JP5568033B2 - マルチキャスト配信方法、配信装置及び配信プログラム - Google Patents

マルチキャスト配信方法、配信装置及び配信プログラム Download PDF

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Description

本発明は、IP(Internet Protocol)ネットワークにおいて、映像などのストリームをマルチキャスト配信するためのマルチキャスト配信方法、配信装置及び配信プログラムに関する。
従来、一般的なマルチキャスト配信システムや、マルチキャスト配信の機能を利用した映像配信システムでは、最短経路となるようにストリームを分配するマルチキャストツリーを構成している(非特許文献1参照)。
Fenner, B., Handley, M., Holbrook, H., and I. Kouvelas, "Protocol Independent Multicast - Sparse Mode (PIM-SM): Protocol Specification (Revised)", RFC 4601, Aug 2006.
しかし、最短経路を用いる従来技術では、マルチキャストソースからの配信経路において同一の上位ルータに複数の下位ルータが接続される場合、単一のストリームが異なる下位ルータの配下から要求されると、それぞれの下位ルータに対してマルチキャスト配信を行う必要がある。また、ストリームの受信数が増えても配信を継続できるようにするために、下位ルータと上位ルータとの間の通信路の帯域幅にはかなりの余裕をもたせておく必要がある。そのため、マルチキャスト配信に使用する通信路の帯域を効率的に使うことが困難であるという問題がある。
本発明は、前記の問題を解決するためになされたものであり、マルチキャスト配信に使用する通信路の帯域を効率的に使うことができるマルチキャスト配信方法、配信装置及び配信プログラムを提供することを課題とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、マルチキャストソースから送信される複数チャネルのマルチキャストストリームを中継配信する上位の配信装置(上位ルータ)にそれぞれ異なる通信路で接続され、かつ、相互にリンク接続される複数のマルチキャスト配信装置(下位ルータ)から成るグループにおいて、配下のユーザ端末から配信を要求される任意チャネルのマルチキャストストリームを当該ユーザ端末に中継配信するマルチキャスト配信方法であって、前記マルチキャスト配信装置(下位ルータ)は、自身が属する前記グループ内の他のマルチキャスト配信装置(以下、「他装置」)との間で、前記上位の配信装置からの受信を開始または停止した個々のチャネルを相互に通知し合うことによって、それぞれの前記他装置が前記上位の配信装置から受信しているチャネル群を把握し、前記配下のユーザ端末から任意チャネルのマルチキャストストリームの配信が要求されたときに、当該チャネルのマルチキャストストリームが前記他装置によって前記上位の配信装置からすでに受信されている場合は、当該マルチキャストストリームを前記リンク接続によって当該他装置から受信して要求元の当該ユーザ端末に配信することを特徴とする。
こうすることにより、グループ化された各下位ルータ間で、各チャネルの受信状態を把握することができ、配信すべきチャネルのマルチキャストストリームが他の下位ルータですでに受信されていれば、当該下位ルータからリンク接続によって転送してもらうので、上位ルータと下位ルータとの間での同一チャネルのマルチキャストストリームの重複配信をなくすことができる。
また、本発明は、前記のマルチキャスト配信方法において、前記マルチキャスト配信装置は、前記配下のユーザ端末から任意チャネルのマルチキャストストリームの配信が要求されたときに、当該チャネルのマルチキャストストリームが自装置及び前記他装置のいずれによっても前記上位の配信装置から受信されていない場合は、その時点で前記上位の配信装置から受信しているマルチキャストストリームの数である受信チャネル数が最も少なくなっているのが前記他装置であれば、当該他装置に前記上位の配信装置から当該チャネルのマルチキャストストリームを受信させ、当該マルチキャストストリームを前記リンク接続によって当該他装置から受信して要求元の当該ユーザ端末に配信し、その時点で前記受信チャネル数が最も少なくなっているのが自装置であれば、当該チャネルのマルチキャストストリームを自身が前記上位の配信装置から受信して要求元の当該ユーザ端末に配信することを特徴とする。
こうすることにより、グループ内の各下位ルータが上位ルータから受信するマルチキャストストリーム数(受信チャネル数)をほぼ均等化できるので、上位ルータと下位ルータとの間のマルチキャスト転送に使用する通信路の帯域を減少させることができる。
また、本発明は、前記のマルチキャスト配信方法において、前記マルチキャスト配信装置は、前記配下のユーザ端末から任意チャネルのマルチキャストストリームの配信が要求されたときに、当該チャネルのマルチキャストストリームを自身が前記上位の配信装置からすでに受信している場合は、当該マルチキャストストリームを要求元の当該ユーザ端末に配信し、自身が前記上位の配信装置から受信している特定チャネルのマルチキャストストリームの転送を前記他装置より要求された場合は、当該マルチキャストストリームを前記リンク接続によって要求元の当該他装置に送信することを特徴とする。
こうすることにより、各下位ルータがすでに上位ルータから受信しているチャネルのマルチキャストストリームを、要求元のユーザ端末や他の下位ルータに配信するので、上位ルータと下位ルータとの間での同一チャネルのマルチキャストストリームの重複配信をなくすことができる。
また、本発明は、マルチキャストソースから送信される複数チャネルのマルチキャストストリームを中継配信する上位の配信装置にそれぞれ異なる通信路で接続され、かつ、相互にリンク接続される複数のマルチキャスト配信装置によってグループを形成し、配下のユーザ端末から配信を要求されたチャネルのマルチキャストストリームを当該ユーザ端末に中継配信するマルチキャスト配信装置であって、各チャネルのマルチキャストストリームを前記上位の配信装置から受信している単一の前記マルチキャスト配信装置を特定する情報を配信状態テーブルに記憶し、自身が属する前記グループ内の他のマルチキャスト配信装置(以下、「他装置」)との間で、前記上位の配信装置からの受信を開始または停止した個々のチャネルを相互に通知し合うことによって前記配信状態テーブルの情報を更新し、前記配下のユーザ端末から任意チャネルのマルチキャストストリームの配信要求を受け付けて、当該ユーザ端末に配信する前記マルチキャストストリームの配信経路を決定する配信経路制御部を備え、前記配信経路制御部は、前記配下のユーザ端末から任意チャネルのマルチキャストストリームの配信要求を受け付けたときに、前記配信状態テーブルを参照することによって、当該チャネルのマルチキャストストリームが前記他装置によって前記上位の配信装置からすでに受信されていると判定した場合は、当該マルチキャストストリームを当該他装置から受信して要求元の当該ユーザ端末に配信するように、当該ユーザ端末への当該マルチキャストストリームの配信経路を決定することを特徴とする。
こうすることにより、グループ化された各下位ルータ間で、各チャネルの受信状態を把握することができ、配信すべきチャネルのマルチキャストストリームが他の下位ルータですでに受信されていれば、当該下位ルータからリンク接続によって転送してもらうので、上位ルータと下位ルータとの間での同一チャネルのマルチキャストストリームの重複配信をなくすことができる。
また、本発明は、前記のマルチキャスト配信装置において、前記グループ内の各マルチキャスト配信装置が上位の配信装置から受信しているマルチキャストストリームの数である受信チャネル数を受信数テーブルに記憶し、前記配信経路制御部は、さらに前記受信チャネル数の更新をも実行し、前記配下のユーザ端末から任意チャネルのマルチキャストストリームの配信要求を受け付けたときに、前記配信状態テーブルを参照することによって、当該チャネルのマルチキャストストリームが自装置及び前記他装置のいずれによっても前記上位の配信装置から受信されていないと判定した場合は、前記受信数テーブルを参照することによって、その時点で前記受信チャネル数が最も少なくなっているのが前記他装置であると判定すれば、当該他装置に前記上位の配信装置から当該チャネルのマルチキャストストリームを受信させ、当該マルチキャストストリームを前記リンク接続によって当該他装置から受信して要求元の当該ユーザ端末に配信し、その時点で前記受信チャネル数が最も少なくなっているのが自装置であると判定すれば、当該チャネルのマルチキャストストリームを自身が前記上位の配信装置から受信して要求元の当該ユーザ端末に配信するように、当該ユーザ端末への当該マルチキャストストリームの配信経路を決定することを特徴とする。
こうすることにより、グループ内の各下位ルータが上位ルータから受信するマルチキャストストリーム数(受信チャネル数)をほぼ均等化できるので、上位ルータと下位ルータとの間のマルチキャスト転送に使用する通信路の帯域を減少させることができる。
また、本発明は、前記のマルチキャスト配信装置において、前記マルチキャスト配信装置は、前記配下のユーザ端末から任意チャネルのマルチキャストストリームの配信が要求されたときに、当該チャネルのマルチキャストストリームを自身が前記上位の配信装置からすでに受信している場合は、当該マルチキャストストリームを要求元の当該ユーザ端末に配信し、自身が前記上位の配信装置から受信している特定チャネルのマルチキャストストリームの転送を前記他装置より要求された場合は、当該マルチキャストストリームを前記リンク接続によって要求元の当該他装置に送信することを特徴とする。
こうすることにより、各下位ルータがすでに上位ルータから受信しているチャネルのマルチキャストストリームを、要求元のユーザ端末や他の下位ルータに配信するので、上位ルータと下位ルータとの間での同一チャネルのマルチキャストストリームの重複配信をなくすことができる。
また、本発明のマルチキャスト配信プログラムは、コンピュータを前記のマルチキャスト配信装置として機能させる。
こうすることにより、コンピュータを前記のマルチキャスト配信装置として機能させることができる。
本発明によれば、マルチキャスト配信に使用する通信路の帯域を効率的に使うことができるマルチキャスト配信方法、配信装置及び配信プログラムを提供することができる。
本発明の実施形態に係るネットワークの構成例である。 マルチキャスト配信装置(下位ルータ)の機能ブロック図である。 グループ情報テーブルのデータ構成例である。 配信状態テーブルのデータ構成例である。 受信数テーブルのデータ構成例である。 下位ルータ間で交信されるメッセージの一覧である。 図6に示した各メッセージの送信データ形式の例である。 図7に示したMessage Typeフィールドのビット割付の例である。 下位ルータが新規配信要求を受信したときの動作例を示すフローチャートである。 下位ルータが配信停止要求を受信したときの動作例を示すフローチャートである。 下位ルータが配信開始通知を受信したときの動作例を示すフローチャートである。 下位ルータが配信停止通知を受信したときの動作例を示すフローチャートである。 下位ルータが中継開始要求を受信したときの動作例を示すフローチャートである。 下位ルータが中継停止要求を受信したときの動作例を示すフローチャートである。 下位ルータが中継不可応答を受信したときの動作例を示すフローチャートである。 下位ルータが新規チャネルの配信を要求されたときの動作例の説明図である。 各下位ルータの受信数テーブル及び配信状態テーブルの更新経過を示す説明図である。 ルータAの配信状態テーブルが初期状態から更新後の状態に変化した様子を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態を適宜図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るネットワークの構成例である。図1に示すように、このネットワークには、テレビ放送の映像データなど複数チャネルのマルチキャストストリーム(以下、「ストリーム」とも略記。)の配信源となるマルチキャストソース2と、ストリームを受信する多数のユーザ端末4と、マルチキャストソース2からユーザ端末4までの間のストリームの中継配信を行う複数のルータ(配信装置)とが接続されている。
広域ルータ1は、ある配信区域における上位のルータであり、その配信区域に収容されるすべてのユーザ端末4へ配信されるストリームは、マルチキャストソース2からこの広域ルータ1に送信され、その下位に接続される複数のマルチキャスト配信装置3(以下、「下位ルータ」とも略記。)によってストリームの中継と分配とが行われてユーザ端末4に配信される。以下、下位ルータ3が1段の場合の例について説明するが、本発明は下位ルータ3が多段接続される場合にも同様に適用可能である。その場合は、任意の1つの下位ルータ3とその下位に接続される下位ルータ3群との間におけるストリームの配信ルートの制御にも本発明が適用される。
図1において、ルータA(3A)、ルータB(3B)、ルータC(3C)は、それぞれ異なる通信路52を介して同じ広域ルータ1の下位に接続される下位ルータ3であり、例えば同一のビルa内に設置され、相互にリンク接続されることによりグループ1を形成している。同様に、例えば他のビルb内に設置される下位ルータ3群はグループ2を形成している。このとき、配下にマルチキャスト配信を受けるユーザ端末4が存在しない下位ルータ3はグループから除外するものとしてもよい。
このように、相互にリンク接続されてグループを形成する複数の下位ルータ3は、同一の上位のルータの下位にそれぞれ異なる通信路52を介して接続されるものとする。また、当該上位のルータ(図1の例では広域ルータ1)を「上位ルータ」と呼ぶ。つまり、ある1つの上位ルータの下位に、相互にリンク接続されてグループを形成している複数の下位ルータ3が、それぞれ異なる通信路52で接続されるものとする。
また、ストリームの配信には、既存のPIM(Protocol Independent Multicast)、MLD(Multicast Listener Discovery)、IGMP(Internet Group Management Protocol)などのマルチキャスト配信プロトコルを使用するものとし、下位ルータ3が、配下のユーザ端末4やさらに下位の下位ルータ3からの配信要求に応じて、要求されたチャネルのストリームを要求元のユーザ端末4やさらに下位の下位ルータ3に配信するものとする。
図2は、マルチキャスト配信装置(下位ルータ)3の機能ブロック図である。図2に示すように、下位ルータ3は、配信経路制御部31と、ストリーム送受信部32と、ネットワークインタフェース部33と、記憶部34とを備える。下位ルータ3は、通信機能を備えたコンピュータによって構成され、これらは、下位ルータ3が備える不図示のCPU(Central Processing Unit)が、所定のプログラムを実行することによって具現化される。
配信経路制御部31は、ストリームの配信経路の制御を司る。ストリーム送受信部32は、配信経路制御部31の指示にしたがってネットワークインタフェース部33が備える通信ポート間でストリームの中継や分配を実行する。ネットワークインタフェース部33は、上位ルータとの接続用、ユーザ端末4との接続用、及びグループ内の他下位ルータ3との接続用の各通信ポートを備える。
半導体メモリや磁気ディスク装置などで構成される記憶部34には、グループ情報テーブル35、配信状態テーブル36、及び受信数テーブル37が保持される。
図3は、グループ情報テーブル35のデータ構成例である。図3に示すように、グループ情報テーブル35には、当該下位ルータ3とともに同一のグループを構成している他の下位ルータ3の情報が予め登録されている。本例では、各下位ルータ3には、それぞれユニークな装置識別番号とIPアドレス(本例ではIPv6(Internet Protocol Version 6)アドレス)とが付与されており、それらの情報がグループ情報テーブル35に予め登録されている。以下では、ルータA(3A)、ルータB(3B)、ルータC(3C)の装置識別番号は、それぞれ「1」、「2」、「3」であるものとする。なお、本例では、IPアドレスとしてIPv6アドレスを用いているが、IPアドレスはIPv4アドレスであってもよい。
図4は、配信状態テーブル36のデータ構成例である。図4に示すように、配信状態テーブル36には、マルチキャスト配信されるそれぞれのストリームごとの配信状態を示すレコードが登録される。各レコードは、各ストリームを特定するためのチャネル識別子(「チャネル番号」とも呼ばれる。)と、その配信元(配信元となっているルータの装置識別番号)と、その配信先(配信先となっているユーザ端末4及びグループ内他下位ルータ3の装置識別番号)とから構成される。ここで、配信元欄には、当該下位ルータ3が当該チャネルのストリーム(以下、単に「チャネル」とも言う。)を上位ルータから受信しているときには上位ルータの装置識別番号が登録され、当該チャネルをグループ内の他下位ルータ3が上位ルータから受信しているときには当該下位ルータ3の装置識別番号が登録される。なお、上位ルータの装置識別番号は「0」とする。
また、図4は、装置識別番号が「1」であるルータA(3A)についてのデータ例を示したものである。本例は、ch1(チャネル番号が1であるチャネルのストリーム、以下同様。)をルータB(3B)(装置識別番号:「2」)が上位ルータから受信しており、ルータA(3A)が上位ルータから受信しているch2を、ルータC(3C)(装置識別番号:「3」)と2台のユーザ端末4(装置識別番号:「101」及び「104」)とに配信しており、ルータC(3C)(装置識別番号:「3」)が上位ルータから受信して中継配信してきたch3を、ルータA(3A)がユーザ端末4(装置識別番号:「101」)に配信しており、ch35は上位ルータから受信していない状態を示している。
この配信状態テーブル36を参照することにより、各下位ルータ3は、どのチャネルが上位ルータからグループ内のどの下位ルータ3へ配信されていて、どのチャネルがグループ内のいずれの下位ルータ3へも配信されていないか、及び、自身がどのチャネルをどのユーザ端末4やグループ内のどの下位ルータ3へ配信しているかを把握することができる。
図5は、受信数テーブル37のデータ構成例である。図5に示すように、受信数テーブル37には、グループ内のそれぞれの下位ルータ3が上位ルータから受信しているチャネルの数である上位ルータからの受信チャネル数(以下、単に「受信チャネル数」とも言う。)が登録される。この受信数テーブル37を参照することによって、各下位ルータ3は、グループ内のどの下位ルータ3が最も受信チャネル数が少ないかを特定することができる。
図6は、同一グループ内の下位ルータ3間で交信されるメッセージの一覧である。これらのメッセージは、下位ルータ3間で各チャネルの受信状況を通知し合ったり、他の下位ルータ3が受信しているチャネルの中継を要求するために用いられる。
配信開始通知メッセージ(メッセージID:「Start」)は、上位ルータからのチャネルの受信を開始したことを、グループ内の他下位ルータ3に通知するために用いられる。配信停止通知メッセージ(メッセージID:「Stop」)は、上位ルータからのチャネルの受信を停止したことを、グループ内の他下位ルータ3に通知するために用いられる。中継開始要求メッセージ(メッセージID:「Request_start」)は、グループ内の特定の下位ルータ3に、チャネルの中継開始を要求するために用いられる。中継停止要求メッセージ(メッセージID:「Request_stop」)は、チャネルを中継しているグループ内の特定の下位ルータ3に、当該チャネルの中継停止を要求するために用いられる。また、中継不可応答メッセージは(メッセージID:「Nack」)は、中継開始要求メッセージを受信した下位ルータ3が、要求されたチャネルの中継が開始できないことを要求元の下位ルータ3に通知するために用いられる。
図7は、図6に示した各メッセージの送信データ形式の例である。図7に示すように、各メッセージの送信データは、メッセージの種別を表す4ビットのMessage Typeと、メッセージの送信元を特定するために用いられる128ビットのsource Router IP address(本例では各下位ルータ3に付与されているIPv6アドレス)と、該当するストリームを特定するために用いられるそれぞれ128ビットのmulticast source addressとmulticast group addressとの組(本例では、マルチキャストソース2に付与されているIPv6アドレスとその配信コンテンツに付与されたIPv6マルチキャストグループアドレスとの組)とから構成される。なお、それぞれのストリームとチャネル識別子とは、不図示のテーブルなどによって予め対応付けられているものとする。また、図8は、図7に示したMessage Typeフィールドのビット割付の例である。
続いて、各マルチキャスト配信装置(下位ルータ)3の動作について説明する。前記のように、各下位ルータ3は、グループ情報が予め登録されているグループ情報テーブル35と、各チャネルの上位ルータからの受信状況などを示す配信状態テーブル36と、グループ内の各下位ルータ3の受信チャネル数を示す受信数テーブル37とを保持している。
各下位ルータ3は、上位ルータから新たなチャネルの受信を開始したとき、配信開始通知(Start)メッセージによってグループ内の他下位ルータ3に当該チャネルの受信開始を通知する。また、上位ルータから受信しているチャネルの受信を停止したとき、配信停止通知(Stop)メッセージによってグループ内の他下位ルータ3に当該チャネルの配信停止を通知する。これらのメッセージを受信したそれぞれの下位ルータ3は、自身が保持している配信状態テーブル36と受信数テーブル37とを更新することで、グループ内の各下位ルータ3による上位ルータからのチャネルの受信状況を常時把握することができる。
そして、ある下位ルータ3が、配下のユーザ端末4からある特定のチャネルの配信要求を受けた際に、配信状態テーブル36を参照することにより、当該チャネルを上位ルータからすでに受信している他の下位ルータ3があると判定した場合は、中継開始要求(Request_start)メッセージによって当該下位ルータ3に当該チャネルの中継開始を要求する。また、いずれの下位ルータ3も受信していないと判定した場合は、受信数テーブル37を参照することにより、グループ内で最も受信チャネル数が少ない下位ルータ3を特定し、それが自装置であれば上位ルータに対して当該チャネルの配信を要求し、それが他装置つまり他の下位ルータ3であれば中継開始要求(Request_start)メッセージによって当該下位ルータ3に当該チャネルの中継開始を要求する。こうすることで、上位ルータとそれぞれの下位ルータ3間の通信路52の負荷をほぼ均等化する。
図9から図15は、前記したそれぞれのメッセージを受信したときのマルチキャスト配信装置(下位ルータ)3の動作例を示したフローチャートである。以下、これらのフローチャートに沿って下位ルータ3の動作を詳細に説明する。
図9は、下位ルータ3が配下のユーザ端末4から新規配信要求メッセージを受信したときの動作例を示すフローチャートである。
下位ルータ3が配下のユーザ端末4からある特定のチャネルの新規配信を要求するメッセージ(例えば、PIMのJoinメッセージ等)を受信すると、当該下位ルータ3の配信経路制御部31は、まず、ステップS1にて、自身の配信状態テーブル36を参照することで、当該チャネルが自身の配下の他のユーザ端末4に配信中であるか否かを判定し、配信中であれば(ステップS1で「Yes」)ステップS10に処理を進め、配信中でなければ(ステップS1で「No」)ステップS2に処理を進める。
配信経路制御部31は、ステップS10では、配信状態テーブル36内の当該チャネルの配信先欄に要求元のユーザ端末4の装置識別情報を追加登録し、続くステップS11にて当該チャネルを要求元のユーザ端末4へも配信するようにストリーム送受信部32に配信を指示する。これにより、当該チャネルは配信中の他のユーザ端末4に加え、要求元のユーザ端末4へも配信が行われる。
また、配信経路制御部31は、ステップS2では、配信状態テーブル36を参照することで、当該チャネルを他装置(グループ内の他下位ルータ3)が受信中であるか否かを判定し、他装置が受信中であれば(ステップS2で「Yes」)ステップS3に処理を進め、他装置が受信中でなければ(ステップS2で「No」)ステップS4に処理を進める。
配信経路制御部31は、ステップS3では、当該チャネルを受信中の他装置(他下位ルータ3)に対して当該チャネルの中継開始を要求する中継開始要求メッセージを送信したのち、ステップS10に処理を進めることで、ストリーム送受信部32に当該他下位ルータ3から中継配信されてくる当該チャネルを要求元のユーザ端末4へ配信させる。
また、配信経路制御部31は、ステップS4では、自身の受信数テーブル37を参照することで、現在上位ルータからの受信チャネル数が最小となっている装置(下位ルータ3)が自装置か他装置(グループ内の他下位ルータ3)かを判定し、それが他装置であれば(ステップS4で「他装置」)ステップS5に処理を進め、それが自装置であれば(ステップS4で「自装置」)ステップS7に処理を進める。
配信経路制御部31は、ステップS5では、配信状態テーブル36の当該チャネルの配信元欄に、当該他装置(他下位ルータ3)の装置識別番号を追加登録し、自身の受信数テーブル37内の当該他下位ルータ3の受信チャネル数に1を加算する。続くステップS6にて、当該チャネルを上位ルータから受信させるために、当該他下位ルータ3に対して中継開始要求メッセージを送信したのち、ステップS10に処理を進めることで、ストリーム送受信部32に当該他下位ルータ3から中継配信されてくる当該チャネルを要求元のユーザ端末4へ配信させる。
また、配信経路制御部31は、ステップS7では、自身が当該チャネルを上位ルータから受信することをグループ内の他下位ルータ3に通知するために、それぞれの他下位ルータ3に当該チャネルの配信開始通知メッセージを送信する。続くステップS8では、配信状態テーブル36内の当該チャネルの配信元欄に、上位ルータの装置識別番号(「0」)を登録し、受信数テーブル37内の自身の受信チャネル数に1を加算する。続くステップS9にて、当該チャネルを上位ルータから受信するために、上位ルータに対して当該チャネルの配信を要求するメッセージ(例えば、PIMのJoinメッセージ等)を送信したのち、ステップS10に処理を進めることで、ストリーム送受信部32に上位ルータから配信されてくる当該チャネルを要求元のユーザ端末4へ配信させる。
図10は、下位ルータ3が配下のユーザ端末4から配信停止要求メッセージを受信したときの動作例を示すフローチャートである。
下位ルータ3が配下のユーザ端末4から当該ユーザ端末4に配信している特定のチャネルの配信停止を要求するメッセージ(例えば、PIMのPruneメッセージ等)を受信すると、当該下位ルータ3の配信経路制御部31は、まず、ステップS21にて、自身の配信状態テーブル36を参照することで、当該チャネルを自装置が上位ルータから受信中であるか否かを判定し、自装置が受信中であれば(ステップS21で「Yes」)ステップS22に処理を進め、自装置が受信中でなければ(ステップS21で「No」)ステップS30に処理を進める。
配信経路制御部31は、ステップS22では、配信状態テーブル36を参照して、当該チャネルの配信停止を要求してきたユーザ端末4以外の他端末(他のユーザ端末4)へ当該チャネルを配信中であるか否かを判定し、他のユーザ端末4へ配信中であれば(ステップS22で「Yes」)ステップS24に処理を進め、他のユーザ端末4へ配信中でなければ(ステップS22で「No」)ステップS23に処理を進める。ステップS23では、同様に、当該チャネルを他装置(グループ内の他下位ルータ3)へ配信中であるか否かを判定し、他下位ルータ3へ配信中であれば(ステップS23で「Yes」)ステップS24に処理を進め、他下位ルータ3へ配信中でなければ(ステップS23で「No」)ステップS26に処理を進める。
配信経路制御部31は、ステップS24では、配信状態テーブル36内の当該チャネルの配信先欄から当該チャネルの配信停止を要求してきたユーザ端末4の装置識別番号を削除し、続くステップS25にてストリーム送受信部32に配信の継続を指示することで、他の配信先への当該チャネルの配信を継続させる。
一方、配信経路制御部31は、ステップS26〜ステップS29では、当該チャネルの配信を停止させる。まず、ステップS26にて、上位ルータからの当該チャネルの受信を停止する旨をグループ内の他装置(他下位ルータ3)に通知するために、それぞれの他下位ルータ3に当該チャネルの配信停止通知メッセージを送信する。続くステップS27では、配信状態テーブル36内の当該チャネルの配信元欄と配信先欄とに登録されている装置識別番号を削除し、受信数テーブル37内の自身の受信チャネル数から1を減算する。続くステップS28では、上位ルータに対して当該チャネルの配信停止を要求するメッセージ(例えば、PIMのPruneメッセージ等)を送信したのち、ステップS29にてストリーム送受信部32に上位ルータから配信されている当該チャネルの配信停止を指示することで、当該チャネルの送受信を停止させる。
また、配信経路制御部31は、ステップS30では、配信状態テーブル36を参照して、当該チャネルの配信停止を要求してきたユーザ端末4以外の他端末(他のユーザ端末4)へ当該チャネルを配信中であるか否かを判定し、他のユーザ端末4へ配信中であれば(ステップS30で「Yes」)ステップS31に処理を進め、他のユーザ端末4へ配信中でなければ(ステップS30で「No」)ステップS33に処理を進める。
配信経路制御部31は、ステップS31では、配信状態テーブル36内の当該チャネルの配信先欄から当該チャネルの配信停止を要求してきたユーザ端末4の装置識別番号を削除し、続くステップS32にてストリーム送受信部32に配信の継続を指示することで、他のユーザ端末4への当該チャネルの配信を継続させる。
一方、配信経路制御部31は、ステップS33〜ステップS35では、当該チャネルの配信元となっている下位ルータ3に当該チャネルの中継配信を停止させる。まず、ステップS33では、配信状態テーブル36内の当該チャネルの配信元欄に装置識別番号が登録されている他下位ルータ3に対して、当該チャネルの中継停止を要求する中継停止要求メッセージを送信する。続くステップS34では、配信状態テーブル36内の当該チャネルの配信元欄と配信先欄とに登録されている装置識別番号を削除したのち、ステップS35にてストリーム送受信部32に他下位ルータ3から配信されている当該チャネルの配信停止を指示することで、当該チャネルの送受信を停止させる。
図11は、下位ルータ3がグループ内の他下位ルータ3から配信開始通知メッセージを受信したときの動作例を示すフローチャートである。
下位ルータ3がグループ内の他下位ルータ3からある特定のチャネルの配信開始を通知する配信開始通知(Start)メッセージを受信すると、当該下位ルータ3の配信経路制御部31は、ステップS41にて、自身の配信状態テーブル36内の当該チャネルの配信元欄に当該他下位ルータ3の装置識別番号を登録し、自身の受信数テーブル37内の当該他下位ルータ3の受信チャネル数に1を加算する。
図12は、下位ルータ3がグループ内の他下位ルータ3から配信停止通知メッセージを受信したときの動作例を示すフローチャートである。
下位ルータ3がグループ内の他下位ルータ3からある特定のチャネルの配信停止を通知する配信停止通知(Stop)メッセージを受信すると、当該下位ルータ3の配信経路制御部31は、まず、ステップS51にて、自身の配信状態テーブル36内の当該チャネルの配信元欄に登録されている当該他下位ルータ3の装置識別番号を削除し、自身の受信数テーブル37内の当該他下位ルータ3の受信チャネル数から1を減算する。
続いて、ステップS52にて、配信状態テーブル36内の当該チャネルの配信先欄を参照することで、当該チャネルが自身の配下のユーザ端末4に配信中であるか否かを判定し、配信中でなければ(ステップS52で「No」)処理を終了し、配信中であれば(ステップS52で「Yes」)ステップS53に処理を進める。
配信経路制御部31は、ステップS53〜ステップS59では、前記した図9のステップS4〜ステップS11と同様に、当該チャネルを配信中の配下のユーザ端末4へ当該チャネルを配信するための新たな配信元(上位ルータまたは他下位ルータ3)を決定して、当該新たな配信元に対して配信開始または中継開始を要求することにより、当該ユーザ端末4への当該チャネルの配信を継続させる。ただし、配信状態テーブル36内の当該チャネルの配信先欄にはすでに当該チャネルを配信中のユーザ端末4の装置識別番号が登録されているので、図9のステップS10に対応するステップは図12には存在しない。
図13は、下位ルータ3がグループ内の他下位ルータ3から中継開始要求メッセージを受信したときの動作例を示すフローチャートである。
下位ルータ3がグループ内の他下位ルータ3からある特定のチャネルの中継開始を要求する中継開始要求(Request_start)メッセージを受信すると、当該下位ルータ3の配信経路制御部31は、まず、ステップS61にて、自身の配信状態テーブル36を参照することで、当該チャネルを自装置が上位ルータから受信中であるか否かを判定し、自装置が受信中であれば(ステップS61で「Yes」)ステップS66に処理を進め、自装置が受信中でなければ(ステップS61で「No」)ステップS62に処理を進める。
配信経路制御部31は、ステップS66では、配信状態テーブル36内の当該チャネルの配信先欄に当該チャネルの中継開始を要求してきた他下位ルータ3の装置識別情報を追加登録し、続くステップS67にて当該チャネルを要求元の当該他下位ルータ3へも配信するようにストリーム送受信部32に配信を指示する。これにより、当該チャネルは配信中の他の配信先に加え、当該他下位ルータ3へも中継配信が行われる。
また、配信経路制御部31は、ステップS62では、自身の受信数テーブル37内に登録されている自身の受信チャネル数と所定の上限値とを比較し、自身の受信チャネル数が上限値未満であれば(ステップS62で「<上限値」)ステップS63に処理を進め、自身の受信チャネル数が上限値以上であれば(ステップS62で「≧上限値」)ステップS68に処理を進める。
配信経路制御部31は、ステップS63〜ステップS67では、前記した図9のステップS7〜ステップS11と同様に、自身が当該チャネルを上位ルータから受信することをグループ内の他下位ルータ3に通知し、配信状態テーブル36及び受信数テーブル37を更新したのちに、上位ルータに対して当該チャネルの配信を要求するメッセージ(例えば、PIMのJoinメッセージ等)を送信し、ストリーム送受信部32に上位ルータから配信されてくる当該チャネルを要求元の他下位ルータ3へ中継配信させる。
一方、配信経路制御部31は、ステップS68では、当該チャネルの中継開始を要求してきた他下位ルータ3に、当該チャネルが中継不可であることを通知する中継不可応答メッセージ(Nack)を送信して処理を終了する。
図14は、下位ルータ3がグループ内の他下位ルータ3から中継停止要求メッセージを受信したときの動作例を示すフローチャートである。
下位ルータ3がグループ内の他下位ルータ3から当該他下位ルータ3の中継配信している特定のチャネルの中継停止を要求する中継停止要求(Request_stop)メッセージを受信すると、当該下位ルータ3の配信経路制御部31は、まず、ステップS71にて、自身の配信状態テーブル36を参照することで、当該チャネルの中継停止を要求してきた当該他下位ルータ3以外の他端末(他のユーザ端末4)または他装置(他の他下位ルータ3)へ当該チャネルを配信中であるか否かを判定し、他端末または他装置へ配信中であれば(ステップS71で「Yes」)ステップS72に処理を進め、他端末または他装置へ配信中でなければ(ステップS71で「No」)ステップS74に処理を進める。
配信経路制御部31は、ステップS72〜ステップS73では、前記した図10のステップS24〜ステップS25と同様に、配信状態テーブル36を更新したのち、ストリーム送受信部32に配信の継続を指示することで、他の配信先への当該チャネルの配信を継続させる。
一方、配信経路制御部31は、ステップS74〜ステップS77では、前記した図10のステップS26〜ステップS29と同様に、上位ルータからの当該チャネルの受信を停止する旨をグループ内の他装置(他下位ルータ3)に通知し、配信状態テーブル36及び受信数テーブル37を更新したのち、上位ルータに対して当該チャネルの配信停止を要求し、ストリーム送受信部32に上位ルータから配信されている当該チャネルの配信停止を指示することで、当該チャネルの送受信を停止させる。
図15は、図9のステップS6にて中継開始要求メッセージを送信した下位ルータ3が、送信先の他下位ルータ3から、図13のステップS68にて送信された中継不可応答メッセージを受信したときの動作例を示すフローチャートである。
下位ルータ3が、ある特定のチャネルの中継開始を要求した要求先の他下位ルータ3から中継不可応答(Nack)メッセージを受信すると、当該下位ルータ3の配信経路制御部31は、まず、ステップS81にて、自身の配信状態テーブル36内の当該チャネルの配信先欄に登録されている当該要求先の他下位ルータ3の装置識別番号を削除し、自身の受信数テーブル37内の当該他下位ルータ3の受信チャネル数から1を減算する。
続いて、配信経路制御部31は、ステップS82〜ステップS88では、前記した図9のステップS4〜ステップS11と同様に、当該要求先の他下位ルータ3以外の装置のなかで受信チャネル数が最も少ない装置(自装置または他装置)を特定して、特定した当該装置に上位ルータから当該チャネルを受信させて中継配信を行う。ただし、配信状態テーブル36内の当該チャネルの配信先欄にはすでに配信を要求してきたユーザ端末4の装置識別番号は登録済みとなっているので、図9のステップS10に対応するステップは図15には存在しない。
次に、マルチキャスト配信装置(下位ルータ)3が配下のユーザ端末4から新規チャネルの配信要求を受信したときの一連の動作について説明する。図16は、下位ルータ3が配下のユーザ端末4から新規チャネルの配信要求を受信したときの動作例を示す説明図である。ここでは、ルータA(3A)、ルータB(3B)、ルータC(3C)の3台の下位ルータ3によってグループが形成されており、ルータA(3A)の配下のユーザ端末4から、当該グループでは未配信となっているある新規チャネルに対する配信要求がルータA(3A)に送信されたものとする。
図17には、各下位ルータ3の受信数テーブル37及び配信状態テーブル36の更新経過を示し、図18には、ルータA(3A)の配信状態テーブル36が初期状態(符号36A−1)から更新後の状態(符号36A−2)に変化した様子を示している。
以下、図17及び図18を参照しつつ、図16を用いて、各装置の動作を詳細に説明する。図16に示すように、本例では、マルチキャストソース2から送信される多チャネルのストリームを中継配信する広域ルータ1に、ルータA(3A)、ルータB(3B)、及びルータC(3C)の3台の下位ルータ3がそれぞれ異なる通信路によって接続されており、この3台によって1つのグループが形成され、各下位ルータ3間は相互にリンク接続されているものとする。
図17の各行は、先頭の列に示したような状態の時系列変化に伴って、各ルータの受信数テーブル37と配信状態テーブルとに登録されている各ルータの受信チャネル数と、受信チャネルがどのように変化するかを示した表である。
図17の1行目に示すように、初期状態においては、ルータA(3A)がch1〜ch5の5チャネルを、ルータB(3B)がch21〜ch24の4チャネルを、ルータC(3C)がch31〜ch35の5チャネルを、それぞれ広域ルータ1から受信して、配下のユーザ端末4やグループ内の他ルータに配信しているものとし、各ルータが保持している配信状態のデータはすべて一致しているものとする。
ここで、ルータA(3A)が、配下のユーザ端末4(装置識別番号:「101」)から現在は未配信となっているch25(新規チャネル)の配信を要求するJoinメッセージ受信したものとする(図16の丸数字1)。
それにより、ルータA(3A)は、自身の受信数テーブル37内に登録されているグループ内の各ルータの受信チャネル数(初期状態ではルータAが「5」、ルータBが「4」、ルータCが「5」となっている。)を比較し、そのなかで最も受信チャネル数が少ないルータB(3B)に当該新規チャネルの中継開始を要求する中継開始要求(Request_start)メッセージを送信する(図16の丸数字2、図9のステップS6)。
この時点で、ルータA(3A)は、図17の3行目や図18の更新後の配信状態テーブル36A−2に示すように、ルータB(3B)が当該新規チャネル(ch25)を中継配信するものとして自身の配信状態テーブル36と受信数テーブル37とを更新する。
続いて、中継開始要求メッセージを受信したルータB(3B)は、指定された25chは未配信のチャネルであるため、グループ内の他のルータに当該チャネルの配信開始を通知する配信開始通知(Start)メッセージを送信し(図16の丸数字3、図13のステップS63)、上位ルータである広域ルータ1に当該新規チャネルの配信を要求するJoinメッセージを送信する(図16の丸数字4、図13のステップS65)。
続いて、配信開始通知(Start)メッセージを受信したルータC(3C)は、配信状態テーブル36内のch25のレコード及び受信数テーブル37内のルータB(2B)の受信チャネル数を更新する(図11のステップS41、図17の4行目)。なお、ルータA(3A)は、すでにこれらのテーブルを更新済みであるので、この時点でのテーブル更新は行わない。
また、当該新規チャネルの配信を要求するJoinメッセージを受信した広域ルータ1は、要求元のルータB(3B)に対して当該新規チャネルのマルチキャストストリームの配信を開始し、当該ストリームは、ルータB(3B)からリンク経由でルータA(3A)に中継配信され、ルータA(3A)によって要求元のユーザ端末4への配信が行われる(図16の丸数字5、図9のステップS11、図17の6行目)。
以上説明したように、単一の上位ルータからグループ化された下位ルータ3に複数チャネルのストリームをマルチキャスト配信する場合、各チャネルのストリームは上位ルータからいずれか1つの下位ルータ3に配信され、グループ内ではリンク接続によってストリームの中継配信を行うので、上位ルータから同一のストリームを重複して送信する必要がなくなり、上位ルータの負荷を軽減することができる。また、グループ化された各下位ルータ3が上位ルータから受信するチャネル数をほぼ均等化することができるので、上位ルータから下位ルータ3へのマルチキャスト配信に使用する通信路の帯域幅を小さくすることができる。
以上にて本発明を実施するための形態の説明を終えるが、本発明の実施の態様はこれに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。
1 広域ルータ(上位ルータ)
2 マルチキャストソース
3(3A,3B,3C) マルチキャスト配信装置(下位ルータ)
31 配信経路制御部
32 ストリーム送受信部
33 ネットワークインタフェース部
34 記憶部
35 グループ情報テーブル
36 配信状態テーブル
37 受信数テーブル
4 ユーザ端末
51,52 通信路

Claims (7)

  1. マルチキャストソースから送信される複数チャネルのマルチキャストストリームを中継配信する上位の配信装置にそれぞれ異なる通信路で接続され、かつ、相互にリンク接続される複数のマルチキャスト配信装置から成るグループにおいて、配下のユーザ端末から配信を要求される任意チャネルのマルチキャストストリームを当該ユーザ端末に中継配信するマルチキャスト配信方法であって、
    前記マルチキャスト配信装置は、
    自身が属する前記グループ内の他のマルチキャスト配信装置(以下、「他装置」)との間で、前記上位の配信装置からの受信を開始または停止した個々のチャネルを相互に通知し合うことによって、それぞれの前記他装置が前記上位の配信装置から受信しているチャネル群を把握し、
    前記配下のユーザ端末から任意チャネルのマルチキャストストリームの配信が要求されたときに、当該チャネルのマルチキャストストリームが前記他装置によって前記上位の配信装置からすでに受信されている場合は、当該マルチキャストストリームを前記リンク接続によって当該他装置から受信して要求元の当該ユーザ端末に配信する
    ことを特徴とするマルチキャスト配信方法。
  2. 請求項1に記載のマルチキャスト配信方法において、
    前記マルチキャスト配信装置は、
    前記配下のユーザ端末から任意チャネルのマルチキャストストリームの配信が要求されたときに、当該チャネルのマルチキャストストリームが自装置及び前記他装置のいずれによっても前記上位の配信装置から受信されていない場合は、
    その時点で前記上位の配信装置から受信しているマルチキャストストリームの数である受信チャネル数が最も少なくなっているのが前記他装置であれば、当該他装置に前記上位の配信装置から当該チャネルのマルチキャストストリームを受信させ、当該マルチキャストストリームを前記リンク接続によって当該他装置から受信して要求元の当該ユーザ端末に配信し、
    その時点で前記受信チャネル数が最も少なくなっているのが自装置であれば、当該チャネルのマルチキャストストリームを自身が前記上位の配信装置から受信して要求元の当該ユーザ端末に配信する
    ことを特徴とするマルチキャスト配信方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のマルチキャスト配信方法において、
    前記マルチキャスト配信装置は、
    前記配下のユーザ端末から任意チャネルのマルチキャストストリームの配信が要求されたときに、当該チャネルのマルチキャストストリームを自身が前記上位の配信装置からすでに受信している場合は、当該マルチキャストストリームを要求元の当該ユーザ端末に配信し、
    自身が前記上位の配信装置から受信している特定チャネルのマルチキャストストリームの転送を前記他装置より要求された場合は、当該マルチキャストストリームを前記リンク接続によって要求元の当該他装置に送信する
    ことを特徴とするマルチキャスト配信方法。
  4. マルチキャストソースから送信される複数チャネルのマルチキャストストリームを中継配信する上位の配信装置にそれぞれ異なる通信路で接続され、かつ、相互にリンク接続される複数のマルチキャスト配信装置によってグループを形成し、配下のユーザ端末から配信を要求されたチャネルのマルチキャストストリームを当該ユーザ端末に中継配信するマルチキャスト配信装置であって、
    各チャネルのマルチキャストストリームを前記上位の配信装置から受信している単一の前記マルチキャスト配信装置を特定する情報を配信状態テーブルに記憶し、
    自身が属する前記グループ内の他のマルチキャスト配信装置(以下、「他装置」)との間で、前記上位の配信装置からの受信を開始または停止した個々のチャネルを相互に通知し合うことによって前記配信状態テーブルの情報を更新し、前記配下のユーザ端末から任意チャネルのマルチキャストストリームの配信要求を受け付けて、当該ユーザ端末に配信する前記マルチキャストストリームの配信経路を決定する配信経路制御部を備え、
    前記配信経路制御部は、前記配下のユーザ端末から任意チャネルのマルチキャストストリームの配信要求を受け付けたときに、前記配信状態テーブルを参照することによって、当該チャネルのマルチキャストストリームが前記他装置によって前記上位の配信装置からすでに受信されていると判定した場合は、当該マルチキャストストリームを当該他装置から受信して要求元の当該ユーザ端末に配信するように、当該ユーザ端末への当該マルチキャストストリームの配信経路を決定する
    ことを特徴とするマルチキャスト配信装置。
  5. 請求項4に記載のマルチキャスト配信装置において、
    前記グループ内の各マルチキャスト配信装置が上位の配信装置から受信しているマルチキャストストリームの数である受信チャネル数を受信数テーブルに記憶し、
    前記配信経路制御部は、さらに前記受信チャネル数の更新をも実行し、
    前記配下のユーザ端末から任意チャネルのマルチキャストストリームの配信要求を受け付けたときに、前記配信状態テーブルを参照することによって、当該チャネルのマルチキャストストリームが自装置及び前記他装置のいずれによっても前記上位の配信装置から受信されていないと判定した場合は、
    前記受信数テーブルを参照することによって、その時点で前記受信チャネル数が最も少なくなっているのが前記他装置であると判定すれば、当該他装置に前記上位の配信装置から当該チャネルのマルチキャストストリームを受信させ、当該マルチキャストストリームを前記リンク接続によって当該他装置から受信して要求元の当該ユーザ端末に配信し、その時点で前記受信チャネル数が最も少なくなっているのが自装置であると判定すれば、当該チャネルのマルチキャストストリームを自身が前記上位の配信装置から受信して要求元の当該ユーザ端末に配信するように、当該ユーザ端末への当該マルチキャストストリームの配信経路を決定する
    ことを特徴とするマルチキャスト配信装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載のマルチキャスト配信装置において、
    前記配下のユーザ端末から任意チャネルのマルチキャストストリームの配信が要求されたときに、当該チャネルのマルチキャストストリームを自身が前記上位の配信装置からすでに受信している場合は、当該マルチキャストストリームを要求元の当該ユーザ端末に配信し、
    自身が前記上位の配信装置から受信している特定チャネルのマルチキャストストリームの転送を前記他装置より要求された場合は、当該マルチキャストストリームを前記リンク接続によって要求元の当該他装置に送信する
    ことを特徴とするマルチキャスト配信装置。
  7. コンピュータを請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のマルチキャスト配信装置として機能させるためのマルチキャスト配信プログラム。
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