JP5579368B2 - 慢性呼吸器疾患を治療するためのメチルキサンチン化合物とステロイドの組み合わせ - Google Patents

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Description

本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような慢性呼吸器疾患の治療における医薬を製造すべく相乗的に併用される、テオフィリンのようなメチルキサンチン誘導体およびステロイド剤の吸入使用を提供する。肺への送達を行うべく吸入経路を介して投与されるメチルキサンチンおよびステロイドの併用投与の結果として、治療上の相乗的肺抗炎症反応が起こる。
テオフィリンは、喘息やCOPDのような慢性呼吸器疾患用の経口剤として使用される安価な白色結晶性粉末である。アミノフィリンすなわちテオフィリンエチレンジアミンは、テオフィリンとエチレンジアミンとの併用物であり、類似の性質を有する。テオフィリンは、弱い非選択的ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤としての活性を有することもあって、気管支拡張作用および緩和な抗炎症作用を有することが知られている。この薬剤は、これまで、治療指数が狭いことが特徴であった。また、胃腸障害、振戦、心不整脈、および他の合併症によって特徴付けられるこの薬剤の毒性は、実際の臨床で多く見受けられる。その有害作用を回避するために、多くの場合、慢性呼吸器疾患用の他の薬剤、例えば、吸入ベータアゴニスト、吸入抗コリン作動剤、および吸入ステロイドが、経口テオフィリンの代わりに処方される。しかしながら、現在までのところ、COPDや喘息のような慢性呼吸器疾患の治療における吸入テオフィリンの治療的可能性に関する研究は限られている。
テオフィリンは長年にわたり臨床的に使用されてきたが、その分子的作用機序およびその作用部位は、不明確なままである。以下のようないくつかの分子的作用機序が提案されている。
テオフィリンは、細胞内の環状ヌクレオチドを破壊するホスホジエステラーゼの弱い非選択的阻害剤であり、それにより、細胞内の環状AMPおよび環状GMPの濃度の増加を引き起こす。テオフィリンは、PDE活性(PDE3、PDE4、およびPDE5)を阻害することにより気道平滑筋を弛緩させるが、最大の弛緩を得るには、比較的高い濃度を必要とする(非特許文献1)。PDE阻害度は、治療に適したテオフィリン濃度では非常に小さい。いずれかの特定のイソ酵素、例えば、気道における抗炎症作用を媒介する炎症細胞内で優位なPDEイソ酵素であるPDE4Bなどに対してテオフィリンがいくらかでも選択性を有するという証拠は、全く存在しない。
テオフィリンは、インターロイキン−10の放出を増大させることにより、広範にわたる抗炎症作用を有する。この作用は、PDE阻害により媒介され得るが、これは、喘息に有効な用量では観測されていない(非特許文献2)。
テオフィリンは、炎症誘発性転写因子核因子−κB(NF−κB)の核内移行を妨害することにより、喘息およびCOPDにおいて炎症性遺伝子の発現を減少させる可能性がある(非特許文献3)。これらの作用は、高濃度で観測され、これらの場合もPDEを阻害することにより媒介され得る。したがって、低経口用量(<10mg/L)で投与した場合、PDE阻害は、テオフィリンの作用機序ではない可能性がある。
テオフィリンはまた、AおよびAレセプターの拮抗作用を有して治療濃度でアデノシンレセプターの強力な阻害剤であるが、Aレセプターに対してはそれほど有効でない(非特許文献4)。吸入テオフィリン単独療法は、喘息患者において吸入アデノシンの気管支収縮活性に拮抗し得るという報告がある(非特許文献5)。その他、吸入テオフィリン(アミノフィリンとして与えられる)はまた、喘息患者において気管支拡張剤として作用することが明らかにされている(非特許文献6)。
テオフィリンは、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)を活性化することが最近明らかにされた。ヒストンタンパク質のアセチル化は、遺伝子機能の活性化に関連しており、炎症性遺伝子を活性化する炎症誘発性転写因子もまた、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ活性の増加を引き起こすと考えられる。HDAC活性を増大させることにより、したがって、ヒストンタンパク質を脱アセチル化することにより、テオフィリンは、炎症性遺伝子の発現を抑制すると考えられる(非特許文献7を参照されたい)。テオフィリンは、HDAC活性の増大を引き起こす分子経路の主要な調節キナーゼ酵素または調節ホスファターゼ酵素と相互作用すると考えられるが、これは、まだ解明されていない。
≦10mg/L(ただし≧5mg/L)の血漿中レベルを与える用量のテオフィリンを用いてCOPD患者において経口テオフィリン単独療法を行うことにより、ごくわずかではあるが有意な肺抗炎症活性が実証されている(非特許文献8、非特許文献9)。
グルココルチコイド剤(ステロイド)は、喘息の治療剤として選択されるようになってきており、通常は吸入形態でCOPDの治療に広く使用されている。吸入ステロイドは、投与されるステロイドの性質に依存する一定の投与量で通常1日1回または2回投与される。例えば、ブデソニドは、典型的には、200mcg、400mcg、または800mcgの用量で1日1回または2回投与される。フルチカゾンは、典型的には、50mcg、100mcg、250mcg、または500mcgの用量で1日1回または2回投与される。シクレソニドは、典型的には、80mcg、160mcg、または320mcgの用量で1日1回または2回投与される。肺に送達される絶対用量は、多くの因子(例えば、使用されるステロイドの性質、吸入装置の特性、吸入製剤、患者の特質、および吸入法)に依存するが、通常は全投与量よりもかなり少ない。
しかしながら、吸入ステロイドが喘息患者の大多数に有効であるとはいえ、喀痰サンプルにおける抗炎症作用が実証性に欠けたり(非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12)、疾患の進行に対して明らかに作用しなかったこと(非特許文献12)から、それをCOPDに使用することには異論が多い。喀痰を検査する他の試験からは、特に高用量の吸入ステロイドを用いて治療期間を長くすると一部の患者でごくわずかではあるが測定可能な肺抗炎症作用を確かに生じることが示唆されている(非特許文献13、非特許文献14、非特許文献15)。
しかしながら、COPD患者の喀痰ではなく気管支生検試料を調べることにより抗炎症活性を評価した場合にも、期待はずれの結果になっている。喘息患者で実証されたこととは対照的に、Hattatowaら(非特許文献16)は、吸入ステロイド(500mcgのフルチカゾンを1日2回投与した)で3ヶ月間治療した後、COPDにおいて主要な炎症細胞の有意な減少は検出しなかった。全体的にごくわずかの肺抗炎症活性であるにも関わらず、ICSは、COPD患者において増悪の頻度を確かに20〜30%減少させる。
吸入ステロイドのこのごくわずかの肺抗炎症活性を改善すれば、結果的に、健康状態の改善、肺機能の改善、呼吸困難度の改善、さらには増悪頻度の減少が達成され、COPD患者に多大な利益がもたらされる可能性がある。
低用量のステロイドに反応しない喘息患者には、より高用量で、ブデソニドの場合には1日1600mcgまでの用量で投与される。非特許文献17によれば、高用量の吸入ステロイドは、喘息に使用する場合、低用量の経口テオフィリンと一緒に通常のグルココルチコイド用量の投与を行うことで代替可能であることが示唆される。250もしくは375mgのテオフィリンと一緒に400mcgのブデソニド(標準用量)が、または800mcgのブデソニド+プラセボが、1日2回患者に投与された。この試験で達成されたテオフィリンの血漿中濃度は、2.5〜17.1mg/lの範囲内であり、メジアン値は、8.7mg/lであった。これらの2つの治療パラダイムの効果が類似していたことから、テオフィリンは、ステロイドと共に与えた場合に用量節約効果を有することが示唆される。しかしながら、使用した用量で、患者は、薬剤による副作用、例えば、胃腸障害、動悸、咽頭痛、並びにステロイド療法および/またはテオフィリン療法に伴う他の副作用を起こした。著者らは、炎症に及ぼす薬剤併用の効果をなんら調べなかった。経口テオフィリンによる吸入ステロイドの用量節約の可能性を検討する類似の試験は、COPD患者では行われていない。
非特許文献18では、気管支拡張性サルメテロールとステロイドフルチカゾンとの併用が、4ヶ月間にわたりCOPD患者で経口テオフィリンと吸入フルチカゾン(500mcg、1日2回)との併用と比較された。経口テオフィリンの用量は、10〜20mg/Lの血漿中濃度を達成するように用量調整された。気管支拡張に関して臨床効能を得るには、これらの血漿中レベルが必要とされる。いずれの療法を用いた場合にも、これらの患者の炎症状態については調べなかった。
特許文献1には、喘息または他の炎症性疾患を治療するための薬剤様化合物を同定するためのスクリーニング法が開示されている。それは、キサンチンまたはHDACの活性もしくは発現をモジュレートする関連化合物を含む。この発明には、炎症性遺伝子の抑制におけるステロイドの役割が記載されている。それによると、テオフィリンは、グルココルチコイドに作用して増大された活性を有するHDACを動員することにより、グルココルチコイドの作用を増強すると予想される。テオフィリンは、ステロイドのデキサメタゾンおよびブデソニドと併用すると相乗効果を伴ってin vitroで細胞のHDAC活性および炎症性遺伝子の抑制を増強する。
特許文献2には、喘息の長期予防的抗炎症治療を行うために、アドオン療法としてまたはコルチコステロイドを用いた治療の完全なもしくは部分的な代替として、1mg/L〜5mg/L未満の平均定常状態血漿中レベルを提供するようにテオフィリンを使用することが開示されている。血漿中レベルは、50〜600mg/日で服用するのに適した剤形で経口経路により投与されるようにテオフィリンを調剤化することによって達成される。
Barnes(非特許文献19)は、COPDに対しテオフィリンとステロイドとを併用使用することについて論じており、この併用により相乗効果を伴って炎症を減少させ得ることを示唆している。しかしながら、投与レジームは提供されておらず、吸入経路によりテオフィリンを投与する使用も開示されていない。
明確にするために、投与されたメチルキサンチン類の経口用量および患者で検出された対応するテオフィリン血漿中レベルに関して先行技術のまとめを表1に示す。
明確にするために、投与されたメチルキサンチン類の吸入用量および喘息患者で検出された対応するテオフィリン血漿中レベルに関して先行技術の限られたデータのまとめを表2に示す。
Figure 0005579368
Figure 0005579368
Rabe, et al. Eur Respir J 1999, 8: 637-42 Oliver, et al. Allergy 2001, 56: 1087-90 Tomita, et al. Arch Pharmacol 1999, 359: 249-55 Pauwels & Joos, Arch Int Pharmacodyn Ther 1995, 329: 151-60 Cushley et al, Am Rev Resp Disease 1984, 129, 380-4 Kokubu H. Arerugi. 1995, 44(12): 1379-86 Barnes PJ, Am J Respir Crit Care Med, 2003, 167: 813-818 Culpitt et al. Am.J.Respir.Crit Care Med, 2002, 165(10): 1371-1376 Kobayashi et al, Respirology 2004, 9: 249-254 Keatings et al. Am.J Respir. Crit Care Med, 1997, 155(2): 542-8 Culpitt et al. Am. J Respir. Crit Care Med. 1999, 160, 5(1): 1635-1639 Loppow et al. Respir.Med. 2001, 95(2): 115-121 Confalonieri et al. Thorax, 1998, 53(7): 583-585 Mirici et al. Clinical Drug Investigation. 2001, 21: 835-842 Yildiz et al. Respiration. 2000, 67: 71-76 Am J Respir Crit Care Med. 2002, 165: 1592-1596 Evans et al., (2004) NEJM 337: 1412 Cazzola et al, (2004) Pulm Pharm Ther 17: 141-145 Am J Respir Crit Care Med, 2003, 167: 813-818 米国特許出願公開第2003/0134865号明細書 米国特許第6025360号明細書
したがって、有効な抗炎症活性を提供しかつ既存の療法に伴う副作用を回避するCOPDの治療レジームが医療に必要とされている。医薬の製造における吸入テオフィリンと吸入ステロイドとの併用については、我々の同時係属国際特許出願PCT/GB05/003039に開示されているが、既刊の文献には記載されていない。そのような医薬は、COPDおよび他の慢性呼吸器疾患に対して吸入ステロイドの肺抗炎症活性を改善し得る併用療法を提供する。この吸入併用では、ごくわずかのメチルキサンチン全身暴露(血漿中レベル<1mg/L)が行われるので、長期経口投与と比較して魅力的な副作用プロファイルを生じる。
本発明者らは、COPDの動物モデルにおいてタバコの煙(TS)により引き起こされた炎症を治療する上で単独では有効でない用量で吸入経路によりメチルキサンチン化合物と一緒に投与されたステロイドは、該モデルにおいて相乗効果を伴って炎症を著しく減少させ得ることを確認した。例えば、以下に示される試験で44%以上減少させ得ることを確認した。TS暴露は、ヒトにおいてCOPDの主原因であることが広く認められている。
したがって、第1の態様では、ヒト被験者において慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性繊維症、ステロイド耐性喘息、重度の喘息、および小児喘息よりなる群から選択される慢性呼吸器疾患を治療するための組成物の製造におけるメチルキサンチン化合物およびステロイドの使用を提供する。ただし、組成物は、肺への送達を行うべく吸入経路により投与され、かつメチルキサンチン化合物は、0.1〜25mg/日の用量で投与される。
有利には、吸入ステロイドは、該呼吸器疾患に伴う炎症を減少させる上で単独では有効でない用量で投与される。吸入ステロイドはまた、該呼吸器疾患の治療における肺機能および炎症の改善に関して単独でごくわずかの効力を有する用量で投与することも可能である。
また、該呼吸器疾患の治療における肺機能および炎症の改善に関して単独で有意な効力を有する用量よりも少ない用量で吸入ステロイドを投与する吸入併用の使用を提供する(ステロイド節約)。
吸入メチルキサンチン(例えば、テオフィリン)を併用使用して吸入ステロイド(例えば、ブデソニド、フルチカゾン、またはシクレソニド)のこのごくわずかの肺抗炎症活性を改善すれば、結果的に、健康状態の改善、肺機能の改善、呼吸困難度の改善、さらには増悪頻度の減少が達成され、COPDのような慢性呼吸器疾患を患う患者に多大な利益がもたらされる。
本発明によれば、メチルキサンチン化合物とステロイド剤との間に相乗的活性が認められ、結果として、極めて高い肺抗炎症活性が達成される。この相乗効果は、単独で投与したときには有効でない用量の薬剤を用いて達成可能である。ほとんどもしくは全く効果を有していない2種の薬剤を同時に投与することにより炎症反応のかなり顕著な阻害を達成し得るという点で、この効果は、相加的ではなく相乗的である。
本明細書中で使用されるメチルキサンチン化合物は、テオフィリンおよびその薬理学的等価化合物並びにそれらの塩を意味し、アミノフィリンおよびオクストリフィリンを包含する。そのような化合物は、メチルキサンチン類であり、カフェイン、アセピフィリン、バミフィリン、ブフィリン、カファミノール、カフェドリン、ジプロフィリン、ジヒドロキシプロピルテオフィリン、ドキソフィリン、エンプロフィリン、エタミフィリン、エトフィリン、プロキシフィリン、スキサミドフィリン、テオブロミン、フラフィリン、7−プロピルテオフィリンドーパミン、ペントキシフィリン、レプロテロール、デンブフィリン、IBMX、アロフィリン、シパンフィリン、HWA 448、SDZ MKS 492、BB−1502などを包含する。
ステロイド剤は、グルココルチコイド類、コルチコステロイド類、およびミネラルコルチコイド類、例えば、デキサメタゾンおよびブデソニド、ベクロメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、フルニソリド、フルチカゾン、シクレソニド、モメタゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ナフロコルト、デフラザコルト、酢酸ハロプレドン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、クロコルトロン、チプレダン、プレドニカルベート、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、ハロメタゾン、リメキソロン、プロピオン酸デプロドン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、フルドロコルチゾン(fludrocoritisone)、デスオキシコルチコステロン、ロフレポニド、エチプレドノールジクロアセテート(etiprendnol dicloacetate)などを包含する。ステロイド剤は、呼吸器疾患用として臨床開発段階または前臨床開発段階にあるステロイド、例えば、GW−685698、GW−799943、NCX−1010、NCX−1020、NO−デキサメタゾン、PL−2146、NS−126(以前のST−126)、並びに国際特許出願である国際公開第02/12265号パンフレット、国際公開第02/12266号パンフレット、国際公開第02/100879号パンフレット、国際公開第03/062259号パンフレット、国際公開第03/048181号パンフレット、および国際公開第03/042229号パンフレットで言及されている化合物をさらに包含する。ステロイド剤はまた、副作用減少プロファイルを有する開発段階にある次世代分子、例えば、ZK−216348並びに国際特許出願である国際公開第00/032585号パンフレット、国際公開第00/0210143号パンフレット、国際公開第05/034939号パンフレット、国際公開第05/003098号パンフレット、国際公開第05/035518号パンフレット、および国際公開第05/035502号パンフレットで言及されている化合物をはじめとする選択的グルココルチコイドレセプターアゴニスト(SEGRA)をさらに包含する。
好ましくは、メチルキサンチンは、テオフィリンである。
好ましくは、ステロイドは、ブデソニド、フルチカゾン、またはシクレソニドである。
本発明によれば、ステロイドは、標準用量またはメチルキサンチン化合物とは独立して個人に投与した場合にごくわずかの効果を有する用量で投与可能である。
有利には、ステロイドは、使用用量で該呼吸器疾患において炎症を減少させる上で有効でない。COPDをはじめとする特定の呼吸器疾患は、ステロイド治療に対して耐性があり、ステロイド剤は、肺の炎症を減少させる上でごくわずかに有効であるに過ぎない。しかしながら、テオフィリンのようなメチルキサンチン化合物と併用すれば、肺抗炎症作用が観察される。
長時間作用性気管支拡張剤を併用してまたは併用せずに目標用量の吸入メチルキサンチン化合物および吸入ステロイドを摂取する患者の便宜を図って、投与は、単一のデバイスから吸入経路を介して行われる。典型的には、長時間作用性気管支拡張剤は、サルメテロールやホルモテロールのような長時間作用性βアゴニストまたはチオトロピウムのような長時間作用性抗ムスカリン剤のいずれかであろう。ステロイドの投与はまた、吸入により与えられるメチルキサンチン化合物と併用して経口経路により行うことも可能である。
本発明に係る併用は、場合により、呼吸器障害の治療に有用であることが知られている1種以上の追加の活性物質、例えば、PDE4阻害剤、PDE5阻害剤、PDE7阻害剤、ロイコトリエンD4阻害剤、ロイコトリエンB4阻害剤、egfrキナーゼの阻害剤、p38MAPキナーゼ阻害剤、NF−κB経路阻害剤(例えばIκK阻害剤)、A2Aアデノシンレセプターアゴニスト、TNFαシグナリング阻害剤(例えば、リガンド結合剤、レセプターアンタゴニスト)、インターロイキン1シグナリング阻害剤、CRTH2レセプターアンタゴニスト、プロテアーゼ阻害剤(例えば、好中球エラスターゼ阻害剤、MMP阻害剤、カテプシン阻害剤)、IL−8シグナリング分子、CXCR1阻害剤、CXCR2阻害剤、iNOSモジュレーター、PPARアゴニスト、抗酸化剤(N−アセチルシステインおよびスーパーオキシドジスムターゼ模倣剤を包含する)、および/またはNK−1レセプターアンタゴニストを含み得る。
他の態様では、本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性繊維症、ステロイド耐性喘息、重度の喘息、および小児喘息よりなる群から選択される慢性呼吸器疾患の治療に使用するためのメチルキサンチン化合物とステロイドとを含む医薬組成物を提供する。ただし、組成物は、肺への送達を行うべく吸入経路による投与に適合化され、かつメチルキサンチン化合物は、0.1〜25mg/日の用量で投与される。
さらに、本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性繊維症、ステロイド耐性喘息、重度の喘息、および小児喘息よりなる群から選択される慢性呼吸器疾患の治療において同時使用、同時個別使用、または逐次使用を行うためのメチルキサンチン化合物およびステロイドを提供する。ただし、組成物は、肺への送達を行うべく吸入経路による投与に適合化され、かつメチルキサンチン化合物は、0.1〜25mg/日の用量で投与される。
好ましくは、メチルキサンチン化合物は、組成物のユニット用量当たり0.1〜25mgまたは0.05〜13mgまたは0.033〜9mgの量で提供される。ただし、該ユニット用量は、それぞれ、1日1回、1日2回、または1日3回の治療を行う場合の用量に対応する。好ましくは、一日用量は、1〜24mg、1〜23mg、1〜22mg、1〜21mg、または1〜20mgである。例えば、一日用量は、5、10、15、16、17、18、または19mgであり得る。ユニット投与量は、1日1回、2回、または3回の適用に応じて計算可能である。
好ましくは、メチルキサンチン化合物は、テオフィリンである。有利には、テオフィリンは、以上に記載したような投与量で投与される。
テオフィリン以外のメチルキサンチンは、以上の投与量でまたは当業者により以上に基づいて適合化され得る投与量で投与可能である。
ステロイドは、一般的には、1日1回用量または合計すると指定の用量になるマルチプルユニット用量のいずれかで、約40mcg〜1600mcgの投与量で提供可能である。例えば、ステロイドは、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、750、800、900、または1000mcgの一日用量で提供可能である。
有利には、ステロイドは、ブデソニドであり、かつ組成物のユニット用量当たり200mcg〜1600mcgまたは100mcg〜800mcg mgまたは65mcg〜525mcgの量で提供される。ただし、該ユニット用量は、それぞれ、1日1回、1日2回、または1日3回の治療を行う場合の用量に対応する。好ましくは、一日用量は、200mcg〜1600mcg、200mcg〜1500mcg、200mcg〜1400mcg、200mcg〜1300mcg、200mcg〜1200mcg、200mcg〜1100mcg、または200mcg〜1000mcgである。例えば、一日用量は、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、または900mcgである。ユニット投与量は、1日1回、2回、または3回の適用に応じて計算可能である。
さらなる実施形態では、ステロイドは、フルチカゾンであり、かつ組成物のユニット用量当たり44mcg〜1000mcgまたは22mcg〜500mcgまたは15mcg〜335mcgの量で提供される。ただし、該ユニット用量は、それぞれ、1日1回、1日2回、または1日3回の治療を行う場合の用量に対応する。好ましくは、一日用量は、44mcg〜9000mcg、44mcg〜8800mcg、44mcg〜8000mcg、44mcg〜7000mcg、44mcg〜6600mcg、44mcg〜6000mcg、または44mcg〜500mcgである。例えば、用量は、50、60、88、100、110、125、150、200、220、250、300、350、375、400、440、または450mcgであり得る。ユニット投与量は、1日1回、2回、または3回の適用に応じて計算可能である。
さらに、ステロイドは、シクレソニドであり得る。かつ組成物のユニット用量当たり40mcg〜500mcgまたは20mcg〜250mcg mgまたは17mcg〜170mcgの量で提供可能である。ただし、該ユニット用量は、それぞれ、1日1回、1日2回、または1日3回の治療を行う場合の用量に対応する。一日用量は、好ましくは、40mcg〜480mcg、40mcg〜450mcg、40mcg〜400mcg、40mcg〜350mcg、40mcg〜320mcg、または40mcg〜300mcgである。例えば、用量は、80、100、120、150、160、200、または250mcgである。ユニット投与量は、1日1回、2回、または3回の適用に応じて計算可能である。
そのようなユニット投与量をパッケージ化することにより、該呼吸器疾患を治療するためのキットを提供することが可能である。ただし、該キットは、肺への送達を行うべく吸入経路により組成物が投与されるユニット投与製剤の形態でメチルキサンチン化合物とステロイドとを含む。例えば、本発明に係るキットは、併行投与すべく適正比でメチルキサンチン化合物とステロイドとを混合状態で含み得る。他の選択肢として、同時個別投与すべくまたは逐次投与すべく、化合物を個別の組成物として提供することが可能である。
特に好ましい実施形態では、メチルキサンチン化合物およびステロイドは、吸入経路を介して投与すべく吸入器の形態で提供される。吸入器は、混合状態で化合物が提供されるシングルボトル吸入器または別々に化合物が提供されるが一緒に投与されるツインボトル吸入器であり得る。
そのようなキットは、例えば、結果として医薬が患者の身体、特に肺に同時に存在する状態にすべく医薬を実質的に同時に投与するようにユーザーに指示する使用説明書を含み得る。
本発明に係るキット中またはユニット投与量中、ステロイドは、好ましくは、独立して投与した場合に該呼吸器疾患の治療で効果を発揮するには不十分な用量で存在する。
重要なこととして、使用される用量(全一日投与量0.1〜25mg)のメチルキサンチン化合物、例えばテオフィリンにより達成される血漿中レベルは、現時点で臨床効能に必要であると考えられるレベル(10〜20mg/l)(Cazzola et al, Pulmonary Pharmacology & Therapeutics, 2004, 17, 141-145)を下回り、かつ抗炎症活性を実証するために使用されたレベル(5mg/L)(Culpitt et al. Am.J.Respir.Crit Care Med, 2002, 165(10): 1371-1376, Kobayashi et al, Respirology, 2004, 9:249-254)を下回る。送達されると伝えられる公称用量は、使用される装置や製剤の特性により、この数値を上回るかも知れない。しかしながら、本発明によれば、投与の1時間後に測定したときのメチルキサンチンの血漿中レベルが1pg/L〜1mg/Lになる有効用量は、肺への送達を行うべく吸入経路によりステロイド剤と併用投与した場合、呼吸症状を治療するのに有効である。
好ましくは、以上に記載したように達成されるメチルキサンチン化合物の血漿中レベルは、1mcg/L〜1mg/L、有利には、100mcg/L〜1mg/L、250mcg/L〜1mg/L、500mcg/L〜1mg/L、または750mcg/L〜1mg/Lである。有利には、950mcg/L以下、900mcg/L以下、850mcg/L以下、または800mcg/L以下である。
本発明の以上の態様では、COPDの動物モデルで明らかな薬理効果をなんら発揮しないステロイドの投与量は、有利には0.5mg/kg未満、好ましくは0.1〜0.4mg/kg、最も好ましくは0.1〜0.3mg/kgである。有利には、ステロイドの用量は、0.1mg/kg以下である。
さらに、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性繊維症、ステロイド耐性喘息、重度の喘息、および小児喘息よりなる群から選択される慢性呼吸器疾患を治療する方法を提供する。この方法は、それを必要とするヒト患者に本発明の以上の態様に係る組成物を投与することを含む。
治療の有効性は、炎症を評価し得る任意の方法により本発明に従ってアッセイ可能である。好ましい実施形態では、呼吸器疾患の治療は、気管支肺胞洗浄(BAL)により回収された細胞を計数することにより評価される。炎症はまた、喀痰または気管支上皮生検試料で評価することも可能である(Rutgers et al. Eur Respir J. 2000, 15(1): 109-15)。陽電子放射断層撮影および18F−フルオロデオキシグルコース取込みを用いて、肺の炎症の非侵襲的評価を行うことも可能である(Jones et al. Eur Respir J, 2003, 21: 567-573)。
有利には、肺細胞は、マクロファージ、好中球、およびリンパ球よりなる群から選択される。
本発明によれば、呼吸器疾患において炎症を実質的に減少させることが可能である。有利には、メチルキサンチン化合物およびステロイドを投与したときに、細胞数は、40%以上、好ましくは、44%以上、50%以上、60%以上減少する。
それと同時に、個別用量のメチルキサンチン化合物およびステロイドでは、細胞数は、合計したときの全数で、有利には31%以下、好ましくは30%以下、理想的には20%以下の減少を示し得る。メチルキサンチン化合物およびステロイドを投与したときの細胞数の相乗的減少が40%以上、好ましくは44%以上、有利には50%以上である場合、個別の薬剤の相加効果は、好ましくは31%以下、有利には20%以下である。
以下でより詳細に説明されるように、本発明では、薬理学および生化学の標準的方法を利用する。本発明との関連では、特定の用語は、以下のような特定の意味を有する。
本発明では、テオフィリンとステロイド剤との併用投与を記述し、併用投与を該薬剤単独の個別投与と比較する。したがって、「単独」とは、テオフィリンの前、テオフィリンと同時、またはテオフィリンの後にステロイドが投与されるかどうかに関係なく、ステロイドを併用しないテオフィリンの投与またはその逆の投与を意味する。その意図は、標的生物において同時にまたは個別に薬理活性を発揮し得るように投与されたテオフィリンおよびステロイドを区別することである。
本発明の目的の範囲内で「併用使用」または「組合せ」とは、個別成分が同時に(組合せ医薬の形態で)、個別ではあるが実質的に同時に(例えば個別用量で)、または逐次的に(両薬剤が被験者において同時に活性であることを条件として、連続して逐次的にもしくは好適な時間間隔で)投与され得ることを意味すると解釈されるものとする。
炎症性病状および/または呼吸器疾患の治療に関して「有効」とは、呼吸器疾患において炎症を測定するアッセイで反応を得ることを意味する。好ましいアッセイは、気管支肺胞洗浄(BAL)の後で細胞を計数するものであり、この場合、細胞の存在により肺の炎症が示唆される。ヒト患者では、BAL、誘導喀痰、および気管支生検が、炎症を評価する好ましい方法である。炎症は、任意の所望の手段により、例えば、タバコの煙の吸入、LPSのような刺激物の投与などにより誘導可能である。英国特許出願0417481.9号ですでに明らかにされているように、LPSを使用するとCOPDに見られるステロイド耐性の炎症反応が忠実に再現されないので、タバコの煙の吸入が好ましい。BAL/細胞計数アッセイとの関連では、「有効」とは、好ましくは、薬剤が投与されない対照と比較して細胞数が30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、65%以上、70%以上減少することを包含する。
「有効でない」とは、同一のアッセイにおいて、はるかに低いレベルの反応を意味する。好ましくは、BAL/細胞計数アッセイにおいて、「有効でない」とは、細胞数の減少が30%未満、有利には28%未満、27%未満、26%未満、25%未満、24%未満、23%未満、22%未満、または21%未満、好ましくは20%未満であることと意味する。いくつかの場合には、「有効でない」とは、例えば細胞数の増加として観測される炎症の増加を包含し得る。
「相乗的」とは、所与のアッセイにおいて2種の薬剤の有効性がそれらのそれぞれの個別の有効性の合計により期待されるよりも大きいことを意味する。例えば、テオフィリンおよびステロイドを単独で投与したときにBALアッセイにおいて細胞数がそれぞれ10%および20%減少する場合、同一用量で同一薬剤を併用投与したときに細胞数の減少が30%超、35%超、40%超、50%超、もしくはそれ以上であったならば、相乗的反応が観測されたことになろう。
「投与される」とは、対象の被験者にボーラス用量などで全用量の薬剤が投与されることを意味する。本発明との関連では、投与量は、好ましくは、達成される血漿中レベル(<5mg/L;6〜9mg/L;10〜20mg/L)により表現され、血漿中レベルは、好ましくは5mg/L未満、最も好ましくは1mg/L未満である。
「用量」とは、以上に記載したように投与される薬剤の量のことである。
「ユニット投与」形態とは、本発明に従ってそれぞれ一回用量を含有する1つ以上のパッケージ化された量の医薬組成物の調剤のことである。
メチルキサンチン類およびステロイド類
テオフィリンおよびアミノフィリン
テオフィリンは、以下に示される構造:
Figure 0005579368
を有し、Accurbron、Aerobin、Aerolate、Afonilum、Aquaphyllin、Armophylline、Asmalix、Austyn、Bilordyl、Bronchoretard、Bronkodyl、Cetraphylline、Constant T、Duraphyllin、Diffumal、Elixomin、Elixophyllin、Etheophyl、Euphyllin、Euphylong、LaBID、Lanophyllin、Lasma、Nuelin、Physpan、Pro−Vent、PulmiDur、Pulmo−Timelets、Quibron、Respid、Slo−Bid、Slo−Phyllin、Solosin、Sustaire、Talotren、Teosona、Theobid、Theoclear、Theochron、Theo−Dur、Theolair、Theon、Theophyl、Theograd、Theo−Sav、Theospan、Theostat、Theovent、T−Phyl、Unifyl、Uniphyl、Uniphyllin、およびXanthiumをはじめとするさまざまなブランド名で市販されている。テオフィリンの化学名は、3,7−ジヒドロ−1,3−ジメチル−1H−プリン−2,6−ジオンまたは1,3−ジメチルキサンチンであり、その一般化学式は、Cである。
アミノフィリン
テオフィリン誘導体、これはテオフィリンエチレンジアミンと同義である。アミノフィリンは、テオフィリンの誘導体である。いずれも、メチルキサンチン類であり、キサンチン類から誘導される。薬剤アミノフィリンは、エチレンジアミンさらにはより多くの水分子を含有する点で、テオフィリンといくらか構造が異なる。アミノフィリンは、テオフィリンよりも効力が弱くかつより短期間作用する傾向がある。その構造は、以下に示される。
Figure 0005579368
吸入用量の大部分は嚥下され得るので、テオフィリンが90〜100パーセントまでの生物学的利用能を有して胃腸管から十分に吸収されることに注目することが重要である。ピークレベルは、摂取後1〜2時間以内に達成されるが、これは、食品の存在により緩徐化される。テオフィリンは、約60パーセントが血漿タンパク質に結合され、0.5L/kgの平均分布容積を有する。血漿タンパク質結合は、乳児および肝硬変症患者では低減される。テオフィリンの平均血漿中半減期は、成人では約8時間であるが、大きい個体内変動および個体間変動が存在し、年齢によってもかなり異なり、未熟新生児では約30時間、生後6ヶ月以内では12時間、生後1年までは5時間、20歳までは約3.5時間であり、その後は再び徐々に増加する。
テオフィリンは、シトクロムP450系を用いて脱メチル化または酸化により肝臓で主に代謝される。ごく少量が変化を受けずに腎臓により排泄されるに過ぎないので、腎不全における投与量調整は、不要である。しかしながら、同様にシトクロム系により代謝される他の薬剤を使用するときには、注意を払う必要があり、その場合には、血漿中レベルの測定とともに投与量調整を行う必要がある。多くの薬剤は、テオフィリンの代謝を妨害する可能性がある。特定の抗生物質を用いる場合、テオフィリン代謝に及ぼす影響を考慮することなく気道閉塞の急性感染性増悪を有する患者に不注意にそれを与えてしまう可能性があるので、特に注意を払わなければならない。この例としては、マクロライド類(例えばエリスロマイシン)およびキノロン類(例えばシプロフロキサシン)の抗生物質が挙げられる。これらはいずれも、さまざまな程度でテオフィリンクリアランスを減少させる。テオフィリンクリアランスを減少させる他の薬剤としては、シメチジン、アロプリノール、およびプロパノロールが挙げられる(ただし、これは、かなり異常な治療的併用である)。テオフィリン代謝を増大させる薬剤としては、リファンピシン、フェノバルビトン、特定的にはフェニトインおよびカルバマゼピンが挙げられるが、経口避妊剤は除かれる。テオフィリンの代謝の速度は、シガレット喫煙者では実質的に増大されるが(半減期が半分になることもある)、10回/日未満の喫煙者では有意でない可能性がある。マリファナを吸うことは、高タンパク質食を食べることにより生じる可能性のある作用と類似の作用を有する。肝機能不全、心不全、および肺性心は全て、テオフィリンの排除を減少させ、しかも低アルブミン状態は、血液中のタンパク質結合薬剤の量を減少させるので、血漿中レベルの結果は、注意して解釈する必要がある。したがって、心不全または肺性心を伴う呼吸不全の患者の臨床状態が改善するにつれて、テオフィリンのクリアランスが変化するので、投与量調整が必要になる可能性がある。
肺への送達を行うべく吸入経路によりメチルキサンチンを投与することは、吸入ステロイドを用いて局所媒介肺抗炎症相乗効果を最大化する上で望ましいだけでなく、ごくわずかの全身暴露(<1mg/L)を引き起こす、より少ない用量(<25mg)のメチルキサンチンを投与する上でも望ましい。極めて低いメチルキサンチン血漿中レベルを用いて、以上に記載した標準的経口メチルキサンチン療法の全身性副作用の発生率を有意に減少させることが可能である。
メチルキサンチン類
テオフィリンおよびアミノフィリンを包含するメチルキサンチン化合物は、一般式
Figure 0005579368
〔式中、
Xは、水素、脂肪族炭化水素基、または−CO−NRを表し;
、R、およびRは、脂肪族炭化水素基を表し;
は、水素または脂肪族炭化水素基を表し、かつRおよびRはまた、窒素原子と一緒になって5〜6個の環員を有するアルキレンイミノ基またはモルホリノ基を表してもよく;そして
は、水素または脂肪族炭化水素基を表す〕
を有する。
そのような化合物は全て、本発明の範囲内にある。しかしながら、テオフィリン自体が特に好ましい。
ステロイド類
ステロイド剤全般が本発明で使用するのに好適である。特定のステロイドを以下に示す。
一般的な吸入ステロイドとしては、以下のものが挙げられる:
・Pulmicort(登録商標)(ブデソニド)
・Flovent(登録商標)(フルチカゾン)
・Asmanex(登録商標)(モメタゾン)
・Alvesco(登録商標)(シクレソニド)
・Aerobid(登録商標)(フルニソリド)
・Azmacort(登録商標)(トリアムシノロン)
・Qvar(登録商標)(ベクロメタゾンHFA)
・ステロイド類はまた、β2アドレナリン作動性アゴニスト(例えばホルモテロールもしくはサルメテロール)および/またはムスカリンアンタゴニスト(例えばイプラトロピウムおよびチオトロピウム)をはじめとする、ある範囲内の機序を有する長時間作用性気管支拡張剤との併用形態で投与することも可能である。ステロイド併用に組み込まれる気管支拡張剤は、同一分子中にβ2アドレナリン作動性アゴニスト活性とムスカリンアンタゴニスト活性とを有し得る。
・Advair(登録商標)(Flovent(登録商標)およびSerevent(登録商標))。注記:Serevent(登録商標)は、長時間作用性βアゴニストのサルメテロールである。
・Symbicort(登録商標)(Pulmicort(登録商標)およびOxis(登録商標))。注記:Oxisは、長時間作用性βアゴニストのホルモテロールである。
・他のステロイド/β2アゴニストの組合せ、例えば、シクレソニドとホルモテロール、およびフルチカゾンとホルモテロール(Flutiform)は、臨床開発段階にある。これらの製品はまた、吸入テオフィリンとの併用療法が有益となり得る。
一般的なステロイド丸剤およびステロイドシロップ剤としては、以下のものが挙げられる:
・Deltasone(登録商標)(プレドニゾン)
・Medrol(登録商標)(メチルプレドニゾロン)
・Orapred(登録商標)、Prelone(登録商標)、Pediapred(登録商標)(プレドニゾロン)
ブデソニド
Figure 0005579368
化学名:C2534:430.54
(+)−[(RS)−16a,17a−ブチリデンジオキシ−11b,21−ジヒドロキシ−1,4−プレグナジエン−3,20−ジオン]
CAS登録番号:51333−22−3
ブデソニドは、当初は、16a−ヒドロキシプレドニゾロンから合成された。分子のユニークな構造は、高い局所抗炎症効力と比較的低い全身性副作用の可能性とを兼備する上で重要である。その他、ブデソニドは、粘膜液中に容易に溶解されるのに十分な程度に水溶性であるとともに、粘膜により急速に取り込まれるのに十分な程度に脂溶性である。アセタール基が非対称的であるので、ブデソニドは、22Rおよび22Sとして知られる2種のエピマーの1:1混合物として存在する。
フルチカゾン
Figure 0005579368
ブランド名:Cutivate、Flixonase、Flixotide、Flonase、Flovent、Flunase
化学名:(6(,11(,16(,17()−6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−17−(1−オキソプロポキシ)アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオ酸S−(フルオロメチル)エステル
化学式:C2531
CAS番号:80474−14−2
シクレソニド
Figure 0005579368
ブランド名:Alvesco
化学名:(R)−11β,16α,17,21−テトラヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン、シクロヘキサンカルボキサルデヒドとの環状16,17−アセタール、21−イソブチレート
化学式:C32−H44−O
CAS番号:141845−82−1
ベクロメタゾン
Figure 0005579368
化学名:(11(,16()−9−クロロ−11,17,21−トリヒドロキシ−16−メチルプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン
化学式:C2229ClO
CAS番号:4419−39−0
ブランド名(バリアント)
Aerobec(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Aldecin(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Anceron(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Andion(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Beclacin(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Becloforte(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Beclomet(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Beclorhinol(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Becloval(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Beclovent(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Becodisks(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Beconase(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Beconasol(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Becotide(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Clenil−A(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Entyderma(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Inalone(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Korbutone(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Propaderm(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Qvar(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Rino−Clenil(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Sanasthmax(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Sanasthmyl(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Vancenase(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Vanceril(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、Viarex(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、およびViarox(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)。
トリアムシノロン
Figure 0005579368
ブランド名:Aristocort、Aristospan、Azmacort、Kenalog、Nasacort
化学名:(11(,16()−9−フルオロ−11,21−ジヒドロキシ−16,17−[1−メチルエチリデンビス(オキシ)]プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン
化学式:C2431FO
CAS番号:76−25−5
サルメテロール/Advair
ブランド名:1−ヒドロキシ−2−ナフトエート1−ヒドロキシ−2−ナフトエート:Arial、Salmetedur、Serevent
化学名:(()−4−ヒドロキシ−(’−[[[6−(4−フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ]メチル]−1,3−ベンゼンジメタノール
化学式:C2537NO
CAS番号:89365−50−4
Figure 0005579368
メチルプレドニゾロン
Figure 0005579368
化学名:(6(,11()−11,17,21−トリヒドロキシ−6−メチルプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン
化学式:C2230
CAS番号:83−43−2
ブランド名:Medrate、Medrol、Medrone、Metastab、Metrisone、Promacortine、Suprametil、Urbason
プレドニゾン
Figure 0005579368
ブランド名:Ancortone、Colisone、Cortancyl、Dacortin、Decortancyl、Decortin、Delcortin、Deltacortone、Deltasone、Deltison、Di−Adreson、Encorton、Meticorten、Nurison、Orasone、Paracort、Prednilonga、Pronison、Rectodelt、Sone、Ultracorten
化学名:17,21−ジヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,11,20,トリオン
化学式:C2126
CAS番号:53−03−2
製剤
テオフィリンやアミノフィリンのようなキサンチン誘導体は、さまざまな医薬調剤の形態で入手可能である。同様に、ステロイド剤は、さまざまな製剤の形態で入手可能である。本明細書に記載の実施例で使用される製剤について以下でさらに詳述するが、所望の投与量で薬剤を被験者に吸入送達(経口吸入または経鼻吸入)し得る任意の製剤を本発明で使用することが可能である。
本発明に従って使用される好ましい組成物は、好適には、錠剤、ブリスター剤、カプセル剤、顆粒剤、スフェロイド剤、粉末剤、または液体調剤の形態をとり得る。
本発明では、テオフィリンは、吸入形態で投与される。エアロゾル発生は、例えば、圧力駆動式ジェットアトマイザーまたは超音波アトマイザーにより実施可能であるが、有利には、噴射剤駆動式計量エアロゾルまたは例えば吸入カプセルもしくは他の「乾燥粉末」送達システムからのマイクロ粒子化活性化合物の噴射剤なしの投与により実施可能である。ステロイド剤は、経口経路または吸入経路のいずれかにより投与可能である。有利には、ステロイド剤は、吸入経路により投与される。
活性化合物は、使用される吸入器システムに応じて記載のごとく投与され、投与製剤は、活性化合物に加えて、噴射剤(例えば、計量エアロゾルの場合のFrigen)、界面活性物質、乳化剤、安定化剤、保存剤、風味剤、充填剤(例えば、粉末吸入器の場合のラクトース)などのような所要の賦形剤、または適切であれば、さらなる活性化合物を追加的に含有する。
吸入の目的では、最適粒子サイズのエアロゾルを発生させて患者に適した吸入法によって投与し得る多数の装置が入手可能である。アダプター(スペーサー、エキスパンダー)と洋梨形容器(例えば、Nebulator(登録商標)、Volumatic(登録商標))、およびパッファースプレーを放出する自動装置(Autohaler(登録商標))の使用に加えて、計量エアロゾルの場合、特定的には粉末吸入器の場合、いくつかの技術的解決手段が利用可能である(例えば、Diskhaler(登録商標)、Rotadisk(登録商標)、Accuhaler(登録商標)、Turbohaler(登録商標)、Clickhaler(登録商標)、Duohaler(登録商標)、Evohaler(登録商標)、Twisthaler(登録商標)、Aerobec、Airmax、SkyeHaler、HandiHaler(登録商標)、Respimat(登録商標) Soft Mist(商標)Inhaler、または例えば欧州特許出願である欧州特許出願公開第0505321号明細書、欧州特許出願公開第407028号明細書、欧州特許出願公開第650410号明細書、欧州特許出願公開第691865号明細書、もしくは欧州特許出願公開第725725号明細書に記載されるような他の吸入器)。
本発明により治療される呼吸器疾患としては、特定的には、本発明に係る組合せにより治療し得るCOPD(気管支炎、閉塞性気管支炎、痙攣性気管支炎、肺気腫)、嚢胞性繊維症、ステロイド耐性喘息(喫煙喘息患者を包含する)、および小児喘息が挙げられる。本発明に係る相乗的組合せは、従来の単独療法のときよりも少ない量の薬剤しか必要とされないので、特に長期療法で効能を示す。
1.材料
化合物は、外部供給業者から購入した。カルボキシメチルセルロース(CMC)(Na塩)(製品コードC−4888)は、Sigmaから入手した。リン酸緩衝食塩水(PBS)は、Gibcoから入手した。滅菌生理食塩水(0.95w/vのNaCl)およびEuthatal(ペントバルビトンナトリウム)は、それぞれ、Fresenius Ltd.およびThe Veterinary Drug Companyから入手した。
タバコの煙は、米国のケンタッキー大学タバコ研究所(The Institute of Tobacco Research)から購入した1R1シガレットを用いて発生させた。
マウス
雌近交系A/Jマウス(使用開始日の体重:約20g)をHarlanから入手し、完全バリヤー飼育を行い、かつ受け取り時に指定の微生物を含まないことを証明した。グレード8のアスペンチップ敷料を有する個別換気式ポリカーボネート中実底ケージ(IVC)中に、1ケージ当たり5匹までのマウスを収容した。ケージ内の環境(エアフロー、温度、および湿度)をIVCシステム(Techniplast)により制御した。食料(RM1、Special Diet Services)および水は、適宜提供した。尾部にユニークに着色された「pentel」マークにより個々の動物を特定し、体重測定し、そしてランダムに治療群に割り当てた。
2.製剤化
製剤化の頻度:それぞれの鼻腔内(i.n.)投与または経口投与の前に、化合物を新たに毎日製剤化した。
3.0 方法
連続11日間のTS暴露の最終TS暴露の24時間後にBAL中に回収された全細胞数が有意に増大することを事前の試験で確認した。ここで報告した試験では、この時点を用いた。
マウスをTSに暴露し、気管支肺胞洗浄液(BAL)を取得し、示差的細胞数を調べるためのサイトスピンスライドを作製するためのプロトコルについて以下に概説する。
連続11日間にわたり毎日行われるTSへの動物の暴露
この暴露プロトコルでは、個々の透明ポリカーボネートチャンバー(27cm×16cm×12cm)内の5匹よりなる群のマウスを暴露した。シガレットからのTSが100ml/minの流量で暴露チャンバーに進入するようにした。高レベルのTS(6本のシガレット)に至るまでの反復暴露により引き起こされる可能性のあるいかなる問題をも最小限に抑えるべく、TSへのマウスの暴露を暴露期間にわたり最大6本のシガレットまで徐々に増大させた。この試験で使用した暴露スケジュールは、次のとおりであった:
1日目:2本のシガレット(約16分間の暴露)
2日目:3本のシガレット(約24分間の暴露)
3日目:4本のシガレット(約32分間の暴露)
4日目:5本のシガレット(約40分間の暴露)
5〜11日目:6本のシガレット(約48分間の暴露)
さらなる群のマウスを対照として等価な時間にわたり空気に毎日暴露した(TS暴露なし)。
気管支肺胞洗浄およびサイトスピン分析
気管支肺胞洗浄は、以下のように行った:
約8mmの長さまで短くしたPortexナイロン静脈内カニューレ(ピンクルアーフィッティング)を用いて、気管にカニューレを挿入した。ヘパリン(10単位/ml)を含有するリン酸緩衝食塩水(PBS)を洗浄液として使用した。0.4mlの体積を徐々に注入し、1ml注射器を用いて3回吸引し、次に、エッペンドルフ管中に配置し、そして後に続く測定の前に、氷上に保持した。
細胞数:
洗浄液を遠心分離により細胞と分離し、上清をデカントし、そして後続の分析に供すべく凍結させた。細胞ペレットを既知体積のPBS中に再懸濁させ、そして血球計数器を用いて顕微鏡下で染色(Turks染色)アリコートを計数することにより全細胞数を求めた。
示差的細胞数を以下のように求めた:
1ml当たり約10個の細胞になるように残留細胞ペレットを希釈した。500μlの体積をサイトスピンスライドのファネル中に配置し、800rpmで8分間遠心分離した。スライドを空気乾燥させ、専用の使用説明書に従って「Kwik−Diff」溶液(Shandon)を用いて染色した。乾燥させてカバースリップを載せてから、光学顕微鏡法を用いて示差的細胞を計数した。光学顕微鏡法を用いて400個までの細胞を中立的なオペレーターにより計数した。標準的な形態計測法を用いて細胞を区別した。
TS暴露A/Jマウスにおける経口投与後または鼻腔内投与後のテオフィリンの血漿中レベルの薬動学的評価
最後にマウスに麻酔をかけ、そして5μl中20単位のリチウムヘパリンを含有するシリンジ中に心臓穿刺により血液を捕集した。捕集された血液を混合し、デカントしてエッペンドルフ管に入れ、その後、マイクロ遠心分離機による遠心分離にかけた。血漿を捕集し、−80℃で貯蔵し、その後、HPLC/MS/MS法による分析にかけた。血漿中レベルの測定に使用した装置は、Micromann Quatro Micro Mass Spectrometer(Micromass UK Limited)およびWaters 2795 Alliance HT liquid chromatograph(Waters USA)であった。
メタノールに溶解されたストック濃度のテオフィリンでマウス血漿をスパイクすることにより、6つの比較標準濃度を調製した。200μlのアセトニトリル(内部標準として0.25mg/lのデキストロルファンを含有する)を各50μlの解凍サンプルおよび標準に添加することにより分析用のサンプルを調製して激しく混合した。次に、それぞれのサンプルおよび標準を10000gで2分間遠心分離し、そして上清を取り出してLC−MS/MS分析にかけた。
逆相HPLCをタンデム質量分析検出と併用して(LC−MS/MS)、テオフィリンおよびデキストロルファンの分析を行った。Micromass MassLynxソフトウェアバージョン4.0を備えたMicromass Quatro Micro Mass Spectrometerを用いてMultiple Reaction Monitoringモードで親化合物および特定のフラグメント生成物の正イオンをモニターした。それぞれのサンプルおよび標準の25μlアリコートを液体クロマトグラフィーシステムに注入した。定量下限(LOQ)は、0.016mg/Lであり、検出限界は、0.003mg/Lであることが明らかにされた。
3.1 治療レジーム
経口用量試験では、マウスは、11日間毎日、タバコの煙への暴露の1時間前および6時間後(−1hおよび+6h)、媒体(1%カルボキシメチルセルロース)、テオフィリン(3mg/kg)、デキサメタゾン(0.3mg/kg)、テオフィリン/デキサメタゾンの組合せ(それぞれ3および0.3mg/kg)、またはテオフィリン/デキサメタゾンの組合せ(それぞれ1および0.3mg/kg)を摂取した。その他、ステロイドまたはステロイド併用を摂取した動物は、最初のTS暴露の20時間前にステロイドが投与された。12日目の終了日、屠殺の1時間前(最後の暴露の23時間後)、マウスに追加投与が行われた。対照群のマウスは、1〜12日目、媒体を摂取し、かつ1日当たり最大時間50分間にわたり空気に毎日暴露した。12日目、11回目の最終TS暴露の24時間後、BALおよび血漿の捕集を行った。
鼻腔内用量試験では、マウスは、11日間毎日、タバコの煙への暴露の1時間前、媒体(PBS)、テオフィリン(0.5mg/kg)、デキサメタゾン(0.1mg/kg)、テオフィリン/デキサメタゾンの組合せ(それぞれ0.5および0.1mg/kg)、テオフィリン/デキサメタゾンの組合せ(それぞれ0.25および0.1mg/kg)、またはテオフィリン/デキサメタゾンの組合せ(それぞれ0.1および0.1mg/kg)を摂取した。その他、ステロイドまたはステロイドの組合せを摂取した動物は、最初のTS暴露の20時間前にステロイドが投与された。12日目の終了日、屠殺の1時間前(最後の暴露の23時間後)、マウスに追加投与が行われた。対照群のマウスは、1〜12日目、媒体を摂取し、かつ1日当たり最大時間50分間にわたり空気に毎日暴露した。12日目、11回目の最終TS暴露の24時間後、BALおよび血漿の捕集を行った。
3.2 データ測定および統計解析
全ての結果を各動物に対する個別データ点として示し、各群に対して平均値を計算した。
正規性の検定に合格したので、データを一元配置分散分析検定(ANOVA)に付し、続いて、治療群間の有意性の検定を行うべく多重比較のBonferroni補正を行った。<0.05の「p」値は、統計学的に有意であるとみなした。以下の式:
阻害%=1−〔(治療群の結果−シャム群の結果)/(TS媒体群の結果−シャム群の結果)〕×100
を用いて細胞データに対してExcelスプレッドシート内で阻害パーセントを自動計算した。以上の式を用いて、他のパラメーターに対する阻害データを手計算した。
4.0 結果
4.1 連続11日間にわたりTSに毎日暴露することにより引き起こされる気管支肺胞洗浄液における炎症反応(最終暴露の24時間後)
この試験では、連続11日間にわたるTSへの暴露により、最終暴露の24時間後、炎症反応を引き起こした。これは、空気暴露されたマウスと比較したときのBALにおける好中球、マクロファージ、およびリンパ球の有意な増加から構成される(いずれもP<0.001)。
4.2 連続11日間にわたりTSに毎日暴露することにより気管支肺胞洗浄液に引き起こされる炎症反応に及ぼすテオフィリン、デキサメタゾン、およびテオフィリン/デキサメタゾン組合せの効果(最終暴露の24時間後)
経口的にまたは鼻腔内経路により投与した場合、テオフィリン単独療法でもデキサメタゾン単独療法でも、TS暴露により誘導されてBAL中に回収された細胞の全数は、有意に阻害されることはなかった(図1)。特定の細胞タイプのいずれについても、統計学的に有意な阻害作用は、見られなかった(図3〜5)。
これとは対照的に、テオフィリン/デキサメタゾンの併用では、経口的に投与したか鼻腔内経路により投与したかに関わらず、調べた全ての用量において、BAL中に回収された細胞の全数は、有意に44〜63%阻害された(p<0.001)(図1)。全細胞に及ぼすこの効果は、マクロファージ、好中球、およびリンパ球の阻害から構成されるものであった(図3〜5)。
併用療法によるTS起因性炎症細胞浸潤の阻害の全内訳を表1に示す。
4.3 薬物動態学的分析
マウスは、屠殺の1時間前、それぞれのテオフィリン/デキサメタゾン併用療法の最後の用量を摂取し、テオフィリン含有量に関してこれらのマウスの血漿が検査された。経口併用療法で投与されたマウスは、鼻腔内併用療法で摂取したマウスと比較して、より高い平均テオフィリン血漿中含有量を有していた(図2)。
0.3mg/kgのデキサメタゾンと併用して3mg/kgまたは1mg/kgのテオフィリンを使用した経口併用療法では、それぞれ、1.37±0.192mg/Lおよび0.479±0.047mg/Lの平均テオフィリン血漿中レベルを生じた。0.1mg/kgのデキサメタゾンと併用して0.5mg/kg、0.25mg/kg、または0.1mg/kgのテオフィリンを使用した鼻腔内併用療法では、それぞれ、0.074±0.013mg/L、0.045±0.010mg/L、および0.022±0.009mg/Lの平均テオフィリン血漿中レベルを生じた。使用した用量で、テオフィリンを鼻腔内投与したとき、投与の1時間後、極めて少ない(<0.1mg/L)全身性テオフィリン暴露を生じた。
5.0 考察
この試験では、テオフィリン単独療法またはステロイド単独療法で毎日治療しても、COPDのこの肺炎症モデルにおいて、なんら阻害活性をもたらすことはできなかった。単独療法を経口経路により行うか吸入の代替経路(鼻腔内投与)により行うかに関わらず、このような肺抗炎症活性の欠如が観測された。しかしながら、単独で与えたときと同一の用量で化合物を共投与した場合(経口経路または鼻腔内経路のいずれでも)、有意な抗炎症活性が実証された。さらに、より低用量のテオフィリンをデキサメタゾンと併用しても、効力を示した。
さらに、併用療法を鼻腔内経路により行ったときに観測された効力は、テオフィリンおよびデキサメタゾンのいずれについてもより低用量で使用したにも関わらず、併用療法を経口経路により行ったときに観測された効力と等価であった。このことから、効力は、局所(肺特異的)抗炎症活性によりもたらされることが示唆される。鼻腔内投与では極めて低い全身性レベル(<0.1mg/L)を生じるので、この[仮説]は、血漿中のテオフィリン含有量を調べることによりさらに裏付けられる。具体例として、経口併用療法(1mg/kgのテオフィリン/0.3mg/kgのデキサメタゾン)を用いたときにBAL中の全細胞に関して観測された効力(47%阻害)は、ステロイドを1/3の用量で投与しかつテオフィリンを1/10の用量で投与したときの鼻腔内併用療法(0.1mg/kgのテオフィリン/0.1mg/kgのデキサメタゾン)で観測された効力(44%阻害)と類似していた。さらに、全身性テオフィリンレベルは、この実施例では、約1/17であった。まとめると、テオフィリンとステロイドとの併用療法により、in vivoで、特定的には肺内で媒介される相乗的肺抗炎症反応が引き起こされることがこのデータから示唆される。
これらのデータから、マウス亜慢性TSモデルのステロイド非感受性が実証され、さらにCOPDの治療パラダイムとして治療用量のステロイドを不活性用量のテオフィリンと併用することによる相乗効果が裏付けられる。重要なこととして、抗炎症活性に通常関連付けられるレベル(5mg/L)よりもはるかに低い血漿中レベルを生じる非常に低い用量のテオフィリンの投与を可能にする吸入経路の代替経路により併用療法を行ったときに、この効果が達成される。
Figure 0005579368
鼻腔内投与を用いてテオフィリンとステロイドのデキサメタゾンとの肺送達併用の相乗的抗炎症活性を実証する、以上に詳述したin vivo試験を、フルチカゾン、ブデソニド、またはシクレソニドを含む他のステロイドを用いて反復した。ステロイドの投与量は、1mcg/kg/日〜1mg/kg/日の範囲内である。
動物に投与される吸入薬剤の効力に必要とされる用量は、ヒト個体における効力に必要とされる用量とは有意に異なり得ることが、当業者に広く受け入れられている。吸入ステロイドの場合が特にこれに該当する。呼吸器疾患の患者に投与される吸入ステロイドの有効用量は、使用されるステロイドおよび多くの他の因子にもよるが、典型的には40mcg〜1600mcgの範囲内である(個人の体重に関係ない全用量)。動物に投与される吸入ステロイドの用量については、絶対用量ではなく単位体重当たりの質量(例えばmg/kg)で記述される。臨床使用用量をmcg/kgに変換すれば、ヒトの用量と動物の用量との比較が可能になり、有意差が実証される。例えば、ブデソニドは、典型的には、1日当たり200mcg〜1600mcgの範囲内で患者に投与され、これは、平均的患者(70kg)では2.9mcg/kg〜22.9mcg/kgに相当する。喘息のマウスモデルでは、ブデソニドは、鼻腔内投与の場合、350mcg/kgの用量で効力を示したが、35mcg/kgまたは3.5mcg/kgの用量では、効力を示さなかった(Shen et al. Am.J.Respir.Crit Care Med. 2002, 166(2): 146-153)。
以上の説明で引用した刊行物は全て、参照により本明細書に組み入れられるものとする。本発明に係る記載の方法およびシステムの種々の修正形態および変更形態は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者に自明なものであろう。特定の好ましい実施形態に関連させて本発明について説明してきたが、当然のことながら、特許請求された本発明は、そのような特定の実施形態に過度に限定されるものではない。実際上、本発明を実施するための記載の形態の種々の修正形態のうち、生化学、分子生物学、および生物工学、またはそれらの関連分野の当業者に自明な修正形態は、次の特許請求の範囲内に包含されるものとみなされる。
最終暴露の24時間後にBAL中に回収された全細胞数に及ぼす経口投与または鼻腔内投与されたテオフィリン、デキサメタゾン、またはそれらの組合せの効果。 TS暴露マウスにおいて経口経路または鼻腔内経路のいずれかによりデキサメタゾンと併用投与したときの投与の1時間後におけるテオフィリンの血漿中レベル。 最終暴露の24時間後にBAL中に回収されたマクロファージの数に及ぼす経口投与または鼻腔内投与されたテオフィリン、デキサメタゾン、またはそれらの組合せの効果。 最終暴露の24時間後にBAL中に回収された好中球の数に及ぼす経口投与または鼻腔内投与されたテオフィリン、デキサメタゾン、またはそれらの組合せの効果。 最終暴露の24時間後にBAL中に回収されたリンパ球の数に及ぼす経口投与または鼻腔内投与されたテオフィリン、デキサメタゾン、またはそれらの組合せの効果。

Claims (20)

  1. ヒト被験者において慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性繊維症、ステロイド耐性喘息、および重度の喘息よりなる群から選択される慢性呼吸器疾患を治療するための組成物の製造におけるメチルキサンチン化合物およびコルチコステロイドの使用であって、該組成物が、肺への送達を行うべく吸入経路により投与され、かつ該メチルキサンチン化合物が、0.1〜25mg/日の用量で投与され、かつ該組成物中で使用されるメチルキサンチン化合物が、テオフィリン、アミノフィリン、およびオクストリフィリンよりなる群から選択される、上記使用。
  2. 組成物が、1種以上の製薬上許容される添加剤、希釈剤、および/または担体を含む、請求項1に記載の使用。
  3. メチルキサンチン化合物が、1pg/L〜1mg/Lの血漿中レベルを達成する用量で投与される、請求項1または2に記載の使用。
  4. 前記メチルキサンチン化合物が、テオフィリンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
  5. 投与される吸入コルチコステロイドが、ブデソニド、フルチカゾン、およびシクレソニドよりなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
  6. 吸入ステロイドがブデソニドであり、かつこのコルチコステロイドが1日当たり200mcg〜1600mcgの用量で投与される、請求項5に記載の使用。
  7. 吸入ステロイドがフルチカゾンであり、かつこのコルチコステロイドが1日当たり44mcg〜1000mcgの用量で投与される、請求項5に記載の使用。
  8. 吸入ステロイドがシクレソニドであり、かつ投与されるこのコルチコステロイドが1日当たり40mcg〜500mcgの用量である、請求項5に記載の使用。
  9. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性繊維症、ステロイド耐性喘息、および重度の喘息よりなる群から選択される慢性呼吸器疾患の治療において同時使用、同時個別使用、または逐次使用を行うためのメチルキサンチン化合物およびコルチコステロイドであって、この組成物が、肺への送達を行うべく吸入経路による投与に適合化され、かつ該メチルキサンチン化合物が、0.1〜25mg/日の用量で投与され、かつ該組成物中で使用されるメチルキサンチン化合物が、テオフィリン、アミノフィリン、およびオクストリフィリンよりなる群から選択される、上記組成物。
  10. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性繊維症、ステロイド耐性喘息、および重度の喘息よりなる群から選択される慢性呼吸器疾患の治療に使用するためのメチルキサンチン化合物とコルチコステロイドとを含む医薬組成物であって、該組成物が、肺への送達を行うべく吸入経路による投与に適合化され、かつ該メチルキサンチン化合物が、0.1〜25mg/日の用量で投与され、かつ該組成物中で使用されるメチルキサンチン化合物が、テオフィリン、アミノフィリン、およびオクストリフィリンよりなる群から選択される、上記組成物。
  11. メチルキサンチン化合物がテオフィリンであり、かつ組成物のユニット用量当たり0.1〜25mgまたは0.05〜13mgまたは0.033〜9mgの量で提供され、該ユニット用量が、それぞれ、1日1回、1日2回、または1日3回の治療を行う場合の用量に対応する、請求項9または請求項10に記載の組成物。
  12. コルチコステロイドがブデソニドであり、かつ組成物のユニット用量当たり200mcg〜1600mcgまたは100mcg〜800mcgまたは65mcg〜525mcgの量で提供され、該ユニット用量が、それぞれ、1日1回、1日2回、または1日3回の治療を行う場合の用量に対応する、請求項9または請求項10に記載の組成物。
  13. コルチコステロイドがフルチカゾンであり、かつ組成物のユニット用量当たり44mcg〜1000mcgまたは22mcg〜500mcgまたは11mcg〜335mcgの量で提供され、該ユニット用量が、それぞれ、1日1回、1日2回、または1日3回の治療を行う場合の用量に対応する、請求項9または請求項10に記載の組成物。
  14. コルチコステロイドがシクレソニドであり、かつ組成物のユニット用量当たり40mcg〜500mcgまたは20mcg〜250mcgまたは14mcg〜170mcgの量で提供され、該ユニット用量が、それぞれ、1日1回、1日2回、または1日3回の治療を行う場合の用量に対応する、請求項9または請求項10に記載の組成物。
  15. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性繊維症、ステロイド耐性喘息、および重度の喘息よりなる群から選択される慢性呼吸器疾患を治療するためのキットであって、肺への送達を行うべく吸入経路による投与に適合化されたユニット投与形態中にメチルキサンチン化合物とコルチコステロイドとを含み、かつ該メチルキサンチン化合物が、0.1〜25mg/日の用量で投与され、かつ該組成物中で使用されるメチルキサンチン化合物が、テオフィリン、アミノフィリン、およびオクストリフィリンよりなる群から選択される、上記キット。
  16. メチルキサンチン化合物およびコルチコステロイドが、請求項11〜14のいずれか1項に記載のユニット投与量で提供される、請求項15に記載のキット。
  17. キットが吸入器の形態である、請求項15または請求項16に記載のキット。
  18. メチルキサンチン化合物およびコルチコステロイドが別々の吸入器ボトルに含まれる、請求項17に記載のキット。
  19. メチルキサンチン化合物およびコルチコステロイドが単一の吸入器ボトルに含まれる、請求項17に記載のキット。
  20. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性繊維症、ステロイド耐性喘息、および重度の喘息よりなる群から選択される慢性呼吸器疾患の治療薬であって、コルチコステロイドとテオフィリンとを組み合わせてなることを特徴とし、該治療が、それを必要とする被験者に、該被験者の肺疾患を治療するのに有効な量のコルチコステロイドを、肺への送達を行うべく吸入経路により投与することを含み、かつ同様に該吸入経路により被験者にテオフィリンを投与することによりステロイドの効力を増大させることを含み、テオフィリンが、0.1〜25mg/日の用量で投与されることを特徴とする前記治療薬。
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