JP5574179B2 - プロジェクタにおける階調補正方法及びプロジェクタ - Google Patents

プロジェクタにおける階調補正方法及びプロジェクタ Download PDF

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Description

本発明は、プロジェクタにおける階調補正方法及びプロジェクタに関する。
今日、パーソナルコンピュータの画面やビデオ画像、さらにメモリカード等に記憶されている画像データによる画像等をスクリーンに投影する画像投影装置としてのデータプロジェクタが多用されている。このようなプロジェクタにおいて、従来は高輝度の放電ランプを光源とするものが主流であったが、近年、光源装置の発光素子として発光ダイオード(LED)やレーザー発光器、有機EL、あるいは、蛍光体層が敷設された蛍光板等を用いる開発や提案が多々なされている。
例えば、特開2004−341105号公報(特許文献1)では、紫外光を射出する励起光源と、この励起光源からの射出光を受けて赤色、緑色及び青色波長帯域光を夫々射出する蛍光体層が周方向に敷設された回転蛍光板である蛍光ホイールと、からなる光源装置の提案がなされている。
特開2004−341105号公報
蛍光ホイール等の表面に蛍光体層が敷設された蛍光板では、蛍光体層を蛍光板に塗り付ける際に、塗り斑、あるいは、塗り残し(塗られていない場所があること)が生じることがあり、特に、蛍光体層の塗り始めと塗り終わりの位置には最大で±2度程度の塗り誤差が生じることがある。このように蛍光板に塗り斑や塗り残しがある場合、塗り斑や塗り残しの箇所に励起光が照射されると発光量が周りに比べて少ない、あるいは、全く発光しないこととなり、塗り斑や塗り残しがない状態を想定して色の階調設定を行っていると、階調の色飛びが生じてしまうことがある。また、塗り斑や塗り残しによって光量が減るため、輝度が下がるという問題点もある。
階調における色飛びを改善するためには、光量が減った波長帯域光に合わせて他の波長帯域光の光量を減らして階調設定を仕直すことが考えられるが、この場合にはさらに光量が減るため輝度が低下してしまうこととなる。暗い部屋の中で映画を投影するとき等、色を優先して投影するのであれば輝度が多少下がっても問題とならないが、プレゼンテーションで用いる場合等、明るい場所で投影する必要があるときには輝度の減少が大きな問題点となる。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、蛍光板における蛍光体層の塗り斑や塗り残しが生じた場合に、この塗り斑や塗り残しに励起光が照射されるタイミングで他の光源を点灯させるように光源制御の設定を補正する階調補正方法と、この階調補正方法によって補正された光源制御の設定にしたがって各光源を制御することにより高輝度な画像の投影が可能となったプロジェクタと、を提供することを目的としている。
本発明の階調補正方法は、励起光を射出する第一光源と、該第一光源からの射出光を受けて所定波長帯域の蛍光光を射出する蛍光体層が帯状に敷設されてなる蛍光発光領域を有した蛍光板と、前記第一光源からの射出光が前記蛍光板における順次異なる位置に照射されるように前記蛍光板を駆動する駆動手段と、前記蛍光体層及び前記第一光源からの射出光とは異なる所定波長帯域光を射出する第二光源と、を有した光源ユニットを備えるプロジェクタにおける階調補正方法であって、階調を表すインデックス画面を投影するインデックス画面投影工程と、該インデックス画面投影工程で投影した画面において前記蛍光体層の塗り斑や塗り残しによる階調の色飛びが生じているか否かを判定する階調判定工程と、該階調判定工程において階調の色飛びが生じている場合、前記蛍光体層の塗り斑や塗り残しが前記第一光源の光軸上に位置したタイミングで前記第二光源が点灯されるように設定する第二光源点灯設定工程と、該第二光源点灯設定工程で設定したタイミングで前記第二光源を点灯させる場合の前記第二光源の点灯時間を設定する点灯時間設定工程と、前記インデックス画面において階調が補正されているか否かを確認する階調補正確認工程と、該階調補正確認工程において階調が補正されている場合に、前記第二光源点灯設定工程及び前記点灯時間設定工程で設定した光源制御情報を記憶手段に記憶させる設定保存工程と、を実行することを特徴とする。
また、本発明の階調補正方法は、前記蛍光板が、前記蛍光発光領域と、前記第一光源からの射出光を拡散させる拡散領域と、を並設してなり、前記駆動手段が前記蛍光発光領域及び前記拡散領域を順次前記第一光源の光軸上に位置させるように前記蛍光板を交互移動させるプロジェクタにおける階調補正方法であって、前記第二光源点灯設定工程では、前記蛍光板の前記蛍光発光領域における前記拡散領域との境界部分が前記第一光源の光軸上に位置したタイミングで前記第二光源が点灯するように設定することを特徴とする。
さらに、本発明の階調補正方法は、前記蛍光板が、前記蛍光発光領域と、前記第一光源からの射出光を拡散させる拡散領域と、を周方向に並設してなる蛍光ホイールとされ、前記駆動手段が前記蛍光ホイールを周方向に回転させるホイールモータとされたプロジェクタにおける階調補正方法であって、前記第二光源点灯設定工程では、前記蛍光体層の前記拡散領域との境界部分における前記塗り斑や塗り残しが生じた領域が前記第一光源の光軸上に位置しているタイミングで前記第二光源が点灯するように設定することを特徴とする。
また、本発明の階調補正方法は、前記階調補正確認工程において階調が補正されていない場合、前記点灯時間設定工程を再び実行することを特徴とする。
そして、本発明の階調補正方法は、前記階調判定工程において階調の色飛びが生じている場合、照度測定手段による測定結果を基に前記蛍光板の蛍光体層における塗り斑や塗り残しの位置を特定する塗り斑位置特定工程を実行し、該塗り斑位置特定工程で特定した塗り斑や塗り残しの位置が前記第一光源からの射出光の光軸上に位置するタイミングで前記第二光源を点灯させるように前記第二光源点灯設定工程を実行することを特徴とする。
また、本発明の階調補正方法は、前記第一光源が青色波長帯域光を射出する半導体発光素子とされ、前記第二光源が赤色波長帯域光を射出する半導体発光素子とされ、前記蛍光体層が前記第一光源からの射出光を励起光として緑色波長帯域光を射出する緑色蛍光体層とされたプロジェクタにおける階調補正方法であることを特徴とする。
本発明のプロジェクタは、光源ユニットと、表示素子と、前記光源ユニットからの射出光を前記表示素子まで導光する光源側光学系と、前記表示素子によって生成された画像を投影面に投影する投影側光学系と、前記光源ユニットや表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を有し、前記プロジェクタ制御手段は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の階調補正方法によって前記記憶手段に記憶された光源制御情報にしたがって前記第一光源、前記第二光源及び前記駆動手段を制御する光源制御手段を備えていることを特徴とする。
また、本発明のプロジェクタは、色調を優先して投影する彩度優先モードと、輝度を優先して投影する輝度優先モードと、を備え、前記光源制御手段は、前記輝度優先モードが選択されているときに前記階調補正方法によって前記記憶手段に記憶された光源制御情報にしたがって前記第一光源、前記第二光源及び前記駆動手段を制御することを特徴とする。
本発明によれば、蛍光板における蛍光体層の塗り斑や塗り残しが生じた場合に、この塗り斑や塗り残しに励起光が照射されるタイミングで他の光源を点灯させるように光源制御の設定を補正する階調補正方法と、この階調補正方法によって補正された光源制御の設定にしたがって各光源を制御することにより高輝度な画像の投影が可能となったプロジェクタと、を提供できる。
本発明の実施例に係るプロジェクタを示す外観斜視図である。 上記プロジェクタの機能回路ブロック図である。 上記プロジェクタの内部構造を示す平面模式図である。 上記プロジェクタに用いる蛍光ホイールの概略図である。 上記プロジェクタにおける投影光の補正方法のフローを示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について述べる。本発明のプロジェクタ10は、光源ユニット60と、表示素子51と、光源ユニット60からの射出光を表示素子51まで導光する光源側光学系170と、表示素子51によって生成された画像を投影面に投影する投影側光学系220と、光源ユニット60や表示素子51を制御するプロジェクタ制御手段と、を有する。
この光源ユニットは、励起光を射出する第一光源としての励起光源71と、この第一光源からの射出光を受けて所定波長帯域の蛍光光を射出する蛍光体層が帯状に敷設されてなる蛍光発光領域、及び、第一光源からの射出光を拡散させる拡散領域が周方向に並設された蛍光板としての蛍光ホイール101と、蛍光発光領域及び拡散領域を順次第一光源の光軸上に位置させるように蛍光板を交互移動させる駆動手段としてのホイールモータ110と、蛍光体層及び第一光源からの射出光とは異なる所定波長帯域光を射出する第二光源としての赤色光源121と、を備える。
この蛍光板では、蛍光体層を蛍光板に塗り付けるときに蛍光発光領域と拡散領域との境界部分に塗り誤差として±2度程度の塗り斑や塗り残しが生じた領域が生成されることがある。そして、プロジェクタ10では、この塗り誤差によって投影光の階調の色飛びが生じることがある。そこで、本発明のプロジェクタ10では、下記の階調補正方法によって塗り誤差による階調の色飛びを補正している。
本発明の階調補正方法は、階調を表すインデックス画面を投影するインデックス画面投影工程と、該インデックス画面投影工程で投影した画面において階調の色飛びが生じているか否かを判定する階調判定工程と、該階調判定工程において階調の色飛びが生じている場合に第一光源の光軸上に蛍光体層の塗り斑や塗り残しが位置したタイミングで第二光源が点灯するように設定する第二光源点灯設定工程と、第二光源点灯設定工程で設定したタイミングで第二光源を点灯させる場合の第二光源の点灯時間を設定する点灯時間設定工程と、インデックス画面において階調が補正されているか否かを確認する階調補正確認工程と、該階調補正確認工程において階調が補正されている場合に、第二光源点灯設定工程及び点灯時間設定工程で設定した光源制御情報を記憶手段に記憶させる設定保存工程と、を実行することで第一光源や第二光源、駆動手段の制御方法を補正する。また、この階調補正方法においては、階調補正確認工程で階調が補正されていない場合には点灯時間設定工程を再び実行する。
また、本発明の階調補正方法は、第二光源点灯設定工程において、蛍光板の蛍光発光領域における拡散領域との境界部分で第二光源を点灯するように設定し、点灯時間設定工程において、蛍光体層の拡散領域との境界部分における塗り斑や塗り誤差が生じた領域で第一光源が点灯される時間を第二光源の点灯時間として設定する。
なお、第一光源は青色波長帯域光を射出する半導体発光素子としての青色レーザー発光器であり、第二光源は赤色波長帯域光を射出する半導体発光素子としての赤色発光ダイオードであり、蛍光体層は第一光源からの射出光を励起光として緑色波長帯域光を射出する緑色蛍光体層である。
そして、本発明のプロジェクタ10は、色調を優先して投影する彩度優先モードと、輝度を優先して投影する輝度優先モードと、で投影を可能とし、プロジェクタ制御手段は、輝度優先モードが選択されているときに上述した階調補正方法によって記憶手段に記憶された光源制御情報にしたがって第一光源、第二光源及び駆動手段を制御する光源制御手段を備える。
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1は、プロジェクタ10の外観斜視図である。なお、本実施例において、左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とはプロジェクタ10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
本実施例に係るプロジェクタ10は、図1に示すように、略直方体形状であって、本体ケースの前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有し、正面パネル12には複数の吸気孔18が形成されている。さらに、正面パネル12には、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部が取り付けられている。
また、本体ケースである上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源装置や表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。また上面パネル11は、プロジェクタ筐体の上面と左側面の一部までを覆っており、故障時等には上面パネル11を開閉できるように開閉パネルとして構成されている。
さらに、筐体の背面には、背面パネルにUSB端子や画像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。また、背面パネルには、複数の吸気孔18が形成されている。なお、図示しない筐体の側板である右側パネル、及び、図1に示した側板である左側パネル15には、各々複数の排気孔17が形成されている。また、左側パネル15の背面パネル近傍の隅部には、吸気孔18も形成されている。さらに、図示しない下面パネルにおける正面、背面、左側及び右側パネルの近傍にも、吸気孔あるいは排気孔が複数形成されている。なお、右側パネルや左側パネル15は、上面パネル11と底面パネルが組み合わされて形成されている。
次に、プロジェクタ10のプロジェクタ制御手段について図2のブロック図を用いて述べる。プロジェクタ制御手段は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26、照度センサ42等から構成される。この制御部38は、プロジェクタ10内の各回路の動作制御を司るものであって、制御手段としてのCPUや、各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。なお、このROM或いはRAMは、光源制御情報記憶手段としても機能する。
入出力インターフェース22には、入出力コネクタ部21が接続されており、この入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。表示駆動部26は、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものであり、光源ユニット60から射出された光線束を導光光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像を形成し、投影側光学系を介して投影面に画像を投影表示する。なお、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
画像圧縮伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行なう。
本体ケースの上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
制御部38は、光源制御手段としての光源制御回路41を制御している。この光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光源光が光源ユニット60から射出されるように、後述する光源ユニット60の励起光照射装置70及び赤色光源装置120の発光を個別に制御する。また、光源制御回路41は、制御部38に制御されて駆動手段としてのホイールモータ110の停止、回転の制御を行う。
また、本実施例のプロジェクタ10は、映画等を鑑賞するときの投影モードである色調を優先した色優先モードと、プレゼンテーション等の明るい場所での投影モードである輝度を優先した輝度優先モードと、で投影が可能とされている。そして、光源制御回路41は、各投影モードに対応した光源制御を行う。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源ユニット60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
照度センサ42は、光源ユニット60からの射出光の照度を測定する照度測定手段である。この照度センサ42は、光源ユニット60から射出される光の照度を測定し、測定した結果を制御部38に出力する。制御部38は、入力された光の照度の測定値から後述する励起光源71や赤色光源121、蛍光体層等の状況を判定し、照度に異常が見られる場合は光源制御回路41を制御して各光源の出力値等を変化させる。
次に、このプロジェクタ10の内部構造について述べる。図3は、プロジェクタ10の内部構造を示す平面模式図である。プロジェクタ10は、図3に示すように、右側パネル14の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えてなる。また、プロジェクタ10は、制御回路基板241の側方、つまり、プロジェクタ筐体の略中央部分に光源ユニット60を備えている。
さらに、プロジェクタ10は、光源ユニット60と左側パネル15との間に光学系ユニット160を備えている。なお、光源ユニット60や光学系ユニット160の上方、つまり、光源ユニット60や光学系ユニット160と上面パネル11との間には、図示しないがCPU等を備えた主制御回路基板が配置されている。
光源ユニット60は、プロジェクタ筐体の左右方向における略中央部分であって背面パネル13近傍に配置される励起光照射装置70と、この励起光照射装置70から射出される光線束の光軸上であって正面パネル12の近傍に配置される蛍光発光装置100と、励起光照射装置70と蛍光発光装置100との間に配置される赤色光源装置120と、蛍光発光装置100からの射出光や赤色光源装置120からの射出光の光軸が同一の光軸となるように変換する導光光学系140と、を備える。
励起光照射装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された第一光源としての励起光源71と、励起光源71からの射出光の光軸を正面パネル12方向に90度変換する反射ミラー群75と、反射ミラー群75で反射した励起光源71からの射出光を集光する集光レンズ78と、励起光源71と右側パネル14との間に配置されたヒートシンク81と、を備える。
励起光源71は、青色波長帯域光を射出する半導体光源として複数の青色レーザー発光器がマトリクス状に配列されてなり、各青色レーザー発光器の光軸上には、各青色レーザー発光器からの射出光を平行光に変換するコリメータレンズ73が夫々配置されている。また、反射ミラー群75は、複数の反射ミラーが階段状に配列されてなり、励起光源71から射出される光線束の断面積を一方向に縮小して集光レンズ78に射出する。
ヒートシンク81と背面パネル13との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261とヒートシンク81とによって励起光源71が冷却される。さらに、反射ミラー群75と背面パネル13との間にも冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって反射ミラー群75や集光レンズ78が冷却される。
蛍光発光装置100は、正面パネル12と平行となるように、つまり、励起光照射装置70からの射出光の光軸と直交するように配置された蛍光板としての蛍光ホイール101と、この蛍光ホイール101を回転駆動する駆動手段としてのホイールモータ110と、蛍光ホイール101から背面パネル13方向に射出される光線束を集光する集光レンズ群111と、蛍光ホイール101から正面パネル12方向に射出される光線束を集光する集光レンズ115と、を備える。
この蛍光板としての蛍光ホイール101は、図4に示すように、第一光源としての励起光源71からの射出光を受けて緑色波長帯域光を射出する蛍光発光領域102と、励起光源71からの射出光を拡散透過する拡散領域104と、が周方向に並設されてなる。また、蛍光ホイール101における蛍光発光領域102は、表面が銀蒸着等によって反射面とされ、この反射面上に帯状の緑色蛍光体層106が円弧状に塗布されている。また、蛍光ホイール101における拡散領域104は、帯状の開口が円弧状に形成され、この開口に拡散透過板108が装着されてなる。
そして、蛍光ホイール101の緑色蛍光体層106に照射された励起光照射装置70からの射出光は、緑色蛍光体層106における緑色蛍光体を励起し、緑色蛍光体から全方位に蛍光発光された光線束は、直接背面パネル13側へ、あるいは、蛍光ホイール101の表面で反射した後に背面パネル13側へ射出され、集光レンズ群111に入射する。また、蛍光ホイール101の拡散透過領域に照射された励起光照射装置70からの射出光は、微細凹凸によって拡散された青色波長帯域の拡散透過光として集光レンズ115に入射する。なお、ホイールモータ110と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって蛍光ホイール101が冷却される。
赤色光源装置120は、励起光源71と光軸が平行となるように配置された第二光源としての赤色光源121と、赤色光源121からの射出光を集光する集光レンズ群125と、を備える。そして、この赤色光源装置120は、励起光照射装置70からの射出光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光と光軸が交差するように配置されている。この赤色光源121は、赤色波長帯域光を射出する半導体光源としての赤色発光ダイオードである。また、赤色光源装置120は、赤色光源121の右側パネル14側に配置されるヒートシンク130を備える。そして、ヒートシンク130と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって赤色光源121が冷却される。
導光光学系140は、赤色、緑色、青色波長帯域の光線束を集光させる集光レンズや、各色波長帯域の光線束の光軸を変換して同一の光軸とさせる反射ミラー、ダイクロイックミラー等からなる。具体的には、励起光照射装置70から射出される青色波長帯域光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光と、赤色光源装置120から射出される赤色波長帯域光と、が交差する位置に、青色及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射してこの緑色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一ダイクロイックミラー141が配置されている。
また、蛍光ホイール101を拡散透過した青色波長帯域光の光軸上、つまり、集光レンズ115と正面パネル12との間には、青色波長帯域光を反射してこの青色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一反射ミラー143が配置されている。さらに、第一反射ミラー143で反射した青色波長帯域光の光軸上であって光学系ユニット160の近傍には、この青色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二反射ミラー145が配置されている。
また、第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光の光軸及びこの光軸と一致するように第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光の光軸と、第二反射ミラー145で反射した青色波長帯域光の光軸とが交差する位置には、青色波長帯域光を透過し、赤色及び緑色波長帯域光を反射してこれら赤色及び緑色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二ダイクロイックミラー148が配置されている。そして、ダイクロイックミラーや反射ミラーの間には、夫々集光レンズが配置されている。さらに、ライトトンネル175の入射面近傍には、光源光をライトトンネル175の入射口に集光する集光レンズ173が配置されている。
光学系ユニット160は、励起光照射装置70の左側方に位置する照明側ブロック161と、背面パネル13と左側パネル15とが交差する位置の近傍に位置する画像生成ブロック165と、導光光学系140と左側パネル15との間に位置する投影側ブロック168と、の3つのブロックによって略コの字状に構成されている。
この照明側ブロック161は、光源ユニット60から射出された光源光を画像生成ブロック165が備える表示素子51に導光する光源側光学系170の一部を備えている。この照明側ブロック161が有する光源側光学系170としては、光源ユニット60から射出された光線束を均一な強度分布の光束とするライトトンネル175や、ライトトンネル175から射出された光を集光する集光レンズ178、ライトトンネル175から射出された光線束の光軸を画像生成ブロック165方向に変換する光軸変換ミラー181等がある。
画像生成ブロック165は、光源側光学系170として、光軸変換ミラー181で反射した光源光を表示素子51に集光させる集光レンズ183と、この集光レンズ183を透過した光線束を表示素子51に所定の角度で照射する照射ミラー185と、を有している。さらに、画像生成ブロック165は、表示素子51とするDMDを備え、この表示素子51と背面パネル13との間には表示素子51を冷却するためのヒートシンク190が配置されて、このヒートシンク190によって表示素子51が冷却される。また、表示素子51の正面近傍には、投影側光学系220としてのコンデンサレンズ195が配置されている。
そして、表示素子51のオフ光が照射される位置には、上述した照度測定手段としての照度センサ42が配置されている。この照度センサ42は、表示素子51のオフ光から光源ユニット60における各波長帯域光の明るさを測定する。なお、照度センサ42の配置場所は、表示素子51のオフ光が照射される位置に限られず、照度を測定できる場所であれば他の場所であってもよい。
投影側ブロック168は、表示素子51で反射されたオン光をスクリーンに放出する投影側光学系220のレンズ群を有している。この投影側光学系220としては、固定鏡筒に内蔵する固定レンズ群225と可動鏡筒に内蔵する可動レンズ群235とを備えてズーム機能を備えた可変焦点型レンズとされ、レンズモータにより可動レンズ群235を移動させることによりズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
このようなプロジェクタ10においては、カラー画像を投影するために予め階調設定がなされており、この設定が記憶手段としてのROMあるいはRAMに記憶されている。そして、画像を投影する場合には、この階調設定に応じて第一光源としての励起光源71や第二光源としての赤色光源121の点灯を行い、また、駆動手段としてのホイールモータ110の制御を行っている。しかしながら、蛍光ホイール101に蛍光体層を塗布する場合、蛍光体層を均一に塗布することが困難であり、塗り斑や塗り残しが生じることがある。この塗り斑や塗り残しは、蛍光発光領域102における拡散領域104との境界部分、すなわち、塗り始めの位置と塗り終わりの位置で特に顕著であり、蛍光体層には製造誤差である±2度程度の塗り誤差が生じることがある。そして、塗り斑や塗り残し部分に励起光が照射された場合、この部分では蛍光光の光量が少ない、又は、蛍光光が射出されないため、塗り斑や塗り残しがないことを前提として生成された光源制御情報にしたがって投影を行うと階調の色飛びが生じてしまうことがあり、また、輝度が低下してしまうことがある。
階調における色飛びを改善する方法としては、蛍光体層から射出可能な光量に合わせて他の光源の出力を下げるという方法があるが、色優先モードでの投影であればこのような補正方法でもよいものの、プレゼンテーションに用いる場合等、明るい場所で用いる輝度優先モードでの投影では輝度が足りなくなるため、このような補正方法を用いることができない。
そこで、本実施例では、このような階調における色飛びを改善するため、製品製造時(製品出荷前)に光源制御の設定を補正している。以下、この光源制御の設定を補正する階調補正方法について具体的に述べる。図5は、階調補正方法を示すフローチャートである。
投影光の補正を行う者(以下、作業者と称す。)は、図5に示すように、プロジェクタ10の電源を入れてプロジェクタ10による投影を開始する投影開始工程を行い(ステップS101)、インデックス画面をスクリーンに表示させるインデックス画面表示工程を行う(ステップS105)。このインデックス画面とは、投影光の階調(グラデーション:gradation)を投影した画面のことをいう。なお、このインデックス画面としては、赤、緑、青の階調を表示する画面、あるいは、グレーの階調を表示する画面を用いることができる。
次に、作業者は、投影した階調の色飛びがあるか否かを判定する階調判定工程を行う(ステップS111)。そして、階調判定工程(ステップS111)において階調の色飛びが生じている場合、作業者は、上述した照度センサ42から送出される情報を基に蛍光ホイール101における光量が低下する位置や全く発光しない位置、すなわち、塗り斑や塗り残しの位置を特定する塗り斑位置特定工程を行う(ステップS115)。塗り斑位置特定工程(ステップS115)の後、作業者は、特定した塗り斑や塗り残しの位置が励起光源71からの射出光の光軸上に位置するタイミングで赤色光源121を点灯させるように各光源71,121の点灯のタイミングを設定する第二光源点灯設定工程を行い(ステップS121)、さらに、塗り斑や塗り残しが励起光源71からの射出光の光軸上にかかったときから塗り斑や塗り残しが当該光軸上から外れるときまでを点灯時間として設定する点灯時間設定工程を行う(ステップS125)。なお、階調判定工程(ステップS111)において、階調の色飛びが生じていない場合、作業者は投影光の補正を終了する。
点灯時間設定工程(ステップS125)の後、作業者は、インデックス画面における階調を確認して、階調の補正がなされているか否かを判定する階調補正確認工程を行う(ステップS131)。この階調補正確認工程(ステップS131)では、階調判定工程(ステップS111)において階調の色飛びが生じていた箇所に色飛びが生じなくなっているかを確認する。すなわち、本補正では、蛍光体層における塗り斑や塗り残しによって階調の色飛びが生じた場合、色飛び位置では緑色の光が足りていないため青が強く輝度が低いシアン系の色となるが補色となる赤色を点灯させることでシアン系を弱くし、かつ輝度を高くすることによって色飛びを補正しているため、階調補正確認工程(ステップS131)では、色飛びが改善されているかを確認すればよい。
階調補正確認工程(ステップS131)において、階調の色飛びが改善されている場合には第二光源点灯設定工程(ステップS121)及び点灯時間設定工程(ステップS125)で設定された光源制御情報を記憶手段としてのROMあるいはRAMに記憶させる設定保存工程(ステップS135)を行い、投影光の補正を終了する。また、階調補正確認工程(ステップS131)において、階調における色飛びが補正されていない場合、作業者は点灯時間設定工程(ステップS125)を再び行い、階調補正確認工程(ステップS131)で階調の補正がなされるまでステップS125とステップS131を繰り返す。
このような階調補正方法によれば、蛍光体層における塗り斑や塗り残しの位置に励起光が照射されるタイミングで赤色波長帯域光を射出することとなるため、これらの塗り斑や塗り残しを理由として階調に生じた色飛びを改善することができる。また、蛍光体層に塗り斑や塗り残しがあった場合であっても、階調を補正するために輝度を下げる必要がなく、高い輝度を保ったままでの投影が可能となるため、輝度の向上を図ることもできる。具体的には、このような補正方法を用いて投影光の補正を行い、補正後の設定において投影を実施したところ、補正前と比較して1.5%乃至2.0%の輝度を高める効果が得られた。
また、プロジェクタ10が照度センサ42を備えることにより、蛍光板における蛍光体層の塗り斑や塗り残しが生じた位置を特定することができるため、第二光源を点灯させるタイミングを容易に設定できることとなる。さらに、階調補正確認工程において階調が補正されていない場合、点灯時間設定工程を再び実行する構成とすることにより、階調の補正を確実に行うことができる。
なお、上述した階調補正方法では、塗り斑位置特定工程(ステップS115)において塗り斑や塗り残しの位置を特定しているが、上述したように塗り誤差によって生じる蛍光体層における拡散領域104との境界部分等、塗り斑や塗り残しの位置を特定できる場合には、塗り斑位置特定工程(ステップS115)を行わなくてもよい。すなわち、塗り斑位置特定工程(ステップS115)を行わない場合には、蛍光体層における拡散領域104との境界部分、つまり、蛍光板に蛍光体層を塗り始める位置と塗り終わる位置の前後2度の領域を第二光源を点灯する領域と設定すればよい。このように塗り斑位置特定工程(ステップS115)を行わずに光源制御の補正を行った場合であっても、塗り誤差による塗り斑や塗り残しを原因とした階調の色飛びを改善し、かつ、輝度の向上を図ることができる。
そして、本実施例のプロジェクタ10は、輝度優先モードでの投影時に、上述した階調補正方法によって補正され、記憶手段に記憶された光源制御情報にしたがって第一光源や第二光源、駆動手段を制御することにより、輝度が高い画像の投影ができることとなる。なお、色優先モードのときは、上記階調補正方法で生成された光源制御情報を用いて投影することは行わず、輝度が減少しても彩度の高い美麗な画質を投影することとする。
また、上述した実施例では、蛍光板として円形の発光ホイール101を用い、さらに、励起光の光路上に蛍光発光領域102と拡散領域104とを順次交互に移動させる駆動手段としてホイールモータ110を用いる構成としているも、円形以外の蛍光板を用い、駆動手段として蛍光板を直線状に稼働させるアクチュエータ等を用いる構成としてもよい。すなわち、矩形状の蛍光板を用い、駆動手段としてKTN結晶や音響光学素子、MEMSミラー等を用いた光偏光器を用いた構成とすることもできる。このような円形でない蛍光板において蛍光体層に塗り斑や塗り残しが生じた場合であっても、上記階調補正方法によって色調や輝度を高めることができる。
そして、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。
10 プロジェクタ 11 上面パネル
12 正面パネル 13 背面パネル
14 右側パネル 15 左側パネル
17 排気孔 18 吸気孔
19 レンズカバー 20 各種端子
21 入出力コネクタ部 22 入出力インターフェース
23 画像変換部 24 表示エンコーダ
25 ビデオRAM 26 表示駆動部
31 画像圧縮伸長部 32 メモリカード
35 Ir受信部 36 Ir処理部
37 キー/インジケータ部 38 制御部
41 光源制御回路 42 照度センサ
43 冷却ファン駆動制御回路 45 レンズモータ
47 音声処理部 48 スピーカ
51 表示素子 60 光源ユニット
70 励起光照射装置 71 励起光源
73 コリメータレンズ 75 反射ミラー群
78 集光レンズ 81 ヒートシンク
100 蛍光発光装置 101 蛍光ホイール
102 蛍光発光領域 104 拡散領域
106 緑色蛍光体層 108 拡散透過板
110 ホイールモータ 111 集光レンズ群
115 集光レンズ 120 赤色光源装置
121 赤色光源 125 集光レンズ群
130 ヒートシンク 140 導光光学系
141 第一ダイクロイックミラー 143 第一反射ミラー
145 第二反射ミラー 148 第二ダイクロイックミラー
160 光学系ユニット 161 照明側ブロック
165 画像生成ブロック 168 投影側ブロック
170 光源側光学系 173 集光レンズ
175 ライトトンネル 178 集光レンズ
181 光軸変換ミラー 183 集光レンズ
185 照射ミラー 190 ヒートシンク
195 コンデンサレンズ 220 投影側光学系
225 固定レンズ群 235 可動レンズ群
241 制御回路基板 261 冷却ファン

Claims (8)

  1. 励起光を射出する第一光源と、該第一光源からの射出光を受けて所定波長帯域の蛍光光を射出する蛍光体層が帯状に敷設されてなる蛍光発光領域を有した蛍光板と、前記第一光源からの射出光が前記蛍光板における順次異なる位置に照射されるように前記蛍光板を駆動する駆動手段と、前記蛍光体層及び前記第一光源からの射出光とは異なる所定波長帯域光を射出する第二光源と、を有した光源ユニットを備えるプロジェクタにおける階調補正方法であって、
    階調を表すインデックス画面を投影するインデックス画面投影工程と、
    該インデックス画面投影工程で投影した画面において前記蛍光体層の塗り斑や塗り残しによる階調の色飛びが生じているか否かを判定する階調判定工程と、
    該階調判定工程において階調の色飛びが生じている場合、前記蛍光体層の塗り斑や塗り残しが前記第一光源の光軸上に位置したタイミングで前記第二光源が点灯されるように設定する第二光源点灯設定工程と、
    該第二光源点灯設定工程で設定したタイミングで前記第二光源を点灯させる場合の前記第二光源の点灯時間を設定する点灯時間設定工程と、
    前記インデックス画面において階調が補正されているか否かを確認する階調補正確認工程と、
    該階調補正確認工程において階調が補正されている場合に、前記第二光源点灯設定工程及び前記点灯時間設定工程で設定した光源制御情報を記憶手段に記憶させる設定保存工程と、を実行することを特徴とする階調補正方法。
  2. 前記蛍光板が、前記蛍光発光領域と、前記第一光源からの射出光を拡散させる拡散領域と、を並設してなり、前記駆動手段が前記蛍光発光領域及び前記拡散領域を順次前記第一光源の光軸上に位置させるように前記蛍光板を交互移動させるプロジェクタにおける階調補正方法であって、
    前記第二光源点灯設定工程では、前記蛍光板の前記蛍光発光領域における前記拡散領域との境界部分が前記第一光源の光軸上に位置したタイミングで前記第二光源が点灯するように設定することを特徴とする請求項1に記載の階調補正方法。
  3. 前記蛍光板が、前記蛍光発光領域と、前記第一光源からの射出光を拡散させる拡散領域と、を周方向に並設してなる蛍光ホイールとされ、前記駆動手段が前記蛍光ホイールを周方向に回転させるホイールモータとされたプロジェクタにおける階調補正方法であって、
    前記第二光源点灯設定工程では、前記蛍光体層の前記拡散領域との境界部分における前記塗り斑や塗り残しが生じた領域が前記第一光源の光軸上に位置しているタイミングで前記第二光源が点灯するように設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の階調補正方法。
  4. 前記階調補正確認工程において階調が補正されていない場合、前記点灯時間設定工程を再び実行することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の階調補正方法。
  5. 前記階調判定工程において階調の色飛びが生じている場合、照度測定手段による測定結果を基に前記蛍光板の蛍光体層における塗り斑や塗り残しの位置を特定する塗り斑位置特定工程を実行し、
    該塗り斑位置特定工程で特定した塗り斑や塗り残しの位置が前記第一光源からの射出光の光軸上に位置するタイミングで前記第二光源を点灯させるように前記第二光源点灯設定工程を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の階調補正方法。
  6. 前記第一光源が青色波長帯域光を射出する半導体発光素子とされ、
    前記第二光源が赤色波長帯域光を射出する半導体発光素子とされ、
    前記蛍光体層が前記第一光源からの射出光を励起光として緑色波長帯域光を射出する緑色蛍光体層とされたプロジェクタにおける階調補正方法であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の階調補正方法。
  7. 光源ユニットと、表示素子と、前記光源ユニットからの射出光を前記表示素子まで導光する光源側光学系と、前記表示素子によって生成された画像を投影面に投影する投影側光学系と、前記光源ユニットや表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を有し、
    前記プロジェクタ制御手段は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の階調補正方法によって前記記憶手段に記憶された光源制御情報にしたがって前記第一光源、前記第二光源及び前記駆動手段を制御する光源制御手段を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
  8. 色調を優先して投影する彩度優先モードと、輝度を優先して投影する輝度優先モードと、を備え、
    前記光源制御手段は、前記輝度優先モードが選択されているときに前記階調補正方法によって前記記憶手段に記憶された光源制御情報にしたがって前記第一光源、前記第二光源及び前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項7に記載のプロジェクタ。
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