JP5584664B2 - キャビネットの扉構造 - Google Patents
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Description
本発明は、キャビネットの前面に取り付けられる扉構造に関するものである。
従来から、洗面化粧台やシステムキッチン等では、前面に扉が開閉自在に取り付けられたキャビネットが用いられている(特許文献1等参照)。
このような洗面化粧台やシステムキッチン等の水廻りで使用されるキャビネットでは、水気を含んだタオルやバスマット等を、開いた扉に一時的に掛けて、扉を乾燥用の物干しとして利用することが考えられる。
しかし、その場合、扉に掛けたタオル等と扉の表裏面との間が狭く、その間の空気が循環し難いため、キャビネットの扉は乾燥用の物干しとして利用するには不向きであった。
そこで、上記事情を鑑みて、本発明は、水気を含んだタオルやバスマット等を乾燥させる用途としても利用できるキャビネットの扉構造を提案することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明のキャビネットの扉構造は、キャビネットの前面の扉を、扉本体と、該扉本体の外枠を成すフレーム部材とで形成し、前記扉本体と前記フレーム部材のそれぞれを、前記キャビネットに対して開閉自在に取り付けたことを特徴とする。
また、前記フレーム部材の下部に、該フレーム部材を開いた際に床面に接触して該フレーム部材を支持する支持部を収納可能に設けることが好ましい。
また、キャビネット上部にボウルまたはシンクを備えることが好ましい。
本発明のキャビネットの扉構造は、水気を含んだタオルやバスマット等を乾燥させる用途としても利用できる。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
本発明のキャビネットの扉構造は、洗面化粧台やキッチン等の水廻りのキャビネットに好適に用いられる扉構造である。
図1には、本発明の実施形態の洗面化粧台に用いられるキャビネット1を示している。洗面化粧台には、図1(a)に示すように、上から順に、鏡とボウル6とキャビネット1とが設けられている。キャビネット1は、内部に収納部10を備えており、収納部10の前面に2枚の扉2が開閉自在に取り付けられている。キャビネット1の扉2の下方には蹴込み11が設けられている。この左右の2枚の扉2は、左右対称の構成であるので、以下においては左側の扉2について詳しく説明する。
扉2は、矩形板状の扉本体3と、扉本体3の外枠を成すフレーム部材4とから構成されている。扉本体3とフレーム部材4とは前後方向の厚みが略同じとなるように形成されている。フレーム部材4は、扉本体3上方に位置する上フレーム部材40と、扉本体3下方に位置する下フレーム部材41と、扉本体3右方(側方)に位置する横フレーム部材42の3つの部材が一体となったものである。本実施形態では、上・下・横フレーム部材40,41,42はそれぞれ円筒状である。フレーム部材4の両端の開口は閉じられている。なお、上・下・横フレーム部材40,41,42は、円筒状に限られるものではなく、角筒状であってもよいし、中空でなくてもよい。フレーム部材4は、強度や防水性の強い部材で形成することが好ましい。
扉本体3とフレーム部材4とはそれぞれ、キャビネット1の収納部10の前面に開閉自在に取り付けられている。詳しくは、図1(c)に示すように、キャビネット1の収納部10の側壁12の前面の上部と下部にそれぞれ1つずつ蝶番13が取り付けられている。蝶番13は、一方の取付板14が側壁12の前面に取り付けられており、他方の取付板が上下に分かれていて、片側の取付板15がフレーム部材4に取り付けられており、もう片側の取付板16が、扉本体3に取り付けられている。そのため、扉本体3とフレーム部材4とは蝶番13の回転軸17を中心に同じ回転軸で開閉動作を行うようになっている。
なお、キャビネット1の収納部10の前面に扉本体3とフレーム部材4とをそれぞれ開閉自在に取り付ける構造としては、上述の蝶番13を用いたものに限定されない。例えば、図4に示すように、キャビネット1の扉2の上方に配される前板18と、キャビネット1の扉2の下方に配される受け板19との間に、2本の回転軸20を介して扉本体3とフレーム部材4とを取り付けてもよい。なお、扉本体3とフレーム部材4と貫通する1本の回転軸を介して扉本体3とフレーム部材4とを前板18と受け板19の間に取り付けてもよい。
本実施形態では、図1(b)及び図2に示すように、フレーム部材4の下部に、フレーム部材4を開いた際に床面に接触してフレーム部材4を支持する支持部5を備えている。支持部5は、フレーム部材4の下部に収納可能に設けている。詳しくは、支持部5は横フレーム部材42よりも小径の有底筒状であり、フレーム部材4の下部の右端部には、支持部5をフレーム部材4内に収納するための引出孔43を下方に向けて開口させて設けている。この引出孔43を通じて、支持部5は下方へ突出自在に設けられている。支持部5の下端には、弾性を備えたゴム等で形成される当たり部50が設けられており、支持部5の外周面には、スライドピン51が垂直に固定されている。横フレーム部材42には、スライドピン51がスライドする上下方向に長いスライド長孔44を貫通させて設けている。スライド長孔44は、その上端部と下端部とにスライドピン51を係止する上係止孔45と下係止孔46とを備えている。上係止孔45内にスライドピン51が位置した状態で、支持部5は、横フレーム部材42に係止されて上下移動が規制され、支持部5全体がフレーム部材4内に収納される(図1(c)参照)。そして、下係止孔46内にスライドピン51が位置した状態で、支持部5は、横フレーム部材42に係止されて上下移動が規制され、支持部5の下端の当たり部50が床面に接触する(図1(b),図2参照)。なお、支持部5は、フレーム部材4に収納可能であればよく、その構造は上述した構造に限定されない。
さらに本実施形態では、図1及び図3に示すように、扉本体3の前面の右上部に、扉本体3を開閉する際に手をかける本体把持部30を設けている。そして、フレーム部材4の前面の右上部には、フレーム部材4を開閉する際に手をかけるフレーム把持部47を引き出し自在に設けている。本体把持部30に手をかけて扉本体3を開く際にフレーム部材4も一緒に開くことができるようにするために、フレーム把持部47には、フレーム部材4を扉本体3に係止させるストッパー部48が一体に設けられている。詳しくは、図3(b)に示すように、フレーム把持部47とストッパー部48とは上フレーム部材40内に設けた弾性部材49によって、上フレーム部材40の前面と下面からそれぞれ突没自在となるように設けられている。そして、扉本体3の上面には、ストッパー部48が嵌まり込む凹溝状の係止溝33が形成されている。
扉本体3とフレーム部材4とを共に閉じた状態(図3(a)の状態)で、フレーム把持部47を引くと、ストッパー部48が上フレーム部材40内に引っ込んで、ストッパー部48が係止溝33から外れる。また、その状態でフレーム把持部47を離すと、ストッパー部48が弾性部材49によって下方に付勢されて、上フレーム部材40の下面から下方に突出して、係止溝33に嵌まり込む。
なお、本実施形態では、フレーム把持部47を触らずにフレーム部材4を開いた状態から閉じると、弾性部材49によって下方に付勢されているストッパー部48が、扉本体3の上面に押されて一旦引っ込んだ後、下方に突出して係止溝33に嵌まり込む。そのため、本実施形態では、フレーム把持部47を触らずにフレーム部材4を閉じることができる。
上述した本実施形態のキャビネットの扉構造を、乾燥用の物干しとして利用する際の操作手順について説明する。
図1(a)に示すように扉本体3及びフレーム部材4が共に閉じた状態から、まず、フレーム部材4のフレーム把持部47を引っ張る。すると、扉本体3の係止溝33からストッパー部48が外れて、図1(b)に示すように、フレーム部材4だけを開くことができる。
フレーム部材4を開いた状態で、フレーム部材4の横フレーム部材42内に収納されている支持部5を下方に引き出す。この際、支持部5のスライドピン51が、横フレーム部材42のスライド長孔44の上係止孔45から下係止孔46へと移動するように、支持部5を引き出す。スライドピン51が下係止孔46に係止された状態で、支持部5の下端の当たり部50が床面に接触し、フレーム部材4が支持部5を介して床面に支えられた状態となる。
この状態で、水気を含んだタオルやバスマット等をフレーム部材4の上フレーム部材40にかける。フレーム部材4は支持部5を介して床面に支えられているので、これらの水を含んで重くなったタオル等をしっかりと支えることができる。またこの支持部5を介して床面に支えられたフレーム部材4を、腰掛けや背もたれとして利用することもできる。なお、支持部5を収納したまま、水気を含んだタオルやバスマット等をフレーム部材4にかけてもかまわない。
フレーム部材4を閉じる際には、まずフレーム部材4内に支持部5を収納する。このとき支持部5のスライドピン51が、下係止孔46から上係止孔45へと移動するように、支持部5を横フレーム部材42内に差し込む。スライドピン51が上係止孔45に係止された状態で、支持部5全体がフレーム部材4内に収納される。この後、フレーム部材4を扉本体3と上下に重なる閉位置まで移動させて、フレーム部材4を閉じる。このときフレーム把持部47を引きながらフレーム部材4を閉位置まで移動させれば、ストッパー部48が扉本体3に接触することなくフレーム部材4を閉じることができる。なお、フレーム把持部47を触らずにフレーム部材4を閉位置まで移動させても、ストッパー部48が扉本体3の上面に押されて自動的に引っ込んでフレーム部材4を閉じることができる。
フレーム部材4を乾燥用の物干しとして利用しない場合には、扉本体3の係止溝33にはフレーム部材4のストッパー部48が嵌まり込んでいるため、扉本体3の本体把持部30を引くだけで、フレーム部材4と扉本体3とを一緒に開くことができる(図1(c)参照)。
以上、本実施形態のキャビネットの扉構造について説明したが、続いて、他の実施形態のキャビネットの扉構造について説明する。上述した実施形態のキャビネットの扉構造と相違点のみ詳しく説明する。
図5に示す他の実施形態のキャビネットの扉構造は、キャビネット1の前面の扉2が、扉本体3と、扉本体3の前面部の外枠をなすフレーム部材4とから構成される。すなわち、扉本体3とフレーム部材4とは共に閉じた状態で、扉本体3の前方にフレーム部材4が重なる。
本実施形態では、上述した図4の取付構造と同様に、キャビネット1の扉2の上方に配されている前板18と、キャビネット1の扉2の下方に配されている受け板19との間に、回転軸20を介して扉本体3とフレーム部材4とを取り付けている。つまり、扉本体3とフレーム部材4とが同じ回転軸を中心に開閉動作を行うようになっている。
本実施形態では、フレーム部材4を扉本体3の前面部の外枠をなすように形成したことで、フレーム部材4のみ開いた状態で、収納部10の前面全体を扉本体3で閉じることができ、収納部10内の物が外部から見えないようにできる。
また、扉本体3の前方にフレーム部材4が重なっているので、扉本体3を開けば、一緒にフレーム部材4を開くことができる。そのため、本実施形態では、扉本体3とフレーム部材4とを係止させる構成を設ける必要がないので、構成を簡素化することができる。
以上まとめると、上述した各実施形態のキャビネットの扉構造は、キャビネット1の前面の扉2を、扉本体3と、扉本体3の外枠を成すフレーム部材4とで形成し、扉本体3とフレーム部材4のそれぞれをキャビネット1に対して開閉自在に取り付けたものである。
このような構成とすることで、フレーム部材4をキャビネット1の前方に開くことによって、このフレーム部材4を水気を含んだタオルやバスマット等を乾燥させる物干しとして利用することができる。フレーム部材4は枠状であるので、フレーム部材4に掛けた水気を含んだタオル等の周りでは空気が循環しやすく、本実施形態のキャビネットの扉構造は、水気を含んだタオル等の乾燥をさせる用途としても好適に利用することができる。
また、上述した各実施形態のキャビネットの扉構造は、フレーム部材4の下部に、フレーム部材4を開いた際に床面に接触してフレーム部材4を支持する支持部5を収納可能に設けたものである。
このような構成とすることで、キャビネット1の前面の取付部分だけでフレーム部材4を支えるのではなく、支持部5を介して床面でもフレーム部材4を支えることができる。そのため、水気を含んで重くなったタオルやバスマット等の重量物をフレーム部材4でよりしっかりと支えることができる。また、支持部5は、フレーム部材4を閉じる際に収納することができるので邪魔にならない。
また、上述した各実施形態のキャビネットの扉構造は、キャビネット1上部にボウル6またはシンクを備えることを特徴とする。
このような構成とすることで、ボウル6またはシンクなどで使用して、水気を含んだタオル等を下方のフレーム部材4を利用して乾燥させることができる。
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
1 キャビネット
2 扉
3 扉本体
4 フレーム部材
5 支持部
6 ボウル
2 扉
3 扉本体
4 フレーム部材
5 支持部
6 ボウル
Claims (3)
- キャビネットの前面の扉を、扉本体と、該扉本体の外枠を成すフレーム部材とで形成し、
前記扉本体と前記フレーム部材のそれぞれを、前記キャビネットに対して開閉自在に取り付けたことを特徴とするキャビネットの扉構造。 - 前記フレーム部材の下部に、該フレーム部材を開いた際に床面に接触して該フレーム部材を支持する支持部を収納可能に設けたことを特徴とする請求項1に記載のキャビネットの扉構造。
- キャビネット上部にボウルまたはシンクを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のキャビネットの扉構造。
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