JP5585763B2 - ティートカップ用のライナープラグ - Google Patents

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本発明は、搾乳機のティートカップのライナーによって形成された乳頭用の嵌挿口を塞ぐように設けられたライナープラグに関する。
搾乳ユニット10は、通常の乳牛用の場合、1個のミルククロー11と、乳牛の各分房に対応する4個のティートカップ20を有する(図7参照)。各ティートカップシェルに筒状ゴム製のライナーを内装することにより、ティートカップ内部をライナーの内側の乳汁流路と外側の空気室とに区分する。ティートカップ側面の接続口に接続した真空チューブは空気室をパルセータへ接続する。パルセータがティートカップの空気室に連通する真空ポンプの接続先を、所定間隔で真空管路と大気圧とに交互に切り換えることにより、所定の拍動比でゴム製ライナーが拍動して子牛の口のような刺激を乳頭に与え、泌乳を促す。
このような搾乳機について、本出願人は、その拍動制御システムにかかる発明を先に提案してある(特許文献1参照)。
また、ティートカップのライナーについては、その改良形態が本出願人によって先に提案されている。その改良型ティートカップライナーによれば、一端に乳牛の乳頭を嵌挿するラッパ状嵌挿口を有し、他端にミルククローへの接続口を有するゴム等の弾性素材からなる管状体からなり、その中間部外周にティートカップシェルの下端部と嵌合するための嵌合溝を設けたライナーにおいて、前記ライナーの嵌合溝より上方の壁を二重構造とし、該二重構造の壁で空間を区画されている(特許文献2参照)。
通常、各ティートカップ20には、図7のように乳頭15が一対一に対応して挿入されて嵌められた状態になる。
一方、盲乳や疾病等の理由によって搾乳を行わない乳頭15aに対しては、図8のようにティートカップ20のライナー21の根元部を折り曲げて使用する。しかし、この方法では、空気の出入を阻止するように確実に気密することが難しかった。
その為、従来は、図9に示すようなライナープラグをライナーの乳頭用の嵌挿口に嵌めて、その嵌挿口を塞ぐ方法がとられている。このライナープラグでは、嵌挿用の凸部31と、フランジ部34と、凸部31の反対部分に着脱作業用の把持部となる突起部35が設けられている。
しかし、乳頭に装着されないティートカップは、ライナー21の根元部を折り曲げ、且つ、ライナープラグを装着した場合も地面から浮いた状態になる。このため、ミルククロー11のバランスが崩れ、ライナー21が乳頭15からずり落ちるライナースリップ等の不具合が発生する原因になっている。
特開2009−213425号公報(第1頁、第1図) 特開平09−121707号公報(第1頁、第1図)
ティートカップ用のライナープラグ及びその使用方法に関して解決しようとする問題点は、乳頭に装着されないティートカップによって、ミルククロー11のバランスが崩れ、ライナースリップ等の不具合が発生し易くなることにある。
そこで本発明の目的は、乳頭に装着されないティートカップを適切に支持することで、ライナースリップ等の不具合の発生を防止できるティートカップ用のライナープラグ及びその使用方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかるティートカップ用のライナープラグの一形態によれば、搾乳機のティートカップのライナーによって形成された乳頭用の嵌挿口を塞ぐライナープラグであって、前記嵌挿口に挿入されて嵌まる凸部と、前記嵌挿口を形成する周壁部の縁端面と外周面を覆って保護するように、前記凸部と同心に設けられたカバー部を備える。
また、本発明にかかるティートカップ用のライナープラグの一形態によれば、前記凸部が設けられた部分の反対側に凹部が設けられ、該凹部は前記凸部を備える他のピースが挿入されて嵌まるように形成されていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるティートカップ用のライナープラグの使用方法の一形態によれば、搾乳機のティートカップのライナーによって形成された乳頭用の嵌挿口を塞ぐように、前記嵌挿口に挿入されて嵌まる凸部と、該凸部が設けられた部分の反対側に凹部とが設けられ、該凹部は前記凸部を備える他のピースが挿入されて嵌まるように形成されているティートカップ用のライナープラグの使用方法であって、垂下された前記ティートカップの下方に開口する前記嵌挿口を前記ライナープラグが塞ぎ、該ライナープラグを一つ使い又は複数段に重ねて使い下端をフロア面でスライド可能に置いた縦置き状態で使用する。
本発明にかかるティートカップ用のライナープラグ及びその使用方法によれば、乳頭に装着されないティートカップを適切に支持することで、ライナースリップ等の不具合の発生を防止できるという特別有利な効果を奏する。
本発明に係るティートカップ用のライナープラグの形態例を示す平面図及び断面を含む側面図である。 本発明に係るティートカップ用のライナープラグの他の形態例を示す平面図及び断面を含む側面図である。 図1の形態例の使用方法を示す側面図である。 図3におけるライナープラグの嵌挿状態を詳細に示す断面図である。 図2の形態例の使用方法を示す側面図である。 図5におけるライナープラグの嵌挿状態を詳細に示す断面図である。 搾乳ユニットの通常の使用方法を示す側面図である。 搾乳を行わない乳頭がある場合の搾乳ユニットの従来の使用方法を示す側面図である。 従来のライナープラグを示す平面図及び断面を含む側面図である。
以下、本発明に係るティートカップ用のライナープラグの形態例を添付図面(図1〜図6)に基づいて詳細に説明する。図1(a)はライナープラグの形態例を示す平面図であり、図1(b)はその断面を含む側面図である。このライナープラグは、搾乳機のティートカップ20のライナー21によって形成された乳頭15用の嵌挿口22を塞ぐものである。
31は凸部であり、ライナー21の嵌挿口22に挿入されて嵌まるように設けられている。本形態例の凸部31は、乳頭に相当する形状であるように、先端部が緩やかなテーパ状になった円柱状に形成されている。また、34はフランジ部であり、ライナー21の縁端面23a(図3〜図6参照)に当接するストッパ部になっている。
凹部32は、凸部31が設けられた部分の反対側に設けられ、その凹部32は凸部31を備える他のピースが挿入されて嵌まるように形成されている。
このように、ライナー21の嵌挿口22を塞ぐ栓として使用されるライナープラグ30(図3、4参照)を、上下に連結可能なブロック方式の形状にすることで、ライナープラグ30によって支持されるティートカップ20の高さ調整を容易に行うことができる。
図2の形態例では、ライナー21の嵌挿口22を形成する周壁部23の縁端面23aと外周面23bを覆って保護するように、凸部31と同心にカバー部33が設けられている。図2(a)はライナープラグの他の形態例を示す平面図であり、図2(b)はその断面を含む側面図である。
このカバー部33は、ライナー21の縁端面23aを覆う部分である縁端面用のカバー壁33aと、ライナー21の外周面23bを覆う部分である外周面用のカバー壁33bとが連続的に形成されて設けられている。縁端面用のカバー壁33aは凸部31の軸と同心の円板状に形成され、その内底面は凸部31の挿入を規制するようにライナー21の縁端面23aに当接するストッパ面になっている。また、外周面用のカバー壁33bは縁端面用のカバー壁33aの縁から凸部31の突起方向へ立ち上げられた筒状に形成されている。このカバー部33は、例えば、ライナープラグ30の本体と一体的に合成ゴムによって形成することができる。
このカバー部33によれば、ライナー21の嵌挿口22を形成する周壁部23を適切に覆って保護できるため、搾乳中の糞尿飛散によってライナー21の周壁部23及び嵌挿口22が汚れることを防止できる。すなわち、カバー部33は、ライナー21の開口端部に嵌まって、その部分を囲んで覆う形状になっており、汚れが付くこと防止できる保護層部になっている。
次に図2の形態例にかかるティートカップ用のライナープラグの使用方法について、図5及び図6に基づいて以下に説明する。
図5の形態例によれば、垂下されたティートカップ20の下方に開口する嵌挿口22をライナープラグ30が塞ぎ、そのライナープラグ30を二段に重ねて下端30aをフロア面40でスライド可能に置いた縦置き状態で使用している。ライナープラグ30の下端30aは、凹部32が設けられているため、フロア面40との接触面積が小さくなっている。このため、ライナープラグ30は、乳牛の動きなどに伴って、フロア面40上を好適に滑ることができる。
なお、図5の形態例では、ライナープラグ30を二段に重ねた状態を示してあるが、さらに三段以上の多段に重ねて使用することもできる。また、ティートカップ20が低い位置に垂れ下がる場合は、一段で使用すればよいのは勿論である。
また、ライナープラグ30を複数段重ねる場合、少なくとも最上部のライナープラグ30を、ライナー21の周壁部23を囲んで保護する形状にすればよい。つまり、最上部のライナープラグ30がカバー部33を備えればよい。
これによれば、乳頭15aに装着されないティートカップ20は、ライナー21の嵌挿口22が地面側に近づくことになるが、搾乳中の糞尿の飛散などによって汚れない。
乳牛が暴れてライナー21やミルククロー11を蹴るなどして、ブロック方式のライナープラグ30がバラバラになっても、ライナー21の周壁部23が直接地面に接触することがなく、衛生状態を確保できる。
そして、ライナープラグ30を上下に連結可能なブロック形状とすることで、乳牛個々の乳頭の高さに合わせてライナー21の自立が可能となる。従って、乳頭15に装着されないティートカップ20がライナープラグ30によって適切に支持される。その結果、ミルククロー11上部にライナー21を折り畳んでおくことが不要となり、ミルククロー11のバランスが安定し、ライナースリップ等の不具合の発生を防止することができる。
本発明にかかるライナープラグ30によれば、盲乳や疾病等の理由によって搾乳を行わない乳頭15aがある乳牛を搾乳するときに、ライナー21の嵌挿口22を塞ぐ栓として好適に使用することができる。
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
10 搾乳ユニット
11 ミルククロー
15 乳頭
20 ティートカップ
21 ライナー
22 嵌挿口
23 周壁部
23a 縁端面
23b 外周面
30 ライナープラグ
30a 下端
31 凸部
32 凹部
33 カバー部
40 フロア面

Claims (2)

  1. 搾乳機のティートカップのライナーによって形成された乳頭用の嵌挿口を塞ぐように、前記嵌挿口に挿入されて嵌まる凸部と、該凸部が設けられた部分の反対側に凹部とが設けられ、該凹部は前記凸部を備える他のピースが挿入されて嵌まるように形成されているティートカップ用のライナープラグの使用方法であって、
    垂下された前記ティートカップの下方に開口する前記嵌挿口を前記ライナープラグが塞ぎ、該ライナープラグを一つ使い又は複数段に重ねて使い下端をフロア面でスライド可能に置いた縦置き状態で使用することを特徴とするティートカップ用のライナープラグの使用方法。
  2. 前記嵌挿口を形成する周壁部の縁端面と外周面を覆って保護するように、前記凸部と同心に設けられたカバー部を備える前記ライナープラグを用いることを特徴とする請求項1記載のティートカップ用のライナープラグの使用方法
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