以下、図面を参照して、本発明に係るナビゲーションシステム向け検索支援システムの実施の形態を説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施の形態では、本発明に係るナビゲーションシステム向け検索支援システムを、各車両に搭載されるナビゲーションシステムとセンタとで構成されるナビゲーションシステム向け検索支援システムに適用する。本実施の形態では、ナビゲーションシステムとセンタと間で無線通信可能であり、目的地周辺や経路周辺や現在地周辺の施設を検索する場合にはナビゲーションシステムからセンタに検索ワードを送信して、センタにおいて周辺検索を行う。特に、本実施の形態では、ユーザに対して周辺検索のための検索ワードの入力候補を提供する。本実施の形態には、2つの形態があり、第1の実施の形態がナビゲーションとセンタで入力候補の各処理を行う形態であり、第2の実施の形態が主にセンタで入力候補の各処理を行う形態である。
ちなみに、車両個々で周辺検索を行うのでなく、センタで周辺検索を行うことにより、センタが持っている最新かつ詳細なデータを用いて検索ができ、多数のユーザの評価情報(クチコミ情報等)も加味されたデータの検索も可能となる。但し、センタで目的地や経路や現在地の周辺検索を行う場合、ナビゲーションシステムで用いている地図上の座標データを使えない事があるので、その時はセンタが受信する検索ワードとして地名も必要となる。
図1〜図4を参照して、第1の実施の形態に係るナビゲーションシステム向け検索支援システム1について説明する。図1は、第1の実施の形態に係るナビゲーションシステム向け検索支援システムの構成図である。図2は、現在地から目的地までの経路が通過する各地名を示す地図の一例である。図3は、周辺検索用のソフトウェアキーボードの一例である。図4は、現在地ボタンが押された場合の地名抽出の説明図である。
ナビゲーションシステム向け検索支援システム1は、各車両に搭載されるナビゲーションシステム2(車載機)とセンタ3で構成される。ナビゲーションシステム向け検索支援システム1では、車両が目的地までの経路に基づいて目的地に向かっているときに車両のユーザ(運転者等)が目的地周辺又は経路周辺又は現在地周辺での施設の検索を行う場合、そのユーザに対して検索ワードの入力候補を提供する。特に、ナビゲーションシステム向け検索支援システム1では、ナビゲーションシステム2で目的地又は経路上又は現在地周辺の地名に関する情報を抽出するとともに、センタ3で目的地周辺又は経路周辺又は現在地周辺においてよく使われる検索ワードに関する情報を抽出し、ナビゲーションシステム2でその各情報に基づいて入力候補を提供する。
ナビゲーションシステム2について説明する。ここでは、ナビゲーションシステム2における周辺検索機能についてのみ説明する。ナビゲーションシステム2は、センタ3との無線通信機能を有している。ナビゲーションシステム2では、ユーザによって目的地が設定され(経由地も設定されている場合もある)、その目的地までの経路を探索し、経路に沿って走行するように経路案内を行っているときに、ユーザによって周辺検索に移行するための入力があった場合に周辺検索機能を実行する。そのために、ナビゲーションシステム2は、無線通信機20、地図データベース21、ディスプレイ22及びECU[Electronic Control Unit]23を備えている。
なお、第1実施の形態では、無線通信機20及びECU23での処理が特許請求の範囲に記載するアップロード手段に相当し、ディスプレイ22が特許請求の範囲に記載する表示手段に相当し、ディスプレイ22及びECU23での処理が特許請求の範囲に記載する入力補助手段に相当し、ECU23での処理が特許請求の範囲に記載する地名抽出手段に相当する。
無線通信機20は、センタ3との無線通信を行うための通信機である。無線通信機20では、ECU23から送信情報信号を受信した場合にはその送信情報信号をセンタ3に送信し、センタ3から信号を受信した場合にはその信号をECU23に送信する。送信する情報としては、例えば、目的地の地名情報、経路上の地名情報、現在地周辺の地名情報、周辺検索を行った場合の検索ワードがある。受信する情報としては、例えば、よく使われる検索ワード及びその利用頻度がある。送信情報信号には、センタ3がどの車両からの信号かを特定するために、車両を識別するための情報も含まれる。
地図データベース21は、地図と地名情報が紐付いたデータを格納したデータベースである。地図は、目的地情報や経路情報や現在地情報で用いられるノード(座標データ)及びノードとノード間を結ぶリンクを少なくとも含む地図である。目的地情報は、目的地のノード、経由地のノード等の情報である。経路情報は、目的地までのノートとリンク等の情報である。現在地情報は、現在地のノード等の情報である。地名情報は、所定の地域の地名であり、例えば、都道府県名、市町村名である。したがって、この地図データベース21を利用することにより、目的地のノードや経由地のノードや現在地のノードからそのノード含む地名やそのノード周辺の地名を抽出でき、経路を構成するリンク列から各リンクを含む地名を抽出できる。
図2に示す例では、目的地P1(経由地P2を経由)までの経路Rを破線で示しており、目的地P1のノードはA県G市内であり、経由地P2のノードはA県D市内であり、現在地P3のノードはA県C市であり、経路Rは都道府県レベルではA県、H県を通過し、市町村レベルではC市、D市、E町、F村、G市を通過する。したがって、この例の場合、地図データベース21を利用することにより、都道府県レベルではA県とH県が抽出され、市町村レベルではC市、D市、E町、F村、G市が抽出される。なお、図2では、県境を実線で示しており、市町村境を一点鎖線で示している。
ディスプレイ22は、ナビゲーションシステム2と他のシステムとで共用される車載のディスプレイである。ディスプレイ22は、タッチパネル式のディスプレイであり、ユーザの入力手段としての機能も有する。ディスプレイ22では、ECU23から画像表示信号を受信すると、その画像表示信号に示される画像を表示する。特に、ディスプレイ22では、周辺検索の検索条件の入力画面等の画像を表示している場合、タッチパネルによるソフトウェアキーボードとして機能する。図3には、ディスプレイ22が周辺検索用のソフトウェアキーボードとして機能している場合の画面の一例を示している。
ECU23は、CPU[CentralProcessing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等からなる電子制御ユニットであり、ナビゲーションシステム2を統括制御する。ここでは、ECU23における周辺検索処理についてのみ説明する。
ユーザの入力によってナビゲーションシステム2が周辺検索機能に移行すると、ECU23では、周辺検索の検索条件の入力画面(ソフトウェアキーボード)を表示するための画像表示信号をディスプレイ22に送信する。この入力画面は、例えば、図3に示すように、現在地周辺の地名を表示するための現在地ボタンB0、目的地周辺の地名を表示するための目的地ボタンB1、経路周辺の地名を表示するための経路ボタンB2、検索を開始するための検索ボタンB3、文字入力するための各種ボタンB4、検索ワードを文字入力するための入力スペースS、検索ワードの入力候補を表示するための入力候補表示エリアAがある。
ソフトウェアキーボード上の目的地ボタンが押された場合、ECU23では、地図データベース21を利用して、目的地の存在する地名を抽出する。抽出する地名は、住所の一部であり、例えば、県名、市町村名である。経由地が設定されている場合には経由地の存在する地名も抽出する。図2に示す例の場合、目的地P1が存在するA県やG市が抽出され、経由地P2が存在するA県やD市も抽出される。
そして、ECU23では、抽出した地名毎に、現在地から地名の地域に到達するための距離及び時間を計算する。その計算方法の一例を、図2の例で説明する。A県までの距離及び時間については、車両の現在地P3がA県内なので、0km、0分とする。D市までの距離及び時間については、現在地P3(C市内)の車両がC市とD市の境界K1を通過するまでの距離及び時間を計算する。G市までの距離及び時間については、現在地P3(C市内)の車両がF村とG市の境界K2を通過するまでの距離及び時間を計算する。あるいは、境界ではなく、中間地点でもよく、例えば、D市の場合、C市とD市の境界K1とD市とE町の境界K3との中間地点で計算してもよい。
そして、ECU23では、抽出した地名毎にその地名と計算した距離及び時間を入力候補として表示するための画像を生成し、その画像を表示するための画像表示信号をディスプレイ22に送信する。図3に示す例では、入力候補表示エリアAには、地名の「赤池」と距離「2km」及び時間「5分」、地名の「豊田」と距離「3km」及び時間「8分」等が表示されており、この表示されている地名を検索ワードとして選択できる。
ソフトウェアキーボード上の経路ボタンが押された場合、ECU23では、地図データベース21を利用して、経路が通過する全ての地名を抽出する。図2に示す例の場合、現在地P3から目的地P1までの経路Rが通過するA県、H県、C市、D市、E町、F村、G市が抽出される。そして、ECU23では、その抽出した地名毎に、上記の目的地ボタンが押された場合の処理と同様の処理を行う。
ソフトウェアキーボード上の現在地ボタンが押された場合、ECU23では、地図データベース21を利用して、現在地周辺に存在する地名を抽出する。例えば、図4に示すように、地図上で現在地P4を中心とした半径xkm(xは任意の距離)の円を描き、その円内に入る市町村の地名(C市、D市、E町、F村、G市)を抽出する。そして、ECU23では、その抽出した地名毎に、上記の目的地ボタンが押された場合の処理と同様の処理を行う。図4で示す例の場合、現在地P4からC市、D市、E町、F村、G市までの最短距離等をそれぞれ計算し、C市、D市、E町、F村、G市とその各最短距離等をディスプレイ22に表示させる。例えば、入力候補として、地名の「F村」と距離の「1km」等、地名の「G市」と距離の「2km」等が表示される。
なお、都道府県レベルと市町村レベルのいずれのレベルで入力候補を表示するかは、ユーザの設定によって変更可能とする。また、経路の距離あるいは経路が通過する都道府県の数等によって、自動で設定してもよい。あるいは、両方のレベルを表示してもよい。
入力候補を表示させると、ECU23では、目的地ボタンが押された場合には目的地の地名情報をあるいは経路ボタンが押された場合には経路上の地名情報をあるいは現在地ボタンが押された場合には現在地周辺の地名情報をセンタ3にアップロードするための送信情報信号を無線通信機20に送信する。その後、無線通信機20でセンタ3から信号を受信した場合、ECU23では、その信号から検索ワードに関する情報を取得する。この検索ワードに関する情報は、目的地周辺あるいは経路周辺あるいは現在地周辺でよく使われている検索ワード及びその利用頻度の情報である。この利用頻度の情報には、経路全体での利用頻度、都道府県単位での利用頻度、市町村単位の利用頻度の情報がある。
ECU23では、センタ3から取得した検索ワードに関する情報に基づいて、よく使われている検索ワードを利用頻度の多い順でソートする。そして、ECU23では、ソートした順の検索ワードを入力候補として表示するための画像を生成し、その画像を表示するための画像表示信号をディスプレイ22に送信する。図3に示す例では、検索ワードの入力候補は表示されていないが、地名の入力候補表示エリアAの下方に表示されたり、あるいは、検索ワードを文字入力する入力スペースSによく使われている検索ワードが自動で書き込まれる。
よく使われている検索ワードを入力候補として表示する場合、幾つかのパターンがある。例えば、ユーザによる検索ワードが未入力であり、地名の入力候補の中からある地名が選択されている場合、その選択されている地名の地域内での利用頻度で検索ワードをソートし、そのソート順の検索ワードを表示する。ユーザによる検索ワードが未入力であり、地名の入力候補も未選択の場合、目的地周辺あるいは経路全体(経路が通過する地名毎でもよい)あるいは現在地周辺での利用頻度で検索ワードをソートし、そのソート順の検索ワードを表示する。ユーザによる検索ワードが既に入力されている場合、その入力済みの検索ワードがセンタ3から送信された検索ワードの中にあれば、その検索ワードの利用頻度の多い順に地名をソートし、そのソート順に地名を表示する。
ECU23では、ユーザによって検索ワードが入力(入力候補からの選択も含む)された場合、その検索ワードによる検索をセンタ3に対して依頼する。そして、ECU23では、無線通信機20でセンタ3からその検索結果を受信すると、その検索結果を表示するための画像を生成し、その画像を表示するための画像表示信号をディスプレイ22に送信する。このようなセンタ3を利用した周辺検索については従来の方法を適用する。図3に示す例の場合、ユーザが「ラーメン こってり」を文字入力し、その後に経路上の検索範囲を絞るために経路ボタンB2を押し、その入力候補として「赤池(2km5分)、豊田(3km8分)・・・」が表示され、その中から例えば「豊田」を選択して検索ボタンB3を押したとすると、豊田市の地域内でラーメンとこってりに合致する施設がセンタ3で検索される。
周辺検索が終了すると、ECU23では、検索に用いた検索ワードに目的地情報又は経路情報又は現在地情報を紐付けてセンタ3にアップロードするための送信情報信号を無線通信機20に送信する。このとき、目的地情報、経路情報、現在地情報に地名情報も含まれている。
センタ3について説明する。センタ3は、車両に各種サービスを提供するサービス提供事業者であり、例えば、自動車会社が運営するセンタである。ここでは、センタ3における周辺検索機能についてのみ説明する。センタ3は、各車両との無線通信機能を有している。センタ3では、各車両のナビゲーションシステム2からの目的地の地名情報又は経路上の地名情報又は現在地周辺の地名情報を受信した場合に周辺検索機能を実行する。そのために、センタ3は、無線通信機30、検索結果データベース31及びコンピュータ32を備えている。
なお、第1実施の形態では、無線通信機30及びECU32での処理が特許請求の範囲に記載するダウンロード手段に相当し、検索結果データベース31が特許請求の範囲に記載する記憶手段に相当し、コンピュータ32での処理が特許請求の範囲に記載する検索ワード抽出手段に相当する。
無線通信機30は、各車両のナビゲーションシステム2との無線通信を行うための通信機である。無線通信機30では、コンピュータ32から送信情報信号を受信した場合にはその送信情報信号を該当する車両のナビゲーションシステム2に送信し、各車両のナビゲーションシステム2から信号を受信した場合にはその信号をコンピュータ32に送信する。送信する情報としては、例えば、検索ワード及びその利用頻度がある。受信する情報としては、例えば、目的地の地名情報、経路上の地名情報、現在地周辺の地名情報、周辺検索を行った場合の検索ワードがある。
検索結果データベース31は、周辺検索でのユーザの入力した検索ワードが目的地情報や経路情報や現在地情報に紐付けられたデータを格納したデータベースである。したがって、検索結果データベース31には、多数のユーザの検索ワードが地名情報を含む目的地情報や経路情報や現在地情報に対応付けられて蓄積されている。目的地の地名情報や経路が通過する地名情報や現在地周辺の地名情報もアップロードされているので、その地名情報も対応付けられて蓄積されている。したがって、この検索結果データベース31を利用することにより、目的地の地名や経路上の地名や現在地周辺の地名から検索ワードを抽出できる。同じ目的地や同じ経路や同じ現在地に対して同じ検出ワードが抽出される回数が利用頻度となり、抽出される回数が多い検索ワードほど利用頻度が高く、その目的地周辺や経路周辺や現在地周辺でよく使われる検索ワードである。
コンピュータ32は、CPU、ROM、RAM等からなるコンピュータであり、センタ3を統括制御する。ここでは、コンピュータ32における周辺検索処理についてのみ説明する。
各車両のナビゲーションシステム2から目的地の地名情報あるいは経路上の地名情報あるいは現在地周辺の地名情報がアップロードされると、コンピュータ32では、検索結果データベース31を利用して、そのアップロードされた目的地の地名情報と同等の目的地の地名情報を検索するかあるいはそのアップロードされた経路上の地名情報と同等の経路上の地名情報を検索するかあるいはそのアップロードされた現在地周辺の地名情報と同等の現在地周辺の地名情報を検索し、検索した同等の目的地の地名情報あるいは経路上の地名情報あるいは現在地周辺の地名情報に紐付けられている検索ワードを全て抽出する。同等の目的地の地名情報の検索では、例えば、アップロードされた目的地の地名と同じ目的地の地名情報を検索する。同等の経路上の地名情報の検索では、例えば、アップロードされた経路上の地名のうちの所定の割合以上が重なる経路上の地名情報を検索する。アップロードされた現在地周辺の各地名と同じ現在地周辺の地名情報を検索する。そして、コンピュータ32では、同じ検索ワードが抽出された回数をカウントし、検索ワード毎の利用頻度を取得する。さらに、コンピュータ32では、検索ワードとその利用頻度の情報を該当する車両(目的地又は経路上又は現在地周辺の各地名情報をアップロードした車両であり、車両の識別情報で判別する)のナビゲーションシステム2にダウンロードするための送信情報信号を無線通信機30に送信する。ダウンロードする検索ワードは、よく使われる検索ワードなでので、例えば、利用頻度の高い上位3個、上位5個までとする。
各車両のナビゲーションシステム2から検索ワードによる検索が依頼されると、コンピュータ32では、その検索ワードに合致する施設を検索する。この検索ワードの中に地名情報が含まれている場合、その地名の地域内での施設検索を行う。そして、コンピュータ32では、その検索結果を該当する車両のナビゲーションシステム2にダウンロードするための送信情報信号を無線通信機30に送信する。
各車両のナビゲーションシステム2から目的地情報あるいは経路情報あるいは現在地情報に紐付けられた検索ワードがアップロードされると、コンピュータ32では、その地名情報を含む目的地情報あるいは経路情報あるいは現在地情報に紐付けられた検索ワードを検索結果データベース31に登録する。
図1を参照して、ナビゲーションシステム向け検索支援システム1の動作を図5のフローチャートに沿って説明する。図5は、第1の実施の形態に係るナビゲーションシステム向け検索支援システムの動作の流れを示すフローチャートである。
任意の車両に搭載されるナビゲーションシステム2では、周辺検索においてユーザが現在地ボタン又は目的地ボタン又は経路ボタンを押したことを検知すると(N10)、地図データベース21から現在地周辺の地名又は目的地の存在する地名又は経路が通過する地名を抽出する(N11)。そして、ナビゲーションシステム2では、抽出した地名毎に、現在地からその地名の地域に到達するための距離及び時間を計算する(N12)。さらに、ナビゲーションシステム2では、その抽出した各地名と距離及び時間を入力候補としてディスプレイ22に表示する(N13)。
入力候補を表示すると、ナビゲーションシステム2では、現在地ボタンが押された場合には抽出されている現在地周辺の地名情報をセンタ3に送信し、目的地ボタンが押された場合には抽出されている目的地の地名情報をセンタ3に送信し、経路ボタンが押された場合には抽出されている経路上の地名情報をセンタ3に送信する(N14)。なお、この地名情報を送信するタイミングとしては、入力候補を表示後ではなく、N11の処理で地名を抽出した直後に送信してもよい。
センタ3では、ナビゲーションシステム2を搭載した車両からの現在地周辺又は目的地又は経路上の地名情報を受信すると、検索結果データベース31から、その現在地周辺でよく使われている検索ワード又は目的地周辺でよく使われている検索ワード又はその経路周辺でよく使われている検索ワード(利用頻度の高い検索ワード)を抽出する(S10)。そして、センタ3では、その抽出したよく使われている検索ワードとその利用頻度を該当する車両に送信する(S11)。
該当する車両のナビゲーションシステム2では、センタ3からのよく使われている検索ワードとその利用頻度を受信すると、利用頻度で検索ワードをソートし(N15)、そのソート順の検索ワードを入力候補としてディスプレイ22に表示する(N16)。
ナビゲーションシステム2では、ユーザが検索ワードを入力(入力候補から選択したものも含む)したことを検知すると(N17)、その検索ワードによる施設検索をセンタ3に対して依頼し、センタ3からのその検索結果を受信する(N18)。そして、ナビゲーションシステム2では、その受信した検索結果をディスプレイ22に表示する(N19)。さらに、ナビゲーションシステム2では、ユーザが入力した検索ワードを地名情報を含む現在地情報又は目的地情報又は経路情報に紐付けてセンタ3に送信する(N20)。
センタ3では、ナビゲーションシステム2を搭載した車両からの現在地情報又は目的地情報又は経路情報に紐付けられた検索ワードを受信すると、検索結果データベース31にその検索ワードを地名情報を含む現在地情報又は目的地情報又は経路情報に紐付けて登録する(S12)。
このナビゲーションシステム向け検索支援システム1によれば、目的地が存在する地名や経路が通過する地名又は現在地周辺の地名を抽出して、その抽出された地名に関する情報を入力候補としてユーザに提供することにより、ユーザが入力候補の中から地名を選択でき、ユーザが望む地域での検索を容易に可能とする。ユーザは、地図上で経路が通過する地名を確認したりすることなく、地名を検索ワードとして入力できる。例えば、支店の存在等で同一条件を満たす施設が複数ある場合でも、入力候補から地名も検索ワードとして入力することにより、その地名の地域内の施設が唯一検索され、ユーザが判断に迷うことがない。特に、センタ3を利用して周辺検索する場合、検索ワードとして地名を指定しないと目的地周辺や経路周辺や現在地周辺での地域単位での検索ができないので、地名が必須である。
また、ナビゲーションシステム向け検索支援システム1によれば、目的地周辺や経路周辺や現在地周辺でよく使われる検索ワードを抽出して、その抽出された検索ワードを利用頻度の高い順に入力候補としてユーザに提供することにより、任意のユーザが他のユーザの検索情報を知ることができ、ユーザが持っていなかった有益な情報に基づいて施設を検索することができる。その結果、ユーザは、他のユーザが持っていた情報から新たな施設(立寄地)を開拓できる。
また、ナビゲーションシステム向け検索支援システム1によれば、抽出した地名をその地名の地域に到達するための距離や時間とともに表示することにより、ユーザに対して入力候補としてより詳細な情報を提供でき、ユーザが検索対象として望む地域の判断材料が増える。これによって、ユーザは、検索される施設までの距離感や施設に着くまでの時間がわかる。例えば、午前11時頃に昼食をとるための飲食店を経路周辺で検索する場合に、午前12時頃に飲食店に到達したいときには、入力候補の地名の中から時間が1時間弱ぐらいになっている地名を選択すればよい。
図6を参照して、第2の実施の形態に係るナビゲーションシステム向け検索支援システム4について説明する。図6は、第2の実施の形態に係るナビゲーションシステム向け検索支援システムの構成図である。
ナビゲーションシステム向け検索支援システム4は、各車両に搭載されるナビゲーションシステム5(車載機)とセンタ6で構成される。ナビゲーションシステム向け検索支援システム4は、第1の実施の形態に係るナビゲーションシステム向け検索支援システム1と比較すると、入力候補に関する処理を全てセンタ6で行う点が異なる。したがって、ナビゲーションシステム向け検索支援システム4では、センタ6で目的地又は経路上又は現在地の地名に関する情報を抽出するとともに目的地周辺又は経路周辺又は現在地周辺においてよく使われる検索ワードに関する情報を抽出し、ナビゲーションシステム2でその各情報に基づいて入力候補を提供する。
ナビゲーションシステム5について説明する。ここでは、ナビゲーションシステム5における周辺検索機能についてのみ説明する。ナビゲーションシステム5は、第1の実施の形態に係るナビゲーションシステム2と同様に、無線通信機能を有しており、ユーザによって周辺検索に移行するための入力があった場合に周辺検索機能を実行する。そのために、ナビゲーションシステム5は、無線通信機50、ディスプレイ51及びECU52を備えている。無線通信機50、ディスプレイ51は、第1の実施の形態に係る無線通信機20、ディスプレイ22と同様のものなので、説明を省略する。
なお、第2実施の形態では、無線通信機50及びECU52での処理が特許請求の範囲に記載するアップロード手段に相当し、ディスプレイ51が特許請求の範囲に記載する表示手段に相当する。
ECU52は、CPU、ROM、RAM等からなる電子制御ユニットであり、ナビゲーションシステム5を統括制御する。ここでは、ECU52における周辺検索処理についてのみ説明する。
ユーザの入力によってナビゲーションシステム2が周辺検索機能に移行すると、ECU52では、第1の実施の形態に係るECU23と同様に、周辺検索の検索条件の入力画面を表示するための画像表示信号をディスプレイ22に送信する。そして、ソフトウェアキーボード上の目的地ボタン又は経路ボタン又は現在地ボタンが押されたときに、ECU52では、目的地ボタンが押された場合には目的地情報をあるいは経路ボタンが押された場合には経路情報をあるいは現在地ボタンが押された場合には現在地情報をセンタ6にアップロードするための送信情報信号を無線通信機50に送信する。その後、無線通信機50でセンタ6からの信号を受信した場合、ECU52では、その信号から地名に関する情報及び検索ワードに関する情報を取得する。この地名に関する情報は、目的地の地名あるいは経路を通過する地名あるいは現在地周辺の地名とその距離及び時間の情報である。この検索ワードに関する情報は、目的地周辺あるいは経路周辺あるいは現在地周辺でよく使われている検索ワードとそのソート順の情報である。
ECU52では、その地名に関する情報を用いて、地名毎にその地名と距離及び時間を入力候補として表示するための画像を生成し、その画像を表示するための画像表示信号をディスプレイ51に送信する。また、ECU52では、その検索ワードに関する情報を用いて、ソートした順の検索ワードを入力候補として表示するための画像を生成し、その画像を表示するための画像表示信号をディスプレイ51に送信する。
なお、ECU52における入力候補を表示後の処理については、第1の実施の形態に係るECU23と同様の処理なので、説明を省略する。
センタ6について説明する。センタ6は、車両に各種サービスを提供するサービス提供事業者である。ここでは、センタ6における周辺検索機能についてのみ説明する。センタ6は、第1の実施の形態に係るセンタ3と同様に、各車両との無線通信機能を有しており、各車両のナビゲーションシステム2からの目的地情報あるいは経路情報あるいは現在地情報を受信した場合に周辺検索機能を実行する。そのために、センタ6は、無線通信機60、地図データベース61、検索結果データベース62及びコンピュータ63を備えている。無線通信機60、地図データベース61、検索結果データベース62は、第1の実施の形態に係る無線通信機30、地図データベース21、検索結果データベース31と同様のものなので、説明を省略する。
なお、第1実施の形態では、ディスプレイ22、ECU52での処理及びコンピュータ63での処理が特許請求の範囲に記載する入力補助手段に相当し、無線通信機60及びECU63での処理が特許請求の範囲に記載するダウンロード手段に相当し、検索結果データベース62が特許請求の範囲に記載する記憶手段に相当し、コンピュータ63での各処理が特許請求の範囲に記載する地名抽出手段及び検索ワード抽出手段に相当する。
コンピュータ63は、CPU、ROM、RAM等からなるコンピュータであり、センタ6を統括制御する。ここでは、コンピュータ63における周辺検索処理についてのみ説明する。
各車両のナビゲーションシステム5から目的地情報又は経路情報又は現在地情報がアップロードされると、コンピュータ63では、地図データベース61を利用して、そのアップロードされた目的地の存在する地名又はそのアップロードされた経路が通過する地名又は現在地周辺の地名を抽出する。そして、コンピュータ63では、抽出した地名毎に、現在地から地名の地域に到達するための距離及び時間を計算する。
また、コンピュータ63では、検索結果データベース62を利用して、その抽出した目的地の地名あるいは経路上の地名あるいは現在地周辺の地名から検索ワードを抽出する。そして、コンピュータ63では、同じ検索ワードが抽出された回数をカウントし、検索ワード毎の利用頻度を取得する。さらに、コンピュータ63では、検索ワードを利用頻度の多い順でソートし、ソート順情報を生成する。そして、コンピュータ63では、地名とその距離及び時間の情報、検索ワードとそのソート順の情報を該当する車両のナビゲーションシステム5にダウンロードするための送信情報信号を無線通信機60に送信する。
なお、コンピュータ63における入力候補に関する情報送信後の処理については、第1の実施の形態に係るコンピュータ32と同様の処理なので、説明を省略する。
図6を参照して、ナビゲーションシステム向け検索支援システム4の動作を図7のフローチャートに沿って説明する。図7は、第2の実施の形態に係るナビゲーションシステム向け検索支援システムの動作の流れを示すフローチャートである。
任意の車両に搭載されるナビゲーションシステム5では、周辺検索においてユーザが現在地ボタン又は目的地ボタン又は経路ボタンを押したことを検知すると(N30)、現在地ボタンが押された場合には現在地情報をセンタ6に送信し、目的地ボタンが押された場合には目的地情報をセンタ6に送信し、経路ボタンが押された場合には経路情報をセンタ6に送信する(N31)。
センタ6では、ナビゲーションシステム5を搭載した車両からの現在地情報又は目的地情報又は経路情報を受信すると、地図データベース61から現在地周辺の地名又は目的地の存在する地名又は経路が通過する地名を抽出する(S30)。そして、センタ6では、抽出した地名毎に、現在地からその地名の地域に到達するための距離及び時間を計算する(S31)。また、センタ6では、検索結果データベース62から、その現在地周辺でよく使われている検索ワード又はその目的地周辺でよく使われている検索ワード又はその経路周辺でよく使われている検索ワードを抽出する(S32)。そして、センタ6では、その抽出した検索ワードの利用頻度で検索ワードをソートし、そのソート順情報を生成する(S33)。さらに、センタ6では、地名と距離及び時間の情報、よく使われる検索ワードとそのソート順の情報を該当する車両に送信する(S34)。
該当する車両のナビゲーションシステム5では、センタ6からの地名と距離及び時間、よく使われている検索ワードとそのソート順の情報の情報を受信すると、その各地名と距離及び時間を入力候補としてディスプレイ51に表示するとともにそのソート順の検索ワードを入力候補としてディスプレイ51に表示する(N32)。
なお、ナビゲーションシステム5でのN33〜N36の動作については、第1の実施の形態で説明したナビゲーションシステム2でのN17〜N20の動作と同様の動作なので、説明を省略する。また、センタ6のS35の動作については、第1の実施の形態で説明したセンタ3でのS12の動作と同様の動作なので、説明を省略する。
このナビゲーションシステム向け検索支援システム4は、第1の実施の形態に係るナビゲーションシステム向け検索支援システム1と同様の効果を有する上に、以下の効果も有している。ナビゲーションシステム向け検索支援システム4によれば、入力候補に関する処理について全てセンタ6で行うので、各車両のナビゲーションシステム5での処理負荷が軽減するとともにナビゲーションシステム5個々で地図と地名情報が紐付いたデータを格納するための地図データベースを保持しなくてよい。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では車載のナビゲーションシステムとセンタからなるナビゲーションシステム向け検索支援システムに適用したが、システム構成としては他の形態でも適用可能であり、例えば、車載のナビゲーションシステム単体での構成、インターネット接続可能なナビゲーションシステムとインターネット上の検索サイトからなる構成がある。また、車載のナビゲーションシステムでなくても、歩行者が携帯するナビゲーションシステム、自転車の搭乗者が携帯するナビゲーションシステム等にも適用できる。
また、本実施の形態ではセンタで検索結果データベースからよく使われる検索ワードの情報を抽出し、そのよく使われる検索ワードの情報も入力候補として提供する構成としたが、このようなよく使われる検索ワードについての機能がないシステムにも適用可能である。第1の実施の形態の場合、この機能がないシステムにすると、車載のナビゲーションシステム単体で構成できる。
また、本実施の形態では現在地や目的地や経路についての地名とともにその地名の地域に到達するための距離や時間を表示する構成としたが、地名だけを表示するようにしてもよい。