JP5570510B2 - クロメン化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なクロメン化合物、その前駆体および該クロメン化合物の用途に関する。
フォトクロミズムとは、ある化合物に太陽光あるいは水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速やかに色が変わり、光の照射をやめて暗所におくと元の色に戻る可逆作用のことである。この性質を有する化合物はフォトクロミック化合物と呼ばれ、フォトクロミック光学物品であるフォトクロミックプラスチックレンズの材料として使用されている。
このような用途に使用されるフォトクロミック化合物には、(i)紫外線を照射する前の可視光領域での着色度(以下、初期着色という。)が小さい、(ii)紫外線を照射した時の着色度(以下、発色濃度という。)が高い、(iii)紫外線を照射し始めてから発色濃度が飽和に達するまでの速度(以下、発色感度という。)が速い、(iv)紫外線の照射を止めてから元の状態に戻るまでの速度(以下、退色速度という。)が速い、(v)この発色と退色の可逆作用の繰り返し耐久性がよい、及び(vi)使用されるホスト材料への分散性が高くなるように、硬化後にホスト材料となるモノマー組成物に高濃度に溶解するといった特性が求められる。
また、フォトクロミックプラスチックレンズにおいては、発色状態の色調としてブラウン、グレーといった中間色が好まれているが、当然のことながらどのような色に発色するかは、フォトクロミック化合物に依存し、きわめて重要なファクターとなっている。複数のフォトクロミック化合物を混合することにより色調を調整しようとする場合、それぞれのフォトクロミック化合物の特性の違いによる発色、退色時の色調変化(以下、色ずれという。)や、耐久性の違いによる劣化時の色調変化を引き起こす。このような問題を解決するために、単独の化合物で、発色時に可視域に、2つの吸収波長を有する、中間色に発色するフォトクロミック化合物(以下、ダブルピーク化合物という。)が重要となる。
ダブルピーク化合物としては、下記式(A)で示されるクロメン化合物(特許文献1参照)、下記式(B)、下記式(C)で示されるクロメン化合物(特許文献2参照)、下記式(D)で示されるクロメン化合物(特許文献3参照)および下記式(E)で示されるクロメン化合物(特許文献4参照)などが知られている。
Figure 0005570510
Figure 0005570510
国際公開第WO2001/19813号パンフレット 国際公開第WO2003/025638号パンフレット 国際公開第WO2003/044022号パンフレット 国際公開第WO2005/028465号パンフレット
近年、フォトクロミックプラスチックレンズの分野においては、そのフォトクロミック特性に対する要求、特に、屋外から屋内に移動した際の退色速度の速さ、および、屋内での着用時における透明性(初期着色の小ささ)に対する要求が年々強くなっている。そのため、従来のクロメン化合物よりも、上述した(i)〜(vi)の全ての要求をより高度に満足するフォトクロミック化合物の開発が望まれている。また、複数のフォトクロミック化合物を混合して色調を調整する場合、一般的に黄色に発色するフォトクロミック化合物は、他の色、例えば、青色等に発色するフォトクロミック化合物と比較して、耐久性に劣ることが知られている。そのため、ダブルピーク化合物としては、黄色(430nm〜530nmに最大吸収波長を有する)の発色濃度が、青色(550nm〜650nmに最大吸収波長を有する)の発色濃度よりも、より高くなる化合物が望まれている(以下、ダブルピーク化合物において、青色発色濃度に対する黄色発色濃度の比をダブルピーク性という場合もある。)。これらの特性を考慮すると、従来のクロメン化合物では、以下の点で改善の余地があった。
例えば、前記式(A)で示されるクロメン化合物は、発色濃度、ダブルピーク性は実用的であるが、退色速度が遅いという点で改善の余地があった。また、前記式(B)、(C)および(D)のそれぞれで示されるクロメン化合物は、十分なダブルピーク性を有していないという点で改善の余地があった。さらに、前記式(E)で示されるクロメン化合物は、7位の炭素原子が特定のアリール基で置換された化合物であることにより、ダブルピーク性に優れ、実用的な発色濃度、および退色速度を有しているが、吸収スペクトルの末端部分(以下、吸収端という。)が420nmを超えて可視域に到達しているため、初期着色が大きいという点で改善の余地があった。
したがって、本発明の目的は、初期着色が小さく、光照射時の発色濃度が高く、発色感度が高く、退色速度が速く、耐久性が高く、さらに、優れたダブルピーク性を示す新規なフォトクロミック化合物(クロメン化合物)を提供することにある。
また、本発明の他の目的は本発明のクロメン化合物を製造するための中間体であるナフトール化合物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、インデノナフトピラン骨格を有するクロメン化合物において、6位と7位の置換基の電子供与性を高くすることで、ダブルピーク性を改良できるが、その一方で、6位と7位の電子供与性を高くするとそれに比例して退色速度が遅くなり、初期着色が大きくなり、さらに耐久性も低下することを究明した。
そこで、6、7位の置換基の電子供与性をより調整することにより、上記長所を生かしたまま、その短所を改善できるのではないかと考え、様々な置換基の導入を検討した。
さらに鋭意研究を行った結果、6位と7位に縮環したヘテロ環を導入し、該へテロ環上に電子吸引基をさらに導入した、インデノナフトピラン骨格を有するクロメン化合物が、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
下記式(1)
Figure 0005570510
ここで、Zは、下記式:
Figure 0005570510
で示されるいずれかの基であり、
nは、1〜3の整数であり、nが2または3の場合、複数のZは互いに同一でも異なる基であってもよく、ただしnが1の場合Zは−CH−であることはなく、nが2または3の場合、複数のZは、−CH−のみからなることはなく、
は、Hammett数σが0より大きい電子吸引基であって、式(3)において定義される基であり、Rが複数存在する場合、複数のRは、互いに同一でも異なってもよく、
XおよびYは、それぞれ独立に、酸素原子、または下記式(2)
Figure 0005570510
ここで、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子で式(2)中の窒素原子に結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン原子である、
で示される基であり、
ただし、XおよびYが、共に酸素原子であることはない、
で示される骨格を有する、式(3)で表わされるクロメン化合物である。
本発明は、第2に、前記式(1)の骨格を有する、式(3)で表わされるクロメン化合物と重合性単量体とを含有するフォトクロミック硬化性組成物である。
本発明は、第3に、前記式(1)の骨格を有する、式(3)で表わされるクロメン化合物が内部に分散した高分子成形体を構成部材として有するフォトクロミック光学物品である。
本発明は、第4に、少なくとも一部が高分子膜で被覆された面を有する光学基材を構成部品として備えた光学物品であって、該高分子膜には、前記式(1)の骨格を有する、式(3)で表わされるクロメン化合物が分散していることを特徴とする光学物品である。
本発明は、最後に、下記式(4)
Figure 0005570510
ここで、R、R、R、R、R、Z、X、Y、bおよびnは、請求項2における式(3)におけるものと同義である、
で示されるナフトール化合物である。
本発明のクロメン化合物は、単一化合物で中間色に発色するため、それ単独で使用することができ、退色時の色調変化や、劣化時の色調変化が起こり難い。さらに初期着色が小さく、発色濃度が高く、且つダブルピーク性が高く、退色速度が速いため、非常に優れたフォトクロミックレンズを得ることができる。そのため、他のフォトクロミック化合物と混合して色調を調整することもでき、混合して使用した場合も、優れたフォトクロミック特性を発揮することができる。
本発明のクロメン化合物は、
下記式(1)
Figure 0005570510
で示される骨格を有する、式(3)で表わされるクロメン化合物である。以下、式(1)中の置換基について説明する。式(3)については、式(1)の説明の後に説明する。
(基Z)
基Zは、下記式:
Figure 0005570510
に示されるいずれかの基である。
また、基Zの数を示すnは、1〜3の整数であり、nが2または3の場合、複数のZは、互いに同一であっても異なる基であってもよい。ただし、nが1の場合Zは−CH−であることはなく、nが2または3の場合複数のZは、−CH−のみからなることはない。つまり、基
Figure 0005570510
は、メチレン基、エチレン基、およびトリメチレン基であることはない。そのため、nが1の場合には、基Zは、上記基の内、メチレン基以外の基から選ばれる。また、nが2または3の場合には、複数のZのうちの少なくとも1つは、上記基のうち、メチレン基以外の基から選ばれる。
nは、ダブルピーク性と退色速度の観点から、1または2であることが好ましい
本発明においては、基X、YおよびZの組み合わせが非常に重要である。次に、基Zにおける基Rについて説明する。
(基R
基Zにおいて、基Rは、Hammett数σが0より大きい電子吸引基である。
Hammett数σとは、p−置換安息香酸の解離定数Kaを基準に用いて、π電子系に結合した置換基の電気的効果を定量化したHammett則に基づいて定義されるものである。そして、Hammett数σが0となる置換基は水素原子であり、Hammett数σが0より大きい置換基とは、水素原子よりも電子吸引性の高い置換基を指す。この基Rを有することにより、本発明のクロメン化合物は、優れた効果を発揮する。
σが0より大きい電子吸引性の置換基であるRとしては、例えばハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアリール基、シアノ基(σ=0.66)、ニトロ基(σ=0.78)、ホルミル基(σ=0.43)、ヒドロキシカルボニル基(σ=0.45)、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基およびハロゲン原子が挙げられる。
以下、Hammett数σが0より大きい、すなわちσがプラスの値である、上記電子吸引基について、詳細に説明する。
ハロアルキル基はσが0.4以上0.6以下の基であり、炭素数1〜8のハロアルキル基が好ましい。好適なハロアルキル基の具体例としては、トリフルオロメチル基(σ=0.54)、2,2,2−トリフルオロエチル基等を挙げることができる。
アルケニル基は、σが0より大きい基であり、炭素数2〜9のアルケニル基が好ましい。好適なアルケニル基の具体例としては、アリル基、プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基等を挙げることができる。
アルキニル基は、σが0.1以上0.3以下の基であり、炭素数2〜9のアルキニル基が好ましい。好適なアルキニル基の具体例としては、プロパルギル基(σ=0.23)、1−ペンチニル基等を挙げることができる。
ハロアリール基は、σが0より大きい基であり、炭素数6〜14の基が好ましい。好適なハロアリール基の具体例としては、4−フルオロフェニル基等を挙げることができる。
アルキルカルボニル基は、σが0.4以上0.6以下の基であり、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基が好ましい。好適なアルキルカルボニル基の具体例としては、メチルカルボニル基(σ=0.50)、エチルカルボニル基等を挙げることができる。
アルコキシカルボニル基は、σが0.3以上0.6以下の基であり、炭素数2〜9のアルコキシカルボニル基が好ましい。好適なアルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル基(σ=0.45)、エトキシカルボニル基等を挙げることができる。
好適なハロゲン原子の例としては、フッ素原子(σ=0.06)、塩素原子(σ=0.23)、臭素原子(σ=0.23)およびヨウ素原子(σ=0.18)を挙げることができる。
(好ましい基Z)
本発明において、クロメン化合物が、高いダブルピーク性を保ちつつ、退色速度が大きく、初期着色が小さく、高い耐久性を有するために、基Zにおいて、基Rはσが0.05以上0.7未満の範囲にある電子吸引基であることが好ましい。具体的には、ハロアルキル基、アルキニル基、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはハロゲン原子が好ましい。また、同じ観点から、基Zは、カルボニル基であることが好ましい。
特に、ダブルピーク性と退色速度のバランスの観点から、基Zにおいて、基Rは、ハロアルキル基、シアノ基、およびハロゲン原子であることが特に好ましく、例えば、トリフルオロメチル基、シアノ基、フッ素原子等であることが好ましい。また、同じ理由から、基Zが、カルボニル基であることが好ましい。
(XおよびY)
前記式(1)において、XおよびYは、それぞれ6位、および7位の炭素原子に結合する、酸素原子、または
下記式(2)
Figure 0005570510
で示される基を表す。なお、X、およびYが、同時に酸素原子であるクロメン化合物は、高いダブルピーク性を示さない。したがって、式(1)において、XおよびYが共に酸素原子であることはない。
前記式(2)において、基Rは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子で式(2)中の窒素原子に結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン原子である。
アルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。好適なアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基等を挙げることができる。
ハロアルキル基としては、炭素数1〜8のハロアルキル基が好ましく、具体例としては、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基等を挙げることができる。
アルケニル基としては、炭素数2〜9のアルケニル基が好ましく、具体例としては、アリル基、プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基等を挙げることができる。
アルキニル基としては、炭素数2〜9のアルキニル基が好ましく、具体例としては、プロパルギル基、1−ペンチニル基等を挙げることができる。
シクロアルキル基としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましい。好適なシクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましい。好適なアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等を挙げることができる。
アラルキル基としては、炭素数7〜11のアラルキル基が好ましい。好適なアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。また、アラルキル基は、ベンゼン環上の1つもしくは複数の水素原子が、上述と同様のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリールオキシ基で置換されていてもよい。
アラルコキシ基としては、炭素数7〜11のアラルコキシ基が好ましい。好適なアラルコキシ基の具体例としては、ベンジロキシ基、ナフチルメトキシ基等を挙げることができる。
アリールオキシ基としては、炭素数7〜11のアリールオキシ基が好ましい。好適なアリールオキシ基の具体例としては、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等を挙げることができる。また、アリールオキシ基は、ベンゼン環上の1つもしくは複数の水素原子が、上述と同様のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリールオキシ基で置換されていてもよい。
アリール基としては、炭素数6〜14のアリール基が好ましい。好適なアリール基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基等を挙げることができる。また、アリール基は、ベンゼン環上の1つもしくは複数の水素原子が、上述と同様のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリールオキシ基で置換されていてもよい。
アミノ基は、一級アミノ基に限定されず、置換基を有する2級アミノ基や3級アミノ基であってもよい。かかるアミノ基が有する置換基としては、例えばアルキル基またはアリール基が代表的である。このような置換アミノ基(2級アミノ基或いは3級アミノ基)の好適な例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基等のアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;フェニルアミノ基等のアリールアミノ基;ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基;などを挙げることできる。
窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子で式(2)中の窒素原子に結合する複素環基としては、例えばモルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジニル基、ピペラジノ基、N−メチルピペラジノ基、インドリニル基等を挙げることができる。該複素環基は、置換基を有してもよく、具体的な置換基としては、メチル基等のアルキル基を挙げることができる。置換基を有する複素環基の具体例としては、2,6−ジメチルモルホリノ基、2,6−ジメチルピペリジノ基、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基が好ましく、具体例としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等を挙げることができる。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜9のアルコキシカルボニル基が好ましく、具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を挙げることができる。
前記式(2)で示される基のうち、基Rは、ダブルピーク性と退色速度の観点から、σが−0.20〜1.00の基であることが好ましい。具体的には、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、またはハロゲン原子が好ましい。特に、ダブルピーク性の観点から、σが−0.20〜0.3の基であることが好ましい。具体的には、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子が好ましい。具体的に、特に好適な置換基として、水素原子、メチル基、フッ素原子が特に好ましい。
特に好適なZ、n、X、Yの組み合わせの例は以下のとおりである。なお、下記式において、6、7が付されている位置の炭素原子が、前記式(1)における6位、7位の炭素原子である。
Figure 0005570510
本発明のクロメン化合物は、前記式(1)で示されるように、インデノナフトピラン骨格を有し、6位および7位の置換基が前記のような基であることにより、優れたフォトクロミック特性を発揮する。そのため、その他の基については、特に制限されるものではないが、特に優れたフォトクロミック特性を発揮するクロメン化合物であるためには、その他の基が以下のように特定された、本発明の下記式(3)で表わされるクロメン化合物であることが好ましい。次に、これらの本発明のクロメン化合物について説明する。
本発明のクロメン化合物)
本発明においては、前記式(1)で示される骨格を有するクロメン化合物うち、
下記式(3)
Figure 0005570510
で示されるクロメン化合物が提供される
前記式(3)において、Z、n、XおよびYは、前記式(1)におけるものと同義である。以下、これらの基以外のその他の基について説明する。
(基R、およびR
前記式(3)で示されるクロメン化合物において、5位の基Rおよび8位の基Rは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子で5位または8位の炭素原子に結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはハロゲン原子である。ここで、これらのアルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子で5位または8位の炭素原子に結合する複素環基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン原子の具体例としては、前記のRにおいて説明した基と同様な基が好適な例として挙げられる。
本発明において、基RおよびRは、退色速度に関与している。退色速度を速めるためにはRが立体的に小さい置換基を有することが好ましい。そのため、特に好適なのは、水素原子である。
(基R
前記式(3)で示されるクロメン化合物において、9〜12位の置換基Rは、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子でそれが結合しているベンゼン環に結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン原子である。ここで、これらのアルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子でそれが結合しているベンゼン環に結合する複素環基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはハロゲン原子の具体例としては、前記のRにおいて説明した基と同様な基が好適な例として挙げられる。
また、bは、Rの基の数を示すものであり、0〜4の整数である。bが2〜4の場合は、複数のRは互いに同一でも異なってもよい。
本発明において、基Rは、退色速度に関与している。基Rは、水素原子(bが0である場合)、または電子吸引基であることが好ましい。また、基Rが電子吸引基である場合、基Rは、退色速度がより速くなるため11位の炭素原子に結合していることが好ましい。特に、好適な電子吸引基は、シアノ基またはハロアルキル基であり、具体例としては、シアノ基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
(基RおよびR
前記式(3)において、RおよびRは、それぞれ独立に、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子でそれが結合しているベンゼン環に結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはハロゲン原子である。ここで、これらのアルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子でそれが結合しているベンゼン環に結合する複素環基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはハロゲン原子の具体例としては、前記のRについての具体例と同様な基が好適な例として挙げられる。
cおよびdは、RおよびRの置換基の数を示すものであり、それぞれ独立に、0〜5の整数である。cおよびdがそれぞれ2以上の場合は、複数のRのそれぞれおよび複数のRのそれぞれは、互いに同一でも異なっていてもよい。
本発明において、RおよびRの置換基はダブルピーク性と退色速度に関与している。置換基数位置は特に制限されないが、高いダブルピーク性と良好な退色速度を得るためには、RおよびRはp位に位置することが好ましい。また、好適な置換基は、bおよびcが0である場合(水素原子)、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基または窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子でそれが結合しているベンゼン環に結合する複素環基である。具体例としては、メチル基、メトキシ基、ジメチルアミノ基、モルホリノ基等が挙げられる。特に、ダブルピーク性の観点から、水素原子、アルキル基、またはアルコキシ基が好ましく、より具体的には、水素原子、メチル基、メトキシ基等が挙げられる。
(基RおよびR
前記式(3)で示されるクロメン化合物において、13位の基RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子で13位の炭素原子に結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン原子である。
ここで、これらのアルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子で13位の炭素原子に結合する複素環基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはハロゲン原子の具体例としては、前記のRにおいて説明した基と同様な基が好適な例として挙げられる。
また、RとRは、それらが結合する13位の炭素原子と一緒になって、カルボニル基または脂肪族炭化水素環を形成することもできる。
該脂肪族炭化水素環としては、環員炭素原子数が4〜20であることが好ましく、発色濃度と退色速度の観点から、環員炭素原子数は4〜15であることがさらに好ましい。特に、退色速度の観点から、環員炭素原子数が4〜12であることがとりわけ好ましい。また、この脂肪族炭化水素環は、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アラルキル基、アリール基、およびハロゲン原子から選ばれる少なくとも1種の置換基を有していてもよい。これら置換基であるアルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリール基、またはハロゲン原子の具体例としては、Rにおいて説明した前記の基と同様な基を好適な例として挙げられる。中でも、発色濃度と退色速度の観点から、アルキル基が好ましく、より具体的にはメチル基が挙げられる。
本発明において、RおよびRの好適な置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、RとRとが一緒になって13位の炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成する場合等が挙げられる。アルキル基としては、メチル基が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基が挙げられる。上記好適な置換基の中でも、ダブルピーク性を維持したまま、光未照射における室温での熱による発色(以下、この発色をサーモクロミズムによる初期着色という)がより小さく、退色速度をより速くするためには、RとRとが一緒になって13位の炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成することが好ましい。好ましい脂肪族炭化水素環としては、環員炭素原子数が4〜20である単環、ビシクロ環、トリシクロ環等が挙げられる。具体的な脂肪族炭化水素環としては、単環として、例えばシクロブタン環、シクロペンタン環、シクロへキサン環、シクロへプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、3,3,5,5−テトラメチルシクロへキサン環等が挙げられ、ビシクロ環として、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン環、ビシクロ[3,2,1]オクタン環、ビシクロ[3,3,1]ノナン環が挙げられ、トリシクロ環として、アダマンタン環が挙げられる。
これらの中でも、特に、優れた効果を発揮するのは、基RおよびRが一緒になって単環を形成する場合である。具体的な単環を例示すれば、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロへキサン環、シクロへプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、3,3,5,5−テトラメチルシクロへキサン環等を挙げることができる。
上記単環の中でも、特に、シクロオクタン環、3,3,5,5−テトラメチルシクロへキサン環が好ましい。
(好適なクロメン化合物の具体例)
本発明の好適なクロメン化合物の具体例としては、次のような化合物を挙げることができる。
Figure 0005570510
Figure 0005570510
(クロメン化合物の同定)
本発明のクロメン化合物は、常温常圧で無色あるいは淡黄色の固体または粘稠な液体として存在し、次の(イ)〜(ハ)のような手段で確認できる。
(イ)プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定することにより、δ5.0〜9.0ppm付近にアロマティックなプロトンに基づくピーク、δ0.5〜4.5ppm付近にアルキル基、およびアルコキシ基のプロトンに基づくピークが現れる。また、それぞれのスペクトル強度を相対的に比較することにより、それぞれの結合基のプロトンの個数を知ることができる。
(ロ)元素分析によって相当する化合物の組成を決定することができる。
(ハ)13C−核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)を測定することにより、δ110〜160ppm付近に芳香族炭化水素基の炭素に基づくピーク、δ10〜80ppm付近にアルキル基、アルコキシ基の炭素に基づくピークが現われる。
(クロメン化合物の製造方法)
本発明のクロメン化合物の製造方法は、特に限定されるものではなく、いかなる合成法により製造してもよい。好適に採用される代表的な製造方法としては、ナフトール化合物とプロパルギルアルコール化合物とを反応させる方法が挙げられる。前記式(3)で示されるクロメン化合物を製造する場合を例として説明する。
前記式(3)で示されるクロメン化合物は、
下記式(4)
Figure 0005570510
ここで、R、R、R、R、R、Z、X、Y、bおよびnは、前記式(3)におけるものと同義である、
で示されるナフトール化合物と、下記式(5)
Figure 0005570510
ここで、R、R、cおよびdは前記式(3)におけるものと同義である、
で示されるプロパルギルアルコール化合物とを、酸触媒存在下で反応させる方法により好適に製造することができる。
前記式(4)で表わされるナフトール化合物は本発明により新規化合物として提供される。式(4)において、R、R、R、R、R、Z、X、Y、bおよびnの定義ならびに具体例等は、前記式(3)におけるそれぞれの定義および具体例等と同じであると理解されるべきである。
前記ナフトール化合物としては、例えば下記式で表される化合物を好ましいものとして挙げることができる。
Figure 0005570510
Figure 0005570510
一般的なナフトール化合物は、例えば、国際公開第WO2001/60881等の論文に記載の反応方法に基づいて合成することができる。また、前記式(5)で示されるプロパルギルアルコール化合物は、例えば、前記式(5)に対応するベンゾフェノン化合物とリチウムアセチリド等の金属アセチレン化合物とを反応させることにより合成できる。
(ナフトール化合物の合成方法)
尚、前記式(4)で示されるナフトール化合物の合成法は、特に限定されないが、例えば、以下のようにして合成することができる。
下記式(I)
Figure 0005570510
で示されるベンゼン化合物は、市販品として購入するか、あるいは、下記文献にしたがって合成することができる。なお、式中、X、Y、Z、およびnは前記式(1)におけるものと同義であり、R、Rは前記式(3)におけるものと同義である。
例えば、下記式(6)
Figure 0005570510
で示されるベンゼン化合物は、市販品として購入することができる。
また、例えば、下記式(7)
Figure 0005570510
で示されるベンゼン化合物は、Synthesis.(10).657−658;1975等の論文に記載の反応方法に基づいて合成することができる。
また、例えば、下記式(8)
Figure 0005570510
で示されるベンゼン化合物は、Hunan Daxue Xuebao, Ziran Kexueban. 28(2), 16−20.39;2001等の論文に記載の反応方法に基づいて合成することができる。
得られた該ベンゼン化合物を臭素化後、次いで、Grignard試薬を調整し、酸クロリドと反応することで、下記式(9)
Figure 0005570510
で示されるベンゾフェノン化合物を得る。なお、カルボニル基を有する前記式(6)で示される化合物は、エチレングリコールを用いたアセタール保護等の保護を行ったものを使用する。前記ベンゾフェノン化合物をStobbe反応、環化反応を行うことで、下記式(10)
Figure 0005570510
のナフタレン化合物を得、該ナフタレン化合物を、アルカリまたは、酸を用いて加水分解することで、下記式(11)
Figure 0005570510
で示されるカルボン酸を得る。なお、前記式(9)〜(11)におけるR、bは、前記式(3)におけるものと同義である。該カルボン酸を炭酸カリウム等の塩基と塩化ベンジルを用いることでベンジル化を行い、次いで、アルカリまたは、酸を用いることで加水分解を行い、下記式(12)
Figure 0005570510
で示されるベンジル保護されたカルボン酸を得る。該ベンジル保護されたカルボン酸をCurtius転位、Hofmann転位、Lossen転位等の方法によりカルボン酸をアミンに変換し、これからジアゾニウム塩を調製する。このジアゾニウム塩を、Sandmeyer反応等によりブロマイドに変換し、得られたブロマイドをマグネシウムやリチウム等と反応させ有機金属試薬を調製する。この有機金属試薬を、下記式(13):
Figure 0005570510
で示されるケトン(前記式(13)におけるR、Rは前記式(3)におけるものと同義である。)と、−80〜70℃、10分〜4時間、有機溶媒中で反応させ、下記式(14):
Figure 0005570510
(前記式(14)におけるRとRとは、前記式(3)におけるものと同義である)
で示されるアルコール体を得る。このアルコール体を水素とパラジウム炭素等で、脱ベンジル化反応を行い、次いで、中性〜酸性条件下で、10〜120℃で10分〜2時間、Friedel−Crafts反応を行うことにより、目的とするナフトール化合物を合成することができる。かかる反応において、前記有機金属試薬と前記式(13)で示されるケトンとの反応比率は、広い範囲から採用されるが、一般には1:10〜10:1(モル比)の範囲から選択される。反応温度は、通常−80〜70℃が好ましく、溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が使用される。また、アルコール体の中性〜酸性条件下でのFriedel−Crafts反応を行うことで、前記式(4)で示されるナフトール化合物を得ることができる。酸触媒としては、酢酸、塩酸、硫酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酸性アルミナ等を用いて行うことが好ましく、このような酸触媒は、アルコール体100重量部当り0.1〜10重量部の範囲で用いるのが好適である。この反応に際しては、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等の溶媒が使用される。
(ナフトール化合物の同定)
本発明のナフトール化合物は、常温常圧で無色あるいは淡黄色の固体または粘稠な液体として存在し、次の(イ)〜(ハ)のような手段で確認できる。
(イ)プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定することにより、δ5.0〜9.0ppm付近にアロマティックなプロトンに基づくピーク、δ0.5〜4.5ppm付近にアルキル基、アルコキシ基のプロトンに基づくピークが現れる。また、それぞれのスペクトル強度を相対的に比較することにより、それぞれの結合基のプロトンの個数を知ることができる。
(ロ)元素分析によって相当する化合物の組成を決定することができる。
(ハ)13C−核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)を測定することにより、δ110〜160ppm付近に芳香族炭化水素基の炭素に基づくピーク、δ10〜80ppm付近にアルキル基、アルコキシ基の炭素に基づくピークが現われる。
(プロパルギルアルコールの合成)
また、前記式(5)で示されるプロパルギルアルコール化合物は、既知化合物である。プロパルギルアルコール化合物は、例えば、前記式(5)に対応するベンゾフェノン化合物とリチウムアセチリド等の金属アセチレン化合物とを反応させることにより合成できる。
(クロメン化合物の具体的な製造方法)
ナフトール化合物とプロパルギルアルコール化合物との反応比率は、広い範囲から採用することができ、好ましくは、1:10〜10:1(モル比)の範囲にある。また、酸触媒としては硫酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酸性アルミナ等が用いられる。酸触媒は、ナフトール化合物とプロパギルアルコール化合物との総和100重量部当り0.1〜10重量部の範囲で用いられる。反応温度は、0〜200℃が好ましい。溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が使用される。かかる反応により得られた生成物の精製方法としては特に限定されない。例えば、シリカゲルカラム精製を行い、さらに再結晶により、生成物の精製を行なうことができる。
(クロメン化合物の特性)
本発明のクロメン化合物は、ダブルピーク性が高いため、他のフォトクロミック化合物と混合して、ブラウン、またはグレーに発色するフォトクロミック組成物とする場合、耐久性の低い黄色に発色するフォトクロミック化合物の使用量を抑えることができるので、その場合退色時の色調変化や、劣化時の色調変化を起こし難い。さらに本発明のクロメン化合物は、初期着色が小さいため、本発明のクロメン化合物を含む光学物品、例えばフォトクロミックレンズは、光未照射状態での透明性が高くなる。
本発明のクロメン化合物と混合して色調を調節するフォトクロミック化合物としては、特に制限されることなく、公知の化合物を使用できる。このようなフォトクロミック化合物としては、国際公開第WO2001/060811パンフレット、特開2009−67680号等に記載されたクロメン化合物を挙げることができる。
(クロメン化合物の使用用途)
本発明のクロメン化合物は、上記の通り、優れたフォトクロミック特性を発揮する。特に、本発明のクロメン化合物を高分子材料中に分散させて使用する態様が最も実用的であり、本発明のクロメン化合物が内部に分散した高分子成形体を構成部材として有するフォトクロミック光学物品は、優れたフォトクロミック特性を発揮する。そのため、本発明のクロメン化合物は、特に、フォトクロミックレンズ(光学物品)に使用することができる。
本発明のクロメン化合物をフォトクロミックレンズに使用する場合には、均一な調光性能が得られる、それ自体公知の方法でレンズを形成することができる。例えば、熱可塑性樹脂と本発明のクロメン化合物を溶融状態で混合し、レンズを形成する方法が挙げられる。また、本発明のクロメン化合物を均一に分散してなる高分子膜をレンズ表面に積層する方法、あるいは、本発明のクロメン化合物を例えばシリコーンオイル中に溶解して150〜200℃で10〜60分かけてレンズ表面に含浸させる方法が挙げられる。このようにレンズの表面部分にクロメン化合物を分散させた場合には、必要に応じて、さらにその表面を硬化性物質で被覆してフォトクロミックレンズとすることもできる。
さらに、本発明のクロメン化合物と重合性単量体とを含有するフォトクロミック硬化性組成物を所定の手法により重合させてレンズとする方法が挙げられる。このフォトクロミック硬化性組成物を使用する方法においては、該硬化性組成物を公知の方法で重合することにより、直接、フォトクロミックレンズを形成することができる。さらに、プラスチックレンズ(光学基材)上に、該フォトクロミック硬化性組成物を塗布し、重合硬化させることにより、光学基材上に本発明のクロメン化合物が分散された高分子膜を形成し、フォトクロミックレンズ(光学物品)とすることもできる(この方法をコーティング方法という場合もある。)。また、光学基材上に本発明のクロメン化合物が分散された高分子膜を形成した場合には、その表面を硬化性物質でさらに被覆することもできる。
なお、上記フォトクロミック硬化性組成物において、使用する重合性単量体は、特に制限されるものではなく、公知の重合性単量体を使用することができ、所望とする光学物品の性能に応じて、公知の重合性単量体を組み合わせればよい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
実施例1
下記式(15)
Figure 0005570510
で示されるナフトール化合物 1.15g(2.33mmol)と、下記式(16)
Figure 0005570510
で示されるプロパルギルアルコール化合物 0.92g(3.43mmol)とを、トルエン50mlに溶解し、さらにp−トルエンスルホン酸0.022gを添加して1時間還流した。反応後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフ法により精製を行い、次いでメタノール(5ml)により晶析を行うことで、白色粉末1.21g(収率:70%)を得た。この生成物の元素分析値はC:75.66%、H:6.44%、N:3.71%であって、C4747の計算値であるC:75.78%、H:6.36%、N:3.76%に良く一致した。
また、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定したところ、δ0.5〜4.5ppm付近にアルキル基、アルコキシ基に基づく31Hのピーク、δ5.0〜δ9.0ppm付近にアロマティックなプロトンに基づく16Hのピークを示した。
さらに、13C−核磁気共鳴スペクトルを測定したところ、δ110〜160ppm付近に芳香環の炭素に基づくピーク、δ10〜80ppmにアルキル基、アルコキシ基の炭素に基づくピークを示した。
前記の結果から単離生成物は、下記式(17)で示される化合物であることを確認した。
Figure 0005570510
実施例2〜3
実施例1と同様にして表1に示したクロメン化合物を合成した。得られた生成物について、実施例1と同様な構造確認の手段を用いて構造解析した結果、表1に示す構造式で示される化合物であることを確認した。また、表2にこれらの化合物の元素分析値、各化合物の構造式から求めた計算値及びH−NMRスペクトルの特徴的なスペクトルを示した。
Figure 0005570510
Figure 0005570510
実施例4
(コーティング法により作製したフォトクロミックプラスチックレンズの物性評価)
上記実施例で得られたクロメン化合物を光重合開始剤、および重合性単量体と混合後、レンズ基材表面に塗布し、さらに紫外線を照射して、レンズ基材表面の塗膜を重合した。
フォトクロミック硬化性組成物としては、ラジカル重合性単量体として2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン/ポリエチレングリコールジアクリレート(平均分子量532)/トリメチロールプロパントリメタクリレート/ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート(ダイセルユーシービー(株)製、EB−1830)/グリシジルメタクリレートをそれぞれ50質量部/10質量部/10質量部/10質量部/10質量部の配合割合で配合したものを使用した。このラジカル重合性単量体の混合物90質量部に対して、実施例1で得られたクロメン化合物1質量部を添加し十分に混合した後に、光重合開始剤であるCGI1800{1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドの混合物(重量比3:1)}を0.3質量部、安定剤であるビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートを5質量部、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]を3質量部、シランカップリング剤であるγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを7質量部、およびN−メチルジエタノールアミンを3質量部添加して十分に混合し、フォトクロミック硬化性組成物とした。
続いて前記方法で得られたフォトクロミック硬化性組成物約2gをMIKASA製スピンコーター1H−DX2を用いて、レンズ基材(CR39:アリル樹脂プラスチックレンズ;屈折率=1.50)の表面にスピンコートした。この表面がコートされたレンズを、窒素ガス雰囲気中で出力120mW/cmのメタルハライドランプにより、3分間照射して硬化させてクロメン化合物が分散した高分子膜で被覆された光学物品であるフォトクロミックプラスチックレンズを作製した(高分子膜の厚さ:40μm)。
得られたフォトクロミックプラスチックレンズについて、下記フォトクロミック特性を評価した。結果を表3に示した。
[1] 極大吸収波長(λmax): (株)大塚電子工業(株)製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォトディテクターMCPD3000)により求めた発色後の極大吸収波長であり、発色時の色調の指標とした。
[2] 発色濃度(A): 前記極大吸収波長における、120秒間光照射した後の吸光度{ε(120)}と光未照射状態の吸光度(ε(0))との差であり、発色濃度の指標とした。この値が高いほどフォトクロミック性が優れている。
[3] ダブルピーク性(A/A):黄色領域(430nm〜530nm)の発色濃度(A:λmaxの値)と青色領域(550nm〜650nm)の発色濃度(A:λmaxの値)との比であり、ダブルピーク性の指標とした。
[4] 退色半減期〔τ1/2(sec.)〕: 120秒間光照射後、光の照射を止めたときに、試料の前記極大吸収波長における吸光度が{ε(120)−ε(0)}の1/2まで低下するのに要する時間であり、退色速度の指標とした。この時間が短いほど退色速度が速い。
[5] 吸収端{λ}: 前記条件にて得られたフォトクロミックプラスチックレンズを試料として、これを一昼夜暗所にて保存したのち、室温にて紫外可視分光光度計(Shimadzu、UV−2550)にて300nm〜800nmまでの透過率(T%)を測定する。得られた透過率曲線の透過率(T%)が50%となる点を通るように、該透過率曲線に対して接線を引き、その接線の透過率(T%)が0となる波長を吸収端(スペクトルの吸収端)とし、初期着色の指標とした。例えばメガネレンズのような光学物品においては、この値が小さいほど初期着色が小さく、光未照射状態の透明性が高い。
[6] サーモクロミズム{T}: 前記条件にて得られたフォトクロミックプラスチックレンズを試料として、室温にて、紫外可視分光光度計(Shimadzu、UV−2550)を用いて、300nm〜800nmまでの透過率(T%)を測定する。430nm〜650nmの範囲にある透過率が極小値をとる波長における透過率とし、初期着色の指標とした。この値が大きいほど初期着色が小さく、光未照射状態の透明性が高い。
[7] 残存率(A50/A×100): 得られたフォトクロミックプラスチックレンズをスガ試験器(株)製キセノンウェザーメーターX25により50時間促進劣化させた。その後、前記発色濃度の評価を試験の前後で行い、試験前の発色濃度(A)および試験後の発色濃度(A50)を測定し、その比(A50/A)を残存率とし、発色の耐久性の指標とした。残存率が高いほど発色の耐久性が高い。
実施例5〜6
クロメン化合物として実施例2〜3で得られた化合物を用いた以外は、実施例4と同様にして、フォトクロミックプラスチックレンズの特性を評価した。その結果をまとめて表3に示した。なお、表3において、化合物No.は、実施例No.に相当する(例えば、化合物No.1は、実施例1のクロメン化合物である。)。
Figure 0005570510
比較例1〜5
さらに比較のために、下記式(A)(比較例1)、下記式(B)(比較例2)、下記式(C)(比較例3)、下記式(D)(比較例4)、および下記式(E)(比較例5)を使用して、実施例4と同様の操作を行った。比較例で使用したクロメン化合物は以下の通りある。
Figure 0005570510
Figure 0005570510
前記クロメン化合物を使用して、実施例4と同様にしてフォトクロミックプラスチックレンズを得、得られたフォトクロミックプラスチックレンズのフォトクロミック特性を評価した。その結果を表4に示した。
Figure 0005570510
比較例1においては、発色濃度、ダブルピーク性は良好であるが、サーモクロミズムによる初期着色が大きく、退色速度が遅い。また、比較例2、3および4においては、ダブルピーク性が低いため、中間色のフォトクロミックプラスチックレンズを作製する際の色調調節の点で好ましくない。また、比較例5においては、発色濃度、ダブルピーク性は良好であるが、吸収端が420nmを超えて可視領域にあるため、初期着色が大きい。
これに対し、本発明のクロメン化合物を用いた実施例では、比較例1と比較して、サーモクロミズムによる初期着色が小さく、退色速度が速くなっている。また、比較例2、3および4と比較して、ダブルピーク性が良好である。また、比較例5と比較して、吸収端が短波長化しているため、初期着色が小さい。さらに、本発明のクロメン化合物は、何れも耐久性が良好であった。
実施例7〜28
実施例1と同様にして表5に示したクロメン化合物を合成した。得られた生成物のクロメン化合物について、実施例1と同様にして構造解析した結果、表5に示す構造式で示される化合物であることを確認した。表6には、各実施例で得られたクロメン化合物の元素分析値とH−NMRスペクトル値を示した。表6において、化合物No.7〜28はそれぞれ実施例7〜28で得られたクロメン化合物である。
Figure 0005570510
Figure 0005570510
Figure 0005570510
Figure 0005570510
Figure 0005570510
Figure 0005570510
Figure 0005570510
Figure 0005570510
実施例29〜50
クロメン化合物として実施例7〜28で得られた化合物を用いた以外は、実施例4と同様の方法によりフォトクロミックプラスチックレンズを製造し、その特性を評価した。その結果をまとめて表7に示した。表7中化合物No.7〜28はそれぞれ実施例7〜28で得られたクロメン化合物のことである。
Figure 0005570510
Figure 0005570510
以下、ナフトール化合物の実施例
実施例51
下記式(18)
Figure 0005570510
で示されるベンゼン誘導体 32.9g(178.5mmol)、ワコーゲルC−300(和光純薬株式会社) 15gをジクロロメタン 2000mlに溶解し、−15℃まで冷却し、N−ブロモスクシンイミド 31.3g(174.9mmol)を加えて、12時間攪拌した。反応後、水で洗浄を行い、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフ法により精製を行い、下記式(19)
Figure 0005570510
で示される化合物をオレンジ色のオイル 44.9g(171.4mmol、収率:96%)として得た。
マグネシウム 4.6g(188.5mmol)をテトラヒドロフラン 200mlに加え、55℃に昇温した。前記式(19)の化合物のテトラヒドロフラン(200ml)溶液を先の溶液に滴下し、Grignard試薬を調整した。得られたGrignard試薬を−78℃に冷却し、ベンゾイルクロライド 26.5g(188.5mmol)のテトラヒドロフラン(200ml)溶液を滴下した。滴下終了後、室温まで昇温し、3時間攪拌した。反応後、水で洗浄を行い、溶媒を除去し、メタノールで再結晶を行うことで精製を行い、下記式(20)
Figure 0005570510
で示される化合物を黄色固体 37.0g(128.6mmol、収率:75%)として得た。
前記式(20)の化合物、コハク酸ジエチル 25.8g(147.9mmol)をテトラヒドロフラン 250mlに溶解し、55℃に昇温した。この溶液に、カリウム−t−ブトキシド 16.6g(147.9mmol)のテトラヒドロフラン溶液(250ml)を滴下し、1時間攪拌した。反応後、濃塩酸、次いで、水で洗浄を行い、溶媒を除去し、下記式(21)
Figure 0005570510
で示される化合物をオレンジ色のオイル 53.5g(128.6mmol、収率:100%)として得た。
前記式(21)の化合物、酢酸ナトリウム 11.6g(141.5mmol)および無水酢酸 72.2g(707.5mmol)をトルエン 180mlに溶解し、3時間還流した。反応後、水で洗浄を行い、溶媒を除去し、メタノールで再結晶を行うことで精製を行い、下記式(22)
Figure 0005570510
で示される化合物をオレンジ色の固体 17.0g(38.6mmol、収率:30%)として得た。
前記式(22)の化合物をメタノール 80mlに分散した。この溶液に水酸化ナトリウム 27.8g(694.8mmol)の水溶液 300mlを加え、3時間還流した。反応後、濃塩酸、次いで、水で洗浄を行い、溶媒を除去し、トルエンでリスラリーを行うことで精製を行い下記式(23)
Figure 0005570510
で示される化合物を黄色固体 12.9g(34.7mmol、収率:90%)として得た。
前記式(23)の化合物および塩化ベンジル 9.7g(76.3mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド 160mlに溶解した。この溶液に炭酸カリウム 12.0g(86.8mmol)を加え、60℃に昇温し、3時間攪拌した。反応後、水で洗浄を行い、溶媒を除去することで、下記式(24)
Figure 0005570510
で示される化合物を黄色オイル 18.7g(34.0mmol、収率:98%)として得た。
前記式(24)の化合物をイソプロピルアルコール 150mlに分散した。この溶液に水酸化ナトリウム 20.4g(510.0mmol)の水溶液 120mlを加え、3時間還流した。反応後、濃塩酸、次いで、水で洗浄を行い、溶媒を除去し、トルエンでリスラリーを行うことで精製を行い下記式(25)
Figure 0005570510
で示される化合物を黄色固体 13.6g(29.6mmol、収率:87%)として得た。
前記式(25)の化合物をトルエン 350mlに分散した。この溶液にトリエチルアミン 9.0g(88.8mmol)とジフェニルホスホリルアジド 10.6g(38.5mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。この溶液に、エタノール 6.8g(148.0mmol)を加えて、70℃で2時間反応した。この溶液に、エタノール 100mlを加え、次いで、水酸化カリウム 16.6g(296.0mmol)を加えて、5時間還流した。反応後、エタノールを常圧留去し、テトラヒドロフランを加え、水で洗浄を行い、溶媒を除去することで下記式(26)
Figure 0005570510
で示される化合物を黄色固体 12.8g(29.6mmol、収率:100%)として得た。
前記式(26)の化合物をアセトニトリル 500mlに分散し、6%塩酸水溶液 93.5g(148.0mmol)を加え、0℃〜5℃に冷却した。この溶液に、33%亜硝酸ナトリウム水溶液 18.4g(88.8mmol)を加え、30分攪拌した。この溶液に50%ヨウ化カリウム水溶液 51.5g(148.0mmol)を加え、室温で5時間攪拌した。反応後、トルエンを加え、水で洗浄を行い、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフ法により精製を行うことで、下記式(27)
Figure 0005570510
で示される化合物を黄色固体 11.2g(20.7mmol、収率:70%)として得た。
前記式(27)の化合物をトルエン 600mlに分散し、−30℃に冷却した。この溶液に、n−ブチルリチウム(1.6Mへキサン溶液) 15.6ml(24.9mmol)を滴下し、30分攪拌した。この溶液に、3,3,5,5−テトラメチルシクロへキサノン 4.0g(25.9mmol)のトルエン溶液 8.0mlを滴下し、0℃で3時間攪拌した。反応後、トルエンを加え、水で洗浄を行い、溶媒除去後、メタノールでリスラリーを行うことで精製し、下記式(28)
Figure 0005570510
で示される化合物を黄色固体 7.7g(13.5mmol、収率:65%)として得た。
前記式(28)の化合物をテトラヒドロフラン 200mlに溶解し、ギ酸アンモニウム 3.4g(54.0mmol)、5%パラジウムカーボン 3.8gを加え、室温で、8時間攪拌した。反応後、トルエンを加え、水で洗浄を行い、溶媒除去後、トルエンでリスラリーを行うことで精製し、下記式(29)
Figure 0005570510
で示される化合物を黄色固体 5.8g(12.2mmol、収率:90%)として得た。
前記式(29)の化合物をトルエン 150mlに溶解し、90℃に昇温した。この溶液に、p−トルエンスルホン酸 7.0g(36.6mmol)を加え、3時間還流した。反応後、水で洗浄を行い、溶媒除去を行うことで、下記式(30)
Figure 0005570510
で示されるナフトール化合物を黄色固体 4.3g(9.2mmol、収率:75%)として得た。
この生成物の元素分析値はC:75.21%、H:7.04%、N:5.99%であって、C2932Oの計算値であるC:75.30%、H:6.97%、N:6.06%に良く一致した。
また、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定したところ、δ0.5〜4.5ppm付近にアルキル基に基づく24Hのピーク、δ5.0〜δ9.0ppm付近にヒドロキシル基、アロマティックなプロトンに基づく8Hのピークを示した。
さらに、13C−核磁気共鳴スペクトルを測定したところ、δ110〜160ppm付近に芳香環の炭素に基づくピーク、δ20〜80ppmにアルキル基の炭素に基づくピークを示した。
前記の結果から単離生成物は、上記式(30)で示されるナフトール化合物であることを確認した。
この化合物は、前記実施例7で用いたナフトール化合物である。
実施例52〜74
実施例51と同様にして表に示したナフトール化合物を合成した。得られた生成物について、実施例51と同様な構造確認の手段を用いて構造解析した結果、表8に示す実施例で用いられたナフトール化合物であることを確認した。表8には、これらの化合物の元素分析値、各化合物の構造式から求めた計算値及びH−NMRスペクトルの特徴的なスペクトルを示した。
Figure 0005570510
Figure 0005570510

Claims (6)

  1. 下記式(3)
    Figure 0005570510
    ここで、Zは、下記式
    Figure 0005570510
    で示されるいずれかの基であり、
    nは1〜3の整数であり、nが2または3の場合、複数のZは、互いに同一でも異なってもよく、ただし、nが1の場合Zは−CH−であることはなく、nが2または3の場合、複数のZは、−CH−のみからなることはなく、
    は、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアリール基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはハロゲン原子であり、Rが複数存在する場合、複数のRは、互いに同一でも異なってもよく、
    X、およびYは、それぞれ独立に、酸素原子、または下記式(2)
    Figure 0005570510
    ここで、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子で式(2)中の窒素原子に結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはハロゲン原子である、
    で示される基であり、
    ただし、X、およびYが、共に酸素原子であることはな
    およびR は、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子で5位または8位の炭素原子に結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはハロゲン原子であり、
    、R およびR は、それぞれ独立に、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子でそれが結合しているベンゼン環に結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン原子であり、
    およびR は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子で13位の炭素原子に結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはハロゲン原子であり、
    とR は、13位の炭素原子と一緒になってカルボニル基、または脂肪族炭化水素環を形成してもよく、
    bは0〜4の整数であり、cおよびdはそれぞれ独立に0〜5の整数であり、
    が2以上の場合は、R は、互いに同一でも異なってもよく、また、cおよびdが、それぞれ2以上の場合は、R およびR は、それぞれ互いに同一でも異なってもよい、
    で示されるクロメン化合物。
  2. 前記式(3)で示されるクロメン化合物において、RとRは13位の炭素原子と一緒になって、脂肪族炭化水素環を形成し、該脂肪族炭化水素環は、環員炭素原子数が4〜20であり、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アラルキル基、アリール基、およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有してもよい請求項に記載のクロメン化合物。
  3. 請求項1〜のいずれかに記載のクロメン化合物と重合性単量体とを含有するフォトクロミック硬化性組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のクロメン化合物が内部に分散した高分子成形体を構成部材として有するフォトクロミック光学物品。
  5. 少なくとも一部分が高分子膜で被覆された面を有する光学基材を構成部品として備えた光学物品であって、該高分子膜には、請求項1〜のいずれかに記載のクロメン化合物が分散していることを特徴とする光学物品。
  6. 下記式(4)
    Figure 0005570510
    ここで、Zは、下記式
    Figure 0005570510
    で示されるいずれかの基であり、
    nは1〜3の整数であり、nが2または3の場合、複数のZは、互いに同一でも異なってもよく、ただし、nが1の場合Zは−CH −であることはなく、nが2または3の場合、複数のZは、−CH −のみからなることはなく、
    は、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアリール基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはハロゲン原子であり、R が複数存在する場合、複数のR は、互いに同一でも異なってもよく、
    X、およびYは、それぞれ独立に、酸素原子、または下記式(2)
    Figure 0005570510
    ここで、R は、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子で式(2)中の窒素原子に結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはハロゲン原子である、
    で示される基であり、
    ただし、X、およびYが、共に酸素原子であることはなく
    およびR は、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子で5位または8位の炭素原子に結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはハロゲン原子であり、
    は、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子でそれが結合しているベンゼン環に結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン原子であり、
    およびR は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、窒素原子を環員ヘテロ原子として有し且つその窒素原子で13位の炭素原子に結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはハロゲン原子であり、
    とR は、13位の炭素原子と一緒になってカルボニル基、または脂肪族炭化水素環を形成してもよく、
    bは0〜4の整数であり、
    bが2以上の場合は、R は、互いに同一でも異なってもよい、
    で示されるナフトール化合物。

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