JP5569800B2 - 支持架台の取付構造、取付施工法、及び外装構造 - Google Patents
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Description
しかし、縦桟部分に直接釘(ビス)等を打ち込む方法では、縦桟内に保釘性が必要になり、釘孔が屋根面に露出しているため、釘孔から雨水が浸入する(釘が屋根板、カバーを貫通しているため),また釘等を縦桟の横方向から打ち込むため、取付作業に手間が掛かる,という問題も有していた。
また、前記ハゼ部(縦桟)の外側を金具で挟み込む方法では、ボルトの締着強度が十分でないと、ズレ動いたり落下することがあり、締め付けすぎると、素材が変形又は破断することがあった。さらに、締着力によって外装材に傷が付き、腐食の要因になることがあった。
また、屋根の敷設後に取り付けるため、様々な理由(例えば躯体の誤差(不陸等)によって、外装材等が敷設時に変形したり、施工上の不具合での変形等)で屋根(本体、キャップ等)が変形し、上述と同様な問題が起こるものであった。
さらに、経年した既設屋根にあっては、素材の経年の劣化により、上述の新設以上に変形等が生じている場合が多かった。
また、係止部が、斜め下方から差し込むように係止されるので、仮に支持架台を引き上げるような応力が作用した際にも、上方への抜け止め作用が高く、支持架台が上方へ外れる虞がないものとなる。
以下に、この取付構造に用いられる(A)縦葺き外装材、(B)キャップ材、(C)支持架台の各部材について順に説明する。
また、本発明の外装構造は、縦葺き外装構造に、前記支持架台の取付構造を施工してなる構成である。
本発明に用いられる縦葺き外装材は、中央に面板部が、その左右側縁に被係合部を有する立上り部が形成される構成であれば、それ以外の構成は特に限定するものではない。被係合部とは、後述するキャップ材の嵌合部を嵌合する部位であり、支持架台の係止部を係合させる部位でもある。
後述する図示実施例では、この縦葺き外装材は、面板部の左右の側縁を立ち上げた立上り部を備え、この立上り部に被係合部を形成し、この被係合部の裏面側を後述する保持部材の被保持部に嵌合させて取り付けられるようにした。
そして、この立上り部は、それ以外の構成は特に限定するものではないので、適宜に形成すればよく、例えば単なる起立片状でも傾斜片状でもよい。
この縦葺き外装材は、代表的には概ね0.4〜1.6mm程度の溶融亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板等の防錆処理鋼板、特殊鋼、非鉄金属、ステンレス鋼板、耐候性鋼板、銅板、アルミニウム合金板、鉛板、亜鉛板、チタニウム板などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは殆ど長尺なコイル状形態で供給される。そして、上記各種の長尺なコイル状の金属材料を定尺切断したり、左右の側縁にはロール成形等により成形が施される。
本発明に用いられる前記縦葺き外装材の被係合部に嵌合する嵌合部を有する構成であって、横方向に隣接する縦葺き外装材間に取り付けられて外装面を構築する部材である。この嵌合部としては、後述する図示実施例のように斜め下方から嵌合する構成が好ましい。
このキャップ材は、後述する図示実施例に示すように、専ら覆い部の左右側縁に縦葺き外装材の被係合部に嵌合する嵌合部を備える構成とするが、特に限定するものではない。
本発明に用いられる支持架台は、隣接する縦葺き外装材の前記被係合部に、外側から係止する係止部と、上面に外設部材を支持する支持部とを備え、少なくとも係止部を有する左右一対の部材を含む構成であり、係止部を前記縦葺き外装材の被係合部に係止させた状態で連結具の締め付けにより連結される。この支持架台は、特にその素材を限定するものではないが、後述する外設部材を支持するために、アルミや硬質樹脂による押出成形品、メッキ鋼板、ステンレス鋼板等のプレス加工品及びセラミック等より形成すればよい。この係止部としては、後述する図示実施例のように斜め下方から差し込むように係止される構成が好ましい。
この支持架台としては、例えば後述する図示実施例(第1実施例)の態様のように、それぞれ係止部を有する左右一対の部材からなる下方部材と、支持部を備える上方部材とから構成してもよいし、後述する図示実施例(第2,第3実施例)の態様のように、それぞれ係止部と支持部の一部とを有する左右一対の部材からなる構成でもよく、特にそれらに限定するものではない。
なお、何れの態様においても左右一対の部材を、上端にて左右に開く蝶番(ヒンジ)状に形成してもよく、この場合、第2実施例の態様では支持架台がヒンジにて開く構成の一部材にて形成される。
なお、この合わせ部は、後述する図示実施例のように、両合わせ部の間に何も介在しないように重合させるものであれば、単なる鉛直状の縦片(起立片)でもよいし、屈曲状、屈折状でもよく、特にその形状を限定するものではない。
前記支持架台1は、隣接する外装材2,2の前記被係合部221,221に、外側から係止する係止部11,11と、上面に図示しない外設部材を支持する支持部12とを備え、少なくとも係止部11を有する左右一対の部材1A,1Aを含む構成であり、係止部11を前記外装材2の被係合部221に係止させた状態で連結具1b,1cの締め付けにより連結される。
前記支持部12の中央には、上方が解放する溝部121が設けられ、その解放上縁は内部より幅狭に形成されている。
また、前記脚片13の下端近傍の内側には、斜め上方へ向かう係止片131が形成されている。
この略門型状部材1Dを下方部材1X(の取付片141)に取り付けるための固定具1e,1eは、前記脚片13,13の中程下方から取り付けられる。
また、前記片覆い部14の中程上方に切り込みを形成し、前記上方部材1Yの固定具1eを受ける取付片141が切り起こし状に形成されている。
したがって、この左右一対の部材1A,1Aを外装屋根面の山部に沿わせた際に、左右の係止部11,11を被係合部221,221に深く係合させると、合わせ部15,15間に僅かに隙間が形成されるものとなる。そのため、連結具1b,1cを締め付けて合わせ部15,15を密接状に重合させると、係止部11には僅かに弾性が作用して深く係合するものとなり、連結具1b,1cの締め付けに過剰な力を必要としない。
図示実施例の被係合部221は、前述のように略く字状にへこむ凹状であって、該凹部形状は、斜め上方から斜め下方まで広がる凹状であり、開口角度は90度よりも小さく形成されている。
図示実施例の嵌合部32は、前述のように内側上方へ凸状に形成され、該凸部形状は、下方から斜め上方へ向くように形成されている。
この固定部材4Aは、下方及び側方が開放する枠体、言い換えれば前面と後面と上面とからなる枠体の内部に、L字状片が溶接されて一体化し、さらに前記上面部にボルト杆43の下端が溶接され、溝状係止部は、前記枠体の前面及び後面に形成された略L字状の切欠部であり、当接部は、前記L字状片の上端である。そして、この固定部材4Aは、下地5の上フランジ51の先端511に下方から係止する固定部41を形成している。
前記脚部45は、上端に前記被保持部42と溶接にて連結する上片を備え、下端が構造材4の被固定部(上フランジ51)に着地する構成であり、締着手段としてのボルト杆43前記固定部材4Aから上方へ延在する構成であり、言い換えればボルト杆43は、脚部45内を倒れないようにガイドされ、適正位置に納まるように位置規制されている。
前記被保持部42は、中央部分の断面が逆ハット状であって、水流れ方向に幅(長さ)を有する横折枠体からなり、前記外装材2の被係合部221の裏面側を弾性的に嵌合させて保持することができ、その際、その上方に位置する支持部分46は前記外装材2の載置部分23を支持し、さらに略中央に形成される凹部47は前記外装材2の中央嵌合部24,24を嵌合させることができる。そして、外装材2の敷設状態において、外装材2と面接触するため、摩擦音を殆ど生じることがない。また、この被保持部42は、前記固定部材4Aの上面部と締着手段によって連結されている。具体的には、前記上面部に固定されたボルト杆43の上端が臨んでおり、その上端を挿通させる挿通孔を備える横面部が略中央に形成されている。また、この横折枠体は、殆ど横折にて形成された枠体であるため、左右の拡開を防止する縦面部にて左右を溶接して連結している。
まず、図2(a)に示すように型鋼から構成される下地5上に前記構成の保持部材4を配し、外装材2を敷設し、キャップ材3を取り付けて外装屋根面を形成する。
次に、図2(b)に示すように前記構成の下方部材1Xを構成する左右一対の部材1A,1Aの係止部11,11を、外装屋根面の左右の被係合部221,221の外側下方から差し込むように配しつつ、合わせ部15,15を重合させた。なお、この状態では、合わせ部15,15は、密接状に重合しておらず、僅かに隙間を介して対向している。
そして、図2(c)に示すように連結具1b,1cを締め付けて下方部材1Xの取り付けを完了し、ついで上方から略門型状部材1Dを被せるように配し、その脚片13,13の外側から固定具1e,1eを裏面側の取付片141,141に打ち込んで固定することにより、上方部材1Yの下方部材1Xへの取り付けを完了し、総じて支持架台1の取り付けを完了する。
特にこの第1実施例では、左右一対の部材1A,1Aに、それぞれ合わせ部15を設け、各合わせ部15を重合(面接触)させた状態で連結具1b,1cを締め付けるようにしたので、合わせ部15,15の重合が過剰な締め付けの規制となるため、従前の締め付けタイプのように締め付け過ぎて素材を変形させたり破断させることもないし、腐食の要因となることもない。
特にこの第1実施例では、外装材2の被係合部221を介して保持部材4(4B)の被保持部42に差し込むように係止する構成としたので、この係止部11の差し込みにより、外装材2の保持部材4(4A)への保持が強固になる役割も果たされる。
なお、この第2実施例では、支持架台1'の構成以外は、前記第1実施例と全く同様であるから、図面に同一符号を付して説明を省略する。
前記係止部11'は折り返し片状ではなく、片覆い部14'の下端近傍の内側から跳ね上げ片状に設けられている。
また、前記合わせ部15'の上端に支持部12'が延設されている。
また、前記支持部12'は、左右に溝部121,121が形成されている。
さらに、片覆い部14'は、下端141が外装材2の立上り部22に沿うように下方へ延在し、さらに内面側から下端が外装屋根面に着地する下向きの支持脚142が設けられている。
まず、前記構成の左右一対の部材1E,1Eの係止部11',11'を、外装屋根面の左右の被係合部221,221の外側下方から差し込むように配し、合わせ部15',15'を重合させる。このとき、片覆い部14'の支持脚142は、下端が外装屋根面に着地しており、下方へ延在する下端141は、外装材2の立上り部22に沿っている。なお、この状態では、合わせ部15',15'は、密接状に重合しておらず、僅かに隙間を介して対向している。
そして、連結具1b,1cを締め付けることにより、左右一対の部材1E,1Eを連結して支持架台1'の取り付けを完了する。
また、この第2実施例の支持架台1'は、構成する部材の数が少ないため、管理も施工もより簡単(容易)である。
なお、この第3実施例では、後述する構成以外は、前記第1実施例や前記第2実施例と同様であるから、図面に同一符号を付して説明を省略する。
この第3実施例における係止部11"は、前記第2実施例における係止部11'よりも短く形成されている。
また、この第3実施例における片覆い部14"の下端には、前記係止部11"と略直線状の押し込み片143が形成されている。
この状態で、ビス1gを片覆い部14"から打ち込んで仮止めした状態で、合わせ部15",15"を重合させ、連結具b,1cを締め付けて固定する。
また保持部材4"として、一般にタイトフレームと称される短幅の帯状鋼材を折り曲げ加工してなる略門型状のフレーム4Cに、略扇形状の受片が前後に立設する受支材4Dをボルトナットで留め付けてなる構成である。
フレーム4Cは、略中央の横片から左右に脚部47,47を有し、各脚部47の下端に下面が下地5と接する固定部48が設けられている。
受支材4Dは、略垂直状に起立する受片49,49を前後に有する側断面略U字状のピース材であり、各受片49の下方には左右に張り出した部分が形成され、その下方が前記外装材2の被係合部221の裏面側が嵌合する被保持部42である。また、受片49の上縁を前後方向に折り曲げて支持部(面)491とし、前記外装材2の被係合部221の裏面側の被嵌状の保持を安定に行えるようにしている。さらに、この受片49の略中央上端には、前記外装材2の断面略U字状の中央嵌合部24を上方から嵌合可能な矩形状の凹部492が設けられている。
1A 左右一対の部材
1b 連結具(ボルト)
1c 連結具(ナット)
1D 略門型状部材
1e 固定具(ビス)
1X 下方部材
1Y 上方部材
11,11',11" 係止部
12,12' 支持部
121 溝部
13,13" 脚片
131 係止片
14,14',14" 片覆い部
141 取付片
142 支持脚
143 押し込み片
15,15' 合わせ部
2 (縦葺き)外装材
21 面板部
22 立上り部
221 被係合部
23 載置部分
24 中央嵌合部
3 キャップ材
31 覆い部
32 嵌合部
4 保持部材
4A 固定部材
4B 本体
4C フレーム
4D 受支材
41 固定部
42 被保持部
43 ボルト杆(締着手段)
44 ナット
45 脚部
46 支持部分
5 下地
51 上フランジ
511 先端
6 外設部材(太陽電池システム)
7A 下部保持部材
7B 上部保持部材
Claims (7)
- 中央に面板部が、その左右側縁に被係合部を有する立上り部が形成される縦葺き外装材と、前記被係合部に嵌合する斜め上向きの嵌合部を有するキャップ材とにより構築した外装屋根面に、支持架台を取り付けてなる支持架台の取付構造であって、
前記支持架台は、隣接する縦葺き外装材の前記被係合部に、直接的に外側斜め下方から差し込むように係止される係止部と、上面に外設部材を支持する支持部とを備え、
少なくとも係止部を有する左右一対の部材を、被係合部にキャップ材の嵌合部を嵌め付けた状態で係止部を外側斜め下方から差し込むことにより、その差し込み状態が密接状に位置されるものとなり、連結具の締め付けにより連結することを特徴とする支持架台の取付構造。 - 左右一対の部材に、それぞれ合わせ部を設け、各合わせ部を重合させた状態で連結具を締め付けることを特徴とする請求項1に記載の支持架台の取付構造。
- 係止部は、外装材の被係合部を介して保持部材の被保持部に係止していることを特徴とする請求項1又は2に記載の支持架台の取付構造。
- 支持架台は、それぞれ係止部を有する左右一対の部材からなる下方部材と、支持部を備える上方部材とから構成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の支持架台の取付構造。
- 支持架台は、それぞれ係止部と支持部の一部とを有する左右一対の部材からなることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の支持架台の取付構造。
- 中央に面板部が、その左右側縁に被係合部を有する立上り部が形成される縦葺き外装材と、前記被係合部に嵌合する斜め上向きの嵌合部を有するキャップ材とにより構築した外装屋根面に、支持架台を取り付けて外設部材を支持させる支持架台の取付施工法であって、
前記支持架台は、隣接する縦葺き外装材の前記被係合部に、直接的に外側斜め下方から差し込むように係止される係止部と、上面に外設部材を支持する支持部とを備え、
少なくとも係止部を有する左右一対の部材を、被係合部にキャップ材の嵌合部を嵌め付けた状態で係止部を外側斜め下方から差し込むことにより、その差し込み状態が密接状に位置される工程と、その状態で連結具の締め付けにより左右一対の部材を連結する工程と、を含むことを特徴とする支持架台の取付施工法。 - 流れ方向に被係合部を有する縦葺き外装構造に請求項1〜5の何れか一項に記載の取付構造を施工してなる外装構造であって、
縦葺き外装構造の左右の被係合部に支持架台の左右の係止部を直接的に外側から係止させて固定し、該支持架台の支持部に外設部材を取り付けることを特徴とする外装構造。
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