JP5586162B2 - 無端状ベルト及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

無端状ベルト及びそれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置に用いられる中間転写ベルトや搬送ベルト等の無端状ベルト、及びそれを備えた画像形成装置に関し、特に無端状ベルトを用いた感光体表面の研磨に関するものである。
近年、電子写真プロセスを用いた画像形成装置の像担持体として、アモルファスシリコン(以下、a−Siともいう)感光層を有する感光体ドラムが広く用いられている。a−Si感光体ドラムは、高硬度で優れた耐久性を有しており、長期間使用後も感光体としての特性がほとんど劣化せず高画質が保持できるため、ランニングコストも低く取り扱いも容易であるとともに、環境に対する安全性も高い優れた像担持体である。
このようなa−Si感光体ドラムを用いた画像形成装置においては、帯電装置を用いて感光体ドラムの帯電を行うと、帯電装置からの放電によりオゾンが発生する。このオゾンにより空気中の成分が分解され、NOxやSOx等の放電生成物が生成される。この放電生成物は水溶性であることにより、感光体ドラムに付着し、感光体ドラム表面の0.1μm程度の粗さ構造内に入り込むために、汎用機で使用されるクリーニングシステムでは取り除くことができない。高湿環境下では、この放電生成物が大気中の水分を取り込むことで感光体ドラム表面の抵抗が低下するため、感光体ドラム表面に形成された静電潜像のエッジ部で電位の横流れが起こり、その結果、像流れ現象が発生する。
また、放電生成物の付着によって感光体表面の摩擦抵抗が上昇し、感光体から中間転写体への転写(一次転写)効率の低下、クリーニングブレード筋による画像劣化、クリーニングブレード端部の巻き上がり等の不具合が発生する。さらに、感光体の駆動負荷が増加するためジッタの原因にもなる。
そこで、簡易な構成で感光体ドラム表面の抵抗低下を抑えて像流れを低減する方法が提案されており、特許文献1、2には、研磨剤を混入させたトナー(研磨トナー)と研磨部材(摺擦ローラ及びクリーニングブレード)の相互作用で感光体表面を研磨することにより、ヒータ等を用いることなく放電生成物を除去する方法が開示されている。
上記のような研磨システムでは、通常の印字動作中においても感光体表面の残留トナーを用いて感光体表面の研磨が行われるが、非印字時(装置立ち上げ時や印字後の待機モード)にトナーを印字または現像し、トナーを記録媒体に転写させることなく感光体ユニット内の研磨手段に積極的に供給して感光体表面の研磨に使用するリフレッシュモードが実行される。
しかし、特許文献1、2のように研磨部材を用いてドラム表面を摺擦した場合であっても、帯電条件によっては放電生成物の発生及び付着速度が研磨部材による除去速度よりも速くなり、結果的にドラム表面の摩擦係数が上昇し、ダッシュマークと呼ばれるトナー外添剤のフィルミングが発生し易くなる。特に、帯電ローラに代表される帯電部材を備えた接触帯電方式の場合、感光体表面の帯電工程は表面近傍での放電により行われるため、放電生成物が感光体ドラムの表面に付着しやすい。また、より高速な画像形成システムを実現するためには、帯電部材に印加される帯電バイアスを大きくする必要があるが、帯電バイアスを大きくするにつれて放電生成物の発生量も増加する。
さらに、一旦発生したダッシュマークは摺擦ローラでは除去できず、クリーニングブレードのエッジ部分の欠けを誘発するとともに、エッジ部分をすり抜けた外添剤が帯電部材に付着する。その結果、画像上に縦スジが発生するという不具合が発生する。
そこで、ドラム表面をより効果的に研磨する方法として、特許文献3には、非画像形成時において像担持体上に形成したトナー像を転写体(転写ベルト)上に転写し、転写体と像担持体(感光体ドラム)との間に画像形成時と異なる線速差をもたせることにより、研磨剤含有トナーを担持させた転写体を用いて像担持体を研磨するようにした画像形成装置が開示されている。
特開平11−3014号公報 特開平11−133462号公報 特開2006−154475号公報
しかしながら、特許文献3の方法では研磨剤含有トナーを用いて像担持体表面を研磨するため、印字動作以外でのトナー消費量が増加してしまうという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑み、トナー消費を伴わずに像担持体表面の付着物を効率良く除去して表面摩擦抵抗の上昇を抑制できる無端状ベルト及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、像担持体に所定の圧力で当接しながら回転する無端状ベルトであって、前記無端状ベルトの表面には金属酸化物が担持されており、ベルト表面における前記金属酸化物を構成する金属の元素比が5重量%以上50重量%以下であることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の無端状ベルトにおいて、前記金属酸化物が酸化チタンであることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の無端状ベルトにおいて、少なくとも100μm以上の弾性層を有することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の無端状ベルトと、前記像担持体表面に研磨剤を含むトナーを付着させて静電潜像に応じたトナー像を形成する画像形成部と、前記像担持体上に現像されたトナー像を前記無端状ベルト上に順次積層する一次転写手段と、前記無端状ベルトに積層されたトナー像を記録媒体上に一度に転写する二次転写手段と、を備えた画像形成装置であって、非画像形成時において、前記像担持体と前記無端状ベルトとの間に画像形成時と異なる線速差をもたせて前記像担持体及び前記無端状ベルトを接触させるリフレッシュモードを実行可能としたことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の無端状ベルトと、前記像担持体表面に研磨剤を含むトナーを付着させて静電潜像に応じたトナー像を形成する画像形成部と、前記像担持体上に現像されたトナー像を前記無端状ベルトによって搬送される記録媒体上に積層する転写手段と、を備えた画像形成装置であって、非画像形成時において、前記像担持体と前記無端状ベルトとの間に画像形成時と異なる線速差をもたせて前記像担持体及び前記無端状ベルトを接触させるリフレッシュモードを実行可能としたことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記リフレッシュモードにおける前記像担持体と前記無端状ベルトとの線速差が5%以上80%以下であることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記像担持体が、アモルファスシリコン感光層を備えた感光体ドラムであることを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、無端状ベルトの表面に金属酸化物を担持するとともに、ベルト表面における金属酸化物を構成する金属の元素比が5重量%以上50重量%以下とすることにより、研磨剤を含むトナーを介在させることなく像担持体表面を効果的に研磨可能となり、感光層の削れ量も抑制できる。従って、中間転写ベルト或いは搬送ベルトを用いて像担持体表面を研磨する構成の画像形成装置に好適に用いることができる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の無端状ベルトにおいて、トナー外添剤として汎用されフィルミングの原因となる酸化チタンをベルト表面に担持させておくことにより、一旦付着すると、その上に更に付着し易くなる酸化チタンの性質を利用して、像担持体表面への酸化チタンのフィルミングを効果的に抑制できる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1又は第2の構成の無端状ベルトに少なくとも100μm以上の弾性層を設けることにより、像担持体とベルトとの間の接触ニップが安定し易くなり、像担持体表面の均一な研磨が可能となる。また、無端状ベルトを中間転写ベルトとして用いる場合、応力集中による画像の中抜け現象を防止できる。
また、本発明の第4の構成によれば、像担持体上のトナー像が順次転写される中間転写ベルトとして上記第1乃至第3のいずれかの構成の無端状ベルトを用い、非画像形成時において、像担持体と無端状ベルトとの間に画像形成時と異なる線速差をもたせて像担持体及び無端状ベルトを接触させるリフレッシュモードを実行することにより、像担持体の研磨効果を促進して像担持体表面の摩擦係数の上昇及びフィルミングの発生を効果的に抑制可能となる。また、従来に比べてリフレッシュモードの実行頻度を低下させることができ、印字動作以外での無駄なトナーの消費も抑えることができる。
また、本発明の第5の構成によれば、記録媒体を搬送するための搬送ベルトとして上記第1乃至第3のいずれかの構成の無端状ベルトを用い、非画像形成時において、像担持体と無端状ベルトとの間に画像形成時と異なる線速差をもたせて像担持体及び無端状ベルトを接触させるリフレッシュモードを実行することにより、像担持体の研磨効果を促進して像担持体表面の摩擦係数の上昇及びフィルミングの発生を効果的に抑制可能となる。また、従来に比べてリフレッシュモードの実行頻度を低下させることができ、印字動作以外での無駄なトナーの消費も抑えることができる。
また、本発明の第6の構成によれば、上記第4又は第5の構成の画像形成装置において、リフレッシュモードにおける像担持体と無端状ベルトとの線速差を5%以上80%以下とすることにより、フィルミング抑制効果を維持しつつ、像担持体表面を過不足なく研磨して感光層の削れ量も抑制することができる。
また、本発明の第7の構成によれば、上記第4乃至第6のいずれかの構成の画像形成装置において、像担持体としてアモルファスシリコン感光層を備えた感光体ドラムを用いることにより、像担持体の耐用期間が長くなり、画像形成装置の高画質化、低ランニングコスト化に貢献する。
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の概略断面図 第1実施形態の画像形成装置の制御経路を示すブロック図 中間転写ベルトの断面拡大図 中間転写ベルト表面に酸化チタンを担持させる工程を示す図 第1実施形態の画像形成装置において実行されるリフレッシュモードの制御手順を示すフローチャート 本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の概略断面図
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。画像形成装置(ここではロータリー現像式のカラープリンタ)100では、コピー動作を行う場合、装置本体内において、図中の反時計回りに回転する感光体ドラム1が帯電装置2により一様に帯電される。そして、パーソナルコンピュータ等から画像入力部(図示せず)に入力された原稿画像データに基づいて露光ユニット3から感光体ドラム1上にレーザビームが照射され、感光体ドラム1上に静電潜像が形成される。
感光体ドラム1は、例えばアルミドラムの表面にアモルファスシリコン感光層が積層されたものであり、帯電ローラを備えた帯電装置2により表面を帯電させるようになっている。そして、露光ユニット3からのレーザビームを受けた表面に帯電を減衰させた静電潜像を形成する。感光層としては、アモルファスシリコン感光層の他に有機感光層(OPC感光層)が用いられる。
トナーを感光体ドラム1上に供給するロータリー式の現像ユニット4は、現像部とトナー収容部とが一体化されたカートリッジ式のイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色の現像装置4a、4b、4c及び4dを備えており、現像ユニット4の回転に伴い4現像装置4a〜4dを感光体ドラム1に対向する位置に順次移動させることにより、感光体ドラム1上の静電潜像にトナーが付着されて各色のトナー像が形成される。
トナー像が転写される中間転写ベルト5は、一次転写ローラ6a、6b、ベルト駆動ローラ8及び従動ローラ9に掛け渡され、感光体ドラム1に当接しながら図示しない駆動手段により図中の時計回りに回転する。中間転写ベルト5には誘電体樹脂製のシートが用いられ、その両端部を互いに重ね合わせて接合しエンドレス形状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。
ユーザにより画像形成開始が入力されると、所定のタイミングにより感光体ドラム1上にイエローのトナー像の形成を行う。そして、負極性の転写バイアス(正帯電トナーを用いる場合)が印加された一次転写ローラ6a、6bにより感光体ドラム1上のイエローのトナー像が中間転写ベルト5上に転写される。その後、感光体ドラム1の表面に残留したトナーがクリーニング装置7により除去され、現像ユニット4は所定量(ここでは90°)回転して、上記と同様に今度はマゼンタのトナー像が感光体ドラム1上に形成され、中間転写ベルト5上に転写される。
以下、上述と同様の方法により、感光体ドラム1からシアン及びブラックのトナー像が中間転写ベルト5上に転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。中間転写ベルト5にはベルト駆動ローラ8と対向する位置に二次転写ローラ13が圧接されており、二次転写ローラ13の当接面よりもベルト回転方向下流側には中間転写ベルト5表面の残留トナーや紙粉を除去するベルトクリーニングユニット14が配置されている。
上記のようにトナー像が形成された中間転写ベルト5に向けて、用紙Pが給紙機構10から給紙ローラ11及びレジストローラ対12を経由して搬送され、中間転写ベルト5の表面に順次形成されたフルカラーのトナー像が負極性の転写バイアスが印加された二次転写ローラ13により用紙Pに一度に転写される。そして、トナー像が転写された用紙は加熱ローラ15a及び加圧ローラ15bを備えた定着装置15に搬送されてトナー像が定着される。定着装置15を通過した用紙Pは、用紙搬送路16及び排出ローラ対17を介して排出トレイ18に排出される。
一方、用紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着装置15を通過した用紙Pの一部を一旦排出ローラ対17から装置外部にまで突出させる。その後、用紙Pは排出ローラ対17を逆回転させることにより分岐部19で両面搬送路20に振り分けられ、画像面を反転させた状態で二次転写ローラ13に再搬送される。そして、中間転写ベルト5上に形成された次の画像が二次転写ローラ13により用紙Pの画像が形成されていない面に転写され、定着装置15に搬送されてトナー像が定着された後、排出トレイ18に排出される。
次に、クリーニング装置7について詳細に説明する。クリーニング装置7は、摺擦ローラ7a及びクリーニングブレード7bを有している。摺擦ローラ7aは感光体ドラム1に所定の圧力で圧接されており、図示しない駆動手段により感光体ドラム1との当接面において同一方向に回転駆動されるが、その周速は感光体ドラム1の周速よりも速く(ここでは1.2倍)制御されている。摺擦ローラ7aとしては、例えば金属シャフトの周囲にローラ体としてEPDMゴム製でアスカC硬度55°の発泡体層を形成した構造が挙げられる。ローラ体の材質としてはEPDMゴムに限定されず、他の材質のゴムや発泡ゴム体であっても良く、アスカC硬度が10〜90°の範囲のものが好適に使用される。
感光体ドラム1表面の、摺擦ローラ7aとの当接面よりも回転方向下流側には、クリーニングブレード7bが感光体ドラム1に当接した状態で固定されている。クリーニングブレード7bとしては、例えばJIS硬度が78°のポリウレタンゴム製のブレードが用いられ、その当接点において感光体接線方向に対し所定の角度で取り付けられている。なお、クリーニングブレード7bの材質及び硬度、寸法、感光体ドラム1への食い込み量及び圧接力等は、感光体ドラム1の仕様に応じて適宜設定される。
摺擦ローラ7a及びクリーニングブレード7bによって感光体ドラム1表面から除去された残留トナーは、回収スクリュー(図示せず)の回転に伴ってクリーニング装置7の外部に排出される。本発明に用いられるトナーとしては、トナー粒子表面に研磨剤としてシリカ、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、アルミナ等が埋め込まれて表面に一部突出するように保持されたものや、研磨剤がトナー表面に静電的に付着しているものが用いられる。
そして、上記のように摺擦ローラ7aを感光体ドラム1に対し速度差を持って回転させることで、研磨剤を含む残留トナーによって感光体ドラム1の表面を研磨し、摺擦ローラ7a及びクリーニングブレード7bによってドラム表面の水分や汚染物質を残留トナーと共に除去する。
次に、本発明の画像形成装置の制御経路について説明する。図2は、本発明の画像形成装置に用いられる制御経路の一例を示すブロック図である。なお、画像形成装置100を使用する上で装置各部の様々な制御がなされるため、画像形成装置100全体の制御経路は複雑なものとなる。そこで、ここでは制御経路のうち、本発明の実施に必要となる部分を重点的に説明する。
制御部90は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)91、読み出し専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)92、読み書き自在の記憶部であるRAM(Random Access Memory)93、一時的に画像データ等を記憶する一時記憶部94、カウンタ95、画像形成装置100内の各装置に制御信号を送信したり操作部50からの入力信号を受信したりする複数(ここでは2つ)のI/F(インターフェイス)96を少なくとも備えている。また、制御部90は、装置本体内部の任意の場所に配置可能である。
ROM92には、画像形成装置100の制御用プログラムや、制御上の必要な数値等、画像形成装置100の使用中に変更されることがないようなデータ等が収められている。RAM93には、画像形成装置100の制御途中で発生した必要なデータや、画像形成装置100の制御に一時的に必要となるデータ等が記憶される。また、ROM92(或いはRAM93)には、後述するリフレッシュモードの実行の要否を判断する印刷枚数等も格納されている。カウンタ95は、印刷枚数を積算してカウントする。なお、カウンタ95を別途設けなくても、例えばRAM93でその回数を記憶するようにしてもよい。
また、制御部90は、画像形成装置100における各部分、装置に対し、CPU91からI/F96を通じて制御信号を送信する。また、各部分、装置からその状態を示す信号や入力信号がI/F96を通じてCPU91に送信される。制御部90が制御する各部分、装置としては、例えば帯電装置2、現像ユニット4、一次転写ローラ6a、6b、クリーニング装置7等から成る画像形成部21、二次転写ローラ13、定着装置15、画像入力部40、バイアス制御回路41、操作部50等が挙げられる。
画像入力部40は、画像形成装置100が図1に示すようなプリンタである場合、パーソナルコンピュータ等から送信される画像データを受信する受信部であり、画像形成装置100が複写機である場合、複写時に原稿を照明するスキャナランプや原稿からの反射光の光路を変更するミラーが搭載された走査光学系、原稿からの反射光を集光して結像する集光レンズ、及び結像された画像光を電気信号に変換するCCD等から構成される画像読取部である。画像入力部40より入力された画像信号はデジタル信号に変換された後、一時記憶部94に送出される。
バイアス制御回路41は、帯電バイアス電源42、現像バイアス電源43、転写バイアス電源44、及びベルトクリーニングバイアス電源45と接続され、制御部90からの出力信号によりこれらの各電源を作動させるものであり、これらの各電源はバイアス制御回路41からの制御信号によって、帯電装置2、現像装置4a〜4d、一次転写ローラ6a、6b、二次転写ローラ13、及びベルトクリーニングユニット14に所定のバイアスを印加する。
操作部50には、液晶表示部51、各種の状態を示すLED52、テンキー53が設けられており、ユーザは操作部50を操作して指示を入力することで、画像形成装置100の各種の設定をし、画像形成等の各種機能を実行させる。液晶表示部51は、画像形成装置100の状態を示したり、画像形成状況や印刷部数を表示したり、タッチパネルとして、両面印刷や白黒反転等の機能や倍率設定、濃度設定など各種設定を行えるようになっている。テンキー53は、印刷部数の設定や、画像形成装置100がFAX機能も有する場合に相手方のFAX番号を入力等するためのものである。
その他、操作部50には、画像形成を開始するようにユーザが指示するスタートボタン、画像形成を中止する際等に使用するストップ/クリアボタン、画像形成装置100の各種設定をデフォルト状態にする際に使用するリセットボタン等が設けられている。
次に、本発明の画像形成装置における感光体ドラム表面の研磨動作について説明する。上述したように、摺擦ローラ7aと感光体ドラム1との間に線速差を設け、画像形成後の残留トナーを用いてドラム表面を研磨するだけでは感光体ドラム1の研磨が十分でない場合もある。そこで、本発明の画像形成装置では、研磨性の高い金属酸化物を表面に担持させた中間転写ベルト5を用い、例えば、画像形成装置を電源オフ状態やスリープ(省電力)モードからコピー開始状態まで立ち上げる際に、画像形成時とは異なる所定の線速差をもたせて中間転写ベルト5及び感光体ドラム1を接触させる研磨動作(以下、リフレッシュモードという)を実行することとした。
これにより、感光体ドラム1表面の不純物を短時間で除去することができ、感光体ドラム1表面の研磨効果を促進してドラム表面の摩擦係数の上昇を長期間に亘って抑制するとともに印字動作以外の無駄なトナーの消費も抑制できる有効な研磨システムとなる。なお、リフレッシュモード1回当たりの継続時間は、使用する感光層の構成や装置の使用環境、リフレッシュモードの実行間隔等に応じて適宜設定される。例えば、感光体ドラム周辺の温湿度も合わせて検知し、装置外部との温湿度差に基づいて継続時間を変化させても良い。
また、リフレッシュモードは、前回のリフレッシュモード実行からの累積印字枚数が所定枚数に到達した時点で、或いは温湿度センサで検出された装置内部又は外部の温湿度に応じて自動的に開始されるようにしても良いし、ユーザによる入力操作によって開始されるようにしても良い。
次に、中間転写ベルト5の構成について詳述する。図3は、本発明の中間転写ベルトの一構成例を示す断面模式図である。中間転写ベルト5は、基材層60、弾性層61、及びコート層63から成る3層構造の導電性ベルトであり、コート層63が感光体ドラム1(図1参照)と接触する。基材層60は中間転写ベルト5を構成する基本素材となって所定の剛性を付与するとともに、弾性層61及びコート層63を積層する際の加工条件に耐え、更に、中間転写ベルト5の製造に際し、加工作業性、耐熱性、滑り性、その他の諸物性において優れたものであることが好ましい。このような基材層60の材質としては、例えばPVDF(ポリフッ化ビニリデン)やポリイミド樹脂等が好適に用いられる。
弾性層61は、中間転写ベルト5に弾性を付与して応力集中による画像の中抜け現象を防止するものである。中間転写ベルト5として少なくとも100μm以上の弾性層61を含む弾性ベルトを用いた場合、ドラム−ベルト間の接触ニップが安定し易く、均一な研磨が可能となるため好ましい。弾性層61の材質としては、例えばヒドリンゴムやクロロプレンゴム、ポリウレタンゴム等が用いられる。コート層63は弾性層61を保護するものであり、コート層63の材質としてはアクリル、シリコン、フッ素樹脂等が用いられる。
その他、基材層60を含まない構成や、基材層60、弾性層61、コート層63以外の他の層を含む構成であっても良いし、積層構造に限らず弾性層61のみの単層構造としても良い。中間転写ベルト5の表面抵抗率は1×10-10〜1×10-12Ω/□、表面硬度はMD−1硬度で10〜60程度が好ましい。
また、中間転写ベルト5の表面には酸化チタン65が担持されている。図4を用いてベルト表面に酸化チタン65を担持させる方法について説明する。図4に示すように、中間転写ベルト5を二本の張架ローラ70a、70bに掛け回し、張架ローラ70aに対向する位置にコートローラ71を配置して中間転写ベルト5に接触させる。さらにコートローラ71には中間転写ベルト5の接触位置に対しローラの回転方向上流側にドクターブレード73を接触させ、ドクターブレード73の接触位置に対しローラの回転方向上流側に塗布ブラシ75を接触させておく。
そして、張架ローラ70a(又は70b)を駆動させて中間転写ベルト5を所定の線速(例えば100mm/sec)で時計回りに回転させるとともに、コートローラ71を用いて中間転写ベルト5の表面に酸化チタン65を付着させる。コートローラ71は中間転写ベルト5に対して例えば1.2倍の線速で回転しており、ベルト表面に酸化チタン65を供給するとともにベルト表面を酸化チタン65で摺擦する。これにより、ベルト表面に酸化チタン65が付着する。コートローラ71としては、例えばEPDMゴム製の発泡ローラが用いられる。
塗布ブラシ75はコートローラ71に対し対向面においてカウンター方向に回転しており、塗布ブラシ75により汲み上げられた酸化チタン65がコートローラ71表面に塗布される。ドクターブレード73は、コートローラ71上の酸化チタン65を均一にすると同時に、常にコートローラ71上の酸化チタン量を一定にする役割を果たす。ドクターブレード73としては、例えば厚さ50μmのSUS製のブレードが用いられる。
なお、酸化チタンはベルト表面に付着したときにベルトの表面抵抗を著しく上昇させるおそれがある。そのため、導電性を付与した酸化チタンを用いることが好ましい。具体的には、アンチモン含有酸化スズ(ATO)で導電処理された酸化チタン(ルチル型)が好適に用いられる。
ところで、コートローラ71により塗布しただけでは、未だ酸化チタン65は中間転写ベルト5に付着しているだけの状態であり、すぐにベルト表面から脱離してしまう。そこで、張架ローラ70bに対向する位置に交流電源77が接続された放電ローラ79を配置して中間転写ベルト5に接触させ、放電ローラ79に交流電圧(例えばVpp=2.0kV、周波数4kHz)を印加する。これにより、中間転写ベルト5と放電ローラ79との微小間隔で放電が起こり、中間転写ベルト5の表面に放電生成物が付着する。
この放電生成物はNOxを含んでおり、ベルト表面及び周囲の湿度が高いほど強固にベルト表面に付着する。そして、放電生成物が吸湿性の高い酸化チタン65を強固に付着させる役割を果たし、簡単な摩擦では酸化チタン65が剥がれ落ちなくなる。ベルト表面への酸化チタン担持量は放電ローラ79による放電処理時間でコントロールすることができ、放電処理時間を長くするほどベルト表面に担持される酸化チタンの量は多くなる。
放電ローラ79としては、導電性ゴムを被覆した、いわゆる帯電ローラが用いられるが、金属ローラをそのまま使用しても構わない。ただし、ベルトに局所的な導電剤の凝集部が存在すると、局所リークした跡がリーク痕となる場合があるので、体積抵抗率が1×105Ω・cm以下の導電性ゴムを被覆したローラが好適に用いられる。
このようにして製造された中間転写ベルト5を用いてリフレッシュモードを実行することにより、ドラム表面への外添剤のフィルミングを防止して表面摩擦係数の上昇を効果的に抑制することができる。
中間転写ベルト5の表面における酸化チタン65の担持量は、EPMA(Electron Probe Micro Analysis)を用いて測定することができる。EPMAは、加速した電子線を物質に照射したとき、物質を構成する元素の内殻電子の遷移によって放出される特性X線のスペクトルを測定することにより構成元素を検出し、元素比(濃度)を分析する方法であり、固体試料をほぼ非破壊で分析できる。
本発明においては、EPMAにより加速電圧10kVで電子線を照射したときのTiKα(4.51eV)のピーク強度比により求められる、中間転写ベルト5の表面におけるチタンの元素比が5重量%以上50重量%以下である中間転写ベルト5を用いる。チタンの元素比が5重量%未満である場合、感光体ドラム表面のフィルミング抑制効果が小さく、表面摩擦係数の上昇を招く。一方、チタンの元素比が50重量%を超える場合、感光体ドラム表面の感光層の削れ量が大きくなり、感光体ドラムの耐用期間が短くなる。
なお、感光体ドラム1に対する研磨効果を有するものであれば、例えば酸化亜鉛等の酸化チタン以外の金属酸化物を中間転写ベルト5に担持させても良い。しかし、酸化チタンはトナー外添剤として汎用されており、感光体ドラム1へのフィルミングの原因となる物質であること、及び酸化チタンは一旦付着すると、その上に更に付着し易くなる性質があることから、予め酸化チタンを中間転写ベルト5に担持させておくことにより、トナー外添剤である酸化チタンを中間転写ベルト5側に優先的に付着させて感光体ドラム1へのフィルミングを効果的に抑制することができる。従って、金属酸化物の中でも酸化チタンが特に好ましい。
図5は、第1実施形態の画像形成装置において実行されるリフレッシュモードの一例を示すフローチャートである。図1及び図2を参照しながら、図5のステップに沿ってリフレッシュモードの実行手順について説明する。
先ず、ユーザによる操作パネル50或いはパソコン等の操作により印字処理が開始されると(ステップS1)、カウンタ95により印刷枚数nがカウントされ(ステップS2)、指定された枚数の印字が終了したか否かが判断される(ステップS3)。
印字終了後、制御部90は前回のリフレッシュモード実行時からの累積印字枚数が所定枚数に到達したか否かを判断し(ステップS4)、所定枚数に到達している場合は感光体ドラム1の線速を画像形成時の1/2に減速する(ステップS5)これにより、感光体ドラム1と中間転写ベルト5との間に50%の線速差が生じるため、表面に酸化チタンが担持された中間転写ベルト5によって感光体ドラム1が摺擦され、ドラム表面の研磨が行われる。
その後、所定時間が経過したか否かが判断され(ステップS6)、所定時間が経過している場合はドラム線速を元に戻し(ステップS7)、中間転写クリーニングバイアスをONとして中間転写ベルト5上の残留トナーを除去する(ステップS8)。そして、中間転写ベルト5が1回転したか否かが判断され(ステップS9)、中間転写ベルト5が1回転した後に中間転写クリーニングバイアスをOFFとして(ステップS10)リフレッシュモードを終了する。なお、ステップS4において所定枚数に到達していない場合は、印字終了後直ちに中間転写クリーニングバイアスをONとして中間転写ベルト5上の残留トナーを除去し、処理を終了する(ステップS8〜S10)。
上記手順によれば、中間転写ベルト5を用いた研磨動作でドラム表面の摩擦抵抗の上昇を効果的に抑制することが可能になり、良好な画像を継続的に出力することができる。また、印字動作以外での無駄なトナーの消費も抑えることができる。さらに、従来に比べてリフレッシュモードの実行頻度を低下させるとともにリフレッシュモード1回当たりの継続時間も短縮することができ、画像形成効率を高めることができる。
なお、図5に示した制御は一例に過ぎず、装置の仕様等に応じて適宜変更可能である。例えば、図5の制御では感光体ドラム1の線速を画像形成時の1/2に減速して感光体ドラム1と中間転写ベルト5との間に線速差をもたせているが、感光体ドラム1に代えて中間転写ベルト5の線速を減速する構成としても良い。
感光体ドラム1と中間転写ベルトの線速差については、中間転写ベルト5表面の酸化チタンの担持量やリフレッシュモードの継続時間等に応じて適宜変更可能である。例えばベルト表面におけるチタンの元素比が5重量%以上50重量%以下である場合、フィルミング抑制効果と感光層の削れ量とを考慮すれば線速差を5%〜80%の範囲とすることが好ましい。線速差が5%未満の場合、十分なフィルミング抑制効果が得られない。また、線速差が80%を超えると感光層の削れ量が増加して感光体ドラムの耐久性が低下するとともに、ドラム長手方向でのドラム/ベルトのテンションのばらつきにより、ドラム長手方向における研磨ムラが発生し易くなる。
また、感光体ドラム1或いは中間転写ベルト5の線速を加速して感光体ドラム1と中間転写ベルト5との間に線速差をもたせる方法も可能であるが、この場合は感光体ドラム1或いは中間転写ベルト5を駆動するモータの負荷が大きくなるため、感光体ドラム1と中間転写ベルト5のうちいずれか一方の線速を減速する構成が好ましい。
図6は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。本実施形態は、4色(イエロー、シアン、マゼンタ及びブラック)の画像に対応して設けられた画像形成部21a〜21bが配置されたタンデム式のカラー画像形成装置であり、帯電装置2a〜2d、露光ユニット(LEDヘッド)3a〜3d、現像装置4a〜4d、及びクリーニング装置7a〜7dを各画像形成部21a〜21bに備えている。また、中間転写ベルト5に代えて用紙Pを各画像形成部21a〜21bに順次搬送する無端状の搬送ベルト80が感光体ドラム1a〜1dの下部に当接するように配置されており、転写ローラ81a〜81dによって感光体ドラム1a〜1d上に形成された各色のトナー像が用紙P上に順次転写される。
本実施形態においても、ベルト表面に酸化チタンが担持され、ベルト表面におけるチタンの元素比が5%以上50%以下である搬送ベルト80を用いて、非画像形成時に搬送ベルト80と感光体ドラム1a〜1dとの間に線速差をもたせて接触させるリフレッシュモードを実行することとした。
これにより、搬送ベルト80を用いて無駄なトナーを消費することなく感光体ドラム1a〜1d表面を十分に研磨することができ、ドラム表面の摩擦係数の上昇を効果的に抑制可能となる。また、リフレッシュモード1回当たりの継続時間や実行頻度も低減される。リフレッシュモードの詳細な方法や実行手順については第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、リフレッシュモード中に中間転写ベルト或いは搬送ベルトを回転させた状態で感光体ドラムを停止又は間欠的に回転させても良いし、感光体ドラムを回転させた状態で中間転写ベルト或いは搬送ベルトを停止又は間欠的に回転させても良い。以下、実施例により本発明の効果を更に詳細に説明する。
[中間転写ベルトの作製]
ポリアミドイミド前駆体溶液100重量部に導電性フィラーとしてカーボンブラック(三菱化学社製MA♯100)を添加し、3本ロールを用いて分散させてワニスを調整した。また、粘度調整用の溶媒としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)を用いた。得られたワニスを円筒状金型の周面に塗布し、液ダレ防止のために金型を回転させながらオーブンを用いて加熱硬化させ、厚さ80μmのポリアミドイミド樹脂製の基材層を得た。得られた基材層の表面にシリコーンプライマー(信越化学工業社製プライマーNo.4)を薄く塗布した。
一方、2液性付加重合の液状シリコーンゴム(信越化学工業社製KE1606)100重量部に、導電性フィラーとしてカーボンブラック(三菱化学社製ケッチェンブラックEC)15重量部、シリコーンオイル(信越化学工業社製RTVシンナー)50重量部を添加し、3本ロールを用いて分散させた。得られた混合物にシリコーンオイル及びシリコーンゴム硬化剤を加え、高速回転攪拌機(キーエンス社製HM−500)を用いて混合し、弾性層用組成物を得た。
得られた組成物を、円筒状金型上に形成された基材層の表面に塗布し、液ダレ防止のために金型を低速回転させながら、30分間常温で液状シリコーン成分のレベリング及びセットを行った。その後、硬化促進のためにヒータ加熱を行い、シリコーンゴムを硬化させて基材層及び弾性層を一体化した。
次に、ポリエーテル系アニオン型ウレタン樹脂エマルション(日本エヌエスシー社製ヨドゾールRX−7)に水性カーボンブラック分散体を添加し、高速回転攪拌機を用いて混合し、表面層用組成物を得た。得られた組成物を、円筒状金型上に形成された弾性層の表面に塗布し、液ダレ防止のために金型を低速回転させながら、30分間常温で風乾させた後、140℃で45分間焼成を行い厚さ20μmの表面層を形成した。
上述の手順により得られた、基材層、弾性層、及び表面層の3層構造を有する中間転写ベルト5の表面に、図4に示した装置を用いて酸化チタンを担持させた。酸化チタンとしてはアンチモン含有酸化スズで導電処理されたルチル型の酸化チタンを用いた。放電ローラ79による放電処理時間を変化させたときの中間転写ベルト表面上のチタン元素重量比を測定した。なお、チタン元素重量比は、走査型電子顕微鏡(日本電子社製JEOL JSM-6380LV)を用いたEDX測定により求めた。すなわち、加速電圧10kVで電子線を照射したときのTiKα(4.51eV)のピーク強度比により中間転写ベルト表面上のチタン元素重量比を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0005586162
表1から明らかなように、放電処理時間が長くなるにつれて中間転写ベルト表面上のチタン元素重量比は増加した。この結果より、放電処理時間を調整することでベルト表面への酸化チタンの担持量を制御できることが確認された。
図1に示したような画像形成装置を用いて、本発明の中間転写ベルトによるドラム表面の研磨効果について評価した。試験方法としては、印字率5%のテスト画像を10枚印字後、所定のベルト/ドラム線速差をもたせて中間転写ベルト1周分だけ感光体ドラム表面を摺擦するまでを1ジョブとした。中間転写ベルト表面上のチタン元素比及びベルト/ドラム線速差を変化させて上記のジョブを1,000回繰り返した後(10,000枚印字後)のドラム表面のフィルミング発生を目視により観察し、表面摩擦係数μを測定した。また、ドラム表面の3箇所(左、中、右)において感光層の削れ量を測定した。
中間転写ベルト表面上のチタン元素比は、走査型電子顕微鏡(日本電子社製JEOL JSM-6380LV)を用いたEDX測定により求めた。結果を表2に示す。表2中、「フィルミング発生」の欄は、フィルミングの発生が認められない場合を○、僅かに発生した場合を△、顕著に発生した場合を×とした。また、「判定」の欄は、フィルミングの発生(摩擦係数の上昇)、及び感光層の削れの両方において良好である場合を○、フィルミングの発生或いは感光層の削れ量の増加が認められるが実用上問題のない場合を△、実用上問題のある場合を×とした。
Figure 0005586162
表2から明らかなように、ベルト表面上のチタン元素比を5重量%以上50重量%以下とし、ベルト/ドラム線速差を5%〜80%とした本発明1〜9では、ドラム表面の摩擦係数が2.5〜4.5と低く、フィルミングの発生も認められなかった。また、感光層の削れ量も1,000Å未満であった。
チタン元素比を21.5重量%、31.0重量%、42.2重量%、ベルト/ドラム線速差を25%とした本発明10〜12、及びベルト/ドラム線速差を85%とした本発明13、14では、感光層の削れ量が若干増加したが、フィルミングの発生は認められなかった。また、ベルト/ドラム線速差を3%とした本発明15、16では、ドラム表面の摩擦係数が6.1〜6.2とやや高く、フィルミングの発生も僅かに認められた。
これに対し、チタン元素比を3.5重量%とした比較例1では、ドラム表面の摩擦係数が6.5と高く、フィルミングの発生も顕著に認められた。一方、チタン元素比を56.0重量%とした比較例2では、感光層の削れ量が1,000Åを超え、感光体ドラムの耐久性において問題があった。
以上の結果より、中間転写ベルト表面のチタン元素比が5重量%以上50重量%以下でフィルミング抑制効果が高く、感光層の削れ量も抑制できることが確認された。また、ベルト/ドラム線速差も5%〜80%の範囲が好ましいことが確認された。
本発明は、像担持体に所定の圧力で当接しながら回転する中間転写ベルトや搬送ベルト等の無端状ベルトに利用可能であり、無端状ベルトの表面に金属酸化物を担持するとともに、ベルト表面における金属酸化物を構成する金属の元素比を5重量%以上50重量%以下としたものである。これにより、研磨剤を含むトナーを介在させることなく像担持体表面を効果的に研磨可能となり、無駄なトナーの消費を抑えて像担持体の長寿命化も図れる無端状ベルトを提供することができる。
また、金属酸化物として酸化チタンを担持させたので、一旦付着するとその上に更に付着し易くなる酸化チタンの性質を利用して、トナー外添剤として汎用される酸化チタンをベルト表面に優先的に付着させ、像担持体表面へのフィルミングを効果的に抑制できる。
また、少なくとも100μm以上の弾性層を有する無端状ベルトを用いることで、像担持体とベルトとの間の接触ニップが安定し易く、均一な研磨が可能となる。また、中間転写ベルトとして用いる場合の画像の中抜け現象も防止できる。
また、本発明の無端状ベルトを、像担持体上のトナー像が順次転写される中間転写ベルトとして、或いは記録媒体を搬送するための搬送ベルトとして用い、像担持体と無端状ベルトとの間に画像形成時と異なる線速差をもたせて像担持体及び無端状ベルトを接触させるリフレッシュモードを実行することにより、像担持体の研磨効果を促進して像担持体表面の摩擦係数の上昇及びフィルミングの発生を効果的に抑制可能な画像形成装置となる。また、従来に比べてリフレッシュモードの実行頻度を低下させることができ、印字動作以外での無駄なトナーの消費も抑えることができる。
さらに、リフレッシュモードにおける像担持体と無端状ベルトとの線速差を5%以上80%以下とすることにより、適度なフィルミング抑制効果を維持しつつ、像担持体表面を過不足なく研磨して感光層の削れ量も抑制することができる。
1 感光体ドラム(像担持体)
2 帯電装置
3 露光ユニット
4 現像装置
5 中間転写ベルト(無端状ベルト)
6a、6b 一次転写ローラ(一次転写手段)
7 クリーニング装置
9 二次転写ローラ(二次転写手段)
19 ベルトクリーニングユニット
21 画像形成部
65 酸化チタン
80 搬送ベルト(無端状ベルト)
81a〜81d 転写ローラ(転写手段)
90 制御部
100 画像形成装置

Claims (8)

  1. 像担持体に所定の圧力で当接しながら回転する無端状ベルトであって、
    前記無端状ベルトの表面には前記無端状ベルトの製造時に前記無端状ベルトの表面に酸化チタンを付着させた後、交流電源が接続された放電部材を前記無端状ベルトに接触させて前記放電部材に交流電圧を印加することにより、前記無端状ベルトの表面に付着する放電生成物によって前記酸化チタンが固着されており、
    ベルト表面における前記酸化チタンを構成するチタンの元素比が5重量%以上50重量%以下であることを特徴とする無端状ベルト。
  2. 前記ベルト表面における前記酸化チタンを構成するチタンの元素比が5.66重量%以上42.4重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の無端状ベルト。
  3. 前記ベルト表面における前記酸化チタンを構成するチタンの元素比が5.66重量%以上18.7重量%以下であることを特徴とする請求項2に記載の無端状ベルト。
  4. 少なくとも100μm以上の弾性層を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の無端状ベルト。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の無端状ベルトと、
    前記像担持体表面に研磨剤を含むトナーを付着させて静電潜像に応じたトナー像を形成する画像形成部と、
    前記像担持体上に現像されたトナー像を前記無端状ベルト上に順次積層する一次転写手段と、
    前記無端状ベルトに積層されたトナー像を記録媒体上に一度に転写する二次転写手段と、を備えた画像形成装置であって、
    非画像形成時において、前記像担持体と前記無端状ベルトとの間に画像形成時と異なる線速差をもたせて前記像担持体及び前記無端状ベルトを接触させるリフレッシュモードを実行可能としたことを特徴とする画像形成装置
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の無端状ベルトと、
    前記像担持体表面に研磨剤を含むトナーを付着させて静電潜像に応じたトナー像を形成する画像形成部と、
    前記像担持体上に現像されたトナー像を前記無端状ベルトによって搬送される記録媒体上に積層する転写手段と、を備えた画像形成装置であって、
    非画像形成時において、前記像担持体と前記無端状ベルトとの間に画像形成時と異なる線速差をもたせて前記像担持体及び前記無端状ベルトを接触させるリフレッシュモードを実行可能としたことを特徴とする画像形成装置
  7. 前記リフレッシュモードにおける前記像担持体と前記無端状ベルトとの線速差が5%以上80%以下であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記像担持体が、アモルファスシリコン感光層を備えた感光体ドラムであることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
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