JP5585653B2 - 無線通信ネットワーク及び経路選択方法 - Google Patents
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Description
昨今では、この様な無線通信システムを用いた通信ネットワークは世界的に急速拡大する携帯電話ネットワーク市場にて、大きく需要が伸長している。この様なシステムが基地局間を結ぶ通信システムとして、装置の経済性,工事の容易性,システム変更に対する柔軟性,大容量性等の特長を有するからである。
この様な通信に対する高速・広帯域化の需要が高まるにつれて、より安価で高品質な回線サービスの提供が所望されている。
また、近年のモバイルネットワークの複雑化に伴い、オペレータのCAPEX(Capital Expenditure)/OPEX(Operating Expense)削減が求められており、通信装置の経済化、ネットワークの効率化が求められている。その為、効率的な経路選択を行う技術や障害発生時の回線切替を行なう技術は必要不可欠かつ重要である。
マイクロ波通信システムには、適応変調方式という機能を有しているものがある。この適応変調方式は、無線の回線状況に応じて送信変調方式を自動的に切替える機能である。この機能は、回線状況が悪い場合には、伝送速度は低いが誤り耐性の高い(システムゲインの高い)送信変調方式を使用して信頼性を高める方向へ切り換える。逆に、回線状況が良好な場合には、誤り耐性は低い(システムゲインは低い)ものの伝送速度の高い送信変調方式を使用して通信容量を確保する方向へ切替える。
このマイクロ波通信システムの回線状況は一般的に天候に依存する。しかし、適応変調方式を用いたマイクロ波通信システムでは、天候の変化に起因するマイクロ波減衰が発生し、回線状況が悪化した場合でも、伝送容量を減少させることによりシステムゲインを一定に保つことができる。
この適応変調方式を有した無線装置で構成される構成される通信ネットワークの一つとして、MPLS(Multi Protocol Label Switching)ネットワークがある。MPLSネットワークでは、ルータが他のルータから受け取ったパケットを別のルータに転送する際に、ルーティング(経路選択)情報として「ラベル」と呼ばれる短い固定長の識別標識を利用する。
MPLS対応ルータ(Label Switching Router:LSR)によって構成されたネットワーク内では、パケットの行き先に応じて次にどのルータに転送するかという情報を各ルータが保持しており、それぞれの経路はラベルによって識別される。このMPLSネットワークを構成してEnd to Endの通信経路に(LSP:Label Switched Path)を確立する際には、その経路を選択する基準となるパラメータが必要となる。このパラメータの決定方法について、出願人が先に出願した特願2010−117095号に、無線通信システムを用いた経路に於いて、適応変調方式制御による無線伝送容量の変化も考慮して経路選択用のパラメータを決定する技術が開示されている。この技術では決定されたパラメータに基づいて使用する回線切替、経路変更を動的に行い、無線通信ネットワークに於ける経済的、効率的な経路選択を実現している。このようにして、伝送効率の高い伝送経路を選択することの出来る無線通信ネットワークシステムを提供するものが開示されている。
図1は特願2010−117095号の技術の説明の為の図であり、適応変調無線アクセス装置N101〜N106で構成されたネットワークが示されている。図1に示す経路検索方法ではInitiator NodeのN101からTerminator NodeのN106に対してLSPを設定する際の経路として、経路N103(L101)か、経路N104(L102)を選択するかは各々の経路の利用可能帯域(伝送速度)に基づく。
そのためL101の経路がL102の経路と比べて頻繁に天候の変化が発生し、適応変調機能によって伝送路帯域の変化が頻繁に発生していても次のような問題がある。即ち、LSPを設定した時点でEnd to Endの帯域が確保できると判断した場合は、その経路が実際に使用される経路として選択される可能性がある。
図2で説明すると、N101〜N106に対してN103経由のLSP(L101)とN104経由のLSP(L102)を設定した際、N102〜N103区間(W102)で天候等の変化によってマイクロ波の減衰が発生した場合は次の様になる。即ち、N103の経路のLSP(L101)はシステムゲインを一定に保つため伝送路の伝送容量を減少させる。
適応変調動作によって伝送路の容量が低下すると、必要なデータを伝送する帯域が確保出来ず、N103経由のLSP(L101)が保持できなくなる。そのためN103経由のLSP(L101)は無線伝送路帯域が不足し、データの廃棄が発生する。図3に適応変調動作時の帯域変化によるLSPデータの廃棄を示す。
この様な無線帯域の増減が頻繁に発生するとEnd to Endで確立した無線伝送路が頻繁に切断される可能性がある。無線伝搬環境が良好なときには良好な伝送品質が得られる経路であっても、無線伝搬環境の状態変化が激しく頻繁に回線断が発生する様な経路は、信頼性が低く、避けることが好ましい場合がある。しかし、関連する上記の技術ではこの様な信頼性を考慮した経路選択を行うことが出来なかった。
例えば関連する技術を説明する図2に於いて、適応変調動作によるLSPデータの廃棄が発生した場合、ネットワーク管理者が新たな迂回LSP(L105)を設定するかMPLSの障害回復機能を利用してRestorationを実施するか、天候の回復を待つかしかない。
一方、N104経路のLSP(L102)は天候等の変化がないため、システムゲインの低下もないので適応変調機能も動作しない。よって無線帯域の減少もないので信頼性の高いデータ伝送が可能な経路であるが、関連技術では、この伝送容量の増減を考慮した経路設定が出来なかった。
(発明の目的)
本発明は、経路検索時に、その経路の信頼性を考慮した無線伝送路の選択を可能とすることが出来る無線通信ネットワークの経路選択方法を提供することを目的としている。
本発明の経路選択方法は、無線区間の状態を監視し、検出した無線区間の状態の変化に対応して変調方式を制御し、各変調方式での通信時間の情報を基に無線区間の信頼値を算出する。
本発明のプログラムは、無線区間の状態を監視する無線区間状態監視ステップと、前記無線区間状態監視ステップにて検出した無線区間の状態の変化に対応して変調方式を制御する適応変調制御ステップと、一定時間内の適応変調方式にて適用された各変調方式での通信時間と、その適用された変調方式に対する重み付け値と、から期間信頼値を算出するステップと、一定時間内の適応変調による変調方式の変更が発生した頻度から基準信頼値を算出するステップと、期間信頼値と基準信頼値との和から信頼値を算出するステップと、前記信頼値に基づいて、データを伝送する経路として選択可能に備えられた複数の前記無線区間から選択を行うステップと、をコンピュータに実行させる。
本発明の無線通信システムは、適応変調方式を用いた通信システムであって、適応変調により変調方式が変更され、データを伝送する経路として選択可能に備えられた複数の無線区間を備え、前記複数の無線区間に適用された各変調方式での通信時間の情報を基に、前記複数の無線区間の信頼値を算出し、該信頼値に基づいてデータを伝送する無線区間を選択する。
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図13は本発明の第1の実施形態の適応変調方式を用いる無線伝送装置の構成図である。
無線伝送装置1300は、無線区間からの状態を監視する無線区間監視部1301、無線区間の状態変化に対応した変調方式を制御する適応変調制御部1302を有している。更にこの無線伝送装置1300は変調方式毎の変調方式適用時間の積算をする変調方式積算部1303、変調方式積算部で積算された情報を元に信頼値を算出する信頼値算出部1304を有している。
無線伝送路の信頼性の指標は期間信頼値と基準信頼値という2種類の信頼値から構成される。期間信頼値は、適用された各変調方式での通信時間とその適用された変調方式に対する重み付け値とから計算される。また、基準信頼値は適応変調による変調方式の変更が発生した頻度を考慮した値である。即ち基準信頼値は適応変調による変調方式が発生しない状態を一定期間保障する値である。期間信頼値は主に突発的な短期スパンの信頼性を示し、基準信頼値は平均的な長期スパンの信頼性を示す。信頼値はこの2つの和から求める、即ち、
信頼値=期間信頼値+基準信頼値
で求められる。この例では無線伝送路の信頼値の値は1〜232までの32bitの値をとるものとし、最小の信頼値は1であり、もっとも高い信頼性を表す。逆に、232が最大の信頼値であり、もっとも低い信頼性を表す。
期間信頼値の算出の基本的な考え方を説明する。期間信頼値は、一定期間中に、適応変調により変化する変調方式を観測し、各変調方式での通信時間等から求める。多値数の高い変調方式での通信時間(滞留時間)が長い方が、その伝送路の信頼性は高いと考えられるからである。期間信頼値の基本となる計算式Yを以下に定義する。
Y=(A×t0)+(B×t1)+(C×t2)+(D×t3)+(E×t4)+(F×t5)
ここで、
Y:期間信頼値
A:256QAMの重み付け値
B:128QAMの重み付け値
C:64QAMの重み付け値
D:32QAMの重み付け値
E:16QAMの重み付け値
F:QPSKの重み付け値
t0:256QAM滞留時間(秒)
t1:128QAM滞留時間(秒)
t2:64QAM滞留時間(秒)
t3:32QAM滞留時間(秒)
t4:16QAM滞留時間(秒)
t5:QPSK滞留時間(秒)
である。
上記A〜Fの重み付け例を表1に示す。適応変調の変調方式変化幅は256QAM〜QPSKまでの能力を持った適応変調無線装置とする。表1に定義した各変調方式の重み付けは、変調方式の多値数が小さくなるほど無線伝送容量も小さくなり経路としては不利であるので信頼性は低いとして重み付け値として大きい値が定義される。この表1の例では、全期間に渡って256QAMであれば、重み付け値が0であるので、期間信頼値Yも0となり、信頼性が最も高いと評価される。
次に信頼値(期間信頼値+基準信頼値)の算出アルゴリズムについて説明する。
第1の実施形態による信頼値算出アルゴリズムのフローを図5に示す。
信頼値算出アルゴリズムは1秒周期に適応変調による変調方式の変化を監視し、各変調方式での通信時間を積算する(S501)。任意の時点より測定を開始し1分経過する度毎に過去1分間に積算した各変調方式での通信時間から期間計算式Yによる期間信頼値を算出する(S502)。24時間経過時に伝送路劣化の有無を判断し基準信頼値を算出する(S503)。今回求められた期間信頼値、基準信頼値及び前回の信頼値から今回の信頼値を算出する(S504)。図5から、期間信頼値は1分毎、基準信頼値は24時間毎に更新される値であることが分かる。
信頼値算出アルゴリズムの図5のS502に該当する期間信頼値算出アルゴリズムについて説明する。期間信頼値算出アルゴリズムは、前回の期間信頼値の値と今回の期間信頼値の値の変化によって4通りに場合分けされ4種類のアルゴリズムで構成される。4種類のアルゴリズムのフローチャートを図6,7,8,9に示す。また、この期間信頼性アルゴリズムにおいては、図11に示す5つの信頼値の状態遷移をもつ。求める信頼値の安定性を高める為、信頼値の値を変更する際にはこの状態遷移に基づき、いわゆる保護(前方保護、後方保護)を行ない、信頼値の精度をより高めている。
図6は期間計算式Yによって算出された値が、今回の期間信頼値が0(信頼性が最も高い)と前回の期間信頼値が0(信頼性が最も高い)の場合の期間信頼値算出アルゴリズムを主に示している。フロー1(F601)の矢印で示されるフローは信頼値の状態が通常の場合である。この場合は高い信頼性が保たれているため期間信頼値の処理はない。
フロー2(F602)の矢印で示されるフローは信頼値が復旧保護中の場合である。この場合、復旧保護カウンタをカウントアップし、その結果復旧保護時間に満たない場合は処理なしとなり、復旧保護時間が満了した場合は信頼値回復パラメータを算出する。信頼値回復パラメータは現在までに継続して劣化した信頼値にペナルティ係数を乗じた期間で信頼値を復旧させるためのパラメータである。
図12に信頼値の劣化から復旧までの推移をグラフで示す。信頼値回復パラメータの算出方法は以下の式となる。
信頼値回復パラメータ=現在の信頼値/劣化継続時間/ペナルティ係数
フロー3(F603)で示されるフローは信頼値が復旧中の場合である。この場合、現在の信頼値からフロー2で求めた信頼値回復パラメータを減算する。減算結果として信頼値が1となった場合は信頼値の状態を通常に遷移させる。
図7は期間計算式Yによって算出された値が、今回の期間信頼値が0(高信頼)と前回の期間信頼値が0より大きい(信頼性が劣化している)の場合の期間信頼値算出アルゴリズムである。フロー1(F701)は信頼値の状態が発生保護中の場合のフローである。この場合は、発生保護カウンタをクリアし、信頼値の状態を通常に遷移させる。フロー2(F702)は信頼値の状態が発生中の場合のフローである。この場合は、復旧保護カウンタをカウントアップし、信頼値の状態を復旧保護中に遷移させる。
図8は期間計算式Yによって算出された今回の期間信頼値が0より大きい(信頼性が劣化している)場合と前回の期間信頼値が0(信頼性が最も高い)の場合の期間信頼値算出アルゴリズムである。フロー1(F801)は信頼値の状態が通常の場合のフローである。この場合は、信頼値の状態を発生保護中とし、発生保護カウンタをカウントアップする。フロー2(F802)は信頼値の状態が復旧保護中の場合のフローである。この場合は、復旧保護カウンタをクリアし、信頼値の状態を発生中に遷移させる。フロー3(F803)は信頼値の状態が復旧中の場合のフローである。この場合は、信頼値の状態を発生保護中に遷移させる。
図9は期間計算式Yによって算出された今回の期間信頼値が0より大きい(信頼性が劣化している)場合と前回の期間信頼値が0より大きい(信頼性が劣化している)場合の期間信頼値算出アルゴリズムである。フロー1(F901)は信頼値の状態が発生中の場合のフローである。この場合は、今回と前回の期間信頼値の和を算出し、劣化継続時間をカウントアップ後、基準信頼値劣化フラグがOFFの場合に基準信頼値劣化フラグをONにする。基準信頼値劣化フラグは24時間の間に無線伝送路の劣化の発生の有無を表すフラグである。フロー2(F902)は信頼値の状態が発生保護中の場合のフローである。この場合は、発生保護カウンタをカウントアップする。発生保護カウンタが満了時には、信頼値の状態を発生中に遷移させ、発生保護カウンタをクリアする。発生保護カウンタが未満了の場合は処理なしとする。
次に基準信頼値の計算アルゴリズムについて説明する。
信頼値算出アルゴリズムは以下のような特徴を持っている。
・信頼値は無線区間に於ける減衰時間(低い変調方式である時間)に比例して増加するようになっている。
・信頼値の回復は信頼値の劣化に対しペナルティを課している。即ち信頼値が劣化する期間に比べ、信頼値が回復する時間の方が長くなるようになっている。
・信頼値の劣化時、回復時には信頼値を実際に変化させて良いほどの伝搬環境の変化であるかを見極める為の、いわゆる「保護」(前方保護、後方保護)を持っている。
図10は基準信頼値算出アルゴリズムのフローを示している。本アルゴリズムは24時間周期で実施される。フロー1(F1001)は基準信頼値劣化フラグがOFFの場合のフローである。この場合は、基準信頼値向上カウンタをカウントアップする。基準信頼値向上カウンタは1週間の間無線伝送路の劣化が発生していない場合に基準信頼値を向上(値を減少)させるためのカウンタである。基準信頼値向上カウンタが1週間経過した場合には基準信頼値が1より大きい場合に基準信頼値の減算を実施する。この減算により基準信頼値が減少し、信頼性が向上した事を表現出来る。基準信頼値が1つまり基準信頼値の最小値の場合は、処理は不要である。フロー2(F1002)は基準信頼値劣化フラグがONの場合のフローである。この場合は、基準信頼値をカウントアップ(信頼性が劣化)し、基準信頼値向上カウンタをクリアする。
以上説明した信頼値算出アルゴリズムから算出された信頼値を、無線伝送装置間でルーティング情報として広告し合うことにより交換する。各無線伝送装置では、広告された信頼値を用いることにより、各経路の信頼性を考慮した経路選択を行う。隣接無線装置に対する広告方法は一般的にOSPF(Open Shortest Path First)方式等を利用して広告するが、特にOSPF方式に限られない。
本発明の第1の実施形態では、天候変化時に無線区間のマイクロ波の減衰によって適応変調制御された無線伝送路の信頼値を信頼値算出アルゴリズムによって算出している。そのため、算出した信頼値情報をルーティング情報として交換し、経路選択の情報として用いることにより、経路検索に際し、より信頼性の高い経路を選択することが出来る無線通信ネットワークの経路選択方法を提供することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図14は本発明の第2の実施形態における無線通信ネットワーク及び経路選択方法の構成図である。
1401は無線伝送手段、1402は無線区間監視手段、1403は適応変調制御手段、1404は信頼値算出手段、である。
本発明の第2の実施形態における無線通信ネットワークでは無線区間状態監視手段1402が無線区間からの状態を監視し、適応変調制御手段1403が無線区間の状態変化に対応した変調方式を制御し、信頼値算出手段1404は適応変調制御手段1403からの情報を基に経路の信頼値を算出する。この算出された信頼値に基づき経路を決定することが出来るので、ユーザがEnd to Endの無線伝送路を設定する際に、経路検索に際し、より信頼性の高い経路を選択することが出来る。
(第3の実施形態)
本発明の無線伝送装置は、無線区間の状態を監視する無線区間状態監視手段と、前記無線区間状態監視手段にて検出した無線区間の状態の変化に対応して変調方式を制御する適応変調制御手段と、を有する。
更に本発明の無線伝送装置は、前記適応変調制御手段から出力された各変調方式での通信時間の情報を基に無線区間の信頼値を算出する信頼値算出手段を有する。
更に本発明の無線伝送装置は、前記信頼値及び他の無線区間の信頼値を用いてデータを送出する無線区間を選択する。
(第4の実施形態)
本発明の経路選択方法は、無線区間の状態を監視し、無線区間の状態の変化に対応して変調方式を制御し、各変調方式での通信時間の情報を基に無線区間の信頼値を算出する。
更に本発明の経路選択方法は、経路検索時に前記信頼値及び他の無線区間の信頼値を用いてデータを送出する無線区間を選択する。
(第5の実施形態)
本発明のプログラムは、無線区間の状態を監視する無線区間状態監視ステップと、前記無線区間状態監視ステップにて検出した無線区間の状態の変化に対応して変調方式を制御する適応変調制御ステップと、をコンピュータに実行させる。
更に本発明のプログラムは、一定時間内の適応変調方式にて適用された各変調方式での通信時間と、その適用された変調方式に対する重み付け値と、から期間信頼値を算出するステップと、をコンピュータに実行させる。
更に本発明のプログラムは、一定時間内の適応変調による変調方式の変更が発生した頻度から基準信頼値を算出するステップと、期間信頼値と基準信頼値との和から信頼値を算出するステップと、をコンピュータに実行させる。
更に本発明のプログラムは、経路検索時に前記信頼値及び他の無線区間の信頼値を用いてデータを送出する無線区間を選択するステップをコンピュータに実行させる。
なお、上述した各実施の形態で説明した信頼値の算出方法は一例を示したものであり、無線変調方式以外のその他の要素を活用するとしても良い。
また、ここまで説明した各実施の形態では、主としてマイクロ波無線通信システムに適用可能な無線通信ネットワークを想定した構成としたが、同様の無線通信を行うネットワークであれば、その他のシステム用の各種無線ネットワークにも適用可能である。
また、ここまで説明した各実施の形態では、無線通信ネットワーク内で無線伝送装置は、専用の通信装置を想定したが、次のようなものでもよい。即ち例えば各種データ処理を行うパーソナルコンピュータ装置に、本例での無線通信部に相当する通信処理を行うボードやカードなどを装着し、通信制御処理を、コンピュータ装置側で実行させる。このようにして、その通信制御処理を実行するソフトウェアをパーソナルコンピュータ装置に実装させて実行する構成としても良い。
そのパーソナルコンピュータ装置などのデータ処理装置に実装されるプログラムについては、光ディスク,メモリカードなどの各種記録(記憶)媒体を介して配付しても良く、或いはインターネットなどの通信手段を介して配付しても良い。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2010年8月13日に出願された日本出願特願2010−181367を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
無線区間の状態を監視する無線区間状態監視手段と、前記無線区間状態監視手段にて検出した無線区間の状態の変化に対応して変調方式を制御する適応変調制御手段と、前記適応変調制御手段から出力された各変調方式での通信時間の情報を基に無線区間の信頼値を算出する信頼値算出手段と、を有する、
ことを特徴とする無線伝送装置。
(付記2)
前記算出された信頼値を、他の前記無線伝送装置に対しルーティング情報として送出する、ことを特徴とする付記1記載の無線伝送装置。
(付記3)
前記算出された信頼値を、前記無線伝送装置間でルーティング情報として広告し合うことにより交換する、ことを特徴とする付記2記載の無線伝送装置。
(付記4)
前記信頼値は、適応変調方式にて適用された各変調方式での通信時間と、その適用された変調方式に対する重み付け値と、から算出される期間信頼値である
付記1乃至付記3のいずれかに記載の無線伝送装置。
(付記5)
前記信頼値は、適応変調による変調方式の変更が発生した頻度から算出される基準信頼値である
付記1乃至付記3のいずれかに記載の無線伝送装置。
(付記6)
前記信頼値は、前記期間信頼値と前記基準信頼値との和から求められる
付記4又は付記5記載の無線伝送装置。
(付記7)
前記信頼値に基づいて、データを伝送する経路として選択可能に備えられた複数の前記無線区間から選択を行うことを特徴とする付記1乃至付記6のいずれかに記載の無線伝送装置。
(付記8)
通信回線により相互に接続された複数の付記1乃至付記7のいずれかに記載された無線伝送装置を含む通信ネットワーク。
(付記9)
無線区間の状態を監視し、検出した無線区間の状態の変化に対応して変調方式を制御し、各変調方式での通信時間の情報を基に無線区間の信頼値を算出する、
ことを特徴とする経路選択方法。
(付記10)
前記算出された信頼値を、他の前記無線伝送装置に対しルーティング情報として送出する、ことを特徴とする付記9記載の経路選択方法。
(付記11)
前記算出された信頼値を、前記無線伝送装置間でルーティング情報として広告し合うことにより交換する、ことを特徴とする付記10記載の経路選択方法。
(付記12)
前記信頼値は、適応変調方式にて適用された各変調方式での通信時間と、その適用された変調方式に対する重み付け値と、から算出される期間信頼値である
付記9乃至付記11のいずれかに記載の経路選択方法。
(付記13)
前記信頼値は、適応変調による変調方式の変更が発生した頻度から算出される基準信頼値である
付記9乃至付記11のいずれかに記載の経路選択方法。
(付記14)
前記信頼値は、前記期間信頼値と前記基準信頼値との和から求められる
付記12又は付記13記載の経路選択方法。
(付記15)
前記信頼値に基づいて、データを伝送する経路として選択可能に備えられた複数の前記無線区間から選択を行うことを特徴とする付記9乃至付記14のいずれかに記載の経路選択方法。
(付記16)
無線区間の状態を監視する無線区間状態監視ステップと、
前記無線区間状態監視ステップにて検出した無線区間の状態の変化に対応して変調方式を制御する適応変調制御ステップと、
一定時間内の適応変調方式にて適用された各変調方式での通信時間と、その適用された変調方式に対する重み付け値と、から期間信頼値を算出するステップと、
一定時間内の適応変調による変調方式の変更が発生した頻度から基準信頼値を算出するステップと、
期間信頼値と基準信頼値との和から信頼値を算出するステップと、
前記信頼値に基づいて、データを伝送する経路として選択可能に備えられた複数の前記無線区間から選択を行うステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
(付記17)
適応変調方式を用いた通信システムであって、
適応変調により変調方式が変更され、データを伝送する経路として選択可能に備えられた複数の無線区間を備え、
前記複数の無線区間に適用された各変調方式での通信時間の情報を基に、前記複数の無線区間の信頼値を算出し、該信頼値に基づいてデータを伝送する無線区間を選択することを特徴とする無線通信システム。
1301 無線区間監視部
1302 適応変調制御部
1303 変調方式積算部
1304 信頼値算出部
Claims (10)
- 互いに接続された他の無線伝送装置との間の各無線区間の状態を監視する無線区間状態監視手段と、前記無線区間状態監視手段にて検出した前記各無線区間の状態の変化に対応して変調方式を制御する適応変調制御手段と、前記適応変調制御手段から出力された各変調方式での通信時間の情報を基に前記各無線区間の信頼値を算出する信頼値算出手段と、前記信頼値算出手段が算出した前記各無線区間の信頼値に基づいて、データを送信する経路の無線区間を選択する無線区間選択手段とを備え、
前記信頼値は、適応変調方式にて適用された各変調方式での通信時間と、その適用された変調方式に対する重み付け値と、から算出される期間信頼値、および適応変調による変調方式の変更が発生した頻度から算出される基準信頼値に基づいて算出される
ことを特徴とする無線伝送装置。 - 前記信頼値算出手段が算出した互いに接続された前記他の無線伝送装置との間の各無線区間の信頼値を、前記他の無線伝送装置に対しルーティング情報として送出する信頼値送信手段を含む、ことを特徴とする請求項1記載の無線伝送装置。
- 前記無線区間選択手段は、前記信頼値算出手段が算出した信頼値と、前記他の無線伝送装置がルーティング情報として送出した信頼値とに基づいて、データの送信経路の無線区間を選択する、ことを特徴とする請求項2記載の無線伝送装置。
- 前記信頼値は、前記期間信頼値と前記基準信頼値との和から求められる
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の無線伝送装置。 - 通信回線により相互に接続された複数の請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された無線伝送装置を含む通信ネットワーク。
- 互いに接続された他の無線伝送装置との間の各無線区間の状態を監視する無線区間状態監視工程と、前記無線区間状態監視工程で検出した前記各無線区間の状態の変化に対応して変調方式を制御する適応変調制御工程と、前記適応変調制御工程で制御された各変調方式での通信時間の情報を基に前記各無線区間の信頼値を算出する信頼値算出工程と、前記信頼値算出工程で算出した前記各無線区間の信頼値に基づいて、データの送信経路の無線区間を選択する無線区間選択工程とを含み、
前記信頼値は、適応変調方式にて適用された各変調方式での通信時間と、その適用された変調方式に対する重み付け値と、から算出される期間信頼値、および適応変調による変調方式の変更が発生した頻度から算出される基準信頼値に基づいて算出される
ことを特徴とする経路選択方法。 - 前記信頼値算出工程で算出した互いに接続された前記他の無線伝送装置との間の各無線区間の信頼値を、前記他の無線伝送装置に対しルーティング情報として送出する信頼値送信工程を含む、ことを特徴とする請求項6記載の経路選択方法。
- 前記無線区間選択工程で、前記信頼値算出工程において算出された信頼値と、前記他の無線伝送装置がルーティング情報として送出した信頼値とに基づいて、データの送信経路の無線区間を選択する、ことを特徴とする請求項7記載の経路選択方法。
- 前記信頼値は、前記期間信頼値と前記基準信頼値との和から求められる
請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の経路選択方法。 - 互いに接続された他の無線伝送装置との間の各無線区間の状態を監視する無線区間状態監視ステップと、
前記無線区間状態監視ステップにて検出した前記各無線区間の状態の変化に対応して変調方式を制御する適応変調制御ステップと、
一定時間内の適応変調方式にて適用された各変調方式での通信時間と、その適用された変調方式に対する重み付け値と、から期間信頼値を算出するステップと、
一定時間内の適応変調による変調方式の変更が発生した頻度から基準信頼値を算出するステップと、
期間信頼値と基準信頼値との和から信頼値を算出するステップと、
前記信頼値に基づいて、データを伝送する経路として選択可能に備えられた複数の前記各無線区間から選択を行うステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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