JP5581601B2 - 化合物半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化合物半導体装置及びその製造方法に関する。
近年、サファイア、SiC、GaN又はSi等からなる基板上にGaN層及びAlGaN層を順次形成し、GaN層を電子走行層として用いる電子デバイス(化合物半導体装置)の開発が活発である。GaNのバンドギャップは3.4eVであり、GaAsの1.4eVに比べて大きい。このため、この化合物半導体装置には、高耐圧での動作が期待されている。
このような化合物半導体装置の一つとして、GaN系の高電子移動度トランジスタ(HEMT:high electron mobility transistor)が挙げられる。GaN系HEMTを電源用のインバータのスイッチとして使用すると、オン抵抗の低減及び耐圧の向上の両立が可能である。また、Si系トランジスタと比較して、待機時の消費電力を低減することも可能であり、動作周波数を向上させることも可能である。このため、スイッチングロスを低減することができ、インバータの消費電力を低減することが可能となる。また、同等の性能のトランジスタであれば、Si系トランジスタと比較して小型化が可能である。
また、ゲートに電圧を印加しない場合には、チャネルに電流が流れないノーマリオフ動作が可能なGaN系HEMTもある。
図1は、従来のGaN系HEMTの構造を示す断面図である。SiC基板101上にAlN層102、ノンドープのi−GaN層103、ノンドープのi−AlGaN層104、n型のn−AlGaN層105、n型のn−GaN層106、AlN層107、及びn型のn−GaN層108が順次形成されている。更に、n−GaN層108上にSiN層109が形成されている。SiN層109、n−GaN層108、及びAlN層107に開口部が形成されており、この中にゲート電極111gが形成されている。また、SiN層109、n−GaN層108、AlN層107、及びn−GaN層106に、ゲート電極111gを挟むようにして2個の開口部が形成されており、一方の中にソース電極111sが形成され、他方の中にドレイン電極111dが形成されている。なお、AlN層102はバッファ層として機能する。ゲート電極111gはn−GaN層106にショットキー接触しており、ソース電極111s及びドレイン電極111dはn−AlGaN層105にオーミック接触している。
このように構成された従来のGaN系HEMTでは、図2に示すように、閾値電圧Vthが0Vを超える。つまり、ノーマリオフ動作が可能である。
しかしながら、このような従来のGaN系HEMTにおいても、閾値電圧Vthは0Vに近い。GaN系HEMTでは、大きなドレイン電圧が印加されると、閾値電圧Vthが負の方向に変化することがある。このため、従来、ノーマリオフ動作が可能なGaN系HEMTにおいても、大きなドレイン電圧が印加された場合に、ドレインリーク電流がドレイン電極からソース電極へと流れることがある。このことは、図2において、ゲート電圧が0Vのときでもドレイン電流が正になっていることから明らかである。
特開2006−114653号公報
本発明の目的は、大きなドレイン電圧が印加された場合のドレインリーク電流を抑制することができる化合物半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
化合物半導体装置の一態様には、基板と、前記基板上方に形成された電子走行層と、前記電子走行層上方に形成され、AlGaNを含む電子供給層と、前記電子供給層上に形成され、InAlNを含むショットキーバリア層と、前記電子供給層にオーミック接触するソース電極及びドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で前記ショットキーバリア層上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成されたゲート電極と、が設けられている。前記ショットキーバリア層を構成する結晶の格子定数は、前記電子供給層を構成する結晶の格子定数よりも大きく、前記ショットキーバリア層を構成する材料のバンドギャップは、前記電子供給層を構成する材料のバンドギャップよりも大きい。
化合物半導体装置の製造方法では、基板上方に電子走行層を形成し、前記電子走行層上方に、AlGaNを含む電子供給層を形成する。更に、前記電子供給層上に、InAlNを含むショットキーバリア層を形成し、前記電子供給層にオーミック接触するソース電極及びドレイン電極を形成し、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で前記ショットキーバリア層上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜上にゲート電極を形成する。前記ショットキーバリア層を構成する結晶の格子定数は、前記電子供給層を構成する結晶の格子定数よりも大きく、前記ショットキーバリア層を構成する材料のバンドギャップは、前記電子供給層を構成する材料のバンドギャップよりも大きい。
上記の化合物半導体装置等によれば、適切なショットキーバリア層が電子供給層上に設けられるので、ドレインリーク電流に寄与する2次元電子ガスを消失させることができる。従って、大きなドレイン電圧が印加された場合のドレインリーク電流を抑制することができる。
従来のGaN系HEMTの構造を示す断面図である。 従来のGaN系HEMTの特性を示す図である。 第1の実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)の構造を示す断面図である。 第1の実施形態に係るGaN系HEMTの構造を示すレイアウト図である。 第1の実施形態における伝導帯のバンド構造を示す図である。 第1の実施形態における格子定数とエネルギバンドギャップとの関係を示す図である。 第1の実施形態に係るGaN系HEMTの特性を示す図である。 第1の実施形態に係るGaN系HEMTの製造方法を示す断面図である。 図8Aに引き続き、第1の実施形態に係るGaN系HEMTの製造方法を示す断面図である。 図8Bに引き続き、第1の実施形態に係るGaN系HEMTの製造方法を示す断面図である。 図8Cに引き続き、第1の実施形態に係るGaN系HEMTの製造方法を示す断面図である。 図8Dに引き続き、第1の実施形態に係るGaN系HEMTの製造方法を示す断面図である。 第2の実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)の構造を示す断面図である。 第2の実施形態における格子定数とエネルギバンドギャップとの関係を示す図である。 第2の実施形態に係るGaN系HEMTの特性を示す図である。 第3の実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)の構造を示す断面図である。 第3の実施形態に係るGaN系HEMTの特性を示す図である。
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。図3は、第1の実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)の構造を示す断面図である。
第1の実施形態では、SiC基板等の基板1上に、厚さが0.001μm〜1μm程度(例えば0.3μm)のAlN層2が形成されている。AlN層2上に、厚さが1μm〜10μm程度(例えば2.5μm)のノンドープのi−GaN層3が形成され、その上に、厚さが1nm〜30nm程度(例えば2nm)のノンドープのi−AlGaN層4が形成され、その上に、厚さが3nm〜30nm程度(例えば8nm)のn型のn−AlGaN層5が形成されている。i−AlGaN層4及びn−AlGaN層5の組成はAlx1Ga1-x1Nで表わされ、x1の値は0.1〜0.5程度(例えば0.2)である。n−AlGaN層5には、Siが1×1017cm-3〜1×1019cm-3程度(例えば1×1018cm-3)ドーピングされている。
n−AlGaN層5上に、厚さが2nm〜10nm程度(例えば5nm)のp型のp−InAlN層6が形成されている。p−InAlN層6の組成はIny1Al1-y1Nで表わされ、y1の値は0.10〜0.20程度(例えば0.18)である。p−InAlN層6には、Mgが1×1017cm-3〜1×1019cm-3程度(例えば1×1018cm-3)ドーピングされている。
p−InAlN層6上に、厚さが0.5nm〜5nm程度(例えば2nm)のノンドープのi−AlN層7が形成され、その上に、厚さが2nm〜20nm程度(例えば6nm)のn型のn−GaN層8が形成され、その上に、厚さが10nm〜100nm程度(例えば40nm)のSiN層9が形成されている。n−GaN層8には、Siが1×1018cm-3〜1×1019cm-3程度(例えば5×1018cm-3)ドーピングされている。
SiN層9、n−GaN層8、及びi−AlN層7には、ゲート電極用の開口部10gが形成されている。また、SiN層9、n−GaN層8、i−AlN層7、及びp−InAlN層6には、開口部10gを間に挟むようにしてソース電極用の開口部10s、及びドレイン電極用の開口部10dが形成されている。そして、開口部10g内にゲート電極11gが形成され、開口部10s内にソース電極11sが形成され、開口部10d内にドレイン電極11dが形成されている。ゲート電極11gは、例えばNi膜とその上に形成されたAu膜とから構成されている。また、ソース電極11s及びドレイン電極11dは、例えば、Ta膜とその上に形成されたAl膜とから構成されている。ゲート電極11gはp−InAlN層6にショットキー接触しており、ソース電極11s及びドレイン電極11dはn−AlGaN層5にオーミック接触している。
なお、基板1の表面側から見たレイアウトは、例えば図4のようになる。つまり、ゲート電極11g、ソース電極11s及びドレイン電極11dの平面形状が櫛歯状となっており、ソース電極11s及びドレイン電極11dが交互に配置されている。そして、これらの間にゲート電極11gが配置されている。このようなマルチフィンガーゲート構造を採用することにより、出力を向上させることができる。なお、図3に示す断面図は、図4中のI−I線に沿った断面図である。また、活性領域10には、AlN層2及びi−GaN層3等が含まれており、活性領域10の周囲はイオン注入又はメサエッチング等により不活性領域とされている。
このような第1の実施形態における伝導帯のバンド構造は、図5のようになる。図5(a)は、ゲート電極11gとソース電極11s又はドレイン電極11dとの間の領域における深さ方向のバンド構造を示し、図5(b)は、ゲート電極11gを含む領域における深さ方向のバンド構造を示す。
に示すように、p−InAlN層6のエネルギバンドギャップは、その下に位置するn−AlGaN層5及びi−AlGaN層4のエネルギバンドギャップよりも大きい。また、i−GaN層3のエネルギバンドギャップは、その上に位置するn−AlGaN層5及びi−AlGaN層4のエネルギバンドギャップよりも小さい。
また、i−GaN層3とi−AlGaN層4との間のヘテロ接合界面には、ピエゾ分極に伴う高濃度のキャリアが発生する。つまり、格子不整合に起因するピエゾ効果により、i−GaN層3のi−AlGaN層4との界面近傍に電子が誘起される。この結果、2次元電子ガス層(2DEG)が現れ、この部分が電子走行層(チャネル)として機能する。また、i−AlGaN層4及びn−AlGaN層5が電子供給層として機能する。
ところが、本実施形態では、p−InAlN層6がn−AlGaN層5とヘテロ接合し、p−InAlN層6の格子定数は、図6に示すように、n−AlGaN層5の格子定数よりも大きい。このため、これらの間のヘテロ接合界面にアクセプタとして作用する負のピエゾ電荷が発生して、図5(b)に示すように、このヘテロ接合界面のエネルギバンドが持ち上がる。この結果、ゲート電極11gの下方では、i−GaN層3から2DEGが消失する。従って、ゲート電極11gに電圧が印加されない状態では、リーク電流は流れない。
一方、ゲート電極11gとソース電極11s又はドレイン電極11dとの間の領域では、i−AlN層7とp−InAlN層6との間に格子不整合があり、i−AlN層7の格子定数は、図6に示すように、p−InAlN層6の格子定数よりも小さい。従って、i−AlN層7とp−InAlN層6のヘテロ接合界面にドナーとして作用する正のピエゾ電荷が発生して、図5(a)に示すように、このヘテロ接合界面のエネルギバンドが下がる。この結果、i−GaN層3に十分な2DEGが存在する。
従って、本実施形態に係るGaN系HEMTによれば、ノーマリオフ動作が可能であるだけでなく、ゲート電極11gに電圧が印加されない状態(オフ状態)では、大きなドレイン電圧が印加されてもリーク電流は流れず、オン時には、大きな電流を得ることができる。
つまり、図7に示すように、閾値電圧Vthが従来のものより高くなると共に、ゲート電圧が0Vのときにドレイン電流が0になる。また、ドレイン電流が大きくなると共に、ドレイン電流がゲート電圧に対して大きく上昇するゲート電圧の範囲が広くなる。
なお、ショットキーバリア層として機能するp型のp−InAlN層6に代えてノンドープのInAlN層を用いてもよい。また、ショットキーバリア層に更にGa等が含まれていてもよい。この場合、ショットキーバリア層の組成は、例えば(InxAl1-xyGa1-yN層(0<x≦1、0<y<1)で表わされる。また、i−AlN層7にGa等が含まれていてもよい。また、電子供給層として機能するi−AlGaN層4及びn−AlGaN層5に他の元素が含まれていてもよい。
また、抵抗体及びキャパシタ等をも実装してモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)としてもよい。
次に、第1の実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)を製造する方法について説明する。図8A乃至図8Eは、第1の実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)の製造方法を工程順に示す断面図である。
第1の実施形態では、先ず、図8Aに示すように、基板1上に、AlN層2及びi−GaN層3をこの順で形成する。次いで、i−GaN層3上に、i−AlGaN層4、n−AlGaN層5、p−InAlN層6、i−AlN層7、及びn−GaN層8をこの順で形成する。i−AlGaN層4、n−AlGaN層5、p−InAlN層6、i−AlN層7、及びn−GaN層8の形成は、例えば有機金属気相成長(MOVPE)法等の結晶成長法により行う。この場合、原料ガスを選択することにより、これらの層を連続して形成することができる。アルミニウム(Al)の原料、ガリウム(Ga)の原料、インジウム(In)の原料としては、例えば、夫々トリメチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリメチルインジウムを使用することができる。また、窒素(N)の原料として、例えばアンモニア(NH3)を使用することができる。また、n−AlGaN層5及びn−GaN層8に不純物として含まれるシリコン(Si)の原料としては、例えばシラン(SiH4)を使用することができる。p−InAlN層6に不純物として含まれるマグネシウム(Mgの原料としては、例えばシクロペンタマグネシウム(Cp2Mg)を使用することができる。
n−GaN層8の形成後には、その上にSiN層9を、例えばプラズマCVD(chemical vapor deposition)法により形成する。
次いで、SiN層9上に、ソース電極11s及びドレイン電極11dを形成する予定の領域を開口するレジストパターンを形成する。その後、レジストパターンをマスクとして用いて、SiN層9、n−GaN層8、i−AlN層7、及びp−InAlN層6のエッチングを行うことにより、図8Bに示すように、SiN層9、n−GaN層8、i−AlN層7、及びp−InAlN層6に、ソース電極用の開口部10s及びドレイン電極用の開口部10dを形成する。このエッチングとしては、例えば塩素系ガスを用いたドライエッチングを行う。なお、開口部10s及び10dの深さに関し、p−InAlN層6の一部を残してもよく、また、n−AlGaN層5の一部を除去してもよい。つまり、開口部10s及び10dの深さがSiN層9、n−GaN層8、i−AlN層7、及びp−InAlN層6の総厚と一致している必要はない。
続いて、図8Cに示すように、開口部10s及び10d内に、夫々ソース電極11s及びドレイン電極11dをリフトオフ法により形成する。ソース電極11s及びドレイン電極11dの形成では、開口部10s及び10dを形成する際に用いたレジストパターンを除去した後、ソース電極11s及びドレイン電極11dを形成する領域を開口する新たなレジストパターンを形成し、Ta及びAlの蒸着を行い、その後、レジストパターン上に付着したTa及びAlをレジストパターンごと除去する。Ta膜、Al膜の厚さは、例えば、夫々30nm程度、200nm程度とする。そして、窒素雰囲気中で400℃〜1000℃、例えば600℃で熱処理を行い、オーミック特性を確立する。
ソース電極11s及びドレイン電極11dの形成後、開口部10gを形成する予定の領域を開口するレジストパターンを形成する。次いで、レジストパターンを用いたエッチングを行うことにより、図8Dに示すように、SiN層9、n−GaN層8、及びi−AlN層7に開口部10gを形成する。このエッチングとしては、例えば、塩素系ガスを用いたドライエッチング及び酸を用いたウェットエッチングを組み合わせて行う。これは、p−InAlN層6のエッチングを回避しながら、i−AlN層7を確実に選択的に除去するためである。
その後、図8Eに示すように、開口部10g内に、ゲート電極11gをリフトオフ法により形成する。ゲート電極11gの形成では、開口部10gを形成する際に用いたレジストパターンを除去した後、ゲート電極11gを形成する領域を開口する新たなレジストパターンを形成し、Ni及びAuの蒸着を行い、その後、レジストパターン上に付着したNi及びAuをレジストパターンごと除去する。Ni膜、Au膜の厚さは、例えば、夫々30nm程度、400nm程度とする。
このような製造方法により、図7に示す構造のGaN系HEMTを得ることができる。
なお、ゲート電極11gのゲート長、即ちソース電極11sとドレイン電極11dとを結ぶ方向の長さは、0.5μm〜5μm程度(例えば2μm)である。また、ユニットゲート幅、即ちゲート長の方向に直交する方向の長さは、200μm〜1000μm程度(例えば400μm)である。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図9は、第2の実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)の構造を示す断面図である。
第2の実施形態では、第1の実施形態におけるp−InAlN層6に代わって、厚さが2nm〜20nm程度(例えば5nm)のノンドープのi−InAlN層16が設けられている。i−InAlN層16の組成はIny2Al1-y2Nで表わされ、y2の値は上面から下面に近づくほど小さくなっており、上面において0.23であり、下面において0.15である。つまり、i−InAlN層16では、i−AlN層7との界面においてInが最も多く、n−AlGaN層5との界面において最も少ない。また、i−InAlN層16の下面(y2=0.15)における格子定数をn−AlGaN層5の格子定数よりも大きく保つため、x1の値は例えば0.4である。つまり、n−AlGaN層5の組成は、例えばAl0.4Ga0.6Nで表わされる。
他の構成は第1の実施形態と同様である。
このような第2の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1の実施形態におけるp−InAlN層6中のInの割合が一定であるのに対し(例えばy1=0.18)、第2の実施形態では、i−InAlN層16中のInの割合が変化し(例えばy2=0.15(n−AlGaN層5との界面)〜0.23(i−AlN層7との界面))、i−AlN層7との界面におけるInの割合が高くなっている。このため、図10に示すように、i−AlN層7との間の格子定数の差が大きく、第1の実施形態よりも2DEGを生じさせることができ、オン電流を増加させることができる。また、n−AlGaN層5との界面における格子定数の差が小さいため、内部応力を抑制することもできる。
従って、図11に示すように、閾値電圧Vthが更に高くなる。また、ゲート電圧を正に振り込んだ時のドレイン電流が更に大きくなると共に、ゲート電圧に対してドレイン電流が増加する率(電流増幅率)も大きくなる。
なお、第2の実施形態に係るGaN系HEMTを製造する際には、第1の実施形態におけるp−InAlN層6の形成に代えて、In及びAlの原料の流量を徐々に変化させながらi−InAlN層16を形成すればよい。
なお、p−InAlN層6又はi−InAlN層16中の上面側のInの割合が大きいほど、2DEGの量は多くなるが、これらの層のエネルギバンドギャップがGaNのエネルギバンドギャップより低くなると、ゲート電極11gの側面からの順方向リーク電流が増加する。このため、Inの割合は、p−InAlN層6又はi−InAlN層16のエネルギバンドギャップがGaNのエネルギバンドギャップ以上となる範囲内にあることが好ましい。また、i−InAlN1層6の下面の格子定数はn−AlGaN層5のそれよりも大きく、GaNのそれよりも小さいことが好ましい。i−InAlN1層6の下面の格子定数がn−AlGaN層5の格子定数よりも大きくない場合には、アクセプタとして作用する負のピエゾ電荷が発生しないことがあるためである。更に、i−AlGaN層4とi−GaN層3との界面のドナーのピエゾ電荷を減らさないために、i−InAlN層16の下面の格子定数はi−GaN層3のそれよりも小さいことが望ましい。i−InAlN層16の下面の格子定数がi−GaN層3の格子定数よりも小さくない場合には、逆方向の歪によりi−AlGaN層4とi−GaN層3との界面のドナーが減ることがあるからである。
また、ショットキーバリア層として機能するノンドープのi−InAlN層16に代えてp型のInAlN層を用いてもよい。また、In及びAlの割合の変化は、連続的である必要はなく、段階的に変化していてもよい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図12は、第3の実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)の構造を示す断面図である。
第3の実施形態では、開口部10gの内面に沿って、厚さが2nm〜40nm程度(例えば10nm)のタンタル酸化膜(Ta25膜)17が形成されている。そして、このタンタル酸化膜17を介してゲート電極11gが開口部10g内に設けられている。タンタル酸化膜17は、SiN層9、ソース電極11s及びドレイン電極11dを覆っている。タンタル酸化膜17は、例えば原子層デポジション(ALD)により形成することができる。この場合、例えば、350℃でTa有機物及び酸素プラズマを反応炉に導入して膜を形成した後に、600℃で10分間のアニール処理を行って水素を脱離させればよい。なお、タンタル酸化膜17に代えて、ハフニウム系酸化膜若しくはアルミニウム系酸化膜又はこれらの混合物の酸化膜を絶縁膜として形成してもよく、また、オキシナイトライド系(ON系)膜を絶縁膜として形成してもよい。
他の構成は第2の実施形態と同様である。
このような第3の実施形態によっても第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2の実施形態ではショットキーゲート構造が採用されているのに対し、第3の実施形態では絶縁ゲート構造が採用されている。このため、図13に示すように、閾値電圧Vthがより一層高くなる。また、ドレイン電流がより一層大きくなると共に、ドレイン電流がゲート電圧に対して大きく上昇するゲート電圧の範囲もより一層広くなる。
なお、第3の実施形態において、i−InAlN層16に代えてp−InAlN層6が設けられていてもよい。
また、いずれの実施形態においても、基板1として、炭化シリコン(SiC)基板、サファイア基板、シリコン基板、GaN基板又はGaAs基板等を用いてもよい。基板1が、導電性、半絶縁性又は絶縁性のいずれであってもよい。
また、ゲート電極11g、ソース電極11s及びドレイン電極11dの構造は上述の実施形態のものに限定されない。例えば、これらが単層から構成されていてもよい。また、これらの形成方法はリフトオフ法に限定されない。更に、オーミック特性が得られるのであれば、ソース電極11s及びドレイン電極11dの形成後の熱処理を省略してもよい。また、ゲート電極11gに対して熱処理を行ってもよい。
また、各層の厚さ及び材料等も上述の実施形態のものに限定されない。
1:基板
2:AlN層
3:i−GaN層
4:i−AlGaN層
5:n−AlGaN層
6:p−InAlN層
7:i−AlN層
8:n−GaN層
9:SiN層
10:活性領域
10g、10s、10d:開口部
11d:ドレイン電極
11g:ゲート電極
11s:ソース電極
16:i−InAlN層
17:タンタル酸化膜

Claims (6)

  1. 基板と、
    前記基板上方に形成された電子走行層と、
    前記電子走行層上方に形成され、AlGaNを含む電子供給層と、
    前記電子供給層上に形成され、InAlNを含むショットキーバリア層と、
    前記電子供給層にオーミック接触するソース電極及びドレイン電極と、
    前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で前記ショットキーバリア層上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
    を有し、
    前記ショットキーバリア層を構成する結晶の格子定数は、前記電子供給層を構成する結晶の格子定数よりも大きく、
    前記ショットキーバリア層を構成する材料のバンドギャップは、前記電子供給層を構成する材料のバンドギャップよりも大きいことを特徴とする化合物半導体装置。
  2. 前記ショットキーバリア層中のInの割合が前記電子供給層から離間するほど高くなっていることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
  3. 前記ショットキーバリア層の組成は、(InxAl1-xyGa1-yN層(0<x≦1、0<y<1)で表わされることを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物半導体装置。
  4. 前記ショットキーバリア層上に形成されたAlN層を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
  5. 前記ショットキーバリア層中のInの割合が前記電子供給層側から前記AlN層側にかけて高くなっていることを特徴とする請求項に記載の化合物半導体装置。
  6. 基板上方に電子走行層を形成する工程と、
    前記電子走行層上方に、AlGaNを含む電子供給層を形成する工程と、
    前記電子供給層上に、InAlNを含むショットキーバリア層を形成する工程と、
    前記電子供給層にオーミック接触するソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
    前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で前記ショットキーバリア層上に絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
    を有し、
    前記ショットキーバリア層を構成する結晶の格子定数は、前記電子供給層を構成する結晶の格子定数よりも大きく、
    前記ショットキーバリア層を構成する材料のバンドギャップは、前記電子供給層を構成する材料のバンドギャップよりも大きいことを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
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