JP5575643B2 - 歯科部位に固定する再形成可能な装置 - Google Patents

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Description

本発明は全般的に、口腔内装置に関する。特に本発明は、なかでも予防、治療、診断、除去、および経口的なあるいは他の疾患若しくは問題の抑制を可能にする、口腔内の歯科部位に保持する口腔用装置に関する。より詳しくは、本発明は、歯の化学的および/または物理的な回復のための、歯科部位表面の化学的な処理に関する。さらに本発明は、フッ素処理のためのあるいは他の薬剤の、歯間部位や二股部分へのあるいはそこからの供給に向けられている。
虫歯(無機成分の消失、崩壊)の割合のほとんどが、(隣接し、密接する)歯の間に生じる。この面倒で近づきがたい領域は、半世紀を超える間にわたって問題の箇所と認められてきた。その取り組みは、それらを自浄式として虫歯が「影響を受けない」ように歯間表面を削ること(Mjor, I. A. Quintessence Int.29: 600-602, 1998)から、患者の細心の対応および滑らかな表面を必要とする歯間フロッシングに及んでいる。フッ化物(米国特許4,638,823号)および他の薬剤をデンタルフロスに含めること(米国特許第5,875,799号)や、他の電気的な(米国特許第5,579,786号)あるいは機械的および化学的な装置は、隣接歯間の虫歯を大幅に減少させるようには見えない。これにより、これらの制約および歯間フロッシングの短所を解決する技術あるいは装置を開発する必要がある。
変色や敏感性といった他の問題ばかりでなく、虫歯や病変をも化学的に予防しあるいは治療する様々な手段が、本発明の発明者によって、米国特許第7,118,376号およびその係属中の一部継続出願、米国特許公開第2005−0175959号に記載されている。なお、参照されている公開公報を含め、それらの内容の全体がこの参照によって本願明細書に組み込まれるものとする。
本発明の発明者らは、所定の口腔内作用を行う少なくとも一つの材料を口腔内隣接歯間部位における少なくとも1つの歯科部位表面に制御して供給するシステムを、米国特許第7,118,376号に記載している。このシステムは、上述した材料を含む高分子マトリックスを備えている。このシステムは、隣接歯間部位に挿入して物理的に固定するのに十分に柔軟であり、かつ隣接歯間部位において、必要な時間および所定の時間にわたって機械的な一体性を維持するのに十分なだけ丈夫である。隣接歯間部位は、米国特許第7,118,376号において、歯科部位表面と隣接する歯科部位表面の間の接触領域およびその周囲の表面として定義されている。係属中の米国特許一部継続出願、米国特許公開第2005−0175959号は、少なくとも1つのマトリックスの所定の部分を、1つ、2つあるいは複数の制御されたパターンで隣接歯間部位に送達することを開示している。特殊なC字形の経口的保持装置は、本願の出願人の米国デザイン特許第553,245号公報に記載されている。
しかしながら、米国特許第7,118,376号およびその係属中の米国特許一部継続出願、米国特許公開第2005−0175959号に記載されているシステムは、歯茎および歯周部の疾患あるいは口腔および消化器系に関連する総合的な全身治療あるいは予防に焦点を合わせたものではない。さらにそれらは、健康なあるいは病的な状態にある歯列や歯茎および歯周組織の繊細な解剖学上の微妙な差異には関連していない。
隣接歯間空洞の修復、例えば歯を充填する手技は、圧縮された充填材料が歯の所定位置にしばらくの間保持されることを必要とする。金属、プラスチックあるいは他の適切な材料製の薄い柔軟なストリップは、歯マトリックスバンド(あるいはバンド、マトリックス)として公知であるが、充填物を配置する間に修復する歯の側面に典型的に巻き付けられて充填物を所定の場所に保持した後、充填物が変形しあるいは所望の歯の輪郭から流出することを防止する。これにより、マトリックスバンドはテンプレートとして作用し、充填材料による失われた歯の輪郭の再建を容易にする。多くの場合、修復する歯に密接するようにバンドを付勢するべく、バンドと隣接する歯の間の歯間腔に嵌り込む小さな楔が用いられ、これによってバンドが所定の位置に適切に支持されることを確実にする。隣接歯間部位の解剖学的ニュアンスに精巧に調製されて楔の必要性を限定しかつ回避する保持装置が、歯肉の侵食および/または損傷を生じさせることなしに、あるいは少なくともそのような損傷を制限しつつ隣接歯間部位へのマトリックスバンドの適切な設置を容易にする。
加えて、失われた歯輪郭の充填材料による再建を容易にするべくそれ自身がテンプレートとして作用する保持装置は、時間を減少させかつ手技の効率を最大にして、そのような手技に伴なう経費を最小化する。
したがって、本発明の目的は、歯科部位に物理的に固定する保持装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、所望のあるいは所定の口腔内作用を行う少なくとも1つの薬剤を、口腔内の少なくとも1つの所望の歯科部位表面にあるいは口腔内に放出する、従来技術の短所を克服した、歯科部位に物理的に固定する再形成可能な装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、特に隣接歯間部位および二股部分の解剖学的領域に向けられた、そのような装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、複数の装置を口腔内に固定するためのシステムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、歯および軟い組織の表面輪郭にしたがって構成される、そのような装置を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、活性物質のための支持体として少なくとも1つのマトリックスを用いる、そのような装置を提供することにある。
本発明の追加の目的は、活性物質のためのマトリックスが生体分解可能であり、再吸収可能であり、あるいは再吸収可能ではない、そのような装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、典型的に、マトリックスから表面および/または口腔への必要な量の活性物質の制御されあるいは継続した供給を可能とするのに十分な、少なくとも所定の時間にわたる、特に歯科部位における物理的な固定に適応したそのような装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、装置の物理的な固定が、マトリックスの物理的性質、特に歯科部位に装着した後における口腔内での水分補給によって軟化しその位置において膨張する親水性ポリマを含むマトリックスによる、そのような装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、一方ではマトリックスを収容してそれを歯科部位に位置合わせするように構成され、他方ではその形状、構造およびそれが作られている材料の形状および弾力性/反発力によって、その部位に固定するように構成された、そのような装置を提供することにある。特にそのような構成には、マトリックスを歯間に配置するときの重要な基準である、マトリックス材料の十分な弾力性および耐久性が含まれる。
他の目的は、その装置が、隣接歯間部位への挿入のために十分に柔軟であり、かつそこにおける機械的な一体性を保持するのに十分な耐久性があり、さらにその除去、吸収、生体内吸収あるいは生体内分解の前に、口腔内における不快感の源とならないように十分に柔らかい、そのようなシステムを提供することにある。
本発明の他の目的は、歯科部位において所望の作用、なかでもクリーニング、予防、治療、診断、美容上の治療(ホワイトニング/ブリーチング、および口/呼吸をフレッシュにすること)、修復あるいは義歯による歯面または歯の境界部分における虫歯あるいは結石(歯石)の除去若しくは抑制を可能とし、あるいは歯茎あるいは歯周部の疾患の治療する、複数の化学的および他の薬剤のいずれか1つあるいはその組合せを提供することにある。
本発明の他の目的は、単一の歯列弓の一部あるいは全体にフィットするように形成されたシステムを提供することにある。
本発明の他の目的は、その内部あるいは消化管内における所望のあるいは所定の作用のために、または体内への生体吸収のために唾液内に化学薬剤を放出するように設計された、そのような装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、少なくとも一つの付着剤を含む、そのような装置を提供することにある。本発明の他の目的は、口腔内に存在する少なくとも1つの要素あるいは分子をマトリックスの物理的あるいは化学的な性質によって選択的に排除する、特殊な、管理された局所環境におけるそのような装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、少なくとも1つの成分、分子あるいは薬剤の歯科部位への供給を最適化する、特殊な、管理された局所環境内におけるそのような装置を提供することにある。上述した成分、分子あるいは薬剤は、装置による外来性と、あるいは例えば唾液から直接的にあるいは間接的といったように内因性とすることができる。
本発明の他の目的は、適切あるいは最適な時間、段階、方法あるいは形態で少なくとも1つの薬剤を供給するべく、単一位相の放出制御パターンあるいは2つ若しくは複数位相の放出制御パターンを提供する、少なくとも1つのマトリックスを用いたそのようなシステムを提供することにある。
本発明の他の目的は、単一位相、2つの位相若しくは複数の位相の放出制御システムを提供するべく、2つの層あるいは複数の層または2つあるいは複数配置された少なくとも1つのマトリックスを用いる、そのようなシステムを提供することにある。
本発明の他の目的は、少なくとも1つの薬剤を適切あるいは最適な時間、段階、方法若しくは形態で供給するべく、阻害性のような化学的手段あるいは物理的な分離によって、活性物質あるいは材料を不活性に保つ、少なくとも一つのマトリックスを用いたそのようなシステムを提供することにある。
本発明の別の目的は、少なくとも1つの空洞を修復するべく、少なくとも1つのマトリックスバンドの隣接歯間部位への固定を容易にするように装置を構成することにある。
本発明の別の目的は、少なくとも1つの隣接歯間空洞の修復を可能とするべく、装置自体を物理的にあるいは化学的に構成することにある。
本発明の追加の目的および利点は、説明が進むに連れて明らかとなる。
本発明は、第1の態様においては、所定の口腔内作用を行う少なくとも1つの材料の制御された供給を歯科部位に行うために、歯科部位に挿入されて隣接する歯科部位表面に接触する再形成可能な保持装置である。この保持装置は、前記材料を含む少なくとも1つのマトリックスを備えるとともに、この保持装置を歯科部位に挿入するには大きすぎる第1の形状と、この保持装置を歯科部位に挿入可能な第2の形状とを有することによって特徴づけられる。この保持装置の第2の形状は、第1の形状にあるときにこの装置を再形成することにより形成されるとともに、歯科部位における歯科部位表面の輪郭に対応する所定の形状を有することによって特徴づけられる。
本発明の保持装置は、少なくとも1つのマトリックスに含まれる材料のうち所定の部分の歯科部位への供給に関連する少なくとも所定の時間にわたってその内部に挿入するべく、歯科部位に物理的に固定されるように構成される。少なくとも1つのマトリックスに含まれている材料のうち所定の部分は、制御されたパターン、例えば単一位相パターン、2つの位相パターン、あるいは複数の位相パターンで歯科部位に供給できる。
本発明の保持装置の実施形態は、歯科部位への保持を容易にする翼状部材を備える。この装置の実施形態は、装置を曲げるべき部位においてその曲げを容易にする手段を備える。曲げを容易にする手段は、凹みを付けた曲げ線、孔を明けた曲げ線、曲げ線に沿った物理的な指示マーク、および曲げ線に沿った化学的に処理された指示マークからなるグループのうちのいずれか1つとすることができる。
本発明の保持装置の実施形態において、少なくとも1つのマトリックスは、親水性ポリマーを含み得る高分子マトリックスである。
この装置は、歯科部位表面あるいは修復表面に少なくとも1つの薬剤を供給するが、それは歯科的な疾患を診断し、予防し、取り除き、遅らせ、治療し、あるいは回復させ、歯科部位表面をシールし、痛みを除去し、清浄化し、歯石を取り除きあるいは抑制し、ホワイトニングあるいはブリーチングを誘導し、あるいは呼吸を新鮮にするための化学的なまたは物理的な手段によって変化を促進する。
保持装置は、外側表面を具備した3次元の形状を有している。外側表面の少なくとも一部は、少なくとも1つの歯科部位表面に接触し、例えば少なくとも1つの材料を歯科部位に供給するべく構成される。保持装置の一実施形態は、隣接歯間への容易な挿入のために、好ましくは柔らく、好ましくは清浄作用をもたらしてフロッシングの代わりあるいは補助としての役割を果たし、かつ少なくとも1つの抗菌薬あるいは清浄剤および/または少なくとも1つの再石灰化あるいは石灰化薬剤を放出する。
本発明の保持装置の実施形態は、第1の外側表面および第2外側表面を具備した3次元の形状を有している。第1の外側表面の少なくとも一部は少なくとも歯科部位表面に接触するように構成され、かつ第2の外側表面の少なくとも一部は、例えば少なくとも1つの材料をその部位に供給するべく、少なくとも隣接する歯科部位表面に接触するように構成される。
保持装置の実施形態は、実質的に生体内分解、自己分解、あるいは再吸収可能である。
装置の実施形態においては、その外側部分あるいは部分が生体内分解、吸収若しくは溶解した後に、内側部分が放出されて経口的なリンスとして機能する。
保持装置の実施形態は、歯科部位への固定を可能にする弾性材料から製作される。保持装置の実施形態は、保持装置を歯科部位に密着させあるいは固定できるようにする、少なくとも一つの接着表面あるいは部分を備える。
本発明の保持装置は、少なくとも1つの薬剤を単一位相、2つの位相、あるは複数の位相の制御された放出パターンで、適切なあるいは最適な供給時間、供給段階、供給方法あるいは供給形態で供給するべく、2つの層、複数の層、2つの位置あるいは複数の位置の形態の複数のマトリックスを備えることができる。
本発明の保持装置の実施形態において、少なくとも1つのマトリックスは、可塑剤、弾性剤、着色剤、付着剤、充填剤、軟化剤、結合剤、保存あるいは殺菌のための薬剤といった活性物質の適用および放出を促進する促進剤のいずれか1つ、または抗菌剤、反プラーク薬剤、反催炎物質、抗酸化剤、湿潤薬、栄養を含む鎮痛薬または麻酔薬、結石防止剤、清浄剤、発泡剤、歯減感色素、染色剤、止血薬、収斂剤、ホワイトニングあるいはブリーチング剤、調味料あるいは甘味剤、呼吸を爽やかにするもの、あるいは感覚に作用する薬剤(sensate)といった補助的な薬剤のいずれか1つを含む。
本発明の第2の態様は、患者の虫歯をその必要に応じて予防しおよび/または治療する方法であり、a)本発明の第1の態様における保持装置を提供すること、b)第1の形状から第2の形状へと保持装置を再形成すること、c)少なくとも1つの材料の歯科部位における制御された供給のために歯科部位に保持装置を装着すること、を含む。
本発明の方法の実施形態において、前記材料は、フッ素添加剤、抗菌剤または清浄剤とすることができる。
本発明の第3の態様は、歯の顔面側の側面に位置決めするべく歯列弓の少なくともの一部の形状を具備した細長いストリップを備える保持装置のシステムである。本発明の第1の態様における少なくとも1つの保持装置は、歯科部位への挿入のためにストリップに付加される。
2つの下側臼歯、臼歯および双頭歯、前臼歯の舌側部分の立面図であって、これらの2つの歯の間のスペース(隣接あるいは密接したスペース)、歯茎の乳頭および接触領域を示す図。 図1(a)の実施形態のX−X破断線に沿った断面図であって、舌歯間歯茎乳頭部を有した双頭歯(前臼歯)、(顔の)頬側の歯間歯茎乳頭、接触領域および歯茎の鞍部を示す図。 本発明の保持装置のH字形の第1実施形態を示す図。 その中心線に沿ってピンセットの先端部分で掴まれた図2(a)の保持装置を示す図。 その中心線に沿ってピンセットで掴まれた図2(a)の保持装置の折り曲げ方向を示す図。 保持装置を折り曲げた状態で示す図。 図1(a)と同様な2つの下側臼歯の頬側の部分を示す側面図であって、ピンセットによって掴まれつつ隣接歯間に挿入される折り曲げられた保持装置を示す図。 隣接歯間に配置されている折り曲げられた保持装置を示す図。 図1(a)および図2(e)と同様な2つの下側臼歯の頬側の部分の側面図であって、歯茎および骨の後退に帰着する歯周疾患を示すとともに、大臼歯の二股部分へとピンセットで挿入される円筒状に巻かれた保持装置を示す図。 二股部分内の本来の位置に配置された、円筒状に巻かれた保持装置を示す図。 歯間歯茎乳頭の周辺における隣接歯間配置を容易にする切欠き(または凹部)、および鞍部領域を充填するとともに歯茎乳頭の外側部分に重なり合うための延長部(あるいは突起)を備えている保持装置を示す図。 非対称な鞍部領域を充填するために細長い形となっている、図4(a)と同様な保持装置を示す図。 隣接歯間部位における保持を容易にするとともに接触領域の周囲のより大きな領域へとこの装置の接触領域を増加させるためのサイドフラップ(あるいは翼状部材)を有した図4(a)の保持装置を示す図。 図4(c)および図4(d)と本質的に同様な、星形に形成された保持装置を示す図。 対称(Y−Y)形状の装置あるいは非対称(Z−Z)形状の装置を形成するためにこの装置を折り曲げ得る軸を示すC字形の保持装置の図。 2つの先端部分が解剖学的に輪郭付けされるとともに、接触領域における位置ぎめのための部分がわずか凹んでいる、上下の向きを反転させたY字形の保持装置を示す正面図。 図5(a)の実施形態のXX−XX破断線に沿った断面図。 修復が必要な遠位側空洞を双頭歯が有しているときに、臼歯と双頭歯(前臼歯)の間の元の位置にある図5(a)の装置を示す図1(a)と同様な側面図。 空洞の修復を容易にするべくY字形の保持装置によって臼歯および双頭歯(前臼歯)の間の本来の位置に支持されたマトリックスバンドを示す図1(a)と同様な側面図。 延長アームによりストリップに取り付けられた保持装置によって第1双頭歯(前臼歯)と犬歯の間にストリップを保持するべく、図4(c)に示した2つの遠位側の保持装置を有したストリップの正面(顔面側)を示す図。 図6(a)の実施形態のYY−YY破断線に沿った上面図。 歯列弓の顔面側の全体を覆う4つの保持システムを具備した長いストリップの上面図。
本発明は、請求項によって定義されるが、その内容は明細書の開示の範囲内に含まれるものとして読まれるべきであり、かつ添付の図面を参照しつつ実例として以下に説明される。
以下の明細書および請求項の全体にわたって、前後関係が必要としない限り、「備え」およびその変形例である「備える」および「備えている」という用語は、明示された完全体若しくは段階あるいは完全体若しくは段階のグループを包含するとともに、他のいかなる完全体若しくは段階あるいは完全体若しくは段階のグループを除外しないものと理解される。
本発明は、所定の口腔内作用を行う材料を、口腔内の歯科部位表面、典型的に歯の表面あるいは虫歯病変、特に隣接歯間部位あるいは二股部分に制御してあるいは継続して供給すると共に、前記材料を含むマトリックスを備えた装置に関する。マトリックスは、材料の所定の部分の歯科部位への供給に関連する少なくとも所定の時間にわたる、制御されあるいは継続する活性物質の放出に適するように構成されるとともに、歯科部位への物理的な固定に適するように構成される。この時間は、典型的に、活性物質および治療する問題の性質に応じて決まる。この時間は2、3秒であるが、その間に化学的な活性剤、電流、熱、あるいはレーザのような光線の供給源が適用される。あるいは、この時間は約4時間から約8時間継続できるが、その間、隣接歯間の虫歯の予防あるいは治療が達成され、かつ歯周部あるいは全身に必要な場合にはその時間スパンがより長いものとなる。ここで理解されるべきことは、活性物質の放出速度を決める主な要因が、単一の一様なユニット、複数の層あるいは複数の位置の形態といった高分子マトリックスの構造に加えて、マトリックス材料の化学的な性質や架橋度であるということである。これより、所望の放出速度をもたらす度合いに架橋された特殊な高分子材を用いることによって所望の放出速度を達成することができる。高度に架橋されたマトリックスは、活性材料をよりゆっくりと放出し、その逆も同じである。薬学および送達系の分野の当業者はそのような考慮すべき問題をよく理解しており、かつ多くの論文および教科書、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, Gennaro A. R. ed., Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania, 1990に記載されている。なお、その内容の全体がこの参照によって本願明細書に組み込まれる。
活性剤の放出は、単一のマトリックスの内部で、あるいは複数のマトリックスの組合せを用いることによって変化させることができる。単一マトリックスからの放出パターンを変化させる手段の多くの実施例がある。これらの実施例には、異なるタイプおよび度合いの架橋と、生体内分解に影響を与える異なる添加物(例えば抗菌剤、防腐剤、滅菌剤および酵素阻害剤)が含まれる。さらに、均一な単一薬剤の放出は、それを結合する方法あるいはマトリックス内に収容する方法によって変化させることができる。例えば、フッ化ナトリウムは、最初の放出がゆるく結合したフッ化ナトリウムであり、次の放出がよりしっかりと結合したフッ化ナトリウムであるように、2段階の方法で単一のマトリックスから放出することができる。化学的にかつ分子の大きさが異なるタイプのフッ化物、例えばフッ化ナトリウム、酸性フッ素リン酸塩、およびフッ化アミノを用いることにより、異なるパターンもまた達成することができる。他の態様では、マトリックスは、石灰化を抑制するタンパク質のようないくつかの唾液の生成物は排除するが、石灰化を容易にするカルシウム、リン酸塩およびアルギニンといった他の唾液生成物はミクロ環境に入り込むことを可能にする、半透性でミクロ環境を構築するものとすることができる。フッ化ナトリウム放出の2段階パターンは、フッ化物イオンの初期バーストを可能にしてヒドロキシアパタイトOH-基に交換して再石灰化を加速し、次いでフッ化物の解放の減少はいくつかのフッ化物、カルシウムおよびリン酸塩をマトリックスから提供することによって結晶の成長を可能にする後の2つの成分、カルシウムおよびリン酸塩は、薬剤としてマトリックスに追加し、あるいはマトリックスによって唾液から吸収させることができる。フッ化物の放出はまた、フッ化カルシウム粒の堆積を支持し、それは長期間にわたるpH感受性フッ化物の貯蔵部位となる。
放出パターンを変化させる他のアプローチは、別々の層としてあるいは複数位置に配置されたシステムの複数のマトリックスを用いることである。異なる放出パターンを生じさせることに加えて、複数のマトリックスを用いると、異なる薬剤の本来の位置への配置を保持できる。各マトリックスには、同一あるいは異なる薬剤を装填できるが、化学的なレベルおよび/または物理的なパラメータが本質的に異なるマトリックスを用いることにより、それらを異なる速度および/または段階で放出することができる。例えば、二重層の球体の外層は最初に唾液に曝されて隣接歯間のプラークおよび破片をバラバラにして除去する発泡性のクリーニングシステムを放出し、次いで内層が例えばフッ化物イオンを放出する。他の実施例は、象牙細管の有機的な内容物を取り除く次亜塩素酸塩を最初に放出し、次いで石灰化薬剤を放出するというものである(Inaba D. et al., Caries Res. 30:218-224 (1996)を参照)。さらに他の実施例は、装置が冠状領域および先端領域を備え、冠状領域がエナメルに有効な薬剤を含み、かつ先端領域がセメント質、象牙質、歯肉および/または歯周組織により有効な薬剤を含むというものである。複数層の複数段階放出システムの1つの実施例は、キチン歯舌組織を模倣するべく設計されたものであり、歯の表面を変更するために有利に用いることができる。
これらのマトリックスは、物理的な圧迫あるいは化学的な結合若しくはその両方によって、その一方が他方の上に固定された単一ユニットから構成することができる。それらはまた、第1レイヤをメッキし、次いで乾いた第1レイヤ上に第2レイヤをメッキすることによって形成することができる。
本発明は、特に口腔内空洞の内部の歯科部位に固定される保持装置に関連すると共に、歯科部位における歯科部位表面の化学的な処理あるいは歯科部位表面の化学的および/または物理的な修復に向けられている。
臼歯(11)および双頭歯(前臼歯)(12)の舌側部分の立面図を示している図1(a)、およびこの図1(a)のX−X破断線に沿った断面を示している図1(b)を参照すると、隣接歯間部位(13)は、本願明細書においては、冠状空間(19)および先端空間(10)に加えて、内側および遠位側の歯科部位表面上にある2つの歯の間の接触領域(15)と、この接触領域(15)の舌側(17)および頬側(顔面)(18)にあって接触領域(15)を囲む空間との両方を備えるものとして定義される。先端空間(10)は、舌側(141)および頬側(顔面)(142)の表面上にある歯間歯茎乳頭(141)および(142)によって先端方向の境界が定められているが、それは隣接歯間部位(13)の中央先端方向のベースであり、かつ歯間歯茎乳頭(14)にまたがっている。先端空間(10)はまた、歯(12)を囲む歯肉溝(143)を有している(Glickman I Clinical Periodontology 4th Ed Saunders pg 18-19を参照)。上述したスペースの形態およびサイズは、歯のサイズ、位置および形状によって、決まる。例えば、臼歯における接触領域は、より大きな舌歯茎乳頭(141)を生じさせる頬側の側面(18)により近く配置される。前歯の接触領域は、より大きい舌乳頭を生じさせる舌側の側面により近く配置される(Gilmore HW et al, Operative Dentistry, 3rd Ed., GV Mosby Company, pg. 25-26を参照)。さらに、恒久的な前歯間乳頭の幅は、約14mmから5mmにおよぶ恒久的な臼歯のそれより小さい。明らかに、最初の歯(乳歯)もまた、より小さい歯間乳頭幅寸法を具備している。加えて、疾患もまた形状および寸法の変動を生じさせ得る。例えば、歯周疾患は、歯茎のおよび骨の損失によって空間寸法を増加させるが、他方では歯茎の膨張によって空間は減少し得る。
ここで留意されるべきことは、一般的な文献においては、接触領域が、接触している2つの大理石のように、時には誤って接触点と称されることである。これは、多くの場合に当てはまらない。摩擦が接触を平らなものとし、かつ歯を移動させるので、臼歯においては約0.3〜1.0平方ミリーメートルの接触領域、かつ前歯および乳歯においてはより小さな接触領域に帰着するからである(Gilmore HW, et al, 同上を参照)。
歯科部位表面」という用語は、本願明細書においては、歯の任意の部分あるいは歯肉の部分、特に隣接歯間部位および二股部分を指すものとして定義される。
本願明細書に用いる「再形成する」という用語は、例えば曲げ、折りたたみ、円筒状に巻くことによって、あるいは物理的にあるいは化学的に物体を所望の形状(形)につぶすことによって、物体の全体的な寸法を減少させる行為を指す。そのため、「つぶす」、「曲げる」、「折りたたむ」、「円筒状に巻く」等の用語は、特に本発明の装置を再形成して、少なくとも一つの次元においてその装置の本来の形状(例えば、再形成する前)の寸法より小さい歯科部位の領域内にこの装置がフィットできるようにすることを指す。
本願明細書に用いる「歯科部位」という用語は、全般的に隣接歯間部位および二股部分を指す。より具体的には、本願明細書において言及する歯科部位は、少なくとも隣接する歯科部位表面の間の空間を含む。隣接歯間部位と言及すると、歯科部位は少なくとも接触領域を囲む空間の一部(例えば先端方向の空間)を含み、かついくつかの場合には接触領域を含む。
本願明細書において用いる「対応する」という用語は、その内部に嵌装されたときに歯科部位の輪郭にマッチする、あるいは歯科部位の輪郭にフィットする、あるいは歯科部位の輪郭にならう、あるいは歯科部位の輪郭と3次元的に「平行な」輪郭を有する形状を意味するものと理解されるべきであるが、それらには限定されない。
本発明によると、保持装置は、少なくとも再形成されたその形状が、この装置を固定する部位における歯科部位表面の輪郭に対応する3次元形状であることが好ましい。これらの形状の実例は、図2(f)、図4(b)および図4(d)を参照して以下に説明される。
しかるに、本発明の第1の実施態様の第1の態様は、図2(a)〜図2(f)を参照すると、保持装置(20)が活性物質を含む高分子マトリックスを備えており、かつこの第1の態様においてはH字形となっている。以下に説明するように、保持装置(20)は、歯科部位、典型的に接触領域(15)の下方に、またいくつかの場合には接触領域(15)に固定するために、歯間領域の形態や装置の剛性および手技に応じて折り畳まれる。図2(b)を参照すると、保持装置(20)は、その長手方向の中心線(あるいは折曲線(22)、図2(a)を参照)に沿って掴むことができる。保持装置(20)は硬いことがあるので(乾いているときに曲げるとひびが入るため)、ピンセット(21)は、例えば歯科設備の水の注射器によって、あるいは掴む前に水の容器に浸すことによって、その回りに折り畳みが実行される軸に沿って保持装置(20)を軟化させることができるように最初に湿らせることが好ましい。図2(c)に示したように、ピンセット(21)で保持装置(20)を掴むときには、ユーザは保持装置(20)の外側縁部を指(2)(4)で保持し、矢印(220)で示すように外側縁部を相手側に向かって折り畳むのに十分な力を負荷し、それによって、図2(d)に示したように2つのフラップ(23)(24)を形成する。好ましくは、フラップ(23)(24)の間の角度が約30度となるように、外側縁部を内側に折り畳む。しかしながら、保持装置(20)は、とりわけ隣接歯間部位の寸法に応じて30度より大きくあるいは小さく折り畳み、または円筒状に巻き、若しくは2回以上折り畳むこともできる。図2(e)および図2(f)を参照すると、折り畳まれた保持装置(20′)は、「A字形」(あるいは逆さまのV字形)の方向付けで隣接歯間部位に挿入される。隣接歯間部位に固定されると、「A字形」の頂点は隣接する歯(11)(12)の接触領域(15)の下方あるいはその位置にあり、かつ外側のフラップ(23)(24)は歯の表面の近位側および遠位側に当接する。フラップ(23)(24)の内側表面は歯肉(14)上で弓形に湾曲する。口腔内キャビティーの水分および体液を吸収すると、装置は軟化してその位置で拡大し、それによって、隣接歯間部位(13)の空間の全てあるいはほとんどを装置(20′)が埋めるようにする。
図3(a)および図3(b)は第1実施形態の第1の態様を示しているが、保持装置(20)は、ピンセットを用いて二股部分(33)に物理的に固定するべく円筒状に巻かれた形状となっている。図3bは、臼歯の二股部分(33)に物理的に固定された、円筒状に巻かれた装置HHを示している。口腔内キャビティーの水分および体液を吸収すると、装置は軟化してその位置で拡大し、それによって二股部分(33)の空間の全体あるいはそのほとんどを装置(20″)が埋めるようにする。
第1実施形態の第2の態様が図4(a)に示されているが、保持装置(42)は、隣接歯間部位の歯尖腔の輪郭に従って形付けられている。保持装置(42)は、(いくつかの場合においては、真っ直ぐなあるいは凹状の縁部が望ましいけれども)わずかに凸状の横断方向縁部(43)を有している。またその長手方向縁部(44)は、歯間歯肉乳頭を収容するための切欠き(あるいは凹部)(420)と、歯科部位表面における保持を強化するための拡張部分(あるいは突起)(422)と、鞍部領域および周囲空間を埋めるとともに保持を強化するための中央拡張部分(421)とを有している。あるいは、拡張部分(422)を除外し、延長し、あるいは短縮できるし、断面形状は真っ直ぐである必要はなく、一方または両方の表面上で凹状とすることができる。異なる歯科部位表面の解剖学的構造(例えば隣接歯間部位)に従う代わりの形状も望ましい。例えば、前方および後方の空間は、寸法および形状が互いに異なる。具体的には、後方の領域はより幅が広く、鞍部の位置は中間部にはなく、かつ頬側および舌側の歯肉乳頭の寸法は同じではない。図4(b)は、第2の態様に代わる態様を示しているが、切欠き(424)は、臼歯の歯間歯肉乳頭の解剖学的構造に従うために細長くなっている。
さらに第2の態様は、形状が異なる先端および冠状部分を有することができる。例えば、冠状部分は真っ直ぐあるいはドーム形とすることができるし、かつ先端部分は図4(a)〜図4(d)のそれのように解剖学的に形付けることができる。
図4(c)は第1の実施形態の第2の態様を示しているが、保持装置は、頬側および舌側の歯の表面に接触する翼状部材(430)を有している。代わりの構造は、隣接面部位での保持を容易にして、接地面積の周辺の保持装置の接点をより大きい領域に増やすために、翼状部材の代わりに用いられることが可能である。
図4(d)は第3の態様を示しているが、保持装置(40)は星形に形付けられていて、図4(a)に示されている実施形態と事実上類似しているが凸状の縁部に代えて凹状の縁部を有しており、かつ歯科部位への固定のために再形成することができる。図4(e)に示されている第4の態様の保持装置(41)はC字形に形付けられており、例えば対称に折り畳まれた装置を形成するためにY−Y線に沿って折り畳むことができるし、非対称に折り畳まれた装置を形成するためにZ―Z線に沿って折り畳むことができる。他の変形例(図示せず)には、少なくとも一つの平面内で延長された(すなわち引き伸ばされた)星形の装置が含まれる。
第1の実施形態の全ての態様によると、保持装置は、その折り曲げあるいは折り畳みを容易にするように設計することができる。例えば、折り曲げ線は、その全長にわたって凹ませることができるし、あるいは折り曲げ線の長さの少なくとも一部に断続的な点若しくは線において、凹ませ若しくは穴を明ける(すなわち切取線とする)こともできる。あるいは、例えば所望のフラップを形成するべくその回りに保持装置を折り畳むべき好ましい中心線を示すために、線のようなマーキングを保持装置の表面に沿って位置させることができる。この線は、折り畳みを容易にするために化学的に処理された領域の物理的な形態とすることができる。
本発明には、パレット形状(本発明の発明者らによる米国デザイン特許出願第29/234,883号を参照)のような、図示されない、あるいは本願明細書に説明されない他の態様が含まれる。さらにまた、装置の表面を平坦とし、あるいは1つ若しくは複数の表面を凹状若しくは凸状とし、あるいはそれらの形状の組合わせとすることができる。
本発明の第2の実施形態は、変更すべき点を変更しつつ第1実施形態の特徴および利点の全てを備えたものであり、図5(a)〜図5(d)に示されているが、以下の点で相違している。図面、特に図5(a)のXX−XX破断線に沿った断面である図5(b)に示されているように、保持装置(50)はY字形となっており、隣接歯間部位(図5(c))に逆さまの方向付けで挿入して固定すると、細長い部分(51)が接触領域(513)に配設され、かつ「A字形」の部分(515)が接触領域(513)の下方に配設されて、フラップ(511)、(512)が隣接する歯科部位表面と接触するようになっている。フラップ(511)(512)は、隣接歯間部位への配置のために互いの方に向かって僅かに曲がるように設計されているが、その後にフラップ(511)(512)は互いに離れて隣接する歯科部位表面を僅かに押圧し、それによって隣接歯間部位への保持装置(50)の固定を強化するようになっている。この実施形態には、上述した説明の変形例、例えば「A字形」部分(515)だけが組み込まれて細長い部分(51)がない装置が含まれる。
本発明の第2実施形態の一つの態様においては、図5(c)および図5(d)を参照すると、保持装置(50)は、適当な修復材料、例えば歯の色に着色した樹脂、ガラスイオノマあるいはアマルガムを、図5(c)に示すように単独であるいは図5(d)に示されているマトリックスバンド(55)と共に用いて空洞(54)の修復を容易にするべく、隣接歯間部位に固定するために金属あるいは合成樹脂材料から製造することができる。上述したようにフラップ(511)(512)が隣接する歯科部位表面を押すので、マトリックスバンド(55)の保持は容易なものとなる。
本発明の第3の実施形態は、変更すべき点を変更しつつ第1および第2の実施形態の特徴および利点の全てを備えたものであり、図6(a)〜図6(c)に示されているが、以下の点で相違している。第3の実施形態は、歯列弓の全体の少なくとも一部の形を有する細長いストリップ(61)に直接的に、あるいは少なくとも一つの短い若しくは長い延長腕(64)を介して取り付けられる、折り畳まれた保持装置(62)のシステムから構成されていて、複数の装置を事実上同時に歯科部位に挿入できるようになっている。図6(b)は図6(a)のYY−YY破断線に沿った断面図であり、前歯(63)の顔側の部分を覆う条片(61)を示している。図6(c)は、歯列弓の全体を構成する条片(65)の上面図である。
これらの適用は、生体分解可能、再吸収可能、あるいは再吸収可能ではない性質の装置ばかりでなく、その位置に残る、そのいかなる組合わせにも限定されないが、化学的あるいは物理的な介入といった外側の手段によって活性化されあるいは影響される装置を含む。そのような介入は、その部位に堅固な固体の装置を形成することができる。物理的な適用の実例は、二酸化炭素レーザー、Nd:YAGレーザーおよびアルゴンレーザーを用いるレーザー照射とすることができる。
本発明の装置の物理的な固定はマトリックスの物性、特に歯科部位に装着した後の口腔内における水分補給によって、その位置で軟化して膨張する親水性ポリマーから構成されマトリックスによるものである。膨張は、その寸法がその伸び(例えば20%)を実質的に上回って厚くなる(例えば250%)ように設計することができ、それによって、隣接歯間および歯の領域から過度に押し出されることはない。選択的に、この保持装置は、例えばシステムが歯科部位に付着しあるいは固定されるように、少なくとも一つの付着表面あるいは部分を備える。
また、もちろん、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その全ての変形例を含む。また、提案された技術を臨床的に適用する前に、一般的な毒性、アレルギー反応および髄質反応を調査する必要があることは当業者にとって明らかである。
本発明のシステムにおいて、活性材料によってもたらされる経口作用は、フッ素処理、再石灰化または石灰化、除痛、および/または美的治療(例えば歯のホワイトニング)といった医学的な治療、あるいは息を爽やかにするもの、抗菌剤、清浄剤、および/または他の所望する活性をもたらすものを提供することができる。
したがって、本発明のマトリックスの異なる成分は、以下の機能を有する範囲の化学薬品から構成することができる。
フッ化物による石灰化および/または再石灰化のための主要な活性剤
フッ化物を放出する薬剤および他の石灰化および再石灰化薬剤は、本発明の高分子マトリックスの内部に埋め込むことができるとともに、電極や超音波処理あるいはその位置にある装置へのレーザーの適用といった少なくとも1つの補助的な化学的あるいは物理的なステップの有無にかかわらず、制御されてあるいは持続する方法でそこから放出される。
本発明において、説明されるマトリックスは、フッ化物および/または他のイオンをもたらす、フッ素処理による石灰化および/または再石灰化のための主要な活性薬剤の少なくとも1つを含むことができるが、それらの主要な薬剤はフッ素処理薬剤と石灰化および/または再石灰化薬剤とに分けることができる。
フッ素処理薬剤
この薬剤は、公知のあるいは開発される、無機あるいは有機フッ素を含む薬学的に許容できる化学物質の1つあるいは任意の組み合わせとすることができる。これらには、以下のものが含まれるが、これらに限定されるものではない。アミンフッ化物、例えばolaflur [(N1-octadecyl-trimethylendiamine-N,N,N-Tris-(2-ethanol)-2,2'-(3-n-(2-hydroxyethyl)octadecylamino]propyliminol)dihydrofluoride]、およびdectaflur (9-octadecenylamine- hydrofluoride))、アレキシジンジヒドロフルオライド、ハイドロフルオライド、フッ化アンモニウム、フッ化カルシウム、炭酸カルシウムモノフルオロ燐酸塩、ジフルオロシラン、フルオロアルミノケイ酸塩ガラスおよびその任意の混合物、フッ化水素、フルオロポリマーB(米国特許第4,837,007号を参照)、混合塩ネイバーライト(NaMgF3)、フッ化マグネシウム、マグネシウムモノフルオロ燐酸塩、フッ化カリ、フッ化リチウム、フッ化インジウム、フッ化ジルコニウム、フッ化銅、フッ化ニッケル、フッ化パラジウム、カリウムフルオロジルコニウム酸塩、スズのフルオロジルコニウム酸塩、ナトリウムフルオロジルコニウム酸塩、アンモニウムフルオロジルコニウム酸塩、フルオロケイ酸塩フルオロジルコニウム酸塩、フルオロホウ酸塩、フルオロジルコニウム酸塩、フルオロ亜スズ酸塩、フルオロジルコニウム酸塩、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、二価第1スズヘキサフルオロジルコニウム酸塩、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、ナトリウム、リチウムあるいはカリウムモノ弗化燐酸塩フッ化ストロンチウム、および三フッ化イッテルビウム。活性石灰化薬剤は、フッ化ナトリウムおよび/またはフッ化水素とすることができる。本発明は、上述したものには限定されず、例えばCas(PO4)3Fの形態のフッ化物の取込み(米国特許第4,556,561号を参照)といったアプローチを含む。pHおよびフッ化物の塩(例えば二価第一スズ、アンモニウム、チタン、およびアミノフッ化物)のタイプの変化は、フッ化カルシウムとしてのフッ化物の異なる保持率に帰着する。例えば、フッ化アンモニウム(Jenkins, G.N. The Physiology and Biochemistry of the Mouth p. 495, 1978, Blackwell Scientific Publishingを参照)、および好ましくは0.1〜0.8%のフッ化水素および0.5〜1.5%のオルトリン酸の有無に関わらず約1〜4%のフッ化ナトリウムを含み得るチキソトロピック酸性リン酸塩フッ化物(Craig, R.G. et al Dental Materials, Properties and Manipulation p2-28, 2nd Ed 1979 CV Mosby Co.を参照)のような低pH値のフッ化物を用いることにより良好な結果が得られる。
脱灰したエナメル表面の著しい再硬化を生じさせるフッ化物露出時間は、約4時間である(Koulourides, T., Art and Science of Dental Caries Research pp. 355-378, 1968、 Poole, D.F.G. and Silverstone, L.M., Hard tissue Growth Repair and Remineralisation, pp. 35-52, Ciba Fondation Symposium No.11, Elsevier Scientific Publishing Company, 1973, Pearce E.I.F and Moore, A.J., J. Dent Res 64、416-421, 1985を参照)。明らかに、必要とされるフッ素添加の期間は、本願明細書に説明した材料あるいは装置のタイプ、そのフッ化物のタイプおよび濃度、送達の頻度および期間、他の化学的あるいは物理的な介入(例えば電流およびレーザーの適用)、および治療する表面あるいは病変の種類によって定まる。さらにまた、様々なCaF2の形態のpH制御されたフッ化物リザーバの沈着のため、効果は長期間となり得る。
フッ化物(F)の急性致死量は、33mgF/Kg体重であり、かつ長期間にわたる毒性は、0.1mgF/Kgである。したがって、フッ化物濃度範囲の決定は、使用する装置の寸法および数あるいは使用する材料の量、材料あるいは装置を適用する期間、フッ化物イオンの放出速度、および患者の体重によって管理される。したがって、濃度は約7〜0.2%の範囲となる(A guide to the use of fluorides JADA 113:504-564, 1986, prepared by the National Fluoride Task force of the NFDHを参照)。
石灰化および/または再石灰化剤
フッ化物は現在まで最も有効な再石灰化剤であるが、本発明およびその実施は、フッ化物のみには限定されず、公知のあるいは開発される任意の石灰化薬剤若しくは再石灰化薬剤あるいはその組合わせを含み、かつそれに限定することもできる。その実例は、非晶性ミネラル、結晶性ミネラルおよび有機分子である。
非晶性ミネラルの利点は、穴、亀裂、脱灰したエナメルあるいは象牙質といった複雑な形状へのモールド成形が容易なことにある(Levi-Kalisman, Y. et al J. Chem Soc. Dalton Trans 2000: 3977-3982, 2000を参照)。これらの非晶性ミネラルは、安定あるいは不安定な相で存在できる。二酸化ケイ素(オパール)は、酵素を媒介としたケイ酸のポリ石灰化(polymineralization)によって、形成できる安定なタイプである。他方で、非晶性炭酸カルシウムおよび非晶性リン酸カルシウムは、安定的な結晶相に変態する傾向があるため不安定である。非晶性リン酸カルシウム、非晶性フッ化リン酸カルシウム、非晶性リン酸炭酸カルシウム(カゼインホスホペプチド)非晶性リン酸カルシウムナノ複合体、非晶性フッ化炭酸カルシウムリン酸塩、および非晶性フッ化カルシウムは、高い溶解性、高い形成速度、およびアパタイトへの高い変換速度を有している(米国特許第5,460,803号を参照)。この転換は、例えば非晶性リン酸カルシウムがダーライトに転換するキチン歯を模倣することによって制御することができる。これらの薬剤の他には、例えば再石灰化骨疽病変においてフッ化物を補足する、2カルシウムリン酸塩脱水物のような他の薬剤がある(Wefel, J. S. and Harless, J.D. J. Dent Res 66: 1640 -1643, 1987, Takagi, S. et al Caries Res 34: 281 - 288 (2000)を参照)。
結晶性ミネラルの実例は、アラゴナイト(ブルッシャイト)(米国特許第3,679,360号および第5,605,677号を参照)、方解石、ダーライト、フェリハイドライト、フルオロアパタイト、ヒドロキシアパタイト(溶解した合成の形態で用いることもできる)、あるいは2価第1スズハイドロキシアパタイトフッ化物(米国特許4,923,683を参照)、鱗繊石、磁鉄鉱、リン酸八カルシウム、バテライトおよびフィトロッカイトである。本発明には、歯の表面を変化させ、それによって虫歯および他の症状に対する抵抗力を高めるように設計されたシステムが含まれる。例えば、キチン歯舌を形成するプロセスは、全体的にあるいは部分的に、歯面の臨床的な変化に適するように構成することができる。例えば、酸化鉄鉱物の水化物、フェリハイドライトを沈殿させる鉄原子を導入すると、それから磁鉄鉱、酸化鉄鉱物、レピドクロサイトに転換することができる。
他の実例は、非晶性リン酸カルシウムであるが、これは沈澱させるとともに誘起させてダーライトあるいはハイドロキシアパタイトに結晶化させることができる(Addadi, L. and Weiner, S. Angew, Chem. Int. Ed. Engl. 31:15, 3-169, (1992)を参照。ハイドロキシアパタイトの他に、再石灰化されあるいは石灰化された歯科部位においてしばしば見い出されるミネラルはフィトロッカイトである(Kodaka, T. et al Caries Res 26: 69 -76 (1992)。これらの非晶性あるいは結晶性のミネラルは、化学的あるいは(レーザーの適用といった)物理的な介入によって、隣接歯間の虫歯のような脱灰した組織の復元あるいは穴および亀裂のような領域を密封し、その領域をシールするあるいはその化学的な表面を変更するために用いることができる。
有機材料は、酸化蛋白質、糖蛋白および硫酸化多糖類のような巨大分子とし(Addadi, L. and Weiner, S. Angew, Chem Int Ed Engl 31:153 169, (1992))、あるいは強固な基質吸着の有無にかかわらずポリアスパラギン酸およびポリグルタミン酸のような小さい分子とすることができる(Addadi, L. et al ACS Sym. Series no. 444, 1991)。
促進剤あるいは他の活性剤
これらの薬剤は、マトリックスあるいはその一部とし、若しくはこのマトリックスに添加することができる(例えばシラノールがカルシウムをキレート化するので、アパタイトとしてのシラン化ヒドロキシエチルセルロースが形成される(Turezyn, R. et al J. Biomater Sci. Polym Ed 11:217, (2000)を参照)。両性高分子電解質−フッ化ナトリウムおよびクロルヘキシジン(Wefel J.S. et al. Am J. Dent. 8, 217-220 (1995)、 Caufield, P. W. and Navia, J.M. in the Biological Basis of dental caries, Menaker, L. 406-407, Harper and Row, (1980)。安息香酸エステル類似の防腐剤(Davis, B.A. et al Caries Res 35, 331-337, (2001)を参照)。Isomalt(登録商標)(Takatsuka, T. J. Dent Res. Sp Iss. A #2815 (2002)。シラノール(Loty C et al J. Biomed. Mat. Res. 47, 367 (2000))。二水和リン酸二カルシウム炭酸カルシウム(米国特許4,556,561およびCury, J.A. et al Caries Res. 183 (2003)を参照)。他の実例はカルシウムおよびリン酸塩である(理想的には1.5mmol/Lのカルシウムおよび0.9mmol/Lのリン酸、Exterkate, R.A.M. et al J. Dent Res. 72 1599- 1603 (1993)を参照)。適切なカルシウム化合物の実例は、以下の通りである:塩化カルシウム、臭化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、カルシウム安息香酸エステル、グリセロリン酸カルシウム、ぎ酸カルシウム、カルシウムフマル酸塩、乳酸カルシウム、カルシウムブチラート、カルシウムイソ酪酸塩、カルシウムマレイン酸エステル、カルシウムマレイン酸エステル、プロピオン酸カルシウム、吉草酸カルシウム。適切な無機リン酸塩の実例はアルカリ塩であり、かつ燐酸のアンモニウム塩、例えばカリウムナトリウムまたはアンモニウム正リン酸塩(リン酸一カリウム、リン酸二カリウムリン酸カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウムおよびリン酸三ナトリウムである。他の活性剤は、表面張力を減少させるためのドデシル硫酸ナトリウム、アザシクロヘプタン、ジホスホン酸塩、トリクロサン、無水マレイン酸コポリマー樹脂とポリビニルメチルエーテル(Zhang et al J. Clin. Dent 14: 23-28 (2003)を参照)、キシリトール、エリスリトール、ビタミンE、アロエベラ、および合成ポリアスパラギン酸塩のような強固なβシートタンパク質、ポリグルタメートタンパク質、リン酸化アミノ酸糖蛋白(glycoproteins phosphorylated amino acids)および酸性硫酸化多糖類のような石灰化された組織から精製された天然薬剤(Addadi et al ACS Symposium series 444、 Addadi et al in Chemistry and Biology of Mineralized Tissues, Ed. Slavkin, H. and Price, P. Elsevier Sci. Pub. BV 153-162 (1992)を参照)、タイプ1コラーゲンのような疎水性巨大分子に関連する酸性巨大分子、アルファおよびベータキチン(Addadi, L. and Weiner, s. Angen. Chem. Int. Ed. Engl. 31: 153-169 (1992)を参照)、アルギニン、絹およびエラスチンのような他の分子および物質である。それらは、ジルコニウムおよび第二鉄の前処理のような無機薬剤(Clarkson B.H. et al. J. Dent. Res. 60:1912-1920 (1981)を参照)、骨疽病変を清浄化するように設計された尿素のような有機溶剤(Shellis, R.P. et al. Eur. J. Oral Sci 110: 392-395, (2002)を参照)とすることができるが、本発明の範囲内で説明されるシステムの一部とし、あるいは装置を装着する前にそれらを付加することができる。他の薬剤は、GC Tooth Mousse Recaldent(商標)のような商業的な反応混液、または合成エナメル製剤のような実験的な反応混液である。
酸性化剤、緩衝剤あるいはpH調整剤
フッ素添加、石灰化あるいは再石灰化を増強するべく、少なくとも一つの以下の薬剤をマトリックスに含ませることができる。(一塩基あるいは二塩基のリン酸ナトリウムとリン酸の混合物で酸性化されたフッ化ナトリウムに由来する、あるいはフッ化ナトリウム、フッ化水素およびオルトリン酸に由来する)酸性化されたリン酸塩フッ化物、リン酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、あるいは炭酸水素ナトリウム)等のpHを変化させる薬剤、または炭酸カルシウム、アルギニン、アルカリ金属アンモニウムで完全に中和されたポリアクリル酸、あるいは(アルキロール)アミン化合物ポリアクリル酸ナトリウム等の緩衝作用を誘起させる薬剤(米国特許第6,106,811号を参照)。さらに、緩衝剤は、マトリックスの架橋度を高めるために必要とされる(例えばpH6.8のリン酸緩衝液)。この分野の当業者は、必要な段階(例えば架橋あるいは加硫)を容易にするべく、最終生成物を生産する前に複数の段階の緩衝作用が必要であること、および最終的な装置の最適なpHが最適のフッ素添加による再石灰化あるいは石灰化のためには3〜4と低い値であり、あるいはポーセリンおよび歯の色にした修復材をエッチングしないためには中性とすることを知っている。pHに影響する薬剤はまた、例えばタンパク質を抽出した後にだけ発生することが報告されている象牙質の再石灰化の場合に、重要な役割を果たす(Glarkson, B.H. et al Caries Res 32: 357, 1998を参照)。したがって、マトリックスは、例えば乳酸、酢酸、リン酸、あるいはエチレンジアミン四酢酸を、単一のマトリックス内にあるいは2層若しくは多層の装置の外側表面上に含むことができる。他方、象牙質あるいはエナメルは、液体ゲルあるいはエッチング装置を用いてそのような薬剤で最初に装填することができ、それによって活性薬剤は酸、例えば37%のリン酸となる。そのような装置は、歯科材料を接続する前に歯の表面をエッチングするために用いることができる。他のタイプの装置は、例えば水および/または光線(赤外線、紫外線、目に見えるスペクトルの、あるいはレーザー光)を適用することによって、活性化されおよび/または硬化する、エッチングおよび接続のための薬剤を含むことができる。隣接歯間装置の一方の側は非活性部位であるが、第2の側を活性部位として、充填し、シールし隣接歯間部位、亀裂、穴、病変、虫歯、欠陥の修復、あるいは歯の縁部の欠損の修復を充填し、シールしコーティングするために用いることができる。この第2の側は、単一位相あるいは2重位相のシステムとすることができる。
他の新規なアプローチは、炭酸水素ナトリウムのような緩衝剤を再石灰化の間に導入することであるが、それは内層面の病変を貫通すると共に、酸による攻撃の間に緩衝剤として機能する(Tanaka, K. and Iijima, Y. J. of Dent. 29: 421- 426 (2001)を参照)。
マトリックスおよび架橋剤
マトリックスの役割は、少なくとも一つの促進剤あるいは他の活性剤の有無にかかわらず、フッ素添加によって石灰化あるいは再石灰化させる主要な活性薬剤の少なくとも一つを支持すると共に、活性剤および任意の補助剤の送達のために必要な安定性あるいは劣化パターンに加えて、適用のために必要な粘度、強度、可塑性および弾力性を提供して、歯の表面に対するイオンあるいは化学的な相互作用の最適な速度および時間の幅を提供し、かつ適切なイオンおよび/または他の化学物質を歯の表面に到達させるための移動環境を提供することにある。この分野の当業者は、口腔内の生体分解を妨げることができる酵素阻害剤、抗菌剤、防腐剤および滅菌剤の濃度およびタイプに加えて、濃度、加硫あるいは架橋の程度および架橋のタイプ、あるいはその組合わせを変更することによって、分解を変化させることができる。特定の化学的あるいは物理的な介入が瞬間的な送達を必要とする場合は、いくつかの分解特性はそのマトリックスあるいはその部分には必要ではない。
使用できるマトリックスのタイプの幅は広い。それらには、歯科治療のために未だ用いられていない薬剤や、義歯接着材、印象材、一時的、暫定的あるいは恒久的な修復のための薬剤、縫合、歯周病あるいは外科的な充填、および歯根膜薬剤といった薬剤を含めることができる(Dental Therapeutics Digest Odontos Pub Inc.: Kay L. W. Drugs in Dentistry, Bristol 1972、 O'Brien, W.J. and Ryge, G. An Outline of Dental Materials, Saunders 1978、 Steinberg, D et al., J. Dent. Res. 67-208 Abstract No. 767, 1988、米国特許第5,324,519号、第4,938,763号、第5,278,201号、第5,077,049号、第5,739,176号および第5,733,950号を参照)。マトリックスの材料は、天然生産物および合成生産物に分類することができる。
多糖類ポリマー(例えば寒天、アルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース、カラゲナン、セルロース、ゲランゴム、Kelcogel(登録商標)、Kelcogef F(登録商標)、Kelcoバイオポリマー、澱粉、浸水抽出物)、脂質、ポリイソプレン(例えばラテックスゴムおよびグッタペルカ)、樹脂およびゴム(例えばトラガカントゴムおよびストラックス)、およびタンパク質(例えばアルファあるいはベータキチン、可溶性エラスチンおよびコラーゲン、あるいはゼラチンの形態の変性コラーゲン)が、天然生産物の例である。いくつかの場合に、これらの薬剤は、不純物を除去するために処理、例えば透析、イオン除去する必要がある。
精製コラーゲンは、未処理とし、あるいは消化に対する抵抗力を長引かせるために(腸線縫合糸製品と同様に)安定剤で処理することができる。変性コラーゲンは、その引張強さを高めるとともにその吸収を遅らせるために、クロム塩を含浸させることができる。この分野に熟練した者は、ゼラチンの溶解方法が技術的にかなり敏感であり、かつ用する方法によってテクスチャに相当な違いが生じることを知っているが、好ましい高分子マトリックスはゼラチンマトリックスである。さらにゼラチン、類似のコラーゲンは、グルタルアルデヒド(人間の大動脈弁インプラントおよび歯科髄質治療のためにも用いられるオルガネラ保存剤(preservant)、Kopel, H.M. et al., J. of Dent, for Child 47: 425-430, (1980))を参照)およびPeriochip(登録商標)でリジン架橋することができる。他に使用可能な架橋剤は、様々なアミノ酸との間に分子内および分子間メチレン架橋を形成するホルムアルデヒドである。さらなる実例には、メタクリル酸アリル、2,3−あるいは3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、グリコールジメタクリレート、ノルジヒドログアヤク酸、ロズマリン酸酸、ストロンチウム、カルシウム、タンニン酸、ヘキサメチレンジイソシアナート、およびコンドロイチン硫酸が含まれるが、これらに限定されるものではない。また、これらの一部は臨床的に用いられてはいるものの、これらの薬剤の生体適合性は慎重に調べなければならない。架橋を誘起させるためにゼラチンを処理する物理的手段、例えばマイクロ波処理を使用することができる(Vandelli, M.A. et al J. of Controlled Release 96, 67-84 (2004))。ゼラチンの供給源は任意のもの、例えばウシあるいは非哺乳類ゼラチンとすることができる。より高い剛性のマトリックスが必要とされるときには、ウシゼラチンを好適に用いることができる。
架橋なしのゼラチンの完全に天然なマトリックスを適切なカバーと共に用いうることに注目することは賢明である。さらに、天然架橋物、例えばカルシウム、ヒドロキシリシンあるいはロイシン、ジヒドロキシリジンあるいはロイシン(Traub W., and Piez, K., A. Adv. Protein Chem. 25:243-352, 1971を参照)、リジン、アルギニン、タンパク質、デキストランのような多糖類、ドクサートナトリウムおよびジヒドロジヒドロキシリシンあるいはロイシンのような脂質(Bailey, A.J. et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 35:663-671 (1969)を参照)や、例えばトランスグルタミナーゼによる酵素架橋(Orban J.M. et al. J of Biomedical Materials Research 68A:756-762, (2004)を参照)も適している。
本発明のマトリックスのための役割を果たし得る、可能性のある合成生産物の境界線の内側の有望な候補は、濃縮や追加のアニオン、カチオンおよび/または触媒重合系により形成される幅の広い分子量のコポリマー、ホモポリマーである。実例は、アクリルアミドベースのポリマーおよびカチオンモノマー(米国特許第4,837,007号を参照)、シアノアクリル酸、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステルウレタンジメタクリレート、ポリカプロラクトン、メタクリル酸エチルトリグリシド、ポリ硫化物、ポビドン、ポリアクリルメタアクリル酸、アクリルおよびその変形例、例えばポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、少量のエチルブチルあるいは他のアルキルメタクリレートで改良されたポリ(メタアクリル酸メチル)、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウムPEG400およびPEG3350および他のカルボマである。これらのいくつかは、ポリメチルビニルエーテル無水マレイン酸、ポリビニルエーテルマレイン酸無水物、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、シラトのヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース(Bourges et al Adv. In Colloid and Interface Sci 215-228: 2002、 Bourges X. et al. Biopolymers 63:232- 238: 2002を参照)、歯科的なおよび他の生産物の持続的で制御された放出のための水性メタクリル酸ポリマー調合物(例えばEudragit(登録商標)Rohm)のような、実際に市販されているあるいは研究室的な生産物である。これらのポリマーは、活性薬剤および架橋(下記参照)を必要とする。しかしながら、時には他の薬剤、例えばハイドロキノンおよびユージノールのような遅延剤も必要である。他の異なる実例は、亜鉛華ユージノール、ペトロラタムおよびステアリルアルコールである。他のゲル類には、例えばカルボポールポリマー(BF Goodrich Noveon)、またはリン酸およびフッ化水素酸と混合されたNa2SiO39H20溶液(米国特許第3,679,360号を参照)が含まれる。
ここで認められるべきことは、活性剤および/または補助的な薬剤の放出速度にとって架橋度が大変重要であるということである。高分子マトリックスの架橋度の決定は、薬学分野の当業者の能力の範囲内にある。他のファクターは、抗菌剤、防腐剤、滅菌剤、(マトリックスメタロプロテイナーゼ(国際特許公開WO98/16503号公報を参照)のような)抑制薬、およびマトリックスの生分解を遅くする酵素阻害剤である。
本発明のマトリックスは、架橋によってばかりでなく他の方法によっても強化することができる。例えば、米国特許第6、565、960号に記載されているポリマー複合組成物においては、ポリマーファイバー例えばコラーゲン線維およびゼラチンが、特殊なカテコールを含む化合物、特に2つあるいはより多くのカテコール群を含む化合物をポリマー材料に添加して、ポリマー材料の内部に挿入される化合物のポリマー例えばポリマー複合物を形成することにより強化される。この米国特許によると、結果として生じるポリマーは、個々のポリマー材料、例えばコラーゲンあるいはゼラチンポリペプチドを架橋させる必要なしにポリマー材料の全体にわたって足場に類似する組織を形成する。この足場は、天然ポリマー材料のファイバーに相当しあるいはそれより良好な引張強さ、剛性および破損歪を具備した合成ポリマーファイバーを提供する。米国特許第6,565,960号を含む、本願明細書において参照した全てのものの内容の全体が、その参照によって本願明細書に組み込まれる。
マトリックスおよび穴および亀裂の密封剤として用いることができる他の新規なマトリックスは、Sn−Sn連鎖、Sn−Cl鎖若しくは格子、またはSnタンパク質鎖(Jodaikin, A. and Goldstein, S., J. Dent. 16:140-144, (1988)を参照)、さらにはフッ化物、カルシウム、リン酸塩とスズとの組合せである(Harris, N.O. and Christen, A.G. Primary Preventive Dentistry 4th Ed Norwalk Appleton Longe 1995、 Wu. H. et al, abstract from Hua Zi Kou Qiang Yi Xue Za Zhi 18: 219-221, (2000)を参照)。
さらに一つの新規な点は、歯磨剤、口腔用リンス剤、歯科材料のような外側の供給源(米国特許5,639,840を参照)、および専門的に塗布されたフッ化物システム(Zimmerman, B.F. et al J. Dent. Res. 63:689-692 (1984)、 Fuji IX GP<(R)> fast by GC Inc.を参照)からのフッ化物によって『再充電』することができる、マトリックスに結合したフッ化物イオン交換系であり若しくはそれを含むマトリックスである。
マトリックスが送達システムとして定義されるにもかかわらず、本発明は、生物学的な石灰化あるいは製造された合成類似体から選別される制御および設計原理に基づいて再石灰化あるいは石灰化を制御するために、テンプレートあるいは枠組みとしてマトリックスそれ自身を用いることを排除しない。
防腐剤および滅菌剤
特に長期にわたって残存するマトリックスにおいては、防腐剤および滅菌剤の添加が有利である。それらが細菌、菌および酵母のような様々な微生物の成長を抑制すると共に、マトリックスの生体内劣化を抑制する役割を果たすことができ、それによって、その耐用寿命および活性薬剤の放出に影響するからである。防腐剤の実例は、安息香酸、ビグアニド、ポリアミノプロピルビグアニド、塩化セチルピリジニウム、石炭酸、メチルパラベン、金属タンパク質(Horman, H. in Sigel, H. Metal Ions in Biological Systems VoI 3 New York Marcel and Dekker pg 105, 1974 and Jodaikin, A. and Goldstein, S. J. Dent 16:140-144, (1988)を参照)、および炭酸水素ナトリウム、ソルビン酸、チモールであり、かつ滅菌剤の実例はヨウ素、カリウムおよびアルコールである。
安定剤
その目的は、ニス塗り、コーティングあるいはカプセル化薬剤の使用のような化学的な手段あるいは物理的手段によって、リン酸カルシウムとフッ化物の反応のような不必要なあるいは早い反応を抑制することにある。
抗菌剤
治療的な機能のために含まれる薬剤は、抗菌剤、抗ウイルス薬、抗真菌薬および他の抗菌剤とすることができる。実際に、フッ化第一スズは抗菌活性を示した(Paine, M.L. et al JADA 129, 69-77, (1998)を参照)。他の実例は、アレキシジン、クロルヘキシジンジグルコン酸塩、ヘキセチジン、銅クエン酸亜鉛、ピロリン酸第一スズ、トリクロサン、セチルピリジニウム塩化物、およびハロゲン化ビスフェノール化合物である。
清浄剤
本発明は、フロッシングに代わる方法あるいはその補足として隣接歯間部位を清潔にするシステムとして機能することができる。したがって本発明は、表面活性物質あるいは幅の広いpH範囲の全体にわたって発泡する発泡剤のような薬剤を含む必要がある。清浄剤の実例は、ナトリウムアルキルスルフェート、ドデシル硫酸ナトリウム、ココナッツモノグリセリドスルホン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、タウレート、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウリル酢酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポロキサマ、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、脂肪アルコールエトキシレート、ポリエチレンオキシド、コカミドプロピルベタイン、過酸化水素、炭酸水素ナトリウム、モノラルリン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよびイミダゾールである。他の可能性は、炭酸水素ナトリウム/クエン酸システムのような発泡剤システムである。泡立ちは、隣接歯間のプラークおよび破片を顕微鏡的レベルでバラバラにしまたは除去し、それによって、特に顕微鏡的レベルで凸凹の表面をうまく処理することができないフロッシングの問題を解決する。
歯科用知覚抑制剤
実例は、フッ化物(上記参照)、クエン酸カリウム、塩化カリウム、酒石酸カリウム、重炭酸カリウム、シュウ酸カリウムおよび硝酸カリである。
ホワイトニング剤あるいはブリーチング剤
CrestによるWhitestrips(登録商標)が歯をホワイトニングするための過酸化水素を含む条片の形態のシステムとして市販されているにもかかわらず、本発明は、隣接歯間領域のようにアクセスが困難な領域をホワイトニングするためのシステムを含む。使用可能な薬剤には、過酸化水素、過酸化カルバミド、金属亜塩素酸塩(例えば亜塩素酸カルシウム)、バリウム亜塩素酸塩、マグネシウム亜塩素酸塩、リチウム亜塩素酸塩、亜塩素酸ソーダ、カリウム亜塩素酸塩、ヒポクロリット、過ホウ酸塩、過炭酸エステル、過酸、ペルオキソ硫酸塩、過酸化尿素、過酸化カルシウム、二酸化塩素、過炭酸ナトリウム、オキソンおよびさらにプロテアーゼのような酵素が含まれる(米国特許第6,521,215号を参照)。過酸化漂白剤のために、例えばジピコリン酸あるいはスズ酸ナトリウムが安定剤として必要である。
歯肉および歯根膜の薬剤
上述のカテゴリのいずれかにリストされている薬剤、抗菌物質および清浄剤、特にクロルヘキシジンジグルコン酸塩および過酸化水素(後者は、ベーキングパウダと組み合わせられることが可能である)を含めることができる。他の実例は、ヒアルロン酸、チモール、ドキシサイクリンおよび塩酸テトラサイクリンである。
反結石剤
実例は、酢酸、アルカリ金属ピロリン酸、エチレンジアミン四酢酸、ホスフィン酸塩を含むポリマー、有機ホスホン酸エステル、ホスホクエン酸ペプチド、スタテリンのようなタンパク質、および高酸性プロリンリッチタンパク質である。実際に、いくつかの反結石剤は、抗カリエス活性を高めることができるとともにフッ化物の有効性を高める(Zhang, Y.P. et al J. Clin. Dent 14: 23 - 28, (2003)を参照)。
止血剤
このカテゴリには、血管収縮剤(例えばアドレナリン)、吸収される薬剤(例えば酸化セルロース、フィブリン、アルギン酸カルシウム)、血液凝固促進薬剤(例えばトロンビン)、化合物(例えば塩化アルミニウム、タンニン酸、塩化第二鉄、硫酸第二鉄塩化亜鉛、ミョウバン、ヒアルロン酸過酸化水素)、または物理的な施栓(例えば、装置は骨ろうを含む)が含まれる。止血剤の役割は、歯肉出血あるいは他の出血が生じる領域において、フッ素添加あるいは化学処理を妨げ得る出血を止めることにある。
液状ビヒクル
液状ビヒクルは、特にマトリックスを調製するときにあるいは適用を容易にするために用いられる溶媒である。実例は、水、ポリジメチルシロキサン、エチルアルコールあるいはグリセリン(グリセロール)であり、単独であるいは任意の組合せで用いられる。
可塑剤および弾性剤
可塑剤および弾性剤は、マトリックスの機械的な特性を改良するために必要および所望に応じて用いることができる。実例は、ポリエチレングリコール、ジブチルフタレート、グリセロール、ソルビトール、ミネラル塩、オリーブ油、亜麻仁油、光鉱油、エチレンプロピレンのポリマー、ポリオレフィン、ポリアクリラートポリメチラート、スチレンブタジエン、ビニルエチレン酢酸塩コポリマー、ブタジエンイソプレン、ガムベース、シリコン樹脂、ゴム、絹、および項靱帯の天然ゴム様タンパク質から精製されるエラスチンである。
他の実例は、カルボキシポリメチレンであるが、装置の粘度を増加させるとともに、装置の生体内劣化に影響する唾液の収着を減少させるためにマトリックスに組み込むこともできる。
本発明のいくつかの実施形態によると、マトリックスは上述した任意の適切な材料、例えばゼラチンを可溶性のエラスチン、ソルビトールあるいはガムベースのような弾性剤と組合せて製作できるが、ゼラチンは、好ましくは架橋されるとともに、任意の適切な材料、例えばグルタルアルデヒド、ノルジヒドログアイアレチン酸および/またはタンニン酸を用いて可溶性エラスチンに結合される。そのようなマトリックスは、合成樹脂としての十分な特性を有すると同時に、歯科部位で固定されたときにシステムの機械的な完全性を維持するために充分な耐久性がある。
付着剤
歯科部位表面への付着を容易にするために、薬剤を添加できる。実例は、白蝋、蜜ロウ、ロジン(コロホニウムベース)、セラック、マスチックおよびポリブテンである。
充填剤、軟化剤および結合剤
マトリックスは、密蝋、ヤシ油、コーンシロップ、アラビアゴム、マスチック、小麦粉、硬化ヒマシ油、カオリン(ケイ酸アルミニウム)、酸化マグネシウム、パラフィン、二酸化ケイ素、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、酸化亜鉛あるいは他の様々な無機分子のような充填剤および/または軟化剤および/または結合剤を含むこともできる。ここで留意すべきことは、ある種のイオン、例えばP2O7、HCO3、SiO4、Cr[θ]4、MgおよびZnが、いくつかの場合に再石灰化を抑制し得るとともに、いくつかの無機充填剤をビニルシランのような防水性の連結剤で被覆できることである。軟化剤の実例は、レシチンおよびワックスである。
着色剤あるいは汚染剤
これらには、装着された少なくとも1つのマトリックスの外観を改良する薬剤、および上述したように虫歯の検出を強化するために放出される染料が含まれる。実例は、フクシンあるいはプロピレングリコールのアシッドレッド52である。これらの診断用の染料には、通常の組織学的な染色剤、臨床的な腐食検出薬剤、その検出を光によって、強化できる薬剤、例えば紫外線蛍光剤、視覚的なスペクトル内の強度の光で活性化される他の薬剤、または装置あるいは材料を除去して歯面をリンスした後に病変のブロッティングにより抽出される薬剤が含まれる。装置の分解の段階、その部位のpHおよび/またはその部位のフッ化物の量を示す変色システムを用いることもできる。染色の他の用途は、装置のうち染料で処理すべき表面をマーキングするために、Nd.Yag(ネオジム−イットリウム−アルミニウム−ガーネットレーザ、Miller, M, and Truhe, T. JADA 124:32 (1993)を参照)のようなレーザーの効果を高めることである。
調味料、甘味剤、息を爽やかにするもの、あるいは感覚に作用するもの(加温剤あるいは冷却剤)
調味料、甘味料、あるいは感覚に作用する薬剤、例えばメントール、ナトリウムサッカリン、ソルビトール、アスパルテーム、塩化ナトリウムをマトリックスに添加することができる。また、息を爽やかにする薬剤、例えばパセリの種、サリチル酸メチル、ヒマワリ油および薄荷油マトリックスに添加することができる。
本発明の装置が含む薬剤に、増粘剤、起泡剤、乾燥剤、反プラーク薬剤、抗炎症薬剤、湿潤剤、栄養分、鎮痛薬あるいは麻酔剤、抗酸化剤、その他の治療的あるいは美容上の薬剤、または口腔用途および全身用途のためのそれらの混合物を含めることができることは理解される。
マトリックスあるいはマトリックスは、好ましくは、宿主酵素、細菌によって、唾液内で、または唾液あるいは飲物の溶解特性によって再吸収可能および/または生物分解可能な、例えばグルタルアルデヒド、ノルジヒドログアイアレチン酸またはタンニン酸で架橋されたゼラチンのような材料から製作することができる。それにもかかわらず、マトリックスは、目標領域に送達される活性物質あるいは材料を放出する非再吸収性の材料から製作することができる。例えば、マトリックスは、ゴムラテックス、ポリマー、様々な糖のいずれか一つ、脂質、核酸、ゴムラテックスに見い出される、例えば宿主酵素によって、口内に放出されるアミンフッ化物に結合した他のタンパク質から製作することができる。
本発明のマトリックスおよび装置とその製造には、単なる実例を示してきた上記の化学的な要素には限定されないそれらの全ての変形例を含むとともに、他の化学物質を含む。
さらに、これらの薬剤の生体適合性およびそれらの相互作用は、臨床的な適用の前に慎重に調べかつ試験する必要がある。
本発明のいくつかの実施形態を実例として説明してきたが、本発明を、多くの修正、変形および改作、および請求項の範囲を超えることのない当業者の範囲内である多くの均等物あるいは代替的な解決策と共に実施できることは明らかである。

Claims (14)

  1. 再形成可能な保持装置であって、前記保持装置は、歯科部位の挿入空間に挿入されるとともに前記挿入空間を囲む歯科部位表面と接触して、口腔内で所定の作用を行う少なくとも1つの材料の歯科部位への制御された送達を行うように構成され、前記保持装置は、前記材料を含む少なくとも1つのマトリックスを備えており、
    前記保持装置は、前記保持装置を前記歯科部位の前記挿入空間に挿入するには大きすぎる第1の形状と前記保持装置を前記歯科部位の前記挿入空間に挿入可能な第2の形状とを有し、
    前記保持装置の前記第2の形状は、前記第1の形状にあるときに前記保持装置を再形成することによって作り出されるとともに前記歯科部位表面の輪郭に対応する所定の形状を有しているものにおいて、
    前記保持装置は弾性を有し、
    前記保持装置は、第1装置部分及び第2装置部分を有し、
    前記第2の形状においては、前記第1装置部分が、前記第2装置部分に対して、折り曲げ補助手段周りに折り曲げられるか折り畳まれており、
    前記第1の形状においては、前記第1装置部分が、前記第2装置部分に対して、折り曲げ補助手段周りに折り曲げられても折り畳まれてもおらず、
    前記折り曲げ補助手段は、前記歯科部位の前記挿入空間への前記保持装置の挿入方向に沿って延びる、前記保持装置に設けられた(a)凹ませた折曲線、(b)穴を明けた折曲線、(c)折曲線に沿った物理的な指示マーク及び(d)折曲線に沿った化学的に処理された指示マークからなるグループのうちの1つを備えており、
    前記第1装置部分及び前記第2装置部分は各々外向き表面を有しており、これらの外向き表面は、前記保持装置が前記挿入空間に挿入されたときに対応する前記歯科部位表面に対面する、保持装置
  2. 前記保持装置は、前記少なくとも1つのマトリックスに含まれている前記材料の所定の部分の前記歯科部位への送達に関連する少なくとも所定の時間にわたって、前記保持装置が挿入される前記歯科部位に物理的に固定されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の再形成可能な保持装置。
  3. 前記少なくとも1つのマトリックスに含まれている前記材料の前記所定の部分は、単一の位相パターン、2つの位相パターンあるいは複数の位相パターンの制御されたパターンで前記歯科部位に送達されることを特徴とする請求項1または2に記載の再形成可能な保持装置。
  4. 前記保持装置は、前記歯科部位における保持を容易にする翼状部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  5. 前記少なくとも1つのマトリックスが高分子マトリックスであることを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  6. 前記少なくとも1つのマトリクスが親水性ポリマーを含んでいることを特徴とする請求項に記載の保持装置。
  7. 前記保持装置は、歯科部位表面あるいは修復表面に少なくとも1つの薬剤を提供し、前記薬剤は、歯の疾患を診断し、予防し、除去し、遅延させ、治療若しくは回復させ、または歯科部位表面をシールし、除痛し、清浄化し、結石を除去しまたは抑制し、またはホワイトニングあるいはブリーチングを誘起させ、または呼吸を爽やかにするために、化学的または物理的な手段によって変化を容易にすることを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  8. 前記保持装置は、フロッシングに代わりあるいは補助として役立つ清浄作用を提供し、少なくとも1つの抗菌薬若しくは清浄剤および/または再石灰化若しくは石灰化薬剤を放出することを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  9. 前記保持装置は、実質的に生体分解可能、自己分解可能、若しくは再吸収可能であることを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  10. 外側部分若しくはその一部が生体分解、再吸収、若しくは溶解した後、内側部分が放出されて口腔用リンスとして機能することを特徴とする請求項9に記載の保持装置。
  11. 前記保持装置は、前記歯科部位への固定を可能とし得る弾性材料から製作されていることを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  12. 前記保持装置は、適切な若しくは最適な供給時間、送達位相、送達方法若しくは送達形態のために、1つ、2つ若しくは複数の位相の制御された放出パターンで少なくとも一つの薬剤を供給するべく、2つの層、複数の層、2箇所配置若しくは複数箇所配置の複数のマトリックスを備えていることを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  13. 前記保持装置は、前記保持装置を前記歯科部位に付着させあるいは固定することができるように、その少なくとも1つの付着表面あるいはその部分を有していることを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  14. 前記少なくとも1つのマトリックスは、可塑剤、弾性剤、着色剤、付着剤、充填剤、軟化剤、結合剤、保存剤若しくは殺菌剤のような装着および活性材料の放出を高める促進剤のうちの任意の1つ、または、抗菌剤、反プラーク剤、坑炎症剤、抗酸化剤、湿潤剤、栄養を含む鎮痛薬、麻酔薬剤、反結石薬剤、清浄剤、発泡剤、歯科用知覚抑制剤、染色剤、止血剤、ホワイトニング若しくはブリーチング剤、調味料、甘味剤、呼吸を爽やかにするもの、あるいは感覚に作用するものといった補助薬剤のうちの任意の1つをさらに含んでいることを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
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