JP2006287549A - 帯域制御方法およびそれを利用したmplsルータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 無線装置がルータと独立して動作していれば、無線装置が自律的に帯域を制御した後、ルータによる無線回線の制御に遅延が生じる。
【解決手段】 自ルータリンク情報DB48は、MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域の情報を記憶する。無線帯域制御部40は、自ルータリンク情報DB48において記憶される情報を参照しつつ、無線装置12と、隣接のMPLSルータとの間の無線回線での通信帯域を制御する。無線装置制御部28は、無線帯域制御部40において制御した無線回線での通信帯域を無線装置12に設定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、帯域制御技術に関し、特に無線回線における通信帯域を制御する帯域制御方法およびそれを利用したMPLSルータに関する。
現在運用されている多くのIP(Internet Protocol)ネットワークにおいて、ネットワークを構成するルータが、自律的にパケットを転送するための経路を決定し、パケットが中継されている。その結果、所定の送信元から送信されたパケットが、要求される宛先まで中継される。ルータにおけるパケット転送経路算出方法(以下、「経路計算」という)は、一般的に、宛先装置までの経路において経由するルータ数にもとづいて行われている。代表的な経路計算には、OSPF(Open Shortest Path Fast)というプロトコルがある。OPSFでは、ネットワーク内のルータが、ルータ同士の隣接関係、すなわちリンクの情報を互いに交換し、それぞれのルータが同じリンクの情報を保持する。このようなリンクの情報は、リンク状態データベースに蓄積される。さらに、それぞれのルータは、リンク情報データベースに対して、最短パスアルゴリズム(SPF:Shortest Path First)を適用しながら、要求される宛先までの経路を導出する。
交換されるリンクの情報(以下、「リンク状態広告」という)は、コストと呼ばれるリンクの容量を示す値が含められる。最短パスアルゴリズムでは、コスト値を元に宛先までの最短経路を算出する。しかしながら、コスト値には、そのリンクにおいて現在利用可能な帯域の情報や、ビットエラー率の情報が反映されない。そのため、所定の宛先に対して、ネットワーク内の多くのルータが、特定のリンクを最短経路の一部として選んでしまうと、そのリンクにおいてトラヒックが集中する。つまり、そのリンクにおいて輻輳の発生確率が増加するので、通信の品質の保証が困難になるとともに、ネットワークの帯域資源を効果的に使用していないことになる。このような通信方法は、コネクションレス型の通信方法と呼ばれ、パケットの転送経路は中継する個々のルータでの決定に依存し、宛先までの一貫した経路が特定のルータによって指定されるわけではない。すなわち、通信のそれぞれに対して予め明示的な経路が決定されるわけでなく、通信のために必要な帯域等の資源が保証されているわけでない。
以上の課題に対し、MPLS(Multi Protocol Label Switch)、およびMPLSネットワークにおいてネットワーク全体の帯域資源を効果的に利用し、かつ通信品質を保証する技術が仕様化されている。これらの技術では、利用可能帯域等の制約を考慮した経路算出アルゴリズムを使用しつつ、通信に必要な帯域を提供することが可能な経路を算出する。さらに、通信に先立って、特定のルータから通信パスを明示的に設定することによって、通信に必要な帯域を経路上のルータが確保する。その結果、通信の品質が保証されるとともに、ネットワークの帯域資源がより効果的に使用される。これはコネクション型の通信と呼ぶことができる。MPLSでは、パケットに付与されたラベルと呼ばれる識別子に基づきパケットが転送される。通信に先立ち、経路上の各ルータにはラベルとそれに対応する転送情報が設定される。ある通信のために経路上の各ルータに設定された宛先までの一連の転送パスは、LSP(Label Switch Path)と呼ばれている。
OSPF−TE(OSPF−Traffic Engineering)は、前述のOSPFを拡張し、交換されるリンク情報に、そのとき利用可能な帯域の情報やビットエラー率の情報を含める。さらに、SPFを拡張した制約付き最短パスアルゴリズム(CSPF:Constrained Shortest Path First)では、通信において必要とされる帯域もしくは所定の品質に及ばないリンクがSPF計算の対象から除外されてから、SPFを実行する。その結果、通信に必要な帯域を提供できる経路が導出される。このようにして得られた経路は、通信に先立って、それぞれのルータにおいて確保される。すなわち、経路に対応した帯域が、それぞれのルータにおいて確保される。経路に対応した帯域を各ルータにおいて確保するための手続きには、RSVP−TE(Resource Reservation Protocol−Traffic Engineering)やCR−LDP(Constraint−based Routing−Label Distribution Protocol)等のプロトコルが使用される。このような手順を実行することによって、要求される帯域を提供できないリンクは使用されずに、利用可能帯域が十分残っているリンクが使用されるようになる。その結果、通信の品質が保証されるとともに、ネットワーク上の帯域資源が有効に利用される。
Rosen, E., Viswanathan, A., and Callon, R.: Multiprotocol Label Switching Architecture, RFC3031, Internet Engineering Task Force, 2001 Katz, D., Kompella, K. and Yeung, D.: Traffic Engineering (TE) Extensions to OSPF Version 2, RFC3630, Internet Engineering Task Force, 2003 Awduche, D., Berger, L., Gan, D. and et. al: RSVP-TE: Extensions to RSVP for LSP Tunnels, RFC3209, Internet Engineering Task Force, 2001 Jamoussi, B., Andersson, L., Callon, R. and et. al.: Constraint-Based LSP Setup using LDP", RFC 3212, Internet Engineering Task Force, 2002.
以上のようなIPネットワークにおいて、ルータ間のリンクは一般的に有線になっている。一方、ルータ同士が無線によって接続されていれば、ルータ間の距離が数百m以上離れているような広域なネットワークを構築する場合に、有線の伝送媒体を使用する場合と比較して、山岳部等の地理的な条件に制約を受けない自由なトポロジのネットワークが安価に構築することができる。このようなルータは、インターフェイスとして無線伝送機能を備えてもよいが、無線伝送機能を外部に備えてもよい。特に後者の場合、無線伝送装置が大型になった場合でもルータ自体の大型化を抑制できる。また、無線伝送装置をインターフェイスに自由に付け替えることによって、1つのルータでさまざまな無線方式に対応できるようになる。近年の無線伝送装置は、無線伝送装置間の無線帯域資源の有効活用を図るための機能を備えている。例えば、無線伝送装置は、TDD(Time Division Duplex)に対して、入出力されるトラヒック量を監視し、監視結果に応じて自律的に両方向の帯域の配分を行う機能を備えている。また、無線伝送装置は、適応的変調機能として、降雨や木の葉等の障害物などによるビットエラー率の変動に応じて、変調方式を変更する。
ルータ同士が無線によって接続されているときに、前述のCSPF、OSPF−TE、RSVP−TEあるいはCL−LDPは、以下のような影響を受ける。無線伝送装置が自律的に変調方式を変更することによって伝送帯域が変化したり、トラヒック量の変動によって帯域が変化する場合、OSPF−TEは、リンクの利用可能帯域の情報を直ちにネットワーク内の他の全てルータに伝え、全てのルータのリンク情報データベースを更新しなければならない。さらに、更新された情報にもとづいてCSPFが正確な経路を算出し、また、更新された情報にもとづいてRSVP−TEあるいはCL−LDPは、経路設定要求の可否を判断しなければならない。
しかしながら、無線伝送装置がルータと独立して動作していると、無線伝送装置が自律的に帯域を制御した後、ルータによる無線リンクの利用可能帯域の把握に遅延が生じる。これは、通信に先立ち経路を明示的に設定し、経路上のルータによる通信に必要な帯域の確保が正確に行えなくなり、結果として通信品質の保証や、ネットワーク上の帯域資源の有効利用が困難になることに相当する。また、無線回線において経路の帯域が予約されているときに、無線伝送装置がこれを無視して帯域を変更すると、その経路の通信が保証できなくなる可能性がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、無線回線によって接続されたルータ間において、通信に与える影響を抑えつつ通信帯域を制御する帯域制御技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のMPLSルータは、無線回線を介して接続された少なくともひとつの隣接のMPLSルータとの通信を実行すべき無線装置に接続するインターフェイス部と、MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域の情報を記憶する記憶部と、記憶部において記憶される情報を参照しつつ、インターフェイス部によって接続された無線装置と、隣接のMPLSルータとの間の無線回線での通信帯域を制御する制御部とを備える。インターフェイス部は、MPLSにおいて設定された隣接のMPLSルータと通信すべき無線装置から、当該MPLSルータとの間の無線回線での通信速度の低下の要求を受信し、制御部は、通信速度を低下させる場合における無線回線の通信帯域を導出する手段と、導出した通信帯域と、記憶部において記憶される情報との比較の結果に応じて、隣接のMPLSルータとの間の無線回線に割り当てられた通信のうち、無線回線に収容できなくなる通信を特定する手段と、特定した通信に対する解放処理を実行した後に、無線装置に対して、通信速度の低下を指示する手段とを含む。
「通信速度の低下の要求」とは、通信速度の低下の要求を示す信号を示すが、これに限られず、無線回線の品質の悪化を示す信号や無線回線の品質を示す信号であってもよく、通信速度の低下の要求が認識できるような信号であればよい。無線回線の品質の悪化を示す信号の場合、無線回線の品質の悪化と通信速度の低下とを予め対応づけておけば、無線回線の悪化の低下を示す信号を受けつければ、通信速度の低下の要求を認識できる。また、無線回線の品質を示す信号の場合、無線回線の品質がしきい値よりも悪化していれば、無線回線の品質の悪化を認識でき、その結果、前述のごとく、通信速度の低下の要求を認識できる。
この態様によると、通信速度を低下させる場合においても、収容できなくなる通信に対する解放処理を先に実行するので、通信に与える影響を抑えつつ通信帯域を制御できる。
制御部は、無線回線に収容できなくなる経路を特定する際に、迂回させるため隣接のMPLSルータとは別のMPLSルータを検出し、検出した別のMPLSルータに、特定した通信を割り当てる。この場合、通信速度を低下させる場合においても、迂回させるため別の隣接のルータを検出してから、通信速度の低下を指示するので、別の隣接のルータを介して、通信速度の低下によって含まれなくなる通信帯域に対応した経路の通信を継続でき、通信に与える影響を抑えつつ通信帯域を制御できる。
本発明の別の態様もまた、MPLSルータである。このMPLSルータは、無線回線を介して接続された少なくともひとつの隣接のMPLSルータとの通信を実行すべき無線装置に接続するインターフェイス部と、MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域の情報を記憶する記憶部と、記憶部において記憶される情報を参照しつつ、インターフェイス部によって接続された無線装置と、隣接のMPLSルータとの間の無線回線での通信帯域を制御する制御部とを備える。インターフェイス部に接続された無線装置は、複数の通信速度に対応しており、制御部は、隣接のMPLSルータとの間の無線回線での通信帯域に対して、複数の通信速度のそれぞれに対応付ながら複数のクラスを予め規定しており、インターフェイス部を介して無線装置から通信速度の低下の要求を受信すると、通信速度を低下させる場合における無線回線の通信帯域を導出する手段と、導出した通信帯域と、記憶部において記憶される情報との比較の結果に応じて、無線回線に収容できなくなるクラスに割り当てた通信のうち、少なくともひとつを解放した後に、無線装置に対して、通信速度の低下を指示する手段とを含む。
この態様によると、通信速度を低下させる場合においても、通信速度の低下によって収容されなくなるクラスに割り当てた通信を解放させた後に、通信速度の低下を指示しているので、通信に与える影響を抑えつつ通信帯域を制御できる。
制御部は、インターフェイス部を介して通信速度の低下の要求を受信すると、通信速度の低下によって収容されなくなるクラスを特定し、特定したクラスに割り当てられた通信が、通信速度の低下によっても収容されるクラスに割り当てられるかを調査し、割り当てられなければ通信の少なくともひとつを解放してもよい。この場合、割り当てられる場合には、通信を継続するので、通信に与える影響を抑えつつ通信帯域を制御できる。
制御部は、各通信に対して優先度を予め付与しており、優先度の高い通信から、所定のクラスを割り当てる。この場合、優先度の高い通信を維持する可能性を向上できる。
本発明のさらに別の態様は、帯域制御方法である。この方法は、無線回線を介して接続された少なくともひとつの隣接のMPLSルータとの通信を実行すべき無線装置に接続しながら、MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域の情報を参照しつつ、接続された無線装置と、隣接のMPLSルータとの間の無線回線での通信帯域を制御する帯域制御方法であって、MPLSにおいて設定された隣接のMPLSルータと通信すべき無線装置から、当該MPLSルータとの間の無線回線での通信速度の低下の要求を受信すると、通信速度を低下させる場合における無線回線の通信帯域を導出するステップと、導出した通信帯域と、MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域の情報との比較の結果に応じて、隣接のMPLSルータとの間の無線回線に割り当てられた通信のうち、無線回線に収容できなくなる通信を特定するステップと、特定した通信に対する解放処理を実行した後に、無線装置に対して、通信速度の低下を指示するステップとを含む。
本発明のさらに別の態様もまた、帯域制御方法である。この方法は、無線回線を介して接続された少なくともひとつの隣接のMPLSルータとの通信を実行すべき無線装置であって、かつ複数の通信速度に対応した無線装置に接続しながら、MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域の情報を参照しつつ、接続された無線装置と、隣接のMPLSルータとの間の無線回線での通信帯域を制御する帯域制御方法であって、MPLSにおいて設定された隣接のMPLSルータとの間の無線回線での通信帯域に対して、複数の通信速度のそれぞれに対応付ながら複数のクラスを予め規定している場合において、無線装置から通信速度の低下の要求を受信すると、通信速度を低下させる場合における無線回線の通信帯域を導出するステップと、導出した通信帯域と、MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域の情報との比較の結果に応じて、無線回線に収容できなくなるクラスに割り当てた通信のうち、少なくともひとつを解放した後に、無線装置に対して、通信速度の低下を指示するステップとを含む。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、無線回線によって接続されたルータ間において、通信に与える影響を抑えつつ通信帯域を制御できる。
(実施例1)
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例1は、無線装置を備えたルータによって構成される通信システムに関する。本実施例に係るルータは、無線回線を介して、別のルータと通信できる。ここで、通信システム内にルータは複数設けられているので、それらを接続すべき無線回線も複数存在する。これらの無線回線は、干渉を低減するために互いに異なった周波数を使用しているものとする。また、ひとつの無線回線において、双方向の通信を実行するために、TDDが適用されているものとする。さらに、双方向の通信のトラヒック量が非対称である場合においても、双方向の通信のそれぞれに対して十分な帯域を提供するために、トラヒック量に応じて、双方向の通信に対する通信帯域の割合が変更される(ここで、ひとつのルータに着目して、一方を「送信側」としてその通信帯域を「送信用帯域」といい、他方を「受信側」として、その通信帯域を「受信用帯域」という)。
例えば、送信側のトラヒック量が、受信側のトラヒック量よりも大きくなれば、ルータは、送信用帯域の割合を受信用帯域の割合よりも大きくする。なお、本実施例に係る通信システムは、MPLSに対応している。ルータは、OSPF−TEによって、リンク情報および帯域情報を収集する。また、ルータは、CSPFによって経路を決定し、RSVP−TE等の帯域を予約するシグナリングプロトコルによって、通信に必要な帯域を経路上のルータに確保する。なお、帯域予約プロトコルによって経路上のルータに構築されたMPLSのデータ転送路を、「通信パス」と呼ぶことにする。もし、このようなOSPF-TEやCSPF、帯域予約プロトコルによる通信帯域の確保とは無関係に無線装置による無線回線の通信帯域の制御が独立してなされれば、データが正常に転送されない場合もありえる。その結果、通信が中断され、通信の品質が悪化する。これを改善するために、実施例に係るルータは、MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域をもとに、無線回線の通信帯域の制御を実行する。
なお、本実施例についての課題は、以下のように示されてもよい。TDDにおける送信用帯域と受信用帯域をトラヒック量に応じて動的に変化させる無線装置が開発されている。しかしながら、無線装置とルータとを接続して通信システムが構築された場合、ルータと無線装置とが独立して動作するので、無線装置での帯域制御機能を有効に使用できなかった。すなわち、ルータにおける経路設定処理において、通信システム全体からの通信の需要に応じて、無線帯域が制御されていなかったので、通信システム全体の無線帯域資源を有効に活用できなかった。
図1は、本発明の実施例1に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、ノード10と総称される第1ノード10a、第2ノード10b、第3ノード10c、第4ノード10d、第5ノード10e、第6ノード10f、第7ノード10g、第8ノード10h、第9ノード10i、第10ノード10jを含む。
通信システム100は、複数のノード10によって構成される。ノード10は、ルータの機能を備えつつ、無線通信の機能を備える。図におけるノード10間を接続する点線、例えば、第1ノード10aと第2ノード10bを接続する点線は、無線回線に相当する。以下、点線によって接続されたノード10を隣接したノード10と呼ぶ。例えば、第1ノード10aに対して、隣接したノード10は、第2ノード10b、第6ノード10fに相当する。ノード10は、MPLSに対応する。MPLSは公知の技術であるので説明を省略する。また、ノード10のそれぞれには、端末装置やサーバ等が接続されているが、これらの図示を省略する。
図2は、ノード10の構成を示す。ノード10は、無線装置12と総称される第1無線装置12a、第2無線装置12b、ルータ14を含む。第1無線装置12aは、第1アンテナ16a、第1無線伝送制御部18a、第1制御信号IF部20a、第1無線伝送処理部22a、第1無線IF部24aを含み、第2無線装置12bは、第2アンテナ16b、第2無線伝送制御部18b、第2制御信号IF部20b、第2無線伝送処理部22b、第2無線IF部24bを含む。ここで、第1アンテナ16a、第2アンテナ16bは、アンテナ16と総称され、第1無線伝送制御部18a、第2無線伝送制御部18bは、無線伝送制御部18と総称され、第1制御信号IF部20a、第2制御信号IF部20bは、制御信号IF部20と総称され、第1無線伝送処理部22a、第2無線伝送処理部22bは、無線伝送処理部22と総称され、第1無線IF部24a、第2無線IF部24bは、無線IF部24と総称される。
ルータ14は、通信部26、無線装置制御部28と総称される第1無線装置制御部28a、第2無線装置制御部28b、伝送管理部30、OSPF−TEプロトコル処理部32、通信パス設定プロトコル処理部34、CSPF計算部36、記録部38、無線帯域制御部40を含む。また、通信部26は、ルータIF部42と総称される第1ルータIF部42a、第2ルータIF部42b、交換処理部44を含み、記録部38は、ネットワークリンク情報DB46、自ルータリンク情報DB48を含む。
無線装置12は、図示しない他のノード10に含まれた無線装置12と通信する。図2では、ふたつの無線装置12を示しているが、それぞれは、別のノード10に含まれた無線装置12と通信する。例えば、図2が、図1の第1ノード10aである場合、第1無線装置12aは、図1の第2ノード10bと通信し、第2無線装置12bは、図1の第6ノード10fと通信する。ここで、第1無線装置12aと第2無線装置12bは、同様の構成をなしているので、ここでは、いずれか一方として、あるいはそれらを総称したものとして説明するが、説明されていない方にも適用できる。なお、ノード10に含まれるべき無線装置12の数は「2」に限定される必要はなく、それ以上であってもよく、さらに、有線の通信装置が含まれてもよい。
無線伝送処理部22は、アンテナ16を介して、図示しない他のノード10に含まれた無線装置12と通信する。無線伝送処理部22には、パケットの送受信機能、周波数変換機能、変復調機能等が含まれている。当該通信に使用される無線周波数は、特定の周波数に定められており、他の通信に使用される無線周波数との干渉を低減するような値に規定されている。また、無線伝送処理部22は、TDDを実行する。TDDを実行する際、送信用帯域の割合と受信用帯域の割合は、無線伝送制御部18からの制御にしたがって変化する。すなわち、送信側が受信側よりも多くの帯域を必要とする場合、送信用帯域の割合が受信用帯域の割合よりも大きくなるように制御される。以下、送信用帯域の割合と受信用帯域の割合を変化させるような制御は、「帯域制御」に含める。
無線伝送処理部22における帯域制御は、互いに通信を実行しているふたつの無線伝送処理部22のうち、一方が制御するようになっており、他方は当該制御にしたがって動作する。どちらが帯域制御を行うかは、予め無線伝送処理部22に設定されているものとする。これは、ユーザによって予め設定されてもよい。または、無線伝送処理部22に割り当てられたMACアドレス等のアドレスを比較し、アドレスの値の大きい方が帯域制御を行うという規則を予め規定しておき、当該規則にしたがって帯域制御を実行すべき無線伝送処理部22が設定されてもよい。
無線IF部24は、ルータ14と無線装置12との間において、送受信すべきパケットに対する無線装置12側のインターフェイスとなる。すなわち、無線IF部24は、無線伝送処理部22からのパケットをルータ14に出力し、ルータ14からのパケットを無線伝送処理部22に出力する。また、無線IF部24とルータ14との間は、所定のケーブルによって接続されているものとする。
無線伝送制御部18は、無線伝送処理部22に対する制御を実行する。特に、前述のごとく、無線伝送処理部22に対して、帯域制御を指示する。例えば、無線伝送制御部18は、無線伝送処理部22に対して、送信側帯域の割合を増加し、受信側帯域の割合を減少するような指示を出力する。このような帯域制御を実行するために、無線伝送制御部18は、制御信号IF部20を介して、ルータ14から指示を入力する。制御信号IF部20は、無線状態のデータをルータに出力したり、無線を制御するためのデータをルータから入力したりする。また、無線伝送制御部18は、無線伝送処理部22での無線伝送路の状態を取得する。例えば、無線伝送路におけるパケットの送受信可否状態、通信速度、通信モード、誤り率等を取得する。無線伝送制御部18は、制御信号IF部20を介して、取得した無線伝送路の状態を出力する。
ルータIF部42は、無線IF部24に接続する。すなわち、ルータIF部42は、隣接したノード10に含まれた隣接のルータ14であって、かつ無線回線を介した少なくともひとつの隣接のルータ14との通信を実行すべき無線装置12に接続する。ルータIF部42は、ルータ14同士を接続するための複数の伝送インターフェイス、すなわちポートに相当する。ルータIF部42は、ポート毎に具備され、隣接したルータ14からのパケットの受信処理および隣接したルータ14へのパケットの送信処理を実行する。ここで、ルータIF部42は、少なくともひとつの隣接のルータ14のそれぞれに対応するように、少なくともひとつの無線装置12のそれぞれと接続する。そのため、前述のごとく、ルータ14が3つ以上の無線装置12を接続していれば、それに対応して、3つ以上のルータIF部42が備えられる。
交換処理部44は、ルータIF部42から入力するパケットであって、かつ受信したパケットの宛先情報を参照し、パケットの出力先を決定し、その出力先に対応したルータIF部42にパケットを出力する。伝送管理部30は、無線装置制御部28あるいはルータIF部42のそれぞれから通知される無線伝送路の状態を管理する。例えば、無線伝送路におけるパケットの送受信可否状態、通信速度、通信モードを管理する。無線伝送路の状態に変化が発生したら、OSPF−TEプロトコル処理部32および通信パス設定プロトコル処理部34に通知する。
OSPF−TEプロトコル処理部32は、OSPF−TEを実行する。OPSF−TEについては、説明を省略する。OSPF−TEプロトコル処理部32は、自らのルータ14のリンク状態広告を隣接したルータ14に配信する。また、隣接したルータ14から受信する他のルータ14のリンク状態広告の内容を後述のネットワークリンク情報DB46に反映させる。さらに、OSPF−TEプロトコル処理部32は、別の隣接したルータ14に、反映させた内容を配信する。なお、隣接したルータ14と情報を交換するためのメッセージのパケットは、交換処理部44を介して送受信される。
ネットワークリンク情報DB46は、自らのルータ14のリンク状態情報および通信システム100の他のルータ14のリンク状態情報を記録する。CSPF計算部36は、CSPFを実行する。すなわち、後述の通信パス設定プロトコル処理部34からの要求にしたがって、所望の条件を満たす宛先までの経路を導出する。
自ルータリンク情報DB48は、自らのルータ14と隣接したルータ14間のリンク状態情報と利用可能帯域情報を記録する。リンク状態情報には、伝送管理部30から入力した伝送路送受信可否状態が反映される。利用可能帯域には、後述の通信パス設定プロトコル処理部34から入力したパス設定要求の受付の結果が反映される。また、自ルータリンク情報DB48は、各リンクに含まれる経路の情報も記録する。図3は、自ルータリンク情報DB48に記録されたデータの構造を示す。データは、ルータ名欄110、変調方式欄112、送信用帯域欄114、送信用利用可能帯域欄116、受信用帯域欄118、受信用利用可能帯域欄120、通信パス(送信帯域、受信帯域)欄122を含む。ここでは、第1ノード10aのルータ14に含まれる自ルータリンク情報DB48のデータ構造を示す。なお、図では、経路の送信元、宛先等の情報を省略する。
ルータ名欄110は、パケットを次に送信すべきルータ14の名称を示す。変調方式欄112は、パケットを次に送信すべきルータ14との無線回線において使用されている変調方式を示す。図示のごとく、「16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)」と「QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)」が使用されている。変調方式が変われば、通信速度も変わるので、変調方式欄112は、通信速度を示しているともいえる。例えば、「16QAM」は、「QPSK」の2倍の通信速度を示す。また、通信速度が変われば、通信帯域も変わるので、変調方式欄112は、通信帯域を示しているともいえる。送信用帯域欄114は、無線回線において、TDDの送信側に割り当てられた帯域を示す。送信用利用可能帯域欄116は、送信用帯域欄114に示された送信用帯域のうち、新たな通信パスに対して割り当て可能な帯域を示す。
受信用帯域欄118は、無線回線において、TDDの受信側に割り当てられた帯域を示す。受信用利用可能帯域欄120は、受信用帯域欄118に示された受信用帯域のうち、新たな通信パスに割当可能な帯域を示す。通信パス(送信帯域、受信帯域)欄122は、既に割り当てられている通信パスの送信用帯域と受信用帯域の情報を示す。通信パス(送信帯域、受信帯域)欄122に示された経路のうち、送信用帯域の値を積算すれば、送信用帯域欄114の値から送信用利用可能帯域欄116の値を減算した値に相当する。一方、通信パス(送信帯域、受信帯域)欄122に示された経路のうち、受信用帯域の値を積算すれば、受信用帯域欄118の値から受信用利用可能帯域欄120の値を減算した値に相当する。
図2に戻る。通信パス設定プロトコル処理部34は、CSPF計算部36によって導出された経路にしたがって、宛先のルータ14まで、パス設定要求を転送する。パス設定要求を中継すべき途中のルータ14では、自ルータリンク情報DB48を参照して、パス設定要求に含まれた通信条件に対して、経路に含まれる自ルータのリンクが条件を満たすかを調べる。ここで、通信条件とは、通信において要求される通信帯域に相当し、経路に含まれる自ルータのリンクが条件を満たすかは、利用可能帯域があるか等に依存する。条件を満たせば、パス設定要求を受けつけ、自ルータリンク情報DB48の内容を更新し、経路上の次のルータ14にパス設定要求を送信する。ここで、自ルータリンク情報DB48の内容の更新は、利用可能帯域を減らす等の処理に対応する。また、パス設定要求の送受信は、交換処理部44を介して行われる。
無線帯域制御部40は、自ルータリンク情報DB48を参照しつつ、各経路に対応した隣接のルータ14との間の無線回線での通信帯域を制御する。ここで、無線帯域制御部40は、無線回線での通信帯域の制御として、TDDにおける送信用帯域と受信用帯域の割合を制御する。すなわち、無線帯域制御部40は、自ルータリンク情報DB48の内容にもとづき、各ポートに接続される無線装置12の帯域に対して、送信用帯域と受信用帯域の割合を決定する。さらに、無線帯域制御部40は、後述の無線装置制御部28を介して、その結果を無線装置12に指示したり、その結果を自ルータリンク情報DB48に反映させたりする。なお、前述のごとく、ふたつのルータ14にそれぞれ含まれた無線装置12であって、かつ対になっているふたつの無線装置12のうち、一方が帯域制御を実行する。無線帯域制御部40は、隣接したルータ14との間において、無線帯域を制御すべき方を決定する。
ここで、無線帯域制御部40は、次のように、送信用帯域と受信用帯域の割合を導出する。
Figure 2006287549
無線帯域制御部40は、自ルータリンク情報DB48のうちの送信用利用可能帯域と受信用利用可能帯域に対して、これらの帯域を分割しながら、送信用帯域と受信用帯域に割り当てる。その結果、無線帯域制御部40は、TDDにおける送信用帯域と受信用帯域の割合を制御する。以上のごとく、無線帯域制御部40は、このような通信帯域の制御において、送信用使用帯域あるいは受信用使用帯域を使用している。送信用使用帯域あるいは受信用使用帯域には、OSPF-TEプロトコルとCSPF経路計算アルゴリズムの結果が反映されているので、無線帯域制御部40は、通信システム100全体の通信帯域を反映しながら、無線回線の通信帯域を制御しているといえる。なお、以上の通信帯域の制御は、無線装置12のそれぞれに対してなされる。
図4(a)−(b)は、無線帯域制御部40における帯域制御の概要を示す。図4(a)は、帯域制御を実行する前の通信帯域の割当を示す。すなわち、送信用帯域と受信用帯域の割合が等しく、それぞれ50Mbpsとなっている。ここで、送信側の使用帯域が40Mbpsであるので、送信側の利用可能帯域が10Mbpsしかないとする。一方、受信側の使用帯域が6Mbpsであるので、受信側の利用可能帯域が44Mbpsであるとする。図4(b)は、図4(a)の状態に対して帯域制御を実行した結果であり、送信用帯域と受信用帯域の割合が変更されている。すなわち、送信用帯域が67Mbpsになり、受信用帯域が33Mbpsになっている。この場合、受信側の利用可能帯域は、44Mbpsから27Mbpsに減少しているが、送信側の利用可能帯域は、10Mbpsから27Mbpsに増加している。その結果、送信側の利用可能帯域と受信側の利用可能帯域が等しくなる。以上の制御によって、送信側の通信需要が受信側の通信需要よりも明らかに多ければ、帯域の有効利用が可能になる。
図2に戻る。無線装置制御部28は、無線帯域制御部40において制御した無線回線での通信帯域を無線装置12に設定する。また、無線装置制御部28によってなされた通信帯域の設定は、自ルータリンク情報DB48に反映される。このように、無線装置制御部28は、無線装置12との通信に対する制御信号を入出力する。すなわち、無線装置制御部28は、帯域制御に関する情報を無線装置12に出力したり、誤り率等の無線伝送路の特性を無線装置12から受けとる。また、無線装置制御部28は、ルータ14に接続される無線装置12の数に応じて設けられる。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされた帯域制御機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
以上の構成によるルータ14の動作を説明する。自ルータリンク情報DB48には、自らのルータ14と隣接したルータ14の間に対して、無線回線の送信側と受信側のそれぞれの利用可能帯域が保持される。隣接したルータ14からパス設定要求を受信した場合、あるいは自らのルータ14がCSPF計算によってパス設定要求を発生させた場合、通信パス設定プロトコル処理部34は、経路上、次の隣接したルータ14との間における利用可能帯域と、要求される帯域とを比較する。その結果、利用可能帯域が要求される帯域よりも多ければ、当該要求を受けつけるものと判断して、利用可能帯域から要求される帯域を減算する。また、隣接したルータ14からパス設定要求を受信した場合は、経路上、前の隣接したルータ14との間における利用可能帯域から、要求される帯域を減算する。一方、隣接したルータ14からパス削除要求を受信した場合、あるいは自らのルータ14がパス削除要求を発生させた場合、通信パス設定プロトコル処理部34は、経路上、次の隣接したルータ14との間における利用可能帯域に要求される帯域を加算する。さらに、通信パス設定プロトコル処理部34は、ルータIF部42を介して、経路上、次の隣接したルータ14に、パス設定要求とパス削除要求を送信する。
これに対して、無線帯域制御部40は、所定周期を単位にして、自ルータリンク情報DB48に記録されたの各経路に対する利用可能帯域を参照する。利用可能帯域の変化がしきい値よりも大きかった場合、無線帯域制御部40は、前述のごとく、送信用帯域と受信用帯域の割合を導出する。導出された割合は、無線装置制御部28を介して、無線伝送制御部18に指示される。無線伝送制御部18は、指示された割合にしたがって、無線伝送処理部22を制御する。制御が完了すれば、無線伝送制御部18は、制御信号IF部20を介して、ルータ14に制御の完了を報告する。無線装置制御部28を介して制御完了を入力した無線帯域制御部40は、送信用帯域と受信用帯域の割合をもとに、送信側の利用可能帯域と受信側の利用可能帯域を自ルータリンク情報DB48に反映させる。さらに、無線帯域制御部40は、OSPF−TEプロトコル処理部32に利用可能帯域の変化を通知する。OSPF−TEプロトコル処理部32では、利用可能帯域が減少したリンク情報を通信システム100内のルータ14に認識させるため、隣接したルータ14に対してリンク状態広告を送信する。
このような動作によって、例えば、送信側の利用可能帯域が著しく少なくなっているが、受信側の利用可能帯域が十分ある場合に、送信用帯域と受信用帯域の割合を変えることができる。そのため、送信側の利用可能帯域を増やし、受信側の利用可能帯域を減らせる。結果的に、無線帯域を有効に利用できる。
図5は、ルータ14における帯域制御の手順を示すシーケンス図である。通信パス設定プロトコル処理部34は、パス設定要求を入力する(S10)。通信パス設定プロトコル処理部34は、自ルータリンク情報DB48における利用可能帯域の情報を参照する(S12)。通信パス設定プロトコル処理部34は、利用可能帯域から要求される帯域を減算する(S14)。通信パス設定プロトコル処理部34は、減算した結果を自ルータリンク情報DB48に反映させる(S16)。さらに、通信パス設定プロトコル処理部34は、ルータIF部42を介して、パス設定要求を送信する(S18)。一方、無線帯域制御部40は、タイマが満了すると(S20)、自ルータリンク情報DB48における利用可能帯域を参照する(S22)。
無線帯域制御部40では、利用可能帯域の変化がしきい値よりも大きいことを検出する(S24)。無線帯域制御部40は、帯域を導出し(S26)、制御した帯域の設定を第1無線装置制御部28aに指示する(S28)。第1無線装置制御部28aは、無線装置12に対して、設定を指示する(S30)。第1無線装置制御部28aは、設定の完了を受けると、これを無線帯域制御部40に報告する(S32)。無線帯域制御部40は、制御を完了させる(S34)。無線帯域制御部40は、利用可能帯域を設定し(S36)、これを自ルータリンク情報DB48に反映する(S38)とともに、OSPF−TEプロトコル処理部32に通知する(S40)。
図6は、通信パス設定プロトコル処理部34における帯域制御の手順を示すフローチャートである。通信パス設定プロトコル処理部34は、要求信号を受信する(S50)。要求信号が設定を要求していれば(S52のY)、自ルータリンク情報DB48から利用可能帯域を取得する(S54)。要求される帯域が利用可能帯域以下であれば(S56のY)、通信パス設定プロトコル処理部34は、利用可能帯域から要求される帯域を減算し(S58)、減算結果を自ルータリンク情報DB48に書き込む(S60)。通信パス設定プロトコル処理部34は、ルータIF部42を介して、設定の要求信号を送信する(S62)。要求される帯域が利用可能帯域以下でなければ(S56のN)、通信パス設定プロトコル処理部34は、ルータIF部42を介して、設定要求の拒否を送信する(S64)。
一方、要求信号が設定を要求していなければ(S52のN)、すなわち解放を要求していれば、自ルータリンク情報DB48から利用可能帯域を取得する(S66)。通信パス設定プロトコル処理部34は、利用可能帯域に要求される帯域を加算し(S68)、加算結果を自ルータリンク情報DB48に書き込む(S70)。通信パス設定プロトコル処理部34は、ルータIF部42を介して、解放の要求信号を送信する(S72)。
図7は、無線帯域制御部40における帯域制御の手順を示すフローチャートである。無線帯域制御部40は、所定の周期で自ルータリンク情報DB48での利用可能帯域をチェックする(S80)。利用可能帯域の変化がしきい値より大きければ(S82のY)、無線帯域制御部40は、送信用帯域、受信用帯域の割合を計算する(S84)。無線帯域制御部40は、無線装置制御部28に対して、割合の変更を指示する(S86)。また、無線帯域制御部40は、無線装置制御部28から変更の完了を入力すると(S88)、利用可能帯域を自ルータリンク情報DB48に反映し、OSPF−TEプロトコル処理部32にその旨を通知する(S90)。一方、利用可能帯域の変化がしきい値より大きくなければ(S82のN)、処理を終了する。
本発明の実施例によれば、利用可能帯域情報を参照しつつ、無線回線での通信帯域を制御するので、ネットワーク全体での通信帯域を考慮しながら、無線回線の通信帯域を制御できる。また、通信に与える影響を抑えつつ、通信帯域を制御できる。また、通信対象となる隣接のルータのそれぞれに対応するように、通信帯域を制御できる。また、隣接のルータとの間の無線回線のそれぞれに適した通信帯域の制御を実行できる。また、TDDにおける送信用帯域と受信用帯域の割合を制御するので、通信帯域を有効に利用できる。また、利用可能帯域を分割して、送信用帯域と受信用帯域に割り当てるので、送信用帯域と受信用帯域のうちのいずれかに対して、使用帯域が大きくても、利用可能帯域を割り当てることができる。また、送信用帯域と受信用帯域のうち、トラヒックの大きい方に対して、利用可能帯域を割り当てられるので、通信帯域を有効に利用できる。また、通信帯域の実際の設定を利用可能帯域情報に反映できる。また、ルータが能動的に無線装置の送信用帯域と受信用帯域を制御するので、通信システム全体の無線帯域資源を有効に利用できる。また、ルータにおいて経路を設定する処理と、無線装置において通信帯域を制御する処理とを緊密に連携できる。
(実施例2)
本発明の実施例2は、実施例1と同様に、無線装置を接続したルータに関する。さらに、実施例2に係る無線装置は、適応変調に対応しており、無線伝送路の特性に応じて変調方式を変更する。すなわち、無線伝送路の特性が悪化すると、無線装置は、誤り耐性の強い変調方式への変更を実行する。例えば、16QAMからQPSKへの変更を実行する。その結果、通信速度が低下し、通信帯域も減少する。一方、前述のごとく、無線装置に接続されたルータは、MPLSに対応する。
このような状況下において、もし、MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域と、適応変調とが無関係に実行されると、適応変調による通信帯域の減少によって、帯域予約プロトコルによって帯域が確保されて転送できるはずのデータが、実際には転送できないということも起こりえる。その結果、通信が中断され、通信の品質が悪化する。これを改善するために、実施例に係るルータは、無線装置から、低いオーダへの変調方式の変更の通知を受信すると、通信帯域の減少量に相当する通信パスを迂回させるための通信パス(以下、「迂回経路」という)を探し、迂回経路が見つかれば、迂回経路を使用しつつ、もとの無線回線での変調方式を変更させる。また、迂回経路が見つからなくても、通信パスの切断を実行してから、変調方式を変更させる。
なお、本実施例についての課題は、以下のように示されてもよい。適応変調に対応した無線装置とルータを接続することによって、通信システムを構築した場合、ルータと無線装置は独立して動作していれば、無線装置が自律的に変調方式を変更することによって、通信帯域が減少する。その結果、無線回線に既に設定してあった通信パスが収容されなくなったときに、ルータは当該通信パスに対する迂回経路を適切に設定できなかった。
実施例2に係る通信システム100は、図1の通信システム100と同一のタイプであり、ノード10は、図2のノード10と同一のタイプであるので、説明を省略する。以下、図2のノード10について、実施例1との相違点を説明する。無線伝送制御部18では、無線伝送処理部22が通信している隣接したルータ14との間の無線回線に対して、誤り率を導出する。無線伝送制御部18は、受信側の誤り率を測定する。一方、送信側の誤り率について、無線伝送制御部18は、通信対象となる無線装置12に含まれた無線伝送制御部18において測定された誤り率を入力する。また、無線伝送処理部22は、複数種類の変調方式に対応しており、これは、複数種類の通信速度に対応していることに相当する。
無線装置制御部28は、制御信号IF部20を介して、無線伝送制御部18に接続している。無線装置制御部28は、無線伝送制御部18から、隣接したルータ14との間の無線回線における変調方式の変更の通知を受け取る。これは、変調方式の低いオーダへの変更を示した通知信号であってもよいし、無線伝送制御部18において測定された誤り率の値であってもよい。後者の場合において、誤り率の値がしきい値よりも悪化していれば、無線装置制御部28は、これを低いオーダへの変調方式の変更と認識する。
無線帯域制御部40は、変調方式を低いオーダに変更する場合における無線回線の通信帯域を導出する。また、導出した通信帯域と自ルータリンク情報DB48での情報を比較して、現在の使用帯域に含められている通信パスのうち、変調方式の変更によって無線回線に収容できなくなる通信パスを特定する。これは、変調方式を変更した場合における無線回線での通信帯域が、現在の使用帯域よりも小さい場合に相当する。無線帯域制御部40は、通信パス設定プロトコル処理部34に通信パスを解放させた後に、変調方式の変更を決定する。また、通信パスを特定した後に、通信パス設定プロトコル処理部34は、現在の隣接のルータ14とは別の隣接のルータ14を迂回経路上の次の中継先ルータとして検出し、特定した通信パスを解放せずに迂回させてもよい。
なお、前述のごとく、対象となるひとつの隣接のルータ14に、複数の通信パスが割り当てられている場合、すなわち、ひとつの無線回線に複数の通信パスが割り当てられている場合、通信パス設定プロトコル処理部34は、複数の通信パスのそれぞれを単位にして、通信パスの解放や、迂回経路上の次の中継先ルータとして別の隣接のルータ14への割当を実行する。例えば、ひとつの隣接のルータ14に対して、「10」の通信パスが割り当てられていた場合であって、かつ低いオーダへの変調方式の変更によって「8」の通信パスまでしか割り当てられなくなった場合、通信パス設定プロトコル処理部34は、残りの「2」の通信パスに対して、解放や、別の隣接のルータ14への迂回を決定する。また、通信パス設定プロトコル処理部34は、迂回のための別の隣接のルータ14を検出したときに、当該別の隣接のルータ14に対応した無線装置12の使用を決定する。
以上の構成によるルータ14の動作を説明する。高いオーダの変調方式が使用されれば、通信帯域が大きくなるが、降雨などの環境条件によって、誤り率が上昇しやすくなる。すなわち、通信品質が悪化しやすくなる。無線伝送制御部18は、無線回線における誤り率を定期的に測定し、誤り率が悪化したときに、より低いオーダの変調方式への切り替えを通知する。しかしながら、より低いオーダの変調方式に切り替えられれば、通信帯域は小さくなる。無線伝送制御部18は、誤り率の悪化を検出した場合、制御信号IF部20を介して、通信品質の悪化を無線装置制御部28に通知する。無線装置制御部28は、通信品質の悪化を無線帯域制御部40に伝える。無線帯域制御部40は、無線装置12において変調方式が切り替えられた場合を想定して、通信帯域を制御する。すなわち、切り替えによって通信帯域が減少するので、無線帯域制御部40は、送信用帯域と受信用帯域に対する通信パスの割当を再計算する。さらに、無線帯域制御部40は、計算した結果を通信パス設定プロトコル処理部34に通知する。
通信パス設定プロトコル処理部34では、通信帯域の減少の結果、当該無線回線に含めることができなくなった通信パスに対して、迂回経路への切替処理を行う。切替処理の対象となる通信パスが、自らのルータ14を起点にして設定されていた場合、当該通信パスに対して、パス削除要求の処理を行う。その際、パス削除要求が、経路上の次の隣接のルータ14に送信される。さらに、通信パス設定プロトコル処理部34は、当該通信パスに対してなされたCSPF計算の結果をもとに、別の隣接のルータ14を使用する迂回経路を導出する。迂回経路が検出されれば、通信パス設定プロトコル処理部34は、当該迂回経路に対する新規のパス設定要求の処理を開始する。その際、パス設定要求が、経路上次の隣接のルータ14に送信される。切替処理の対象となる通信パスが、自らのルータ14を起点にして設定されていなかった場合、当該通信パスに対して、パス削除要求の処理を行う。その際、パス削除要求が、経路上前と次の隣接のルータ14に送信される。通信パス設定プロトコル処理部34では、以上の処理が完了すると、その旨を無線帯域制御部40に伝える。
無線帯域制御部40は、無線装置制御部28を介して、既に行った帯域制御の結果、すなわち送信用帯域の割合と受信用帯域の割合を無線伝送制御部18に指示する。無線伝送制御部18は、指示された割合にしたがって、無線伝送処理部22における送信用帯域と受信用帯域との割合を制御する。制御が完了すれば、無線伝送制御部18は、制御信号IF部20を介して、ルータ14に制御の完了を報告する。無線装置制御部28を介して制御完了を受けつけた無線帯域制御部40は、送信用帯域と受信用帯域との割合をもとに、送信側の利用可能帯域と受信側の利用可能帯域を自ルータリンク情報DB48に反映させる。さらに、無線帯域制御部40は、OSPF−TEプロトコル処理部32に利用可能帯域の変化を通知する。OSPF−TEプロトコル処理部32では、利用可能帯域が減少したリンク情報を通信システム100内のルータ14に認識させるため、隣接したルータ14に対してリンク状態広告を送信する。
図8は、本発明の実施例2に係るルータ14における帯域制御の手順を示すシーケンス図である。第1無線装置制御部28aは、無線帯域制御部40に対して、変調方式の変更の通知を出力する(S100)。無線帯域制御部40は、自ルータリンク情報DB48における通信帯域の情報を参照する(S102)。無線帯域制御部40は、変調方式を変更した場合の通信帯域を導出し(S104)、その結果をもとに、通信パス設定プロトコル処理部34に経路設定を要求する(S106)。通信パス設定プロトコル処理部34は、迂回経路を設定し(S108)、その結果を無線帯域制御部40に報告する(S110)。
無線帯域制御部40は、帯域の制御を決定し(S112)、制御した帯域の設定を第1無線装置制御部28aに指示する(S114)。第1無線装置制御部28aは、無線装置12に対して、設定を指示する(S116)。第1無線装置制御部28aは、設定の完了を受けつけると、これを無線帯域制御部40に報告する(S118)。無線帯域制御部40は、制御を完了させる(S120)。無線帯域制御部40は、利用可能帯域を設定し(S122)、これを自ルータリンク情報DB48に反映する(S124)とともに、OSPF−TEプロトコル処理部32にも通知する(S126)。
図9は、無線帯域制御部40における帯域制御の手順を示すフローチャートである。無線帯域制御部40は、無線装置制御部28から、変調方式の変更の通知を受け取る(S130)。無線帯域制御部40は、自ルータリンク情報DB48での利用可能帯域をチェックする(S132)。無線帯域制御部40は、変調方式を変更した場合の送信用帯域、受信用帯域の割合を計算する(S134)。計算の結果、無線回線に含められなくなる通信パスが存在すれば(S136のY)、無線帯域制御部40は、通信パス設定プロトコル処理部34に迂回経路の設定を要求する(S138)。通信パス設定プロトコル処理部34が、迂回経路を設定すれば(S140のY)、無線帯域制御部40は、無線装置制御部28に変更を指示する(S142)。通信パス設定プロトコル処理部34が、迂回経路を設定しなければ(S140のN)、含められなくなる通信パスを解放してから(S148)、無線帯域制御部40は、無線装置制御部28に変更を指示する(S142)。一方、計算の結果、無線回線に含められなくなる通信パスが存在しなければ(S136のN)、無線帯域制御部40は、無線装置制御部28に変更を指示する(S142)。また、無線帯域制御部40は、無線装置制御部28から変更の完了を受け取ると(S144)、利用可能帯域を自ルータリンク情報DB48に反映し、OSPF−TEプロトコル処理部32にその旨を通知する(S146)。
本発明の実施例によれば、低いオーダへの変調方式の変更を実行する場合においても、収容できなくなる通信パスに対する解放処理を先に実行するので、通信に与える影響を抑えつつ通信帯域を制御できる。また、低いオーダへの変調方式の変更を実行する場合においても、迂回先の別の隣接のルータを検出してから、低いオーダへの変調方式の変更を指示するので、別の隣接のルータを介して、低いオーダへの変調方式の変更によって含まれなくなる通信帯域に対応した通信パスの通信を維持できる。また、ルータが能動的に無線装置の通信帯域を制御することによって、通信システム全体での無線帯域資源を有効に利用できる。
(実施例3)
本発明の実施例3は、実施例2と同様に、適応変調に対応した無線装置が接続されたルータに関する。前述のごとく、MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域と適応変調とが独立に実行されることによって、帯域予約プロトコルによって帯域が確保されて転送できるはずのデータが転送できないということも起こりえる。その結果、通信が中断され、通信の品質が悪化する。これを改善するために、実施例3に係るルータは、以下のように動作する。ルータは、複数の変調方式のそれぞれに対応するように、複数の通信帯域のクラスを設ける。例えば、BPSKに対応した通信帯域のクラス1、QPSKに対応した通信帯域のクラス2を設ける。
このような規定によれば、クラスが低くなるにつれて、適応変調によって通信帯域が減少しても、帯域が確保される傾向にある。また、ひとつの通信パスに対して優先順位を設け、ルータは、優先順位に応じて所定のクラスを割り当てる。データの容量を無視すれば、原則として優先順位の高い通信パスが、低いクラスに割り当てられる。適応変調によって通信帯域が減少されると、高いクラス、すなわち優先順位の低い通信パスが解放される。その結果、優先順位の高い通信パスは、維持されやすくなる。また、優先順位の低い通信パスに対する解放が決定されてから、ルータは、低いオーダへの変調方式の変更を実行する。
実施例3に係る通信システム100は、図1の通信システム100と同一のタイプであり、ノード10は、図2のノード10と同一のタイプであるので、説明を省略する。以下、図2のノード10について、実施例1や実施例2との相違点を説明する。無線帯域制御部40は、隣接のルータ14との間の無線回線での通信帯域に対して、複数の変調方式のそれぞれに対応付ながら複数のクラスを予め規定している。図10は、本発明の実施例3に係るルータ14でのクラスの設定を示す。ここでは、複数のクラスとして、「クラス1」から「クラスi」を規定する。また、それぞれのクラスは、特定の変調方式に対応しており、クラスが低くなるほど、通信速度の低い変調方式に対応する。例えば、「クラス1」は、BPSKに対応しており、「クラス2」は、QPSKに対応しており、「クラス3」は、16QAMに対応する。適応変調では、無線伝送路の特性が悪化すると、一般的に、通信速度の低い変調方式への切替がなされる。すなわち、16QAMをしていたときに無線伝送路の特性が悪化すれば、QPSKへの切替がなされる。これは、より低いクラスへの切替がなされることに相当する。
また、それぞれのクラスに対応するように、帯域が規定されている。すなわち、クラス1の変調方式に対応して、クラス1用帯域が規定され、クラス2の変調方式に対応して、クラス2用帯域が規定され、クラスiの変調方式に対応してクラスi用帯域が規定される。これらの帯域と前述の適応変調との関係は、以下のようになる。クラス2の変調方式が使用されているとき、クラス2用帯域とクラス1用帯域が確保される。また、クラス3の変調方式が使用されているとき、クラス3用帯域、クラス2用帯域、クラス1用帯域が確保される。すなわち、所定のクラスの変調方式が使用されているとき、当該クラス以下の帯域が確保される。その結果、適応変調によって所定のクラスの変調方式が使用される場合に、低いクラスの帯域ほど使用される可能性が高くなる。すなわち、クラス1用の帯域に近くなるほど、使用される可能性が高くなる。
図10において、それぞれのクラス用帯域には、前述のごとく、送信用利用可能帯域、送信用使用帯域、受信用利用可能帯域、受信用使用帯域が含まれる。例えば、「クラス1用帯域」には、「送信用利用可能帯域t1」、「送信用使用帯域T1」、「受信用利用可能帯域r1」、「受信用使用帯域R1」が含まれる。ひとつのクラスの帯域に対する制御は、無線帯域制御部40によって、実施例1と同様になされるが、ここでは説明を省略する。
図2に戻る。無線帯域制御部40は、各通信パスに対して優先度を予め付与している。すなわち、ひとつの無線回線には、実施例2と同様に複数の通信パスが割り当てられている。これらの通信パスには、優先度が予め割り当てられている。無線帯域制御部40は、優先度の高い通信パスから、所定のクラスを割り当てる。前述のごとく、低いクラスの帯域ほど使用できる可能性が高くなるので、基本的に、優先度の高い通信パスが低いクラスの帯域に割り当てられる。ここでは、説明を簡潔にするために、優先度の高い通信パスが低いクラスの帯域に割り当てられるものとする。
無線帯域制御部40は、無線装置制御部28を介して無線装置12から変調方式の変更、特に低いオーダへの変調方式の変更の通知を受信すると、変調方式の変更によって対応しなくなるクラスの帯域に割り当てた通信パスの少なくともひとつを通信パス設定プロトコル処理部34に解放させる。詳細に説明すると、無線帯域制御部40は、低いオーダへの変調方式の変更によって対応しなくなるクラスを特定する。例えば、クラス3からクラス2への変更の場合は、クラス3が対応しなくなるクラスに相当する。さらに、無線帯域制御部40は、特定したクラスに割り当てられた通信パスが、変調方式の変更によっても対応するクラスに割り当てられるかを調査する。前述の例において、クラス3用帯域に含まれた通信パスが、クラス1やクラス2の帯域に割り当てられるかを調査する。その結果、割り当てられなければ、無線帯域制御部40は、通信パス設定プロトコル処理部34に通信パスを解放させる。なお、解放させるときに、実施例2のように、迂回経路を検出させてもよい。以上の処理の終了後、無線帯域制御部40は、無線装置制御部28を介して、無線装置12に変調方式の変更を指示する。
以上の構成によるルータ14の動作を説明する。無線伝送において変調方式を変化させることによって、無線回線での通信帯域が減少すれば、実施例2のごとく、迂回経路に切替えなければならない通信パスが存在する場合がある。実施例3では、通信パスに対して予め優先度を付与しておき、どの通信パスを切替えるかを選択するための尺度とする。また、変調方式を切替えることによって通信帯域が変化するが、実施例3では、変調方式に対応した帯域幅にクラスを付与し、伝送に対する保証の尺度を与える。
すなわち、変調方式の種類に応じて、「クラス1用帯域」から「クラスi用帯域」が規定される。また、より高いオーダの変調方式を実行することによって得られる帯域幅に対して、大きい値のクラスが割当てられる。無線伝送路の特性の悪化によって誤り率が増加すると、適応変調がなされるので、より低いオーダの変調方式に切りかえられる。その結果、大きい値のクラスの帯域ほど、使用できなくなる確率が高くなるといえる。そのため、大きい値の優先度に対応した通信パスは重要度が低いといえ、大きい値のクラスの帯域が使用される。各クラスの帯域幅は固定である。各クラスの通信帯域は送信用帯域と受信用帯域に分割され、それらの割合は、無線帯域制御部40において、クラス毎に独立して動的に決定される。OSPF−TEによって配信されるリンク状態広告には、クラスを単位にして、送信用帯域と受信用帯域の情報が含まれる。さらに、通信パス設定要求においては通信パスの優先度を指定し、CSPF計算においては、通信対象となるクラスのうち、利用可能帯域が存在する無線回線を対象にしてパスを算出する。
無線帯域制御部40は、ひとつだけ低いオーダの変調方式への切替を実行するために、クラスi用帯域Biを削除の対象にする。クラスiでの送信用使用帯域Tiと受信用使用帯域Riの和と、ひとつ下のクラス(i−1)での送信用利用可能帯域t(i−1)と受信用利用可能帯域r(i−1)の和とを比較する。TiとRiの和から、t(i−1)とr(i−1)の和を減算した帯域をΔiとする。Δiが0よりも大きければ、クラスiでの使用帯域を収容するために、ひとつ下のクラス(i−1)の利用可能帯域だけでは足りないといえる。次に、無線帯域制御部40は、TiとRiに対して、クラス(i−1)での利用可能帯域に割当てるべき送信用帯域ΔTiとΔRiへの配分を実行する。無線帯域制御部40は、クラス(i−1)における送信用使用帯域T(i−1)と受信用使用帯域R(i−1)に、ΔTiとΔRiとをそれぞれ加算する。その結果、クラス(i−1)における送信用利用可能帯域t(i−1)と受信用利用可能帯域r(i−1)を新たに導出する。これらの利用可能帯域の導出は、実施例1と同様になされるので、t(i−1)とr(i−1)は同じ値になる。なお、Δiが0よりも大きい場合には、t(i−1)とr(i−1)は0になる。
この段階において、先に導出したΔiが0以下であれば、無線帯域制御部40は、無線回線全体として、各クラスの送信用利用可能帯域、送信用使用帯域、受信用利用可能帯域、受信用使用帯域の総和を導出し、これを無線装置12に指示する。Δiが0より大きい場合であって、かつクラス(i−1)より小さい値を持つクラスがない場合、すなわちクラス(i−1)がクラス1である場合、Δiに含まれる通信パスを解放し、実施例2に記載のごとく、迂回経路への切替えを試みる。そして、各クラスの送信用利用可能帯域、送信用使用帯域、受信用利用可能帯域、受信用使用帯域の総和を導出し、これを無線装置12に指示する。Δiが0より大きい場合であって、かつクラス(i−1)より小さい値を持つクラスがある場合、すなわちクラス(i−2)がある場合、無線帯域制御部40は、Δiからクラス(i−2)の利用可能帯域を減算して、新たなΔiを導出する。上記の手順をΔiが0以下になるか、あるいは対象となるクラスがクラス1になるまで繰り返す。
図11は、本発明の実施例3に係るルータ14における帯域制御の手順を示すシーケンス図である。第1無線装置制御部28aは、無線帯域制御部40に対して、変調方式の変更の通知を出力する(S160)。無線帯域制御部40は、自ルータリンク情報DB48における通信帯域の情報を参照する(S162)。無線帯域制御部40は、変調方式を変更した場合の通信帯域を制御し(S164)、その結果をもとに、通信パス設定プロトコル処理部34に経路解放を要求する(S166)。通信パス設定プロトコル処理部34は、通信パスを解放し(S168)、その結果を無線帯域制御部40に報告する(S170)。
無線帯域制御部40は、帯域の制御を決定し(S172)、制御した帯域の設定を第1無線装置制御部28aに指示する(S174)。第1無線装置制御部28aは、無線装置12に対して、設定を指示する(S176)。第1無線装置制御部28aは、設定の完了を受けると、これを無線帯域制御部40に報告する(S178)。無線帯域制御部40は、制御を完了させる(S180)。無線帯域制御部40は、利用可能帯域を設定し(S182)、これを自ルータリンク情報DB48に反映する(S184)とともに、OSPF−TEプロトコル処理部32に通知する(S186)。
図12は、無線帯域制御部40における帯域制御の手順を示すフローチャートである。無線帯域制御部40は、無線装置制御部28から、変調方式の変更の通知を受け取る(S200)。無線帯域制御部40は、自ルータリンク情報DB48での利用可能帯域をチェックする(S202)。無線帯域制御部40は、変調方式を変更した場合のクラス単位での帯域を制御する(S204)。いずれのクラスにも含まれない通信パスが存在すれば(S206のY)、通信パス設定プロトコル処理部34に当該通信パスを解放させて(S208)から、無線帯域制御部40は、無線装置制御部28に変更を指示する(S210)。一方、いずれのクラスにも含まれない通信パスが存在しなければ(S206のN)、無線帯域制御部40は、無線装置制御部28に変更を指示する(S210)。また、無線帯域制御部40は、無線装置制御部28から変更の完了を入力すると(S212)、利用可能帯域を自ルータリンク情報DB48に反映し、OSPF−TEプロトコル処理部32にその旨を通知する(S214)。
図13は、無線帯域制御部40におけるクラス単位での帯域制御の手順を示すフローチャートである。これは、図12のステップ204からステップ208に相当する。無線帯域制御部40は、変調方式の変更によって対応しなくなるクラスにおける使用帯域を特定する(S230)。ここで、変調方式の変更によって対応しなくなるクラスは、クラスiであるとする。無線帯域制御部40は、k=i−1と設定する(S232)。クラスkの利用可能帯域に、クラスiでの使用帯域を収容可能でなければ(S234のN)、無線帯域制御部40は、収容できない通信パスを特定する(S236)。また、クラスiでの使用帯域は、特定した通信パスに対する通信帯域に再設定される。k=1でなければ(S238のN)、無線帯域制御部40は、kから1を減算して(S240)、ステップ234からの処理を繰り返し実行する。一方、クラスkの利用可能帯域に、クラスiでの使用帯域を収容可能できれば(S234のY)、無線帯域制御部40は、処理を終了する。k=1であれば(S238のY)、該当する通信パスの解放を決定し(S242)、無線帯域制御部40は、処理を終了する。
本発明の実施例によれば、変調方式を低いオーダに変更する場合においても、収容されなくなるクラスに割り当てた通信パスを解放させた後に、変調方式の変更を指示しているので、通信に与える影響を抑えつつ通信帯域を制御できる。また、低いクラスに対して、通信が維持される可能性が高いので、重要度に応じた差別化を実行できる。また、優先度の高い通信パスから所定のクラスを割り当てるので、優先度の設定に応じた処理を実現できる。また、優先度の高い通信パスを低いクラスに割り当てることによって、優先度の高い通信パスを維持する可能性を向上できる。また、低いオーダへの変調方式の変更によって対応しなくなるクラスを別のクラスに割り当てられる場合には、通信を継続するので、通信に与える影響を抑えつつ通信帯域を制御できる。また、通信パスに優先度を付与し、それに応じた無線帯域を与えることによって、優先度の低い通信パスに対する迂回経路への切替えを多くし、優先度の高い通信パスに対する迂回経路への切替えを少なくするような差別化を実現できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例1から3において、ひとつの無線装置12に対して、ひとつの無線回線が対応づけられている。しかしながらこれに限らず例えば、ひとつの無線装置12が複数の無線回線に対応していてもよい。その際、複数の無線回線は、TDMA(Time Division Multiple Access)等によって多重化される。また、無線帯域制御部40は、複数の無線回線における通信帯域を制御する。例えば、複数の無線回線のうち、トラヒックの多い無線回線に対して、通信帯域が大きくなるように、通信帯域を制御する。無線帯域制御部40は、送信用帯域と受信用帯域の割合の制御と組み合わせながら、複数の無線回線に対する制御を実行してもよい。本変形例によれば、ルータ14に接続すべき無線装置12の数を少なくできる。つまり、トラヒック量に応じて、送信用帯域と受信用帯域の割合が制御されればよい。
本発明の実施例2と3において、複数の通信速度として、複数の変調方式を規定している。しかしながらこれに限らず例えば、誤り訂正方式に対して、複数の符号化率を規定してもよく、さらに、複数の変調方式と複数の符号化率との複数の組合せを規定してもよい。本変形例によれば、複数の通信速度を細かく設定できる。つまり、複数の通信速度が設定されればよい。
本発明の実施例2と3においても、実施例1と同様の無線帯域の制御が実行されてもよい。その際、制御信号IF部20や無線IF部24は、少なくともひとつの隣接のルータのそれぞれに対応するように、少なくともひとつの無線装置12のそれぞれと接続しており、無線帯域制御部40は、少なくともひとつの無線装置12のそれぞれに対する無線回線での通信帯域の制御を実行する。また、制御信号IF部20や無線IF部24に接続された無線装置12は、TDDを実行しており、無線帯域制御部40は、無線回線での通信帯域の制御として、TDDにおける送信帯域と受信帯域の割合を制御する。無線帯域制御部40は、自ルータリンク情報DB48をもとに、通信に使用されていない通信帯域を分割しながら、これを送信帯域と受信帯域に割り当てる。また、通信パス設定プロトコル処理部34は、帯域制御部おける通信帯域の制御の結果を自ルータリンク情報DB48に反映させる。本変形例によれば、本発明の実施例2と3においても、実施例1と同様の無線帯域の制御を実行できる。
本発明の実施例3では、優先度とクラスを対応づけている。しかしながらこれに限らず、優先度とクラスを別に規定してもよい。例えば、所定のクラスの利用可能帯域が送信用帯域と受信用帯域ともになくなりつつあり、同じ値の優先度を持つ通信パスがそのクラスに設定できなかった場合、より小さい値のクラスに、その通信パスを収容可能な利用可能帯域があれば、小さい値のクラスの帯域を使う。各クラスは、クラスの値より大きい値の優先度を持つ通信パスを収容することを可能にする。後からクラスの値と同じ値の優先度を持つ通信パスの設定要求があったときに、設定要求のあった通信パスを収容できるほどの利用可能帯域が、当該クラスおよびより小さい値をもつクラスになければ、より大きい値の優先度を持つ通信パスを解放して、設定要求のあった通信パスを収容する。本変形例によれば、無線帯域を有効に利用できる。
本発明の実施例1から3を任意に組み合わせた変形例も有効である。本変形例によれば、実施例1から3を組み合わせた効果を得ることができる。
実施例に記載された発明の特徴は、次の項目によって規定されてもよい。
(項目1)
無線回線を介して接続された少なくともひとつの隣接のMPLSルータとの通信を実行すべき無線装置に接続するインターフェイス部と、
MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域の情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部において記憶される情報を参照しつつ、前記インターフェイス部によって接続された無線装置と、隣接のMPLSルータとの間の無線回線での通信帯域を制御する制御部と、
前記制御部において制御した無線回線での通信帯域を前記無線装置に設定する設定部と、
を備えることを特徴とするMPLSルータ。
(項目2)
前記インターフェイス部は、前記少なくともひとつの隣接のMPLSルータのそれぞれに対応するように、少なくともひとつの無線装置のそれぞれと接続しており、
前記制御部は、前記少なくともひとつの無線装置のそれぞれに対する無線回線での通信帯域の制御を実行することを特徴とする項目1に記載のMPLSルータ。
(項目3)
前記インターフェイス部に接続された少なくともひとつの無線装置のそれぞれは、時分割複信を実行しており、
前記制御部は、無線回線での通信帯域の制御として、時分割複信における送信帯域と受信帯域の割合を制御することを特徴とする項目2に記載のMPLSルータ。
(項目4)
前記制御部は、前記記憶部において記憶される情報を参照しつつ、通信に使用されていない通信帯域を分割しながら、送信帯域と受信帯域に割り当てることによって、時分割複信における送信帯域と受信帯域の割合を制御することを特徴とする項目3に記載のMPLSルータ。
(項目5)
前記記憶部は、前記設定部による通信帯域の設定を通信帯域の情報に反映させることを特徴とする項目1から4のいずれかに記載のMPLSルータ。
(項目6)
無線回線を介して接続された少なくともひとつの隣接のMPLSルータとの通信を実行すべき無線装置に接続しながら、MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域の情報を参照しつつ、接続された無線装置と、隣接のMPLSルータとの間の無線回線での通信帯域を制御することを特徴とする帯域制御方法。
項目1によると、MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域の情報を参照しつつ、無線回線での通信帯域を制御するので、ネットワーク全体での通信帯域を考慮しながら、無線回線の通信帯域を制御できる。
項目2によると、通信対象となる隣接のMPLSルータのそれぞれに対応させながら、通信帯域を制御できる。
項目3によると、時分割複信における送信帯域と受信帯域の割合を制御するので、通信帯域を有効に利用できる。
項目4によると、通信に使用されていない通信帯域を分割して、送信帯域と受信帯域に割り当てるので、送信帯域と受信帯域のうちのいずれかの通信帯域が、ある程度使用されていても、さらに当該帯域を使用できる。
項目5によると、通信帯域の実際の設定を通信帯域の情報に反映できる。
本発明の実施例1に係る通信システムの構成を示す図である。 図1のノードの構成を示す図である。 図2の自ルータリンク情報DBに記録されたデータの構造を示す図である。 図4(a)−(b)は、図2の無線帯域制御部における帯域制御の概要を示す図である。 図2のルータにおける帯域制御の手順を示すシーケンス図である。 図5の経路設定プロトコル処理部における帯域制御の手順を示すフローチャートである。 図5の無線帯域制御部における帯域制御の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例2に係るルータにおける帯域制御の手順を示すシーケンス図である。 図8の無線帯域制御部における帯域制御の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例3に係るルータでのクラスの設定を示す図である。 本発明の実施例3に係るルータにおける帯域制御の手順を示すシーケンス図である。 図11の無線帯域制御部における帯域制御の手順を示すフローチャートである。 図12の無線帯域制御部におけるクラス単位での帯域制御の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 ノード、 12 無線装置、 14 ルータ、 16 アンテナ、 18 無線伝送制御部、 20 制御信号IF部、 22 無線伝送処理部、 24 無線IF部、 26 通信部、 28 無線装置制御部、 30 伝送管理部、 32 OSPF−TEプロトコル処理部、 34 通信パス設定プロトコル処理部、 36 CSPF計算部、 38 記録部、 40 無線帯域制御部、 42 ルータIF部、 44 交換処理部、 46 ネットワークリンク情報DB、 48 自ルータリンク情報DB、 100 通信システム。

Claims (7)

  1. 無線回線を介して接続された少なくともひとつの隣接のMPLSルータとの通信を実行すべき無線装置に接続するインターフェイス部と、
    MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域の情報を記憶する記憶部と、
    前記記憶部において記憶される情報を参照しつつ、前記インターフェイス部によって接続された無線装置と、隣接のMPLSルータとの間の無線回線での通信帯域を制御する制御部とを備え、
    前記インターフェイス部は、MPLSにおいて設定された隣接のMPLSルータと通信すべき無線装置から、当該MPLSルータとの間の無線回線での通信速度の低下の要求を受信し、
    前記制御部は、通信速度を低下させる場合における無線回線の通信帯域を導出する手段と、導出した通信帯域と、前記記憶部において記憶される情報との比較の結果に応じて、前記隣接のMPLSルータとの間の無線回線に割り当てられた通信のうち、無線回線に収容できなくなる通信を特定する手段と、特定した通信に対する解放処理を実行した後に、前記無線装置に対して、通信速度の低下を指示する手段とを含むことを特徴とするMPLSルータ。
  2. 前記制御部は、無線回線に収容できなくなる経路を特定する際に、迂回させるため前記隣接のMPLSルータとは別のMPLSルータを検出し、検出した別のMPLSルータに、特定した通信を割り当てることを特徴とする請求項1に記載のMPLSルータ。
  3. 無線回線を介して接続された少なくともひとつの隣接のMPLSルータとの通信を実行すべき無線装置に接続するインターフェイス部と、
    MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域の情報を記憶する記憶部と、
    前記記憶部において記憶される情報を参照しつつ、前記インターフェイス部によって接続された無線装置と、隣接のMPLSルータとの間の無線回線での通信帯域を制御する制御部とを備え、
    前記インターフェイス部に接続された無線装置は、複数の通信速度に対応しており、
    前記制御部は、隣接のMPLSルータとの間の無線回線での通信帯域に対して、複数の通信速度のそれぞれに対応付ながら複数のクラスを予め規定しており、前記インターフェイス部を介して前記無線装置から通信速度の低下の要求を受信すると、通信速度を低下させる場合における無線回線の通信帯域を導出する手段と、導出した通信帯域と、前記記憶部において記憶される情報との比較の結果に応じて、前記無線回線に収容できなくなるクラスに割り当てた通信のうち、少なくともひとつを解放した後に、前記無線装置に対して、通信速度の低下を指示する手段とを含むことを特徴とするMPLSルータ。
  4. 前記制御部は、前記インターフェイス部を介して通信速度の低下の要求を受信すると、通信速度の低下によって収容されなくなるクラスを特定し、特定したクラスに割り当てられた通信が、通信速度の低下によっても収容されるクラスに割り当てられるかを調査し、割り当てられなければ通信の少なくともひとつを解放することを特徴とする請求項3に記載のMPLSルータ。
  5. 前記制御部は、各通信に対して優先度を予め付与しており、優先度の高い通信から、所定のクラスを割り当てることを特徴とする請求項3または4に記載のMPLSルータ。
  6. 無線回線を介して接続された少なくともひとつの隣接のMPLSルータとの通信を実行すべき無線装置に接続しながら、MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域の情報を参照しつつ、接続された無線装置と、隣接のMPLSルータとの間の無線回線での通信帯域を制御する帯域制御方法であって、
    MPLSにおいて設定された隣接のMPLSルータと通信すべき無線装置から、当該MPLSルータとの間の無線回線での通信速度の低下の要求を受信すると、通信速度を低下させる場合における無線回線の通信帯域を導出するステップと、
    導出した通信帯域と、MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域の情報との比較の結果に応じて、前記隣接のMPLSルータとの間の無線回線に割り当てられた通信のうち、無線回線に収容できなくなる通信を特定するステップと、
    特定した通信に対する解放処理を実行した後に、前記無線装置に対して、通信速度の低下を指示するステップとを含むことを特徴とする帯域制御方法。
  7. 無線回線を介して接続された少なくともひとつの隣接のMPLSルータとの通信を実行すべき無線装置であって、かつ複数の通信速度に対応した無線装置に接続しながら、MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域の情報を参照しつつ、接続された無線装置と、隣接のMPLSルータとの間の無線回線での通信帯域を制御する帯域制御方法であって、
    MPLSにおいて設定された隣接のMPLSルータとの間の無線回線での通信帯域に対して、複数の通信速度のそれぞれに対応付ながら複数のクラスを予め規定している場合において、前記無線装置から通信速度の低下の要求を受信すると、通信速度を低下させる場合における無線回線の通信帯域を導出するステップと、
    導出した通信帯域と、MPLSルータ上で帯域予約するプロトコルにおいて予約される通信帯域の情報との比較の結果に応じて、前記無線回線に収容できなくなるクラスに割り当てた通信のうち、少なくともひとつを解放した後に、前記無線装置に対して、通信速度の低下を指示するステップとを含むことを特徴とする帯域制御方法。
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