JP5578573B2 - 直流回路の絶縁抵抗測定器、静電容量測定器、絶縁抵抗測定方法および静電容量測定方法 - Google Patents

直流回路の絶縁抵抗測定器、静電容量測定器、絶縁抵抗測定方法および静電容量測定方法 Download PDF

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本発明は、直流電源系統の直流回路において電流を検出するクランプ部の取り付け箇所の下流部分における絶縁抵抗や静電容量を、カップリングコンデンサと交流電源を用いて、活線状態のままで測定することができる測定器と測定方法に関する。
直流回路の絶縁抵抗測定では、回路を動作させた状態では測定を行うことができないため、点検作業等で停電させた設備について部分的に絶縁抵抗を測定していた。また、直流回路を人工的に抵抗を介して地絡させて、直流回路と大地間の電圧を測定することで、直流回路全体の絶縁抵抗を測定する場合もあった。
なお、直流回路の地絡探査が可能な汎用測定装置による絶縁抵抗測定も可能だが、同装置による測定では地絡検出継電器を停止する必要があった。また、地絡抵抗値が小さな値でなければ測定できないという問題があった。
このため、発明者らは、電気所などにおける直流電源系統の直流回路の対地絶縁抵抗を、活線状態(運用状態)のままで測定することができる直流回路の絶縁抵抗測定器、静電容量測定器、絶縁抵抗測定方法および静電容量測定方法に関する技術等を提案した。(例えば特許文献1を参照)。
特開2006−343267号公報
特許文献1の技術によれば、電気所などにおける直流電源系統の直流回路の対地絶縁抵抗を、活線状態(運用状態)のままで測定することができるが、直流回路全体の値を測定する場合に限られ、直流回路の一部分について絶縁抵抗や静電容量の測定を行うことは不可能であり、活用範囲が限られるという問題があった。
そこで本発明では、直流電源系統の直流回路における一部分の絶縁抵抗や静電容量を、カップリングコンデンサと交流電源を用いて、活線状態のままで測定することができる測定器と測定方法を提供することを目的とする。
本発明の直流回路の絶縁抵抗測定器は、測定対象である直流回路と電路で接続して、一定の電圧及び一定の周波数の交流電流を印加する可変交流電源部と、前記直流回路の測定対象部分に取り付けて、交流成分の電流を取得するクランプ部と、前記可変交流電源部が印加した交流電流の電圧及び周波数と、前記クランプ部が取得した前記測定対象部分における交流成分の電流と、に基づき、前記直流回路の測定対象部分の絶縁抵抗を演算する演算手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、絶縁抵抗の測定において直流回路に印加した交流電流の値を用いるので、測定対象の直流回路を活線状態のままで絶縁抵抗を測定することができる。
また、クランプ部の取り付け箇所を自由に変更することができるので、直流回路全体ではなく、直流回路のクランプ部の取り付け箇所から下流部分の絶縁抵抗の測定が可能となる。
また、本発明の直流回路の絶縁抵抗測定器は、前記クランプ部が取得した交流成分の電流が一定値に満たない場合に、前記可変交流電源部が供給する交流電流の周波数を上昇させる出力調整手段を備え、前記可変交流電源部は、前記出力調整手段により上昇した周波数の交流電流を前記直流回路に印加することを特徴とする。
すなわち、印加する交流電流の周波数が高い場合には、施設への影響が出るおそれがあるため、初期設定では例えば15Hzといった低い周波数の交流電流を印加することとする。しかしながら、周波数が低いと測定対象部分の静電容量に流れる電流値も小さくなり、測定誤差も大きくなることから、クランプ部が取得した電流値が例えば1mAに満たないようなときには、交流電流を例えば30Hzに変更したうえで、再度印加して測定を行うこととする。
本発明によれば、出力調整手段を備え、測定誤差が生じないように電流の最小値の判定を行うこととするので、施設への影響を担保しながら絶縁抵抗の測定誤差を最小限に抑えることができる。
本発明の直流回路の静電容量測定器は、測定対象である直流回路と電路で接続して、一定の電圧及び一定の周波数の交流電流を印加する可変交流電源部と、前記直流回路の測定対象部分に取り付けて、交流成分の電流を取得するクランプ部と、前記可変交流電源部が印加した交流電流の電圧及び周波数と、前記クランプ部が取得した前記測定対象部分における交流成分の電流と、に基づき、前記直流回路の測定対象部分の静電容量を演算する演算手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、静電容量の測定において直流回路に印加した交流電流の値を用いるので、測定対象の直流回路を活線状態のままで静電容量を測定することができる。
また、クランプ部の取り付け箇所を自由に変更することができるので、直流回路全体ではなく、直流回路のクランプ部の取り付け箇所から下流部分の静電容量の測定が可能となる。
また、本発明の直流回路の静電容量測定器は、前記クランプ部が取得した交流成分の電流が一定値に満たない場合に、前記可変交流電源部が供給する交流電流の周波数を上昇させる出力調整手段を備え、前記可変交流電源部は、前記出力調整手段により上昇した周波数の交流電流を前記直流回路に印加することを特徴とする。
すなわち、印加する交流電流の周波数が高い場合には、施設への影響が出るおそれがあるため、初期設定では例えば15Hzといった低い周波数の交流電流を印加することとする。しかしながら、周波数が低いと測定対象部分の静電容量に流れる電流も小さくなり、測定誤差も大きくなることから、クランプ部が取得した電流が例えば1mAに満たないようなときには、交流電流を例えば30Hzに変更したうえで、再度印加して測定を行うこととする。
本発明によれば、出力調整手段を備え、測定誤差が生じないように電流の最小値の判定を行うこととするので、施設への影響を担保しながら静電容量の測定誤差を最小限に抑えることができる。
本発明の直流回路の絶縁抵抗測定方法は、測定対象である直流回路に前記可変交流電源部を接続して、一定の電圧及び一定の周波数の交流電流を印加するステップと、前記直流回路の測定対象部分にクランプを取り付けて、交流成分の電流を測定するステップと、前記可変交流電源部が印加した交流電流の電圧及び周波数と、前記クランプが測定した前記測定対象部分における交流成分の電流と、に基づき、前記直流回路の測定対象部分の絶縁抵抗を演算するステップと、からなることを特徴とする。
本発明の直流回路の静電容量測定方法は、測定対象である直流回路に前記可変交流電源部を接続して、一定の電圧及び一定の周波数の交流電流を印加するステップと、前記直流回路の測定対象部分にクランプを取り付けて、交流成分の電流を測定するステップと、前記可変交流電源部が印加した交流電流の電圧及び周波数と、前記クランプが測定した前記測定対象部分における交流成分の電流と、に基づき、前記直流回路の測定対象部分の静電容量を演算するステップと、からなることを特徴とする。
本発明の絶縁抵抗測定器および静電容量測定器によれば、電流検出に用いる交流クランプCTの取り付け箇所を変更することで、直流回路の任意の部分における絶縁抵抗測定や静電容量測定が可能になる。
また、電圧・電流により地絡抵抗を検出する部分のみで構成された可搬式の装置とすることにより、たとえば継続地絡の場合に、交流クランプCTの接続箇所を変更することで、容易に地絡箇所を特定することができる。
さらに、現在、商品化されている地絡箇所を特定する装置は、64Dリレー(地絡検出継電器)の停止と接地線の外し作業が必要であるため、直流回路の地絡保護が長時間できない状態となるが、本発明の絶縁抵抗測定器では、64Dリレーを運転している状態で、装置を設置することが可能となっている。したがって、直流回路の地絡保護が停止する時間は測定動作を行う数秒間であり、直流回路の地絡保護が長時間できないという事態を回避することができる。
本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1および、絶縁抵抗・静電容量測定器1を用いて絶縁抵抗等を測定する直流電源系統の構成を説明する図である。 本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1において、MPU(演算処理部)13を中心とした機能ブロック図である。 本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1により、絶縁抵抗を測定する処理フローを説明する図である。 本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1において、装置メモリー16が備える初期設定ファイル161のデータ構成例である。 本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1において、装置メモリー16が備える良否判定基準ファイル162のデータ構成例である。 本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1により、周波数を多段階的に調整して絶縁抵抗を測定する処理フローを説明する図である。
以下、本発明の絶縁抵抗・静電容量測定器1における一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1および、絶縁抵抗・静電容量測定器1を用いて絶縁抵抗・静電容量等を測定する直流電源系統の構成を説明する図である。
本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1は可搬式となっていて、作業者が測定時に直流電源系統の正極(+)母線21および負極(−)母線22の測定箇所に取り付けて、測定対象回路の絶縁抵抗・静電容量等を測定する。
まずは本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1について説明する前に、測定対象である直流電源系統の概要を説明する。図1の直流電源系統は、直流電源装置2,正極(+)母線21,負極(−)母線22,測定対象回路R1(3),C1(4)等から構成されている。直流電源装置2には蓄電池(DC110V)23を備え、正極(+)母線21および負極(−)母線22に送電される。直流電源装置2には64Dリレー(地絡検出継電器)24が接続されており、地絡事故を検知することとしている。
正極(+)母線21および負極(−)母線22には、印加点である接点213、接点223等がそれぞれ設置されている。その印加点の上流(電源側)を、測定対象ではない回路絶縁抵抗(Rp0)211,(Rn0)221、および、測定対象ではない回路静電容量(Cp0)212,(Cn0)222とする。
印加点である接点213および接点223の下流には、正負極間に負荷抵抗(Rx)25が接続されており、さらに下流側を本実施形態において測定対象である被測定回路絶縁抵抗(R1)3,被測定回路静電容量(C1)4とする。
被測定回路絶縁抵抗(R1)3は、正極(+)母線21の被測定対象絶縁抵抗(Rp1)31、負極(−)母線22の被測定対象絶縁抵抗(Rn1)32からなっている。被測定回路静電容量(C1)4は、正極(+)母線21の被測定対象静電容量(Cp1)41、負極(−)母線22の被測定対象静電容量(Cn1)42からなっている。
本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1と直流電源系統とは、正極(+)母線21の接点213、負極(−)母線22の接点223で接続するとともに、接点213、223の下流側にそれぞれ取り付けられた絶縁抵抗・静電容量測定器1の交流クランプCT191,192で接続されている。
次に本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1の構成について説明する。
本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1には、測定対象回路に低周波の測定交流電流を供給する可変交流電源11、測定対象の直流回路に取り付けて電流値等を取得する交流クランプCT191,192,交流クランプCT191,192等と接続して測定対象回路の電圧値・電流値を測定する電圧・電流インターフェース12、可変交流電源11や電圧・電流インターフェース12等と接続して絶縁抵抗・静電容量測定器1の動作を制御するMPU(演算処理部)13、MPU13と接続して測定結果等を表示するモニタ等の表示器14、絶縁抵抗・静電容量測定器1自体の電源のオンオフを切り替える電源15等を備える。
可変交流電源11には測定交流電流の供給線111が接続されており、供給線111は正極(+)側と負極(−)側とに分岐する。正極(+)側の供給線111は、電流制限抵抗171を通じてカップリングコンデンサ181(Cp)と接続し、外部に導出される。負極(−)側の供給線111は、電流制限抵抗172を通じてカップリングコンデンサ182(Cn)と接続し、外部に導出される。導出された正極(+)側の供給線111は正極(+)母線21が備える接点213に、負極(−)側の供給線111は負極(−)母線22が備える接点223に、それぞれ接続される。また、可変交流電源11の片端は大地に接続されている。
なお、本実施形態において可変交流電源11は、一般のインバータを使用することとし、一般のインバータの回路構成の通り、三相入力を一旦整流して直流に変換し、サイリスタ等を使用して交流に変換する。この後に変圧器を挿入することで、装置の電源側と出力側の絶縁を行う。
また、可変交流電源11の供給線111に備える電流制限抵抗171,172は、直流回路に絶縁抵抗・静電容量測定器1を接続したときにおける、64Dリレー24の誤動作防止の目的と、測定作業中における万が一の直流回路接地事故時において、事故電流の抑制の機能を持たせている。
ここで、カップリングコンデンサ181(Cp),182(Cn)は、電流の直流分をカットして、交流電流成分のみを通過させる働きを持っている。一般的に直流回路の大地間静電容量は100μF程度であれば、直流回路の地絡事故において、遮断機器が誤動作を起こすことはないとされることから、カップリングコンデンサ181(Cp),182(Cn)の数値は100μF程度とすることが好ましい。
また、電流制限抵抗171,172の抵抗値については、たとえば直流回路が64Dリレー24を通じて接地した図示しない遮断器の切動作コイルが直流地絡となった場合に、カップリングコンデンサ181(Cp),182(Cn)に蓄えられた電荷が64Dリレー24電流制限抵抗を通じて遮断器の切動作コイルに流れることになる。この電流が一般的に3Aを超えるような値となれば、64Dリレー24遮断器が誤動作を起こす可能性があると言われている。本実施形態において、カップリングコンデンサ181(Cp),182(Cn)には、常時55Vの電圧が印加されており、放電電流のピーク時が1A程度におさまるようにするためには、電流制限抵抗171,172の抵抗値は50〜55Ω程度とすることが好ましい。
次に、測定対象回路の電圧値・電流値等を測定する電圧・電流インターフェース12について説明する。電圧・電流インターフェース12は、可変交流電源11の供給線と接続して、正極(+)と大地間の電圧(Vp)および負極(−)と大地間の電圧(Vn)を取り込み、交流成分のみを抽出する。また、測定対象回路の正極(+)母線21、負極(−)母線22に交流クランプCT191,192を取り付けて電流を取り込み、交流成分の電流のみを抽出する。また、電流値に加えて波形データも取得することとし、後述するMPU(演算処理部)13が備える演算手段131は、取得した波形データから位相θを演算することができる。ここでのサンプリング間隔は、たとえば周波数が30Hzの場合に30°サンプリングを担保するように設定するとよい。
次に、絶縁抵抗・静電容量測定器1の動作を制御するMPU(演算処理部)13等について説明する。
図2は、本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1において、MPU(演算処理部)13を中心とした機能ブロック図である。MPU(演算処理部)13は、可変交流電源11,電圧・電流インターフェース12,表示器14,装置メモリー16等と接続して、絶縁抵抗・静電容量測定器1の制御に関わる各種演算処理を行う。
装置メモリー16はメモリー等の記憶装置であって、MPU(演算処理部)13において各種演算処理に必要な「初期設定ファイル161」(図4),「良否判定基準ファイル162」(図5)等のデータファイルを保持する。なお、これらのデータファイルの詳細については後述する。また、図示はしないが、出力調整手段132によりなされた可変交流電源11の設定値の履歴や、電圧・電流インターフェース12等が測定した各種のデータ、過去における測定履歴のデータファイル等も保持する。
MPU(演算処理部)13の内部には、電圧・電流インターフェース12から電圧値・電流値等を取り込んで、絶縁抵抗等を計算して表示器14に測定結果を表示させる演算手段131、直流回路の大地絶縁抵抗測定に必要な可変交流電源11の制御等を行う出力調整手段132等を備える。
次に各手段の動作について説明する。
演算手段131は、電圧・電流インターフェース12により測定された正極(+)母線21と負極(−)母線22の電圧・電流・位相から、被測定回路絶縁抵抗(R1)に流れる電流と、被測定回路静電容量(C1)に流れる電流とを計算して、被測定回路の大地絶縁抵抗と大地静電容量とを算出する。なお、被測定回路には、大地絶縁抵抗に比較して小さな抵抗値を有する負荷抵抗(Rx)245が正負極間に接続されているため、正極(+)と負極(−)とも、測定される電圧・電流の値はほぼ同一となる。なお、負荷抵抗がない場合には電流の値が異なることになる。
測定中は64Dリレー(直流地絡検出継電器)24の設定値に対して地絡検出感度が変化するものの、64Dリレー24が誤動作することはなく、64Dリレー24をロックしたり、接地線を外したりする必要はない。その理由としては、64Dリレー24の正極(+)と負極(−)にも交流電流が流入するが同位相となることから、正極(+)大地間と負極(−)大地間の電圧バランスを判定して動作する64Dリレー24は動作しないのである。
また、直流回路における負荷抵抗(Rx)245は、正極(+)母線21と負極(−)母線22の間に接続されており、一般的に大地間に接続されている機器は、64Dリレー24を除き、サージ吸収用のバリスタ(コンデンサを含む)のみである。そのため、低電圧・低周波の交流電圧の印加であれば問題となることはない。通常の運転状態において、商用交流電圧が誘導現象で直流回路に誘起しているケースと同様であり、通常の負荷と同様である。
[絶縁抵抗および静電容量を測定する処理フロー]
図3では、本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1により、絶縁抵抗および静電容量を測定する処理フローを説明する。
作業の開始にあたり、可変交流電源11が動作状態にあるときには、作業者により動作を停止することで、出力調整手段132が起動して、絶縁抵抗・静電容量測定器1の計器類を初期値に戻すとともに、可変交流電源11の出力周波数が15Hzになるように設定する(S101)。ここで、絶縁抵抗・静電容量測定器1の初期化は、可変交流電源11の停止と出力端子間を開放接点等にして高インピーダンスとすることで行う。また、可変交流電源11が動作停止状態にあるときには、作業者は停止の確認を行う。
なお、ステップ101の初期化手順は、自動測定(図3に示す)と手動測定(図示せず)の2つのモードがある場合を考慮しており、手動測定により測定中に自動測定を選択した場合にも対応することができる。また、電源が出力中であったり、周波数が30Hzを選択していたりしているケースも考慮している。
次に、作業者により可変交流電源11をオンにすると(S102−1)、出力調整手段132は、電圧・電流インターフェース12が測定する正極大地間交流電圧(Vp)を監視して、10Vになるように可変交流電源11の出力電圧を調整する(S102−2)。正極大地間交流電圧(Vp)が10Vになると、電圧・電流インターフェース12は、正極母線21に取り付けた交流クランプCT191により、測定対象である正極交流電流(Ip)を取得する(S102−3)。
同様に、出力調整手段132は、電圧・電流インターフェース12が測定する負極大地間交流電圧(Vn)を監視して、10Vになるように可変交流電源11の出力電圧を調整する(S102−4)。負極大地間交流電圧(Vn)が10Vになると、電圧・電流インターフェース12は、負極母線22に取り付けた交流クランプCT192により、測定対象である負極交流電流(In)を取得して(S102−5)、可変交流電源11をオフにする(S102−6)。
ここで、本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1では、装置メモリー16に初期設定ファイル161(図4)を備え、あらかじめ作業者がキーボード等(図示しない)から初期設定ファイル161に初期値を設定しておくことで、出力調整手段132は、電圧・電流インターフェース12が測定した値と、設定された「電圧値」とを参照して、設定された「電圧値」になるように可変交流電源11の出力調整を行う。
なお、正極大地間交流電圧(Vp)および負極大地間交流電圧(Vn)を10Vと一定にするのは、後述する演算手段132が、いわゆるオームの法則(R=V/I)により抵抗(R)を導くためである。ここで用いる計算式・計算例については後で詳説する。
また、可変交流電源11の出力電圧は、電流制限抵抗171,172と被測定対象絶縁抵抗31,32とで分圧する形になるので、電流制限抵抗171,172に対して、被測定対象絶縁抵抗31,32はきわめて大きくなるため、可変交流電源11の出力電圧容量は小さく、電流制限抵抗171,172の電圧ロスは小さなものになる。
正極交流電流(Ip)および負極交流電流(In)が測定されると、出力調整手段132により所定値である1mA以上(後述)であるか否かの判定がなされ(S103)、所定値である場合には(S103において「YES」)、出力調整手段132は、演算手段131を起動して処理を終了する。一方、演算手段131は、S106において絶縁抵抗および静電容量の算出を行う。
なお、既設への影響を少なくするため、被測定回路に印加する周波数は、できるだけ低い方が好ましいことから、本実施形態では、上述の通り周波数の初期値を15Hzとしている。しかし、周波数が低いと静電容量に流れる電流値も小さくなるため、測定誤差も大きくなることから、本実施形態では1mAを電流値の下限としている。
詳細は後述するが、測定した電流値が1mA未満の場合には、周波数を2倍の30Hzに再設定することとしている。
また、本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1では、あらかじめ作業者により、装置メモリー16が備える初期設定ファイル161(図4)に、所定の電流値の「1mA」が設定されている。出力調整手段132は、S102−3,S102−5において測定した電流値と、初期設定ファイル161が保持する「所定の電流値」のデータ(1mA)とを比較判定して(S103)、所定の電流値よりも小さい場合に、周波数を初期値である15Hzから30Hzに切り替える。
次に、出力調整手段132は、測定された正極交流電流(Ip)および負極交流電流(In)が所定値以内ではない場合には(S103において「NO」)、可変交流電源11の出力周波数が15Hzであるか否かの判定を行う(S104)。ここで、ステップ101において可変交流電源11の出力周波数は15Hzに設定されているので、初期の状態では出力周波数は15Hzと判定されて(S104において「YES」)、可変交流電源11の出力周波数を30Hzに設定した後(S105)、ステップ102−1〜6の処理が繰り返される。
より具体的には、可変交流電源11の出力周波数が30Hzに設定された状態で、正極交流電流(Ip)および負極交流電流(In)が測定される(S102−1〜6)。出力調整手段132は、測定された正極交流電流(Ip)および負極交流電流(In)が、所定値であるか否かの判定を行い(S103)、所定値以下である場合には(S103において「YES」)、出力調整手段132の処理を終了して、演算手段131を起動する。ここで、判定の基準となる「所定値」は、計算誤差が一定以上確保できる値(本例では1mA以上)とする。次に、演算手段131は、ステップ106において絶縁抵抗および静電容量の算出を行う。
一方、出力調整手段132は、測定された正極交流電流(Ip)および負極交流電流(In)が所定値以下ではない場合には(S103において「NO」)、可変交流電源11の出力周波数が15Hzであるか否かの判定を行う(S104)。
ここでは、ステップ105において可変交流電源11の出力周波数が30Hzに設定されているので、ステップ104において「NO」と判定される。なお、出力周波数を15Hzの2倍である30Hzとしても、再測定後にも所定値が確保できない場合には、演算手段131は30Hzで測定した時の値で計算する。また、30Hzにしても電流値が1mAに満たないようなケースでは、被測定回路の絶縁抵抗が大きく静電容量も小さいこととなり、回路は正常と判断することもできる。
次に、出力調整手段132は処理を終了して演算手段131を起動する。演算手段131は、ステップ106において、測定された正極交流電流(Ip)および負極交流電流(In)から、正極大地間絶縁抵抗(Rp1)、正極大地間静電容量(Cp1)、負極大地間絶縁抵抗(Rn1)、負極大地間静電容量(Cn1)の算出を行う。
上記の算出の前に、演算手段131は、電圧・電流インターフェース12が測定した電圧・電流の波形データから位相を演算する。具体的には、被測定対象絶縁抵抗31,32に流れる電流は電圧と同相分電流であり、静電容量に流れる電流は90度進みとなる。
[被測定回路絶縁抵抗(R)の計算式]
以下、本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1において、演算手段131が図3・ステップ106で行う絶縁抵抗および静電容量の計算式について説明する。
本実施形態において、正極電圧(Vp)、負極電圧(Vn)、正極交流電流(Ip)、負極交流電流(In)、周波数(f)の測定データ等は、絶縁抵抗・静電容量測定器1が備える装置メモリー16が保持しており、演算手段131は、これらのデータを参照して演算を行う。
なお、ここでの単位は、Vp(V)、Vn(V)、Ip(mA)、In(mA)、抵抗(MΩ)、f(Hz)である。また、Vp−Ip間位相は「θp」、Vn−In間位相は「θn」で表す。
はじめに、被測定回路絶縁抵抗(R)の計算式について説明する。
被測定回路絶縁抵抗(R)は、正極大地間絶縁抵抗(Rp1)と負極大地間絶縁抵抗(Rn1)とからなり、正極大地間絶縁抵抗(Rp1)は以下の計算式により算出する。
Ipr=Ip*COSθp …(1)
Rp1=Vp/Ipr/1000[MΩ] …(2)
負極大地間絶縁抵抗(Rn1)は以下の計算式により算出する。
Inr=In*COSθn …(3)
Rn1=Vn/Inr/1000[MΩ] …(4)
次に、計算式(2)で求めた正極大地間絶縁抵抗(Rp1)と、計算式(4)で求めた負極大地間絶縁抵抗(Rn1)は、並列で接続されており、その合計である被測定回路絶縁抵抗(R)は、以下の計算式により算出する。
R=(Rp1−1+Rn1−1−1[MΩ] …(5)
[被測定回路静電容量(C)の計算式]
次に、被測定回路静電容量(C)の計算式について説明する。
被測定回路静電容量(C)は、正極大地間静電容量(Cp1)と負極大地間静電容量(Cn1)とからなり、正極大地間静電容量(Cp1)は以下の計算式により算出する。
Ipx=Ip*SINθp …(6)
Xpx=Vp/Ipx …(7)
Cp1=1/(2*π*f*Xpx)*1000000[μF] …(8)
負極大地間静電容量(Cn1)は以下の計算式により算出する。
Inx=In*SINθn …(9)
Xnx=Vn/Inx …(10)
Cn1=1/(2*π*f*Xnx)*1000000[μF] …(11)
次に、計算式(8)で求めた正極大地間静電容量(Cp1)と、計算式(11)で求めた負極大地間静電容量(Cn1)は、並列で接続されており、その合計である被測定回路静電容量(C)は、以下の計算式により算出する。
C=Cp1+Cn1[μF] …(12)
[被測定回路絶縁抵抗(R)の計算例]
次に、電圧・電流インターフェース12による測定結果を上記の計算式に当てはめた計算例を示す。本例での測定値は、正極電圧(Vp)=10V、負極電圧(Vn)=10V、正極交流電流(Ip)=1.1mA、負極交流電流(In)=1.2mA、Vp−Ip間位相(θp)=89.7、Vn−In間位相(θn)=89.5、周波数(f)=30Hzとする。
はじめに、被測定回路絶縁抵抗(R)の計算例を示す。
計算式(1)の「Ip」に測定値「1.1」を、「θp」に測定値「89.7°」を、それぞれ代入して「Ipr」を算出する。
Ipr=1.1*COS89.7°≒0.005760mA …(1)
次に、計算式(1)の「Vp」に測定値「10」を、「Ipr」に計算式(1)の算定結果である「0.005760」を、それぞれ代入して正極大地間絶縁抵抗(Rp1)を算出する。
Rp1=10/0.005760/1000≒1.736235MΩ …(2)
同様に、計算式(3)の「In」に測定値「1.2」を、「θn」に測定値「89.5°」を、それぞれ代入して「Ipn」を算出する。
Inr=1.2*COS89.5°≒0.010472mA …(3)
次に、計算式(4)の「Vn」に測定値「10」を、「Ipn」に計算式(3)の算定結果である「0.010472」を、それぞれ代入して正極大地間絶縁抵抗(Rn1)を算出する。
Rn1=10/0.010472/1000≒0.954939MΩ …(4)
最後に計算式(5)の「Rp1」に計算式(2)の算出結果「1.736235」を、「Rn1」に計算式(4)の算出結果「0.954939」を、それぞれ代入する。
(1.736235−1*+0.954939−1−1≒0.616MΩ …(5)
これにより、被測定回路絶縁抵抗(R)を算出することができる。
[被測定回路静電容量(C)の計算例]
次に、被測定回路絶縁抵抗静電容量(RC)の計算例を示す。
計算式(6)の「Ip」に測定値「1.1」を、「θp」に測定値「89.7°」を、それぞれ代入して「Ipx」を算出する。
Ipx=1.1*SIN89.7°≒1.099985mA …(6)
次に、計算式(7)の「Vp」に測定値「10」を、「Ipx」に計算式(6)の算出結果「1.099985」を、それぞれ代入して「Xpx」を算出する。
Xpx=10/(1.099985/1000)≒9091.034Ω …(7)
さらに、計算式(8)の「f」に測定値「30」を、「Xpx」に計算式(7)の算定結果「9091.034」を、それぞれ代入して正極大地間静電容量(Cp1)を算出する。
Cp1=1/(2*π*30*9091.034)*1000000≒0.583560μF …(8)
同様に計算式(8)の「In」に測定値「1.2」を、「θn」に測定値「89.5°」を、それぞれ代入して「Inx」を算出する。
Inx=1.2*SIN89.5°≒1.199954mA …(9)
次に、計算式(10)の「Vn」に測定値「10」を、「Inx」に計算式(9)の算出結果「1.199954」を、それぞれ代入して「Xnx」を算出する。
Xnx=10/(1.199954/1000)≒8333.651Ω …(10)
さらに、計算式(11)の「f」に測定値「30」を、「Xnx」に計算式(10)の算定結果「8333.651」を、それぞれ代入して正極大地間静電容量(Cn1)を算出する。
Cn1=1/(2*π*30*8333.651)*1000000≒0.636596μF …(11)
最後に計算式(12)の「Cp1」に計算式(8)の算出結果「0.583560」を、「Cn1」に計算式(11)の算出結果「0.636596」を、それぞれ代入する。
0.583560+0.636596=1.22μF …(12)
これにより、被測定回路静電容量(C)を算出することができる。
[絶縁抵抗および静電容量の測定後の処理フロー]
さらに、演算手段131は、ステップ107において、装置メモリー16が備える良否判定基準ファイル162(図5に示す)(良・要注意・不良)を読み取り、算出した値との比較判定を行う。なお、過去の測定履歴を装置メモリー16に保存するようにすることで、測定された値と装置メモリー16から読み込んだ過去の測定履歴とを比較判定して、一定値以上、変化している場合には「要注意」として処理するように設定することもできる。
ステップ107における判定の基準は、各種条件により異なる設定とすることができる。本実施形態において、「絶縁抵抗」が10MΩ以上である場合を「良」と判定して、モニタ(表示器14)に「異常なし」の表示を行うとともに、測定記録の表示を行う(S108で「良」)。「絶縁抵抗」が1〜10MΩである場合を「要注意」と判定して、モニタ(表示器14)に「要注意警報」の表示を行うとともに、あわせて前回記録の表示を行う(S1089で「要注意」)。「絶縁抵抗」が1MΩ未満である場合を「不良」と判定して、モニタ(表示器14)に「不良警報」の表示を行うとともに、今回記録とあわせて前回記録の表示を行う(S10810で「不良」)。
また、本実施形態において「静電容量」は、10μF以下を「良」、10〜100μFを「要注意」、100μF超過を「不良」と判定して上記同様の表示を行う。最後に、測定データを記憶して処理を完了する(S111)。
本実施形態の絶縁抵抗測定計1において、演算手段131による良否判定は、装置メモリー16が備える良否判定基準ファイル162(図5)を参照して判定する。具体的には、算出した絶縁抵抗または静電容量を、良否判定基準ファイル162の「絶縁抵抗」または「静電容量」の数値と比較判定し、数値に対応した「良否判定」とともに、良否判定基準ファイル162(図5)の「表示器への表示」で設定された「異常なし、要注意警報、不良警報」などの表示が実行される。
なお、図3の例では、大地間交流電圧を10Vの固定とし、周波数を15Hzと30Hzの2段階としたが、Ip,Inの値が所定値以上となるまで、連続または多段階的に電圧値や周波数を自動調整する方式としても良い。
たとえば、測定に際して許容する交流電圧の周波数を15Hzから45Hzまでの帯域とし、出力調整手段132は、15Hzから開始してIp,Inの値が所定値(1mA)以上となるまで、周波数を5Hz単位で段階的に上げていくように設定しても良い。これにより、きめ細かい調整が可能となるので、より正確に絶縁抵抗・静電容量を測定することが可能になる。
本例の処理フローについては図6に示す。出力調整手段132は、ステップ201において、可変交流電源11が出力する交流電流の周波数を15Hzとした後、ステップ203の判定において、電圧・電流インターフェース12が測定した交流電流が所定値(1mA)以上ではない場合に(S203において「NO」)、周波数が45Hz以下であるか否かを判定する(S204)。
出力調整手段132は、ここで45Hz以下の場合に(S204において「YES」)、ステップ205において可変交流電源11の出力周波数を5Hz引き上げる。すなわち判定時の周波数が15Hzの場合には、5Hz上げられて周波数20Hzに設定される。その後、出力調整手段132は、ステップ202−1〜6の処理が繰り返す。
出力調整手段132は、ステップ203の判定において、交流電流が所定値(1mA)以上になれば(S203において「YES」)、演算手段131を起動して出力調整手段132の処理を終了する。演算手段131はステップ206において、絶縁抵抗および静電容量の算出を行う。
なお、出力調整手段132は、ステップ202〜205を繰り返し、周波数が45Hzとなった後も交流電流が所定値(1mA)以上にならない場合には、ステップ204において、周波数が45Hz以下ではないとする判定の後(S204において「NO」)、演算手段131を起動して出力調整手段132の処理を終了する。演算手段131はステップ206において、絶縁抵抗および静電容量の算出を行う。
また、良否判定および記録値(前回記録)には、測定対象の測定・範囲等に応じた良否判定基準や、前回記録値との測定値の差異・推移により、異なる判定基準を用いる機能を有しても良い。
たとえば、絶縁抵抗が高い値(絶縁抵抗計での測定が100MΩ以上の場合など)の場合には、周囲温度や湿度等の気象による影響を比較的良く受けることになる。一方、絶縁が劣化して数MΩ程度まで絶縁抵抗が低下している場合には、気象の影響を受けにくくなる。また、絶縁抵抗の良否では、一般的に1MΩを切ると直流地絡検出継電器の使用感度が低下するなどの影響が出るケースがある。そのため、処理フローの一例として、1MΩ以下では「不良」、1〜2MΩでは「要注意」、2〜10MΩであっても前回記録の50%であれば「要注意」とすることもできる。また、長期間のデータとして絶縁抵抗が低下傾向にある場合も「要注意」とするなどとしても良い。
さらに、閾値の設定では、誤判断の可能性があっても、早めに劣化状態を知りたいとのニーズがあれば高めの閾値とし、少々リスクがあっても警報が出ないほうが良いとのニーズであれば低めの閾値とすれば良い。
[本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1による効果]
本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1によれば、電流検出に用いる交流クランプCT191,192の取り付け箇所を変更することで、部分的な直流回路の絶縁抵抗測定や静電容量測定が可能になる。
また、電圧・電流により地絡抵抗を検出する部分のみで構成された可搬式の装置とすることで、たとえば継続地絡の場合に、交流クランプCT191,192の接続箇所を変更することで、容易に地絡箇所を特定することが可能となる。
さらに、現在、商品化されている地絡箇所を特定する装置は、64Dリレー(地絡検出継電器)24の停止と接地線の外し作業が必要であり、直流回路の地絡保護が長時間できない状態となるが、本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1では、64Dリレー24を作動している状態で、装置を設置することが可能となっている。そのため、直流回路の地絡保護が停止する時間は測定動作を行う間であり、直流回路の地絡保護が長時間できないという事態を回避することができる。
他にも、正極・負極間に同一容量のコンデンサを接続して、電流制限抵抗と可変交流電源を通じて大地間に接続する方法であり、電流制限抵抗を適切な値とすることで、正極大地間、負極大地間の電圧バランスが崩れることがないため、既存の他施設への影響がないという効果を有する。
なお、本実施形態の絶縁抵抗・静電容量測定器1は、絶縁抵抗測定器または静電容量測定器として単独でも機能する。
1 絶縁抵抗・静電容量測定器
2 直流電源装置
3 被測定回路絶縁抵抗(R)
4 被測定回路静電容量(C)
11 可変交流電源
12 電圧・電流インターフェース
13 MPU(演算処理部)
14 表示器
15 電源
16 装置メモリー
21 正極(+)母線
22 負極(−)母線
23 蓄電池(DC110V)
24 64Dリレー
25 負荷抵抗(Rx)
31,32 被測定対象絶縁抵抗(Rp1,Rn1)
41,42 被測定対象静電容量(Cp1,Cn1)
111 供給線
131 演算手段
132 出力調整手段
161 初期設定ファイル
162 良否判定基準ファイル
171,172 電流制限抵抗(R)
181,182 カップリングコンデンサ(Cp,Cn)
191,192 交流クランプCT
211,221 対象外回路絶縁抵抗(Rp0,Rn0)
212,222 対象外回路静電容量(Cp0,Cn0)
213,223 接点

Claims (4)

  1. 測定対象である直流回路と電路で接続して、一定の電圧及び一定の周波数の交流電流を印加する可変交流電源部と、
    前記直流回路の測定対象部分に取り付けて、交流成分の電流を取得するクランプ部と、
    前記可変交流電源部が印加した交流電流の電圧と該交流電流の電圧と電流の波形データから演算した電圧電流間位相と、前記クランプ部が取得した前記測定対象部分における交流成分の電流と、に基づき、前記直流回路の測定対象部分の絶縁抵抗を演算する演算手段と、
    前記クランプ部が取得した交流成分の電流が一定値に満たない場合に、前記可変交流電源部が供給する交流電流の周波数を上昇させる出力調整手段を備え、
    前記可変交流電源部は、前記出力調整手段により上昇した周波数の交流電流を前記直流回路に印加することを特徴とする直流回路の絶縁抵抗測定器。
  2. 測定対象である直流回路と電路で接続して、一定の電圧及び一定の周波数の交流電流を印加する可変交流電源部と、
    前記直流回路の測定対象部分に取り付けて、交流成分の電流を取得するクランプ部と、
    前記可変交流電源部が印加した交流電流の電圧及び周波数と、該交流電流の電圧と電流の波形データから演算した電圧電流間位相と、前記クランプ部が取得した前記測定対象部分における交流成分の電流と、に基づき、前記直流回路の測定対象部分の静電容量を演算する演算手段と、
    前記クランプ部が取得した交流成分の電流が一定値に満たない場合に、前記可変交流電源部が供給する交流電流の周波数を上昇させる出力調整手段を備え、
    前記可変交流電源部は、前記出力調整手段により上昇した周波数の交流電流を前記直流回路に印加することを特徴とする直流回路の静電容量測定器。
  3. 測定対象である直流回路に可変交流電源部を接続して、一定の電圧及び一定の周波数の交流電流を印加するステップと、
    前記直流回路の測定対象部分にクランプを取り付けて、交流成分の電流を取得するステップと、
    前記クランプが取得した交流成分の電流が一定値に満たない場合に、前記可変交流電源部が供給する交流電流の周波数を上昇させて前記直流回路に印加するステップと、
    前記可変交流電源部が印加した交流電流の電圧と該交流電流の電圧と電流の波形データから演算した電圧電流間位相と、前記クランプが取得した前記測定対象部分における交流成分の電流と、に基づき、前記直流回路の測定対象部分の絶縁抵抗を演算するステップと、
    からなることを特徴とする直流回路の絶縁抵抗測定方法。
  4. 測定対象である直流回路に可変交流電源部を接続して、一定の電圧及び一定の周波数の交流電流を印加するステップと、
    前記直流回路の測定対象部分にクランプを取り付けて、交流成分の電流を取得するステップと、
    前記クランプが取得した交流成分の電流が一定値に満たない場合に、前記可変交流電源部が供給する交流電流の周波数を上昇させて前記直流回路に印加するステップと、
    前記可変交流電源部が印加した交流電流の電圧及び周波数と、該交流電流の電圧と電流の波形データから演算した電圧電流間位相と、前記クランプが取得した前記測定対象部分における交流成分の電流と、に基づき、前記直流回路の測定対象部分の静電容量を演算するステップと、
    からなることを特徴とする直流回路の静電容量測定方法。
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