JP5569959B2 - ガスタービン燃焼器及びガスタービン燃焼器における燃焼用空気供給方法 - Google Patents

ガスタービン燃焼器及びガスタービン燃焼器における燃焼用空気供給方法 Download PDF

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本発明は、燃料と空気を混合して燃焼させることによりガスタービンを駆動するための燃焼ガスを生成するガスタービン燃焼器と、このガスタービン燃焼器における空気供給方法に関するものである。
下記特許文献1には、ガスタービン装置の発明が開示されている。ここに開示されているような一般的なガスタービン装置は、圧縮空気を生成するコンプレッサと、燃焼ガスで駆動されるタービンが、共通のタービン軸の両端に取り付けられた構成を備えており、またコンプレッサで生成した圧縮空気で燃料を燃焼させ、タービンを駆動する燃焼ガスを生成するための燃焼器を備えている。コンプレッサから供給される圧縮空気が燃焼器に送り込まれて燃料を燃焼させ、ここで生成した高温高圧の燃焼ガスがタービンに供給されてタービン軸を回転させ、このタービン軸に連結された発電機等を駆動するとともに、コンプレッサを駆動して圧縮空気の生成も行なう。
このようなガスタービン装置の燃焼器においては、タービン駆動後に外部に排出される燃焼ガスについて、環境保護の面から低NOx 化が求められるようになっており、そのための手法として部分過濃形態燃焼方式(Rich burn Quick quench Lean burn, 略してRQL 方式)が一般的に用いられている。
図3は、ガスタービン装置の燃焼器と、この燃焼器におけるRQL方式の模式図であり、図4は図4のX−X切断線における断面図である。また図5は、ガスタービン燃焼器での燃焼における縦軸の当量比(φ)と横軸の断熱火炎温度との関係を示すグラフである。ここで、これらの図を参照して燃焼器の構造とRQL方式の燃焼について説明する。
図3に示すように、燃焼器100は、図示しないコンプレッサから圧縮空気が供給される外筒101と、その内部に配置された燃焼筒102を本体としている。外筒101及び燃焼筒102は共に略円柱形であり、共に鉛直方向に平行な軸線を一致させた縦型で配置されている。外筒101及び燃焼筒102の頂部には、燃焼筒102内に燃料を供給するための燃料供給装置103が設けられており、燃焼筒102の内部に燃料を供給することができる。さらに燃焼筒102の頂部には、燃料供給装置103を囲んでスワラ104が設けられており、外筒101内に供給された圧縮空気を、燃焼筒102の軸線に直交する面内で回転する旋回流となるように燃焼筒102内に供給することができる。
さらに、図3及び図4に示すように、燃焼筒102の略中央部分には、燃焼筒102の軸線に直交する面内において、燃焼筒102の半径と一致するように配置された複数の空気供給管105が設けられており、外筒101内の空気を全周から燃焼筒102内の中心に向けて供給できるようになっている。
以上のように構成された燃焼器100において、外筒101内に圧縮空気を供給し、燃料供給装置103によって燃料を供給すると、図3中に矢印で燃焼ガスの流れ方向を示すように、燃料供給装置103によって燃料が供給される燃焼筒102の上部では、スワラ104によって供給される空気の旋回流と燃料が混合して燃焼され、燃焼筒102の縦方向の略中央付近にある空気供給管105の部分を底部として上下に再循環する燃焼ガスの再循環流が生成される。このように燃料供給装置103の直下において上下の再循環流が生成される燃焼器102内の上半部の領域を一次燃焼領域Aと呼ぶ。
図5は、燃焼器での燃焼における当量比(φ)と断熱火炎温度との関係を示すグラフである。ここで、当量比とは理論空燃比/空燃比で示される。このグラフに黒丸で示すように、燃焼器100内の前記一次燃焼領域においては、当量比を1以上に保持することによって火炎温度を下げることができる。
図3に示すように、一次燃焼領域Aを通過した燃焼ガスは、空気供給管105から供給される多量の空気で急速に希釈され、下方の領域に入る。この一次燃焼領域Aの下方の領域を二次燃焼領域Bと呼ぶ。
図5中のグラフに白丸で示すように、燃焼器100内の前記二次燃焼領域Bにおいては、一次燃焼領域Aを通過した燃焼ガスは、空気供給管105から供給される多量の空気で急速に希釈され、図5中の黒丸から白丸に至る矢印で示すように、当量比は急速に1以下となるので、その結果、前記二次燃焼領域Bにおいても火炎温度は低い状態に維持される。
このように、従来の燃焼器におけるRQL方式によれば、図5に示すように、サーマルNOx 発生源となる火炎温度の高い当量比1付近を避けて燃焼を完結することができるものとされていた。
特開2006−83705号公報
ところが、RQL方式による燃焼を行なっていた従来の燃焼器100によれば、図3及び図4に示すように、燃焼筒102の略中央部分に設けられた複数の空気供給管105は、空気を燃焼筒102の内部の中心に向けて半径に沿って直線的に供給するだけなので、二次燃焼領域Bにおける燃焼ガスの流れは単に上部から下方への直線状の一方通行となる。比較的低温で燃料が薄い二次燃焼領域Bにおいて、このような直線的な燃焼ガスの流れの中で燃焼を完結させるためには相応の滞留時間が必要となり、そのためには燃焼筒102の内部空間を大きくする必要がある。実際には、燃焼筒102の上下方向の長さを大きくとらなければならず、燃焼器全体としてのサイズが大きくなってしまうという問題があった。さらに、そのような大きな空間の燃焼器を使用したとしても、上記のような直線的な燃焼ガスの流れによれば空気と燃料の混合不足が生じて完全な燃焼が得られず、このためにタービン駆動に必要な温度・圧力の燃焼ガスが得られず、また未燃焼・不完全燃焼の燃料が排出されてしまうという問題もあった。
本発明は、上述したような従来の問題点を解決することを目的としており、RQL方式の燃焼を行なうガスタービン用の燃焼器において、二次燃焼領域における混合を促進して燃焼をより完全に行なわせるとともに、燃焼器全体のサイズをコンパクト化することができるガスタービン燃焼器を提供することを目的としている。
請求項1に記載されたガスタービン燃焼器は、
燃料と空気を混合して燃焼させることによりガスタービンを駆動するための燃焼ガスを生成するガスタービン燃焼器であって、
縦に配置された筒型の燃焼筒と、
前記燃焼筒の上端部に取り付けられて前記燃焼筒内に燃料を供給する燃料供給装置と、
前記燃焼筒の上端部に取り付けられて前記燃焼筒内に空気を旋回させて供給することにより前記燃焼筒内の上部に燃焼ガスの循環流を生成するスワラと、
前記スワラよりも下方において前記燃焼筒内面側に設けられた所定厚さを有する環状部材と、
前記環状部材内の下部の内周面に、前記燃焼筒とともに内外に貫通し、かつ、前記燃焼筒内で空気が旋回するように前記燃焼筒の軸線に直交する面内において前記燃焼筒の半径に対して所定方向に傾斜して形成されて開口し、前記燃焼筒内の下部に燃焼ガスの循環流を生成する複数の第1空気供給孔と、
第1空気供給孔が設けられた環状部材の上部であって前記燃焼筒の上部の最低部に相当する位置に、前記燃焼筒とともに内外に貫通し、かつ、前記燃焼筒の軸線に直交する面内において前記燃焼筒の半径と一致するように設けられた複数の第2空気供給孔と、
を具備することを特徴としている。
請求項に記載されたガスタービン燃焼器における燃焼用空気供給方法は、
ガスタービンを駆動する燃焼ガスを生成すべくガスタービン燃焼器の燃焼筒の内部で燃料を燃焼させるために燃焼筒の内部に空気を供給するガスタービン燃焼器における燃焼用空気供給方法であって、
前記燃焼筒内の上部に燃焼ガスが上下方向に循環する第1の循環流が生成されるように、前記燃焼筒の軸線に直交する面内で空気の旋回流を生成するように前記燃焼筒の上部で空気を供給し、
前記燃焼筒内の下部に燃焼ガスが上下方向に循環する第2の循環流が生成されるように、前記燃焼筒の軸線に直交する面内で空気の旋回流を生成するように前記燃焼筒の中央部分の内面側に設けられた所定厚さを有する環状部材内の下部内周面から空気を供給し、
前記燃焼筒内の前記環状部材内の上部内周面から前記燃焼筒の中心に空気を供給して上向き及び下向きの流れを作ることにより前記第1の循環流と前記第2の循環流を促進することを特徴としている。
請求項1に記載されたガスタービン燃焼器によれば、頂部のスワラによって空気の旋回流が燃焼筒内に供給されるため、燃焼筒の上部の空間には燃焼ガスが上下方向に再循環する一次燃焼領域が生成され、またスワラよりも下方で燃焼筒に設けられた第1空気供給孔によって空気の旋回流が燃焼筒内に供給されるため、燃焼筒の下部の空間においても燃焼ガスが上下方向に再循環する二次燃焼領域が生成される。このように、二次燃焼領域においても、一次燃焼領域と同様に燃焼ガスの再循環流が形成されるので、そのような再循環する流れの中で燃焼ガスは燃焼を完結させるために必要な相応の滞留時間をかせぐことが可能となる。従って、燃焼筒の内部空間を大きくする必要はなく、従って燃焼筒の上下方向の長さは従来に比べて小さくでき、燃焼器全体をコンパクト化することが可能となる。さらに、そのように小さな燃焼器を使用したとしても、上記のような再循環流によれば空気と燃料は十分に混合するために完全燃焼がなされ、タービン駆動に必要な燃焼ガスが得られるために動力源として所期の性能が達成されるとともに、排出ガスについても所期の低NOx 化とともに未燃ガスの排出抑制が達成できるという効果もある。
請求項2に記載されたガスタービン燃焼器によれば、請求項1記載のガスタービン燃焼器において、第1空気供給孔は、燃焼筒の軸線に直交する面内で燃焼筒の半径に対して傾斜して形成されているので、この第1空気供給孔から燃焼筒内に供給された空気は燃焼筒内で確実に旋回流を生成し、一次燃焼領域の下方において上下方向に再循環する二次燃焼領域を生成することができる。
請求項3に記載されたガスタービン燃焼器によれば、請求項2記載のガスタービン燃焼器において、燃焼筒の一次燃焼領域の最低部に相当する位置に、燃焼筒の軸線に直交する面内で燃焼筒の中心に向けて直線的に空気を吹き込む第2の空気供給孔を設けたので、この第2の空気供給孔から空気を供給すれば、この空気流が壁となって一次燃焼領域内で移動している燃焼ガスを受け止めて下方へ通過するのを防止し、以て当該燃焼ガスの上方への戻りを補助して一次燃焼領域における再循環が促進されるという効果がある。
請求項4に記載されたガスタービン燃焼器における燃焼用空気供給方法によれば、
燃焼筒の上部で空気を供給し、燃焼筒の軸線に直交する面内で空気の旋回流を生成し、これによって燃焼筒内の上部で燃焼ガスが上下方向に再循環する第1の再循環流を生成する。さらに、前記燃焼筒の下部で空気を供給し、燃焼筒の軸線に直交する面内で空気の旋回流を生成し、これによって燃焼筒内の下部で燃焼ガスが上下方向に再循環する第2の再再循環流を生成する。このように、二次燃焼領域においても、一次燃焼領域と同様に燃焼ガスの再循環流が形成されるので、そのような再循環する流れの中で燃焼ガスは燃焼を完結させるために必要な相応の滞留時間をかせぐことが可能となる。従って、使用する燃焼筒については、その内部空間を大きくする必要はなく、従って燃焼筒の上下方向の長さは従来に比べて小さくでき、燃焼器全体をコンパクト化することが可能となる。さらに、そのように小さな燃焼器を使用したとしても、上記のような再循環流によれば空気と燃料は十分に混合するために完全燃焼がなされ、タービン駆動に必要な燃焼ガスが得られるために動力源として所期の性能が達成されるとともに、排出ガスについても所期の低NOx 化とともに未燃ガスの排出抑制が達成できるという効果もある。
本発明の実施形態に係るガスタービン燃焼器の構造と燃焼ガスの流れを模式的に表した断面図である。 (a)は図1におけるA−A切断線における断面図、(b)は図1におけるB−B切断線における断面図、(c)は図1におけるC−C切断線における断面図である。 従来のガスタービン燃焼器の構造と燃焼ガスの流れを模式的に表した断面図である。 図3におけるX−X切断線における断面図である。 ガスタービン燃焼器での燃焼における当量比と断熱火炎温度の関係を示すグラフを表した図である。
図1は、本発明の実施形態に係るガスタービン燃焼器(以下、単に燃焼器1と称する)の構造と燃焼ガスの流れを模式的に表した断面図であり、図2(a)は図1におけるA−A切断線における断面図、同図(b)は図1におけるB−B切断線における断面図、同図(c)は図1におけるC−C切断線における断面図である。
図1に示すように、燃焼器1は、図示しないコンプレッサから圧縮空気が供給される外筒2と、外筒2の内部に配置された燃焼筒3を本体としている。外筒2及び燃焼筒3は共に頂部が錐形とされた略円柱形であり、共に鉛直方向に平行な軸線を一致させた縦型で配置されている。外筒2及び燃焼筒3の頂部の中央には、燃焼筒3内に燃料を供給するための燃料供給装置4が設けられており、外筒2の外側から燃焼筒3の内部に燃料を供給することができる。さらに燃焼筒3の頂部には、燃料供給装置4を囲んで旋回空気生成手段としてのスワラ5が設けられており、図示しないコンプレッサから外筒2内に供給された圧縮空気を燃焼筒3の頂部から内部に供給し、燃焼筒3の軸線に直交する面内で回転する旋回流を燃焼筒3内に起こすことができるようになっている。従ってスワラ5が燃焼筒3内に旋回流を生成している状態で燃料供給装置4から燃料を供給して点火することにより、燃焼筒3内の上部に上下に循環する燃焼ガスの再循環流を生成して一次燃焼領域Aを構成することができる。なお、燃焼ガスが上下方向に再循環する一次燃焼領域Aの大きさは、主としてスワラ5の性能によって定められる。
また、この一次燃焼領域Aでは、図5中のグラフに黒丸で示すように当量比を1以上に保持することによって火炎温度を必要な程度にまで下げて燃料と空気の混合気が燃焼しにくい状態となっており、これによって燃焼ガス中に含まれるNOX の量は可及的に減少せしめらるようになっている。
図1及び図2(b)に示すように、燃焼筒3の縦方向(高さ方向)の略中央部分、すなわち一次燃焼領域Aの最低位にあたる部分よりもやや下方には、旋回空気生成手段として、複数の第1空気供給孔6が設けられており、燃焼筒3内の下部である一次燃焼領域Aの下方に破線の矢印で示すように空気を供給させ、実線の矢印で示すように空気を旋回させることができるようになっている。
図2(b)に示すように、これらの第1空気供給孔6は、燃焼筒3の略中央部分の内面側に設けられた所定厚さを有する環状部材7に、燃焼筒3とともに内外に貫通して形成された孔であって、各孔6は環状部材7の下半部の内周面に対して概ね接線で接するような姿勢で開口している。従って、各第1空気供給孔6から燃焼器1内に吹き込まれた空気は、環状部材7の内周面に沿って旋回し、一次燃焼領域Aよりも下方である燃焼器1の内部空間の下部に、燃焼ガスの再循環流を生成することができ、これによって一次燃焼領域Aの下方に、燃焼ガスの再循環流を生成して二次燃焼領域Bを構成できるようになっている。
また、この二次燃焼領域Bでは、一次燃焼領域Aを通過した燃焼ガスは、空気供給孔から供給される多量の空気で急速に希釈されるため、図5中の黒丸から白丸に至る矢印で示すように、当量比が急速に1以下となるので、その結果、前記二次燃焼領域Bにおいても火炎温度は低い状態を維持するため燃料と空気の混合気が燃焼しにくい状態となっており、これによって燃焼ガス中に含まれるNOX の量が可及的に減少せしめられる効果は継続するようになっている。
図1及び図2(a)に示すように、第1空気供給孔6が設けられた環状部材7の上半部、すなわち第1空気供給孔6の直上には、複数の第2空気供給孔8が所定間隔で設けられている。これらの第2空気供給孔8は、燃焼筒3の軸線に直交する面内において燃焼筒3の半径と一致するように配置され、従って各第2空気供給孔8はいずれも燃焼筒3の中心を向いている。なお図2(a)に示す一例では、第2空気供給孔8は8本であり、周方向に45度間隔で配置されているが、この数及び角度間隔に限定されるものではない。
これら第2空気供給孔8が形成されている位置は、前述した一次燃焼領域Aの最低位にあたる部分にあり、図1及び図2中に矢印で示すように第2空気供給孔8から内部に供給された空気は燃焼筒3の中心に集まり、さらに図1中に示すように上向き及び下向きの流れを作り、これが一種の空気の障壁を構成する。すなわち、このような第2空気供給孔8からの空気流により、一次燃焼領域Aにおける燃焼ガスの下降流はそのまま下方に通過することなく逆に上方に方向付けられるため、燃焼ガスは上方へ戻るように補助されて一次燃焼領域Aにおける前述した再循環が促進される。また、前述した第1空気供給孔6による旋回流は、第2空気供給孔8からの空気流により、上方に向かうことなくむしろ下方に方向付けられる。このため、一次燃焼領域Aよりも下方である燃焼器1の内部空間の下部では、一次燃焼領域Aからの燃焼ガスにさらに空気が混合されて上下に循環しながら燃焼する燃焼ガスの再循環流が促進され、これによって前述したような二次燃焼領域Bが生成される。
このように本実施形態では、上方の一次燃焼領域Aと下方の二次燃焼領域Bとを区分する機能を発揮する第2空気供給孔8は、前述したようにスワラ5で生成されることが期待される一次燃焼領域Aの大きさを考慮し、燃焼器1において一次燃焼領域Aの最低位となるような位置に設置することが好ましく、従って二次燃焼領域Bを形成するための旋回流を生成する第1空気供給孔6は、第2空気供給孔8の直下位置に形成することが好ましい。
なお、本実施形態では、二次燃焼領域Bを生成するための第2空気供給孔8は、図2(b)に示すように環状部材7に形成した複数の貫通孔からなるものであったが、燃焼筒3内に旋回流を生成できるものであれば構成上の限定はない。例えば図2(c)に示すように、円周状に連続開口したスリット9の中に複数枚の仕切板10を渦巻き状に配置し、隣接する仕切板10,10によって区画される各開口の断面積が内側の出口に行くに従って小さくなるようにし、図中破線の矢印で示すように空気を流入させて燃焼器1の内部に実線の矢印で示すような旋回流を生成する空気導入装置11でもよいし、又は旋回流を起こすために自由回転可能とされた前記スワラ5と同様のスワラであってもよい。
以上説明した燃焼器1における燃焼の態様について説明する。
タービンが始動してコンプレッサからの空気が外筒2の内部に供給され、この空気がスワラ5から燃焼筒3の上方内部に旋回流として供給されるとともに、第1空気供給孔6から燃焼筒3の略中央内部に旋回流として供給されると、燃料供給装置4から燃料が燃焼筒3内に供給されて所定のタイミングで点火が行なわれる。
図1に示すように、燃料供給装置4からの燃料はスワラ5から供給された旋回する空気と混合されて燃焼しながら下方に向かうが、第2空気供給孔8から水平方向へ供給される空気流の障壁によってストレートに燃焼筒3の下方に移動はせず、上下方向の再循環が促進されて燃焼筒3の上方内部の一次燃焼領域Aで上下に再循環する循環流となる。図5中のグラフ上の黒丸で示すように、この一次燃焼領域Aでは、当量比が1以上に設定されているため、火炎温度は必要な程度に低く、燃料と空気の混合気は燃焼しにくい状態にある。このため、一次燃焼領域Aで燃焼ガス中に生じるNOX の量は可及的に減少せしめらる。
図1に示すように、一次燃焼領域Aを通過した燃焼ガスは、第1空気供給孔6から供給される多量の空気で急速に希釈され、燃焼筒3の下方の領域に入る。この二次燃焼領域Bでは、一次燃焼領域Aを通過した燃焼ガスが、第1空気供給孔6から供給される多量の空気で急速に希釈されるので、図5において燃焼がグラフ上の黒丸の状態から白丸の状態に変化するのを示したように、当量比は急速に1以下となり、その結果二次燃焼領域Bにおいても火炎温度は低い状態を維持し、二次燃焼領域Bで燃焼ガス中に生じるNOX の量も可及的に減少せしめらる。
このように、本発明の燃焼器1におけるRQL方式によれば、図5に示すように、サーマルNOx 発生源となる火炎温度の高い当量比1付近を避けて燃焼を完結することができ、排気中のNOx を可及的に減少させることができる。
ところで、本実施形態によれば、燃焼筒3の下方内部にある二次燃焼領域Bでは、第1空気供給孔6からの空気は、概ね燃焼器1の内周面に沿う方向で燃焼器1内に送り込まれるので、周状の燃焼器1内で渦を形成する。従って、第2空気供給孔8からの空気が構成した壁を経て、燃焼筒3の上方の一次燃焼領域Aから移行してきた燃焼ガスは、この第1空気供給孔6からの渦状の空気に巻き込まれて旋回流となり、図1中に矢印で示すように燃焼器1の下方内部で上下方向の再循環流を作る。このように燃焼ガスが上下方向に再循環する二次燃焼領域Bでは、図3に示したような燃焼ガスがストレートに下方に移行する従来例の場合と比べ、燃焼ガスが再循環の経路を移動する距離が長くなるため、燃焼筒3内を流れながら燃焼を完結させるために燃焼ガスに必要な相応の滞留時間が達成される。
すなわち、二次燃焼領域Bでは比較的低温で燃料が薄いために燃料は燃焼しにくいが、このように燃焼筒3内で燃焼ガスを再循環させて燃焼時間を稼げば、必要な滞留時間を達成できるため、燃焼筒3の内部空間を大きくする必要がなくなる。すなわち、従来の燃焼筒に比べて二次燃焼領域Bの長さを小さくできる。例えば従来の燃焼器100を示した図3では、燃焼筒102の下半部の二次燃焼領域Bでは燃焼ガスが下方に向けて直進するため、燃焼筒102の縦方向の長さを大きくとらなければガスの十分な燃焼に必要な滞留時間が確保できなくなってしまうが、本実施形態によれば上述の通り燃焼器1のサイズを大きくする必要がなくなり、コンパクトな構成とすることができる。
また、本実施形態の燃焼器1によれば、このように従来に比較して小さいにも関わらず、一次燃焼領域A及び二次燃焼領域Bの双方で再循環流による空気と燃料の良好な混合状態が得られるため、燃焼はより良好な状態となる。このためタービン駆動に必要な温度・圧力の燃焼ガスが確実に得られるとともに、排出ガス中に未燃焼・不完全燃焼の燃料が含まれることもなく、前述したNOX 量の低減とともに環境に対する負荷の低減が図れる効果もある。
1…燃焼器
3…燃焼筒
5…スワラ
6…第1空気供給孔
8…第2空気供給孔
A…一次燃焼領域
B…二次燃焼領域

Claims (2)

  1. 燃料と空気を混合して燃焼させることによりガスタービンを駆動するための燃焼ガスを生成するガスタービン燃焼器であって、
    縦に配置された筒型の燃焼筒と、
    前記燃焼筒の上端部に取り付けられて前記燃焼筒内に燃料を供給する燃料供給装置と、
    前記燃焼筒の上端部に取り付けられて前記燃焼筒内に空気を旋回させて供給することにより前記燃焼筒内の上部に燃焼ガスの循環流を生成するスワラと、
    前記スワラよりも下方において前記燃焼筒内面側に設けられた所定厚さを有する環状部材と、
    前記環状部材内の下部の内周面に、前記燃焼筒とともに内外に貫通し、かつ、前記燃焼筒内で空気が旋回するように前記燃焼筒の軸線に直交する面内において前記燃焼筒の半径に対して所定方向に傾斜して形成されて開口し、前記燃焼筒内の下部に燃焼ガスの循環流を生成する複数の第1空気供給孔と、
    第1空気供給孔が設けられた環状部材の上部であって前記燃焼筒の上部の最低部に相当する位置に、前記燃焼筒とともに内外に貫通し、かつ、前記燃焼筒の軸線に直交する面内において前記燃焼筒の半径と一致するように設けられた複数の第2空気供給孔と、
    を具備することを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. ガスタービンを駆動する燃焼ガスを生成すべくガスタービン燃焼器の燃焼筒の内部で燃料を燃焼させるために燃焼筒の内部に空気を供給するガスタービン燃焼器における燃焼用空気供給方法であって、
    前記燃焼筒内の上部に燃焼ガスが上下方向に循環する第1の循環流が生成されるように、前記燃焼筒の軸線に直交する面内で空気の旋回流を生成するように前記燃焼筒の上部で空気を供給し、
    前記燃焼筒内の下部に燃焼ガスが上下方向に循環する第2の循環流が生成されるように、前記燃焼筒の軸線に直交する面内で空気の旋回流を生成するように前記燃焼筒の中央部分の内面側に設けられた所定厚さを有する環状部材内の下部内周面から空気を供給し、
    前記燃焼筒内の前記環状部材内の上部内周面から前記燃焼筒の中心に空気を供給して上向き及び下向きの流れを作ることにより前記第1の循環流と前記第2の循環流を促進することを特徴とするガスタービン燃焼器における燃焼用空気供給方法。
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