以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態によるせりシステムの構成を説明する図である。このせりシステムは、例えば中古車(車両)を出品物としてせりを行うものである。図1に表すように、このせりシステム1は、せりを行うための準備に主に用いられるせり業務システム10と、実際にせりを行うためのせり機システム20と、に大別され、せり業務システム10とせり機システム20はネットワーク30により接続されている。
せり業務システム10は、2台の業務サーバ110、2台の映像サーバ120、業務端末装置131、出品票登録端末装置132、せり検索端末装置133、来場者登録端末装置134、発券端末装置135、及びそれらを接続するネットワーク140を備えている。ネットワーク140は、多数のハブ141、並びにハブ141間、ハブ141と各端末装置131〜135間、ハブ141と各サーバ110、120間を結ぶ通信線142を備えたものである。
業務端末装置131は、せり会場でのせりに参加できる会員の登録、削除、登録情報の変更等を行うためのものである。出品票登録端末装置132は、せりに出品される出品物(ここでは中古車)の詳細情報(車名、メーカ、色など)を記載した出品票の登録に用いられる。せり検索端末装置133は、実施されるせり情報の検索に用いられる。来場者登録端末装置134は、せり会場に来場した会員を確認するためのものである。来場した会員か否かの確認には、例えば会員カード4等が用いられる。発券端末装置135は、来場した会員へのサービスとして提供する食券等の印刷物の発券に用いられる。
2台の業務サーバ110は、会員に係わるデータ、せりに係わるデータ等の保存、業務の遂行等に用いられる。2台の映像サーバ120は、出品票のデータ等の参加者に提供すべき映像データの保存に用いられる。これら業務サーバ110、映像サーバ120がそれぞれ2台、設置されているのは、より高い安全性を実現するためである。また、より高い安全性を実現するために、ネットワーク140も2重化されている。
せり機システム20は、2台のせり制御装置200、連携PC(パーソナル・コンピュータ)211、2台の表示制御PC212、213、せり人・調整人操作端末装置214、多数の購買店操作端末装置215、複数の座席車両検索端末装置216、せり状況表示モニター221、出品店表示モニター222、及び2台のセリ制御装置200と各端末装置211〜216間を接続するネットワーク230を備えている。
2台のせり制御装置200とそれぞれ2台の業務サーバ110及び映像サーバ120との間は、上記ネットワーク30により接続されている。このネットワーク30は、2台のハブ31、各ハブ31に接続された複数の通信線32により、2重化されている。ネットワーク230もネットワーク140、及び30と同様に、多数のハブ231、各ハブ231に接続された複数の通信線232により2重化されている。
連携PC211は、せり会場以外の場所に居る会員のせりへの参加を可能にするものである。その連携PC211により、会員は例えばインターネットを介してせりに参加することができる。表示制御PC212は、接続されたせり状況表示モニター221に表示すべき画像の表示等を制御している。そのせり状況表示モニター221は、現在、行われているせりに出品された中古車の出品票、現在価格、等の情報が表示される大型の表示装置である。
表示制御PC213は、接続された出品店表示モニター222への画像の表示等を制御している。出品店表示モニター222は、出品者(出品店)に対して現在価格や応札状況が表示される大型の表示装置である。
せり人・調整人操作端末装置214は、せり人によるせりの進行などを可能とし、調整人によるせり中の価格の調整などを可能にする。購買店操作端末装置215は、会員がせりに参加するためのものであり、せりの参加者用の座席に設置されている。購買店操作端末装置215は、会員カード4に記録された情報を読み取るカードリーダ、応札を行うための応札スイッチ(共に図示せず)を備えている。
座席車両検索端末装置216は、せりの参加者が、せりに出品された車両(出品物)のなかで所望の車両の検索や、せり会場のエージェントの代理参加を依頼する不在申し込みの申請等が行えるものであり、せりの参加者用の座席に設置されている。その端末装置216は、実際は例えばPCであり、車両の検索や不在申し込みの申請等のために、表示装置217、及びキーボードを搭載、或いは接続により備えている。また、購買店操作端末装置215と同様に、会員カード4に記録された情報を読み取るカードリーダを備えている。
2台のせり制御装置200は、せり人・調整人操作端末装置214からの指示に従い、せりの進行、提示する価格の更新、等を行う。また、購買店操作端末装置215、或いは座席車両検索端末装置216を使用する会員の認証、それらを用いた応札の受け付けを行う。受け付けた応札数は、価格の変更、落札者の決定、等の判断用に、せり人・調整人操作端末装置214に通知する。
上記のような構成のせりシステム1を導入したせり会場では、多数の中古車(車両)が出品物として出品される。中古車を出品物としてせりを行うせり会場では、せりに要するせり時間の短縮によるコスト削減のために、複数レーン化が進む傾向にあり、このせりシステム1を導入したせり会場でも複数レーンでせりを行うようになっている。このため、せりの参加者は、レーン毎に、多数、行われる予定のせりのなかから落札を望む中古車が出品されるせりを探し出し、探し出したせりに参加するか、または、不在申し込みの申請を行うことが必要となる。
そのような参加者が所望のせりへの参加をより容易に行えるように、本実施形態では、各レーンで行われる各せり対象の出品物におけるせりに掛かる時間(せり対象出品物のせり開始〜せり終了までの時間)を計算し、計算した各せり対象の出品物におけるせりのせりに掛かる時間を用いて、各せりの開始が予想される開始時刻(以降「せり開始予定時刻」)を計算するようにしている。そのように計算された各せり開始予定時刻(スケジュール)は、参加者、及び出品者が確認可能なように提示するようにしている。それにより、参加者、及び出品者がせりをより快適に利用できる環境を実現させている。
レーン毎の各せり開始予定時刻の計算、及びスケジュールの提示は、例えばせり制御装置200によって行われる。それにより、せり制御装置200には、本実施形態によるせり開始時刻予測装置、及びせり予想進行提示装置が搭載されている。せり開始時刻予測装置、及びせり予想進行提示装置は、1台のノードであるせり制御装置200に搭載しているが、別のノードに搭載しても良い。それらを異なるノードに搭載させても良い。
そのせり制御装置200は、レーン毎の各せり開始予定時刻の計算、及びせりの進行を制御するために、図2に表すような機能構成となっている。つまり、せり制御装置200は、せり業務制御部310、通信部群320、認証部330、落札価格予想部340、開始時刻予想部350、誤差計算部360、不在管理部370、画面作成部380、及びデータ格納部390を備えている。
通信部群320は、ネットワーク30、或いは230を介したデータの送受信を行うための複数の通信部を備えている。せり業務制御部310は、通信部群のうちの少なくとも一つを介したデータの送受信を制御し、せりの実施のための各種業務を制御し、せりを実施する環境を提供する。それにより、通信部群320の他に、認証部330、落札価格予想部340、開始時刻予想部350、誤差計算部360、不在管理部370、及び画面作成部380はせり業務制御部310に従って動作する。これら各部330〜380は、それぞれ以下のような機能を備えている。
認証部330は、購買店操作端末装置215、或いは座席車両検索端末装置216を使用する人が会員か否か確認する認証を行う。せりシステム1では、連携PC211とインターネットを介して端末装置(PC、携帯電話機、或いはゲーム機等)を接続させることで、せり会場に来場しない人もせりに参加することができるようになっている。そのようにせり会場に来場しない人も認証の対象となる。しかし、ここでは、説明上、便宜的に、せり会場に来場した人のみを想定することとする。
落札価格予想部340は、せり毎に、そのせりに出品された出品物(中古車)の落札価格を予想する。その予想は、せりに出品された中古車の相場を考慮して行われる。
せり業務制御部310は、せり人・調整人操作端末装置214からの指示により、せりが開始してから結果が出るまでの間、予め設定された時間間隔(せり上げ間隔)が経過する毎に、予め設定された価格分(値幅)、上乗せすることで現在価格を更新する。開始時刻予想部350は、そのような現在価格の更新方法、及び落札価格予想部340が予想した落札価格を用いて、各せりのせりに要すると予測される時間(せり予測時間)を計算し、計算した各せり予測時間を用いて、更に各せりのせり開始予定時刻を計算する。
誤差計算部360は、開始時刻予想部350が計算したせり開始予定時刻、及び実際にせりが開始した時刻(実際のせり開始時刻)との間の誤差をレーン毎に計算する。その誤差は以降「予実差異」と呼ぶことにする。
不在管理部370は、不在申し込みに対応するためのものである。画面作成部380は、座席車両検索端末装置216、せり検索端末装置133、せり状況表示モニター221、及び出品店表示モニター222に表示させる画像(画面)を生成するものである。
上記各部330〜380は、データ格納部390に格納されたデータを用いて処理を行う。そのデータ格納部390は、せりデータDB(データベース)391、相場情報DB392、せり管理情報ファイル393、会場情報ファイル394、せり結果DB395、予実差異DB396、及び会員情報DB397を格納している。
図2に示す機能構成は、せり制御装置200として用いられるコンピュータに、せり制御プログラムを実行させることで実現される。本実施形態によるせり開始時刻予測装置、及びせり予想進行提示装置は共に、せり制御プログラムのサブプログラムを実行することで実現される。ここでは、本実施形態によるせり開始時刻予測装置を実現させるサブプログラムを「開始時刻予測プログラム」、本実施形態によるせり予想進行提示装置を実現させるサブプログラムを「画面作成プログラム」とそれぞれ呼ぶことにする。
ここで図14を参照して、本実施形態を適用可能なコンピュータ、つまりこのせり制御プログラムを実行することでせり制御装置200として使用可能なコンピュータについて具体的に説明する。
図14に表すコンピュータは、CPU61、メモリ62、外部記憶装置65、媒体駆動装置66、及びネットワーク接続装置群67を有し、これらがバス68によって互いに接続された構成となっている。図14に表す構成は一例であり、これに限定されるものではない。
CPU61は、当該コンピュータ全体の制御を行う。
メモリ62は、プログラムの実行、データ更新等の際に、外部記憶装置65(あるいは可搬型の記録媒体70)に記憶されているプログラムあるいはデータを一時的に格納するRAM等の半導体メモリ、或いはメモリモジュールである。CPU61は、プログラムをメモリ62に読み出して実行することにより、全体の制御を行う。
外部記憶装置65は、例えばハードディスク装置(ディスクアレイ装置を含む)、或いは不揮発性の半導体メモリである。主に各種データやプログラムの保存に用いられる。媒体駆動装置66は、光ディスクや光磁気ディスク等の可搬型の記録媒体70にアクセスするものである。
ネットワーク接続装置群67は、少なくとも、ネットワーク30、及び230を介した通信を可能とさせる数のネットワーク接続装置である。ネットワーク30及び230はそれぞれ2重化されているため、ネットワーク接続装置群67は4個以上のネットワーク接続装置を備えている。
上記せり制御プログラムは、外部記憶装置65、若しくは可搬型の記録媒体70に記録されているか、或いはネットワーク30、若しくは230を介してネットワーク接続装置群67により取得される。そのせり制御プログラムをメモリ62に読み出してCPU61が実行することにより、せり制御装置200は実現される。
図14に示す構成では、図2のデータ格納部390は例えば外部記憶装置65、或いは可搬型の記録媒体70が装着された媒体駆動装置66である。通信部群320は例えばネットワーク接続装置群67である。せり制御プログラムが外部記憶装置65に格納されていると想定する場合、せり制御装置200の各部310〜380は共に、例えばCPU61、メモリ62、外部記憶装置65、及びバス68によって実現される。
データ格納部390に格納された各種DB391、392、及び395〜397、並びに各種ファイル393及び394において、例えばせりデータDB391、相場情報DB392、せり管理情報ファイル393、及び会員情報DB397は業務サーバ110の保存するデータのコピーである。せりの進行に伴って随時、更新されるのは、例えばせりデータDB391、せり結果DB395、会場情報ファイル394、及び予実差異DB396である。ここで、各種DB391、392、及び395〜397、並びに各種ファイル393及び394について、より詳細に説明する。
せりデータDB391は、せり会場で実施されるせり毎に、そのせりの実施に必要なデータ(せりデータ)を格納したデータベースである。図3に表すように、各せりデータ(レコード)は、出品番号、車種、レーン、スタート価格、市場価格、せり予測時間、せり開始予定時刻、実際のせり開始時刻、不在申し込みデータ、ウォッチ会員、の各属性データを含む。特には図示していないが、属性データとして他に、出品者会員番号が存在する。
各属性データにおいて、出品番号は、対応するせりを一意に識別可能な識別情報である。車種は、出品物として出品された中古車を表すデータである。レーンは、対応するレーンを表すデータである。本実施形態では、A〜Fの6レーンでせりが実施されると想定する。せりへの出品番号、及びレーンの割り当ては、各レーンにおいて、早く開始される程、小さい値の出品番号となるように行われる。
スタート価格は、せりの開始価格である。市場価格は、車種データが表す中古車が販売される平均的な価格である。せり予測時間は、対応するせりに要すると予測された時間である。せり開始予定時刻は、対応するせりが開始されると予測された時刻である。実際のせり開始時刻は、対応するせりが実際に開始された時刻であり、このデータはそのせりが実際に開始された後に格納される。
不在申し込み情報は、不在申し込みを行った会員を表す識別情報(ここでは会員番号を想定する)と、その会員が提示した応札上限金額と、を含む。この不在申し込み情報は、不在申し込みを行った会員毎に、追加される。不在申し込みを複数の会員が行った場合、不在申し込み情報は応札上限金額に応じて格付けされる。図3中に表記の「不在申し込み1位金額」は、各会員から提示された応札上限金額のなかで金額が最も大きい応札上限金額を表している。また、「不在申し込み1位会員」は、金額が最も大きい応札上限金額を提示した会員を表している。ウォッチ会員は、対応するせりを参加予定に設定した会員を表すデータである。このウォッチ会員として登録された会員は、座席車両検索端末装置216の使用時、対応するせりについてのメッセージを受け取ることができる。ウォッチ会員の登録、つまり会員による所望のせりの参加予定の設定は、座席車両検索端末装置216の他に、せり検索端末装置133等を用いて行うことができる。
上記のようなことから、せりデータの属性データのなかで業務サーバ110からコピーされるのは、出品番号、車種、レーン、スタート価格、及び出品者会員番号であり、他の属性データはせり制御装置200側で追加される。
せり制御装置200は、例えば業務サーバ110から、1レコード(せりデータ)の属性データとして出品番号、車種、スタート価格が格納されたせりデータDB391をコピーし、それ以外の属性データを随時、格納する。不在申し込み情報、ウォッチ会員は、会員からの申請によって更新される。その更新は、登録(不在申し込み除法では変更を含む)、或いは削除によって行われる。
相場情報DB392は、出品された中古車の落札価格の予測に用いられるデータベースである。相場情報DB392には、図4に表すように、車種毎に市場価格が格納されている。せりデータDB391の各レコードに格納される市場価格は、各レコードに格納された車種に対応する市場価格を相場情報DB392から抽出したものである。
せり結果DB395は、終了したせりを管理するためのデータベースである。図5に表すように、各レコードには、出品番号、落札価格、落札会員番号、せり確定時刻、次出品番号、の各属性データが格納される。
上記のように、せり業務制御部310は、せり人・調整人操作端末装置214からの指示により、せりが開始してから結果が出るまでの間、予め設定されたせり上げ間隔が経過する毎に、予め設定された値幅を上乗せすることで現在価格を更新する。せり管理情報ファイル393は、現在価格の更新、更には落札の決定用のファイルである。図6に表すように、値幅、せり上げ間隔、決定時間が格納されている。決定時間は、応札者が一人となっている状況が継続した時間の長さにより落札者を決定するための条件である。図6中に決定時間として表記の「3」は、応札者が一人となっている状況が3秒間、継続した場合、その一人の応札者を落札者とすることを表している。応札者が一人の状況では、現在価格の更新は停止される。
本実施形態では、上記のように、レーン毎にせりのスケジュールを立てる。予実差異DB396は、図7に表すように、レーン毎のスケジュールと実際のせりの進行との間の誤差である予実差異を管理するためのデータベースである。
会員情報DB397は、会員毎に係わる会員情報を格納したデータベースであり、認証等に用いられる。会員情報は、例えば会員番号、氏名(ここでは法人名、屋号等も含まれるが、それらを含め「氏名」と総称する)、与信枠を含むものである。会員カード4には、例えば会員番号、及び氏名が記録されており、認証は、その会員番号と氏名の組み合わせが格納されたレコード(会員情報)が会員情報DB397に存在するか否か照合することで行われる。与信枠は、不在申し込みによる代理応札の実施管理に用いられる。
次に、データ格納部390に格納された各種DB391、392、及び395〜397、並びに各種ファイル393及び394を用いてせり制御装置200の各部310〜380が実行する処理について、より詳細に説明する。
データ格納部390には、通常、せりデータDB391、せり結果DB395、及び予実差異DB396以外の各種データベース392、397及び各種ファイル393、394が格納されている。せりデータDB391は、例えばせり会場でのせりが開始される前に、せり業務制御部310が通信部群320を用いて業務サーバ110から取得し、データ格納部390に格納される。せり結果DB395、及び予実差異DB396は、その後に、例えばせり業務制御部310によって作成される。
せり業務制御部310は、せりデータDB391をデータ格納部390に格納(コピー)した後、落札価格予想部340に対し、各せりの応札価格の予想を指示する。その指示により、落札価格予想部340は、せりデータDB391の各レコードに格納されている車種を用いて相場情報DB392を参照し、落札価格を予想する。落札価格の予想は、相場情報DB392から、せりデータDB391のレコード毎に、そのレコードの車種に対応する市場価格を抽出することで行われる。抽出された市場価格が、せりデータDB391の各レコードに市場価格として格納される。
せり業務制御部310は、落札価格予想部340への落札価格の予想の指示と並行して、開始時刻予想部350に対し、各せりのせり予測時間の計算を指示する。その指示により、開始時刻予想部350は、せりデータDB391のレコードのなかから市場価格が格納されたレコードを順次、抽出し、抽出したレコードの市場価格を用いてせり予測時間を計算し、更に計算したせり予測時間を用いてせり開始予定時刻を計算する。計算したせり予測時間、及びせり開始予定時刻はせりデータDB391のレコードに格納する。
1つの対象出品物におけるせりのせり開始予定時刻の計算は、せりが行われるレーンで対象出品物のせりの前に行われる各せりのせり予測時間を積算することで行われる。せり予測時間は、例えば以下のようにして計算される。
せり予測時間=((市場価格−スタート価格)/値幅)×会場係数×開催係数+決定時間
・・・ (1)
ここで、会場係数はせり会場によるせりの進行の傾向を表す係数、開催係数はせりが行われる日におけるせりの進行の傾向を表す係数、である。
開催係数は、例えばせり人/調整人のせりにおける傾向、出品者の傾向、等を考慮して決定するものである。会場係数は、例えば全てのせりが終了した後、実際に発生した予実差異、その絶対値等を考慮して更新される係数である。本実施形態では、会場係数や開催係数等の各係数をせり予測時間の計算に用いることにより、せり予測時間をより高精度に計算できるようにしている。せり予測時間の計算方法は、(1)式に限定されるものではない。その計算方法は、出品物、出品者、せりの開催日における状況等を考慮して、複数、用意したもののなかから選択するようにしても良い。また、(1)式を用いてせり予測時間を計算する場合であっても、実際のせりの進行に応じて、例えば開催係数を変更し、再度、せり予測時間、更にはせり開始予定時刻の計算を行うようにしても良い。
上記落札価格予想部340及び開始時刻予想部350は、例えば、図14に表すCPU61が図10に表すスケジュール作成処理を実行することで実現される。ここで図10を参照して、スケジュール作成処理について詳細に説明する。スケジュール作成処理は、例えばせり制御装置200が業務サーバ110のせりデータDB391を格納(コピー)した場合に自動的に、或いは業務端末装置131等を用いた指示により、上記開始時刻予測プログラムを実行することで実現される。
スケジュール作成処理では、せり毎に、ステップS11〜S17の一連の処理が実行される。その処理ループの1回の実行により、1せりのせり予測時間の予測、及びせり開始予定時刻の計算が行われる。上記のように、せりへの出品番号、及びレーンの割り当ては、各レーンにおいて、早く開始される程、小さい値の出品番号となるように行われる。このため、対象とするせりは、出品番号の小さいほうから行われる。最初に処理ループを実行する場合、出品番号のなかで最小の出品番号が対象とすべきせりを特定するものとして選択される。
先ず、ステップS11では、CPU61は、現在、対象とすべき出品番号を特定し、特定した出品番号をキーとしてせりデータDB391を検索することにより、その出願番号を格納したレコードを抽出し、抽出したレコード中の車種を取得する。続くステップS12では、CPU61は、取得した車種をキーにして相場情報DB392を検索することにより、その車種に対応付けられた市場価格を取得する。その後はステップS13に移行する。
ステップS13では、CPU61は、せり管理情報ファイル393にアクセスし、値幅、せり上げ間隔、及び決定時間を取得する。次のステップS14では、CPU61は、会場情報ファイル394にアクセスし、会場係数、及び開催係数を取得する。その次に移行するステップS15では、CPU61は、(1)式を用いてせり予測時間を計算し、更に計算したせり予測時間を用いて、せり開始予定時刻を計算する。せり開始予定時刻の計算は、例えばレーン毎に、直前に計算されたせり開始予定時刻を保存しておき、現在、対象とするせりが割り当てられたレーンのせり開始予定時刻に、計算したせり予測時間を加算することで行われる。そのようにして計算されたせり開始予定時刻は、それまでのせり開始予定時刻に代わって保存させる。
ステップS16では、CPU61は、計算したせり予測時間、及びせり開始予定時刻を取得した市場価格と共に、せりデータDB391の対応するレコードに格納する。次のステップS17では、CPU61は、対象とすべき出品番号をインクリメントする。その後は、ステップS20に移行する。
ステップS20では、CPU61は、インクリメント後の出品番号が、存在する出品番号の最大値を超えるか否かの判定を行う。インクリメント後の出品番号が最大の出品番号を越えていると判定された場合(YESの場合)、ここでスケジュール作成処理が終了する。インクリメント後の出品番号が最大の出品番号以下と判定された場合(NOの場合)、ステップS11に戻り、インクリメント後の出品番号を用いたせりデータDB391の検索が行われることとなる。
なお、最小の出品番号と最大の出品番号の間の番号が全て使用されているとは限らない。このため、ステップS11でレコードを抽出できない場合、後述するステップS17に移行するようになっている。取得した車種(車両の種類(名称、タイプ、等)、年式、色、等)に完全に一致する車種が相場情報DB392に格納されていない場合、ステップS12では、取得した車種に最も近いと考えられる車種の市場価格が取得される。
上記のようにして、本実施形態では、最初のせりが開始する前に、全てのせりのせり開始予定時刻を計算するようにしている。これは、最初のせりが開始する前に、参加すべきせりを選択し、対象せりの選択に沿ってせりに参加するスケジュールを立てる会員(参加者)に対応するためである。
上記のように計算されるせり開始予定時刻は、各せりに設定されたスタート価格と予想される落札価格の差を個別に考慮したものである。このため、計算されるせり開始予定時刻は、実際のせり開始時刻との誤差が小さいと見なすことのできる高精度のものとなる。それにより、参加者(会員)にとっては、計算されたせり開始予定時刻の確認を通して、自身にとって最適となるように、全てのせりのなかから参加すべきせり、不在申し込みを申請すべきせり(他のせりへの参加により参加が困難なせり)を高い精度で容易に特定することができる。
この結果、参加者にとっては、負担が軽減すると共に、参加を考えているせりへの参加をより確実に行えるようになる。出品者にとっても負担は軽減する。このようなことから、せり会場を利用する人(会員)にとっては、利便性が向上し、より高い質のサービスを受けられることとなる。一方、せり会場側にとっては、各せりに参加する参加者の人数がより多くなると期待できることから、成約率の向上が期待できることとなる。
せり業務制御部310は、例えばせり人・調整人操作端末装置214からのせりの終了通知により、せり結果DB395に1レコードr1を追加して、レコードr1に終了したせりの結果を格納する。レコードr1には、図5に表すように、終了したせりの出品番号、落札価格(最終価格)、落札した会員の番号、せり確定時刻、次に実施されるせりの出品番号がそれぞれ属性データとして格納される。
せり業務制御部310は、例えばせり人・調整人操作端末装置214からのせりの終了通知により、誤差計算部360に予実差異の計算を指示する。指示を受けた誤差計算部360は、図3に表すように、例えば、せりデータDB391の次に実施されるせりの出品番号60を格納したレコードr2に、現在時刻の10:35:55を、次に実施されるせり(出品番号60)の実際のせり開始時刻としてレコードr2に格納する。せりデータDB391を更新した後、レコードr2のせり開始予定時刻と現在時刻の差をせりが終了したレーンの予実差異として計算し、計算した予実差異が、予実差異DB396に格納されている次の同じレーンの予実差異と異なるか否か判定する。それにより、計算した予実差異が、次の同じレーンの予実差異DB396に格納されている予実差異と異なると判定した場合に、計算した予実差異を次の同じレーンの最新の予実差異として、予実差異DB396に格納する。そのようにして、本実施形態では、レーン毎に、次の同じレーンのせりが終了する度に、次の同じレーンの予実差異の計算と、計算結果に応じた予実差異DB396の更新を行っている。このため、参加者は、リアルタイムでスケジュールと現在のせりの進行の差の確認を行うことができる。尚、本実施例では、対象せりの確定時刻を次のせりの開始時刻としているが、これに限らず、確定時刻と次の開始時刻が違うこともあるので、その場合は、所定の時間を追加することも可能である。また、レーン毎にせりが実施するためレーンの考慮も必要となる。
上記のような処理を行う誤差計算部360は、例えば、図14に表すCPU61が、せりの終了通知を契機にして図11に表す予実誤差更新処理を実行することで実現される。ここで図11を参照して、その更新処理について詳細に説明する。
先ず、ステップS31では、CPU61は、せりデータDB391の終了したせりと同じレーンで次に実施されるせりの出品番号を格納したレコードの実際のせり開始時刻として現在時刻を格納することにより、せり結果をせりデータDB391に反映させる。また、そのレコードに格納されているせり開始予定時刻を用いて、せりが終了したレーンでの予実誤差を計算する。その後、ステップS32に移行する。
ステップS32では、CPU61は、予実差異DB396からそのレーンの予実誤差を取得し、取得した予実誤差と計算した予実誤差が異なるか否か判定する。取得した予実誤差と計算した予実誤差が異なっていた場合、判定はYESとなってステップS33に移行し、CPU61は、予実差異DB396の次の同じレーンの予実差異として、計算した予実差異を格納する。そのようにして予実差異DB396を更新した後、この予実差異更新処理が終了する。一方、予実誤差と計算した予実誤差が異なっていない場合、判定はNOとなり、ここでこの予実差異更新処理が終了する。
せり業務制御部310は、座席車両検索端末装置216を使用する参加者(会員)に対し、上記のようにしてせりデータDB391の各レコードに格納されたせり開始予定時刻、及び予実差異DB396に格納された各レーンの予実差異を提示する。ここで提示方法について、図8を参照して具体的に説明する。図8において、80は座席車両検索端末装置216に搭載された、或いは接続された表示装置217画面に表示される表示例であり、その画面80は2つの表示エリア81、及び82に分けて用いられる。表示エリア81は、せり開始予測時刻の計算により推定したせりの進行を表すせり進行表示画面の表示に用いられ、表示エリア82は、参加者が所望する画面の表示に用いられる。図8に表しているのは、参加者が応札を行うための応札画面である。表示エリア82には、応札画面の他に、車両の詳細情報を確認するための車両詳細画面、せりに出品された車両を検索するための車両検索画面、参加予定とするせりの設定、或いは設定解除が可能な参加予定設定画面、不在申し込み申請画面、等が参加者の操作に応じて表示させることができる。
表示エリア82に表示される上記応札画面には、図8に表すように、応札が可能なせりが行われているレーンを表すレーンエリア821、そのせりの出品番号を表す出品番号エリア822、車種や担当者による評価点等の出品された車両の情報を確認できる情報エリア823、出品された車両の画像824、現在価格を確認できる現在価格エリア825が配置されている。今後に行われる、参加者が参加予定に設定したせりのせり予定開始時刻までの残り時間が所定時間以下となった場合、その旨を通知するためのメッセージエリア826が表示される。このメッセージエリア826は、画面の種類に係わらず表示される。
表示エリア81に表示されるせり進行表示画面は、図8に表すように、レーン毎に、画面80の上方から、各レーンで実施中のせりの現出品番号813、各レーンで実施中のせりに続いて実施される複数のせりの各出品番号(次出品番号、次々出品番号)815、予実差異815が配置される。予実差異の下方には、参加者が参加予定として設定したせりを表すアイコン812が、画面80の上下方向を時間軸として、アイコン812に対応するせりのせり開始予定時刻を表す位置に配置されている。表示エリア81により、参加者が直感的に参加予定と設定したせりが開始されると予想される時刻を確認できるようにしている。せりを表すアイコン812を参加者が参加予定と設定した対象せりのみ表示しているのは、各レーンで短時間の間に多くのせりが実施されるからである。言い換えれば、参加者にとって優先度の低いせりのアイコン812まで配置すると、参加者にとって優先度の高いせりのせり開始予定時刻の確認がし難くなるからである。以降、画面80の上下方向を時間軸としてせりのアイコン812を配置した領域を「せりスケジュール表示領域」814と呼ぶこととする。
このせりスケジュール表示領域814の下方には、「10分」「1時間」「6時間」「12時間」の各ボタンが配置されている。これらのボタンは、スケジュール表示領域814における時間尺度選択ボタン811である。そのような時間尺度選択ボタン811を複数、配置することにより、本実施形態では、スケジュール表示領域814に一度に表示できる時間範囲を参加者に選択可能とさせている。残り全てのせり分をスケジュール表示領域に表示できない場合、スケジュール表示領域814はスクロール表示が可能となる。
一方、出品者は、参加者が座席車両検索端末装置216で表示されるようなせり進行表示画面を例えばせり検索端末装置133で確認することができる。出品者の場合、アイコン812が配置されるせりは、出品者が車両を出品したせりとなる。それにより、参加者と同様に、出品者は自身が車両を出品したせりへの対応をより容易に行うことができる。
本実施形態では、アイコン812の時間軸上の配置は変更しないようにしている。これは、参加者(出品者)が確認したスケジュールを基準に、予実差異の影響を判断できるようにするためである。しかし、予実差異を反映したスケジュール(スケジュール表示領域814)を確認できるようにしても良い。
また、本実施形態では、アイコン812を配置するのは参加者が予め指定したせりに対応するもののみとしているが、アイコン812を配置すべきせりの条件を参加者が任意に設定できるようにしても良い。それにより、例えば参加者が所望する車両の条件を設定した検索を行った結果を、せり進行表示画面の形で提示するようにしても良い。これは、出品者にとっても同様である。
せり進行表示画面上に配置されたアイコン812、及び出品番号813は、対応するせりで出品される車両の車両詳細画面を表示させるためのリンクボタンとなっている。ここで図9を参照し、不在申し込みの申請方法について具体的に説明する。
図9(a)は、参加者が「1058」の出品番号813をクリックした後の画面80の表示例を表している。その出品番号813を参加者がクリックしたことにより、表示エリア82には、出品番号が1058のせりで出品される車両の車両詳細画面が表示されている。
車両詳細画面には、不在申し込み用の「不在登録」ボタン921、スタート価格を確認可能なスタート価格エリア922が配置されている。「不在登録」ボタン921をクリックすると、出品番号が1058のせりの不在申し込み申請画面が表示される。図9(b)は、不在申し込み申請画面が表示された状態を表している。不在申し込み申請画面には、応札上限金額入力エリア923、応札上限金額入力エリア923に入力された応札上限金額での不在申し込みの登録を申請するか否かを参加者に選択させるための「Yes」ボタン924、及び「No」ボタン925が配置されている。応札上限金額の入力は、例えば応札上限金額入力エリア923内にカーソルを移動させた後、キーボードを用いて行うことができる。
不在申し込み申請画面の表示は、不在申し込みが登録されている状況で行われる場合がある。その場合、不在申し込みの登録のキャンセルを申請するための「Cancel」ボタン926が不在申し込み申請画面上に配置される。
不在申し込み申請画面上の「Yes」ボタン924を参加者がクリックした場合、例えば応札上限金額エリア923に入力されている応札上限金額、参加者の会員番号、出品番号、及び申請内容が格納された申請メッセージ(データ情報またはデータ信号)が座席車両検索端末装置216からせり制御装置200に送信される。それにより、せり制御装置200は、受信した申請メッセージ(データ情報またはデータ信号)内の申請内容が登録、或いは変更であった場合、そのメッセージ(データ情報またはデータ信号)内の応札上限金額、参加者の会員番号を、せりデータDB391のそのメッセージ(データ情報またはデータ信号)内の出品番号を格納したレコードに追加、或いは上書きする。申請内容がキャンセルであった場合、メッセージ(データ情報またはデータ信号)内の応札上限金額、参加者の会員番号を、せりデータDB391のそのメッセージ(データ情報またはデータ信号)内の出品番号を格納したレコードから削除する。
参加者が「No」ボタン925をクリックした場合、せりデータDB391の更新は行われることなく、直前の画面が表示エリア82に表示される。直前の画面の表示エリア82への表示は、参加者が「Yes」ボタン924、或いは「Cancel」ボタン926をクリックした場合にも行われる。しかし、不在申し込みの登録、或いは変更を申請した場合、不在申し込みが登録されていることを参加者に通知するためのメッセージエリア927が直前の画面上に配置される。それにより、画面80は図9(c)に表すような状態となる。一方、「No」ボタン925、或いは「Cancel」ボタン926のクリックにより、不在申し込みが登録されていない場合には、図9(c)に表すような画面ではなく、図9(a)に表すような画面が表示されることとなる。
図2の不在管理部370は、せり制御装置200のせり業務制御部310が通信部群320を介して上記申請メッセージ(データ情報またはデータ信号)を受信した場合、せり業務制御部310の指示により、上記のようなせりデータDB391の更新を行う。画面作成部380は、せりデータDB391、及び予実差異DB396を参照し、図8、及び図9に表すような画面を含む各種画面をせり業務制御部310の指示に従って作成し、せり業務制御部310に出力する。そのように作成される画面をせり業務制御部310が通信部群310を介して座席車両検索端末装置216に送信することにより、参加者はせり制御装置200が作成したスケジュール、そのスケジュールと実際のせり進行との差の確認、不在申し込みの申請、等を行うことができる。このことから、上記画面作成プログラムは、画面作成部380を実現させるものとしてせり制御プログラムに搭載されている。
図12は、不在申し込みの申請を実現させる参加者、及び座席車両検索端末装置の動作の流れの例を表す図である。
せり会場側では、座席車両検索端末装置216は、参加者が必要に応じて随時、使用するものと想定している。このことから、不在申し込みの何らかの申請、或いは登録内容の確認等を考えている参加者は、空いている座席車両検索端末装置216に会員カード4を読み取らせることでログインを行う(S51)。ログインにより、図8に表すような画面が座席車両検索端末装置216に表示されることとなる。
参加者は、表示されたせり進行表示画面、或いは表示エリア82に所望の画面(車両検索画面)を表示させ、次回以降に開催されるせりのなかから、自身の希望する条件にあったせりを必要に応じて検索する(S52)。そのようにして、参加者は、図9(a)に表すように所望の車両詳細画面を表示させ、その車両詳細画面上の「不在登録」ボタン921をクリックして不在申し込み申請画面を表示エリア82に表示させる。その後は、参加者は、応札上限金額エリア923への応札上限金額の入力を必要に応じて行い、「Yes」ボタン924、「No」ボタン925、或いは「Cancel」ボタン926をクリックする(S53)。
座席車両検索端末装置216は、参加者の「Yes」ボタン924、「No」ボタン925、及び「Cancel」ボタン926のなかでクリックされたボタンから申請内容を判定し(S54)、その判定結果に応じた処理を行う。それにより、申請内容が登録、或いは変更であった場合、つまり参加者が「Yes」ボタン924をクリックした場合、例えば応札上限金額エリア923に入力されている応札上限金額、参加者の会員番号、出品番号、及び登録、或いは変更を求める申請内容が格納された申請メッセージが座席車両検索端末装置216からせり制御装置200に送信される。座席車両検索端末装置216は、メッセージ(データ情報またはデータ信号)の送信によりせり制御装置200から図9(c)に表すような画面を受信するのを待って、その画面を表示させる(以上、S55)。申請内容がキャンセルであった場合、例えば応札上限金額エリア923に入力されている応札上限金額、参加者の会員番号、出品番号、及びキャンセルを求める申請内容が格納された申請メッセージが座席車両検索端末装置216からせり制御装置200に送信される。そのメッセージの送信によりせり制御装置200から図9(a)に表すような画面を受信するのを待って、その画面を表示させる(以上、S56)。申請しない場合、つまり参加者が「No」ボタン925をクリックした場合、直前に表示エリア82に表示されていた画面の再送信をせり制御装置200に要求し、その画面を受信するのを待って、その画面を表示させる(S57)。図9に表す画面例では、表示される画面は図9(a)、或いは図9(c)に表すようなものとなる。
参加者は、そのようにして表示エリア82上の画面が切り替わった後、他に希望する条件にあったせりを調べるか否か判断する(S58)。それにより、他のせりを調べる必要がないと判断した場合(S58のNo)、ログオフを行い、座席車両検索端末装置216の使用を終了する(S58→終了)。他のせりを調べる必要があると判断した場合(S58のYes)、調べる必要のあるせりの検索を行う(S58→S52)。
不在申し込みのキャンセルは、対応するせりが開始した後に参加者が望む場合がありうる。このことから、本実施形態では、参加者が不在申し込みを登録したせりが開始すると、図9(b)に表すような「Cancel」ボタン926を、表示エリア82に表示されている画面の種類に係わらず表示させるようにしている。それにより、せりが終了するまでの間に「Cancel」ボタン926を参加者がクリックすると、せりの不在申し込みを無効にするようにしている。その無効は、せり制御装置200が、会員情報DB397の参加者の会員情報中の与信枠を「0」とすることで行うものとする。このようにするのは、参加者は与信枠を越える応札を行えないからである。このことから、せり制御装置200は、参加者が不在申し込みによりせりに参加しているか否かに係わらず、応札を行っている参加者の会員情報中の与信枠を現在価格(応札価格)と比較することにより、その応札が有効か否かを確認する。また、与信枠は例えば落札する毎に、与信管理部400によって会員情報DB397の参加者の与信枠を落札金額だけ減算する等により更新される。
このようなことから、開始しているせりの不在申し込みのキャンセルは、図13に表すように、参加者が空いている座席車両検索端末装置216に会員カード4を読み取らせることでログインし(S61)、そのログインにより、図9(b)に表すような「Cancel」ボタン926が配置された画面が表示エリア82に表示されるのを待って、そのボタン926を参加者がクリックすることで行われる。クリック操作により、座席車両検索端末装置216は、例えば不在申し込みをキャンセルすべきせりの出品番号、参加者の会員番号、及び不在申し込みのキャンセルを求める申請内容を格納したメッセージをせり制御装置200に送信する。
そのようなメッセージの受信により、せり制御装置200は、会員情報DB397の受信メッセージ中の会員番号を格納したレコードの与信枠を0に更新し、参加者の応札を無効にする。与信枠は、対応するせりが終了した後、元の値に戻す。それにより、参加者の応札を一時的に無効にする。
なお、本実施形態では、各せりの落札価格の予想機能、各せりのせり開始予定時間の計算機能、不在申し込みの申請への対応機能、予実差異の計算機能は何れもせり制御装置200に搭載させているが、各機能はせりシステムに含まれる1つ以上のノードに分散させても良い。また、各機能の全てをせり制御装置200以外のノードに搭載させても良い。このようなことから、機能を搭載させるノードの選択、選択したノードに搭載させる機能の選択等は非常に幅広く行うことができる。