JP5575116B2 - 細胞内抗体送達 - Google Patents
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Description
本発明は、抗体を細胞へと導入するための送達システムに関する。
抗体の細胞への制御された送達は、現在大きい商業的かつ科学的関心となっている。かつては、無傷の抗体分子(内因性及び外因性の両方)は、生存可能な細胞に侵入することはできないと考えられていた。しかし現在、そうではないことを示す多くの研究が存在する。生細胞に侵入する成熟自己抗体は、健康な組織及び細胞のアポトーシスの誘導を通じ、多様な自己免疫疾患の病因に関与していると考えられる。抗体は、免疫系への自己抗原の提示を通じ、自己寛容の破壊に寄与することもできる。天然の自己抗体の未熟リンパ球様細胞への侵入は、健常個体の免疫レパトアにおいて生理的役割を有することができる。薬物、アイソトープ又は遺伝子を細胞へと送達する道具としての抗体の侵入の可能性のある免疫療法的役割に払われる関心が、増大している(Ruiz-Arguelles, A.らの文献、「生細胞への抗体侵入:病因的、予防的及び免疫療法的関与(Antibody penetration into living cells: pathogenic, preventive and immuno-therapeutic implications)」、Current Pharm Design, 9, 1881 (2003))。従って本来侵入しない抗体の細胞内送達のための無毒の送達システムは、実用性が高いであろう。
先行技術を考慮し、抗体を細胞へ導入するための改善された送達システムを提供することが依然望ましい。この要望に従い、本発明の第一の態様において、小胞、及び該小胞内に封入された抗体を含有する組成物であって、ここで該小胞が、親水性ブロック及び疎水性ブロックを有する両親媒性ブロック共重合体を含む、組成物が提供される。
(i)前記両親媒性共重合体を水性媒体中に分散する工程;
(ii)工程(i)において形成された組成物を酸性化する工程;
(iii)酸性化された組成物に抗体を添加する工程;及び
(iv)そのpHを中性近傍に上昇させ、該抗体を封入する工程:を含む方法を提供する。
本発明の第四の態様は、療法による治療方法において使用するための、本発明の第一の態様に従う組成物を提供する。
本発明の最後の態様は、抗体が細胞に送達される、療法による治療方法において使用するための、本発明の第一の態様に従う組成物を提供する。
前記小胞が一旦細胞へ取り込まれると、これらは有利なことにその細胞内で解離しかつ抗体を放出する。解離は、様々な機序により促進され得るが、典型的にはブロック共重合体のpH感受性により促進される。この両親媒性共重合体の親水性ブロック又は疎水性ブロックが好ましく、好ましくは疎水性ブロックは、3.0〜6.9の範囲のpKaを持つペンダント基を有する。理論に結びつけられることを欲するものではないが、これらの小胞の細胞インターナリゼーション(エンドサイトーシス)の機序は、輸送(trafficking)小胞、ファゴソーム、又はピノソームなどの(正確なエンドサイトーシス経路により決まる)、エンドサイトーシスの細胞小器官により生じたリン脂質膜内の貪食に関与している。このエンドサイトーシスの細胞小器官は、細胞膜から剥がれ、かつ更なるプロセッシングのために細胞内部に小胞を取り込む。このエンドサイトーシス経路とは無関係に、インターナリゼーションされた小胞は、一旦細胞小器官の内部でpH7.4からpH5〜6への、局所的pHの低下を経験する。このpHの下落は、小胞の崩壊及び抗体の放出を引き起こすのに十分である。この変遷は、半透膜性細胞小器官内に限定されるので、粒子数の突然の増加は、浸透圧の大きい上昇に対応する。これは、エンドサイトーシスの細胞小器官のリン脂質膜の溶解を引き起こし、抗体を細胞質ゾルへ放出する。
・腫瘍療法抗体(例えば、EGF受容体、erb2受容体などのチロシンキナーゼ受容体に対する抗体;Rasなどのシグナル伝達経路の阻害因子;並びに、カスパーゼなどのアポトーシス経路の抗体など);細胞の増殖停止及び死滅の誘導に関与した核因子(例えばp53)、細胞周期タンパク質(例えばサイクリン)並びに腫瘍進行に関与した細胞外プロテイナーゼ(例えばメタロプロテアーゼ及びカテプシン)
・感染症を治療することができる抗体(例えばHIVウイルス療法抗体及びHVC阻害因子)
・MCH-I抗体療法による免疫拒絶のブロック、及び細胞内炎症系路のブロックなどの、細胞内免疫抑制及び炎症経路抑制に関与した抗体(抗NFκB抗体)。
前記疎水性ブロックは、ペンダント基としてペンダントの陽イオン化可能な部分を含むことが好ましい。陽イオン化可能な部分とは、3〜6.9の範囲の値よりも低いpHでプロトン化されることが可能である、例えば1級、第2級又は第3級アミンである。あるいはこの基は、ホスフィンであることができる。
好ましくは、このペンダント基のpKaは、4.0〜6.9の範囲、より好ましくは5.5〜6.9の範囲内にある。従ってこれらの小胞は、そのようなpH範囲で分離することが可能である。
YBX I
(式中、
Yは、H2C=CR-CO-A-、H2C=CR-C6H4-A1-、H2C=CR-CH2A2、R2O-CO-CR=CR-CO-O、RCH=CH-CO-O-、RCH=C(COOR2)CH2-CO-O、
Aは、-O-もしくはNR1であり;
A1は、結合、(CH2)IA2及び(CH2)ISO3 -から選択され、ここでIは1〜12であり;
A2は、結合、-O-、O-CO-、CO-O、CO-NR1-、-NR1-CO、O-CO-NR1-、NR1-CO-O-から選択され;
Rは、水素もしくはC1-4アルキルであり;
R1は、水素、C1-4アルキルもしくはBXであり;
R2は、水素もしくはC1-4アルキルであり;
Bは、結合、又は、任意に1個以上のフッ素置換基を含む、直線状分岐状のアルカンジイル、アルキレンオキサアルキレン、もしくはアルキレン(オリゴオキサアルキレン)基であり;
Xは、両性イオン基である。)。
好ましくはW+は、式-W1-N+R3 3、-W1-P+R4 3、-W1-S+R4 2もしくはW1-Het+の基であり、ここで:
W1は、任意に1個以上のエチレン性不飽和二重結合もしくは三重結合を含む1個以上、好ましくは炭素原子2〜6個のアルカンジイル、二置換型のアリール(アリーレン)、アルキレンアリーレン、アリーレンアルキレン、又は、アルキレンアリールアルキレン、シクロアルカンジイル、アルキレンシクロアルキル、シクロアルキルアルキレンもしくはアルキレンシクロアルキルアルキレンであり、基W1は、任意に1個以上のフッ素置換基及び/又は1個以上の官能基を含み;かつ、
各基R3は同一であるかもしくは異なり、かつ各々が水素もしくは炭素原子1〜4個のアルキル、好ましくはメチル、もしくはフェニルなどのアリールであるか、又は、基R3の内の2個はそれらに結合された窒素原子と協働して5〜7個の原子を含む脂肪族複素環を形成するか、又は、3個の基R3は、そのいずれかの環が別の飽和もしくは不飽和の環に縮合され得る5〜7個の原子を有する複素環式芳香環として、それらに結合する窒素原子と協働して、各環に5〜7個の原子を含む縮合環構造を形成し、かつ、任意に基R3の1個以上は親水性官能基により置換され;かつ、
基R4は同一であるかもしくは異なり、かつ各々はR3もしくは基OR3であり、ここでR3は先に定義され;又は、
Hetは、例えばピリジンなどの、芳香族窒素-、リン-もしくは硫黄-含有環、好ましくは窒素-含有環である。)。
R6は、(A5と共に)原子価結合、もしくは、アルカンジイル、-C(O)アルキレン-もしくは-C(O)NHアルキレンであって、好ましくはアルカンジイルであり、好ましくはアルカンジイル鎖中に炭素原子1〜6個を含み;
W2は、S、PR7もしくはNR7であり;
上記基R7は各々、水素もしくは炭素原子1〜4個のアルキルであるか、又は、2個の基R7はそれらに結合するヘテロ原子と協働し5〜7個の原子の複素環を形成し;
R8は、炭素原子1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜6個のアルカンジイルであり;
A6は、結合、NH、SもしくはOであって、好ましくはOであり;かつ、
R9は、ヒドロキシル、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ、C7-18アラルキル、C7-18-アラルコキシ、C6-18アリールもしくはC6-18アリールオキシ基である。)。
A5は、結合であり;
R6は、C2-6アルカンジイルであり;
W2は、NR7であり;
各R7は、C1-4アルキルであり;
R8は、C2-6アルカンジイルであり;
A6は、Oであり;かつ、
R9は、C1-4アルコキシであるのが好ましい。
そのような基の一例は、下記一般式Vのスルホベタイン基である:
好ましくはsは2又は3であり、より好ましくは3である。
R11は、原子価結合(任意にA7と共に)又はアルカンジイル、-C(O)アルキレン-又は-C(O)NHアルキレンであり、好ましくはアルカンジイルであり、かつ好ましくは炭素原子1〜6個を含むものであり;並びに
基R12は、同一であるか又は異なり、かつ各々は水素もしくは炭素原子1〜4個のアルキル、好ましくはメチルであるか、又は基R12の2もしくは3個は、それらに結合された窒素と協働して5〜7個の原子の複素環を形成するか、又は3個の基R12は、それらに結合された窒素原子と協働して各環に5〜7個の原子を含む縮合複素環構造を形成する。)。
特に好ましい両性イオン単量体は、2-メタクリロイルオキシエチル-ホスホリルコリン(MPC)である。各々上記一般式を有する両性イオン単量体の混合物が、使用され得る。
Y1B1Q VII
(式中
Y1は、H2C=CR14-CO-A8-、H2C=CR14-C6H4-A9-、H2C=CR14-CH2A10、R16O-CO-CR14=CR14-CO-O、R14CH=CH-CO-O-、R14CH=C(COOR16)CH2-CO-O、
A8は、-O-又はNR15であり;
A9は、結合、(CH2)qA10及び(CH2)qSO3 -から選択され、ここでqは1〜12であり;
A10は、結合、-O-、O-CO-、CO-O-、CO-NR15-、-NR15-CO、O-CO-NR15-、NR15-CO-O-から選択され;
R14は、水素又はC1-4アルキルであり;
R15は、水素、C1-4-アルキル又はB1Qであり;
R16は、水素又はC1-4アルキルであり;
B1は、結合、又は任意に1個以上のフッ素置換基を含む直線状分岐状のアルカンジイル、アルキレンオキサアルキレン、又はアルキレン(オリゴオキサアルキレン)基であり;かつ
Qは、式-NR17 P、-PR17 P及びSR17 rの陽イオン基もしくは陽イオン化可能な基であり、ここでpは、2又は3であり、rは1又は2であり、基R 17 は、同一又は異なり、かつ各々は、水素、C1-24アルキル及びアリールからなる群から選択されるか、又は基R17の2個は、それらに結合されたヘテロ原子と協働して5〜7員の複素環を形成するか、又は3個のR17基は、それらに結合されたヘテロ原子と協働して、その環のいずれかが別の5〜7員の飽和もしくは不飽和環に縮合され得る5〜7員の複素環式芳香環を形成し、かつR 17 基のいずれかは、アミノ基もしくはヒドロキシル基又はハロゲン原子により置換され得;ここで、pが3である場合、基R17の少なくともひとつは、水素である。)。
好ましい基B1は、アルカンジイルであり、通常、好ましくは炭素原子2〜12個、例えば炭素原子2もしくは3個を有する、直線状アルキル鎖を備える。
R19は、水素、ハロゲン及びC1-4アルキルから選択され;
R20は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル及び基COOR22から選択され、但しR18及びR20は両方がCOOR22ではないことを条件とし;並びに
R21は、C1-10アルキル、C1-2Oアルコキシカルボニル、モノ-もしくはジ-(C1-20アルキル)アミノカルボニル、C6-20アリール(アルカリルを含む)、C7-20アラルキル、C6-20アリールオキシカルボニル、C1-20-アラルキルオキシカルボニル、C6-20アリールアミノカルボニル、C7-2Oアラルキル-アミノ、ヒドロキシル又はC2-10アシルオキシ基であり、そのいずれも、ハロゲン原子、アルコキシ、オリゴ-アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、アシルアミノ、アミン(アルキル基が置換されてよい、モノ及びジ-アルキルアミノ及びトリ-アルキルアンモニウムを含む)、カルボキシル、スルホニル、ホスホリル、ホスフィノ(モノ-及びジ-アルキルホスフィン及びトリ-アルキルホスホニウムを含む)、両性イオン基、ヒドロキシル基、ビニルオキシカルボニル及び他のビニル系もしくはアリル系置換基、及びトリアルコキシシリル基などの反応性シリル基もしくはシリルオキシ基から選択された1個以上の置換基を有することができるか;
又は、R21及びR20もしくはR21及びR19は一緒に、-CONR23COを形成し、ここでR23はC1-20アルキル基である。)。
典型的には、この疎水性ブロックは、2-(ジメチル)エチルメタクリレート(DMA)単量体からは形成されない。
前記リビング・ラジカル重合プロセスは、ゲル透過クロマトグラフィーによって判断されるように、1.5未満の(分子量の)多分散度を有する両性イオン単量体の重合体を提供することが見出された。本ブロック又は各ブロックに関して、1.2〜1.4の範囲の多分散性が好ましい。
(i)前記両親媒性共重合体を水性媒体中に分散する工程;
(ii)工程(i)において形成された組成物を酸性化する工程;
(iii)酸性化された組成物に抗体を添加する工程;及び
(iv)そのpHを中性近傍に上昇させ、該抗体を封入する工程。
抗体と会合された小胞は、例えば細胞によるこれらの小胞の取り込みを促進する様式で、細胞と接触される。典型的には、これらの細胞は、培養培地において増殖され、その後ウェルプレート又はカバースリップなどの好適な支持体上に播種される。次にこれらの小胞は、支持体上の細胞に直接添加される。典型的には、既知量の小胞の水性分散体(例えばPBS中5〜20mg/ml)が、細胞培養培地内の細胞に添加される。
これらの抗体-負荷された小胞と接触される細胞は、初代細胞、癌細胞及び幹細胞を含む、ヒト細胞又は動物細胞であることができる。
(実施例1:共重合体合成)
(PMPC25-PDPA70合成)
2-(メタクリロイルオキシ)エチルホスホリルコリン(MPC;>99%)を、受けとったまま使用した(Biocompatibles UK社)。2-(ジイソプロピルアミノ)エチルメタクリレート(DPA)は、Scientific Polymer Products社(米国)から購入した。臭化銅(I)(CuBr;99.999%)、2,2'-ビピリジン(bpy)、メタノール及びイソプロパノールは、Aldrich社から購入し、かつ受け取ったまま使用した。ATRP銅触媒の除去に使用したシリカは、E. Merck社(Darmstadt, 独国)から購入した、カラムクロマトグラフィー等級のシリカゲル60(0.063〜0.200mm)であった。2-(N-モルホリノ)エチル2-ブロモ-2-メチルプロパノエート(ME-Br)開始剤は、先に報告された手順(Robinson, K. L.らの論文、J. Mater. Chem., 12, 890 (2002))に従い合成した。
Vamvakakiらの論文(Macromolecules, 32(6) 2088-2090 (1999))に従う手順を、以下に詳述したように改変した。
モノヒドロキシでキャッピングされたポリ(エチレンオキシド)(PEO)は、Inspec U.K.により寄贈された。GPC分析で、PEOのMw/Mnの1.10を得;PEOの重合度は、22又は45のいずれかであった。典型的合成において、PEO(5.0g)を、無水THF 100mL中に溶解し、乾燥窒素下で、丸底フラスコに添加した。THF中のナフタレンカリウム(2.50mmol)を、ダブルチップニードルにより添加し、この反応溶液を、30℃で1〜2時間攪拌し、アルコラートマクロ開始剤を形成した。新たに蒸留した第3級アミンメタクリレート(5〜15mL)を添加し、重合を4時間進行させ、その後メタノールでクエンチした。場合によっては、この重合は、35℃又は50℃で行った。溶媒を真空下で除去し、共重合体を希HCl中に再溶解し、水に不溶性のナフタレンを濾過により除去した。共重合体分子量は良好に制御されたPEG113-PDPA71及びPEG10-PDPA30が、高収率(95〜100%)で得られた。
PMPC25-PDPA70共重合体(20mg)を、ガラスバイアルに添加し、クロロホルム:メタノールの2:1溶液中に濃度3mg/mlで溶解した。この溶媒を、真空下で蒸発させ、バイアルの壁上に付着した共重合体の薄膜を得た。この共重合体薄膜を、オートクレーブ中で滅菌し、次にリン酸緩衝生理食塩水(100mM PBS)を使用し無菌条件下で再水和し、0.5%(w/w)共重合体懸濁液を形成した。この懸濁液のpHを、pH2まで低下させ、薄膜を再度可溶化し、かつそのpHをpH6.0まで上昇させた。標識されたヤギ抗-ヒトIgG(非特異的二次抗体)からなる抗体懸濁液を、この重合体溶液に添加した。重合体溶液1mlにつき抗体懸濁液50μgを添加した。細胞を抗体負荷された小胞と接触する場合、細胞培地10中に小胞1を希釈したものを使用した。従って抗体の濃度は、5μm/ml細胞培地であり、これは従来の免疫標識において使用される濃度とほぼ同じである。抗体を封入している小胞は、Sepharose 4Bを含むサイズ排除カラムを使用するゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により精製し、かつpH7.3のPBSを用い小胞を溶離した。Perkin Elmer Lambda 25 UV分光光度計を使用し260nmでのUV吸収を測定することにより決定された抗体を封入している小胞を含んだ画分を使用し、以下に詳述した実施例において細胞を処理した。
初代ヒト皮膚線維芽細胞(HDF)を、腹部形成術又は乳房縮小手術から得られた皮膚から単離した(地域の倫理上承認された指針に従う、NHS Trust, Sheffield, 英国)。線維芽細胞の初代培養物を、Ralstonらの論文(Br J Dermatol. 1999年4月;140(4): 605-15)において先に説明されたように確立した。簡単に述べると、皮膚の表皮層を、トリプシン処理により除去し、残存する真皮層を、PBSで洗浄した。次に真皮を、手術用ブレードを用いて細かく裂き、0.5%(w/v)コラゲナーゼA中で、加湿したCO2インキュベーター内で、37℃で一晩インキュベートした。この消化物から細胞のペレットを収集し、10%(v/v)ウシ胎仔血清、2mM L-グルタミン、100IU/mlペニシリン、100mg/mlストレプトマイシン及び0.625μg/mlアンホテリシンBを補充したDMEM(Sigma社、英国)中で培養した。細胞は、0.02%(w/v)EDTAを使用しルーチン的に継代し、かつ継代数4と8の間で実験に使用した。
試料の吸光度を、二次抗体(標識されたヤギ抗-ヒトIgG)の数多くの異なる濃度にわたり検量した。この検量曲線は、動態試験時に細胞中に存在する抗体量の算出を可能にした。増大する濃度のポリマーソーム及びその結果としての増大する濃度の二次抗体の試料を調製した(PBS 1mlにつき抗体0.0μg、0.0063μg/ml、0.013μg/ml、0.0251μg/ml、0.0376μg/ml)。細胞の表面上にポリマーソーム(通常の培養培地中1mg/ml)を負荷する主要実験を行った。試料は、数多くの時点(5、15、30、45、60分)にわたりインキュベートし、小胞への細胞取り込みに関するデータを得た(図1参照)。その後全ての試料をPBSで5回洗浄し、あらゆる負荷されない小胞を除去した。トリプシンEDTAを2分間使用し、細胞をウェルプレートから剥離した。その後実施例5に詳述したようにフローサイトメトリー分析を試行するために、細胞をPBS中で調製した。これらのポリマーソームは、あらゆる細胞により取り込まれ、1時間のインキュベーション後の細胞取り込みは70%であった(図2)。ポリマーソームの初回負荷後に、1個の細胞当たりの蛍光は鋭く増大し、強度は5〜30分間は比較的安定し、細胞取り込みは22〜28%の間で変動した。30分時点の後、1個の細胞当たりの蛍光の線形の増加が認められた。吸光度を評価し、その結果各細胞中に存在する抗体の量を概算するために、300μlを採取した。大量の活性抗体が、生存細胞内に送達された(図3)。
ポリマーソーム送達効率を、先に説明されたように5×104個細胞/ウェルで細胞を播種し、次にそれらをポリマーソームに封入された一次抗体及び二次抗体と接触することにより調べた。細胞を負荷し、共焦点顕微鏡を用いて撮像した。固定し、かつ一次抗体(抗-ゴルジン-97(ヒト)マウスIgG1モノクローナルCDF4)及び二次抗体(AlexaFluor 546ヤギ抗-ヒトIgG)で染色した対照試料を、免疫染色プロトコールに従い調製した。
カバースリップ上で既に増殖した細胞を、PBSで3回洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで固定した。次にその膜を、0.1%トリトンにより20分間透過性亢進し、反応しなかった結合部位を5%BSAで1時間ブロックした。この時点の後、一次抗体を、1%BSA溶液に添加し(Invitrogen社から購入した抗-ゴルジ-97(ヒト)マウスIgG1モノクローナルCDF4(Anti Golgi))、かつこのプレートを一晩4℃に放置した。その日、カバースリップを、再度(3回)慎重に洗浄した後、二次抗体を添加した(AlexaFluor 546ヤギ抗-ヒトIgG)。カバースリップを、二次抗体中で2時間インキュベートし、その後慎重に洗浄した。細胞とカバースリップを、ハンギングドロップスライド(hanging drop slide)上に直接乗せ、視認した。
次にカバースリップを、PBSで3分間すすいだ。最後にカバースリップを、顕微鏡スライド上に乗せ、CLS顕微鏡を用いて分析した。図4は、染色された細胞並びに実施例1及び2のポリマーソームで処理した生存細胞の結果を示している:一次抗体及び二次抗体で固定された細胞(4c)、並びに二次抗体-のみで固定された細胞(4a);並びに、一次抗体及び二次抗体を含む本発明のポリマーソームで処理された生存細胞(4d)、並びに二次抗体-のみを含む本発明のポリマーソームで処理された生存細胞(4b)。図4bの結果を得るために、生存細胞は、ポリマーソーム中に封入された一次抗体で24時間負荷し、その後ポリマーソーム中に封入された二次抗体で2時間負荷した。一次抗体は、細胞内標的(ゴルジ)へと送達されたことが示された。固定された細胞と生存細胞の両方に関して、結果はほとんど同じであることを認めることができる。唯一の差異は、シグナル強度に関連する。これは、ゴルジの標的化に利用可能な抗体の量は、細胞がトリトンにより処理された場合により大きくなるからである。加えて固定された細胞において、遊離の抗体を洗浄することが可能であるのに対し、生存細胞において、その膜は完全に無傷(entact)でありかつ損傷を受けていないのでこれは不可能である。これらの結果は、生存細胞内の活性抗-ゴルジン抗体の送達及びゴルジ装置の特異的標的化を明らかにしている。
フローサイトメトリーは、細胞カウント及び生存度アッセイを提供する技術である。第一の光電子倍増管は、580nmに集結された蛍光による全ての事象を確定し、第二のものは、675nmに集結された蛍光による全ての事象を確定する。次にこれらのデータを図5aに示し、これは、図5bのCLS画像により明らかにされるように、線維芽細胞の大部分が、二次抗体(AlexaFluor 546ヤギ抗-ヒトIgG)を取り込んでいることを明確に示している。
実施例2の手順を使用し、封入された抗体抗-ヒトアクチンを備えるポリマーソームを作製した。これらのポリマーソームを、実施例3の方法を用い、生存ヒト皮膚線維芽細胞と接触させた。アクチンの線維構造は、明確に視認できた。カラー画像において、緑色アクチン(カラー抗体)及び細胞の赤色/黄色自己蛍光は、明確に識別することができた。
図6は、可視化された細胞からの蛍光が常に生じ、それらの細胞の細胞質ゾルをゆっくり満たしていくことを示すビデオから作製した3枚のスライドを示している。これらの試験からの最も重要な知見は、PMPC-PDPAポリマーソームは、細胞により取り込まれるのみではなく、物質を細胞質ゾルへ送達することもできることであり、これは従来のエンドサイトーシス経路を回避することができることを示唆している。
抗体の完全性は、CLSMにより、一次標識化抗体の標的化能を検証することにより明らかにされた(図7)。図7a及び7bにおいて、抗α-チューブリンFITC標識された一次抗体で負荷されたポリマーソームが、生存HDF細胞に24時間曝されている。チューブリンフィラメントは、これらの細胞の細胞質ゾル内に広範に存在する。チューブリンフィラメント(白色の溝)は、明らかに印しをつけられているように見え、標的作用、環境による分解からの保護及びこれらの細胞の細胞質ゾル内での均質な放出を確認している。
ヒト真皮線維芽細胞を、6ウェルプレートにおいて培養した。ヒトNFκB-p65に対するウサギポリクローナル抗体(Abeam社)を、PMPC20-PDPA75ポリマーソーム内部に封入した。この抗体は、NFκBの機能に重要である特異的リン酸化ポイントから離れたこのタンパク質のC-末端内の領域を標的化することを基に選択した。細胞取り込みを確実にするために、細胞をポリマーソーム-抗p65と共に、6時間インキュベートした。NFκBの移行を活性化するために、細胞を、細菌のリポ多糖(LPS、Sigma-Aldrich社)によっても刺激した。ふたつの異なる種類の刺激を、以下のように行った:a)細胞をポリマーソーム-抗p65NFκB抗体取り込みの6時間後にLPS 1μg/mLで刺激した(2時間)、又は、b)細胞をポリマーソーム-抗p65NFκB抗体取り込み前に2時間LPS 1μg/mLで刺激した。顕微鏡における細胞のバックグラウンドノイズを確立するための追加の陰性対照として、細胞をPBSにおいて空のポリマーソームで処理した(結果は示さず)。結果を図8にまとめている。
標的化作用を、一次抗体及び二次抗体を封入することにより示すことができる。ゴルジを、細胞小器官標的化のモデルとして選択した。標的化された領域は限定されているので、検出可能なシグナルを得るために、結合部位を拡大することが必要である。標識化された領域を拡大するために、エピトープを結合することができる。非標識一次抗体(抗-ゴルジン-97(ヒト)マウスIgG1モノクローナルCDF4)を使用した。二次抗体(AlexaFluor546ヤギ抗-ヒトIgG)は、この一次抗体を特異的に標識した。一次抗体及び二次抗体を封入し、生存HDF細胞を処理した。共焦点レーザー走査型顕微鏡(CLSM)により、負荷された試料を、固定された試料と比較した。顕微鏡像11a及び11bは、一次抗体が封入され、かつ細胞の細胞質ゾル内に24時間で送達された生存細胞を示している。抗体は残留し、ゴルジ装置に配置されたそれらのエピトープに達した。その後に蛍光標識された二次抗体が、ポリマーソームにより個別に送達され、先に放出されたそれらの一次抗体と合致するように残った。図11c及び11dは、通常の免疫標識により一次抗体及び二次抗体で染色された固定された細胞を図示している。この実験は、ポリマーソームの安定性及び特異的標的化を混乱させることなく、生体活性分子を生存細胞内で送達するポリマーソームの能力を強調している。
生存状態での免疫標識化は、細胞固定により引き起こされるアーチファクトを生じることなく、細胞周期をモニタリングするのに必須である。この技術は、例えば、図12に明らかにされた有糸分裂紡錘体など、関連細胞の細胞内の詳細を示す細胞探索の新たな窓を開いた。有糸分裂紡錘体は、有糸分裂時にふたつの娘細胞へ染色体をわけて引っ張る、細胞骨格機構である。細胞内で送達されている抗体は、エンドサイトーシス経路を回避し、細胞の細胞質ゾル全体に拡散し、かつ核内であっても古典的ロックキーモデルでそれらの標的を複雑化することが依然可能である。
Claims (15)
- ナノ小胞、及び該ナノ小胞の水性コア内に封入された、内因性細胞内標的への特異的結合が可能である抗体を含む組成物であって、ここで該ナノ小胞が、親水性及び疎水性ブロックを有する両親媒性ブロック共重合体を含み、かつ該親水性ブロック対疎水性ブロックの重合度の比が1:2.5〜1:8の範囲であり、かつ該疎水性ブロックが、50〜250の範囲の重合度を有し、かつ該親水性ブロックが、少なくとも15の重合度を有する、前記組成物。
- 前記ブロックの一方が、3.0〜6.9の範囲のpKaを有するペンダント基を備える、請求項1記載の組成物。
- 前記ナノ小胞が、50〜1000nmの範囲の直径を有する、請求項1又は2記載の組成物。
- 前記親水性ブロックが、ポリアルキレンオキシドである、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
- 前記親水性ブロックが、両性イオン単量体を含むエチレン性不飽和のラジカル重合可能な単量体から形成される、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
- 前記両性イオン単量体は、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンである、請求項5記載の組成物。
- 前記疎水性ブロックが、エチレン性不飽和単量体のラジカル重合により形成される、請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
- 前記の疎水性ブロックがそれから形成される単量体が、一般式VIIを有する、請求項7記載の組成物:
Y1B1Q VII
(式中
Y1は、H2C=CR14-CO-A8-、H2C=CR14-C6H4-A9-、H2C=CR14-CH2A10、R16O-CO-CR14=CR14-CO-O、R14CH=CH-CO-O-、R14CH=C(COOR16)CH2-CO-O、
A8は、-O-又はNR15であり;
A9は、結合、(CH2)qA10及び(CH2)qSO3 -から選択され、ここでqは1〜12であり;
A10は、結合、-O-、O-CO-、CO-O-、CO-NR15-、-NR15-CO、O-CO-NR15-、NR15-CO-O-から選択され;
R14は、水素又はC1-4アルキルであり;
R15は、水素、C1-4-アルキル又はB1Qであり;
R16は、水素又はC1-4アルキルであり;
B1は、結合、又は任意に1個以上のフッ素置換基を含む直線状分岐状のアルカンジイル、アルキレンオキサアルキレン、又はアルキレン(オリゴオキサアルキレン)基であり;かつ
Qは、式-NR17 P、-PR17 P及びSR17 rの陽イオン基もしくは陽イオン化可能な基であり、ここでpは、2又は3であり、rは1又は2であり、基R17は、同一又は異なり、かつ各々は、水素、C1-24アルキル及びアリールからなる群から選択されるか、又は基R17の2個は、それらに結合されたヘテロ原子と協働して5〜7員の複素環を形成するか、又は3個のR17基は、それらに結合されたヘテロ原子と協働して、その環のいずれかが別の5〜7員の飽和もしくは不飽和環に縮合され得る5〜7員の複素環式芳香環を形成し、かつR17基のいずれかは、アミノ基もしくはヒドロキシル基又はハロゲンにより置換され得;ここで、pが3である場合、基R17の少なくともひとつは、水素でなければならない。)。 - 前記疎水性ブロックが、(ジイソプロピルアミノ)エチルメタクリレート(DPA)又は(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート(DEA)単量体から形成される、請求項1〜8のいずれか1項記載の組成物。
- 前記共重合体のブロックのひとつが、pH-感受性である、請求項1〜9のいずれか1項記載の組成物。
- (i)前記両親媒性共重合体を水性媒体中に分散する工程;
(ii)工程(i)において形成された組成物を酸性化する工程;
(iii)酸性化された組成物に抗体を添加する工程;及び
(iv)そのpHを中性近傍に上昇させ、該抗体を封入する工程:を含み、
工程(i)の前に、前記両親媒性共重合体が、反応容器内で有機溶媒に分散され、その後この溶媒が蒸発され、該反応容器の内側上に薄膜を形成する予備工程を任意に含む、請求項10記載の組成物の製造方法。 - 請求項1〜10のいずれか1項記載の組成物を、細胞と接触させることを含む、抗体を細胞へ送達するインビトロ方法。
- 前記細胞が生存している、請求項12記載の方法。
- 前記小胞が、細胞により取り込まれ、一旦該細胞の内側で該小胞が解離し、かつ抗体を放出し、これが細胞内標的に結合する、請求項12記載の方法。
- 療法による治療方法において使用するための、請求項1〜10のいずれか1項記載の組成物。
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