JP5584677B2 - 立体撮像装置及び画像補正方法 - Google Patents

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Description

本発明は立体撮像装置及び画像補正方法に係り、特に互いに視差を有する複数の画像を撮影する立体撮像装置及びそれら画像を補正する画像補正方法に関する。
立体撮像装置は、左右に視差をもって並べられた2つの撮像部を使って同一被写体を左右の視点から撮影し、左目用の画像と右目用の画像とをそれぞれ取得するようにしている。このようにして取得された左右の画像は、3次元(3D)表示が可能な3Dディスプレイに入力され、左右の目で別々に視認できるように表示されることにより、立体画像として認識できるようになる。
2つの撮像部の撮影光学系は、通常、同じ性能、特性を有するものが使用され、また、各撮影光学系の光軸が一致するように装置本体に対して調整されて組み込まれている。
しかしながら、2つの撮影光学系には個体差があるため、レンズ移動を伴うズーム倍率の変更等が行われると、2つの撮影光学系の光軸がズーム位置に応じてずれるという問題があり、また、全てのズーム範囲にわたった光軸ずれが生じないようにメカ的に光軸を調整することは極めて困難である。
従来、この問題を解決するために、2つの撮影光学系の光軸ずれをズーム位置毎に記憶した記憶手段を設け、撮影時の撮影光学系のズーム位置に応じて前記記憶手段から対応する光軸ずれを読み出し、この光軸ずれに基づいて撮影された左右の画像のうちの一方の画像の座標を変換し、これにより左右の画像の光軸座標を一致させるようにした立体撮像装置が提案されている(特許文献1)。
また、特許文献2には、右眼用の撮影情報を得るためのCCDを有する第1レンズ鏡筒と、左眼用の撮影情報を得るためのCCDを有する第2レンズ鏡筒と、これら第1レンズ鏡筒と第2レンズ鏡筒の焦点距離を検出するカメラ検出回路と、各焦点距離における上記第1レンズ鏡筒と第2レンズ鏡筒のそれぞれの光軸中心のずれ量を予め記憶したEEPROM等からなるROMと、このROMからの出力に基づき各焦点距離における上記左右一対のCCDの内の少なくとも一方における画像切り出しエリアを制御するCPUと、を備えた立体撮像装置が開示されている。
特開2006−162991号公報 特開平8−317424号公報
上記特許文献1、2には、2つの撮影光学系の個体差による光軸ずれを、ズーム位置毎に予め取得されている光軸ずれ量に基づいて、左右の画像のうちの一方の画像の座標を変換し、又は画像の切り出し範囲を変更することにより補正する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1、2に記載の発明のように、2つの撮影光学系の光軸ずれを、撮影した画像の座標変換、又は画像の切り出し範囲の調整により補正しても、フォーカスレンズのフォーカス位置が変化すると、2つの撮影光学系の光軸がずれるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、被写体距離(フォーカス位置)にかかわらず、複数の撮影光学系の光軸ずれを良好に補正することができ、立体視しやすい複数の画像を得ることができる立体撮像装置、及び画像補正方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために第1の態様に係る立体撮像装置は、撮影光学系と該撮影光学系を介して結像される被写体像をそれぞれ光電変換する撮像素子とを有する複数の撮像手段であって、互いに視差を有する複数の画像を撮像する複数の撮像手段と、予め検出した複数のフォーカス位置に対する各撮影光学系の光軸ずれ量を記憶する記憶手段と、前記複数の撮影光学系の現在のフォーカス位置を検出するフォーカス位置検出手段と、前記各撮影光学系の光軸ずれ量に基づき、前記フォーカス位置検出手段により検出された前記撮影光学系の現在のフォーカス位置に対応する光軸ずれ量を取得する光軸ずれ量取得手段と、前記複数の撮像手段から立体画像用の複数の画像を取得する撮像制御手段と、前記光軸ずれ量取得手段により現在のフォーカス位置に対応して取得された光軸ずれ量に基づいて前記撮像制御手段により取得された複数の画像に対して立体表示用の画像の切り出し処理を行う画像切り出し手段と、を備えたことを特徴としている。
第1の態様に係る発明によれば、前記光軸ずれ量取得手段により現在のフォーカス位置に対応する光軸ずれ量を取得し、この取得した光軸ずれ量に基づいて複数の画像に対して立体表示用の画像の切り出し処理を行うようにしたため、フォーカス位置(被写体距離)にかかわらず、複数の撮影光学系の光軸ずれを良好に補正することができ、立体視しやすい複数の画像を得ることができる。
第2の態様によれば第1の態様に係る立体撮像装置において、前記記憶手段は、前記各撮影光学系の光軸ずれ量として、前記撮影光学系の各フォーカス位置の光軸ずれ量を、フォーカス位置に応じて記憶し、前記光軸ずれ量取得手段は、現在のフォーカス位置に応じて前記記憶手段から対応する光軸ずれ量を読み出す読出手段を有することを特徴としている。
第3の態様によれば第1の態様に係る立体撮像装置において、前記記憶手段は、前記各撮影光学系の光軸ずれ量として、前記撮影光学系の各フォーカス位置の光軸ずれ量を算出するための2以上のフォーカス位置における光軸ずれ量又は計算式を示す情報を記憶し、前記光軸ずれ量取得手段は、前記記憶手段に記憶された情報と現在のフォーカス位置とに基づいて光軸ずれ量を算出する算出手段を有することを特徴としている。
第2の態様に係る発明は、前記記憶手段から現在のフォーカス位置に対応する光軸ずれ量を読み出すようにしているが、第3の態様に係る発明は、前記光軸ずれ量を計算により算出するようにしている。
第4の態様によれば第1の態様に係る立体撮像装置において、前記複数の撮影光学系の現在のズーム位置を検出するズーム位置検出手段を更に有し、前記記憶手段は更に、予め検出した複数のズーム位置に対する各撮影光学系の光軸ずれ量を記憶することを特徴としている。
複数の撮影光学系の光軸ずれは、各撮影光学系のフォーカス位置の他に、ズーム位置によっても発生するため、予めフォーカス位置及びズーム位置に応じて光軸ずれ量を記憶手段に記憶させておき、撮影時の現在のズーム位置及びフォーカス位置に応じて前記記憶手段から対応する光軸ずれ量を読み出すようにしている。これによれば、フォーカス位置(被写体距離)、ズーム位置(撮影倍率)にかかわらず、複数の撮影光学系の光軸ずれを良好に補正することができ、立体視しやすい複数の画像を得ることができる。
第5の態様によれば第4の態様に係る立体撮像装置において、前記記憶手段は、前記各撮影光学系の光軸ずれ量として、前記撮影光学系の各フォーカス位置及びズーム位置の光軸ずれ量を、ズーム位置及びフォーカス位置に応じて記憶し、前記光軸ずれ量取得手段は、現在のズーム位置及びフォーカス位置に応じて前記記憶手段から対応する光軸ずれ量を読み出す読出手段を有することを特徴としている。
第6の態様によれば第4の態様に係る立体撮像装置において、前記記憶手段は、前記各撮影光学系の光軸ずれ量として、前記撮影光学系の各フォーカス位置の光軸ずれ量を算出するための2以上のフォーカス位置における光軸ずれ量又は計算式を示す情報を、前記撮影光学系のズーム位置に応じて記憶し、前記光軸ずれ量取得手段は、前記撮影光学系の現在のズーム位置に基づいて前記記憶手段から読み出した情報と現在のフォーカスとに基づいて光軸ずれ量を算出する算出手段を有することを特徴としている。
第7の態様によれば第1から第6の態様のいずれかに係る立体撮像装置において、所定のディストーション補正式に基づいて前記撮像制御手段により取得された複数の画像に対してディストーション補正を行うディストーション補正手段を備え、前記光軸ずれ量取得手段は、前記所定のディストーション補正式によりディストーション補正された後の光軸ずれ量を取得することを特徴としている。
複数の撮像手段から取得した各画像に対して、それぞれディストーション補正が行われると、そのディストーション補正により光軸中心がずれる。そこで、ディストーション補正後の光軸ずれ量を取得し、この取得した光軸ずれ量に基づいて複数の画像に対して立体表示用の画像の切り出し処理を行うことで、ディストーション補正を行っても、そのディストーション補正の影響を受けない光軸ずれの補正を行うことができる。
第8の態様によれば第7の態様に係る立体撮像装置において、前記撮影光学系の各ズーム位置に対応するディストーション補正式のうちから現在のズーム位置に対応する、前記所定のディストーション補正式を取得するディストーション補正式取得手段を備えたことを特徴としている。即ち、ディストーションは、撮影光学系の各ズーム位置により変化するため、現在のズーム位置に対応するディストーションを補正するためのディストーション補正式を取得するようにしている。
第9の態様によれば第8の態様に係る立体撮像装置において、前記複数の撮影光学系の現在のズーム位置を検出するズーム位置検出手段を更に有し、前記ディストーション補正式取得手段は、前記撮影光学系のズーム位置に対応するディストーション補正式をズーム位置に応じて記憶する記憶手段と、現在のズーム位置に応じて前記記憶手段から対応するディストーション補正式を読み出す読出手段と、を有することを特徴としている。
第10の態様によれば第7から第9の態様のいずれかに係る立体撮像装置において、前記光軸ずれ量取得手段は、ディストーション補正前の光軸ずれ量を記憶する記憶手段と、前記記憶手段から読み出した光軸ずれ量を、前記所定のディストーション補正式に代入してディストーション補正後の光軸ずれ量を算出する算出手段と、を有することを特徴としている。
第11の態様によれば第7から第10の態様のいずれかに係る立体撮像装置において、前記撮像制御手段により取得された複数の画像のシェーディング補正を行うシェーディング補正手段を更に備え、前記画像切り出し手段は、前記シェーディング補正手段によるシェーディング補正された画像に対して前記画像の切り出し処理を行うことを特徴としている。複数の画像の明るさをシェーディング補正により均一にしてから画像の切り出し処理が行われるため、切り出される複数の画像間で明るさの差のない画像にすることができる。
第12の態様によれば第7から第11の態様のいずれかに係る立体撮像装置において、前記画像切り出し手段は、前記ディストーション補正手段によるディストーション補正後の画像に対して画像の切り出し処理を行うことを特徴としている。各画像の切り出し範囲によらず、切り出される画像間でディストーションによるずれのない画像の切り出しが可能になる。
第13の態様によれば第11又は第12の態様に係る立体撮像装置において、予め設定した枚数又は撮影指示期間中、前記複数の撮像手段から時系列の複数の画像を取得する連写モードを選択する手段と、前記連写モードにより撮影中の画像を一時記憶する内部記憶手段と、を備え、前記シェーディング補正手段は、前記連写モードによる撮影終了後に前記内部記憶手段に記憶された複数の画像を読み出してシェーディング補正を行うことを特徴としている。連写終了後にシェーディング補正を行うことにより、連写速度の低下を防止することができる。
第14の態様によれば第7から第10の態様のいずれかに係る立体撮像装置において、撮影モード又は再生モードを選択するモード選択手段と、前記モード選択手段により選択された撮影モード時に前記撮像制御手段により取得された複数の画像とともに、前記ディストーション補正式取得手段により取得したディストーション補正式及び前記光軸ずれ量取得手段により取得された光軸ずれ量を、前記取得された複数の画像に関連付けて記録媒体に記録する記録手段と、を備え、前記ディストーション補正手段及び画像切り出し手段は、前記モード選択手段により選択された再生モード時に前記記録媒体から前記複数の画像とともに、該画像に関連付けて記憶された前記ディストーション補正式及び光軸ずれ量を読み出し、該読み出した複数の画像に対してそれぞれ前記ディストーション補正式及び光軸ずれ量に基づいてディストーション補正及び画像の切り出し処理を行うことを特徴としている。撮影時にディストーション補正及び画像の切り出し処理を行わずに、再生時に行うことにより、撮影時の処理量を低減することができ、特に3次元(3D)動画の撮影時に高精細な3D動画を高フレームレートで撮影記録することができる。
第15の態様によれば第14の態様に係る立体撮像装置において、前記記録手段は、前記再生モード時に前記ディストーション補正及び画像の切り出し処理された画像を、前記記録媒体に記録することを特徴としている。
第16の態様によれば第1から第15の態様のいずれかに係る立体撮像装置において、前記複数の撮像手段から出力される複数の画像間の視差量を調整する視差量調整手段を備え、前記画像切り出し手段は、前記立体表示用の画像の切り出し処理時に前記視差量調整手段により調整された視差量に基づいて更に切り出し位置を調整した画像の切り出し処理を行うことを特徴としている。これにより、ユーザの好みの視差量をもった複数の画像の切り出し処理を行うことができる。
本発明によれば、複数の撮影光学系のフォーカス位置(被写体距離)に対応する、予め光軸調整時に登録された光軸ずれ量を取得し、この光軸ずれ量に基づいて各画像から立体視用の画像を切り出すようにしたため、フォーカス位置(被写体距離)にかかわらず、立体視用の画像間で、光軸ずれのない立体視しやすい複数の画像を得ることができる。
本発明に係る立体撮像装置の外観を示す図 本発明に係る立体撮像装置の実施形態を示すブロック図 本発明に係る出荷前の光軸調整時の処理の第1の実施形態を示すフローチャート 出荷前の光軸調整時にEEPROMに記録されるテーブルの第1の例を示す図 本発明に係る立体撮像装置の第1の実施形態の撮影動作を示すフローチャート 出荷前の光軸調整時にEEPROMに記録されるテーブルの第2の例を示す図 出荷前の光軸調整時にEEPROMに記録されるテーブルの第3の例を示す図 ディストーション補正の前後で左右の画像の光軸中心がずれる様子を示す図 出荷前の光軸調整時の処理の第2の実施形態を示すフローチャート 出荷前の光軸調整時にEEPROMに記録されるテーブルの第4の例を示す図 本発明に係る立体撮像装置の各撮像モードに応じた撮影動作を示すフローチャート 図11に示した画像処理の第1の実施形態を示すフローチャート 出荷前の光軸調整時の処理の第3の実施形態を示すフローチャート 計算によりディストーション補正後の光軸ずれ量を算出する実施形態を示すフローチャート 図11における画像処理の第2の実施形態を示すフローチャート 連写撮影時の画像処理の第1の実施形態を示すフローチャート 連写撮影時の画像処理の第2の実施形態を示すフローチャート 写撮影時の画像処理の第3の実施形態を示すフローチャート 本発明に係る立体撮像装置の撮影処理の第1の実施形態を示すフローチャート 本発明に係る立体撮像装置の再生処理の第1の実施形態を示すフローチャート 本発明に係る立体撮像装置の撮影処理の第2の実施形態を示すフローチャート 本発明に係る立体撮像装置の再生処理の第2の実施形態を示すフローチャート 図17及び図18に示した撮影/再生時の第2の実施形態の画像の切り出し処理を説明するために使用した図
以下、添付図面に従って本発明に係る立体撮像装置の実施の形態について説明する。
[立体撮像装置の外観]
図1は本発明に係る立体撮像装置の外観を示す図であり、図1(a)は立体撮像装置を前面側から見た斜視図であり、図1(b)は背面図である。
この立体撮像装置(複眼カメラ)10は、2D/3Dの静止画、及び2D/3Dの動画の記録再生が可能なデジタルカメラであり、図1に示すように薄型の直方体状のカメラ本体の上面には、シャッタボタン11、ズームボタン12が配設されている。
カメラ本体の前面には、カメラ本体の左右方向の幅と略一の幅を有するレンズバリア13が、カメラ本体の上下方向に移動自在に配設されており、このレンズバリア13を、二点鎖線で示す位置と実線で示す位置との間で上下方向に移動させることにより、左右一対の撮影光学系14-1,14-2の前面を同時に開閉できるようになっている。尚、撮影光学系14-1,14-2としては、屈曲光学系のズームレンズが使用されている。また、レンズバリア13によるレンズ前面の開閉動作に連動して、カメラ電源をON/OFFさせることができるようになっている。
図1(b)に示すようにカメラ本体の背面には、その中央部に3D用の液晶モニタ16が配設されている。液晶モニタ16は、複数の視差画像(右目用画像、左目用画像)をパララックスバリアによりそれぞれ所定の指向性をもった指向性画像として表示できるものである。尚、3D用の液晶モニタ16としては、レンチキュラレンズを使用するものや、偏光メガネ、液晶シャッタメガネなどの専用メガネをかけることで右目用画像と左目用画像とを個別に見ることができるものなどが適用できる。
上記液晶モニタ16の左右には、各種の操作スイッチが配設されている。操作スイッチ18Aは、静止画撮影と動画撮影とを切り替える切り替えスイッチであり、操作スイッチ18Bは、右目用画像と左目用画像の視差量を調整する視差調整スイッチであり、操作スイッチ18Cは2D撮影と3D撮影とを切り替える切り替えスイッチである。また、操作スイッチ18Dは、MENU/OKボタンと再生ボタンとを兼ねたシーソーキーであり、操作スイッチ18Eは、マルチファンクションの十字キーであり、操作スイッチ18Fは、DISP/BACKキーである。
MENU/OKボタンは、液晶モニタ16の画面上にメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行などを指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作スイッチである。再生ボタンは、撮影モードから再生モードに切り替えるボタンである。十字キーは、上下左右の4方向の指示を入力する操作スイッチであり、マクロボタン、フラッシュボタン、セルフタイマーボタン等が割り当てられており、また、メニューが選択されている場合には、そのメニュー画面から項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択を指示するスイッチ(カーソル移動操作手段)として機能する。また、十字キーの左/右キーは再生モード時のコマ送り(順方向/逆方向送り)ボタンとして機能する。DISP/BACKキーは、液晶モニタ16の表示形態を切り替えたり、メニュー画面上での指示内容の取消し、あるいは1つ前の操作状態に戻らせる時などに使用される。
尚、図1(a)上で、15はステレオマイクである。
[立体撮像装置の内部構成]
図2は上記立体撮像装置10の実施形態を示すブロック図である。
図2に示すように、この立体撮像装置10は、主として複数の撮像部20-1,20-2、中央処理装置(CPU)32、前述したシャッタボタン11、ズームボタン12、及び各種の操作スイッチを含む操作部34、表示制御部36、液晶モニタ16、記録制御部38、圧縮/伸張処理部42、デジタル信号処理部44、AE(Automatic Exposure:自動露出)検出部46、AF(Auto Focus:自動焦点)検出部48、AWB(Automatic White Balance:自動ホワイトバランス)検出部50、VRAM52、RAM54、ROM56、及びEEPROM58等から構成されている。尚、撮像部20-1,20-2は、互いに視差を有する左眼用画像と右眼用画像の2枚の視差画像を撮像するが、撮像部20は、3つ以上あってもよい。
左眼用画像を撮像する撮像部20-1は、プリズム(図示せず)、フォーカスレンズ及びズームレンズ21からなる撮影光学系14-1(図1)、絞り22及びメカシャッタ23からなる光学ユニットと、固体撮像素子(CCD)24と、アナログ信号処理部25と、A/D変換器26と、画像入力コントローラ27と、前記光学ユニットを駆動するレンズ駆動部28、絞り駆動部29及びシャッタ制御部30と、CCD24を制御するCCD制御部31とを備えている。尚、右眼用画像を撮像する撮像部20-2は、前記左眼用画像を撮像する撮像部20-1と同じ構成を有するため、その具体的な構成の説明は省略する。
CPU32は、操作部34からの入力に基づき所定の制御プログラムに従ってカメラ全体の動作を統括制御する。尚、ROM56には、CPU32が実行する制御プログラム及び制御に必要な各種データ等が格納され、EEPROM58には、製品出荷前の調整時の調整結果を示す各種の情報、例えばCCD24の画素欠陥情報、画像処理等に使用する補正パラメータやテーブル等が記憶されている。尚、ここに記憶される各種の情報の詳細については後述する。
また、VRAM52は、液晶モニタ16に表示する表示用の画像データを一時記憶するメモリであり、RAM54は、CPU32の演算作業用領域及び画像データの一時記憶領域を含んでいる。
撮影光学系に含まれるフォーカスレンズ及びズームレンズ21は、レンズ駆動部28により駆動されて光軸に沿って前後に移動する。CPU32は、レンズ駆動部28の駆動を制御することにより、フォーカスレンズの位置を制御して被写体に焦点が合うように焦点調節を行うとともに、操作部34中のズームボタン12からのズーム指令に応じてズームレンズのズーム位置を制御してズーム倍率を変更させる。
絞り22は、例えば、アイリス絞りで構成されており、絞り駆動部29に駆動されて動作する。CPU32は、絞り駆動部29を介して絞り22の開口量(絞り値)を制御し、CCD24への入射光量を制御する。
メカシャッタ23は、光路を開閉することによりCCD24での露光時間を決めるとともに、CCD24からの画像信号の読み出し時に不要光がCCD24に入射しないようにしてスミアの発生を防止する。CPU32は、シャッタ速度に対応する露光終了時点に同期したシャッタ閉信号をシャッタ制御部30に出力し、メカシャッタ23を制御する。
CCD24は、2次元のカラーCCD固体撮像素子により構成されている。CCD24の受光面には、多数のフォトダイオードが2次元的に配列されており、各フォトダイオードには所定の配列でカラーフィルタが配置されている。
上記構成の光学ユニットを介してCCD受光面上に結像された被写体の光学像は、このフォトダイオードによって入射光量に応じた信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU32の指令に従ってCCD制御部31から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)としてCCD24から順次読み出される。CCD24は、電子シャッタ機能を備えており、フォトダイオードへの電荷蓄積時間を制御することにより、露光時間(シャッタ速度)が制御される。尚、電子シャッタによりシャッタ速度に対応する電荷蓄積開始時点が制御され、前記メカシャッタ23を閉じることにより露光終了時点(電荷蓄積終了時点)が制御される。この実施形態では、撮像素子としてCCD24を用いているが、CMOSセンサ等の他の構成の撮像素子を用いることもできる。
CCD24から読み出されたR、G、Bのアナログ信号は、アナログ信号処理部25により相関二重サンプリング(CDS)や増幅が行われた後、A/D変換器26によりR、G、Bのデジタル信号に変換される。
画像入力コントローラ27は、所定容量のラインバッファを内蔵しており、A/D変換器26によりA/D変換されたR、G、Bの画像信号(CCDRAWデータ)を一時蓄積したのち、バス60を介してRAM54に格納する。
CPU32は、3D撮像モード時には左目用画像を撮像する撮像部20-1と同様に右眼用画像を撮像する撮像部20-2を制御する。
AE検出部46は、シャッタボタン11の半押し時に取り込まれる画像信号に基づいてAE制御に必要な被写体輝度を算出し、被写体輝度(撮影EV値)を示す信号をCPU32に出力する。CPU32は、入力する撮影EV値に基づいて所定のプログラム線図に従って複数の撮像部20-1,20-2におけるシャッタ速度(露光時間)、絞り値、撮影感度を設定する。
AF検出部48は、シャッタボタン11の半押し時に取り込まれるAFエリアの画像信号の高周波成分の絶対値を積算し、この積算した値(AF評価値)をCPU32に出力する。CPU32は、フォーカスレンズを至近から無限遠側に移動させ、AF検出部48により検出されるAF評価値が最大となる合焦位置をサーチし、その合焦位置にフォーカスレンズを移動させることにより、被写体(主要被写体)への焦点調節を行う。尚、動画撮影時には、前記AF評価値が常に最大値をとるようにフォーカスレンズを移動させる、いわゆる山登り制御が行われる。
AWB検出部50は、本撮像時に取得されたR、G、Bの画像信号に基づいて自動的に光源種(被写界の色温度)を求め、予め光源種別に設定されたR、G、Bのホワイトバランスゲイン(ホワイトバランス補正値)を記憶するテーブルから対応するホワイトバランスゲインを読み出す。
デジタル信号処理部44は、ホワイトバランス補正回路、階調変換処理回路(例えば、ガンマ補正回路)、単板CCDのカラーフィルタ配列に伴うR,G,Bなどの色信号の空間的なズレを補間して各色信号の位置を合わせる同時化回路、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含み、RAM54に格納されたR、G、Bの画像信号(CCDRAWデータ)に対して画像処理を行う。即ち、R、G、BのCCDRAWデータは、デジタル信号処理部44において、AWB検出部50により検出されたホワイトバランスゲインが乗算されてホワイトバランス補正が行われ、その後、階調変換処理(例えば、ガンマ補正)等の所定の処理が施された後、輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr、Cb信号)からなるYC信号に変換される。デジタル信号処理部44により処理されたYC信号はRAM54に格納される。
また、デジタル信号処理部44は、複数の撮像部20-1,20-2の撮影光学系のレンズ歪補正を補正するディストーション補正回路、左右視点画像からそれぞれ所定の切り出しエリアの画像を切り出すことにより複数の撮像部20-1,20-2の撮影光学系の光軸ずれを補正する画像切り出し処理回路を含んで構成されている。尚、ディストーション補正回路及び画像切り出し処理回路の処理内容の詳細については後述する。
圧縮/伸張処理部42は、メモリカード40への記録時にはCPU32からの指令に従い、RAM54に格納されたYC信号を圧縮処理し、また、メモリカード40に記録された圧縮された圧縮データを伸張処理してYC信号にする。記録制御部38は、圧縮/伸張処理部42により圧縮された圧縮データを所定形式の画像ファイル(例えば、3D静止画は、MP(マルチピクチャ)フォーマットの画像ファイル、3D動画は、モーションJPEG、H.264、MPEG4、MPEG4−MVCの動画ファイル)にしてメモリカード40に記録し、又はメモリカード40から画像ファイルの読み出しを行う。
液晶モニタ16は、撮影済み画像を表示するための画像表示部として使用されるとともに、各種設定時にGUI(グラフィカルユーザインターフェース)として使用される。また、液晶モニタ16は、撮影モード時に画角を確認するためのライブビュー画像(以下、「スルー画」という)を表示する電子ビューファインダとして利用される。表示制御部36は、液晶モニタ16に3D画像を表示させる場合には、VRAM52に保持されている左目用画像と右眼用画像とを1画素ずつ交互に表示させる。液晶モニタ16に設けられているパララックスバリアにより、所定の距離から観察するユーザの左右の眼には、1画素ずつ交互に配列された左右の画像がそれぞれ別々に視認される。これにより、立体視を可能にしている。
尚、図2には図示されていないが、この立体撮像装置10は、図1に示したステレオマイク15により取得した音声情報(オーディオデータ)を記録再生する機能も有している。
[製品出荷前の光軸調整の第1の実施形態]
次に、製品出荷前の調整時にEEPROM58に記憶させる光軸調整用の情報について説明する。
図3は本発明に係る出荷前の光軸調整時の処理の第1の実施形態を示すフローチャートである。
図3に示すように、まず、フォーカスレンズのフォーカス位置を示す変数Nを、N=Near(至近端)に設定する(ステップS10)。尚、この変数Nは、至近端を示すNear(例えば、1)から無限遠を示すInf(例えば、n)の間で、フォーカス位置に対応して変化する。
続いて、調整対象の立体撮像装置10と光軸を調整するための調整用チャートとを所定の位置関係になるようにセットし、立体撮像装置10の各撮影光学系のフォーカレンズを調整して調整用チャートにピントを合わせる(ステップS12)。尚、調整用チャートは、最初に至近端(Near)に対応する被写体距離に設置される。
続いて、前記調整用チャートにピントが合うようにフォーカスレンズを移動させた後、そのレンズ位置(フォーカス位置)にて撮影を行い、左右の画像を取得する(ステップS14、S16)。
上記取得した左右の画像からそれぞれ対応する特徴点を検出する対応点検出を行う(ステップS18)。対応点の検出方法としては、例えばブロックマッチング法を適用することができる。即ち、左画像から任意の画素を基準に切り出した所定のブロックサイズのブロックと右画像のブロックとの一致度を評価し、ブロック間の一致度が最大となる時の右画像のブロックの基準の画素を、前記左画像の任意の画素に対応する右画像の画素とする。また、ブロックマッチング法でのブロック間の一致度を評価する関数として、例えば各ブロック内の画素の輝度差の2乗和(SSD)を使用するものがある(SSDブロックマッチング法)。
上記のようにして対応点が検出されると、対応点のずれ量(複数の対応点を検出した場合には、複数の対応点のずれ量の平均)を検出し、その検出したずれ量を2つの撮影光学系の光軸ずれ量として、フォーカス位置Nに関連付けてEEPROM58に記憶させる(ステップS20、S22)。
次に、N=Inf(n)になったか否かを判別し(ステップS24)、「No」の場合には、変数Nを1だけインクリメントし(ステップS26)、ステップS12に遷移させ、変数Nに対応する被写体距離に調整用チャートを移動させて上記の処理(ステップS12〜S24)を実施させ、一方、「Yes」の場合には、調整処理を終了する(ステップS28)。
このようにフォーカスレンズのフォーカス位置を変えながら調整用チャートを撮影して光軸ずれ量を検出することにより、図4に示すように各フォーカス位置FN(N=1、2、…、n)に対応する光軸ずれ量がEEPROM58に記憶される。尚、図4に示す光軸ずれ量は、左右の画像の一方の画像(例えば、左の画像)の光軸中心の座標値に対する、他方(右の画像)の光軸中心の座標値の垂直(V)方向のずれ量としている。
[撮影動作の第1の実施形態]
次に、本発明に係る立体撮像装置10の第1の実施形態の撮影動作について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図5において、CPU32は、撮影指示(シャッタボタン11の全押し(スイッチS2のON))の有無を判別する(ステップS30)。スイッチS2がOFFの場合には、液晶モニタ16には3Dスルー画が表示される(ステップS32)。
この3Dスルー画を表示する場合には、左右の撮像部20-1,20-2から時系列で順次取得される左右の画像に対して、図4に示したテーブルから現在のフォーカス位置に対応する左右の画像における光軸ずれ量を読み出し、この光軸ずれ量を相殺するように、フル画角の画像から3Dスルー画用の画像を切り出して液晶モニタ16に出力する。
これにより、2つの撮像光学系のフォーカス位置毎に異なる光軸ずれが補正された3Dスルー画を液晶モニタ16に表示させることができる。
一方、スイッチS2がONされると、CPU32は、本撮影を開始させる(ステップS34)。
本撮影により左右のフル画角の画像が取得されると(ステップS34)、フォーカスレンズの現在のフォーカス位置の情報(例えば、フォーカスモータ(ステップモータ)の基準位置からのパルス数)を取得し、この取得した現在のフォーカス位置(F-pos)に対応する光軸ずれ量をEEPROM58から読み出す(ステップS38)。
この読み出した光軸ずれ量に基づいてスイッチS36で取得した左右の画像から、前記光軸ずれ量だけ左右の切り出し位置を互いに移動させて画像の切り出し処理を行う(ステップS40)。例えば、光軸ずれ量が+2(画素)の場合、左の画像の切り出し中心をV方向に+1画素ずらして左の画像を切り出すとともに、右の画像の切り出し中心をV方向に−1画素だけずらして右の画像を切り出す。これにより、切り出された画像は、光軸ずれが補正された画像となる。
上記のようにして切り出された左右の画像は、それぞれ所定の圧縮形式で圧縮した後、メモリカード40に作成したファイルに記録される(ステップS42)。
尚、撮像光学系が単焦点レンズの場合には、図3及び図4に示したように事前にフォーカス位置毎に記憶した光軸ずれ量から、現在のフォーカス位置に対応して読み出した光軸ずれ量を使用して画像の切り出しを行うが、本実施形態のように撮像光学系がズームレンズの場合には、そのズームレンズのズーム位置及びフォーカス位置毎に光軸ずれ量を取得する。
即ち、ズームレンズのズーム位置として、ワイド端のズーム位置(Z1)からテレ端のズーム位置(Z10)まで10段階のズーム位置がある場合、ズームレンズを各ズーム位置に移動させ、各ズーム位置毎に、図3のステップS10からステップS26の処理を実行させることにより、ズーム位置及びフォーカス位置毎に光軸ずれ量をEEPROM58に記憶させる。
図6は上記のようにしてEEPROM58に記憶されたズーム位置及びフォーカス位置毎の光軸ずれ量が記憶されたテーブルの第2の例である。
この場合、図5のステップS38において、現在のズーム位置及びフォーカス位置を取得し、その取得したズーム位置及びフォーカス位置に対応する光軸ずれ量を、図6に示したテーブルから読み出すようにする。
これによれば、左右の撮影光学系のズーム位置及びフォーカス位置にかかわらず、光軸ずれが補正された立体視用の左右の画像を切り出すことができる。
尚、図6に示したテーブルは、全てのズーム位置及びフォーカス位置に対応する光軸ずれ量を記憶しているが、これに限らず、図7に示すよう2つのフォーカス位置(至近のフォーカス位置(Near)、及び無限遠のフォーカス位置(Inf))のみ光軸ずれ量を検出記憶し、中間のフォーカス位置における光軸ずれ量は、上記2つのフォーカス位置の光軸ずれ量を中間のフォーカス位置により線形補間することにより算出するようにしてもよい。
尚、ズーム位置がテレ端側になり、フォーカスレンズの移動量が大きくなる場合には、至近、中間、無限遠の3つのフォーカス位置における光軸ずれ量を検出記憶しておき、至近から中間、又は中間から無限遠で線形補間して光軸ずれ量を算出することが好ましい。
[ディストーション補正]
次に、撮影した左右の画像に対して、レンズ歪みによる画像の歪み(樽歪み、糸巻歪み等)を補正するディストーション補正を行う場合について説明する。
左右の画像に対してディストーション補正を行うと、このディストーション補正により光軸がずれるという問題がある。
例えば、図8に示すように樽歪みを有する左の画像の光軸中心をO,右の画像の光軸中心をOとすると、これらの画像のディストーション補正後の光軸中心は、それぞれO’、O’になり、水平及び垂直方向にΔH、ΔVだけ光軸中心がずれることになる。
また、ディストーション補正は、高次多項式のディストーション補正式に各画素の座標値を代入して計算することにより行うため、計算量が多く、例えば、3D動画の撮影時に補正精度の高いディストーション補正式を使用してディストーション補正を行う場合には、高精細(HD)な3D動画を高フレームレートで撮影記録することが困難であるという問題がある。
そのため、3D動画の場合には、ディストーション補正を行わないか、又は次数の低いディストーション補正式を使用し、補正精度の低いディストーション補正を行うことになる。
一方、3D静止画のディストーション補正は、撮影後、メモリカードへの書き込みまでの間に行えばよいため、補正精度の高いディストーション補正式を使用して補正精度の高いディストーション補正を行うことができる。
上記のように3D動画と3D静止画とで、補正精度の異なるディストーション補正式を使用した場合、使用するディストーション補正式に応じて、ディストーション補正後の光軸中心がずれるという問題がある。
以下の実施形態では、補正精度の異なるディストーション補正を行っても、光軸ずれのない画像を取得する方法について説明する。
[製品出荷前の光軸調整の第2の実施形態]
図9は本発明に係る出荷前の光軸調整時の処理の第2の実施形態を示すフローチャートである。
図9に示すように、まず、調整対象の立体撮像装置10と光軸を調整するための調整用チャートとを所定の位置関係になるようにセットし、立体撮像装置10の各撮影光学系のフォーカ位置を調整して調整用チャートにピントを合わせる(ステップS50)。
次に、撮像モードを示す変数Mを1にセットする(ステップS52)。ここで、N=1は、3Dスルー画を液晶モニタ16に表示させる時の撮像モードを示し、M=2は、3D動画を撮影する時の撮像モードを示し、M=3は、3D静止画を撮影する時の撮像モードを示す。
続いて、前記調整用チャートを撮影し、左右の画像を取得する(ステップS54、S56)。
上記取得した左右の画像に対して、それぞれ現在の撮像モードNに対応するディストーション補正を行う(ステップS58)。ここで、ディストーション補正を行うためのディストーション補正式は、撮像モードNにより補正精度の異なるものが使用される。例えば、スルー画用の撮像モード(M=1)では、2次多項式が使用され、動画画用の撮像モード(M=2)では、4次多項式が使用され、静止画用の撮像モード(M=3)では、6次多項式が使用される。尚、ディストーション補正式の次数が大きいもの程、より精度の高いディストーション補正を行うことができるが、計算量が増加し、補正精度と計算量との関係は、トレードオフの関係にある。
ステップS58でのディストーション補正後、左右の画像の対応する特徴点を検出する対応点検出を行う(ステップS60)。対応点の検出方法としては、例えばブロックマッチング法を適用することができる。
上記のようにして対応点が検出されると、対応点のずれ量(複数の対応点を検出した場合には、複数の対応点のずれ量の平均)を検出し、その検出したずれ量を2つの撮影光学系の光軸ずれ量として、撮像モードMに関連付けてEEPROM58に記憶させる(ステップS62、S64)。
次に、M=4になったか否かを判別し(ステップS66)、「No」の場合には、変数Mを1だけインクリメントし(ステップS68)、ステップS58に遷移させ、「Yes」の場合には、調整処理を終了する(ステップS70)。
これにより、各撮像モード(M=1、2、3)毎に光軸ずれ量がEEPROM58に記憶される。
尚、図9では、ズーム位置及びフォーカス位置を変化させた場合の光軸ずれ量の検出記憶については省略されているが、各撮像モード毎にズーム位置及びフォーカス位置を変化させた場合の光軸ずれ量の検出記憶も行う。また、ステップS58におけるディストーション補正は、各ズーム位置に対応するディストーション補正式を使用する。
図10にEEPROM58に記憶された各撮像モード毎の光軸ずれ量を示すテーブルの一例を示す。
図10(a)〜(c)は、それぞれスルー画用テーブル、静止画用テーブル、及び動画用テーブルを示しており、各テーブルには、ズーム位置毎に左右の画像に対する光軸ずれ量(V方向の光軸ずれ量)が記憶されている。
尚、3D画像の場合、各画像間のV方向の光軸ずれが立体視を行う上で問題となるため、V方向の光軸ずれ量のみを記憶するようにしたが、これに限らず、水平(H)方向の光軸ずれ量も記憶させるようにしてもよい。
また、各撮像モード毎及びズーム位置毎のディストーション補正式もEEPROM58に記憶させておく。この場合、ディストーション補正式の一般式は、各ズーム位置毎に同じものを記憶し、各項の係数のみをズーム位置毎に異ならせて記憶させる場合と、ズーム位置毎に異なるディストーション補正式を記憶させる場合とが考えられる。
また、図10のテーブルでは、フォーカス位置別の光軸ずれ量は省略されている。
[撮影動作の第2の実施形態]
次に、本発明に係る立体撮像装置10の第2の実施形態の撮影動作について、図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図1(b)に示した操作スイッチ18Aにより動画撮像モードに切り替え、かつ操作スイッチ18Cにより3D撮像モードに切り替えることにより、3D動画を撮影する撮像モード(以下、「3D動画撮像モード」という)に設定することができ、また、操作スイッチ18Aにより静止画撮像モードに切り替え、かつ操作スイッチ18Cにより3D撮像モードに切り替えることにより、3D静止画を撮影する撮像モード(以下、「3D静止画撮像モード」という)に設定することができる。
ステップS80では、上記操作スイッチ18A、18Cにより撮像モードとして、3D動画撮像モードが設定されているか、又は3D静止画撮像モードが設定されているかを判別する。
撮像モードが3D動画撮像モードと判別されると、CPU32は、動画撮影の指示(シャッタボタン11の全押し(スイッチS2のON))の有無を判別する(ステップS82)。スイッチS2がOFFの場合には、液晶モニタ16には3Dスルー画が表示される(ステップS84)。
この3Dスルー画を表示する場合には、左右の撮像部20-1,20-2から時系列で順次取得される左右の画像に対して、スルー画用のディストーション補正式(2次多項式)を使用してディストーション補正を行うとともに、図10(a)に示したスルー画用テーブルから現在のズームレンズのズーム位置に対応する左右の画像における光軸ずれ量をそれぞれ読み出し、これらの光軸ずれ量を相殺するように、ディストーション補正後の画像から3Dスルー画用の画像を切り出して液晶モニタ16に出力する。
これにより、2つの撮像光学系のズーム位置及びフォーカス位置毎に異なる光軸ずれが補正された3Dスルー画を液晶モニタ16に表示させることができる。
一方、スイッチS2がONされると、CPU32は、3D動画の撮影を開始させる(ステップS86)。
3D動画の撮影が開始されると、左右の撮像部20-1,20-2から時系列で順次取得される左右の画像に対して、ディストーション補正及び画像の切り出し処理等の画像処理、及び記録処理が行われる(ステップS88)。
[画像処理の第1の実施形態]
図12は図11のステップS88等における画像処理の第1の実施形態を示すフローチャートである。
同図において、左右の画像が取得されると(ステップS882)、デジタル信号処理部44内のディストーション補正回路は、動画用のディストーション補正式(4次多項式)であって、現在のズームレンズのズーム位置に対応するディストーション補正式を使用して前記取得された左右の画像のディストーション補正を行う(ステップS884)。
続いて、図10(c)の動画用テーブルから現在のズーム位置(Z-pos)及びフォーカス位置に対応する光軸ずれ量を読み出し、読み出した光軸ずれ量に基づいて前記ディストーション補正された左右の画像から、前記光軸ずれ量に応じて切り出し範囲を移動させて画像の切り出し処理を行う(ステップS886)。これにより、切り出された画像は、光軸ずれが補正された画像となる。
上記のようにして切り出された左右の画像は、それぞれ所定の圧縮形式で圧縮した後、メモリカード40に作成した動画ファイルに記録される(ステップS888)。尚、動画の記録処理は、1秒分の規定のフレーム数(フレームレートが60フレーム/秒の場合には、60フレーム)の画像処理が終了毎に行われ、圧縮された動画は、動画ファイルに順次追記される。また、ステレオマイク15で取得した音声データも1秒毎に圧縮されて動画ファイルに記録される。
図11に戻って、スイッチS2が再度、ONされたか否かを判別し(ステップS90)、OFFの場合にはステップS88に遷移して動画の処理を継続し、スイッチS2がONされると、3D動画の撮影を終了させる。
一方、ステップS80において、3D静止画撮像モードと判別されると、CPU32は、静止画撮影の指示(スイッチS2のON)の有無を判別する(ステップS92)。スイッチS2がOFFの場合には、液晶モニタ16には3Dスルー画が表示される(ステップS94)。この3Dスルー画の液晶モニタ16への表示は、前述のステップS84と同様にして行われる。
スイッチS2がONされると、CPU32は、3D静止画の撮影を行う(ステップS96)。尚、2段ストロークのシャッタボタンは、全押しされる前の半押し時にスイッチS1がONされ、これによりAE処理及びAF処理等の本撮影前の撮影準備動作が行われることは言うまでもない。
本撮影時に左右の撮像部20-1,20-2から取得される左右の画像は、ステップS88と同様にディストーション補正及び画像の切り出し処理等の画像処理、及び記録処理が行われる(ステップS98)。尚、ステップS98におけるディストーション補正は、補正精度の高い6次多項式のディストーション補正式を使用して行われ、また、画像の切り出し処理は、図10(b)の静止画用テーブルから現在のズーム位置及びフォーカス位置に対応して読み出した光軸ずれ量に基づいて行われる。
[製品出荷前の光軸調整の第3の実施形態]
図13は本発明に係る光軸調整時の処理の第3の実施形態を示すフローチャートである。尚、図9に示した第2の実施形態と共通する部分には同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図13に示す第3の実施形態では、図9に示したステップS52、S58、S56、及びS68の処理が省略されている。
図9に示した第2の実施形態では、スルー画、動画及び静止画の各撮像モード毎に光軸ずれ量を検出してEEPROM58に記憶させるようにしたが(図10参照)、図13に示す第3の実施形態では、ステップS56で取得された左右の画像に対してディストーション補正を行わずに、左右の画像の対応点検出を行い、左右の画像の光軸ずれ量を検出し(ステップS60,S62)、この検出した光軸ずれ量をEEPROM58に記憶させる(ステップS64)。尚、ズームレンズのズーム位置及びフォーカス位置毎に光軸ずれ量をEEPROM58に記憶させることは、図9に示した実施形態と同様である。
即ち、図13に示す第3の実施形態では、ディストーション補正前の左右の画像の光軸ずれ量を検出記録するようにしており、撮像モード毎の光軸ずれ量の検出記憶は行わない。
そして、上記EEPROM58に記憶させたズーム位置毎の光軸ずれ量のテーブルを使用し、図14に示すように撮影時にディストーション補正後の光軸ずれ量を算出する。
図14において、現在の撮像モードの情報と、ズームレンズのズーム位置及びフォーカス位置の情報を取得する(ステップS100、S102)。
前記取得したズーム位置及びフォーカス位置の情報に基づいてEEPROM58に記憶させたテーブルを参照してズーム位置及びフォーカス位置に対応する光軸ずれ量を取得する(ステップS104)。また、前記取得した現在の撮像モードと現在のズーム位置に基づいて現在の撮像モード及びズーム位置に対応するディストーション補正式(計算式)を、EEPROM58から取得する。
前記取得した計算式に、ステップS104で取得した光軸ずれ量を代入して計算を行うことにより、ディストーション補正後の光軸ずれ量を算出する(ステップS106、S108)。
上記算出された光軸ずれ量は、図11に示したステップS84、S88、S88、図12に示したステップS886における、画像の切り出し処理に使用される。
このようにディストーション補正前の光軸ずれ量をEEPROM58に保持しておき、実際の画像の切り出し処理時に、EEPROM58に保持した値を、ディストーション補正の計算式に当てはめて、ディストーション補正後の光軸ずれ量を算出することにより、EEPROM58のメモリ容量を少なくすることができ、また、ファームウエア等が変更(ディストーション補正の変更を含む)になった場合でも、切り出し位置の変更が容易にできるようになる。
尚、図10に示したように光軸ずれ量のテーブルは、ズーム位置毎に光軸ずれ量を記憶しているが、少なくとも2つのズーム位置(例えば、ワイド端とテレ端)の光軸ずれ量のみを記憶し、前記記憶したズーム位置以外のズーム位置における光軸ずれ量は、前記記憶した少なくとも2つのズーム位置の光軸ずれ量を、現在のズーム位置に応じて線形補間して算出するようにしてもよい。
[画像処理の第2の実施形態]
図15は図11のステップS88等における画像処理の第2の実施形態を示すフローチャートである。尚、図12の第1の実施形態と共通する部分には同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図15に示す画像処理の第2の実施形態は、図12に示した第1の実施形態と比較して、ディストーション補正を行うステップS884の前に、シェーディング補正を行うステップS883が追加されている点で、第1の実施形態と相違する。
即ち、ステップS883では、ステップS882により取得された左右の画像に対して、画角位置に応じてシェーディング補正値が記憶された左右の画像別のテーブル、又は画角位置に応じて計算式により求めたシェーディング補正値により、各画素の輝度を補正(シェーディング補正)する。
このシェーディング補正により、左右の画像の明るさを均一にしてから、ディストーション補正及び画像の切り出し処理が行われるため、切り出される左右の画像間で明るさの差のない画像にすることができる。
[連写撮影時の画像処理の第1の実施形態]
連写撮影される各画像は静止画として鑑賞されるため、3D静止画と同様な画像処理が要求される。即ち、ディストーション補正は、補正精度の高いディストーション補正式による補正を実施する必要がある。
一方、連写撮影時の撮影間隔が短い場合には、リアルタイムに補正精度の高いディストーション補正及び画像の切り出し処理等を行うことができない。
図16は連写撮影時の画像処理の第1の実施形態を示すフローチャートである。
連写撮像モードが設定され、連写撮影の指示(スイッチS2のON)が入力されると(ステップS110)、CPU32は、連写の1コマ分の撮影を実施し(ステップS112)、左右のフル画角の画像を一旦、RAM54に保存させる(ステップS114)。
続いて、スイッチS2のON/OFFが判別され(ステップS116)、ONの場合にステップS112に遷移させ、OFFの場合にはステップS118に遷移させる。即ち、スイッチS2がONされていると、その間、連写撮影が実行され、左右のフル画角の画像がRAM54に保存される。
スイッチS2がOFFされると、RAM54に保存された時系列の左右の画像は、1コマずつ読み出され、連写撮影時のズームレンズのズーム位置及び連写撮像モードに対応するディストーション補正式によりディストーション補正される(ステップS118)。
続いて、連写撮影時のズームレンズのズーム位置、フォーカス位置及び連写撮像モードに対応する光軸ずれ量がEEPROM58から読み出され又は計算され、この光軸ずれ量に基づいてディストーション補正されたフル画角の画像から、光軸ずれを補正するための画像の切り出しを行う(ステップS120)。
上記のようにして切り出された画像は、圧縮処理等が行われた後、メモリカード40に記録される(ステップS122)。
[連写撮影時の画像処理の第2の実施形態]
図17は連写撮影時の画像処理の第2の実施形態を示すフローチャートである。尚、図16に示した連写撮影時の画像処理の第1の実施形態と共通する部分には同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図17に示す連写撮影時の画像処理の第2の実施形態は、ステップS116とS118との間に、ステップS117の処理が追加されている点で、第1の実施形態と相違する。
即ち、ステップS117では、RAM54に保存された左右の画像に対して、それぞれ画角位置に応じたシェーディング補正を行い、左右の画像の明るさを均一にする。これにより、後段のディストーション補正及び画像の切り出し処理が行われる左右の画像間で明るさの差のない画像にすることができる。
[連写撮影時の画像処理の第3の実施形態]
図18は連写撮影時の画像処理の第3の実施形態を示すフローチャートである。尚、図16に示した連写撮影時の画像処理の第1の実施形態と共通する部分には同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図18に示す連写撮影時の画像処理の第3の実施形態は、連写撮影された時系列の複数の画像のうち、ユーザにより保存の指示があった画像のみをメモリカード40に保存する点で、第1の実施形態と相違する。
図18において、スイッチS2がOFFされると(ステップS116)、RAM54に保存された時系列の左右の画像が、撮影順に読み出されて再生される(ステップS130)。
いま、連写撮影によりN回の3D画像の撮影が行われると、撮影順を示すN=1〜NのうちからN番目の左右の画像が読み出され、ディストーション補正及び画像の切り出しが行われる(ステップS118、S120)。この処理後の左右の画像は、液晶モニタ16に3D静止画として表示される(ステップS132)。
ユーザは、液晶モニタ16に表示された3D静止画を見ながら、その画像をメモリカード40に保存するか否かを判断する(ステップS134)。「Yes」の場合(例えば、MENU/OKボタンをONにした場合)には、液晶モニタ16に表示されている3D静止画がメモリカード40に保存される。
一方、「No」の場合(例えば、十字キーの左/右キーによるコマ送り指示がある場合)には、ステップS130に遷移し、RAM54から次の左右の画像が読み出され、上記と同様の処理が行われる。
尚、上記実施形態では、スイッチS2がONされている期間、連写撮影を行うようにしているが、これに限らず、スイッチS2がONされると、予め設定された枚数だけ連写撮影を行うものでもよい。
[撮影/再生処理の第1の実施形態]
図19及び図20は本発明に係る立体撮像装置10の撮影/再生処理の第1の実施形態を示すフローチャートである。
図19において、立体撮像装置10を撮影モードにして撮影を開始させると、その撮影時の撮像モード(例えば、3D動画撮像モード、3D静止画撮像モード)、ズームレンズのズーム位置、及び光軸ずれ量を、メモリカード40に記録される画像ファイルのタグに書き込む(ステップS140)。尚、光軸ずれ量は、撮像モード、ズーム位置、フォーカス位置によりEEPROM58から読み出され、又は計算されたものである。
また、撮影された左右のフル画角の画像(動画又は静止画)を前記画像ファイルに保存する(ステップS142)。
即ち、撮影時には、前述したディストーション補正及び画像の切り出し処理は行わず、補正前の画像と、補正に必要な情報をタグに記録しておく。
一方、図20に示すように、立体撮像装置10を再生モードにして再生を開始させると、メモリカード40に保存された再生対象の画像ファイルから、左右の画像とともに、タグ情報を読み出す(ステップS150)。
そして、前記タグ情報に含まれる撮像モード、ズーム位置により特定されるディストーション補正式を取得し、このディストーション補正式を使用して前記読み出した左右の画像に対してディストーション補正を行う(ステップS152)。
続いて、ディストーション補正後の左右の画像から、前記タグ情報に含まれる光軸ずれ量に基づいて光軸ずれを補正するための画像の切り出しを実施する(ステップS154)。
このようにして切り出された左右の画像は、切り出し中心が液晶モニタ16の画面中心になるように表示され(ステップS156)、これにより光軸ずれのない立体視しやすい3D画像として表示される。
上記のようにフル画角の画像を保存することにより、2Dの写真プリントを行う場合には、より広角の写真プリントを得ることができる。また、ユーザが2D再生を選択した場合には、前記切り出した画像のうちのいずれか一方の切り出した画像を再生することもできる。これによれば、3D再生時に目が疲れて、2D再生に切り替えた場合でも、3D画像の画角サイズが分かるようになる。
尚、この実施形態では、光軸ずれ量をタグ情報として記録するようにしたが、光軸ずれ量の代わりに、光軸中心の座標又は切り出し範囲の対角の座標を記録してもよく、要は光軸ずれを補正することができる画像切り出しの情報であれば、いかなるものでもよい。
また、3D再生時にディストーション補正及び画像の切り出し処理をした画像を、メモリカード40に記録することもできる。この場合、オリジナルの画像ファイルを消去してもよいし、両者の画像ファイルを併存させるようにしてもよい。
[撮影/再生処理の第2の実施形態]
図21及び図22は本発明に係る立体撮像装置10の撮影/再生処理の第2の実施形態を示すフローチャートである。
図21において、立体撮像装置10を撮影モードにして撮影を開始させると、撮影された左右のフル画角の画像(動画又は静止画)に対して、各種の補正処理を実施する(ステップS160)。ここでの画像処理は、左右の画像の光軸ずれを補正するための画像の切り出し処理を除いた他の画像処理であり、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、シェーディング補正及びディストーション補正等を含むものである。
画像処理が施された左右の画像は、所定の圧縮形式で圧縮された後、メモリカード40に保存される(ステップS162)。
一方、図22に示すように、立体撮像装置10を再生モードにして再生を開始させると、メモリカード40に保存された再生対象の画像ファイルから、左右の画像を読み出す(ステップS170)。
続いて、左右の画像の対応する特徴点を検出する対応点検出を実施し、左右の画像の光軸ずれを補正するための情報を取得する(ステップS172)。対応点検出は、例えば、ブロックマッチング法により行うことができる。
左右の画像のうちの一方の画像(例えば、左の画像)を基準にして、左の画像の各画素について、他方の画像(右の画像)上の対応する画素を、対応点検出により求める。この対応点検出を行うと、左右の画像間で、対応点が検出できる領域と、対応点が検出できない領域とを求めることができる。そして、左右の画像の対応点が検出できる領域の最外周の4辺で囲まれた領域をそれぞれ検出することにより、左右の画像の光軸ずれを補正するための情報を取得することができる。
即ち、上記4辺で囲まれた領域の中心が、全画角の画素から立体視用の画像を切り出す切り出し領域となり、また、4辺で囲まれた領域の中心が切り出し中心となる。
左右のフル画角の画像から、それぞれ上記のようにして求めた切り出し領域により切り出された左右の画像は、その切り出し中心が液晶モニタ16の画面中心になるように表示される(ステップS174)。これにより光軸ずれのない立体視しやすい3D画像として表示される。
例えば、図23に示すように左右のフル画角の画像から、対応点検出により求めた点線で示す切り出し領域(切り出し開始点又は切り出し中心と、切り出しサイズにより特定される領域)を切り出し、それぞれ切り出された画像(左右の重なり部分)が、立体視用の画像として液晶モニタ16に表示される。このとき、左右の画像の切り出し中心は、一致して表示されるため、左右の画像の光軸ずれ(V方向のずれ)は補正される。
尚、上記の例では、左右の画像の重なり部分のみを表示するようにしたが、これに限らず、下記のa)〜c)に示すような表示を行うようにしてもよい。
a)左右の画像で重ならない部分に関しては、そのまま表示する。これにより、重なっている部分は3D表示され、重ならない部分は、2D表示されることになる。
b)3D表示する場合に、左右の画像で重ならない部分には、額縁などの模様を配置する。
c)3D表示する場合に、左右の画像で重ならない部分は、削除(黒塗り、又は白抜き)する。
[その他]
画像の切り出しが行われた左右の画像の切り出し中心は、ほぼ同じ被写体が存在するため、左右の画像の切り出し中心部分のMTF(modulation transfer function)測定を行い、左右の画像の解像度の差を計算する。そして、左右の画像に対する画質設定(輪郭強調、ガンマ補正)等を変更することにより、左右の画像の解像度を均一にすることができる。
また、この立体撮像装置10は、3Dスルー画を液晶モニタ16に表示させることができるようになっており、ユーザはこの3Dスルー画を見ながら視差調整スイッチ18B(図1(b))を操作することにより、3D画像(動画又は静止画)の視差量を調整することができる。
即ち、視差調整スイッチ18Bを+方向、又は−方向に操作することにより、3D画像の視差量(視差調整値)を増減することができる。
画像の切り出し処理時に、光軸ずれ量の情報と上記視差調整値(左右の画像のH方向のずらし量)を使用して画像の切り出しを行うことにより、V方向の光軸ずれのない、ユーザの好みの立体感をもった3D画像の記録、再生を行うことができる。
尚、補正精度の異なるディストーション補正を実施する複数の撮像モードは、この実施形態に限らず、ディストーション補正を実施しない撮像モードや、魚眼撮像モードのようにディストーションを強調する撮像モードを含んでいてもよい。
また、この実施形態では、ディストーション補正後の画像に対して画像の切り出し処理を行うようにしたが、これとは逆に、光軸ずれを補正するための画像の切り出し処理を行った画像に対してディストーション補正を行うようにしてもよい。この場合の画像の切り出し処理は、後段のディストーション補正による光軸ずれを考慮して、画像の切り出し処理を行うことは言うまでもない。
また、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
10…立体撮像装置、11…シャッタボタン、12…ズームボタン、14-1,14-2…撮影光学系、16…液晶モニタ、20-1,20-2…撮像部、21…フォーカスレンズ及びズームレンズ、24…CCD、25…アナログ信号処理部、32…中央処理装置(CPU)、34…操作部、44…デジタル信号処理部、54…RAM、56…ROM、58…EEPROM

Claims (10)

  1. 撮影光学系と該撮影光学系を介して結像される被写体像をそれぞれ光電変換する撮像素子とを有する複数の撮像手段であって、互いに視差を有する複数の画像を撮像する複数の撮像手段と、
    予め検出した複数のフォーカス位置に対する各撮影光学系の光軸ずれ量を記憶する記憶手段と、
    前記複数の撮影光学系の現在のフォーカス位置を検出するフォーカス位置検出手段と、
    前記各撮影光学系の光軸ずれ量に基づき、前記フォーカス位置検出手段により検出された前記撮影光学系の現在のフォーカス位置に対応する光軸ずれ量を取得する光軸ずれ量取得手段と、
    前記複数の撮像手段から立体画像用の複数の画像を取得する撮像制御手段と、
    前記光軸ずれ量取得手段により現在のフォーカス位置に対応して取得された光軸ずれ量に基づいて前記撮像制御手段により取得された複数の画像に対して立体表示用の画像の切り出し処理を行う画像切り出し手段と、
    前記撮像制御手段により取得された複数の画像に対してディストーション補正を行うディストーション補正手段を備え、
    前記光軸ずれ量取得手段は、前記複数の撮影光学系の光軸ずれに、前記ディストーション補正手段によるディストーション補正で生じる光軸ずれを反映した光軸ずれ量を取得し、
    前記記憶手段は、前記各撮影光学系の光軸ずれ量として、前記撮影光学系の各フォーカス位置の光軸ずれ量を、フォーカス位置に応じて記憶し、
    前記光軸ずれ量取得手段は、現在のフォーカス位置に応じて前記記憶手段から対応する光軸ずれ量を読み出す読出手段を有することを特徴とする立体撮像装置。
  2. 撮影光学系と該撮影光学系を介して結像される被写体像をそれぞれ光電変換する撮像素子とを有する複数の撮像手段であって、互いに視差を有する複数の画像を撮像する複数の撮像手段と、
    予め検出した複数のフォーカス位置に対する各撮影光学系の光軸ずれ量を記憶する記憶手段と、
    前記複数の撮影光学系の現在のフォーカス位置を検出するフォーカス位置検出手段と、
    前記各撮影光学系の光軸ずれ量に基づき、前記フォーカス位置検出手段により検出された前記撮影光学系の現在のフォーカス位置に対応する光軸ずれ量を取得する光軸ずれ量取得手段と、
    前記複数の撮像手段から立体画像用の複数の画像を取得する撮像制御手段と、
    前記光軸ずれ量取得手段により現在のフォーカス位置に対応して取得された光軸ずれ量に基づいて前記撮像制御手段により取得された複数の画像に対して立体表示用の画像の切り出し処理を行う画像切り出し手段と、
    前記撮像制御手段により取得された複数の画像に対してディストーション補正を行うディストーション補正手段を備え、
    前記光軸ずれ量取得手段は、前記複数の撮影光学系の光軸ずれに、前記ディストーション補正手段によるディストーション補正で生じる光軸ずれを反映した光軸ずれ量を取得し、
    前記記憶手段は、前記各撮影光学系の光軸ずれ量として、前記撮影光学系の各フォーカス位置の光軸ずれ量を算出するための2以上のフォーカス位置における光軸ずれ量又は計算式を示す情報を記憶し、
    前記光軸ずれ量取得手段は、前記記憶手段に記憶された情報と現在のフォーカス位置とに基づいて光軸ずれ量を算出する算出手段を有することを特徴とする立体撮像装置。
  3. 撮影光学系と該撮影光学系を介して結像される被写体像をそれぞれ光電変換する撮像素子とを有する複数の撮像手段であって、互いに視差を有する複数の画像を撮像する複数の撮像手段と、
    予め検出した複数のフォーカス位置に対する各撮影光学系の光軸ずれ量を記憶する記憶手段と、
    前記複数の撮影光学系の現在のフォーカス位置を検出するフォーカス位置検出手段と、
    前記各撮影光学系の光軸ずれ量に基づき、前記フォーカス位置検出手段により検出された前記撮影光学系の現在のフォーカス位置に対応する光軸ずれ量を取得する光軸ずれ量取得手段と、
    前記複数の撮像手段から立体画像用の複数の画像を取得する撮像制御手段と、
    前記光軸ずれ量取得手段により現在のフォーカス位置に対応して取得された光軸ずれ量に基づいて前記撮像制御手段により取得された複数の画像に対して立体表示用の画像の切り出し処理を行う画像切り出し手段と、
    前記撮像制御手段により取得された複数の画像に対してディストーション補正を行うディストーション補正手段を備え、
    前記光軸ずれ量取得手段は、前記複数の撮影光学系の光軸ずれに、前記ディストーション補正手段によるディストーション補正で生じる光軸ずれを反映した光軸ずれ量を取得し、
    前記複数の撮影光学系の現在のズーム位置を検出するズーム位置検出手段を更に有し、
    前記記憶手段は更に、予め検出した複数のズーム位置に対する各撮影光学系の光軸ずれ量を記憶することを特徴とする立体撮像装置。
  4. 前記記憶手段は、前記各撮影光学系の光軸ずれ量として、前記撮影光学系の各フォーカス位置及びズーム位置の光軸ずれ量を、ズーム位置及びフォーカス位置に応じて記憶し、
    前記光軸ずれ量取得手段は、現在のズーム位置及びフォーカス位置に応じて前記記憶手段から対応する光軸ずれ量を読み出す読出手段を有することを特徴とする請求項に記載の立体撮像装置。
  5. 前記記憶手段は、前記各撮影光学系の光軸ずれ量として、前記撮影光学系の各フォーカス位置の光軸ずれ量を算出するための2以上のフォーカス位置における光軸ずれ量又は計算式を示す情報を、前記撮影光学系のズーム位置に応じて記憶し、
    前記光軸ずれ量取得手段は、前記撮影光学系の現在のズーム位置に基づいて前記記憶手段から読み出した情報と現在のフォーカスとに基づいて光軸ずれ量を算出する算出手段を有することを特徴とする請求項に記載の立体撮像装置。
  6. 撮影モード又は再生モードを選択するモード選択手段と、
    前記再生モード時に前記ディストーション補正及び画像の切り出し処理された画像を、記録媒体に記録する記録手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の立体撮像装置。
  7. 前記複数の撮像手段から出力される複数の画像間の視差量を調整する視差量調整手段を更に備え、
    前記画像切り出し手段は、前記立体表示用の画像の切り出し処理時に前記視差量調整手段により調整された視差量に基づいて更に切り出し位置を調整した画像の切り出し処理を行うことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の立体撮像装置。
  8. 前記撮像制御手段が立体静止画の撮像モードであるのか、立体動画の撮像モードであるのか判別する撮像モード判別手段を更に備え、
    前記ディストーション補正手段は、前記撮像モード判別手段の判別結果に応じてディストーション補正の補正精度を変更してディストーション補正を行う、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の立体撮像装置。
  9. 前記ディストーション補正手段は、前記複数の画像が立体静止画用の画像である場合、前記複数の画像が立体動画用の画像である場合よりも、高い補正精度のディストーション補正を行う、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の立体撮像装置。
  10. 複数の撮影光学系を介して取得された互いに視差を有する多視点画像における前記複数の撮影光学系の光軸ずれを補正する画像補正方法であって、
    複数のフォーカス位置に対する各撮影光学系の光軸ずれ量を記憶手段に記憶するステップと、
    前記複数の撮影光学系を介して、互いに視差を有する複数の多視点画像を撮像するステップと、
    撮像時の前記複数の撮影光学系のフォーカス位置を取得するステップと、
    前記撮像時の前記撮影光学系のフォーカス位置に対応する光軸ずれ量を前記記憶手段から取得するステップと、
    前記複数の多視点画像に対してディストーション補正を行うステップと、
    前記記憶手段から取得した前記光軸ずれ量に、前記ディストーション補正で生じる光軸ずれを反映した光軸ずれ量を取得するステップと、
    前記ディストーション補正で生じる光軸ずれを反映した前記光軸ずれ量に基づいて前記複数の多視点画像に対して立体表示用の画像の切り出し処理を行うステップと、
    を含むことを特徴とする画像補正方法。
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