチャージ線210a〜210f上にプリチャージ信号PRE1、PRE2...PRE6を与えることによって動作する。プリチャージ信号PRE1、PRE2...PRE6はプリチャージ時間間隔又は期間を規定し、1つの発射グループ202a〜202fをプリチャージするために、その時間間隔中に、1つの発射グループ202a〜202f内の各駆動スイッチ172上のノードキャパシタンス126が高電圧レベルに充電される。
アドレス信号〜A1、〜A2...〜A7をアドレス線206a〜206g上に与えて、プリチャージ式発射グループ202a〜202f内の1つの行サブグループを含む、各発射グループ202a〜202f内の1つの行サブグループをアドレス指定する。データ信号〜D1、〜D2...〜D8をデータ線208a〜208h上に与えて、プリチャージ式発射グループ202a〜202f内のアドレス指定された行サブグループを含む、全ての発射グループ202a〜202fにデータを与える。
次に、選択信号SEL1、SEL2...SEL6をプリチャージ式発射グループ202a〜202fの選択線212a〜212f上に与えて、プリチャージ式発射グループ202a〜202fを選択する。選択信号SEL1、SEL2...SEL6は、選択された発射グループ202a〜202f内のアドレス指定された行サブグループ内にないか、又は選択された発射グループ202a〜202fにおいてアドレス指定され、ハイレベルデータ信号D1、〜D2...〜D8を受信しているプリチャージ式発射セル120内の各駆動スイッチ172上のノードキャパシタンス126を放電するための放電時間間隔を規定する。ノードキャパシタンス126は、選択された発射グループ202a〜202fにおいてアドレス指定され、ローレベルデータ信号〜D1、〜D2...〜D8を受信しているプリチャージ式発射セル120においては放電しない。ノードキャパシタンス126上の高電圧レベルは、駆動スイッチ172をオンにする(導通させる)。
選択された発射グループ202a〜202f内の駆動スイッチ172が導通するか、又は導通しないように設定された後に、選択された発射グループ202a〜202fの発射線214a〜214f上にエネルギーパルス又は電圧パルスが与えられる。導通している駆動スイッチ172を有するプリチャージ式発射セル120は、発射抵抗器52の中に電流を流し、インクを加熱して、対応する液滴発生器60からインクを吐出する。
発射グループ202a〜202fが次々に動作している場合、1つの発射グループ202a〜202fのための選択信号SEL1、SEL2...SEL6は、次の発射グループ202a〜202fのためのプリチャージ信号PRE1、PRE2...PRE6として用いられる。1つの発射グループ202a〜202fのためのプリチャージ信号PRE1、PRE2...PRE6は、その発射グループ202a〜202fのための選択信号SEL1、SEL2...SEL6及びエネルギー信号FIRE1、FIRE2...FIRE6に先行する。プリチャージ信号PRE1、PRE2...PRE6の後に、データ信号D1、〜D2...〜D8が時間的に多重化され、選択信号SEL1、SEL2...SEL6によって、その発射グループ202a〜202fのアドレス指定された行サブグループ内に格納される。選択された発射グループ202a〜202fのための選択信号SEL1、SEL2...SEL6は、次の発射グループ202a〜202fのためのプリチャージ信号PRE1、PRE2...PRE6でもある。選択された発射グループ202a〜202fのための選択信号SEL1、SEL2...SEL6が完了した後に、次の発射グループ202a〜202fのための選択信号SEL1、SEL2...SEL6が与えられる。選択された発射グループ202a〜202f内のプリチャージ式発射セル120は、エネルギーパルスを含むエネルギー信号FIRE1、FIRE2...FIRE6が選択された発射グループ202a〜202fに与えられるのに応じて、格納されたデータ信号D1、〜D2...〜D8に基づいて、インクを発射又は加熱する。
図8は、発射セルアレイ200の一実施形態の動作を示すタイミング図である。発射グループ202a〜202fが次々に選択され、300において示されるデータ信号〜D1、〜D2...〜D8に基づいて、プリチャージ式発射セル120に電圧が印加される。300におけるデータ信号〜D1、〜D2...〜D8は、行サブグループアドレス及び発射グループ202aから202fの組み合わせ毎に、302において示されるように、必要に応じて変更される。304におけるアドレス信号〜A1、〜A2...〜A7をアドレス線206a〜206g上に与えて、各発射グループ202a〜202fから1つの行サブグループをアドレス指定する。304におけるアドレス信号〜A1、〜A2...〜A7は、306において示されるように、発射グループ202a〜202fを一巡する度に1つのアドレスに設定される。そのサイクルが完了した後に、304におけるアドレス信号〜A1、〜A2...〜A7が308において変更され、各発射グループ202a〜202fから異なる行サブグループがアドレス指定される。304におけるアドレス信号〜A1、〜A2...〜A7は、行サブグループ毎にインクリメントし、1から13まで順次に行サブグループをアドレス指定し、1に戻る。他の実施形態では、304におけるアドレス信号〜A1、〜A2...〜A7は、任意の適切な順序において行サブグループをアドレス指定するように設定することができる。
発射グループ202a〜202fを一巡している間に、FG6 202fに接続される選択線212f及びFG1 202aに接続されるプリチャージ線210aが、SEL6/PRE1信号パルス310を含む、SEL6/PRE1信号309を受信する。一実施形態では、選択線212f及びプリチャージ線210aは、同じ信号を受信するように互いに電気的に接続される。別の実施形態では、選択線212f及びプリチャージ線210aは互いに電気的に接続されることなく、同様の信号を受信する。
プリチャージ線210a上の310におけるSEL6/PRE1信号パルスは、FG1 202a内の全ての発射セル120をプリチャージする。FG1 202a内のプリチャージ式発射セル120毎のノードキャパシタンス126は、高電圧レベルまで充電される。311において示される1つの行サブグループSG1−K内のプリチャージ式発射セル120のためのノードキャパシタンス126は、312において高電圧レベルまでプリチャージされる。306における行サブグループアドレスは、サブグループSG1−Kを選択し、314において設定されたデータ信号が、アドレス選択された行サブグループSG1−Kを含む、全ての発射グループ202a〜202fの全てのプリチャージ式発射セル120内のデータトランジスタ136に与えられる。
FG1 202aのための選択線212a及びFG2 202bのためのプリチャージ線210bは、SEL1/PRE2信号パルス316を含む、SEL1/PRE2信号315を受信する。選択線212a上のSEL1/PRE2信号パルス316は、FG1 202a内の各プリチャージ式発射セル120内の選択トランジスタ130をオンにする。ノードキャパシタンス126は、アドレス選択された行サブグループSG1−K内にない、FG1 202a内の全てのプリチャージ式発射セル120において放電される。アドレス選択された行サブグループSG1−Kでは、314におけるデータが、318に示されるように、行サブグループSG1−K内の駆動スイッチ172のノードキャパシタンス126内に格納され、駆動スイッチをオンにする(導通させる)か、又はオフにする(導通させない)。
プリチャージ線210b上の316におけるSEL1/PRE2信号パルスは、FG2 202b内の全ての発射セル120をプリチャージする。FG2 202b内のプリチャージ式発射セル120毎のノードキャパシタンス126は、高電圧レベルまで充電される。319において示される1つの行サブグループSG2−K内のプリチャージ式発射セル120のためのノードキャパシタンス126は、320において高電圧レベルまでプリチャージされる。306における行サブグループアドレスは、サブグループSG2−Kを選択し、328において設定されたデータ信号が、アドレス選択された行サブグループSG2−Kを含む、全ての発射グループ202a〜202fの全てのプリチャージ式発射セル120内のデータトランジスタ136に与えられる。
発射線214aは、FG1 202a内の導通している駆動スイッチ172を有するプリチャージ式発射セル120内の発射抵抗器52に電圧を印加するために、322のエネルギーパルスを含む、323において示されるエネルギー信号FIRE1を受信する。SEL1/PRE2信号パルス316がハイである間に、且つ非導通駆動スイッチ172上のノードキャパシタンス126が能動的にローに引き下げられる間に、エネルギー信号FIRE1 323上の324において示されるように、FIRE1エネルギーパルス322はハイに移行する。ノードキャパシタンス126が能動的にローに引き下げられる間に、エネルギーパルス322をハイに切り替えることによって、エネルギーパルス322がハイに移行するのに応じて、ノードキャパシタンス126が駆動スイッチ172を通じて誤って充電されるのを防ぐ。SEL1/PRE2信号315はローに移行し、所定の時間だけFG1 202aにエネルギーパルス322が与えられ、インクが加熱され、導通しているプリチャージ式発射セル120に対応するノズル34を通じてインクが吐出される。
FG2 202bのための選択線212b及びFG3 202cのためのプリチャージ線210cが、SEL2/PRE3信号パルス326を含む、SEL2/PRE3信号325を受信する。SEL1/PRE2信号パルス316がローに移行した後に、且つエネルギーパルス322がハイである間に、選択線212b上のSEL2/PRE3信号パルス326は、FG2 202b内のプリチャージ式各発射セル120内の選択トランジスタ130をオンにする。アドレス選択された行サブグループSG2−K内にない、FG2 202b内の全てのプリチャージ式発射セル120においてノードキャパシタンス126が放電される。330において示されるように、サブグループSG2−Kのためのデータ信号セット328が、サブグループSG2−Kのプリチャージ式発射セル120に格納され、駆動スイッチ172がオン(導通)又はオフ(非導通)にされる。プリチャージ線210c上のSEL2/PRE3信号パルスは、FG3 202c内の全てのプリチャージ式発射セル120をプリチャージする。
導通している駆動スイッチ172を有するFG2 202bのプリチャージ式発射セル120内の発射抵抗器52に電圧を印加するために、発射線214bが、エネルギーパルス322を含む、331において示されるエネルギー信号FIRE2を受信する。334において示されるように、SEL2/PRE3信号パルス326がハイである間に、FIRE2エネルギーパルス332がハイに移行する。SEL2/PRE3信号パルス326がローに移行し、FIRE2エネルギーパルス332がハイのままであり、インクが加熱され、対応する液滴発生器60からインクが吐出される。
SEL2/PRE3信号パルス326がローに移行した後に、且つエネルギーパルス332がハイである間に、FG3 202cを選択し、FG4 202dをプリチャージするために、SEL3/PRE4信号が与えられる。プリチャージし、選択し、エネルギーパルスを含むエネルギー信号を与える過程は、FG6 202fまで続けられる。
プリチャージ線210f上のSEL5/PRE6信号パルスは、FG6 202f内の全ての発射セル120をプリチャージする。FG6 202f内のプリチャージ式発射セル120毎のノードキャパシタンス126は、高電圧レベルまで充電される。339において示される1つの行サブグループSG6−K内のプリチャージ式発射セル120のためのノードキャパシタンス126は、341において高電圧レベルまでプリチャージされる。306における行サブグループアドレスは、サブグループSG6−Kを選択し、データ信号セット338が、アドレス選択された行サブグループSG6−Kを含む、全ての発射グループ202a〜202fの全てのプリチャージ式発射セル120内のデータトランジスタ136に与えられる。
FG6 202fのための選択線212f及びFG1 202aのためのプリチャージ線210aは、336において、第2のSEL6/PRE1信号パルスを受信する。選択線212f上の第2のSEL6/PRE1信号パルス336は、FG6 202f内の各プリチャージ式発射セル120内の選択トランジスタ130をオンにする。ノードキャパシタンス126は、アドレス選択された行サブグループSG6−K内にない、FG6 202f内の全てのプリチャージ式発射セル120において放電される。アドレス選択された行サブグループSG6−Kでは、データ338が、各駆動スイッチ172のノードキャパシタンス126内の340に格納され、駆動スイッチをオンにするか、又はオフにする。
プリチャージ線210a上のSEL6/PRE1信号は、342において示される、行サブグループSG1−K内の発射セル120を含む、FG1 202a内の全ての発射セル120内のノードキャパシタンス126を、高電圧レベルまでプリチャージする。アドレス信号〜A1、〜A2...〜A7 304が行サブグループSG1−K、SG2−K、そして最終的に、行サブグループSG6−Kまで選択する間に、FG1 202a内の発射セル120はプリチャージされる。
発射線214fは、FG6 202f内の導通している駆動スイッチ172を有するプリチャージ式発射セル120内の発射抵抗器52に電圧を印加するために、344のエネルギーパルスを含む、343において示されるエネルギー信号FIRE6を受信する。SEL6/PRE1信号パルス336がハイである間に、且つ非導通駆動スイッチ172上のノードキャパシタンス126が能動的にローに引き下げられる間に、346において示されるように、エネルギーパルス344はハイに移行する。ノードキャパシタンス126が能動的にローに引き下げられる間に、エネルギーパルス344をハイに切り替えることによって、エネルギーパルス344がハイに移行するのに応じて、ノードキャパシタンス126が駆動スイッチ172を通じて誤って充電されるのを防ぐ。SEL6/PRE1信号パルス336はローに移行し、所定の時間だけエネルギーパルス344がハイに保持され、インクが加熱され、導通しているプリチャージ式発射セル120に対応するノズル34を通じてインクが吐出される。
SEL6/PRE1信号パルス336がローに移行した後に、且つエネルギーパルス344がハイである間に、308においてアドレス信号〜A1、〜A2...〜A7 304が変更され、別の1組のサブグループSG1−K+1、SG2−K+1、そして最終的に、SG6−K+1まで選択される。FG1 202aのための選択線212a及びFG2 202bのためのプリチャージ線210bは、348において示される、SEL1/PRE2信号パルスを受信する。選択線212a上のSEL1/PRE2信号パルス348は、FG1 202a内の各プリチャージ式発射セル120内の選択トランジスタ130をオンにする。ノードキャパシタンス126は、アドレス選択されたサブグループSG1−K+1内にない、FG1 202a内の全てのプリチャージ式発射セル120において放電される。駆動スイッチ172をオン又はオフにするために、行サブグループSG1−K+1のためのデータ信号セット350が、サブグループSG1−K+1のプリチャージ式発射セル120内に格納される。プリチャージ線210b上のSEL1/PRE2信号パルス348は、FG2 202b内の全ての発射セル120をプリチャージする。
導通している駆動スイッチ172を有する、FG1 202aの発射抵抗器52及びプリチャージ式発射セル120に電圧を印加するために、発射線214aはエネルギーパルス352を受信する。348におけるSEL1/PRE2信号パルスがハイである間に、エネルギーパルス352はハイに移行する。SEL1/PRE2信号パルス348がローに移行し、エネルギーパルス352はハイのままであり、インクが加熱され、対応する液体発生器60からインクが吐出される。その過程は、印刷が完了するまで続けられる。
図9は、データをラッチするように構成されるプリチャージ式発射セル150の一実施形態を示す回路図である。一実施形態では、プリチャージ式発射セル150は現在の発射グループの一部であり、その発射グループは、インクジェットプリントヘッド発射セルアレイの一部である。インクジェットプリントヘッド発射セルアレイは複数の発射グループを含む。
プリチャージ式発射セル150は、図6のプリチャージ式発射セル120に類似であり、プリチャージ式発射セル120の駆動スイッチ172、発射抵抗器52及びメモリセルを備える。プリチャージ式発射セル120の構成要素と一致するプリチャージ式発射セル150の構成要素は、プリチャージ式発射セル120の構成要素と同じ番号を有し、図6の説明において記述されるように互いに、且つ信号線に電気的に接続されるが、データトランジスタ136のゲートが、データ信号〜DATAを受信するデータ線142に接続されるのではなく、ラッチされたデータ信号〜LDATAINを受信するラッチ出力データ線156に電気的に接続されることが異なる。さらに、プリチャージ式発射セル120の構成要素と一致するプリチャージ式発射セル150の構成要素は、図6の説明において記述されるように機能し、且つ動作する。
プリチャージ式発射セル150は、データ線154とラッチ出力データ線156との間に電気的に接続されるドレイン−ソース経路を含むデータラッチトランジスタ152を備える。データ線154が、データ信号〜DATAINを受信し、データラッチトランジスタ152が、データをプリチャージ式発射セル150内にラッチし、ラッチされたデータ信号〜LDATAINを与える。データ信号〜DATAIN及びラッチされたデータ信号〜LDATAINは、信号名の先頭にある波形記号(〜)によって指示されるように、ローであるときにアクティブである。データラッチトランジスタ152のゲートは、現在の発射グループのプリチャージ信号を受信するプリチャージ線132に電気的に接続される。
別の実施形態では、データラッチトランジスタ152のゲートは、現在の発射グループのプリチャージ線132に電気的に接続されない。代わりに、データラッチトランジスタ152のゲートは、別の発射グループのプリチャージ線のような、パルス信号を与える異なる信号線に電気的に接続される。
一実施形態では、データラッチトランジスタ152は、プリチャージ信号が高電圧レベルから低電圧レベルに遷移するときに、ラッチ出力データ線156と、データラッチトランジスタ152のゲート−ソース間ノードとの間での電荷共有を最小限に抑えるために、最小サイズのトランジスタである。この電荷共有は、高電圧レベルにラッチされるデータを減少させる。また、一実施形態では、プリチャージ信号が低電圧レベルにあり、最小サイズのトランジスタが、データ信号線154において見られるキャパシタンスを低い値にしておくときに、データラッチトランジスタ152のドレインが、このキャパシタンスを決定する。
データラッチトランジスタ152は、高レベルプリチャージ信号によって、データを、データ線154からラッチ出力データ線156及びラッチ出力データストレージノードキャパシタンス158に渡す。そのデータは、プリチャージ信号がハイレベルからローレベルに遷移するのに応じて、ラッチ出力データ線154及びラッチ出力データストレージノードキャパシタンス158上にラッチされる。ラッチ出力データストレージノードキャパシタンス158は、データトランジスタ136の一部であるので、破線において示される。別法では、データトランジスタ136とは別のキャパシタを用いて、ラッチされたデータを格納することもできる。
ラッチ出力データストレージノードキャパシタンス158は、プリチャージ信号がハイレベルからローレベルに遷移するときに、概ねハイレベルに留まるほど十分に大きい。また、ラッチ出力データストレージノードキャパシタンス158は、発射信号FIREによってエネルギーパルスが与えられ、選択信号SELECTにおいて高電圧パルスが与えられるときに、概ねローレベルに留まるほど十分に大きい。さらに、データトランジスタ136は、駆動スイッチ172のゲートが放電されるときに、ラッチ出力データストレージノードキャパシタンス158上のローレベルを保持するほど十分に小さく、且つ発射信号FIRE内のエネルギーパルスの開始前に、駆動スイッチ172のゲートを完全に放電するほど十分に大きい。
一実施形態では、複数のプリチャージ式発射セルが同じデータを使用し、同じデータラッチトランジスタ152、及び156のラッチされたデータ信号〜LDATAINを共有する。156のラッチされたデータ信号〜LDATAINは、一度ラッチされ、複数のプリチャージ式発射セルによって使用される。これは、任意の個々のラッチ出力データ線156上のキャパシタンスを高めて、スイッチング問題の影響を受けにくくし、データ線154を介して駆動される全キャパシタンスを低減する。
動作時に、データ信号〜DATAINがデータ線154によって受信され、プリチャージ線132上に高レベル電圧パルスを与えることによって、データラッチトランジスタ152を介して、ラッチ出力データ線156及びラッチ出力データストレージノードキャパシタンス158に渡される。また、ストレージノードキャパシタンス126が、プリチャージ線132上の高レベル電圧パルスによって、プリチャージトランジスタ128を通じてプリチャージされる。プリチャージ線132上の電圧パルスが高電圧レベルから低電圧レベルに遷移するのに応じて、データラッチトランジスタ152がオフにされ、ラッチされたデータ信号〜LDATAINが与えられる。プリチャージ信号が高電圧レベルにある間に、プリチャージ式発射セル150内にラッチされることになるデータが与えられ、プリチャージ信号が低電圧レベルに遷移した後まで保持される。対照的に、図6のプリチャージ式発射セル120内にラッチされることになるデータは、選択信号が高電圧レベルにある間に与えられる。
別の実施形態では、データラッチトランジスタ152のゲートは、現在の発射グループのプリチャージ線132に電気的に接続されない。代わりに、データラッチトランジスタ152のゲートは、別の発射グループのプリチャージ線に電気的に接続される。データ信号〜DATAINがデータ線154によって受信され、他の発射グループのプリチャージ線上に高レベル電圧パルスを与えることによって、データラッチトランジスタ152を介して、ラッチ出力データ線156及びラッチ出力データストレージノードキャパシタンス158に渡される。他の発射グループのプリチャージ線上の電圧パルスが高電圧レベルから低電圧レベルに遷移するのに応じて、データラッチトランジスタ152はオフにされ、ラッチされたデータ信号〜LDATAINが与えられる。ストレージノードキャパシタンス126が、プリチャージ線132上の高レベル電圧パルスによって、プリチャージトランジスタ128を介してプリチャージされる。他の発射グループのプリチャージ線上の電圧パルスが高電圧レベルから低電圧レベルに遷移した後に、プリチャージ線132上の高電圧パルスが生じる。
一実施形態では、現在の発射グループ内の第1のプリチャージ式発射セルの、データラッチトランジスタ152のようなデータラッチトランジスタのゲートは、現在の発射グループとは異なる第1の発射グループの第1のプリチャージ線に電気的に接続される。また、現在の発射グループ内の第2のプリチャージ式発射セルの、データラッチトランジスタ152のようなデータラッチトランジスタのゲートは、第1の発射グループ及び現在の発射グループとは異なる第2の発射グループの第2のプリチャージ線に電気的に接続される。第1及び第2の発射グループのプリチャージ信号の高電圧レベル中に、データ線154がデータを与える。第1及び第2のプリチャージ式発射セル内にラッチされたデータは、現在の発射セルのプリチャージ信号及び選択信号を介して用いられる。一実施形態では、データ線154は、インクジェットプリントヘッド発射セルアレイ内の全ての発射グループに電気的に接続されるとは限らない。
プリチャージ式発射セル150の一実施形態では、プリチャージ線132上の高レベル電圧パルス後に、アドレス信号〜ADDRESS1及び〜ADDRESS2がアドレス線144及び146上に与えられ、第1のアドレストランジスタ138及び第2のアドレストランジスタ140の状態が設定される。選択線134上に高レベル電圧パルスが与えられ、選択トランジスタ130がオンし、データトランジスタ136、第1のアドレストランジスタ138、及び/又は第2のアドレストランジスタ140がオンである場合には、ストレージノードキャパシタンス126が放電する。別法では、データトランジスタ136、第1のアドレストランジスタ138、及び第2のアドレストランジスタ140が全てオフである場合には、ストレージノードキャパシタンス126は充電されたままである。
アドレス信号〜ADDRESS1及び〜ADDRESS2がいずれもローである場合には、プリチャージ式発射セル150がアドレス指定された発射セルであり、ラッチされたデータ信号〜LDATAINがハイである場合には、ストレージノードキャパシタンス126は放電し、ラッチされたデータ信号〜LDATAINがローである場合には、ストレージノードキャパシタンス126は充電されたままである。アドレス信号〜ADDRESS1及び〜ADDRESS2のうちの少なくとも一方がハイである場合には、プリチャージ式発射セル150は、アドレス指定された発射セルではなく、ストレージノードキャパシタンス126は、ラッチされたデータ信号〜LDATAINの電圧レベルには関係なく放電する。第1のアドレストランジスタ136及び第2のアドレストランジスタ138はアドレスデコーダを構成し、プリチャージ式発射セル150がアドレス指定される場合には、データトランジスタ136が、ストレージノードキャパシタンス126上の電圧レベルを制御する。
図10は、ダブルデータレート発射セル回路400の一実施形態を示す回路図である。ダブルデータレート発射セル回路400は、プリチャージ信号内の各高電圧パルスにおいて、各データ線から2つのデータビットをラッチする。したがって、発射周波数を高めることなく、又は入力パッドの数を増やすことなく、2倍の数の発射抵抗器に電圧を印加することができる。たとえば、プリントヘッド上の液滴発生器の数を増やし、同じ数の入力パッドを用いることによって、又はプリントヘッド上で同じ数の液滴発生器を使用し、入力パッドの数を減らすことによって、入力パッド当たりの液滴発生器の数を増やすことができる。プリントヘッドの液滴発生器の数が多いほど、典型的には、高い品質で、且つ/又は速い印刷速度で印刷される。また、入力パッドの数が少ないプリントヘッドほど、典型的には、入力パッドの数が多いプリントヘッドよりもコストが少ない。
ダブルデータレート発射セル回路400は、発射グループ402のような複数の発射グループと、クロックラッチ回路404とを備える。発射グループ402は、データをラッチするように構成される複数のプリチャージ式発射セル150と、行サブグループ406のような複数の行サブグループとを備える。行サブグループ406は、プリチャージ式発射セル150a〜150mを含む。
発射グループ402内のプリチャージ式各発射セル150は、プリチャージ信号PRECHARGEを受信するためにプリチャージ線408に電気的に接続され、選択信号SELECTを受信するために選択線410に電気的に接続され、且つ発射信号FIREを受信するために発射線412に電気的に接続される。行サブグループ406内の各プリチャージ式発射セル150a〜150mは、第1のアドレス信号〜ADDRESS1を受信するために第1のアドレス線414に電気的に接続され、第2のアドレス信号〜ADDRESS2を受信するために第2のアドレス線416に電気的に接続される。プリチャージ式発射セル150は、図9の説明において記述されるように信号を受信し、且つ動作する。
クロックラッチ回路404が、クロックラッチトランジスタ418a〜418nを備える。各クロックラッチトランジスタ418a〜418nのゲートは、データクロック信号DCLKを受信するために、クロック線420に電気的に接続される。各クロックラッチトランジスタ418a〜418nのドレイン−ソース経路は、422に示されるように、データ信号〜D1、...〜Dnのうちの1つを受信するために、データ線422a〜422nのうちの1つと電気的に接続される。各クロックラッチトランジスタ418a〜418nのドレイン−ソース経路の他方の側は、対応するクロックデータ線424a〜424nを介して、ダブルデータレート発射セル回路400内の発射グループ402及び全ての他の発射グループ内のプリチャージ式発射セル150に電気的に接続される。1つのデータ線グループ内の全てのプリチャージ式発射セル150が、クロックラッチトランジスタ418a〜418nのうちのただ1つに電気的に接続されることによって、プリチャージ信号が低電圧レベルに遷移し、且つ420におけるデータクロック信号DCLKが低電圧レベルに遷移するのに応じて、クロックデータ信号〜DC1、...〜DCnによる電荷共有が、プリチャージ式発射セル150内にラッチされるデータにおいて最小の高電圧レベルを保持するほど十分に小さくなるのを確実にするだけの十分なキャパシタンスが、クロックラッチ出力データ線424a〜424n上に確実に存在するようになる。
他の実施形態では、各クロックラッチトランジスタ418a〜418n及び対応するクロックデータ線424a〜424nを、複数のトランジスタ及び複数のデータ線に分割することができる。一実施形態では、クロックラッチトランジスタ418a〜418nのうちの1つに対応する複数のトランジスタのうちの1つ、及びクロックデータ線424a〜424nのうちの1つに対応する複数のデータ線のうちの1つが、流体チャネルの一方の側にある発射グループのノズルに接続される。また、クロックラッチトランジスタ418a〜418nのうちの同じものに対応する複数のトランジスタのうちの別の1つのトランジスタ、及びクロックデータ線424a〜424nのうちの同じものに対応する複数のデータ線のうちの別の1つのデータ線が、その流体チャネルの別の側にある発射グループのノズルに接続される。一実施形態では、各ノズルを、複数のデータ線のうちの個別の1つのデータ線を介して、複数のトランジスタのうちの個別の1つのトランジスタに接続することができる。
クロックラッチトランジスタ418aは、データ信号〜D1を受信するために、一端においてデータ線422aに電気的に接続されるドレイン−ソース経路を含む。クロックラッチトランジスタ418aのドレイン−ソース経路の他端は、424aにおいて、ダブルデータレート発射セル回路400内の発射グループ402内及び他の発射グループ内のプリチャージ式発射セル150を含む、プリチャージ式発射セル150a、及びプリチャージ発射セル150aと同じ列又はデータ線グループ内の全てのプリチャージ式発射セル150に電気的に接続される。クロックラッチトランジスタ418aのドレイン−ソース経路は、データ線154に電気的に接続されると共に、対応するデータ線グループ内の各プリチャージ式発射セル150内のデータラッチトランジスタ152のドレイン−ソース経路に電気的に接続される。クロックラッチトランジスタ418aは、422aにおいてデータ信号〜D1を受信し、424aにおいて、プリチャージ式発射セル150aを含むデータ線グループに、クロックデータ信号〜DC1を与える。
データ線422aは、ダブルデータレート発射セル回路400内の発射グループ402内及び他の発射グループ内のプリチャージ式発射セル150を含む、プリチャージ式発射セル150b、及びプリチャージ式発射セル150bと同じ列又はデータ線グループ内の全てのプリチャージ式発射セル150にも電気的に接続される。データ線422aは、データ線154に電気的に接続されると共に、対応するデータ線グループ内の各プリチャージ式発射セル150内のデータラッチトランジスタ152のドレイン−ソース経路に電気的に接続される。プリチャージ式発射セル150bを含むデータ線グループは、422aにおいてデータ信号〜D1を受信する。
クロックラッチトランジスタ418bは、データ信号〜D2を受信するために、一端においてデータ線422bに電気的に接続されるドレイン−ソース経路を含む。クロックラッチトランジスタ418bのドレイン−ソース経路の他端は、424bにおいて、ダブルデータレート発射セル回路400内の発射グループ402内及び他の発射グループ内のプリチャージ式発射セル150を含む、プリチャージ式発射セル150c、及びプリチャージ発射セル150cと同じ列又はデータ線グループ内の全てのプリチャージ式発射セル150に電気的に接続される。クロックラッチトランジスタ418bのドレイン−ソース経路は、データ線154に電気的に接続されると共に、対応するデータ線グループ内の各プリチャージ式発射セル150内のデータラッチトランジスタ152のドレイン−ソース経路に電気的に接続される。クロックラッチトランジスタ418bは、422bにおいてデータ信号〜D2を受信し、424bにおいて、プリチャージ式発射セル150cを含むデータ線グループに、クロックデータ信号〜DC2を与える。
データ線422bは、ダブルデータレート発射セル回路400内の発射グループ402内及び他の発射グループ内のプリチャージ式発射セル150を含む、プリチャージ式発射セル150b、及びプリチャージ式発射セル150bと同じ列又はデータ線グループ内の全てのプリチャージ式発射セル150にも電気的に接続される。データ線422bは、データ線154に電気的に接続されると共に、対応するデータ線グループ内の各プリチャージ式発射セル150内のデータラッチトランジスタ152のドレイン−ソース経路に電気的に接続される。プリチャージ式発射セル150bを含むデータ線グループは、422bにおいてデータ信号〜D2を受信する。
クロックラッチ回路404内の残りのクロックラッチトランジスタ418は、データ信号〜Dnを受信するために一端においてデータ線422nに電気的に接続されるドレイン−ソース経路を含むクロックラッチトランジスタ418nまで、同じようにダブルデータレート発射セル回路400内のプリチャージ式発射セル150に電気的に接続される。クロックラッチトランジスタ418nのドレイン−ソース経路の他端は、424nにおいて、ダブルデータレート発射セル回路400内の発射グループ402内及び他の発射グループ内のプリチャージ式発射セル150を含む、プリチャージ式発射セル150m−1に電気的に接続されると共に、プリチャージ式発射セル150m−1と同じ列又はデータ線グループ内の全てのプリチャージ式発射セル150に電気的に接続される。クロックラッチトランジスタ418nのドレイン−ソース経路は、データ線154に電気的に接続されると共に、対応するデータ線グループ内のプリチャージ式各発射セル150内のデータラッチトランジスタ152のドレイン−ソース経路に電気的に接続される。クロックラッチトランジスタ418nは、422nにおいて、データ信号〜Dnを受信し、424nにおいて、クロックデータ信号〜DCnを、プリチャージ式発射セル150m−1を含むデータ線グループに与える。
データ線422nは、ダブルデータレート発射セル回路400内の発射グループ402内及び他の発射グループ内のプリチャージ式発射セル150を含む、プリチャージ式発射セル150n、及びプリチャージ式発射セル150mと同じ列又はデータ線グループ内の全てのプリチャージ式発射セル150にも電気的に接続される。データ線422nは、データ線154に電気的に接続されると共に、対応するデータ線グループ内の各プリチャージ式発射セル150内のデータラッチトランジスタ152のドレイン−ソース経路に電気的に接続される。プリチャージ式発射セル150mを含むデータ線グループは、422nにおいてデータ信号〜Dnを受信する。
データ線422a〜422nはそれぞれ、高電圧レベルプリチャージ信号を受信している発射グループ内にあるプリチャージ式発射セル150内のデータラッチトランジスタ152を介して、ラッチ出力データ線ノードを充電する。また、データ線422a〜422nはそれぞれ、データクロック信号CLK内の各高電圧パルスにおいて、クロックラッチ出力データ線424a〜424nを充電し、高電圧レベルプリチャージ信号を受信している発射グループ内にあるプリチャージ式発射セル150内のデータラッチトランジスタ152を介して、そのデータ線に取り付られているラッチ出力データ線ノードを充電する。データ線422a〜422nを介して充電されているデータノードは、非ダブルデータレート発射セル回路のゲートキャパシタンスよりもわずかに高いキャパシタンスを有する。
この実施形態では、プリチャージ式発射セル150の概ね半分が、クロックデータ信号〜DC1、...〜DCnを受信するように電気的に接続され、プリチャージ式発射セル150の概ね半分が、データ信号〜D1、...〜Dnを受信するように電気的に接続される。また、1つの行サブグループ内の1つ置きのプリチャージ式発射セル150が、クロックデータ信号〜DC1、...〜DCnを受信するように電気的に接続され、他の発射セルが、データ信号〜D1、...〜Dnを受信するように電気的に接続される。他の実施形態では、任意の適切なパーセンテージのプリチャージ式発射セル150を、クロックデータ信号〜DC1、...〜DCnを受信するように接続することができ、任意の適切なパーセンテージを、データ信号〜D1、...〜Dnを受信するように接続することができる。他の実施形態では、プリチャージ式発射セル150を、任意の適切な順序又はパターンにおいて、又は順不同で、クロックデータ信号〜DC1、...〜DCn及びデータ信号〜D1、...〜Dnを受信するように接続することができる。
各データ信号〜D1、...〜Dnは、プリチャージ信号PRECHARGE内の高電圧パルスの最初の半分中に第1のデータビットを、高電圧パルスの残りの半分中に第2のデータビットを含む。また、クロック信号DCLKは、プリチャージ信号PRECHARGE内の高電圧パルスの最初の半分中に高電圧パルスを含む。
動作時に、プリチャージ信号PRECHARGE及びクロック信号DCLKは、高電圧レベルに遷移し、各データ信号〜D1、...〜Dnは、クロック信号DCLK内の高電圧パルス中に、対応するクロックラッチトランジスタ418a〜418nに与えられる第1のデータビットを含む。クロックラッチトランジスタ418a〜418nは、第1のデータビットを、対応するデータ線グループのプリチャージ式発射セル150a、150c、...150m−1に渡す。クロック信号DCLK内の高電圧パルスが低電圧レベルに遷移するのに応じて、クロックラッチトランジスタ418a〜418nは、第1のデータビットをラッチし、クロックデータ信号〜DC1、...〜DCnを与える。第1のデータビットは、対応するデータ線グループのプリチャージ式発射セル150b、150d、...150mにも与えられる。
次に、各データ信号〜D1、...〜Dnは、プリチャージ信号PRECHARGE内の高電圧パルスの残りの半分中に、対応するクロックラッチトランジスタ418a〜418n、及び対応するデータ線グループのプリチャージ式発射セル150b、150d、...150mに与えられる第2のデータビットを含む。クロックラッチトランジスタ418a〜418nは、クロック信号CLKの低電圧レベルによってオフにされ、第2のデータビットが、対応するデータ線グループのプリチャージ式発射セル150a、150c、...150m−1に渡るのを防ぐ。
クロックデータ信号〜DC1、...〜DCn、及びデータ信号〜D1、...〜Dn内の第2のデータビットは、ダブルデータレート発射セル回路400内の対応するデータ線グループ内の全てのプリチャージ式発射セル150によって受信される。発射グループ402では、クロックデータ信号〜DC1、...〜DCn、及びデータ信号〜D1、...〜Dn内の第2のデータビットは、プリチャージ式発射セル150内のデータ線154によって受信され、データラッチトランジスタ152、及びプリチャージ信号PRECHARGE内の高レベル電圧パルスによって、ラッチ出力データ線156及びラッチ出力データストレージノードキャパシタンス158に渡される。また、発射グループ402において、プリチャージ信号PRECHARGE内の高レベル電圧パルスによって、ストレージノードキャパシタンス126が、プリチャージトランジスタ128を通じてプリチャージされる。次に、発射グループ402において、プリチャージ信号PRECHARGEが低レベル電圧に遷移するのに応じて、データラッチトランジスタ152がオフにされ、クロックデータ信号〜DC1、...〜DCn、及びデータ信号〜D1、...〜Dn内の第2のデータビットがラッチされ、ラッチされたデータ信号〜LDATAINが与えられる。
プリチャージ式発射セル150の一実施形態では、プリチャージ信号PRECHARGE内の高レベル電圧パルスが低電圧レベルに遷移した後に、行サブグループ406を選択するために、アドレス信号〜ADDRESS1及び〜ADDRESS2が与えられ、選択信号SELECT内に高レベル電圧パルスが与えられ、選択トランジスタ130がオンにされる。行サブグループ406では、ラッチされたデータ信号〜LDATAINがハイである場合には、ストレージノードキャパシタンス126が放電し、ラッチされたデータ信号〜LDATAINがローである場合には充電されたままである。アドレス指定されない行サブグループでは、ラッチされたデータ信号〜LDATAINの電圧レベルに関係なく、ストレージノードキャパシタンス126は放電する。発射信号FIRE内にエネルギーパルスが与えられ、行サブグループ406内の導通している駆動スイッチ172に接続される発射抵抗器52に電圧が印加される。
一実施形態では、ダブルデータレート発射セル回路400内のプリチャージ式発射セル150に電圧を印加することは、第1のデータビットにおいてクロックを与え、別の発射グループ内の発射セル150をプリチャージすることによって続けられる。クロックデータ信号及び第2のデータビットは、プリチャージ信号の立ち下がりエッジによって、プリチャージ式発射セル150内にラッチされ、1つの行サブグループを選択するためにアドレス信号が与えられる。他の発射グループ内の導通しているプリチャージ式発射セル150に電圧を印加するために、選択信号内に高電圧レベルパルス及び発射信号内にエネルギーパルスが与えられる。この過程は、流体の吐出が完了するまで続けられる。
他の実施形態では、発射セル回路は、プリチャージ信号PRECHARGE内の各高電圧パルスにおいて、3つ又は4つ以上のデータビットのような、任意の適切な数のデータビットをラッチするために、クロックラッチ回路404のような、任意の数のクロックラッチ回路を含むことができる。たとえば、発射セル回路は、第2のデータクロックを介して、第3のデータビットにおいてクロックを供給する第2のクロックラッチ回路を含むことができ、その発射セル回路は、発射セル回路がトリプルデータレート発射セル回路になるように、プリチャージ信号PRECHARGEが高電圧レベルから低電圧レベルに遷移するのに応じて、第1、第2及び第3のデータビットをラッチする。
図11は、図10のダブルデータレート発射セル回路400の一実施形態の動作を示すタイミング図である。ダブルデータレート発射セル回路400は、第1の発射グループFG1と、第2の発射グループFG2と、第3の発射グループFG3と、発射グループFGnまでの他の発射グループとを含む。ダブルデータレート発射セル回路400は、プリチャージ/選択信号S0、S1、S2、及びSnまでの他のプリチャージ/選択信号を受信する。プリチャージ/選択信号S0〜Snは、ダブルデータレート発射セル回路400内のプリチャージ信号及び/又は選択信号として用いられる。
第1の発射グループFG1は、500において、プリチャージ信号として信号S0を受信し、502において、選択信号として信号S1を受信する。第2の発射グループFG2は、502において、プリチャージ信号として信号S1を受信し、504において、選択信号として信号S2を受信する。第3の発射グループFG3は、504において、プリチャージ信号として信号S2を受信し、選択信号として信号S3(図示せず)を受信し、それ以降、プリチャージ信号として信号Sn−1(図示せず)を受信し、選択信号として信号Snを受信する発射グループFGnまで同様である。
クロックラッチ回路404は、506においてデータクロック信号DCLKを受信し、508においてデータ信号〜D1、...〜Dnを受信して、510においてクロックデータ信号〜DC1、...〜DCnを与える。発射グループFG1〜FGnは、508においてデータ信号〜D1、...〜Dnをラッチし、510においてクロックデータ信号〜DC1、...〜DCnをラッチして、ラッチされたクロックデータ信号及びラッチされたデータ信号を与え、それらの信号は、駆動スイッチ172をオンにし、選択された発射抵抗器52に電圧を印加するために用いられる。各発射グループは、エネルギーパルスを含む発射信号を受信し、選択された発射抵抗器52に電圧を印加する。一実施形態では、エネルギーパルスは、発射グループの選択信号の高電圧パルスの概ね中間又は終了近くに開始し、発射グループ内の選択された発射抵抗器52に電圧を印加する。
第1の発射グループFG1は、508においてデータ信号〜D1、...〜Dnをラッチし、510においてクロックデータ信号〜DC1、...〜DCnをラッチして、512において、ラッチされた第1の発射グループクロックデータ信号FG1Cを与え、514において、ラッチされた第1の発射グループデータ信号FG1Dを与える。第2の発射グループFG2は、508においてデータ信号〜D1、...〜Dnをラッチし、510においてクロックデータ信号〜DC1、...〜DCnをラッチして、516において、ラッチされた第2の発射グループクロックデータ信号FG2Cを与え、518において、ラッチされた第2の発射グループデータ信号FG2Dを与える。第3の発射グループFG3は、508においてデータ信号〜D1、...〜Dnをラッチし、510においてクロックデータ信号〜DC1、...〜DCnをラッチして、520において、ラッチされた第3の発射グループクロックデータ信号FG3Cを与え、522において、ラッチされた第3の発射グループデータ信号FG3Dを与える。他の発射グループも、508においてデータ信号〜D1、...〜Dnをラッチし、510においてクロックデータ信号〜DC1、...〜DCnをラッチして、発射グループFG1〜FG3と同じようなラッチされたクロックデータ信号及びラッチされたデータ信号を与える。
まず初めに、500の信号S0が、第1の発射グループFG1のプリチャージ信号内の524において高電圧パルスを与え、506のデータクロック信号DCLKが、524の高電圧パルスの最初の半分中に、526において高電圧パルスを与える。クロックラッチ回路404は、526において高電圧パルスを受信し、508においてデータ信号〜D1、...〜Dnを通して、510において、クロックデータ信号〜DC1、...〜DCnを与える。
524における高電圧パルスの最初の半分中に、508のデータ信号〜D1、...〜Dnは、528において第1の発射グループクロックデータ信号1Cを含み、その信号はクロックラッチ回路404に通されて、510のクロックデータ信号〜DC1、...〜DCnにおいて530の第1の発射グループクロックデータ信号1Cを与える。また、530の第1の発射グループクロックデータ信号1Cは、第1の発射グループFG1のプリチャージ式発射セル150内のデータラッチトランジスタ152に通されて、512のラッチされた第1の発射グループクロックデータ信号FG1Cにおいて532の第1の発射グループクロックデータ信号1Cを与える。530の第1の発射グループクロックデータ信号1Cは、高電圧パルス526がロー論理レベルに遷移するのに応じて、510においてクロックデータ信号〜DC1、...〜DCnとしてラッチされる。528の第1の発射グループクロックデータ信号1Cは、高電圧パルス526がトランジスタしきい値未満に遷移するまで保持されなければならない。
524における高電圧パルスの残りの半分中に、508におけるデータ信号〜D1、...〜Dnは、534において第1の発射グループデータ信号1Dを含む。534における第1の発射グループデータ信号1Dは、データ線422に接続される第1の発射グループFG1のプリチャージ式発射セル150内のデータラッチトランジスタ152に通されて、514のラッチされた第1の発射グループデータ信号FG1Dにおいて536の第1の発射グループデータ信号1Dを与える。532の第1の発射グループクロックデータ信号1C及び536の第1の発射グループデータ信号1Dは、高電圧パルス524がロー論理レベルに遷移するのに応じて、第1の発射グループFG1内のプリチャージ式発射セル150内にラッチされる。534の第1の発射グループデータ信号1Dは、高電圧パルス524がトランジスタしきい値未満に遷移するまで保持されなければならない。
1つの行サブグループを選択するために、アドレス信号が与えられ、502における信号S1が、第1の発射グループFG1の選択信号及び第2の発射グループFG2のプリチャージ信号内に538の高電圧パルスを与える。538の高電圧パルスは、第1の発射グループFG1のプリチャージ式発射セル150内の選択トランジスタ130をオンにする。アドレス指定された行サブグループにおいて、512のラッチされた第1の発射グループデータFG1C及び514のFG1Dがハイである場合には、ストレージノードキャパシタンス126が放電し、512のラッチされた第1の発射グループデータFG1C及び514のFG1Dがローである場合には充電されたままである。アドレス指定されない行サブグループでは、512のラッチされた第1の発射グループデータFG1C及び514のFG1Dの電圧レベルに関係なく、ストレージノードキャパシタンス126が放電する。第1の発射グループの発射信号内にエネルギーパルスが与えられ、アドレス指定された行サブグループ内の導通している駆動スイッチ172に接続される発射抵抗器52に電圧が印加される。
506におけるデータクロック信号DCLKは、538の高電圧パルスの最初の半分中に540において高電圧パルスを与える。クロックラッチ回路404は、540において高電圧パルスを受信し、508においてデータ信号〜D1、...〜Dnを通して、510においてクロックデータ信号〜DC1、...〜DCnを与える。
538における高電圧パルスの最初の半分中に、508のデータ信号〜D1、...〜Dnは、542において第2の発射グループクロックデータ信号2Cを含み、その信号はクロックラッチ回路404に通されて、510のクロックデータ信号〜DC1、...〜DCnにおいて544の第2の発射グループクロックデータ信号2Cを与える。また、544の第2の発射グループクロックデータ信号2Cは、第2の発射グループFG2のプリチャージ式発射セル150内のデータラッチトランジスタ152に通されて、516のラッチされた第2の発射グループクロックデータ信号FG2Cにおいて546の第2の発射グループクロックデータ信号2Cを与える。544の第2の発射グループクロックデータ信号2Cは、高電圧パルス540がロー論理レベルに遷移するのに応じて、510においてクロックデータ信号〜DC1、...〜DCnとしてラッチされる。542の第2の発射グループクロックデータ信号2Cは、高電圧パルス540がトランジスタしきい値未満に遷移するまで保持されなければならない。
538における高電圧パルスの残りの半分中に、508におけるデータ信号〜D1、...〜Dnは、548において第2の発射グループデータ信号2Dを含む。548における第2の発射グループデータ信号2Dは、データ線422に接続される第1の発射グループFG2のプリチャージ式発射セル150内のデータラッチトランジスタ152に通されて、518のラッチされた第2の発射グループデータ信号FG2Dにおいて550の第2の発射グループデータ信号2Dを与える。546の第2の発射グループクロックデータ信号2C及び550の第2の発射グループデータ信号2Dは、高電圧パルス538がロー論理レベルに遷移するのに応じて、第2の発射グループFG2内のプリチャージ式発射セル150内にラッチされる。548の第2の発射グループデータ信号2Dは、高電圧パルス538がトランジスタしきい値未満に遷移するまで保持されなければならない。
1つの行サブグループを選択するために、アドレス信号が与えられ、504における信号S2が、第2の発射グループFG2の選択信号及び第3の発射グループFG3のプリチャージ信号内に552の高電圧パルスを与える。552の高電圧パルスは、第2の発射グループFG2のプリチャージ式発射セル150内の選択トランジスタ130をオンにする。アドレス指定された行サブグループにおいて、ラッチされた第2の発射グループデータ、516のFG2C及び518のFG2Dがハイである場合には、ストレージノードキャパシタンス126が放電し、516のラッチされた第2の発射グループデータFG2C及び518のFG2Dがローである場合には充電されたままである。アドレス指定されない行サブグループでは、516のラッチされた第2の発射グループデータFG2C及び518のFG2Dの電圧レベルに関係なく、ストレージノードキャパシタンス126が放電する。第2の発射グループの発射信号内にエネルギーパルスが与えられ、アドレス指定された行サブグループ内の導通している駆動スイッチ172に接続される発射抵抗器52に電圧が印加される。
506におけるデータクロック信号DCLKは、552の高電圧パルスの最初の半分中に554において高電圧パルスを与える。クロックラッチ回路404は、554において高電圧パルスを受信し、508においてデータ信号〜D1、...〜Dnを通じて、510においてクロックデータ信号〜DC1、...〜DCnを与える。
552における高電圧パルスの最初の半分中に、508のデータ信号〜D1、...〜Dnは、556において第3の発射グループクロックデータ信号3Cを含み、その信号はクロックラッチ回路404に通されて、510のクロックデータ信号〜DC1、...〜DCnにおいて558の第3の発射グループクロックデータ信号3Cを与える。また、558の第3の発射グループクロックデータ信号3Cは、第3の発射グループFG3のプリチャージ式発射セル150内のデータラッチトランジスタ152に通されて、520のラッチされた第3の発射グループクロックデータ信号FG3Cにおいて560の第3の発射グループクロックデータ信号3Cを与える。558の第3の発射グループクロックデータ信号3Cは、高電圧パルス554がロー論理レベルに遷移するのに応じて、510においてクロックデータ信号〜DC1、...〜DCnとしてラッチされる。556の第3の発射グループクロックデータ信号3Cは、高電圧パルス554がトランジスタしきい値未満に遷移するまで保持されなければならない。
552における高電圧パルスの残りの半分中に、508におけるデータ信号〜D1、...〜Dnは、562において第3の発射グループデータ信号3Dを含む。562における第3の発射グループデータ信号3Dは、データ線422に接続される第1の発射グループFG3のプリチャージ式発射セル150内のデータラッチトランジスタ152に通されて、522のラッチされた第3の発射グループデータ信号FG3Dにおいて564の第3の発射グループデータ信号3Dを与える。560の第3の発射グループクロックデータ信号3C及び564の第3の発射グループデータ信号3Dは、高電圧パルス552がロー論理レベルに遷移するのに応じて、第3の発射グループFG3内のプリチャージ式発射セル150内にラッチされる。562の第3の発射グループデータ信号3Dは、高電圧パルス552がトランジスタしきい値未満に遷移するまで保持されなければならない。
この過程は、発射グループFGnがプリチャージ信号として信号Sn−1を受信し、選択信号として信号Snを受信するまで続けられる。その過程は、第1の発射グループFG1から開始して、その後、流体の吐出が完了するまで繰り返される。
図12は、マルチプルデータレート発射セル回路において用いることができるプリチャージ式発射セル160の一実施形態を示す回路図である。プリチャージ式発射セル160は、図6のプリチャージ式発射セル120に類似であり、プリチャージ式発射セル120の駆動スイッチ172、発射抵抗器52、及びメモリセルを含む。プリチャージ式発射セル120の構成要素と一致するプリチャージ式発射セル160の構成要素は、プリチャージ式発射セル120の構成要素と同じ番号を有し、図6の説明において記述されるように、互いに、且つ信号線に電気的に接続されるが、データトランジスタ136のゲートが、データ信号〜DATAを受信するデータ線142に接続される代わりに、ラッチされたデータ信号〜LDATAINを受信するラッチ出力データ線166に電気的に接続されることが異なる。さらに、プリチャージ式発射セル120の構成要素と一致するプリチャージ式発射セル160の構成要素は、図6の説明において記述されるように機能し、且つ動作する。
プリチャージ式発射セル160は、データ線164とラッチ出力データ線166との間に電気的に接続されるドレイン−ソース経路を含むデータラッチトランジスタ162を備える。データ線164がデータ信号〜DATAINを受信し、データラッチトランジスタ162がデータをプリチャージ式発射セル160内にラッチして、ラッチされたデータ信号〜LDATAINを与える。データ信号〜DATAIN及びラッチされたデータ信号〜LDATAINは、信号名の先頭にある波形記号(〜)によって示されるように、ローであるときにアクティブである。データラッチトランジスタ162のゲートは、データ選択信号DATASELを受信するデータ選択線170に電気的に接続される。
一実施形態では、データラッチトランジスタ162は、データ選択信号が高電圧レベルから低電圧レベルに遷移するときに、ラッチ出力データ線166とデータラッチトランジスタ162のゲート−ソース間ノードとの間での電荷共有を最小限に抑えるために、最小サイズのトランジスタである。この電荷共有は、高電圧レベルにラッチされるデータを減少させる。また、一実施形態では、データ選択信号が低電圧レベルにあり、最小サイズのトランジスタが、データ線164において見られるキャパシタンスを低い値にしておくときに、データラッチトランジスタ162のドレインが、このキャパシタンスを決定する。
データラッチトランジスタ162は、高レベルデータ選択信号によって、データ線164からのデータを、ラッチ出力データ線166及びラッチ出力データストレージノードキャパシタンス168に渡す。データ選択信号が高電圧レベルから低電圧レベルに遷移するのに応じて、データが、ラッチ出力データ線164及びラッチ出力データストレージノードキャパシタンス168上にラッチされる。ラッチ出力データストレージノードキャパシタンス168は、データトランジスタ136の一部であるので、破線において示される。別法では、データトランジスタ136とは別のキャパシタを用いて、ラッチされたデータを格納することができる。
ラッチ出力データストレージノードキャパシタンス168は、データ選択信号がハイレベルからローレベルに遷移するときに、概ねハイレベルに留まるほど十分に大きい。また、ラッチ出力データストレージノードキャパシタンス168は、発射信号FIREによってエネルギーパルスが与えられ、選択信号SELECTにおいて高電圧パルスが与えられ、プリチャージ信号PRECHARGEにおいて高電圧パルスが与えられるときに、概ねローレベルに留まるほど十分に大きい。さらに、データトランジスタ136は、駆動スイッチ172のゲートが放電されるときに、ラッチ出力データストレージノードキャパシタンス168上のローレベルを保持するほど十分に小さく、且つ発射信号FIRE内のエネルギーパルスの開始前に、駆動スイッチ172のゲートを完全に放電するほど十分に大きい。
プリチャージ式発射セル160を用いるダブルデータレート発射セル回路の一実施形態では、各データ選択線170は、プリチャージ線、第1のクロック、又は第2のクロックに電気的に接続される。ある発射グループでは、いくつかのプリチャージ式発射セル160内のデータ選択線170に第1のクロックが電気的に接続され、他のプリチャージ式発射セル160内のデータ選択線170に発射グループプリチャージ線が電気的に接続される。他の発射グループでは、いくつかのプリチャージ式発射セル160内のデータ選択線170に第2のクロックが電気的に接続され、他のプリチャージ式発射セル160内のデータ選択線170に発射グループプリチャージ線が電気的に接続される。第1のクロックは、第1のクロックに接続される発射グループのプリチャージ信号内の各高電圧パルスの最初の半分において高電圧パルスを含む。第2のクロックは、第2のクロックに接続される発射グループのプリチャージ信号内の各高電圧パルスの最初の半分において高電圧パルスを含む。こうして、ある発射グループでは、第1のクロック及びプリチャージ信号が、プリチャージ信号内の各高電圧パルス中に2つのデータビットをラッチし、他の発射グループでは、第2のクロック及びプリチャージ信号が、プリチャージ信号内の各高電圧パルス中に2つのデータビットをラッチする。プリチャージ発射セル160を用いるマルチプルデータレート発射セル回路の他の実施形態では、任意の適切な数のクロック信号を用いて、プリチャージ信号の高電圧パルス中に、3ビット以上のデータビットのような、多数のデータビットをラッチすることができる。
プリチャージ発射セル160を用いるマルチプルデータレート発射セル回路では、いくつかのデータ線が、一度に1つの発射グループ内のラッチ出力データ線ノードを充電し、その場合に、各発射グループは、その発射グループのプリチャージ信号において高電圧レベルを受信する。他のデータ線は、多数の発射グループ内のラッチ出力データ線ノードを充電し、その場合に、多数の発射グループは、クロック信号において高電圧パルスを受信する。
プリチャージ式発射セル160の動作時に、データ信号〜DATAINがデータ線164によって受信され、データ選択線170上に高電圧パルスを与えることによって、データラッチトランジスタ162を介して、ラッチ出力データ線166及びラッチ出力データストレージノードキャパシタンス168に渡される。プリチャージ線132上の高電圧パルスによって、ストレージノードキャパシタンス126が、プリチャージトランジスタ128を通じてプリチャージされる。データ選択線170上の電圧パルスが高電圧レベルから低電圧レベルに遷移するのに応じて、データラッチトランジスタ162がオフにされ、ラッチされたデータ信号〜LDATAINが与えられる。プリチャージ式発射セル160内にラッチされることになるデータは、データ選択信号が高電圧レベルにある間に与えられ、データ選択信号が低電圧レベルに遷移した後まで保持される。データ選択信号内の高電圧パルスは、プリチャージ信号内の高電圧パルス中に生じるか、又はプリチャージ信号内の高電圧パルスである。対照的に、図6のプリチャージ式発射セル120内にラッチされることになるデータは、選択信号が高電圧レベルにある間に与えられる。
プリチャージ発射セル160の一実施形態では、データ選択線170上に高レベル電圧パルスを与えた後に、アドレス線144及び146上にアドレス信号〜ADDRESS1及び〜ADDRESS2が与えられ、第1のアドレストランジスタ138及び第2のアドレストランジスタ140の状態が設定される。選択線134上に高レベル電圧パルスが与えられ、選択トランジスタ130がオンにされ、データトランジスタ136、第1のアドレストランジスタ138、及び/又は第2のアドレストランジスタ140がオンである場合には、ストレージノードキャパシタンス126が放電する。あるいは、データトランジスタ136、第1のアドレストランジスタ138、及び第2のアドレストランジスタ140が全てオフである場合には、ストレージノードキャパシタンス126は充電されたままである。
両方のアドレス信号〜ADDRESS1及び〜ADDRESS2がローである場合には、プリチャージ式発射セル160がアドレス指定された発射セルであり、ラッチされたデータ信号〜LDATAINがハイである場合には、ストレージノードキャパシタンス126は放電し、ラッチされたデータ信号〜LDATAINがローである場合には、充電されたままである。アドレス信号〜ADDRESS1及び〜ADDRESS2のうちの少なくとも一方がハイである場合には、プリチャージ式発射セル160はアドレス指定された発射セルではなく、ストレージノードキャパシタンス126は、ラッチされたデータ信号〜LDATAINの電圧レベルに関係なく放電する。第1のアドレストランジスタ136及び第2のアドレストランジスタ138はアドレスデコーダを構成し、プリチャージ式発射セル160がアドレス指定される場合には、データトランジスタ136がストレージノードキャパシタンス126上の電圧レベルを制御する。
図13は、プリチャージ式発射セル160を用いるダブルデータレート発射セル回路の一実施形態の動作を示すタイミング図である。各データ選択線170は、プリチャージ線、第1のデータクロック、又は第2のデータクロックに電気的に接続される。そのダブルデータレート発射セル回路は、第1の発射グループFG1と、第2の発射グループFG2と、第3の発射グループFG3と、発射グループFGnまでの他の発射グループとを含む。そのダブルデータレート発射セル回路は、プリチャージ/選択信号S0、S1、S2、及びSnまでの他のプリチャージ/選択信号を受信する。プリチャージ/選択信号S0、...Snは、ダブルデータレート発射セル回路においてプリチャージ信号及び/又は選択信号として用いられる。
第1の発射グループFG1は、600において、プリチャージ信号として信号S0を受信し、602において、選択信号として信号S1を受信する。第2の発射グループFG2は、602において、プリチャージ信号として信号S1を受信し、604において、選択信号として信号S2を受信する。第3の発射グループFG3は、604において、プリチャージ信号として信号S2を受信し、選択信号として信号S3(図示せず)を受信し、それ以降、プリチャージ信号として信号Sn−1(図示せず)を受信し、選択信号として信号Sn(図示せず)を受信する発射グループFGnまで同様である。
ダブルデータレート発射セル回路は、第1のデータクロックを介して606の第1のデータクロック信号DCLK1を受信すると共に、第2のデータクロックを介して608の第2のデータクロック信号DCLK2を受信する。第1のデータクロックは、第1の発射グループFG1及び第3の発射グループFG3のような、奇数の発射グループ内のプリチャージ式発射セル160の概ね半分のデータ選択線170に電気的に接続される。各発射グループのプリチャージ線が、奇数の発射グループ内のプリチャージ式発射セル160の概ね残りの半分のデータ選択線170に電気的に接続される。第2のデータクロックは、第2の発射グループFG2及び第4の発射グループFG4のような、偶数の発射グループ内のプリチャージ式発射セル160の概ね半分のデータ選択線170に電気的に接続され、各発射グループのプリチャージ線が、偶数の発射グループ内のプリチャージ式発射セル160の概ね残りの半分のデータ選択線170に電気的に接続される。
606の第1のデータクロック信号DCLK1は、第1のデータクロックに接続される発射グループのプリチャージ信号内の各高電圧パルスの最初の半分において高電圧パルスを含み、608の第2のデータクロック信号DCLK2は、第2のデータクロックに接続される発射グループのプリチャージ信号内の各高電圧パルスの最初の半分において高電圧パルスを含む。データ線が、610においてデータ信号〜D1、...〜Dnを与える。ただし、各データ線は610においてデータ信号〜D1、...〜Dnのうちの1つを与え、プリチャージ信号内の高電圧パルスの最初の半分中に第1のデータビットを与え、そのプリチャージ信号内の高電圧パルスの残りの半分中に第2のデータビットを与える。各データ線は、全ての発射グループ内のプリチャージ式発射セル160に電気的に接続される。また、各データ線は、第1のデータクロック又は第2のデータクロックに接続されるデータ選択線170を有する、発射グループ内のプリチャージ式発射セル160に電気的に接続されると共に、発射グループのプリチャージ線に接続されるデータ選択線170を有する、その発射グループ内のプリチャージ式発射セル160に電気的に接続される。
奇数の発射グループでは、606の第1のデータクロック信号DCLK1及びプリチャージ信号が、プリチャージ信号内の各高電圧パルス中に2つのデータビットをラッチする。偶数の発射グループでは、608の第2のデータクロック信号DCLK2及びプリチャージ信号が、プリチャージ信号内の各高電圧パルス中に2つのデータビットをラッチする。プリチャージ発射セル160を用いるマルチプルデータレート発射セル回路の他の実施形態では、任意の適切な数のデータクロック信号を用いて、プリチャージ信号の高電圧パルス中に、3ビット以上のデータビットのような、多数のデータビットをラッチすることができる。
発射グループFG1〜FGnは、610においてデータ信号〜D1、...〜Dnをラッチし、ラッチされたクロックデータ信号及びラッチされたプリチャージデータ信号を与え、それらの信号は、駆動スイッチ172をオンにし、選択された発射抵抗器52に電圧を印加するために用いられる。各発射グループは、エネルギーパルスを含む発射信号を受信し、選択された発射抵抗器52に電圧を印加する。一実施形態では、エネルギーパルスは、発射グループの選択信号の高電圧パルスの概ね中間又は終了近くに開始し、発射グループ内の選択された発射抵抗器52に電圧を印加する。
第1の発射グループFG1は、610においてデータ信号〜D1、...〜Dnをラッチし、612において、ラッチされた第1の発射グループクロックデータ信号FG1Cを与えると共に、614において、ラッチされた第1の発射グループプリチャージデータ信号FG1Pを与える。第2の発射グループFG2は、610においてデータ信号〜D1、...〜Dnをラッチし、616において、ラッチされた第2の発射グループクロックデータ信号FG2Cを与え、618において、ラッチされた第2の発射グループプリチャージデータ信号FG2Pを与える。第3の発射グループFG3は、610においてデータ信号〜D1、...〜Dnをラッチし、620において、ラッチされた第3の発射グループクロックデータ信号FG3Cを与え、622において、ラッチされた第3の発射グループプリチャージデータ信号FG3Pを与える。他の発射グループも、610においてデータ信号〜D1、...〜Dnをラッチし、発射グループFG1〜FG3と同じようなラッチされたクロックデータ信号及びラッチされたプリチャージデータ信号を与える。
まず初めに、600の信号S0が、第1の発射グループFG1のプリチャージ信号内の624において高電圧パルスを与える。624の高電圧パルスの最初の半分中に、606の第1のデータクロック信号DCLK1が、626において高電圧パルスを与える。610のデータ信号〜D1、...〜Dnは、628において第1の発射グループクロックデータ信号1Cを含み、その信号は、第1の発射グループFG1内の第1のデータクロックに接続されるデータラッチトランジスタ162に通されて、612のラッチされた第1の発射グループクロックデータ信号FG1Cにおいて、630の第1の発射グループクロックデータ信号1Cを与える。630の第1の発射グループクロックデータ信号1Cは、高電圧パルス626がロー論理レベルに遷移するのに応じてラッチされる。628の第1の発射グループクロックデータ信号1Cは、高電圧パルス626がトランジスタしきい値未満に遷移した後まで、保持されなければならない。
624における高電圧パルスの残りの半分中に、610におけるデータ信号〜D1、...〜Dnは、632において第1の発射グループプリチャージデータ信号1Pを含む。632における第1の発射グループプリチャージデータ信号1Pは、第1の発射グループFG1のプリチャージ線に接続されるデータラッチトランジスタ162に通されて、614のラッチされた第1の発射グループプリチャージデータ信号FG1Pにおいて634の第1の発射グループプリチャージデータ信号1Pを与える。634の第1の発射グループプリチャージデータ信号1Pは、高電圧パルス624がロー論理レベルに遷移するのに応じて、第1の発射グループFG1内のプリチャージ式発射セル160内にラッチされる。632の第1の発射グループプリチャージデータ信号1Pは、高電圧パルス624がトランジスタしきい値未満に遷移するまで保持されなければならない。
1つの行サブグループを選択するために、アドレス信号が与えられ、602における信号S1が、第1の発射グループFG1の選択信号及び第2の発射グループFG2のプリチャージ信号内に636の高電圧パルスを与える。636の高電圧パルスは、第1の発射グループFG1のプリチャージ式発射セル160内の選択トランジスタ130をオンにする。アドレス指定された行サブグループにおいて、612のラッチされた第1の発射グループデータFG1C及び614のFG1Pがハイである場合には、ストレージノードキャパシタンス126が放電し、612のラッチされた第1の発射グループデータFG1C及び614のFG1Pがローである場合には充電されたままである。アドレス指定されない行サブグループでは、612のラッチされた第1の発射グループデータFG1C及び614のFG1Pの電圧レベルに関係なく、ストレージノードキャパシタンス126が放電する。第1の発射グループの発射信号内にエネルギーパルスが与えられ、アドレス指定された行サブグループ内の導通している駆動スイッチ172に接続される発射抵抗器52に電圧が印加される。
636の高電圧パルスの最初の半分中に、608の第2のデータクロック信号DCLK2が、638において高電圧パルスを与える。610のデータ信号〜D1、...〜Dnは、640において第2の発射グループクロックデータ信号2Cを含み、その信号は、第2の発射グループFG2内の第2のデータクロックに接続されるデータラッチトランジスタ162に通されて、616のラッチされた第2の発射グループクロックデータ信号FG2Cにおいて、642の第2の発射グループクロックデータ信号2Cを与える。642の第2の発射グループクロックデータ信号2Cは、高電圧パルス638がロー論理レベルに遷移するのに応じてラッチされる。640の第2の発射グループクロックデータ信号2Cは、高電圧パルス638がトランジスタしきい値未満に遷移した後まで、保持されなければならない。
636における高電圧パルスの残りの半分中に、610におけるデータ信号〜D1、...〜Dnは、644において第2の発射グループプリチャージデータ信号2Pを含む。644における第2の発射グループプリチャージデータ信号2Pは、第2の発射グループFG2のプリチャージ線に接続されるデータラッチトランジスタ162に通されて、618のラッチされた第2の発射グループプリチャージデータ信号FG2Pにおいて646の第2の発射グループプリチャージデータ信号2Pを与える。646の第2の発射グループプリチャージデータ信号2Pは、高電圧パルス636がロー論理レベルに遷移するのに応じて、第2の発射グループFG2内のプリチャージ式発射セル160内にラッチされる。644の第2の発射グループプリチャージデータ信号2Pは、高電圧パルス636がトランジスタしきい値未満に遷移するまで保持されなければならない。
1つの行サブグループを選択するために、アドレス信号が与えられ、604における信号S2が、第2の発射グループFG2の選択信号及び第3の発射グループFG3のプリチャージ信号内に648の高電圧パルスを与える。648の高電圧パルスは、第2の発射グループFG2のプリチャージ式発射セル160内の選択トランジスタ130をオンにする。アドレス指定された行サブグループにおいて、ラッチされた第2の発射グループデータ、616のFG2C及び618のFG2Pがハイである場合には、ストレージノードキャパシタンス126が放電し、616のラッチされた第1の発射グループデータFG2C及び618のFG2Pがローである場合には充電されたままである。アドレス指定されない行サブグループでは、616のラッチされた第1の発射グループデータFG2C及び618のFG2Pの電圧レベルに関係なく、ストレージノードキャパシタンス126が放電する。第2の発射グループの発射信号内にエネルギーパルスが与えられ、アドレス指定された行サブグループ内の導通している駆動スイッチ172に接続される発射抵抗器52に電圧が印加される。
648の高電圧パルスの最初の半分中に、606の第1のデータクロック信号DCLK1が、650において高電圧パルスを与える。610のデータ信号〜D1、...〜Dnは、652において第3の発射グループクロックデータ信号3Cを含み、その信号は、第3の発射グループFG3内の第1のデータクロックに接続されるデータラッチトランジスタ162に通されて、620のラッチされた第3の発射グループクロックデータ信号FG3Cにおいて、654の第3の発射グループクロックデータ信号3Cを与える。654の第3の発射グループクロックデータ信号3Cは、高電圧パルス650がロー論理レベルに遷移するのに応じてラッチされる。652の第3の発射グループクロックデータ信号3Cは、高電圧パルス650がトランジスタしきい値未満に遷移した後まで、保持されなければならない。
648における高電圧パルスの残りの半分中に、610のデータ信号〜D1、...〜Dnは、656において第3の発射グループプリチャージデータ信号3Pを含む。656における第3の発射グループプリチャージデータ信号3Pは、第3の発射グループFG3のプリチャージ線に接続されるデータラッチトランジスタ162に通されて、622のラッチされた第3の発射グループプリチャージデータ信号FG3P内に、658の第3の発射グループプリチャージデータ信号3Pを与える。658における第3の発射グループプリチャージデータ信号3Pは、高電圧パルス648がロー論理レベルに遷移するのに応じて、第3の発射グループFG3内のプリチャージ式発射セル160内にラッチされる。656の第3の発射グループプリチャージデータ信号3Pは、高電圧パルス648がトランジスタしきい値未満に遷移した後まで保持されなければならない。
この過程は、プリチャージ信号として信号Sn−1を受信し、選択信号として信号Snを受信する発射グループFGnまで続けられる。その過程は、第1の発射グループFG1から開始して、その後、流体吐出が完了するまで繰り返される。
図14は、2パストランジスタプリチャージ発射セル180の一実施形態を示す回路図である。プリチャージ式発射セル180は、マルチプルデータレート発射セル回路において、図12のプリチャージ式発射セル160と共に用いることができる。図12のプリチャージ式発射セル160だけを用いるマルチプルデータレート発射セル回路の一実施形態では、いくつかのデータ線が、データクロック信号を受信する全ての発射グループ内のラッチ出力データノードを含む、データクロック信号内の高電圧パルスを受信するデータラッチトランジスタ162に接続されるラッチ出力データ線を充電する。これらのマルチプルデータレート発射セル回路において、データクロック信号を受信するプリチャージ式発射セル160の代わりに、2パストランジスタプリチャージ発射セル180を用いることができる。2パストランジスタプリチャージ発射セル180は、データ線キャパシタンスを低減して、データ線が、その発射グループのプリチャージ信号内の高電圧パルスを受信している1つの発射グループだけのラッチ出力データ線ノードを充電するようにする。
プリチャージ式発射セル180は図6のプリチャージ式発射セル120に類似であり、プリチャージ式発射セル120の駆動スイッチ172、発射抵抗器52、及びメモリセルを含む。プリチャージ式発射セル120の構成要素と一致するプリチャージ式発射セル180の構成要素は、プリチャージ式発射セル120の構成要素と同じ番号を有し、図6の説明において記述されるように互いに、且つ信号線に電気的に接続されるが、データトランジスタ136のゲートが、データ信号〜DATAを受信するデータ線142に接続される代わりに、ラッチされたデータ信号〜LDATAINを受信するラッチ出力データ線182に電気的に接続されることが異なる。さらに、プリチャージ式発射セル120の構成要素と一致するプリチャージ式発射セル180の構成要素は、図6の説明において記述されるように機能し、且つ動作する。
プリチャージ式発射セル180は、クロック入力データラッチトランジスタ184及びプリチャージパストランジスタ186を含む。クロック入力データラッチトランジスタ184は、プリチャージパストランジスタ186のドレイン−ソース経路とラッチ出力データ線182との間に電気的に接続されるドレイン−ソース経路を含む。プリチャージパストランジスタ186のドレイン−ソース経路は、クロック入力データラッチトランジスタ184のドレイン−ソース経路とデータ線188との間に電気的に接続される。データラッチトランジスタ184のゲートは、データクロック信号DCLKを受信するデータクロック線190に電気的に接続され、プリチャージパストランジスタ186のゲートは、プリチャージ信号PRECHARGEを受信するプリチャージ線132に電気的に接続される。190におけるデータクロック信号DCLKは、プリチャージ信号PRECHARGE内の高電圧パルス中に高電圧パルスを含む。データ線188が、データ信号〜DATAINを受信し、クロック入力データラッチトランジスタ184が、データをプリチャージ式発射セル180内にラッチし、ラッチされたデータ信号〜LDATAINを与える。データ信号〜DATAIN及びラッチされたデータ信号〜LDATAINは、信号名の先頭にある波形記号(〜)によって指示されるように、ローであるときにアクティブである。
データ線188が、データ信号〜DATAINを受信し、プリチャージパストランジスタ186が、プリチャージ信号内の高電圧パルスによって、データ線188からのデータを、クロック入力ラッチトランジスタ184に渡す。クロック入力ラッチトランジスタ184は、データクロック信号内の高電圧パルスによって、そのデータをラッチ出力データ線182及びラッチ出力データストレージノードキャパシタンス192に渡す。データクロック信号内の高電圧パルスは、プリチャージ信号内の高電圧パルス中に生じる。
データクロック信号が高電圧レベルから低電圧レベルに遷移するのに応じて、そのデータは、ラッチ出力データ線182及びラッチ出力データストレージノードキャパシタンス192上にラッチされる。ラッチ出力データストレージノードキャパシタンス192は、データトランジスタ136の一部であるので、破線において示される。別法では、データトランジスタ136とは別のキャパシタを用いて、ラッチされたデータを格納することができる。
ラッチ出力データストレージノードキャパシタンス192は、データクロック信号がハイレベルからローレベルに遷移するときに、概ねハイレベルに留まるほど十分に大きい。また、ラッチ出力データストレージノードキャパシタンス192は、発射信号FIREによってエネルギーパルスが与えられ、選択信号SELECTにおいて高電圧パルスが与えられ、プリチャージ信号PRECHARGEにおいて高電圧パルスが与えられるときに、概ねローレベルに留まるほど十分に大きい。さらに、データトランジスタ136は、駆動スイッチ172のゲートが放電されるときに、ラッチ出力データストレージノードキャパシタンス192上のローレベルを保持するほど十分に小さく、且つ発射信号FIRE内のエネルギーパルスの開始前に、駆動スイッチ172のゲートを完全に放電するほど十分に大きい。
プリチャージ式発射セル160及び2パストランジスタプリチャージ式発射セル180を用いるダブルデータレート発射セル回路の一実施形態では、各発射グループは、概ね半分のプリチャージ式発射セル160、及び概ね半分の2パストランジスタプリチャージ式発射セル180を含む。1つの発射グループ内の全てのプリチャージ式発射セル160のデータ選択線170は、その発射グループのプリチャージ線に電気的に接続される。また、1つの発射グループ内の全てプリチャージ式発射セル180のプリチャージパストランジスタ186も、その発射グループのプリチャージ線に電気的に接続される。第1のクロックが、いくつかの発射グループ内のプリチャージ式発射セル180内の全てのデータクロック線190に電気的に接続され、第2のクロックが、他の発射グループ内のプリチャージ式発射セル180内の全てのデータクロック線190に電気的に接続される。第1のクロックは、第1のクロックに接続される発射グループのプリチャージ信号内の各高電圧パルスの最初の半分において高電圧パルスを含む。第2のクロックは、第2のクロックに接続される発射グループのプリチャージ信号内の各高電圧パルスの最初の半分において高電圧パルスを含む。こうして、或る発射グループでは、第1のクロック及びプリチャージ信号が、プリチャージ信号内の各高電圧パルス中に2つのデータビットをラッチし、他の発射グループでは、第2のクロック及びプリチャージ信号が、プリチャージ信号内の各高電圧パルス中に2つのデータビットをラッチする。プリチャージ式発射セル160及び2パストランジスタプリチャージ式発射セル160を用いるこのマルチプルデータレート発射セル回路では、データ線が、高電圧レベルプリチャージ信号を受信している発射グループ内のラッチ出力データ線ノードを充電する。
プリチャージ式発射セル180の動作時に、データ線188によってデータ信号〜DATAINが受信され、プリチャージ信号内に高電圧パルスを与えることによって、プリチャージパストランジスタ186を介して、クロック入力データラッチトランジスタ184に渡される。クロック入力データラッチトランジスタ184は、データクロック信号内の高電圧パルスによって、データをラッチ出力データ線182及びラッチ出力データストレージノードキャパシタンス192に渡す。データクロック信号内の高電圧パルスは、プリチャージ信号内の高電圧パルス中に生じる。
プリチャージ信号内の高電圧パルスによって、ストレージノードキャパシタンス126が、プリチャージトランジスタ128を通じてプリチャージされる。データクロック信号内の高電圧パルスが高電圧レベルから低電圧レベルに遷移するのに応じて、クロック入力データラッチトランジスタ184がオフにされ、ラッチされたデータ信号〜LDATAINが与えられる。プリチャージ式発射セル180内にラッチされるデータは、データクロック信号が高電圧レベルにある間に与えられ、データクロック信号が低電圧レベルに遷移した後まで保持され、それはプリチャージ信号内の高電圧パルス中に生じる。対照的に、図6のプリチャージ式発射セル120内にラッチされることになるデータは、選択信号が高電圧レベルにある間に与えられる。
プリチャージ式発射セル180の一実施形態では、データクロック信号内の高レベル電圧パルス後に、アドレス線144及び146上にアドレス信号〜ADDRESS1及び〜ADDRESS2が与えられ、第1のアドレストランジスタ138及び第2のアドレストランジスタ140の状態が設定される。選択線134上に高電圧パルスが与えられ、選択トランジスタ130がオンにされ、データトランジスタ136、第1のアドレストランジスタ138、及び/又は第2のアドレストランジスタ140がオンである場合には、ストレージノードキャパシタンス126が放電する。あるいは、データトランジスタ136、第1のアドレストランジスタ138、及び第2のアドレストランジスタ140が全てオフである場合には、ストレージノードキャパシタンス126は充電されたままである。
両方のアドレス信号〜ADDRESS1及び〜ADDRESS2がローである場合には、プリチャージ式発射セル180がアドレス指定された発射セルであり、ラッチされたデータ信号〜LDATAINがハイである場合には、ストレージノードキャパシタンス126は放電し、ラッチされたデータ信号〜LDATAINがローである場合には、充電されたままである。アドレス信号〜ADDRESS1及び〜ADDRESS2のうちの少なくとも一方がハイである場合には、プリチャージ式発射セル180はアドレス指定された発射セルではなく、ストレージノードキャパシタンス126は、ラッチされたデータ信号〜LDATAINの電圧レベルに関係なく放電する。第1のアドレストランジスタ136及び第2のアドレストランジスタ138はアドレスデコーダを構成し、プリチャージ式発射セル180がアドレス指定される場合には、データトランジスタ136がストレージノードキャパシタンス126上の電圧レベルを制御する。
図15は、プリチャージ式発射セル160及び2パストランジスタプリチャージ式発射セル180を用いるダブルデータレート発射セル回路の一実施形態の動作を示すタイミング図である。そのダブルデータレート発射セル回路は複数の発射グループを含み、各発射グループは、概ね半分のプリチャージ式発射セル160と、概ね半分の2パストランジスタプリチャージ式発射セル180とを含む。
そのダブルデータレート発射セル回路は、第1の発射グループFG1と、第2の発射グループFG2と、第3の発射グループFG3と、発射グループFGnまでの他の発射グループとを含む。そのダブルデータレート発射セル回路は、プリチャージ/選択信号S0、S1、S2、及びSnまでの他のプリチャージ/選択信号を受信する。第1の発射グループFG1は、700において、プリチャージ信号として信号S0を受信し、702において、選択信号として信号S1を受信する。第2の発射グループFG2は、702において、プリチャージ信号として信号S1を受信し、704において、選択信号として信号S2を受信する。第3の発射グループFG3は、704において、プリチャージ信号として信号S2を受信し、選択信号として信号S3(図示せず)を受信し、それ以降、プリチャージ信号として信号Sn−1(図示せず)を受信し、選択信号として信号Sn(図示せず)を受信する発射グループFGnまで同様である。
ダブルデータレート発射セル回路は、第1のデータクロックを介して、706において第1のデータクロック信号DCLK1を受信し、第2のデータクロックを介して、708において第2のデータクロック信号DCLK2を受信する。第1のデータクロックは、第1の発射グループFG1及び第3の発射グループFG3のような、奇数の発射グループ内のプリチャージ式発射セル180の全てのデータクロック線190に電気的に接続される。第2のデータクロックは、第2の発射グループFG2及び第4の発射グループFG4のような、偶数の発射グループ内のプリチャージ式発射セル180の全てのデータクロック線190に電気的に接続される。1つの発射グループ内の全てのプリチャージ式発射セル160のデータ選択線170は、その発射グループのプリチャージ線に電気的に接続される。また、1つの発射グループ内の全てのプリチャージ式発射セル180のプリチャージパストランジスタ186も、その発射グループのプリチャージ線に電気的に接続される。
706の第1のデータクロック信号DCLK1は、第1のデータクロックに接続される発射グループのプリチャージ信号内の各高電圧パルスの最初の半分において高電圧パルスを含み、708の第2のデータクロック信号DCLK2は、第2のデータクロックに接続される発射グループのプリチャージ信号内の各高電圧パルスの最初の半分において高電圧パルスを含む。データ線が、710においてデータ信号〜D1、...〜Dnを与える。ただし、各データ線は710においてデータ信号〜D1、...〜Dnのうちの1つを与え、プリチャージ信号内の高電圧パルスの最初の半分中に第1のデータビットを与え、そのプリチャージ信号内の高電圧パルスの残りの半分中に第2のデータビットを与える。各データ線は、各発射グループFG1〜FGn内のプリチャージ式発射セル160及び2パストランジスタプリチャージ式発射セル180に電気的に接続される。
奇数の発射グループでは、706の第1のデータクロック信号DCLK1及びプリチャージ信号が、プリチャージ信号内の各高電圧パルス中に2つのデータビットをラッチする。偶数の発射グループでは、708の第2のデータクロック信号DCLK2及びプリチャージ信号が、プリチャージ信号内の各高電圧パルス中に2つのデータビットをラッチする。プリチャージ式発射セル160及び2パストランジスタプリチャージ式発射セル180を用いるマルチプルデータレート発射セル回路の他の実施形態では、任意の適切な数のクロック信号を用いて、プリチャージ信号の高電圧パルス中に、3ビット以上のデータビットのような複数のデータビットをラッチすることができる。
発射グループFG1〜FGnは、710においてデータ信号〜D1、...〜Dnをラッチし、ラッチされたクロックデータ信号及びラッチされたプリチャージデータ信号を与え、それらの信号を用いて、駆動スイッチ172がオンにされ、選択された発射抵抗器52に電圧が印加される。各発射グループは、選択された発射抵抗器52に電圧を印加するためのエネルギーパルスを含む発射信号を受信する。一実施形態では、エネルギーパルスは、発射グループの選択信号の高電圧パルスの概ね中間又は終了近くに開始し、発射グループ内の選択された発射抵抗器52に電圧を印加する。
第1の発射グループFG1は、710においてデータ信号〜D1、...〜Dnをラッチし、712においてラッチされた第1の発射グループクロックデータ信号FG1Cを与え、714において、ラッチされた第1の発射グループプリチャージデータ信号FG1Pを与える。第2の発射グループFG2は、710においてデータ信号〜D1、...〜Dnをラッチし、716においてラッチされた第2の発射グループクロックデータ信号FG2Cを与え、718において、ラッチされた第2の発射グループプリチャージデータ信号FG2Pを与える。第3の発射グループFG3は、710においてデータ信号〜D1、...〜Dnをラッチし、720においてラッチされた第3の発射グループクロックデータ信号FG3Cを与え、722において、ラッチされた第3の発射グループプリチャージデータ信号FG3Pを与える。他の発射グループも、710においてデータ信号〜D1、...〜Dnをラッチし、発射グループFG1〜FG3と同じような、ラッチされたクロックデータ信号及びラッチされたプリチャージデータ信号を与える。
700の信号S0が、第1の発射グループFG1のプリチャージ信号内の724において高電圧パルスを与える。724の高電圧パルスの最初の半分中に、706のデータクロック信号DCLK1が、726において高電圧パルスを与える。710におけるデータ信号〜D1、...〜Dnは、728の第1の発射グループクロックデータ信号ICを含み、それらの信号は、第1の発射グループFG1のプリチャージ線に接続されるプリチャージパストランジスタ186及び第1の発射グループFG1内の第1のデータクロックに接続されるクロック入力データラッチトランジスタ184に通されて、712におけるラッチされた第1の発射グループクロックデータ信号FG1C内に730の第1の発射グループクロックデータ信号1Cを与える。730の第1の発射グループクロックデータ信号1Cは、高電圧パルス726がロー論理レベルに遷移するのに応じてラッチされる。728の第1の発射グループクロックデータ信号ICは、高電圧パルス726がトランジスタしきい値未満に遷移した後まで保持されなければならない。
724における高電圧パルスの残りの半分中に、710におけるデータ信号〜D1、...〜Dnは、732において第1の発射グループプリチャージデータ信号1Pを含む。732における第1の発射グループプリチャージデータ信号1Pは、第1の発射グループFG1のプリチャージ線に接続されるデータラッチトランジスタ162に通されて、714のラッチされた第1の発射グループプリチャージデータ信号FG1Pにおいて734の第1の発射グループプリチャージデータ信号1Pを与える。734の第1の発射グループプリチャージクロックデータ信号1Pは、高電圧パルス724がロー論理レベルに遷移するのに応じて、第1の発射グループFG1内のプリチャージ式発射セル160内にラッチされる。732の第1の発射グループプリチャージデータ信号1Pは、高電圧パルス724がトランジスタしきい値未満に遷移するまで保持されなければならない。
1つの行サブグループを選択するために、アドレス信号が与えられ、702における信号S1が、第1の発射グループFG1の選択信号及び第2の発射グループFG2のプリチャージ信号内に736の高電圧パルスを与える。736の高電圧パルスは、第1の発射グループFG1のプリチャージ式発射セル160内の選択トランジスタ130及びプリチャージ式発射セル180内の選択トランジスタ130をオンにする。アドレス指定された行サブグループにおいて、712のラッチされた第1の発射グループデータFG1C及び714のFG1Pがハイである場合には、ストレージノードキャパシタンス126が放電し、712のラッチされた第1の発射グループデータFG1C及び714のFG1Pがローである場合には充電されたままである。アドレス指定されない行サブグループでは、712のラッチされた第1の発射グループデータFG1C及び714のFG1Pの電圧レベルに関係なく、ストレージノードキャパシタンス126が放電する。第1の発射グループの発射信号内にエネルギーパルスが与えられ、アドレス指定された行サブグループ内の導通している駆動スイッチ172に接続される発射抵抗器52に電圧が印加される。
736の高電圧パルスの最初の半分中に、708の第2のデータクロック信号DCLK2が、738において高電圧パルスを与える。710のデータ信号〜D1、...〜Dnは、740において第2の発射グループクロックデータ信号2Cを含み、その信号は、第2の発射グループFG2のプリチャージ線に接続されるプリチャージパストランジスタ186及び第2の発射グループFG2の第2のデータクロックに接続されるクロックデータラッチトランジスタ184に通されて、716のラッチされた第2の発射グループクロックデータ信号FG2Cにおいて、742の第2の発射グループクロックデータ信号2Cを与える。742の第2の発射グループクロックデータ信号2Cは、高電圧パルス738がロー論理レベルに遷移するのに応じてラッチされる。740の第2の発射グループクロックデータ信号2Cは、高電圧パルス738がトランジスタしきい値未満に遷移した後まで、保持されなければならない。
736における高電圧パルスの残りの半分中に、710におけるデータ信号〜D1、...〜Dnは、744において第2の発射グループデータ信号2Pを含む。744における第2の発射グループデータ信号2Pは、第2の発射グループFG2のプリチャージ線に接続されるデータラッチトランジスタ162に通されて、718のラッチされた第2の発射グループプリチャージデータ信号FG2Pにおいて746の第2の発射グループプリチャージデータ信号2Pを与える。746の第2の発射グループプリチャージデータ信号2Pは、高電圧パルス736がロー論理レベルに遷移するのに応じて、第2の発射グループFG2内のプリチャージ式発射セル160内にラッチされる。744の第2の発射グループプリチャージデータ信号2Pは、高電圧パルス736がトランジスタしきい値未満に遷移するまで保持されなければならない。
1つの行サブグループを選択するために、アドレス信号が与えられ、704における信号S2が、第2の発射グループFG2の選択信号及び第3の発射グループFG3のプリチャージ信号内に748の高電圧パルスを与える。748の高電圧パルスは、第2の発射グループFG2のプリチャージ式発射セル160内の選択トランジスタ130及びプリチャージ式発射セル180内の選択トランジスタ130をオンにする。アドレス指定された行サブグループにおいて、716のラッチされた第2の発射グループデータFG2C及び718のFG2Pがハイである場合には、ストレージノードキャパシタンス126が放電し、716のラッチされた第2の発射グループデータFG2C及び718のFG2Pがローである場合には充電されたままである。アドレス指定されない行サブグループでは、716のラッチされた第2の発射グループデータFG2C及び718のFG2Pの電圧レベルに関係なく、ストレージノードキャパシタンス126が放電する。第1の発射グループの発射信号内にエネルギーパルスが与えられ、アドレス指定された行サブグループ内の導通している駆動スイッチ172に接続される発射抵抗器52に電圧が印加される。
748における高電圧パルスの最初の半分中に、706の第1のデータクロック信号DCLK1が、750において高電圧パルスを与える。これは、第1の発射グループFG1内のクロック入力データラッチトランジスタ184を含む、奇数の発射グループ内のクロック入力データラッチトランジスタ184をオンにする。第1の発射グループFG1内のクロック入力データラッチトランジスタ184がオンするのに応じて、712におけるラッチされた第1の発射グループクロックデータ信号FG1Cが、752において確定できなくなる。
710におけるデータ信号〜D1、...〜Dnは、754において第3の発射グループクロックデータ信号3Cを含み、その信号は、第3の発射グループFG3のプリチャージ線に接続されるプリチャージパストランジスタ186及び第3の発射グループFG3内の第1のデータクロックに接続されるクロック入力データラッチトランジスタ184に通されて、720におけるラッチされた第3の発射グループクロックデータ信号FG3C内に756の第3の発射グループクロックデータ信号3Cを与える。756の第3の発射グループクロックデータ信号3Cは、高電圧パルス750がロー論理レベルに遷移するのに応じてラッチされる。754における第3の発射グループクロックデータ信号3Cは、高電圧パルス750がトランジスタしきい値未満に遷移した後まで保持されなければならない。
748における高電圧パルスの残りの半分中に、710におけるデータ信号〜D1、...〜Dnは、758において第3の発射グループプリチャージデータ信号3Pを含む。758における第3の発射グループプリチャージデータ信号3Pは、第3の発射グループFG3のプリチャージ線に接続されるデータラッチトランジスタ162に通されて、722のラッチされた第3の発射グループプリチャージデータ信号FG3Pにおいて760の第3の発射グループデータ信号3Pを与える。760の第3の発射グループプリチャージデータ信号3Pは、高電圧パルス748がロー論理レベルに遷移するのに応じて、第3の発射グループFG3内のプリチャージ式発射セル160内にラッチされる。758の第3の発射グループプリチャージデータ信号3Pは、高電圧パルス748がトランジスタしきい値未満に遷移するまで保持されなければならない。
信号S3(図示せず)内の高電圧パルスの最初の半分中に、708における第2のデータクロック信号DCLK2は、762において示される高電圧パルスを与える。これは、第2の発射グループFG2内のクロック入力データラッチトランジスタ184を含む、偶数の発射グループ内のクロック入力データラッチトランジスタ184をオンにする。第2の発射グループFG2内のクロック入力データラッチトランジスタ184がオンになるのに応じて、716におけるラッチされた第2の発射グループクロックデータ信号FG2Cが、764において確定できなくなる。この過程は、プリチャージ信号として信号Sn−1を受信し、選択信号として信号Snを受信する発射グループFGnまで続けられる。その過程は、第1の発射グループFG1から開始して、その後、流体吐出が完了するまで繰り返される。
本明細書において具体的な実施形態が図示及び説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、図示及び説明された具体的な実施形態の代わりに、種々の代替及び/又は等価の実施態様を用いることができることは、当業者には理解されよう。本出願は、本明細書において検討される具体的な実施形態の任意の改変又は変形を包含することを意図している。それゆえ、本発明は特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されることが意図されている。