JP5565628B2 - 電磁流量計 - Google Patents

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本発明は、測定管内を流れる流体に磁界を与え、測定管内に設けられた1対の検出電極に発生した検出信号に基づいて流体の流量を測定する電磁流量計に関し、特に、検出電極の腐食程度を診断する電磁流量計に関する。
電磁誘導を利用して導電性の流体の流量を計測する電磁流量計が知られている。電磁流量計は、直交方向に磁界がかけられた測定管内に被測定流体を流し、発生した起電力を測定管内に取り付けられた1対の検出電極を用いて計測する。この起電力は、被測定流体の流速に比例するため、計測値に基づいて被測定流体の体積流量を得ることができる。
電磁流量計では、検出電極に絶縁物等の汚れが付着すると測定誤差を招き、測定精度に悪影響を与えるため、検出電極に付着した汚れの度合いを診断することが行なわれている。図9は、従来行なわれている検出電極に付着した汚れの度合いを検出する仕組みを説明する図である。
本図は、測定管400に取り付けられた検出電極301に付着した汚れの度合いを検出する場合を示している。検出電極301とアースリング306との間には、付着物の影響を含んだ接液抵抗R11が存在し、この抵抗値を計測することにより検出電極301に付着した汚れの度合いを検出するようにしている。ここで、アースリング306は、測定管400内の流体に測定管400と同一の電位(接地電位)を与えるための基準電極である。
このため、検出電極301からアースリング306に対して、信号源抵抗R12を含む電流源302から極微量の矩形波電流を流し、入力回路303を介して接続された演算回路304で、接液抵抗R11の抵抗値を測定する。ここで、矩形波の周波数は流量信号演算には影響しないように設定されており、検出電極の汚れ付着診断を行なう時間では、流量信号はマスキングされて出力に現れないようになっている。
検出電極301に付着する汚れの度合いが進むにつれて接液抵抗R11の抵抗値が大きくなる。したがって、接液抵抗R11の抵抗値の時間的変動トレンドを監視することで検出電極301の汚れ付着度合いを知ることができ、予め閾値を設定しておけばユーザに対して警告を出力することが可能となる。
特開2006−234840号公報
検出電極に付着する物質や測定管400を流れる流体によっては、検出電極301の電気化学反応が促進されて腐食が進行する場合がある。検出電極301の腐食が進行すると、測定管400内で絶縁層を形成するライニングとの間に隙間ができて液漏れなどの障害が発生するおそれがある。
チタンや白金といった腐食耐性の高い材料を用いて検出電極301を構成することにより腐食に起因する障害の発生を防ぐことができるが、これらの材料は高価であり、電磁流量計のハイコスト化を招くため、全面的に採用することは現実的でない。
したがって、電磁流量計においては、検出電極の腐食について考慮することが望ましいと考えられる。しかしながら、従来、検出電極の腐食程度を評価することは行なわれておらず、検出電極の腐食による電磁流量計の測定精度の低下や液漏れ発生等を未然に防ぐことが困難であった。
そこで、本発明は、電磁流量計において、検出電極の腐食程度を把握できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の電磁流量計は、測定管内を流れる流体に磁界を与え、測定管内に設けられた検出電極に発生する検出信号に基づいて前記流体の流量を測定する電磁流量計であって、前記検出電極と前記流体に基準電位を与える基準電極との間の複素インピーダンスを算出するインピーダンス演算回路と、前記複素インピーダンスの周波数特性に基づいて前記検出電極についての腐食電流指標値を算出する腐食診断回路とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記腐食診断回路は、算出された腐食電流指標値が所定の基準を満たさない場合に、警告を出力することができる。
また、前記腐食診断回路は、算出された腐食電流指標値を時間情報と関連付けて記録するとともに、腐食電流指標値の経時的変化を所定の基準により評価し、評価結果が所定の警告条件を満たす場合に、警告を出力することができる。
また、前記複素インピーダンスの算出のために、前記検出電極に印加する交流信号を出力する交流信号源をさらに備えるようにしてもよい。
このとき、前記交流信号を、前記流体に与える磁界の合間に前記検出電極に印加するように制御する同期回路をさらに備えることができる。
また、前記交流信号源は、正弦波あるいは複数の周波数成分を含んだ波形を前記検出電極に印加することができる。
また、前記腐食診断回路は、前記複素インピーダンスの周波数特性をコール・コール・プロット図に表わした場合に得られる円弧部の直径に基づいて前記検出電極についての腐食電流指標値を算出することができる。さらに、前記腐食診断回路は、前記腐食電流指標値を算出する際に、前記測定管内を流れる流体に関する温度情報を取得し、取得した温度情報を用いて温度補正を行なうようにしてもよい。
本発明によれば、検出電極と基準電極との間の複素インピーダンスを算出し、複素インピーダンスの周波数特性に基づいて検出電極についての腐食電流指標値を得ることができるため、電磁流量計において、検出電極の腐食程度を把握できるようになる。
本実施形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。 交流電流源から第1検出電極および第2検出電極への交流信号印加タイミングを示す図である。 検出電極およびアースリングにおける電極界面のインピーダンスを抵抗とコンデンサの組合わせで表わした等価回路である。 計測された複素インピーダンスについて、その実部と虚部とをプロットしたコール・コール・プロット図である。 腐食電流指標を算出し、記録する際の電磁流量計の動作を説明するフローチャートである。 腐食診断回路が、実績記録部に蓄積された腐食電流指標値を用いて、腐食診断を行なう手順について説明するフローチャートである。 腐食電流指標値のトレンドの実験値例とトレンド評価例とを示す図である。 腐食電流指標値のトレンドの実験値例とトレンド評価例とを示す図である。 従来行なわれている検出電極に付着した汚れの度合いを検出する仕組みを説明する図である。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る電磁流量計の構成を示すブロック図である。本図に示すように電磁流量計10は、検出器100と変換器200とに大別される。
検出器100は、励磁コイル101、第1検出電極102、第2検出電極103、測定管内の流体に測定管と同一の電位(接地電位)を与えるための基準電極であるアースリング106を備えており、導電性の被測定流体を流す測定管に取り付けられる。また、測定管には、温度センサ107が取り付けられており、測定管内の流体の温度を間接的あるいは直接的に検出する。
変換器200は、従来の電磁流量計と同様の構成として、励磁回路201、流量演算回路202、第1入力回路203、第2入力回路204、流量演算用差動アンプ205を備えている。
第1入力回路203、第2入力回路204は、いずれも高い入力インピーダンスを持ち、それぞれ第1検出電極102からの信号および第2検出電極103からの信号を増幅して流量演算用差動アンプ205の差動入力端子に導く。
電磁流量計10における流量計測では、励磁回路201が励磁コイル101にパルス状の交流電流を供給し、測定管内を流れる導電性流体中に磁束を発生させる。すると、流体の流速に比例する誘導起電力が生じ、第1検出電極102と第2検出電極103とで検出される。この起電力を入力回路203、入力回路204でそれぞれ増幅し、流量演算用差動アンプ205で電位差信号を取り出して、流量演算回路202に出力する。流量演算回路202には、励磁回路201からの励磁タイミング信号も入力され、流量演算回路202は、これらの信号に基づいて測定管内を流れる導電性流体の流量値を算出する。
本実施形態の変換器200は、第1検出電極102、第2検出電極103の腐食程度を診断するため、従来の構成に加え、交流信号源210、第1差動アンプ211、第2差動アンプ212、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、インピーダンス演算回路213、同期回路214、腐食診断回路220を備えている。
交流信号源210が出力する交流信号は、第1抵抗R1と第1スイッチSW1を介して第1検出電極102に入力され、第2抵抗R2と第2スイッチSW2を介して第2検出電極103に入力される。
交流信号源210は、インピーダンス演算回路213から送られる周波数掃引信号により制御され、例えば、10Hz〜10kHz程度の範囲にわたる正弦波掃引信号を発生する。この信号電圧は、第1検出電極102、第2検出電極103の酸化還元平衡電位に対して分極を生じさせないようなmVオーダの小信号電圧とし、第1検出電極102、第2検出電極103の表面組成に対して電気化学的変化を与えないようにする。
検出器100において、第1検出電極102とアースリング106との間には、インピーダンスが存在し、これをインピーダンスZ1とする。また、第2検出電極103とアースリング106との間には、インピーダンスが存在し、これをインピーダンスZ2とする。
本実施形態では、後述するように、インピーダンスZ1の周波数特性に基づいて第1検出電極102における腐食程度を診断し、インピーダンスZ2の周波数特性に基づいて第2検出電極103における腐食程度を診断する。これらの腐食診断は、第1検出電極102と第2検出電極103とで独立に行なうことができる。
インピーダンスZ1を流れる電流は、第1抵抗R1の電圧降下として検出され、第1差動アンプ211で増幅してインピーダンス演算回路213に信号I1として入力される。インピーダンスZ2を流れる電流は、第2抵抗R2の電圧降下として検出され、第2差動アンプ212で増幅してインピーダンス演算回路213に信号I2として入力される。ここで、第1入力回路203、第2入力回路204、第1差動アンプ211、第2差動アンプ212の入力インピーダンスは、インピーダンスZ1、Z2と比べて十分に大きいものとする。
また、第1検出電極102に現れる電圧は、第1入力回路203を介してインピーダンス演算回路213に信号V1として入力される。第2検出電極103に現れる電圧は、第2入力回路204を介してインピーダンス演算回路213に信号V2として入力される。
インピーダンス演算回路213は、信号V1/信号I1、信号V2/信号I2の演算と回路利得等による補正を行なうことで、インピーダンスZ1、インピーダンスZ2を、周波数特性を有する複素インピーダンスとして算出する。
同期回路214は、交流信号源210から第1検出電極102および第2検出電極103への交流信号印加タイミングを、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2を切替えることで制御する。具体的には、図2に示すように、励磁回路201からの励磁信号がOFFになっている期間だけ、交流信号源210からの交流信号がバースト的に印加させるように第1スイッチSW1、第2スイッチSW2を切替える。すなわち、励磁回路201からの励磁信号がOFFになっている期間に、電極腐食診断のためのインピーダンス測定を行なうようにしている。
このとき、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2は、励磁回路201からの励磁信号がONになっている通常の流量測定時に、交流信号源210側を切り離す役割も担っている。これにより、流量測定動作と同時並行に連続して電極腐食診断のためのインピーダンス測定を行なうことができる。
なお、近年では、ゼロ点を安定させるとともに、耐ノイズ性、高速応答性を高めるために高周波パルスと低周波パルスとを重畳した2周波励磁波形を励磁コイル101に印加する2周波励磁方式が実用化されているが、励磁回路201においても2周波励磁方式を採用するようにしてもよい。
腐食診断回路220は、インピーダンス演算回路213が算出したインピーダンスZ1、インピーダンスZ2に基づいて、第1検出電極102および第2検出電極103の腐食診断を行なう。
腐食の診断は、例えば、インピーダンスZ1、インピーダンスZ2から腐食電流指標を演算し、その経時的変化(トレンド)と予め用意した参照データとを比較することで行なうことができる。このため、腐食診断回路220は、腐食電流指標演算部221、実績記録部222、参照データ格納部223を備えている。
また、腐食診断回路220は、腐食診断において、電磁流量計10の精度や耐久性に対して問題が生じるかどうかの判定を行ない、問題が生じると判定した場合には、ユーザに対して警告を出力する。この判定は、例えば、予め定められた警告条件を用いて行なうことができる。警告の内容は、例えば、検出電極の交換を促したり、推奨交換時期を通知したり、電極仕様に合わない腐食性の強い流体が流されたことのアラーム等とすることができ、表示、音声出力、その他の手段で行なうことができる。
ここで、インピーダンスZ1の周波数特性、インピーダンスZ2の周波数特性に基づいて、第1検出電極102および第2検出電極103の腐食診断を行なう原理について説明する。この原理は、一般的にFRA(Frequency Response Analysis)という名称で知られている手法を適用したものである。
第1検出電極102および第2検出電極103の腐食診断とも同じ原理で行なうため、ここでは、両者を区別せず、「検出電極」と「インピーダンスZ」として説明する。
図3は、検出電極およびアースリング(基準電極)における電極界面のインピーダンスを抵抗とコンデンサの組合わせで表わした等価回路である。ここで、Rsは溶液抵抗を表わし、Rpは電荷移動抵抗を表わし、Cdlは電気二重層容量を表わしている。
測定される複素インピーダンスZは、検出電極とアースリングの合成インピーダンスであるが、一般に、検出電極に比べてアースリングの面積は十分大きいことから、アースリングのインピーダンスは、検出電極のインピーダンスに比べて十分に小さいと考えることができる。このため、合成インピーダンスに対するアースリングのインピーダンスの寄与は無視できると見なせ、測定値されるインピーダンスZを検出電極界面のインピーダンスとして図3の等価回路にフィッティングすることができる。
図4は、周波数を変化させて計測された複素インピーダンスについて、その実部と虚部とをプロットしたコール・コール・プロット図を示している。ここで、電極界面の単純な酸化還元反応についての周波数特性は、コール・コール・プロット図上では、図4に示すような円弧を描き、円の直径が電荷移動抵抗Rpを表わすことが知られている。
一方、酸化還元における反応速度論の基本式の1つであるバトラー・ボルマー式からは、平衡状態の電界電流である交換電流密度ioと電荷移動抵抗Rpとの関連性が、
io=RT/(nFARp)
として導かれる。
ここで、Rは気体定数であり、Tは絶対温度であり、nは電子数であり、Fはファラデー定数であり、Aは電極面積である。
すなわち、腐食電流をIcorrとすると、温度が一定であれば、電荷移動抵抗Rpと腐食電流Icorrとの間には、kを定数として、
Icorr=k/Rp (式1)
という関係が成り立つ。
したがって、電荷移動抵抗Rpを算出することで、間接的に腐食電流Icorrを示す腐食電流指標を算出することができる。本実施形態では、この腐食電流指標を用いて検出電極の腐食診断を行なうものとする。
腐食診断回路220の腐食電流指標演算部221は、上述の原理に従って腐食電流指標を算出し、算出された腐食電流指標を、時間情報と関連付けて、メモリ回路から構成される実績記録部222に記録する。これにより、腐食電流指標のトレンドを得ることができる。
図5は、腐食電流指標を算出し、記録する際の電磁流量計10の動作を説明するフローチャートである。
上述のように、インピーダンス演算回路213は、流量測定動作と同時並行に連続して、第1検出電極102、第2検出電極103それぞれについてインピーダンス測定を行なう(S101)。この際に、周波数特性が得られるように、交流信号源210が出力する交流信号の周波数を変化させながら複数回に分けて測定を行なうことができる。
そして、得られた複素インピーダンスの周波数特性に基づいて、腐食電流指標演算部221がコール・コール・プロット図を作成し、電荷移動抵抗Rpを算出することで、第1検出電極102、第2検出電極103それぞれについて腐食電流指標値を算出する(S102)。なお、温度変化を考慮すると、(式1)は、k'を定数として、Icorr=k'T/Rpとなり、腐食電流Icorrは、絶対温度Tの変動の影響を受ける。このため、腐食電流指標値算出の際には、温度センサ107から温度データを取得し、温度補正パラメータとして用いることで温度補正を行なうことが望ましい。
腐食診断回路220は、算出された腐食電流指標値が、予め定めた基準範囲外の異常値である場合には(S103:Yes)、ユーザの過誤等により電極仕様に合わない腐食性の強い流体が流されたものと判断して、警告を出力する(S104)。これにより、検出電極の腐食による電磁流量計の測定精度の低下や液漏れ発生等を未然に防ぐことができる。
算出された腐食電流指標値が異常値でなければ(S103:No)、算出された腐食電流指標値を、時間情報と関連付けて、実績記録部222に記録する(S105)。
次に、腐食診断回路220が、実績記録部222に蓄積された腐食電流指標値を用いて、腐食診断を行なう手順について図6のフローチャートを参照して説明する。
腐食診断回路220は、所定のタイミング、例えば、定期的、起動時、ユーザから指示があったとき等に、実績記録部222を参照して、腐食電流指標値のトレンドを取得する(S201)。そして、参照データ格納部223から参照データを取得して(S202)、腐食電流指標値のトレンド評価を行なう(S203)。参照データを用いたトレンド評価は種々の手法を採用することができ、具体例については後述する。なお、参照データは、検出電極の材料別、流体種類別に用意しておくようにする。
トレンド評価の結果が、予め定められた警告条件を満たす場合には(S204:Yes)、ユーザに対して警告出力することにより(S205)、検出電極の腐食により電磁流量計10の測定精度が悪化したまま測定を行なってしまうことを未然に防ぐことができるようになる。
参照データを用いたトレンド評価の具体例について説明する。トレンド評価に用いる参照データは、例えば、初期状態の電荷移動抵抗Rpに対応した腐食電流指標値としたり、腐食電流指標値のトレンドの実験値等とすることができる。
すなわち、同じ流体や同じ電磁流量計の形式であっても、温度、圧力、含まれる不純物等の測定条件によって腐食の状態が変わるため、現場における初期状態の電荷移動抵抗Rpに対応した腐食電流指標値を参照データとして用いることができ、この参照データと、実際の腐食電流指標値のトレンドとを比較することにより、トレンド評価を行なうことができる。
また、腐食電流指標値のトレンドの実験値として、例えば、図7(a)に示すようなデータを参照データとして用いることができる。本図に示す例は、腐食電流指標値の積算値と累積時間との関係を実験で求めたものである。このとき、検出電極の腐食によって電磁流量計の精度保持が困難となったポイントを腐食電流指標値の積算値の閾値として参照データに含めておくようにする。
この参照データと、図7(b)に示すような実際の腐食電流指標値のトレンドとから、腐食電流指標値のトレンド評価を行なうことで、例えば、図7(c)に示すように、腐食電流指標値の累積値が閾値に達する時期を見積もることができる。
そして、警告条件を適切に定めることにより、腐食電流指標値の累積値が閾値に達する前に検出電極を交換する旨の警告を行なうことができ、検出電極の腐食により電磁流量計10の測定精度が悪化した状態で流量測定を行なってしまうことを未然に防ぐことができるようになる。
また、腐食電流指標値のトレンドの実験値として、例えば、図8(a)に示すようなデータを参照データとして用いることができる。本図に示す例は、腐食電流指標値と累積時間との関係を実験で求めたものである。このとき、検出電極の腐食によって電磁流量計の精度保持が困難となる前兆のトレンドを検出対象トレンドとして参照データに含めておくようにする。
この参照データを用いて、図8(b)に示すような実際の腐食電流指標値のトレンド評価を行なうと、実際の腐食電流指標値のトレンドから検出対象のトレンドが検知され、その後、検出電極の腐食により精度が悪化すると予想することができる。
そこで、検出対象のトレンドが検知されたことを警告条件として定めることにより、検出電極の腐食により精度が悪化する前に検出電極を交換する旨の警告を行なうことができ、検出電極の腐食により電磁流量計10の測定精度が悪化した状態で流量測定を行なってしまうことを未然に防ぐことができるようになる。
なお、腐食電流指標演算部221がコール・コール・プロット図を作成する際に、円弧部を明確にするために1Hz程度の比較的低い周波数から掃引が必要となる場合もある。このような場合、励磁回路201からの励磁信号がOFFになっている期間では、1Hz程度の比較的低い周波数を印加することができないことも考えられる。
そこで、流量測定と同時並行して測定可能な周波数を下限として、それ以下の周波数のインピーダンス値は外挿することで円弧部を含むコール・コール・プロット図を作成するようにしてもよい。あるいは、より正確なコール・コール・プロット図を作成するために、流量測定を休止して、検出電極の腐食診断のためのインピーダンス測定を行なうようにしてもよい。
また、上記の例では、交流信号源210から正弦波を出力するようにしていたが、マルチサイン波、矩形波、三角波、ホワイトノイズ等の複数の周波数成分を含んだ波形として、FFT演算により一度に複数の周波数特性を収集するようにしてもよい。例えば、基本周波数fを持つ矩形波を交流信号源210から印加し、サンプリング点数N=2(n=1,2,3…)で、サンプリング時間をtとした場合、最大でN/2番目までの高調波成分、すなわち、f×N/2までの周波数成分の電圧スペクトラムと電流スペクトラムとを時間Ntの間で求めることができる。そして、電圧スペクトラムと電流スペクトラムの比から、複素インピーダンスの周波数特性を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態の電磁流量計10によれば、検出電極の腐食電流指標を算出することにより、検出電極の腐食度合いを把握することができるようになり、検出電極の腐食による電磁流量計の測定精度の低下や液漏れ発生等を未然に防ぐことができるようになる。
10…電磁流量計、100…検出器、101…励磁コイル、102…第1検出電極、103…第2検出電極、106…アースリング、107…温度センサ、200…変換器、201…励磁回路、202…流量演算回路、203…第1入力回路、204…第2入力回路、205…流量演算用差動アンプ、210…交流信号源、211…第1差動アンプ、212…第2差動アンプ、213…インピーダンス演算回路、214…同期回路、220…腐食診断回路、221…腐食電流指標演算部、222…実績記録部、223…参照データ格納部、301…検出電極、302…電流源、303…入力回路、304…演算回路、306…アースリング、400…測定管

Claims (7)

  1. 測定管内を流れる流体に磁界を与え、測定管内に設けられた検出電極に発生する検出信号に基づいて前記流体の流量を測定する電磁流量計であって、
    前記検出電極と前記流体に基準電位を与える基準電極との間の複素インピーダンスを算出するインピーダンス演算回路と、
    前記複素インピーダンスの周波数特性に基づいて前記検出電極についての腐食電流指標値を算出する腐食診断回路とを備え、
    前記腐食診断回路は、前記複素インピーダンスの周波数特性をコール・コール・プロット図に表わした場合に得られる円弧部の直径に基づいて電荷移動抵抗を算出し、算出された電荷移動抵抗に基づいて前記検出電極についての腐食電流指標値を算出することを特徴とする電磁流量計。
  2. 前記腐食診断回路は、
    算出された腐食電流指標値が所定の基準を満たさない場合に、警告を出力することを特徴とする請求項1に記載の電磁流量計。
  3. 前記腐食診断回路は、
    算出された腐食電流指標値を時間情報と関連付けて記録するとともに、
    腐食電流指標値の経時的変化を所定の基準により評価し、評価結果が所定の警告条件を満たす場合に、警告を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の電磁流量計。
  4. 前記複素インピーダンスの算出のために、前記検出電極に印加する交流信号を出力する交流信号源をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁流量計。
  5. 前記交流信号を、前記流体に与える磁界の合間に前記検出電極に印加するように制御する同期回路をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の電磁流量計。
  6. 前記交流信号源は、正弦波あるいは複数の周波数成分を含んだ波形を前記検出電極に印加することを特徴とする請求項4に記載の電磁流量計。
  7. 前記腐食診断回路は、前記腐食電流指標値を算出する際に、前記測定管内を流れる流体に関する温度情報を取得し、取得した温度情報を用いて温度補正を行なうことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電磁流量計。
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