JP5578403B2 - 近赤外りん光および蛍光材料 - Google Patents
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Description
ポルフィリンの構造異性体であるポルフィセンやヘミポルフィセンは、1986年ドイツのE.Vogelらによって合成された人工的な環状テトラピロール化合物であり、これらの化合物は、ポルフィリン金属錯体と比べて、その中心金属が強いルイス酸性と反応活性種に対する耐久性とを示すことから良好な触媒となることが期待されている。
有機EL素子の発光層において、電子と正孔との再結合後の一重項励起子と三重項励起子との発生確率は1:3と考えられており、三重項励起子によるりん光をも利用した素子の方が、一重項励起子による蛍光を使った素子の3〜4倍の発光効率の達成が期待できるためである。
また、赤外領域に発光波長を有する発光材料が、光通信用光源、センサー光源、リモコン用光源として求められている。
しかしながら、これらのポルフィリン錯体においては、りん光波長が可視領域であるため、応用用途が限定されていた。
また、ポルフィセン金属錯体を発光層に用いた有機電界発光素子が報告されているが、これは蛍光発光を利用したもので、りん光発光特性については見出されていない(特許文献2参照)。
1. 式(1)で表されるポルフィセン錯体、または式(2)で表されるヘミポルフィセン錯体からなることを特徴とする近赤外りん光および蛍光材料、
2. 前記式(1)または式(2)において、前記R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12が、それぞれ独立に、水素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、スルホン酸基、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、カルボキシメチル基、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、またはイソプロポキシ基を表す1の近赤外りん光および蛍光材料、
3. 前記式(1)または式(2)において、前記R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12が、それぞれ独立に、水素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、スルホン酸基、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、カルボキシメチル基、またはメトキシ基を表す2の近赤外りん光および蛍光材料、
4. 前記式(1)または式(2)において、前記R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12が、それぞれ独立に、水素原子、エチル基、またはノルマルプロピル基を表す3の近赤外りん光および蛍光材料、
5. Mが、Sn(IV)F 2 またはSn(IV)Br 2 である1〜4のいずれかの近赤外りん光および蛍光材料、
6. 前記式(1)で表されるポルフィセン錯体からなる1〜5のいずれかの近赤外りん光および蛍光材料
を提供する。
まず、式(1)および(2)の各置換基を具体的に説明する。
式(1)または(2)で表される化合物の置換基R1〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜10のアルキル基〔このアルキル基はハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、またはフェニル基(このフェニル基はハロゲン原子、炭素数1〜3のアルコキシ基、または炭素数1〜10のアルキル基で任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。〕、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、またはフェニル基〔このフェニル基はハロゲン原子、炭素数1〜3のアルコキシ基、または炭素数1〜10のアルキル基で任意に置換されていてもよい。〕を表し、Mは、2価の金属原子、または酸素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、もしくはシアノ基を有してもよい3価〜5価の金属原子を表す。
上記各置換基で任意に置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル基、ノルマルペンチル基、アミル基、イソアミル基、ターシャリーアミル基、ネオペンチル基、ノルマルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、メトキシエチル基、ベンジル基、p−フルオロベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−メチルベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
2価の金属原子の具体例としては、マグネシウム(II)、カルシウム(II)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、亜鉛(II)、ルテニウム(II)、パラジウム(II)、スズ(II)、オスミウム(II)、イリジウム(II)、白金(II)、鉛(II)等が挙げられ、好ましくは亜鉛(II)、ルテニウム(II)、パラジウム(II)、スズ(II)、オスミウム(II)、イリジウム(II)、白金(II)が挙げられる。
3価の金属原子の具体例としては、アルミニウム(III)、鉄(III)、マンガン(III)、コバルト(III)、ロジウム(III)、インジウム(III)、アンチモン(III)、ビスマス(III)等が挙げられ、好ましくはロジウム(III)が挙げられる。
4価の金属原子の具体例としては、ゲルマニウム(IV)、スズ(IV)等が挙げられ、好ましくはスズ(IV)が挙げられる。
5価の金属原子の具体例としては、モリブデン(V)、アンチモン(V)、ビスマス(V)等が挙げられる。
上記R1′〜R12′は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜10のアルキル基〔このアルキル基はハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、またはフェニル基(このフェニル基はハロゲン原子、炭素数1〜3のアルコキシ基、または炭素数1〜10のアルキル基で任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。〕、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルカルボニルオキシ基、またはフェニル基〔このフェニル基はハロゲン原子、炭素数1〜3のアルコキシ基、または炭素数1〜10のアルキル基で任意に置換されていてもよい。〕を表す。
その他の置換基の具体例としては、上記と同様のものが挙げられる。
中でも、R5′、R6′、R11′、およびR12′の少なくとも1つは、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、または炭素数1〜6のアルキルカルボニルオキシ基であることが好ましく、少なくとも2つが、これらの基であることがより好ましく、近赤外域に蛍光を発する化合物とすることを考慮すると、少なくとも2つの基が、互いに独立してヒドロキシ基、またはアミノ基であることが好適である。
本発明のポルフィセン配位子は、例えばAngew. Chem. Int. Ed. Engl., 32, 1600-1604 (1993)、Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 26, 928-931 (1987)、J. Phys. Chem., 98, 11885-11891 (1994)、J. Biomed. Sci., 10, 418-429 (2003)等に記載の方法に準じて合成できる。代表的には、以下の方法で製造することができる。
式(3)で示されるポルフィセンは、式(4)および/または式(5)で示される化合物を無水テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒中、亜鉛、塩化銅(I)等の金属および/または金属塩、ピリジン等のアミン化合物、四塩化チタンから発生させた低原子価チタンまたは三塩化チタン等のチタン化合物等を必要に応じて用いて反応させて得ることができる。
式(6)で示されるヘミポルフィセン配位子は、式(7)および式(8)で示される化合物をアルコール溶媒中、過塩素酸等の強酸と反応させることでカルボン酸とアルデヒド基のカップリング反応を行った後、得られた中間体化合物を無水テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒中、亜鉛、塩化銅(I)等の金属および/または金属塩、ピリジン等のアミン化合物、四塩化チタンから発生させた低原子価チタンまたは三塩化チタン等のチタン化合物等を必要に応じて用いて反応させて得ることができる。
[1]サイクリックボルタムグラム
BAS社製 CV50W electrochemical analyzer
[2]りん光スペクトル
(株)堀場製作所製 Fuluolog−3
[3]蛍光スペクトル
(株)日立製作所製 Fluorescence spectrophotometer F−4500
[4]紫外可視吸収スペクトル
(株)日立製作所製 U−3300
[5]核磁気共鳴スペクトル
ブルカー社製 AVANCE500
[6]ESI−MS
日本電子(株)製 JMS−T100CS
[7]MALDI−TOF−MS
Burker Autoflex
その後、好気下で室温まで冷却した。この反応溶液を濾過し、得られた紫色の固体をデカリンで洗浄して不純物を取り除いた。得られた固体をクロロホルムに溶解してスズ(IV)ジクロロポルフィセン錯体SnIV(OEPc)Cl2(3)のみを得た。この溶液を5%HCl水溶液で分液することで洗浄し、有機属を分離して乾固した。得られた固体を再結晶した(塩化メチレン:シクロヘキサン=2:1)。得られた錯体は、NMR(測定溶媒:CDCl3)、MALDI−TOF−MS、ESI−MSにて同定した。1H−NMRを図1に示す。
MALDI-TOF-MS (m/z, non-matrix) [Sn(OEPc)Cl]+, 687.14 ([Sn(OEPc)Cl]+ calcd for 687.23 )
ESI-MS (m/z, solvent : acetonitrile) [Sn(OEPc)Cl]+, 687.1 ([Sn(OEPc)Cl]+ calcd for 687.23 )
上記参考例1および実施例1,2で得られた各錯体について、UV−visスペクトルを測定(溶媒:塩化メチレン)した。結果を図2に示す。
〔蛍光スペクトル〕
上記参考例1および実施例1,2で得られた各錯体について、励起波長(λex=400nm)の吸収強度(Absorbance)を0.5で統一した際の各錯体の蛍光スペクトル(溶媒:塩化メチレン)を測定し、強度比較を行った。結果を図3に示す。
りん光過程は、一重項酸素生成過程との競争過程であることから、好気条件下では観測されない。そこで、励起三重項状態のクエンチャーである酸素を除去するために、凍結脱気法により脱気した溶媒を用い、りん光スペクトル測定を行った。結果を図4に示す。この際、溶媒としては、外部重原子効果によって項間交差過程およびりん光放射過程が加速し、りん光が観測されることを期待してブロモベンゼン(蒸留後、凍結脱気法により脱気した溶媒)を用いた。
また、定常的に励起光が照射されているため、(短寿命の)蛍光と(長寿命の)りん光が同時に観測される。そこで、蛍光のみが観測される好気下においてもスペクトル測定を行い、両者の差スペクトルよりりん光を観測した。結果を図5に示す。
上記参考例1および実施例1,2で得られた各錯体のりん光波長(λem)および励起三重項エネルギー(Et)を表1に示す。
励起状態での酸化力および還元力は、例えば(1)J. Am. Chem. Soc., 1981, 103, 56-62.、(2)J. Phys. Chem., 2008, 112, 491-499.に従って算出した。具体的な実施方法を以下に示す。
光励起による電子エネルギーは、電位として解釈することができる。つまり、分子の光励起は、図6のようなイメージとして捉えることができる。光を吸収する前の分子Pでは、電子のつまった基底準位がほぼ一電子酸化の標準電極電位E0(P+/P)に、励起準位がほぼ一電子還元の標準電極電位E0(P/P-)に対応している。
つまり、励起状態の分子P*になると、励起エネルギーに相当する電位差だけ、E0(P+/P)は負側の電位に、E0(P/P-)は正側の電位に動く。すなわち、分子の酸化力および還元力は励起エネルギー分だけ強まると言える。
具体的な例として、実施例2で得られたスズ(IV)ジクロロポルフィセン錯体(3)の場合を図7に示す。これより、交点が627.5nmであることから、エネルギーに換算するとΔE=1.975Vとなる。
(P*/P-)=(P/P-)+ΔE
(P*/P+)=(P+/P)−ΔE
〔(P/P-)は基底状態での還元電位を、(P+/P)は基底状態での酸化電位を表す。〕
なお、基底状態での酸化還元電位については、サイクリックボルタムメトリー測定より求めることができる。
具体的な例として、実施例2で得られたスズ(IV)ジクロロポルフィセン錯体(3)の場合を図8に示す。これより、基底状態での還元電位(P/P-)=−0.73V(vs.Ag/AgCl)となる。
図9〜11に示されるように、参考例1および実施例1,2で得られた全ての錯体は、光励起状態において非常に高い酸化力を有していることがわかるが、中でもポルフィセン錯体(3)が最も高い酸化力を有していることがわかる。
上述のように、光励起状態において各錯体は、高い酸化力を有していることから、溶媒としてメタノールを用いた場合、メタノールが電子ドナーとなり酸化される。錯体は、光電子移動により基底状態に戻り、アニオンラジカル種となる。このアニオンラジカル種は、還元剤として利用できる。
すなわち、この反応は、光照射により生成したスズ錯体の光励起状態による外部分子の酸化反応と、生成したアニオンラジカル種による還元反応の両者が期待できる。
実際、実施例2で得られたスズ(IV)ジクロロポルフィセン錯体(3)について、メタノールを電子ドナーとした光反応特性評価を行ったところ、図12に示されるように、光照射によるポルフィセンアニオンラジカル種の存在がUV−visスペクトル測定により検出された。このことから、この錯体は、酸化触媒として利用できることがわかる。
MALDI-TOF-MS (m/z, non-matrix) [Sn(TPrPc)Cl]+, 631.17 ([Sn(TPrPc)Cl]+ calcd for 631.17 )
元素分析 (C32H36Cl2N4Sn):計算値 C 57.69, H 5.45, N 8.41; 実測値 C 57.58, H 5.41, N 8.38.
MALDI-TOF-MS (m/z, non-matrix) [Sn(TPrPc)F]+, 615.19 ([Sn(TPrPc)F]+ calcd for 615.19 )
元素分析 (C32H36F2N4Sn):計算値 C 60.68, H 5.73, N 8.85; 実測値 C 60.50, H 5.77, N 8.84.
上記実施例3,4で得られた各錯体について、UV−visスペクトルを測定(溶媒:塩化メチレン)した。結果を図15に示す。
〔蛍光スペクトル〕
上記実施例3,4で得られた各錯体について、実施例1と同様にして蛍光スペクトル(溶媒:塩化メチレン)を測定し、強度比較を行った。結果を図16に示す。
上記実施例3,4で得られた各錯体について、実施例1と同様にしてりん光スペクトルを測定した。実施例3で得られた錯体の蛍光スペクトルを図17に、実施例4で得られた錯体の蛍光スペクトルを図18に、両者の差スペクトルを図19に示す。
スズポルフィセンSn(TPrPc)Cl2、スズポルフィセンSn(TPrPc)F2ともに、近赤外領域である937nm付近および934nm付近に、それぞれ大きなりん光が観測された。図19の差スペクトルにより、はっきりとピークを観測できる。
上記実施例3,4で得られた各錯体のりん光波長(λem)および励起三重項エネルギー(Et)を表2に示す。
MALDI-TOF-MAS: Calcd for [C32H36BrN4Sn]+, 675.11; found, 674.96.
元素分析: Calcd for C32H36Br2N4Sn: C 50.89; H 4.80; N 7.42; Found: C 51.04; H 4.59; N 7.37.
上記実施例5で得られた錯体について、UV−visスペクトルを測定(溶媒:塩化メチレン)した。結果を図20に示す。
UV/Vis (CH2Cl2): λ 393 (125000), 404 (114000), 609(49400), 627 (78100).
〔蛍光スペクトル〕
上記実施例5で得られた錯体について、実施例1と同様にして蛍光スペクトル(溶媒:塩化メチレン)を測定した。結果を図21に示す。
上記実施例5で得られた錯体について、実施例1と同様にしてりん光スペクトルを測定した。蛍光スペクトルを図22に、その差スペクトルを図23に示す。
上記実施例3〜5で得られたポルフィセン錯体のトルエン溶液の600nmの吸光度に対して、溶液に600nmの光を照射した際の、各濃度における1270nmをピークトップとした一重項酸素の発光強度をプロットした。プロットの傾きがΦΔに比例することから、ZnTPPのΦΔを基準に相対的に量子効率を算出した。結果を図24に示す。
なお、原料であるH2(NO2)TPrPcは、米国特許第5,637,608号明細書記載の方法により合成することができる。
H2(OCOCH3)(NO2)TPrPc (mixture of cis- and trans-isomers). MALDI-TOF-MAS: Calcd for [C34H39N5O4], 581.30; found, 582.38.
1H NMR (CDCl3, 298 K, 500 MHz) δ: 1.20-1.50 (m, 24H, CH2CH 3), 2.29-2.42 (m, 16H, CH 2CH3), 2.90 (s, 6H, COCH 3), 3.51 (b, 4H, NH), 3.66-3.97 (m, 16H, PyCH 2), 9.15-9.36 (m, 10H, 3,6,13,16,20-H of trans-isomer and 3,6,13,16,19-H of cis-isomer), 9.84 (s, 1H, 10-H of cis-isomer), 9.94 (s, 1H, 10-H of trans-isomer).
Anal. Calcd for C36H41N5O6: C 70.20; H 6.76; N 12.07; Found: C 70.12; H 6.72; N 12.07.
上記参考例2で得られた化合物について、UV−visスペクトルを測定(溶媒:塩化メチレン)した。結果を図25に示す。
〔蛍光スペクトル〕
上記参考例2で得られた化合物について、実施例1と同様にして蛍光スペクトル(溶媒:塩化メチレン)を測定した。結果を図26に示す。
H2(OCOCH3)(NO2)TPrPc. MALDI-TOF-MAS: Calcd for [C34H41N5O2], 551.33; found, 552.39.
1H NMR (CDCl3, 298 K, 500 MHz) δ: 1.20-1.50 (m, 24H, CH2CH 3), 2.17-2.38 (m, 16H, CH 2CH3), 2.84 (s, 6H, COCH 3), 3.22 (b, 4H, NH), 3.50-3.82 (m, 16H, PyCH 2), 5.17 (b, 2H, NH 2 of trans-isomer), 5.42 (b, 2H, NH 2 of cis-isomer), 8.06 (s, 1H, 10-H of trans-isomer), 8.29 (s, 1H, 10-H of cis-isomer), 8.60 (s, 1H, 16-H of cis-isomer), 8.81-8.98 (m, 8H, 3,6,13,16,-H of trans-isomer and 3,6,13,19-H of cis-isomer), 9.16 (s, 1H, 20-H of trans-isomer).
Anal. Calcd for C36H41N5O6: C 74.02; H 7.49; N 12.69; Found: C 73.86; H 7.46; N 12.64.
上記参考例3で得られた化合物について、UV−visスペクトルを測定(溶媒:塩化メチレン)した。結果を図27に示す。
〔蛍光スペクトル〕
上記参考例3で得られた化合物について、実施例1と同様にして蛍光スペクトル(溶媒:塩化メチレン)を測定した。結果を図28に示す。
H2(OCOCH3)2(NO2)TPrPc. MALDI-TOF-MAS: Calcd for [C36H41N5O6], 639.31; found, 640.38.
1H NMR (CDCl3, 298 K, 500 MHz) δ: 1.29-1.41 (m, 12H, CH2CH 3), 2.32-2.44 (m, 8H, CH 2CH3), 2.85 (s, 6H, COCH 3), 3.65-3.97 (m, 8H, PyCH 2), 4.04 (b, 1H, NH), 4.35 (b, 1H, NH), 9.26 (m, 2H, Py-H), 9.29 (s, 1H, Py-H), 9.32 (s, 1H, Py-H), 9.89 (s, 1H, 10-H).
Anal. Calcd for C36H41N5O6: C 67.59; H 6.46; N 10.95; Found: C 67.56; H 6.52; N 10.90.
上記参考例4で得られた化合物について、UV−visスペクトルを測定(溶媒:塩化メチレン)した。結果を図29に示す。
〔蛍光スペクトル〕
上記参考例4で得られた化合物について、実施例1と同様にして蛍光スペクトル(溶媒:塩化メチレン)を測定した。結果を図30に示す。
H2(OCOCH3)2(NH2)TPrPc. MALDI-TOF-MAS: Calcd for [C36H53N5O4], 609.33; found, 608.25.
上記参考例5で得られた化合物について、UV−visスペクトルを測定(溶媒:塩化メチレン)した。結果を図31に示す。
〔蛍光スペクトル〕
上記参考例5で得られた化合物について、実施例1と同様にして蛍光スペクトル(溶媒:塩化メチレン)を測定した。結果を図32に示す。
なお、原料であるH2(OCOCH3)TPrPcは、米国特許第5,637,608号明細書記載の方法等により合成することができる。
trans-H2(OCOCH3)(NH2)TPrPc. 1H NMR (CDCl3, 298 K, 500 MHz) δ: 1.30-1.39 (m, 12H, CH2CH 3), 2.30-2.40 (m, 8H, CH 2CH3), 2.82 (s, 3H, COCH 3), 3.49 (b, 4H, NH), 3.72-3.86 (m, 8H, PyCH 2), 5.14 (b, 2H, NH 2 of trans-isomer), 8.51 (s, 1H, 10-H), 8.92 (s, 1H, 16-H), 8.94 (s, 1H, 6-H), 8.99 (s, 1H, 3-H), 9.01 (s, 1H, 13-H), 9.16 (s, 1H, 20-H).
上記参考例6で得られた化合物について、UV−visスペクトルを測定(溶媒:塩化メチレン)した。結果を図33に示す。
〔蛍光スペクトル〕
上記参考例6で得られた化合物について、実施例1と同様にして蛍光スペクトル(溶媒:塩化メチレン)を測定した。結果を図34に示す。
trans-H2(OH)(NH2)TPrPc. MALDI-TOF-MAS: Calcd for C32H39N5O, 509.32; found, 508.37.
上記参考例7で得られた化合物について、UV−visスペクトルを測定(溶媒:ジエチルエーテル)した。結果を図35に示す。
〔蛍光スペクトル〕
上記参考例7で得られた化合物について、励起波長(λex=558nm)の吸収強度(Absorbance)を0.180に合わせ、蛍光スペクトル(溶媒:ジエチルエーテル)を測定した。結果を図36に示す。
図36に示されるように、参考例7で得られた化合物は、800nm付近の近赤外域で蛍光発光を示す、近赤外蛍光発光材料であることがわかる。
Claims (6)
- 式(1)で表されるポルフィセン錯体、または式(2)で表されるヘミポルフィセン錯体からなることを特徴とする近赤外りん光および蛍光材料。
- 前記式(1)または式(2)において、前記R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12が、それぞれ独立に、水素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、スルホン酸基、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、カルボキシメチル基、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、またはイソプロポキシ基を表す請求項1記載の近赤外りん光および蛍光材料。
- 前記式(1)または式(2)において、前記R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12が、それぞれ独立に、水素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、スルホン酸基、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、カルボキシメチル基、またはメトキシ基を表す請求項2記載の近赤外りん光および蛍光材料。
- 前記式(1)または式(2)において、前記R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12が、それぞれ独立に、水素原子、エチル基、またはノルマルプロピル基を表す請求項3記載の近赤外りん光および蛍光材料。
- Mが、Sn(IV)F 2 またはSn(IV)Br 2 である請求項1〜4のいずれか1項記載の近赤外りん光および蛍光材料。
- 前記式(1)で表されるポルフィセン錯体からなる請求項1〜5のいずれか1項記載の近赤外りん光および蛍光材料。
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