以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を詳細に説明する。図面において同一の構成要素はできるだけいずれの図にも同一符号で表示する。また、本発明の要旨を不必要にあいまいにすることができる公知の機能及び構成についての詳細な説明は省略する。
図1は本発明の実施例に係わる連続鋳造機を示す側面図である。
同図を参照すれば、連続鋳造機は、タンディッシュ20と、モールド30と、2次冷却部60及び65と、ピンチロール70と、カッター90とを含むことができる。
タンディッシュ20は、レードル10から溶融金属を受けてモールド30に供給する容器である。レードル10は一対の第1レードル11及び第2レードル12でなり、相互に溶鋼を受けて交互にタンディッシュ20に供給するようになる。タンディッシュ20においては、モールド30に流入する溶融金属の供給速度の調節、各モールド30への溶融金属の分配、溶融金属の格納、スラグ及び非金属介在物の分離などが行われる。
モールド30は通常に水冷式の銅製であり、受鋼した溶鋼が1次に冷却されるようにする。モールド30は構造的に見合う一対の面が開口した形態のもので、溶鋼を収容する中空部を備える。スラブを製造する場合、モールド30は、一対の長壁と、長壁を連結する一対の短壁とを含む。ここで、短壁は長壁より小さい広さを持つ。モールド30の壁、主に短壁は互いに遠くなるかあるいは近くなるように回転して一定水準のテーパーを持つことができる。このようなテーパーは、モールド30内で溶鋼Mの凝固による収縮を補償するために設定する。溶鋼Mの凝固程度は鋼種による炭素含量、パウダーの種類(強冷型Vs緩冷型)、鋳造速度などによって変わる。
モールド30は、モールド30から抜き出した連鋳片が形状を維持し、十分に凝固しなかった溶融金属が流出しないように強い凝固殻または凝固シェル(Solidifying shell)81(図2参照)が形成されるようにする役目をする。水冷構造には、銅管を用いる方式、銅ブロックに水冷溝を形成する方式、水冷溝が形成された銅管を組み立てる方式などがある。
モールド30は、溶鋼がモールドの壁面に付くことを防止するために、オシレータ40によって発振(往復運動)する。発振の際、モールド30と連鋳片の摩擦を減らし、焦げることを防止するために潤滑剤が用いられる。潤滑剤としては、ふいて塗る菜種油と、モールド30内の溶融金属表面に添加されるパウダーがある。パウダーは、モールド30内の溶融金属に添加されてスラグとなり、モールド30と連鋳片の潤滑だけではなくモールド30内の溶融金属の酸化・窒化の防止と、保温、溶融金属の表面に浮かび上がった非金属介在物の吸収の機能もする。パウダーをモールド30に投入するために、パウダー供給器50が設置される。パウダー供給器50のパウダーを排出する部分はモールド30の入口に向かう。
2次冷却部60及び65は、モールド30で1次に冷却された溶鋼をさらに冷却する。1次冷却された溶鋼は支持ロール60によって凝固殻が変形しないように維持されるとともに、水を噴射するスプレー手段65によって直接冷却される。連鋳片の凝固は、概して前記2次冷却によってなされる。
引抜装置は、連鋳片が滑らないように抜き出すために、数組のピンチロール70を用いるマルチドライブ方式などを採用している。ピンチロール70は、溶鋼の凝固した先端部を鋳造方向に引っぱることで、モールド30を通過した溶鋼が鋳造方向に連続的に移動することができるようにする。
カッター90は連続的に生産される連鋳片を一定の大きさに切断するように形成される。カッター90としては、ガストーチや油圧せん断機などが採用できる。
図2は溶鋼Mの流れに基づいて図1の連続鋳造機を説明するための概念図である。
同図を参照すれば、溶鋼Mはレードル10に収容された状態でタンディッシュ20に流動するようになる。このような流動のために、レードル10には、タンディッシュ20に向かって伸びるシュラウドノズル(Shroud nozzle)15が設置される。シュラウドノズル15は溶鋼Mが空気に露出して酸化・窒化しないようにタンディッシュ20内の溶鋼に漬かるように延ばす。シュラウドノズル15の破損などによって溶鋼Mが空気中に露出した場合をオープンキャスティング(Open casting)という。
タンディッシュ20内の溶鋼Mはモールド30内に伸びる浸漬ノズル(Submerged Entry Nozzle)25によってモールド30内に流動するようになる。浸漬ノズル25はモールド30の中央に配置され、浸漬ノズル25の両吐出口から吐き出される溶鋼Mの流動が対称を成すようにする。浸漬ノズル25を通じての溶鋼Mの吐出の開始、吐出速度、及び中断は、浸漬ノズル25に対応してタンディッシュ20に設置されるストッパー21によって決定される。具体的に、ストッパー21は浸漬ノズル25の入口を開閉するように浸漬ノズル25と同一のラインに沿って垂直に移動することができる。浸漬ノズル25を通じての溶鋼Mの流動に対する制御は、ストッパー方式とは異なる、スライドゲート(Slide gate)方式を用いることもできる。スライドゲートは板材がタンディッシュ20内から水平方向にスライド移動しながら、浸漬ノズル25を通じての溶鋼Mの吐出流量を制御するようになる。
モールド30内の溶鋼Mは、モールド30を成す壁面に接した部分から凝固し始める。これは、溶鋼Mの中心よりは周辺部が水冷中のモールド30によって熱が奪われるからである。周辺部が先に凝固する方式によって、連鋳片80の鋳造方向の後部では未凝固溶鋼82が溶鋼Mから凝固した凝固シェル81で包まれた形態を成すようになる。
ピンチロール70(図1)がまったく凝固した連鋳片80の先端部83を引っぱることによって、未凝固溶鋼82は凝固シェル81とともに鋳造方向に移動するようになる。未凝固溶鋼82は前記移動過程で冷却水を噴射するスプレー手段65によって冷却される。これは、連鋳片80において未凝固溶鋼82が占める厚さが次第に小さくなるようにする。連鋳片80が一地点85に至れば、連鋳片80は全厚が凝固シェル81で満たされる。凝固の完了した連鋳片80は切断地点91で一定の大きさに切断されてスラブなどの鋳片Pに分けられる。
モールド30及びそれに隣接した部分での溶鋼Mの形態については図3を参照して説明する。図3は図2のモールド30及びそれに隣接した部分での溶鋼Mの分布形態を示す概念図である。
図3を参照すれば、浸漬ノズル25の端部側には、通常に図面上の左右に一対の吐出口25aが形成される。モールド30及び浸漬ノズル25などの形態は中心線(C)を基準に対称するものに仮定し、この図では左側のみを表示する。
吐出口25aからアルゴン(Ar)ガスとともに吐き出される溶鋼Mは矢印(A1、A2)で示すように、上側に向かう方向(A1)と下側に向かう方向(A2)に流動する軌跡を描くようになる。
モールド30の内部の上側には、パウダー供給器50(図1を参照)から供給されたパウダーによってパウダー層51が形成される。パウダー層51は、パウダーが供給されたままで存在する層と溶鋼Mの熱によって焼結された層(焼結層が未凝固溶鋼82にもっと近く形成される)を含むことができる。パウダー層51の下側には、パウダーが溶鋼Mによってとけて形成されたスラグ層または液体流動層52が存在する。液体流動層52は、モールド30内の溶鋼Mの温度を維持し、異物の浸透を遮断する。パウダー層51の一部はモールド30の壁面で凝固して潤滑層53を形成する。潤滑層53は凝固シェル81がモールド30に付かないように潤滑する機能をする。
凝固シェル81の厚さは鋳造方向に沿って進行するほど厚くなる。凝固シェル81のモールド30内に位置する部分は厚さが薄くて、モールド30の発振によって発振跡(Oscillation mark)87が形成されることもある。凝固シェル81は支持ロール60によって支持され、水を噴射するスプレー手段65によってその厚さが厚くなる。凝固シェル81は厚くなっていて一部分が膨出する膨出(Bulging)領域88が形成されることもある。
ここで、モールド30から放出される伝熱量が均一でない場合、凝固シェル81の中央部位の厚さが薄くなる。凝固シェル81はモールド内溶鋼レベルの変動、モールド内のひどい流動(乱流または偏流発達)、モールドパウダーの不均一な流入などの理由で不均一に凝固する。
一方、不均一に凝固した凝固シェル81は相変態及び熱的収縮によって不均一な凝固層が発生した部位に引張力が加わり、モールド30と凝固シェル81の間にエアギャップ(air gap)が発生し、凝固シェル81でクラックが発生するようになる。この際、クラックは凝固シェル81の表面に生成できるが、内部に生成されることもできる。
したがって、本発明によるクラック診断装置は、凝固シェル81のクラック発生有無を診断し、クラックが発生したスラブを正確に抽出してスカーフィング(scarfing)を実施するためのものである。
図4は本発明の第1実施例によるモールド内の凝固シェルのクラック診断装置を示す図である。クラック診断装置100は、温度感知部110、メモリ130、表示部150、入力部170、及び中央処理部190を含む。
温度感知部110は、モールド長辺31に行列(マトリクス、matrix)状に配置された複数の温度感知手段111、112を含む。複数の温度感知手段111、112がモールド30に配置されることにより、連続鋳造工程が行われているうちにモールド30の温度を実時間(リアルタイム)で感知する。モールド30の温度はモールドの内側に存在する凝固シェル81の温度と同一であると見なす。
ここで、それぞれの温度感知手段111、112は、モールド30に配置された領域を識別するための識別情報を持つ。よって、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段111、112によってモールド30の温度が感知されれば、感知された温度情報を中央処理部170に伝達する。
ここで、温度感知部110のそれぞれの温度感知手段111、112は、図5に示すように、モールド長辺31に行列(マトリクス、matrix)状に埋設されて配置される。温度感知手段111、112は、熱電対(thermocouple)と温度感知センサーのいずれか一つとなることができる。
モールド30に配置される複数の温度感知手段111、112はクラック発生可能領域を基準に第1グループ101と第2グループ102に分けられる。一般に、クラックはモールド長辺31の中央部で発生する。図示のように、前記第2グループ102に属する温度感知手段112はモールド30の中央部に配置され、第1グループ101に属する温度感知手段111はモールド30の両側端に配置される。前記第1グループ101はクラックが発生しない領域に配置された少なくとも一つ以上の温度感知手段111を含み、前記第2グループ102はクラックが発生する領域に配置された少なくとも一つ以上の温度感知手段112を含む。本発明の実施例においては、各行別に第1グループ101の温度感知手段111が六つであり、第2グループ102の温度感知手段112が三つである場合を示しているが、温度感知手段111、112の個数は必要によって変更が可能である。
ここで、第2グループ102に属する温度感知手段112はモールド30の中央垂直線(a)を基準として両側にモールド30の幅に対してそれぞれ15%範囲内に位置する。すなわち、第2グループ102はモールド長辺31の中央部に位置し、長辺31の幅に対して30%程度の領域(b)を占める。
図5には、複数の温度感知手段111、112がモールド長辺31の全体に配置されたものを示すが、必要によってモールド長辺31の上部、下部または中央部に選択的に配置されることもできる。もちろん、温度感知手段111、112がモールド長辺31の全体に配置される場合、クラック検出の正確性が向上することができる。
メモリ130には、モールド30の温度検出のための周期、測定単位時間、クラック発生判断のための基準値、及び各種制御プログラムなどが格納される。
表示部150は、第1グループ101と第2グループ102の間の温度偏差(温度差)とその温度偏差の平均値を時間軸に対して表示することができる。表示部150は温度偏差の変化量をグラフで表示することができる。
入力部170は、外部から各種の動作命令や設定値を受けて中央処理部190に伝達するように構成されている。
中央処理部190は、前記温度感知部110によって検出された温度から、各行別に第1グループ101の平均温度値と第2グループ102の最小温度値をそれぞれ獲得し、獲得された平均温度値と最小温度値の間の温度偏差を用い、前記モールド30から排出される凝固シェル81でのクラック発生有無を診断する。前記において平均温度値、最小温度値及び温度偏差は各行別に求められる。
例えば、図5のように、温度感知手段111、112がN(行)×9(列)のマトリックス状に配列されている場合、第1グループ101は1列、2列、3列、7列、8列、及び9列に属する温度感知手段111であり、第2グループ102は4列、5列及び6列に属する温度感知手段112である。
中央処理部190は、モールド長辺31の各行別に1列、2列、3列、7列、8列及び9列に配置された温度感知手段111によって検出した温度情報を用いて平均温度値を求め、4列、5列及び6列に配置された温度感知手段112から感知された温度情報の中で最小温度値を抽出する。ついで、中央処理部190は、平均温度値から最小温度値を引き算して温度偏差を計算した後、計算された温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納する。
ここで、中央処理部190は、平均温度値、最小温度値、及び温度偏差を設定時間のうちに少なくとも1回以上繰り返し獲得することができ、繰り返し獲得された温度偏差の平均値と予め設定された基準値を互いに比較して各行別に凝固シェル81のクラック有無を診断する。
前記中央処理部190は、機能的に、偏差計算部191、偏差平均計算部193及びクラック判断部195を含んでなることができる。
偏差計算部191は、温度感知部110によって検出された温度から、各行別に第1グループ101に属する温度感知手段111の平均温度値と第2グループ102に属する温度感知手段112の最小温度値をそれぞれ獲得し、獲得された平均温度値と最小温度値の間の温度偏差を計算する。もちろん、偏差計算部191は、周期的に平均温度値と最小温度値を獲得して温度偏差を求めた後、測定時間情報とともにメモリ130に一時格納することができる。
偏差平均計算部193は、設定時間のうちに繰り返し獲得された温度偏差をメモリ130から読み取った後、設定の単位時間当たり温度偏差の平均値を計算する。
クラック判断部195は、前記偏差平均計算部193によって計算された温度偏差の平均値と予め設定された基準値を互いに比較して、各行別に凝固シェル81のクラック有無を診断する。
前記において、中央処理部190は、偏差平均計算部193によって計算された温度偏差の平均値を表示部150に表示させることもできる。
一方、中央処理部190は、前記温度感知部110によって検出された温度から、各行別に第1グループ101の平均温度値と第2グループ102の最小温度値をそれぞれ獲得し、獲得された平均温度値と最小温度値の間の温度偏差を時間情報とともに格納する。ここで、中央処理部190は平均温度値、最小温度値、及び温度偏差を設定時間のうちに少なくとも1回以上繰り返し獲得することができ、繰り返し獲得された温度偏差の平均値を設定の単位要素時間のうちに収集する。前記偏差平均値を単位要素時間のうちに収集し、収集された偏差平均値の最大変動幅と予め設定された基準値を互いに比較して各行別に凝固シェル81のクラック有無を診断することもできる。
また、中央処理部190は、各行別の平均温度値、最小温度値、及び温度偏差を設定時間のうちに少なくとも1回以上繰り返し獲得し、繰り返し獲得された各行に対する温度偏差の平均値の中で最大平均値と予め設定された基準値を互いに比較して凝固シェルのクラック有無を診断することもできる。
図6は図4の一実施例による凝固シェルのクラック診断過程を示すフローチャートであり、添付図面に基づいて詳細に説明する。
連続鋳造工程が行われているうち、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段111、112が配置された領域でモールド30の温度を実時間で感知して中央処理部190に伝達する(S111、S112)。この際、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段111、112の識別情報を温度情報とともに中央処理部190に伝達し、中央処理部190は伝達された識別情報から温度情報が第1グループ101に属するかまたは第2グループ102に属するかが分かる。
前記において、複数の温度感知手段111、112はクラック発生可能領域を基準に第1グループ101と第2グループ102に分けられ、第1グループ101はクラックが発生しないモールド長辺31の両側端に配置され、第2グループ102はクラックが発生するモールド長辺31の中央部に配置される。
図7は特定時点のモールドの温度を示すもので、特定時点の1行、2行、3行に位置するそれぞれの温度感知手段111、112によって検出したモールド30の温度を示すものである。
図7に示すように、モールド30の温度は位置によって違い、特にモールド30の中央部で温度変化がひどく現れることが分かる。
ついで、中央処理部190は、設定の温度測定時間(T)になれば(S113)、任意の行においてクラックが発生しない領域に存在する第1グループ101に当たる温度感知手段111の温度情報を用いて第1グループ101の平均温度値を計算する(S114)。
そして、中央処理部190は、前記第1グループ101の平均温度値を計算した後、任意の行においてクラックが発生する領域に存在する第2グループ102の温度感知手段112の温度情報の中で最小温度値を抽出する(S115)。
中央処理部190は、前記において獲得された平均温度値から最小温度値を引き算して温度偏差を計算し、計算された温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納する(S116)。この際、中央処理部190は、計算された温度偏差を表示部150に時間軸に対して表示させることもできる。
ついで、中央処理部190は、設定の単位時間(N、または単位回数)が経過したかを判断し(S117)、設定の単位時間が経過しなかったら、前記の過程(S114〜S116)を繰り返して平均温度値、最小温度値、及び温度偏差をさらに獲得し、獲得された温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納する。
このような過程を設定の単位時間(N)のうち繰り返して行う。
中央処理部190は、設定の単位時間(N、または単位回数)が経過すれば(S117)、繰り返し獲得された温度偏差をメモリ130から読み取って温度偏差の平均値を計算し(S118)、計算された偏差平均値と予め設定された基準値を互いに比較して各行別に凝固シェル81のクラック有無を診断する(S119)。ここで、中央処理部190は、温度偏差の平均値が基準値以上の場合には、凝固シェル81でクラックが発生したことに診断する。
前記において、中央処理部190は、設定の単位時間(N)内で計算された任意の行の偏差平均値を図8のように表示部150に時間軸に対して示すこともできる。
図8において、y軸は任意の行に対する単位時間(N)当たり計算された偏差平均値で、縦割れ発生可能指数(LPI;longitudinal Probability Index)であり、x軸は時間軸である。
図8のように、本発明の実施例においては、基準値(α)が“20”に設定されており、中央処理部190は、偏差平均値(LPI)が“20”を超える場合、モールド30内の凝固シェル81に縦割れが発生したことに診断する。ここで、基準値(α)は温度感知手段111、112が設置された各行別に違うことができる。
すなわち、偏差平均値(LPI)が基準値(α)を超える場合には、図9に示すように、モールド長辺31の中央部、つまり第2グループ102に位置する凝固シェル81で縦割れが発生したと診断する。もし、1行5列側に位置する凝固シェル81でクラックが発生する場合、第15センサーで検出されたモールド30の温度は隣接した4列及び6列にそれぞれ位置する第14センサーと第16センサーで検出されたモールド30の温度より低くなる。本発明によるクラック診断アルゴリズムは、図9のように、クラックが第2グループ102の各温度感知センサー112側で発生する場合にクラック検出性能が相対的にすぐれた方式である。
一方、前記(S112〜S118)で繰り返し獲得された各行の温度偏差の平均値の中で最大平均値と予め設定された基準値を互いに比較して凝固シェルのクラック有無を診断することもできる。
図10は図4の他の実施例による凝固シェルのクラック診断過程を示すフローチャートである。添付図面に基づいて詳細に説明する。
連続鋳造工程が行われているうち、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段111、112が配置された領域でモールド30の温度を実時間で感知して中央処理部190に伝達する(S121、S122)。
前記において、複数の温度感知手段111、112はクラック発生可能領域を基準に第1グループ101と第2グループ102に分けられ、第1グループ101はクラックが発生しないモールド長辺31の両側端に配置され、第2グループ102はクラックが発生するモールド長辺31の中央部に配置される。
ついで、中央処理部190は、設定の温度測定時間(T)になれば(S123)、各行別にクラックが発生しない領域に存在する第1グループ101に当たる温度感知手段111の温度情報を用いて第1グループ101の平均温度値を計算する(S124)。
そして、中央処理部190は、前記第1グループ101の平均温度値を計算した後、各行別にクラックが発生する領域に存在する第2グループ102の温度感知手段112の温度情報の中で最小温度値を抽出する(S125)。
中央処理部190は、前記で各行別に獲得された平均温度値から最小温度値を引き算して温度偏差を計算し、計算された温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納する(S126)。この際、中央処理部190は、計算された温度偏差を表示部150に時間軸に対して表示させることもできる。
ついで、中央処理部190は、設定の単位時間(N、または単位回数)が経過したかを判断し(S127)、設定の単位時間が経過しなかったら、前記の過程(S122〜S126)を繰り返して平均温度値、最小温度値、及び温度偏差をさらに獲得し、獲得された温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納する。
このような過程を設定の単位時間(N)のうち繰り返し遂行する。
中央処理部190は、設定の単位時間(N、または単位回数)が経過すれば(S127)、繰り返し獲得された温度偏差をメモリ130から読み取って温度偏差の平均値を計算し、計算された偏差平均値をメモリ130に一時格納する(S128)。
前記において、中央処理部190は、設定の単位時間(N)内で計算された偏差平均値を図11のように表示部150に時間軸に対して示すこともできる。
ついで、中央処理部190は、設定の単位要素時間(Te)が経過したかを判断し(S129)、単位要素時間(Te)が経過しなかったら、前記過程(S122〜S128)を繰り返し行って温度偏差の平均値を繰り返し収集する。
前記偏差平均値を単位要素時間(Te)のうちに収集し、もし単位要素時間(Te)が経過すれば、収集された偏差平均値の最大値(Tmax)と最小値(Tmin)によって最大変動幅(DT)を計算した後、計算された最大変動幅(DT)と予め設定された基準値を互いに比較して凝固シェル81のクラック有無を診断する(S130)。ここで、中央処理部190は、温度偏差の最大変動幅が基準値以上の場合には、凝固シェル81でクラックが発生したと診断する。
図11において、y軸は任意の行に対する単位時間(N)当たり計算された偏差平均値で、縦割れ発生可能指数(LPI;longitudinal Probability Index)であり、x軸は時間軸である。
一般に、モールド30から引き出される連鋳片80の長さは1分(min)当たり0.9m〜2.3m程度となることができ、これに基づいて単位要素時間(Te)は15sec〜150secの範囲で設定することができる。ここで、単位要素時間(Te)が15sec以下であれば、大きなクラックを検出することができなく、単位要素時間(Te)が150sec以上であれば、クラックと無関係な温度偏差が発生することができるので正確性が落ちることができる。
前記において、単位時間(N、または回数)と単位要素時間(Te)は互いに異なる基準の情報であり、単位要素時間(Te)が単位時間(N)より大きな値に設定される。
このように、本発明では、連続鋳造工程で生産される凝固シェルの温度偏差に基づいて縦割れを診断することで、縦割れが発生した場合にだけスラブの表面にスカーフィング(scarfing)を実施して、スラブに対する訂正費用(補修費用)を節減することができる。特に、本発明では、第2グループに位置する温度感知手段で発生するクラックをより正確に検出することができる。
図12は本発明の第2実施例によるモールド内の凝固シェルのクラック診断装置を示す図であり、クラック診断装置100は、温度感知部110、メモリ130、表示部150、入力部170、及び中央処理部190を含む。
温度感知部110は、モールド長辺31に行列(matrix)状に配置された複数の温度感知手段111、112を含む。複数の温度感知手段111、112がモールド30に配置されることにより、連続鋳造工程が行われているうちにモールド30の温度を実時間で感知する。モールド30の温度はモールド内側に存在する凝固シェル81の温度と同一であると見なす。
ここで、それぞれの温度感知手段111、112は、モールド30に配置された領域を識別するための識別情報を持つ。よって、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段111、112によってモールド30の温度が感知されれば、感知された温度情報を中央処理部170に伝達する。
ここで、温度感知部110のそれぞれの温度感知手段111、112は、図13に示すように、モールド長辺31に行列(matrix)状に埋設されて配置される。温度感知手段111、112は、熱電対(thermocouple)と温度感知センサーのいずれか一つでなることができる。
モールド30に配置される複数の温度感知手段111、112はクラック発生可能領域を基準に第1グループ101と第2グループ102に分けられる。一般に、クラックはモールド長辺31の中央部で発生する。図示のように、前記第2グループ102に属する温度感知手段112はモールド30の中央部に配置され、第1グループ101に属する温度感知手段111はモールド30の両側端に配置される。前記第1グループ101はクラックが発生しない領域に配置された少なくとも一つ以上の温度感知手段111を含み、前記第2グループ102はクラックが発生する領域に配置された少なくとも一つ以上の温度感知手段112を含む。本発明の実施例においては、各行別に第1グループ101の温度感知手段111が六つであり、第2グループ102の温度感知手段112が三つである場合を示しているが、温度感知手段111、112の個数は必要によって変更が可能である。
ここで、第2グループ102に属する温度感知手段112はモールド30の中央垂直線(a)を基準として両側にモールド30の幅に対してそれぞれ15%範囲内に位置する。すなわち、第2グループ102はモールド長辺31の中央部に位置し、長辺31の幅を基準に30%程度の領域(b)を占める。
図13には複数の温度感知手段111、112がモールド長辺31の全体に配置されたものを示すが、必要によってモールド長辺31の上部、下部または中央部に選択的に配置されることもできる。もちろん、温度感知手段111、112がモールド長辺31の全体に配置される場合、クラック検出の正確性が向上することができる。
メモリ130には、モールド30の温度検出のための周期、測定単位時間、クラック発生判断のための基準値、及び各種制御プログラムなどが格納される。
表示部150は、第1グループ101と第2グループ102の間の温度偏差またはその温度偏差の平均値を時間軸に対して表示することができる。表示部150は温度偏差の変化量をグラフで表示することができる。
入力部170は、外部から各種動作命令や設定値を受けて中央処理部190に伝達するように構成されている。
中央処理部190は、前記温度感知部110によって検出された温度の中で、各行別に第1グループ101に位置する温度感知手段111の平均温度値と第2グループ102に位置する温度感知手段112のいずれか一つを除いた残りの温度感知手段の平均温度値をそれぞれ獲得し、獲得された第1グループ101の平均温度値と第2グループ102の平均温度値の間の温度偏差を用い、前記モールド30から排出される凝固シェル81でのクラック発生有無を診断する。前記において、第1グループ101の平均温度値と第2グループ102の平均温度値及びその温度偏差は各行別に求められる。
例えば、図13のように、温度感知手段111、112がN(行)×9(列)のマトリックス状に配列されている場合、第1グループ101は1列、2列、3列、7列、8列、及び9列に属する温度感知手段111であり、第2グループ102は4列、5列及び6列に属する温度感知手段112である。
中央処理部190は、モールド長辺31の各行別に1列、2列、3列、7列、8列及び9列に配置された温度感知手段111によって検出した温度情報を用いて平均温度値を求め、4列、5列及び6列に配置された温度感知手段112のいずれか一つを除いた残りの温度感知手段の平均温度値を求める。ここで、第2グループ102の残りの温度感知手段は互いに隣接した温度感知手段であることが好ましい。例えば、第2グループ102の温度感知手段112が4列、5列及び6列である三つの列で構成される場合、4列と5列に位置する温度感知手段の平均温度値を求めるかまたは5列と6列に位置する温度感知手段の平均温度値を求める。
ついで、中央処理部190は、第1グループ101の平均温度値から第2グループ102の平均温度値を引き算して温度偏差を計算した後、計算された温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納する。
ここで、中央処理部190は、第1グループ101の平均温度値と第2グループ102の平均温度値、及びその温度偏差を設定時間のうちに少なくとも1回以上繰り返し獲得することができ、繰り返し獲得された温度偏差の平均値と予め設定された基準値を互いに比較して各行別に凝固シェル81のクラック有無を診断する。
前記において、中央処理部190は、設定の単位時間(N)内で計算された任意の行の偏差平均値(LPI)を図14のように表示部150に時間軸に対して示すこともできる。
図14において、y軸は任意の行に対する単位時間(N)当たり計算された偏差平均値で、縦割れ発生可能指数(LPI;longitudinal Probability Index)であり、x軸は時間軸である。図14のように、本発明の実施例においては、基準値(α)が“10”に設定されており、中央処理部190は、偏差平均値(LPI)が“10”を超える場合、モールド30内の凝固シェル81に縦割れが発生したと診断する。ここで、基準値(α)は温度感知手段111、112が設置された各行別に違うことができる。
すなわち、偏差平均値(LPI)が基準値(α)を超える場合には、図15に示すように、モールド長辺31の中央部、つまり第2グループ102に位置する凝固シェル81で縦割れが発生したと診断する。もし、1行5列と6列の間に位置する凝固シェル81でクラックが発生する場合、第15センサーと第16センサーで検出されたモールド30の温度は4列に位置する第14センサーで検出されたモールド30の温度より低くなる。本発明によるクラック診断アルゴリズムは、図15のように、クラックが第2グループ102の温度感知センサーの中で発生する場合にクラック検出性能が相対的にすぐれた方式である。
前記中央処理部190は、機能的に、偏差計算部191、偏差平均計算部193及びクラック判断部195を含んでなることができる。
偏差計算部191は、温度感知部110によって検出された温度の中で、各行別に第1グループ101に位置する温度感知手段111の平均温度値と第2グループ102に位置する温度感知手段112のいずれか一つを除いた残りの温度感知手段の平均温度値をそれぞれ獲得し、獲得された第1グループ101の平均温度値と第2グループ102の平均温度値の間の温度偏差を計算する。もちろん、偏差計算部191は、周期的に第1グループ101の平均温度値と第2グループ102の平均温度値を獲得して温度偏差を求めた後、測定時間情報とともにメモリ130に一時格納することができる。
偏差平均計算部193は、設定時間のうちに繰り返し獲得された温度偏差をメモリ130から読み取った後、設定の単位時間当たり温度偏差の平均値を計算する。
クラック判断部195は、前記偏差平均計算部193によって計算された温度偏差の平均値と予め設定された基準値を互いに比較して各行別に凝固シェル81のクラック有無を診断する。
前記において、中央処理部190は、偏差平均計算部193によって計算された温度偏差の平均値を表示部150に表示させることもできる。
一方、中央処理部190は、前記温度感知部110によって検出された温度の中で、各行別に第1グループ101に位置する温度感知手段111の平均温度値と第2グループ102に位置する温度感知手段112のいずれか一つを除いた残りの温度感知手段の平均温度値をそれぞれ獲得し、獲得された第1グループの平均温度値と第2グループの平均温度値の間の温度偏差を時間情報とともに格納する。ここで、中央処理部190は、第1グループ101の平均温度値と第2グループ102の平均温度値、及びその温度偏差を設定時間のうちに少なくとも1回以上繰り返し獲得することができ、繰り返し獲得された温度偏差の平均値を設定の単位要素時間のうちに収集する。前記偏差平均値を単位要素時間のうちに収集し、収集された偏差平均値の最大変動幅と予め設定された基準値を互いに比較して各行別に凝固シェル81のクラック有無を診断することもできる。
また、中央処理部190は、各行別に第1グループ101の平均温度値と第2グループ102の平均温度値、及びその温度偏差を設定時間のうちに少なくとも1回以上繰り返し獲得し、繰り返し獲得された各行に対する温度偏差の平均値の中で最大平均値と予め設定された基準値を互いに比較して凝固シェルのクラック有無を診断することもできる。
図16は図12の一実施例による凝固シェルのクラック診断過程を示すフローチャートである。添付図面に基づいて詳細に説明する。
連続鋳造工程が行われているうち、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段111、112が配置された領域でモールド30の温度を実時間で感知して中央処理部190に伝達する(S211、S212)。この際、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段111、112の識別情報を温度情報とともに中央処理部190に伝達し、中央処理部190は、伝達された識別情報から温度情報が第1グループ101に属するかまたは第2グループ102に属するかが分かる。
前記において、複数の温度感知手段111、112はクラック発生可能領域を基準に第1グループ101と第2グループ102に分けられ、第1グループ101はクラックが発生しないモールド長辺31の両側端に配置され、第2グループ102はクラックが発生するモールド長辺31の中央部に配置される。
ついで、中央処理部190は設定の温度測定時間(T)になれば(S213)、任意の行においてクラックが発生しない領域に存在する第1グループ101に当たる温度感知手段111の温度情報を用いて第1グループ101に位置する温度感知手段111の平均温度値を計算する(S214)。
そして、中央処理部190は、前記第1グループ101の平均温度値を計算した後、任意の行においてクラックが発生する領域に存在する第2グループ102の温度感知手段112のいずれか一つを除いた残りの温度感知手段の平均温度値を計算する(S215)。
中央処理部190は、前記で獲得された第1グループ101の平均温度値から第2グループ102の平均温度値を引き算して温度偏差を計算し、計算された温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納する(S216)。この際、中央処理部190は、計算された温度偏差を表示部150に時間軸に対して表示させることもできる。
ついで、中央処理部190は、設定の単位時間(N、または単位回数)が経過したかを判断し(S217)、設定の単位時間が経過しなかったら、前記の過程(S214〜S216)を繰り返して第1グループ101の平均温度値と第2グループ102の平均温度値、及びその温度偏差をさらに獲得し、獲得された温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納する。
このような過程を設定の単位時間(N)のうちに繰り返し遂行する。
中央処理部190は、設定の単位時間(N、または単位回数)が経過すれば(S217)、繰り返し獲得された温度偏差をメモリ130から読み取って温度偏差の平均値を計算し(S218)、計算された偏差平均値と予め設定された基準値(α)を互いに比較して各行別に凝固シェル81のクラック有無を診断するようになる(S219)。ここで、中央処理部190は、温度偏差の平均値が基準値(α)以上の場合には、凝固シェル81でクラックが発生したと診断する。
前記において、中央処理部190は設定の単位時間(N)内で計算された任意の行の偏差平均値を前記図14のように表示部150に時間軸に対して示すこともできる。
一方、前記(S212〜S218)で繰り返し獲得された各行の温度偏差の平均値の中で最大平均値と予め設定された基準値を互いに比較して凝固シェルのクラック有無を診断することもできる。
図17は図12の他の実施例による凝固シェルのクラック診断過程を示すフローチャートである。添付図面に基づいて詳細に説明する。
連続鋳造工程が行われているうち、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段111、112が配置された領域でモールド30の温度を実時間で感知して中央処理部190に伝達する(S221、S222)。
前記において、複数の温度感知手段111、112はクラック発生可能領域を基準に第1グループ101と第2グループ102に分けられ、第1グループ101はクラックが発生しないモールド長辺31の両側端に配置され、第2グループ102はクラックが発生するモールド長辺31の中央部に配置される。
ついで、中央処理部190は、設定の温度測定時間(T)になれば(S223)、各行別にクラックが発生しない領域に存在する第1グループ101に当たる温度感知手段111の温度情報を用いて第1グループ101に位置する温度感知手段111の平均温度値を計算する(S224)。
そして、中央処理部190は、前記第1グループ101の平均温度値を計算した後、各行別にクラックが発生する領域に存在する第2グループ102の温度感知手段112のいずれか一つを除いた残りの温度感知手段の平均温度値を計算する(S225)。
中央処理部190は、前記で各行別に獲得された第1グループ101の平均温度値から第2グループ102の平均温度値を引き算して温度偏差を計算し、計算された温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納する(S226)。この際、中央処理部190は計算された温度偏差を表示部150に時間軸に対して表示させることもできる。
ついで、中央処理部190は、設定の単位時間(N、または単位回数)が経過したかを判断し(S227)、設定の単位時間が経過しなかったら、前記の過程(S222〜S226)を繰り返して第1グループ101の平均温度値と第2グループ102の平均温度値、及びその温度偏差をさらに獲得し、獲得された温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納する。
このような過程を設定の単位時間(N)のうちに繰り返し遂行する。
中央処理部190は、設定の単位時間(N、または単位回数)が経過すれば(S227)、繰り返し獲得された温度偏差をメモリ130から読み取って温度偏差の平均値を計算し、計算された偏差平均値をメモリ130に一時格納する(S228)。
前記において、中央処理部190は設定の単位時間(N)内で計算された偏差平均値を図18のように表示部150に時間軸に対して示すこともできる。
ついで、中央処理部190は、設定の単位要素時間(Te)が経過したかを判断し(S229)、単位要素時間(Te)が経過しなかったら、前記過程(S222〜S228)を繰り返し行って温度偏差の平均値を繰り返し収集する。
前記偏差平均値を単位要素時間(Te)のうちに収集し、もし単位要素時間(Te)が経過すれば、収集された偏差平均値の最大値(Tmax)と最小値(Tmin)から最大変動幅(DT)を計算した後、計算された最大変動幅(DT)と予め設定された基準値を互いに比較して凝固シェル81のクラック有無を診断する(S230)。ここで、中央処理部190は、温度偏差の最大変動幅が基準値以上の場合には、凝固シェル81でクラックが発生したと診断する。
図18で、y軸は任意の行に対する単位時間(N)当たり計算された偏差平均値で、縦割れ発生可能指数(LPI;longitudinal Probability Index)であり、x軸は時間軸である。
一般に、モールド30から引き出される連鋳片80の長さは1分(min)当たり0.9m〜2.3m程度となることができる。これに基づき、単位要素時間(Te)は15sec〜150secの範囲で設定できる。ここで、単位要素時間(Te)が15sec以下であれば、大きなクラックを検出することができなく、単位要素時間(Te)が150sec以上であれば、クラックと無関係な温度偏差が発生することができるので、正確性が落ちることができる。
前記において、単位時間(N、または回数)と単位要素時間(Te)は互いに異なる基準の情報であり、単位要素時間(Te)が単位時間(N)より大きな値に設定される。
このように、本発明においては、連続鋳造工程で生産される凝固シェルの温度偏差に基づいて縦割れを診断することで、縦割れが発生した場合にだけスラブの表面にスカーフィング(scarfing)を実施してスラブに対する訂正費用(補修費用)を節減することができる。特に、本発明においては、第2グループに位置する温度感知手段の中で発生するクラックをより正確に検出することができる。
図19は本発明の第3実施例によるモールド内の凝固シェルのクラック診断装置を示す図で、クラック診断装置100は、温度感知部110、メモリ130、表示部150、入力部170、及び中央処理部190を含む。
温度感知部110は、モールド長辺31に行列(matrix)状に配置された複数の温度感知手段111、112を含む。複数の温度感知手段111、112がモールド30に配置されることにより、連続鋳造工程が行われているうちにモールド30の温度を実時間で感知する。モールド30の温度はモールド内側に存在する凝固シェル81の温度と同一であると見なす。
ここで、それぞれの温度感知手段111、112はモールド30に配置された領域を識別するための識別情報を持つ。よって、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段111、112によってモールド30の温度が感知されれば、感知された温度情報を中央処理部170に伝達する。
ここで、温度感知部110のそれぞれの温度感知手段111、112は、図20に示すように、モールド長辺31に行列(matrix)状に埋設されて配置される。温度感知手段111、112は、熱電対(thermocouple)と温度感知センサーのいずれか一つでなることができる。
モールド30に配置される複数の温度感知手段111、112はクラック発生可能領域を基準に第1グループ101と第2グループ102に分けられる。一般に、クラックはモールド長辺31の中央部で発生する。図示のように、前記第2グループ102に属する温度感知手段112はモールド30の中央部に配置され、第1グループ101に属する温度感知手段111はモールド30の両側端に配置される。前記第1グループ101はクラックが発生しない領域に配置された少なくとも一つ以上の温度感知手段111を含み、前記第2グループ102はクラックが発生する領域に配置された少なくとも一つ以上の温度感知手段112を含む。本発明の実施例においては、第1グループ101の温度感知手段111が各行別に六つであり、第2グループ102の温度感知手段112が各行別に三つである場合を示しているが、温度感知手段111、112の行列数とその個数は必要によって変更が可能である。
ここで、第2グループ102に属する温度感知手段112は、モールド30の中央垂直線(a)を基準として両側にモールド30の幅に対してそれぞれ15%範囲内に位置する。すなわち、第2グループ102はモールド長辺31の中央部に位置し、長辺31の幅を基準に30%程度の領域(b)を占める。
図20には複数の温度感知手段111、112がモールド長辺31の全体に配置されたものを示すが、必要によってモールド長辺31の上部、下部または中央部に選択的に配置されることもできる。もちろん、温度感知手段111、112がモールド長辺31の全体に配置される場合、クラック検出の正確性が向上することができる。
メモリ130には、モールド30の温度検出のための周期とクラック発生判断のための基準値、及び各種制御プログラムなどが格納される。
表示部150は、第1グループ101と第2グループ102の間の温度偏差を時間軸に対して表示することができる。表示部150は温度偏差の変化量をグラフで表示することができる。
入力部170は外部から各種動作命令や設定値を受けて中央処理部190に伝達するように構成されている。
中央処理部190は、前記温度感知部110によって検出された温度の中で、第1グループ101の平均温度と第2グループ102の各列別平均温度をそれぞれ計算し、計算された第1グループの平均温度から第2グループの各列別平均温度を引き算して最大温度偏差を抽出し、抽出された最大温度偏差と予め設定された基準値を互いに比較し、前記モールド30から排出される凝固シェル81に対するクラックの発生有無を診断する。前記において、第1グループの平均温度は第1グループに属するすべての温度感知手段によって検出された温度の平均温度であり、第2グループの各列別平均温度は第2グループに属する温度感知手段によって検出された温度において各列別平均温度である。
例えば、図20のように、温度感知手段111、112がN(行)×9(列)のマトリックス状に配列されている場合、第1グループ101は1列、2列、3列、7列、8列、及び9列に属する温度感知手段111であり、第2グループ102は4列、5列及び6列に属する温度感知手段112である。よって、第1グループ101の平均温度は1列、2列、3列、7列、8列、及び9列に属するすべての温度感知手段の平均温度であり、第2グループ102の各列別平均温度は4列102−1の平均温度、5列102−2の平均温度、及び6列102−3の平均温度に分けられることができる。
前記中央処理部190は、機能的に平均温度計算部191−1、偏差抽出部193−1、及びクラック判断部195を含んでなることができる。
平均温度計算部191−1は、温度感知部110によって検出された温度の中で、第1グループ101に属する温度感知手段111の平均温度と、第2グループ102に属する温度感知手段112の各列102−1〜102−3別の平均温度をそれぞれ計算する。
偏差抽出部193−1は、計算された第1グループ101の平均温度と第2グループ102の各列102−1〜102−3別の平均温度をそれぞれ引き算して最大温度偏差を抽出する。もちろん、偏差抽出部191は、抽出された第1グループ101の平均温度と第2グループ102の各列102−1〜102−3別の平均温度及び最大温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納することができる。
クラック判断部195は、前記偏差抽出部193−1によって抽出された最大温度偏差と予め設定された基準値を互いに比較して凝固シェルのクラック有無を診断する。
前記において、中央処理部190は、偏差抽出部193−1によって計算された最大温度偏差を表示部150に表示させることもできる。
一方、中央処理部190は、前記温度感知部110によって検出された温度の中で、第1グループ101の平均温度と第2グループ102の各列102−1〜102−3別の平均温度をそれぞれ計算し、計算された第1グループ101の平均温度から第2グループ102の各列102−1〜102−3別の平均温度を引き算して最大温度偏差と最小温度偏差をそれぞれ抽出し、抽出された最大温度偏差と最小温度偏差を用いて凝固シェルでのクラック発生有無を診断する。また、中央処理部190は、凝固シェルのクラック有無を診断するとき、抽出された最大温度偏差と最小温度偏差を引き算して温度偏差を獲得し、獲得された温度偏差と予め設定された基準値を互いに比較し、基準値を超える場合凝固シェル81でクラックが発生したと診断する。前記において、第1グループ101の平均温度は第1グループ101に属するすべての温度感知手段111によって検出された温度の平均温度であり、第2グループ102の各列102−1〜102−3別の平均温度は第2グループ102に属する温度感知手段112によって検出された温度で、各列102−1〜102−3別の平均温度である。
前記中央処理部190は、機能的に平均温度計算部191−1、偏差抽出部193−1及びクラック判断部195を含んでなることができる。
平均温度計算部191−1は、温度感知部110によって検出された温度の中で、第1グループ101に属する温度感知手段111の平均温度と第2グループ102に属する温度感知手段112の各列102−1〜102−3別の平均温度をそれぞれ計算する。
偏差抽出部193−1は、計算された第1グループ101の平均温度から第2グループ102の各列102−1〜102−3別の平均温度をそれぞれ引き算して最大温度偏差と最小温度偏差をそれぞれ抽出する。もちろん、偏差抽出部191は、抽出された第1グループ101の平均温度、第2グループ102の各列102−1〜102−3別の平均温度、最大温度偏差及び最小温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納することができる。
クラック判断部195は、前記偏差抽出部193−1によって抽出された最大温度偏差から最小温度偏差を引き算し、引き算して得られた温度偏差と予め設定された基準値を互いに比較して凝固シェルのクラック有無を診断する。
前記において、中央処理部190は、クラック判断部193によって計算された最大温度偏差と最小温度偏差の間の温度偏差を表示部150に表示させることもできる。
図21は図19の一実施例による凝固シェルのクラック診断過程を示すフローチャートである。添付図面に基づいて詳細に説明する。
連続鋳造工程が行われているうち、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段111、112が配置された領域でモールド30の温度を実時間で感知して中央処理部190に伝達する(S311、S312)。この際、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段111、112の識別情報を温度情報とともに中央処理部190に伝達し、中央処理部190は、伝達された識別情報から温度情報が第1グループ101に属するかまたは第2グループ102に属するかが分かる。
前記において、複数の温度感知手段111、112はクラック発生可能領域を基準に第1グループ101と第2グループ102に分けられ、第1グループ101はクラックが発生しないモールド長辺31の両側端に配置され、第2グループ102はクラックが発生するモールド長辺31の中央部に配置される。
ついで、中央処理部190は、設定の温度測定時間になれば、クラックが発生しない領域に存在する第1グループ101に当たる温度感知手段111の温度情報を用いて第1グループ101の全体平均温度を計算する(S313)。
そして、中央処理部190は、前記第1グループ101の平均温度を計算した後、クラックが発生する領域に存在する第2グループ102の温度感知手段112によって検出された温度に対して各列102−1〜102−3別の平均温度を計算する(S314)。すなわち、第1グループ101の場合、列の数にかかわらず一つの平均温度値が存在するが、第2グループ102は、列の数が三つである場合、三つの平均温度値が存在するようになる。
中央処理部190は、前記で計算された第1グループ101の平均温度から第2グループ102の各列102−1〜102−3別の平均温度をそれぞれ引き算して最大温度偏差を抽出し(S315)、抽出された最大温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納する。この際、中央処理部190は、計算された最大温度偏差を表示部150に時間軸に対して表示させることもできる。前記において、第2グループ102の温度感知手段が3列で構成されている場合、第1グループ101の平均温度から第2グループ102の各列102−1〜102−3別の平均温度をそれぞれ引き算すれば、三つの温度偏差値が生成され、中央処理部は、前記三つの温度偏差値の中で最大値である最大温度偏差値を抽出するようになる。
ついで、中央処理部190は、抽出された最大温度偏差と予め設定された基準値を互いに比較して凝固シェルのクラック有無を診断するようになる(S316)。ここで、中央処理部190は、最大温度偏差が基準値を超える場合には、凝固シェル81でクラックが発生したと診断する。
前記において、抽出された最大温度偏差が基準値を超える場合には、図22に示すように、モールド長辺31の中央部、つまり第2グループ102に位置する凝固シェル81で縦割れが発生したと診断する。そして、モールド内の凝固シェルのクラックは最大温度偏差が発生した列で発生したものである。例えば、最大温度偏差が第2グループ102の4列〜6列の中で4列102−1側で発生したものであれば、モールド内凝固シェルで図22のように縦割れが発生する。本発明によるクラック診断アルゴリズムは、図22のように、縦割れが第2グループ102の列方向に沿って長く発生する大型縦割れの検出性能が相対的にすぐれた方式である。
図23は図19の他の実施例による凝固シェルのクラック診断過程を示すフローチャートである。添付図面に基づいて詳細に説明する。
連続鋳造工程が行われているうち、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段111、112が配置された領域でモールド30の温度を実時間で感知して中央処理部190に伝達する(S321、S322)。
前記において、複数の温度感知手段111、112はクラック発生可能領域を基準に第1グループ101と第2グループ102に分けられ、第1グループ101はクラックが発生しないモールド長辺31の両側端に配置され、第2グループ102はクラックが発生するモールド長辺31の中央部に配置される。
ついで、中央処理部190は、設定の温度測定時間になれば、クラックが発生しない領域に存在する第1グループ101に当たる温度感知手段111の温度情報を用いて第1グループ101の全体平均温度を計算する(S323)。
そして、中央処理部190は、前記第1グループ101の平均温度を計算した後、クラックが発生する領域に存在する第2グループ102の温度感知手段112によって検出された温度に対して各列102−1〜102−3別の平均温度を計算する(S324)。すなわち、第1グループ101の場合、列の数にかかわらず一つの平均温度値が存在するが、第2グループ102は、列の数が三つである場合、三つの平均温度値が存在するようになる。
中央処理部190は、前記で計算された第1グループ101の平均温度から第2グループ102の各列102−1〜102−3別の平均温度をそれぞれ引き算して最大温度偏差と最小温度偏差を抽出する(S325)。前記において、第2グループ102の温度感知手段が3列で構成されている場合、第1グループ101の平均温度から第2グループ102の各列102−1〜102−3別の平均温度をそれぞれ引き算すれば、三つの温度偏差値が生成され、中央処理部190は、前記三つの温度偏差値の中で最大値である最大温度偏差と最小値である最小温度偏差をそれぞれ抽出するようになる。
ついで、中央処理部190は、抽出された最大温度偏差から最小温度偏差を引き算した後(S326)、引き算して得られた温度偏差と予め設定された基準値を互いに比較して凝固シェルのクラック有無を診断するようになる(S327)。ここで、中央処理部190は、獲得された温度偏差が基準値以上の場合には、凝固シェル81でクラックが発生したと診断する。この際、中央処理部190は、獲得された温度偏差を表示部150に時間軸に対して表示させることもできる。
そして、前記において、モールド内の凝固シェルでクラックが発生したと診断されれば、クラック発生地点は最小温度偏差ではなく最大温度偏差が発生した第2グループ102の列になる。
図24において、y軸は図23によって計算された温度偏差を時間軸に対して示すもので、y軸の温度偏差は第1グループ101の平均温度から第2グループ102の各列102−1〜102−3別の平均温度をそれぞれ引き算して得た温度偏差である。
図示のように、最大温度偏差(Tmax)から最小温度偏差(Tmin)を引き算した温度偏差(DT)が設定された基準値を超える場合、モールド30内の凝固シェル81に縦割れが発生したと診断する。
すなわち、温度偏差が基準値を超える場合には、図22に示すように、モールド長辺31の中央部である第2グループ102に位置する凝固シェル81で縦割れが発生したと診断する。例えば、最大温度偏差が第2グループ102の4列〜6列の中で4列102−1側で発生し、最大温度偏差からいずれか一列(5列または6列)の最小温度偏差を引き算して獲得した温度偏差が基準値を超える場合、第2グループ102の4列側に縦割れが発生したと見なす。本発明によるクラック診断アルゴリズムは、縦割れが第2グループ102の列方向に沿って長く発生する大型縦割れの検出性能が相対的にすぐれた方式である。
このように、本発明においては、連続鋳造工程で生産される凝固シェルの温度偏差に基づいて縦割れを診断することにより、縦割れが発生した場合にだけスラブの表面にスカーフィング(scarfing)を実施してスラブに対する訂正費用(補修費用)を節減することができる。特に、本発明においては、第2グループ102に位置する温度感知手段で発生するクラックをより正確に検出することができる。
図25は本発明の第4実施例によるモールド内の凝固シェルのクラック診断装置を示す図で、クラック診断装置100は、温度感知部110、メモリ130、表示部150、入力部170、及び中央処理部190を含む。
温度感知部110は、モールド長辺31に行列(matrix)状に配置された複数の温度感知手段111を含む。複数の温度感知手段111がモールド30に配置されることにより、連続鋳造工程が行われているうちにモールド30の温度を実時間で感知する。モールド30の温度はモールド内側に存在する凝固シェル81の温度と同一であると見なす。
ここで、それぞれの温度感知手段111は、モールド30に配置された領域を識別するための識別情報を持つ。よって、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段111によってモールド30の温度が感知されれば、感知された温度情報を中央処理部170に伝達する。
ここで、温度感知手段111は熱電対(thermocouple)と温度感知センサーのいずれか一つでなることができる。
本発明の実施例においては、図26に示すように、各行別に温度感知手段111が九つである場合を示しているが、温度感知手段111の行列数(N×9)は必要によって変更が可能である。図26においては、複数の温度感知手段111がモールド長辺31の全体に配置されたものを示すが、必要によってモールド長辺31の上部、下部または中央部に選択的に配置されることもできる。もちろん、温度感知手段111がモールド長辺31の全体に配置される場合、クラック検出の正確性が向上することができる。
メモリ130には、モールド30の温度検出のための周期、測定時間、測定単位要素時間、クラック発生判断のための基準値、及び各種制御プログラムなどが格納される。
表示部150は、温度感知手段111の各行別に最大温度と最小温度の間の温度偏差の平均値を時間軸に対して表示することができる。表示部150は温度偏差の平均値の変化量をグラフで表示することができる。
入力部170は、外部から各種動作命令や設定値を受けて中央処理部190に伝達するように構成されている。
中央処理部190は、前記温度感知部110によって検出された温度の中で、各行別に最大温度と最低温度の間の温度偏差を設定の単位時間のうちに繰り返し獲得し、獲得された温度偏差の平均値を用い、前記モールド30から排出される凝固シェル81でのクラック発生有無を診断する。
例えば、図26のように、温度感知手段111がN(行)×9(列)のマトリックス状に配列されている場合、中央処理部190は、各行別に最大温度と最小温度を抽出し、抽出された最大温度と最小温度の間の温度偏差を設定の単位時間のうちに少なくとも1回以上繰り返し獲得し、繰り返し獲得された温度偏差を用いて偏差平均値を計算する。そして、中央処理部190は、獲得された平均値と予め設定された基準値を互いに比較し、各行別に凝固シェルのクラック有無を診断する。
前記において、中央処理部190は、各行別の最大温度から最小温度を引き算して温度偏差を計算した後、計算された温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納することができる。
前記中央処理部190は、機能的に、偏差計算部191、偏差平均計算部193及びクラック判断部195を含んでなることができる。
偏差計算部191は、温度感知部110によって検出された温度の中で、各行別に温度感知手段によって検出された最大温度と最小温度をそれぞれ獲得し、獲得された最大温度と最小温度の間の温度偏差を計算する。
偏差平均計算部193は、前記温度偏差が設定の単位時間のうちに繰り返し獲得されるようにし、繰り返し獲得された温度偏差の平均値を計算する。もちろん、偏差平均計算部193は、周期的に獲得された温度偏差と温度偏差の平均値を測定時間情報とともにメモリ130に格納することができる。
クラック判断部195は、前記で計算された温度偏差の平均値と予め設定された基準値を互いに比較して凝固シェルのクラック有無を診断する。
前記において、中央処理部190は、偏差平均計算部193によって計算された温度偏差の平均値を表示部150に表示させることもできる。
一方、中央処理部190は、各行別に最大温度と最低温度の間の温度偏差を設定の単位時間のうちに繰り返し獲得し、獲得された温度偏差の平均値を用いて前記モールドから排出される凝固シェルでのクラック発生有無を診断するようになる。この際、中央処理部190は獲得された温度偏差の平均値を設定の単位要素時間のうちに繰り返して収集し、収集された平均値の中で最大平均値と最小平均値の間の偏差(差)を計算した後、計算された偏差と予め設定された基準値を互いに比較して凝固シェルのクラック有無を診断することもできる。
ここで、中央処理部190は、温度感知部110によって検出された温度から各行別に温度感知手段によって検出された最大温度と最小温度をそれぞれ獲得し、獲得された最大温度と最小温度の間の温度偏差を計算する偏差計算部191、前記温度偏差が設定の単位時間のうちに繰り返し獲得されるようにし、繰り返し獲得された温度偏差の平均値を計算する偏差平均計算部193、及び前記温度偏差の平均値を設定の単位要素時間のうちに繰り返し獲得し、繰り返し獲得された平均値で最大平均値と最小平均値の間の偏差を計算した後、計算された偏差と予め設定された基準値を互いに比較して凝固シェルのクラック有無を診断するクラック判断部195を含むことができる。
図27は図25の一実施例による凝固シェルのクラック診断過程を示すフローチャートである。添付図面に基づいて詳細に説明する。
連続鋳造工程が行われているうち、中央処理部190は、設定の温度測定時間になれば、温度感知部110によってモールドに行列状に配置されたそれぞれの温度感知手段からモールド温度を実時間で検出する(S411〜S413)。ここで、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段112に対する識別情報を温度情報とともに中央処理部190に伝達し、中央処理部190は、伝達された識別情報から温度情報がどの行に属する温度であるかが分かる。
ついで、中央処理部190は、検出されたモールド温度から、各行別に最大温度と最小温度を抽出した後、抽出された最大温度と最小温度の間の温度偏差を計算し、計算された温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納する(S414、S415)。この際、中央処理部190は、計算された温度偏差を表示部150に時間軸に対して表示させることもできる。
ついで、中央処理部190は、設定の単位時間(N)が経過したかを判断し(S416)、設定の単位時間が経過しなかったら、前記の過程(S412〜S415)を繰り返して各行別に最大温度と最小温度の間の温度偏差をさらに獲得し、獲得された温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納する。
このような過程を設定の単位時間(N)のうちに繰り返し遂行する。
中央処理部190は、設定の単位時間が経過すれば(S416)、繰り返し獲得された温度偏差をメモリ130から読み取って温度偏差の平均値を計算し(S417)、計算された偏差平均値と予め設定された基準値を互いに比較して各行別に凝固シェル81のクラック有無を診断するようになる(S418)。ここで、中央処理部190は、温度偏差の平均値が基準値以上の場合には、凝固シェル81でクラックが発生したと診断する。
前記において、中央処理部190は、設定の単位時間内で計算された任意の行の偏差平均値を図28のように表示部150に時間軸に対して示すこともできる。
図28において、y軸は任意の行の偏差平均値で、基準値が“15”に設定されていれば、中央処理部190は偏差平均値が“15”を超える場合にモールド30内の凝固シェル81に縦割れが発生したと診断する。ここで、基準値は、温度感知手段111が設置された各行別に違うことができる。
本発明によるクラック診断アルゴリズムは、クラックが各行別に発生する場合に検出性能が相対的にすぐれた方式である。
図29は図25の他の実施例による凝固シェルのクラック診断過程を示すフローチャートである。添付図面に基づいて詳細に説明する。
連続鋳造工程が行われているうち、中央処理部190は、設定の温度測定時間になれば、温度感知部110によってモールドに行列状に配置されたそれぞれの温度感知手段からモールド温度を実時間で検出する(S421〜S423)。ここで、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段112に対する識別情報を温度情報とともに中央処理部190に伝達し、中央処理部190は、伝達された識別情報から温度情報がどの行に属する温度であるかが分かる。
ついで、中央処理部190は、検出されたモールド温度の中で、各行別に最大温度と最小温度を抽出した後、抽出された最大温度と最小温度の間の温度偏差を計算し、計算された温度偏差を測定時間情報とともにメモリに一時格納する(S424、S425)。この際、中央処理部190は、計算された温度偏差を表示部150に時間軸に対して表示させることもできる。
ついで、中央処理部190は、設定の単位時間(N)が経過したかを判断し(S426)、設定の単位時間が経過しなかったら、前記の過程(S422〜S425)を繰り返して各行別に最大温度と最小温度の間の温度偏差をさらに獲得し、獲得された温度偏差を測定時間情報とともにメモリ130に一時格納する。
このような過程を設定の単位時間(N)のうちに繰り返し遂行する。
中央処理部190は、設定の単位時間が経過すれば(S426)、繰り返し獲得された温度偏差をメモリ130から読み取って温度偏差の平均値を計算し、計算された偏差平均値をメモリ130に一時格納する(S427)。
ついで、中央処理部190は、設定の単位要素時間(Te)が経過したかを判断し(S428)、単位要素時間(Te)が経過しなかったら、前記過程(S422〜S427)を繰り返し行って温度偏差の平均値を繰り返し収集する。ここで、中央処理部190は、設定の単位要素時間内で獲得された各行別偏差平均値を図30のように表示部150に時間軸に対して示すこともできる。
中央処理部190は、前記偏差平均値を単位要素時間(Te)のうちに収集し、もし単位要素時間(Te)が経過すれば、収集された偏差平均値の最大値(Tmax)と最小値(Tmin)をそれぞれ抽出し、抽出された最大値から最小値を引き算して最大変動幅を計算する(S429)。ついで、中央処理部190は、引き算された最大変動幅と予め設定された基準値を互いに比較して凝固シェル81のクラック有無を診断する(S430)。ここで、中央処理部190は、温度偏差の最大変動幅が基準値以上の場合には、凝固シェル81でクラックが発生したと診断する。
図30で、y軸は任意の行に対する単位時間(N)当たり計算された偏差平均値(LPI)で、縦割れ発生可能指数(LPI;longitudinal Probability Index)であり、x軸は時間軸である。一般に、モールド30から引き出される連鋳片80の長さは1分(min)当たり0.9m〜2.3m程度となることができる。これに基づき、単位要素時間(Te)は15sec〜180secの範囲で設定することができる。ここで、単位要素時間(Te)が15sec以下であれば、大きなクラックを検出することができなく、単位要素時間(Te)が180sec以上であれば、クラックと無関係な温度偏差が発生することができるため、正確性が落ちることができる。
前記において、設定の単位時間(N)と単位要素時間(Te)は互いに異なる基準の情報であり、単位要素時間(Te)が設定の単位時間(N)より大きな値に設定される。
このように、本発明においては、連続鋳造工程で生産される凝固シェルの温度偏差に基づいて縦割れを診断することで、縦割れが発生した場合にだけスラブの表面にスカーフィング(scarfing)を実施してスラブに対する訂正費用(補修費用)を節減することができる。特に、本発明においては、第2グループに位置する温度感知手段で発生するクラックをより正確に検出することができる。
図31は本発明の第5実施例によるモールド内の凝固シェルのクラック診断装置を示す図で、クラック診断装置100は、温度感知部110、メモリ130、表示部150、入力部170、及び中央処理部190を含む。
温度感知部110は、モールド長辺31に行列(matrix)状に配置された複数の温度感知手段111、112を含む。複数の温度感知手段111、112がモールド30に配置されることにより、連続鋳造工程が行われているうちにモールド30の温度を実時間で感知する。モールド30の温度はモールド内側に存在する凝固シェル81の温度と同一であると見なす。
ここで、それぞれの温度感知手段111、112はモールド30に配置された領域を識別するための識別情報を持つ。よって、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段111、112によってモールド30の温度が感知されれば、感知された温度情報を中央処理部170に伝達する。
ここで、温度感知部110のそれぞれの温度感知手段111、112は、図32に示すように、モールド長辺31に行列(matrix)状に埋設されて配置される。温度感知手段111、112は、熱電対(thermocouple)と温度感知センサーのいずれか一つでなることができる。
モールド30に配置される複数の温度感知手段111、112は、クラック発生可能領域を基準に第1グループ101と第2グループ102に分けられる。一般に、クラックはモールド長辺31の中央部で発生する。図示のように、前記第2グループ102に属する温度感知手段112はモールド30の中央部に配置され、第1グループ101に属する温度感知手段111はモールド30の両側端に配置される。前記第1グループ101はクラックが発生しない領域に配置された少なくとも一つ以上の温度感知手段111を含み、前記第2グループ102はクラックが発生する領域に配置された少なくとも一つ以上の温度感知手段112を含む。本発明の実施例においては、各行別に第1グループ101の温度感知手段111が六つであり、第2グループ102の温度感知手段112が三つである場合を示しているが、温度感知手段111、112の個数は必要によって変更が可能である。そして、必要によって第2グループ102の温度感知手段112だけモールド30に設置されることもできる。
ここで、第2グループ102に属する温度感知手段112はモールド30の中央垂直線(a)を基準として両側にモールド30の幅に対してそれぞれ15%範囲内に位置する。すなわち、第2グループ102はモールド長辺31の中央部に位置し、長辺31の幅を基準に30%程度の領域(b)を占める。
図32においては、複数の温度感知手段111、112がモールド長辺31の全体に配置されたものを示すが、必要によって第2グループ102の温度感知手段112だけ設置されるかあるいは温度感知手段111、112がモールド長辺31の上部、下部または中央部に選択的に配置されることもできる。もちろん、温度感知手段111、112がモールド長辺31の全体に配置される場合、クラック検出の正確性が向上することができる。
メモリ130には、モールド30の温度検出のための周期、測定単位時間、クラック発生判断のための基準値、及び各種制御プログラムなどが格納される。
表示部150は、第2グループ102のそれぞれの温度感知手段によって収集した測定温度またはそれぞれの温度感知手段別の温度下落直前の最大温度と温度下落時の最小温度の間の温度偏差を時間軸に対して表示することができる。表示部150は、温度偏差の変化量をグラフで表示することができる。
入力部170は、外部から各種動作命令や設定値を受けて中央処理部190に伝達するように構成されている。
中央処理部190は、設定の単位時間のうちに前記第2グループ102に属するそれぞれの温度感知手段112によってモールドの温度を収集し、収集されたモールド温度からそれぞれの温度感知手段112別に温度下落直前の最大温度と温度下落時の最小温度の間の温度偏差を計算し、計算された温度偏差の中で最大温度偏差を用いてモールド内の凝固シェルのクラック発生を診断する。前記において、モールド温度は第2グループ102の温度感知手段112によって収集される。
例えば、図32のように、温度感知手段111、112はN(行)×9(列)のマトリックス状に配列されることができるが、中央処理部はモールド30の中央垂直線(a)を基準として両側にモールド30の幅に対してそれぞれ15%範囲内に位置する第2グループ102の温度感知手段112によってモールドの温度を収集する。
すなわち、中央処理部190は、設定の単位時間のうちに周期的にモールド長辺31の4列、5列及び6列に配置された温度感知手段112から感知された温度情報を収集してメモリに格納する。設定の単位時間が経過すれば、中央処理部190は収集されたモールド温度からそれぞれの温度感知手段112別に温度下落直前の最大温度と温度下落時の最小温度の間の温度偏差を計算し、計算された温度偏差の中で最大温度偏差と予め設定された基準値を互いに比較して各列の凝固シェル81のクラック有無を診断する。
前記中央処理部190は、機能的に温度収集部191−2、偏差計算部193−2及びクラック判断部195を含んでなることができる。
温度収集部191−2は、設定の単位時間のうちに、周期的に前記第2グループ102に属する温度感知手段112によって測定されたモールド温度を収集してメモリ130に格納する。
偏差計算部193−2は、収集された温度からそれぞれの温度感知手段別の温度下落直前の最大温度と温度下落時の最小温度の間の温度偏差を計算する。もちろん、偏差計算部193−2は計算された温度感知手段別温度偏差をメモリ130に一時的に格納する。
クラック判断部195は、前記偏差計算部193−2によって計算された温度偏差の中でそれぞれの温度感知手段別の最大温度偏差と予め設定された基準値を互いに比較してそれぞれの温度感知手段112に対応する凝固シェルのクラック有無を診断する。
前記において、中央処理部190は、クラック判断部193によって計算されたそれぞれの温度感知手段112別に温度偏差を表示部150に表示させることもできる。
一般に、モールド30から引き出される連鋳片80の長さは1分(min)当たり0.9m〜2.3m程度となることができる。これに基づき、単位時間(Te)は15sec〜180secの範囲で設定することができる。ここで、単位時間(Te)が15sec以下であれば、大きなクラックを検出することができなく、単位時間(Te)が180sec以上であれば、クラックと無関係な温度偏差が発生することができるため、正確性が落ちることができる。本発明のクラック診断システムの場合、鋳速やモールドパウダーの種類及びモールドの冷却量などの鋳造条件が変わらない時間以内で作動することが好ましい。
図33は図31の実施例による凝固シェルのクラック診断過程を示すフローチャートである。添付図面に基づいて詳細に説明する。
連続鋳造工程が行われているうち、中央処理部190は、設定の温度測定時間になれば温度感知部110によってモールド温度を実時間で検出する(S511〜S513)。ここで、第2グループに属するそれぞれの温度感知手段112は配置された領域でのモールド温度を実時間で感知して温度感知部を介して中央処理部190に伝達する。この際、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段112に対する識別情報を温度情報とともに中央処理部190に伝達する。
前記において、第2グループ102の温度感知手段112は、クラック発生可能領域を基準にクラックが発生するモールド長辺31の中央部に配置され、モールド30の中央垂直線を基準として両側にモールド30の幅に対してそれぞれ15%範囲内に位置する。図7に示すように、モールド30の温度は位置によって違い、特にモールド30の中央部である第2グループ102の位置で温度変化がひどく現れることが分かる。
前記のように、中央処理部190はクラックが発生する領域に存在する第2グループ102の温度感知手段112の温度情報を周期的に繰り返し収集して時間情報とともにメモリ130に格納する。
ついで、中央処理部190は、設定の単位時間が経過したかを判断し(S515)、設定の単位時間が経過しなかったら、前記の過程(S512〜S514)を繰り返してモールド温度を収集する。前記において、単位時間は15sec〜180secの範囲で設定することができる。ここで、中央処理部190は、設定の単位時間内で計算されたそれぞれの温度感知手段112の測定温度を図34のように表示部150に時間軸に対して示すことができる。
中央処理部190は、設定の単位時間(Te)が経過すれば(S515)、メモリ130に格納されたモールド温度を用いてそれぞれの温度感知手段112別に、図34のように、温度下落直前の最大温度(Tmax)と温度下落時の最小温度(Tmin)の間の温度偏差(DT)をそれぞれ計算するようになる。よって、計算された温度偏差(DT)は温度感知手段112別に多数となる。
ついで、中央処理部190は、計算された温度偏差から、それぞれの温度感知手段112別に最大温度偏差をそれぞれ抽出し、抽出された最大温度偏差と予め設定された基準値をそれぞれ比較してそれぞれの温度感知手段112に対応する凝固シェルのクラック有無を図35のように判断するようになる。
もし、第2グループ102に位置する温度感知手段1−4〜3−6の中で、第2温度感知手段1−5によって獲得されたモールド温度の最大温度偏差が基準値を超える場合、中央処理部190は、図35に示すように、第2温度感知手段1−5に対応する凝固シェルで縦割れが発生したと判断する。ここで、基準値は温度感知手段112のそれぞれの行及び列別に違うことができる。
このようなクラック診断アルゴリズムは、図35のように、クラックが第2グループ102の各温度感知センサー112側に発生する場合にクラック検出性能が相対的にすぐれた方式である。
このように、本発明においては、連続鋳造工程で生産される凝固シェルの温度偏差に基づいて縦割れを診断することで、縦割れが発生した場合にだけスラブの表面にスカーフィング(scarfing)を実施してスラブに対する訂正費用(補修費用)を節減することができる。特に、本発明においては、第2グループに位置する温度感知手段で発生するクラックをより正確に検出することができる。
図36は本発明の第6実施例によるモールド内の凝固シェルのクラック診断装置を示す図で、クラック診断装置100は、温度感知部110、メモリ130、表示部150、入力部170、及び中央処理部190を含む。
温度感知部110は、モールド長辺31の中央部102に行列(matrix)状に配置された複数の温度感知手段111を含む。複数の温度感知手段111がモールド30に配置されることにより、連続鋳造工程が行われているうちにモールド30の温度を実時間で感知する。モールド30の温度はモールド内側に存在する凝固シェル81の温度と同一であると見なす。
ここで、それぞれの温度感知手段111はモールド30に配置された領域を識別するための識別情報を持つ。よって、温度感知部110は、それぞれの温度感知手段111によってモールド30の温度が感知されれば、感知された温度情報を中央処理部190に伝達する。
ここで、温度感知部110のそれぞれの温度感知手段111は、図37に示すように、モールド長辺31の中央部102に行列(matrix)状であるN(行)×3(列)で埋設されて配置される。温度感知手段111は熱電対(thermocouple)と温度感知手段111のいずれか一つでなることができる。
モールド30に配置される複数の温度感知手段111はモールド内凝固シェルのクラック発生可能領域に設置される。一般に、クラックはモールド長辺31の中央部102で発生する。本発明の実施例においては、各行別に温度感知手段111が三つである場合を示しているが、温度感知手段111の個数は必要によって変更が可能である。
ここで、モールド30の中央部102に設置された温度感知手段111は、モールド30の中央垂直線(a)を基準として両側にモールド30の幅に対してそれぞれ15%範囲内に位置する。すなわち、温度感知手段111はモールド長辺31の中央部102に位置し、長辺31の幅を基準に30%程度の領域(b)を占める。
図37には複数の温度感知手段111がモールド長辺31の中央部102の全体に配置されたものを示すが、必要によって温度感知手段111はモールド長辺31の上部、下部または中央部102に選択的に配置されることもできる。もちろん、温度感知手段111がモールド長辺31の中央部102全体に配置される場合、クラック検出の正確性が向上することができる。
メモリ130には、モールド30の温度検出のための周期とクラック発生判断のための基準値、鋳造条件、基準条件、温度感知手段111別に測定温度と時刻及び各種制御プログラムなどが格納される。
表示部150は、第2グループ102のそれぞれの温度感知手段111によって収集した測定温度またはそれぞれの温度感知手段111別に温度下落直前の最大温度と温度下落時の最小温度の間の温度偏差を時間軸に対して表示することができる。表示部150は温度偏差の変化量をグラフで表示することができる。
入力部170は、外部から各種動作命令や設定値を受けて中央処理部190に伝達するように構成されている。
中央処理部190は、温度感知部110によってモールドの温度を収集し、収集されたモールド温度から、それぞれの温度感知手段111別に温度下落直前の最大温度と温度下落時の最小温度の間の温度偏差が予め設定された基準値以上の場合、最大温度と最小温度時の時刻情報を温度感知手段111別に格納し、格納された時刻情報の中で同一列に属する温度感知手段111の時刻情報を用いてモールド内の凝固シェルのクラック発生を診断する。
すなわち、中央処理部190は、クラック発生を診断するとき、同一列に属する少なくとも2以上の温度感知手段111の時刻情報を用いるようになる。中央処理部190は、同一列に属する温度感知手段111の時刻情報を用いて温度偏差の行間移動時間を計算し、計算された移動時間が設定の基準条件範囲内に属するかどうかを判断して凝固シェルのクラック発生有無を診断するようになる。
前記中央処理部190は、機能的に、偏差計算部191、基準値比較部193−3及びクラック判断部195を含んでなることができる。
偏差計算部191は、温度感知部110によってモールドの温度を実時間で収集して時刻情報とともにメモリ130に格納し、格納されたモールド温度の中でそれぞれの温度感知手段111別に温度下落直前の最大温度と温度下落時の最小温度の間の温度偏差を計算する。もちろん、偏差計算部191は、計算された温度感知手段111別に温度偏差をメモリ130に一時的に格納する。
基準値比較部193−3は、前記で計算された温度偏差と設定の基準値を比較し、温度偏差が基準値を超える場合、該当の温度感知手段111の温度下落直前の最大温度と温度下落時の最小温度時の時刻情報を温度感知手段111別にメモリ130に格納する。
クラック判断部195は、前記同一列に属する温度感知手段111の時刻情報を用いて温度偏差の行間移動時間を計算し、計算された移動時間が設定の基準条件範囲内に属するかどうかを判断して凝固シェルのクラック発生有無を診断する。
前記において、基準条件は温度感知手段111の行間配置間隔を鋳造速度で割った時間を含み、温度感知手段111の行間配置間隔を鋳造速度で割った後、設定のオフセット時間を引き算した第1基準値と、温度感知手段111の行間配置間隔を鋳造速度で割った後、設定のオフセット時間を加算した第2基準値とを含むことができる。この際、中央処理部190は、計算された行間移動時間が第1基準値と第2基準値の間に属する場合、クラックが発生したと診断するようになる。
ここで、一般に、モールド内連鋳片が10sec当たり少なくとも15cm程度が移動すると仮定すると、オフセット時間は1sec〜2secの範囲で設定することができ、前記基準値は8〜12℃範囲で設定することができる。前記において、鋳速が1分(min)当たり0.9mより速い場合、オフセット時間は増減することもできる。また、モールド30の温度が変動することができるが、通常に湯面高が変わるかあるいはモールドパウダーの流入によって少しずつ変わるようになる。基準値が8℃より小さな場合は前記のような通常的な変動の場合あり、8℃より大きい場合は凝固シェル81の欠陷が発生する可能性が高いと判断することができる。基準値があまり高く設定される場合、凝固シェルのクラックを正確に検出することができないため、基準値は8〜12℃の間で設定されることが好ましい。もちろん、基準値は設備によって変更されることもできる。
本発明のクラック診断システムの場合、温度感知手段111の行別間隔や鋳速、モールドパウダーの種類及びモールドの冷却数量などの鋳造条件が変わらない時間以内で作動することが好ましい。
図38は図36の実施例による凝固シェルのクラック診断過程を示すフローチャートである。添付図面に基づいて詳細に説明する。
連続鋳造工程が行われているうち、中央処理部190は、設定の温度測定時間になれば、温度感知部110によってモールド温度を実時間で検出してメモリに格納する(S611、S612)。ここで、それぞれの温度感知手段111は、配置された領域でのモールド温度を実時間で感知して温度感知部を介して中央処理部190に伝達する。この際、温度感知部110はそれぞれの温度感知手段111に対する識別情報を温度情報とともに中央処理部190に伝達する。
前記において、温度感知手段111はクラック発生可能領域を基準にクラックが発生するモールド長辺31の中央部102に配置され、モールド30の中央垂直線を基準として両側にモールド30の幅に対してそれぞれ15%範囲内に位置する。
前記のように、中央処理部190は、クラックが発生する領域に存在する温度感知手段111の温度情報を周期的に繰り返し収集して時間情報とともにメモリ130に格納する。ここで、中央処理部190は、それぞれの温度感知手段111の測定温度を図39のように表示部150に時間軸に対して示すことができる。
ついで、中央処理部190は、一定時間が経過すれば、メモリ130に格納されたモールド温度を用いてそれぞれの温度感知手段111別に、図39のように、温度下落直前の最大温度(Tmax)と温度下落時の最小温度(Tmin)の間の温度偏差(DT)をそれぞれ計算するようになる(S613)。よって、計算された温度偏差(DT)は温度感知手段111別に少なくとも一つ以上となるである。
中央処理部190は、前記で計算された温度偏差(DT)と設定の基準値を互いに比較して温度偏差(DT)が基準値を超えるかどうかを判断し(S614)、温度偏差が基準値を超える場合には、該当の温度感知手段111の温度下落直前の最大温度(Tmax)時の時刻と温度下落時の最小温度(Tmin)時の時刻を温度感知手段111の情報とともにメモリ130に格納するようになる(S615)。前記基準値は8〜12℃範囲で設定することができる。
ついで、中央処理部190は、収集された温度感知手段111別にすべてのモールド温度に対する温度偏差計算とその温度偏差の基準値超過有無に対する判断が完了したかをチェックした後(S616)、完了しなかったら、次温度感知手段111に対する温度偏差を継続的に計算するようになる(S613)。
一方、前記(S614)で計算された温度偏差が設定された基準値を超えていない場合、中央処理部190は、該当の温度感知手段111でクラックが発生しないと判断する(S617)。ついで、中央処理部190は、収集された温度感知手段111別にすべてのモールド温度に対する温度偏差計算とその温度偏差の基準値超過有無に対する判断が完了したかをチェックした後(S618)、完了しなかったら、次温度感知手段111に対する温度偏差を継続的に計算するようになる(S613)。
前記(S616)ですべてのモールド温度に対する温度偏差計算とその温度偏差の基準値超過有無に対する判断が完了したら、中央処理部190は同一列に属する温度感知手段111の時刻情報を抽出する(S619)。中央処理部190は、同一列に属する温度感知手段111の時刻情報を用いて温度偏差の行間移動時間を計算し(S620)、計算された移動時間が設定の基準条件範囲内に属するかどうかを判断して凝固シェルのクラック発生有無を診断するようになる(S621)。
ここで、前記基準条件は、温度感知手段111の行間配置間隔を鋳造速度で割った時間を含むことができる。具体的に、基準条件は、下記の関係式1のように温度感知手段111の行間配置間隔(Dn)を鋳造速度(Vc)で割った後、設定のオフセット時間(β)を引き算した第1基準値
、及び温度感知手段111の行間配置間隔(Dn)を鋳造速度(Vc)で割った後、設定のオフセット時間(β)を加算した第2基準値
を含む。前記において、オフセット時間(β)は鋳速に鑑みて1sec〜2secとなることができる。
すなわち、中央処理部190は計算された行間移動時間
が下記の関係式1による基準条件に属するかどうかを計算してクラック発生有無を診断するようになり、計算された行間移動時間が第1基準値
と第2基準値
の間に属する場合にクラック発生と診断する。
ただ、Dnはn行の温度感知手段とn−1行の温度感知手段の配置間隔、Vcは鋳造速度、t(n)maxはn行の温度下落直前の最大温度(Tmax)での時刻、t(n−1)maxはn−1行の温度下落直前の最大温度(Tmax)での時刻、t(n)minはn行の温度下落時の最小温度(Tmin)での時刻、t(n−1)minはn−1行の温度下落時の最小温度(Tmin)での時刻、βは設定のオフセット時間である。
ここで、一般に、モールド内連鋳片が10sec当たり少なくとも15cm程度移動すると仮定すると、オフセット時間は1sec〜2secの範囲で設定することができる。もし、鋳速が1分(min)当たり0.9mより速い場合または行間温度感知手段111の間隔などが変わればオフセット時間も増減することができる。
図40〜図42は2列でクラックが発生した場合を示す図である。図40のように、1行2列の温度感知手段1−2でクラックが発生し、発生したクラックが時間につれて、図41及び図42のように、2行2列の温度感知手段2−2及び3行2列の温度感知手段3−2に移動する場合をそれぞれ示すものである。
このように、1行2列でクラックが発生する場合、図43のように、1行2列の温度感知手段1−2によって獲得された温度偏差(温度下落直前の最大温度(Tmax)と温度下落時の最小温度(Tmin))が時間につれて2行2列の温度感知手段2−2及び3行2列の温度感知手段3−2でも一定の時間差を置いて連続して現れるであろう。
すなわち、計算された行間移動時間が下記の関係式2による基準条件に属するかどうかを計算してクラック発生有無を診断するようになる。計算されたそれぞれの行間移動時間
が第1基準値
と第2基準値
の間にいずれも属する場合にクラック発生と診断する。
ただ、D1は1行の温度感知手段と2行の温度感知手段の間隔、D2は2行の温度感知手段と3行の温度感知手段の間隔、Vcは鋳造速度、t(1)maxは1行の温度下落直前の最大温度(Tmax)での時刻、t(2)maxは2行の温度下落直前の最大温度(Tmax)での時刻、t(3)maxは3行の温度下落直前の最大温度(Tmax)での時刻、t(1)minは1行の温度下落時の最小温度(Tmin)での時刻、t(2)minは2行の温度下落時の最小温度(Tmin)での時刻、t(3)minは3行の温度下落時の最小温度(Tmin)での時刻、βは設定のオフセット時間である。
したがって、中央処理部190は、それぞれの温度感知手段111によって獲得された温度下落直前の最大温度(Tmax)と温度下落時の最小温度(Tmin)の温度偏差が基準値を超え、前記関係式2の基準条件を満足すれば、該当の熱でクラックが発生したと診断する。
このようなクラック診断アルゴリズムはクラックの移動を考慮したもので、図40〜図42のように、任意の温度感知手段で発生した小さなクラックが時間につれて他の行に移動する場合にクラック検出性能が相対的にすぐれた方式である。
このように、本発明においては、連続鋳造工程で生産される凝固シェルの温度偏差と凝固シェルの移動時間に基づいて縦割れを診断することにより、縦割れが発生した場合にだけスラブの表面にスカーフィング(scarfing)を実施してスラブに対する訂正費用(補修費用)を節減することができる。
前記のような本発明は好適な実施例に基づいて説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者は本発明の本質的技術範囲内で前記本発明の詳細な説明とは異なる形態の実施例を具現することができる。ここで、本発明の本質的技術範囲は特許請求範囲に開示されており、それと同等な範囲内にあるすべての相違点は本発明に含まれるものに解釈されなければならないであろう。