JP5565295B2 - 内燃機関の排気ガス再循環制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気ガス再循環制御装置に関し、特に、内外のEGR量を精度良く調整する際に用いて好適のものである。
近年、内燃機関の燃焼制御技術では、燃焼室内(シリンダ)で燃焼される混合ガスの燃焼状態(失火・燃焼判定,ノック判定,燻ぶり判定,EGR量の適正判定等)を、イオン電流に基づいて解析する技術が知られている。イオン電流は、イオン電流検出回路によって、燃焼ガスの電離した雰囲気中を流れる電流として検出され、其の波形データがECU(Engine Control Unit)でサンプリングされる。そして、ECUでは、イオン電流の波形データに基づいて混合ガスの燃焼状態に係る情報を抽出し、当該情報により種々の解析が実施される。
例えば、特開2010−216403号公報(特許文献1)では、内燃機関の排気ガス再循環制御方法に関する技術が紹介されている。ここで用いられる内燃機関には、EGR(Exhaust Gas Recirculation)の一部をインテークパイプ(吸気通路)へ導入させる排ガス再循環機構、又は、バルブオーバーラップの期間を制御して内部EGRを調整するVVT(Variable Valve Timing-control/吸排気バルブ機構)等が設けられている。ここで紹介される排気ガス再循環制御方法は、燃焼悪化することなく且つ燃費率が最大となる燃焼状態(以下、燃焼ボトム値と呼ぶ場合がある)の実験データを予め採取しておき、内燃機関の運転状態(回転数、負荷等を指す)毎に、燃焼ボトム値となる条件でのイオン電流の初期燃焼発生時期と主燃焼の終了時期とがマップ化されている。そして、実際の燃焼制御では、検出したイオン電流(波形データ)から初期燃焼発生時期と主燃焼終了時期とを検出し、燃焼ボトム値となる条件とイオン電流の検出結果とを比較させることにより、EGR量が少ないか又は過多であるかの判定を行なっている。
しかし、特許文献1の方法によれば、イオン電流検出回路から出力される検出信号は、同じ条件での燃焼状態であったとしても、回路個々の電気的特性又はバッテリ電圧の変動に応じて信号値が変動してしまう(電気的バラツキ)。また、内燃機関にあっても、シリンダ表面の研磨状態又は形状誤差等が混合ガスの燃焼状態に影響を及ぼすため、これによっても、検出信号の出力値に誤差が生じる(機構的バラツキ)。このような検出信号のバラツキは、其の性質上不可避的なものであり、イオン電流(波形データ)から特定される初期燃焼発生時期と主燃焼終了時期とに誤差が生じてしまうため、燃焼ボトム値と一致するようなEGR制御が困難となる。
EGR量が過多となる場合には、化石燃料を燃焼するための酸素量が不十分となる。従って、一般的な燃焼制御では、EGR量を燃焼ボトム値より幾分少なめに制御させ、燃焼悪化を回避させている。このとき、燃焼室では、混合ガスの酸素濃度が適性条件よりも若干高くなるため、これに応じて、有害物質とされる窒素酸化物NOxが排気ガス中に幾分増加してしまう。
これを回避するため、特開2009−127508号公報(特許文献2)では、イオン電流の積分値の割合に関するパラメータを用いて、EGR量の制御が行われている。具体的に説明すると、或る燃焼サイクルにおける主燃焼の波形データを取得し、当該波形データ全体に係る積分値(全体積分値)を算出させる。また、同波形データに基づいて全体積分値の50%に到達する瞬間のクランク角CA(50%)を算定する。そして、当該クランク角CA(50%)をEGR制御用のパラメータとし、燃焼ボトム値の条件と一致するようにEGR量を制御することで、燃焼悪化の回避及び燃費率の向上を狙うものである。
特許文献2に係るパラメータにあっては、積分値の割合に基づいて規定されるので、信号値の誤差又は変動に影響されることが無くなる。このため、同パラメータを用いたEGR制御では、上述した電気的バラツキ又は機構的バラツキが生じても、燃焼ボトムの条件を正確に特定することが可能となる。
特開2010−216403号公報 特開2009−127508号公報
上述の如く、特許文献2の技術では、運転状態(回転数,負荷等)の条件に関わらず、全体積分値(主燃焼を現す波形データの全積分値)の50%となる瞬間のクランク角をパラメータとして用いている。しかし、イオン電流は運転状態に影響を受け顕著に変動する性質を有するところ、このような画一的なパラメータの設定方法では、条件によってパラメータに不具合が生じ、例えば、回転数の領域,負荷状態によっては燃焼ボトムの条件を正しく特定できない場合がある。
また、本発明者は、適正なパラメータの設定手法について鋭意研究した結果、全体積分値の50%となる瞬間のクランク角に限らず、他の割合となる瞬間のクランク角をパラメータとして用いた方が好適なEGR制御を実現できる場面が存在するという事実を見出した。
本発明は上記課題に鑑み、燃焼ボトムとなる条件を特定するにあたって、EGR制御の為の最適なパラメータを用いることが可能な内燃機関の排気ガス再循環制御装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では次のような内燃機関の排気ガス再循環制御装置の構成とする。即ち、内燃機関の燃焼室及び吸気通路の連通部に設けられた吸気バルブと、前記燃焼室及び排気通路の連通部に設けられた排気バルブと、前記吸気バルブ及び前記排気バルブのバルブタイミングを変更自在に各々開閉動作させ前記燃焼室に残存する内部EGR量を調整する吸排気バルブ機構と、混合ガスの燃焼状態を示すイオン電流を検出するイオン電流検出回路とを具備する機構に設けられ、
信号処理部及び所定の制御プログラムが協働して、前記イオン電流検出回路の検出信号を解析し、前記吸排気バルブ機構の制御信号を生成する内燃機関の排気ガス再循環制御装置であって、
前記信号処理部は、前記検出信号のうち放電ノイズ終了後の主燃焼が発生する区間に対応させて波形データを記憶するためのウィンドウ区間を設定するウィンドウ設定処理と、前記ウィンドウ区間について所定タイミング毎に前記検出信号の値を記憶する処理を繰返し前記ウィンドウ区間に現われる前記波形データを記憶する波形データ記憶処理と、前記波形データの各値を積算させて当該波形データの総積算値を算出する第1の積算処理と、前記総積算値に対する割合値を前記内燃機関の運転状態に応じて特定する割合特定処理と、前記割合値に到達する時点の特定クランク角を算定するクランク角算定処理と、前記特定クランク角を用いたパラメータに基づいて前記内部EGR量を調整するバルブ機構制御処理と、を実行させることとする。
また、本発明では次のような内燃機関の排気ガス再循環制御装置の構成としても良い。即ち、内燃機関の燃焼室及び吸気通路の連通部に設けられた吸気バルブと、前記燃焼室及び排気通路の連通部に設けられた排気バルブと、前記排気通路及び前記吸気通路を連通させる帰還通路に設けられた再循環弁を有し前記再循環弁を駆動させて外部EGR量を調整させる排気ガス再循環機構と、混合ガスの燃焼状態を示すイオン電流を検出するイオン電流検出回路とを具備する機構に設けられ、
信号処理部及び所定の制御プログラムが協働して、前記イオン電流検出回路の検出信号を解析し、前記再循環弁の制御信号を生成する内燃機関の排気ガス再循環制御装置であって、
前記信号処理部は、前記検出信号のうち放電ノイズ終了後の主燃焼が発生する区間に対応させて波形データを記憶するためのウィンドウ区間を設定するウィンドウ設定処理と、前記ウィンドウ区間について所定タイミング毎に前記検出信号の値を記憶する処理を繰返し前記ウィンドウ区間に現われる前記波形データを記憶する波形データ記憶処理と、前記波形データの各値を積算させて当該波形データの総積算値を算出する第1の積算処理と、前記総積算値に対する割合値を前記内燃機関の運転状態に応じて特定する割合特定処理と、前記割合値に到達する時点の特定クランク角を算定するクランク角算定処理と、前記特定クランク角を用いたパラメータに基づいて前記外部EGR量を調整するバルブ機構制御処理と、を実行させることとする。
また、本発明では次のような内燃機関の排気ガス再循環制御装置の構成としても良い。即ち、内燃機関の燃焼室及び吸気通路の連通部に設けられた吸気バルブと、前記燃焼室及び排気通路の連通部に設けられた排気バルブと、前記吸気バルブ及び前記排気バルブのバルブタイミングを変更自在に各々開閉動作させ前記燃焼室に残存する内部EGR量を調整する吸排気バルブ機構と、前記排気通路及び前記吸気通路を連通させる帰還通路に設けられた再循環弁を有し前記再循環弁を駆動させて外部EGR量を調整させる排気ガス再循環機構と、混合ガスの燃焼状態を示すイオン電流を検出するイオン電流検出回路とを具備する機構に設けられ、
信号処理部及び所定の制御プログラムが協働して、前記イオン電流検出回路の検出信号を解析し、前記吸排気バルブ機構の制御信号及び前記再循環弁の制御信号の各々を生成する内燃機関の排気ガス再循環制御装置であって、
前記信号処理部は、前記検出信号のうち放電ノイズ終了後の主燃焼が発生する区間に対応させて波形データを記憶するためのウィンドウ区間を設定するウィンドウ設定処理と、前記ウィンドウ区間について所定タイミング毎に前記検出信号の値を記憶する処理を繰返し前記ウィンドウ区間に現われる前記波形データを記憶する波形データ記憶処理と、前記波形データの各値を積算させて当該波形データの総積算値を算出する第1の積算処理と、前記総積算値に対する割合値を前記内燃機関の運転状態に応じて特定する割合特定処理と、前記割合値に到達する時点の特定クランク角を算定するクランク角算定処理と、前記特定クランク角を用いたパラメータに基づいて前記内部EGR量及び/又は前記外部EGR量を調整するバルブ機構制御処理と、を実行させることとする。
上述した各々の発明について好ましくは、前記波形データ記憶処理は、前記検出信号を検出したタイミングと当該検出信号に対応するクランク角とを関連付けてクランク角参照マップを作成し、
前記クランク角算定処理は、前記波形データの一部分を積算させた部分積算値の算出を開始する第2の積算処理と、前記部分積算値と前記総積算値との比である積算値比を算出する積算値比演算処理と、前記積算値比が前記割合値に略到達する時刻に基づいて前記クランク角参照マップから前記特定クランク角を参照するクランク角参照処理と、を実行させることとする。
前記パラメータは、前記特定クランク角そのものによって成ることとしても良く、前記特定クランク角の冪乗値から成ることとしても良く、前記特定クランク角に基づく統計的演算値から成ることとしても良く、前記特定クランク角を用いた多項式関数によって規定されることとしても良く、当該パラメータを構成する何れかの項に補正係数が与えられていることとしても良い。
また、前記割合特定処理は、前記割合値を異なる複数種類の値に設定し、前記特定クランク角算定処理は、当該複数の割合値に対応させて前記特定クランク角を各々算定するものであって、
前記パラメータは、加算,減算,乗算,又は除算のうち少なくとも一つの算術処理によって、複数の特定クランク角が合成されることとしても良い。
より好ましくは、前記信号処理部を構成するメモリ回路は、前記内部EGR量及び/又は前記外部EGR量によって成るEGR量と前記パラメータとの相関関係を記録させた現EGR量参照マップと、前記内燃機関の運転状態と前記EGR量の最適値とされる適正EGR量との対応関係を記録した適性EGR量参照マップと、が記録されていることとする。
更に好ましくは、前記バルブ機構制御処理は、前記現EGR量参照マップを参照し、現在のEGR量を前記メモリ回路から抽出する現EGR量参照処理と、前記適正EGR量参照マップを参照し、前記適正EGR量を前記メモリ回路から抽出する適正EGR量参照処理と、前記適正EGR量と前記現在のEGR量とを比較させる制御偏差検出処理と、前記現在のEGR量から前記適性EGR量へ近づけるよう前記制御信号を出力させる制御信号出力処理と、を実行させることとする。
本発明に係る内燃機関の排気ガス再循環制御装置によると、同一条件の中から最適化されたパラメータが用いられるので、燃焼ボトム値とされる条件の特定、及び、当該条件に追従させるEGR制御が、より正確に行われることとなる。
また、当該排気ガス再循環制御装置によると、所定の物理現象に着目して特定クランク角を設定することも可能となるので、EGRの制御機構・制御モードに応じて適切なパラメータを個別的に作成することができる。
実施の形態に係る内燃機関周辺機構の構成を示す図。 実施の形態に係るイオン電流検出回路の構成を示す図。 実施の形態に係るEGR量調整プログラムを表すフローチャート。 実施の形態に係る、イオン電流,波形データ,総積分値,割合値,部分積分値を説明する図。 特定クランク角とEGR量との相関関係を示す図〔CA(10%)〕。 特定クランク角とEGR量との相関関係を示す図〔CA(10%)〜CA(90%)〕。 イオン電流に含まれる物理的情報を説明する図 実施例1に係る波形データ,複数の割合値,複数の部分積分値,合成パラメータを説明する図。 実施例1に係るEGR量調整プログラムを表すフローチャート。 合成パラメータとEGR量との相関関係を示す図〔CA(10%)+CA(30%)〕。 実施例1の第1変更例に係る、波形データ,複数の割合値,複数の部分積分値,合成パラメータを説明する図。 実施例1の第2変更例に係る、波形データ,複数の割合値,複数の部分積分値,合成パラメータを説明する図。
以下、本発明に係る実施の形態につき図面を参照して説明する。図1に示す如く、内燃機関自動車に設けられる燃焼制御システム1は、内燃機関Aと燃料供給系統Bと点火系統Cと排気ガス再循環部Dと燃焼制御装置ECUとから構成される。本実施の形態では、燃焼制御装置ECUに内蔵される信号処理部(後述)と適宜の制御プログラム(後述)とによって、内燃機関の排気ガス再循環制御装置が構成される。
内燃機関Aは、吸気通路Pi,排気通路Po,吸排気バルブ機構Vmを具備している。図示の如く、吸排気バルブ機構Vmは、吸気バルブViと排気バルブVoとこれらのバルブを駆動させるオーバーヘッドカムから成り、当該オーバーヘッドカムには、吸気バルブViと排気バルブVoとのバルブオーバーラップ期間を変更自在とするように、各々のバルブを開閉動作させるアクチュエータKi,Koが設けられている。この吸排気バルブ機構Vmは、VVT(Variable Valve Timing-control)と呼ばれ、モータ・ソレノイド等をアクチュエータとする電気制御式のものと、油圧制御式のものが知られている。また、吸排気バルブ機構Vmは、吸気側及び排気側の双方にアクチュエータが設けられている型式のものと、吸気側及び排気側の何れか一方にのみアクチュエータが設けられている型式のものが知られている。このような吸排気バルブ機構Vmは、バルブオーバーラップ期間を制御して、燃焼室Sdに残存する内部EGR量を調整する。
吸気バルブViは、内燃機関Aの燃焼室Sdと吸気通路Piとの連通部に設けられ、アクチュエータKiによってバルブ開度が調節される。また、吸気通路Piには、エアクリーナ10と吸気センサ20とスロットルバルブ91とが配備されている。エアクリーナ10は、内部にフィルターエレメントが収容され、車体が取り込んだエアーをフィルターエレメントによって濾過させ、浄化されたエアーを吸気通路Piへと送り込む。吸気センサ20は、吸気通路Piへ送り込まれたエアーの量を計測し、エアーの流量に関する情報を電気信号に変換して出力させる。スロットルバルブ91は、燃焼制御装置ECUから送られる信号に応じて弁開度を制御させ、吸気通路Piに流れるエアーの流量を調節する。
一方、排気バルブVoは、燃焼室Sdと吸気通路Poとの連通部に設けられ、アクチュエータKoによってバルブ開度が調節される。また、排気通路Poは、排気ガスの残留ガス濃度を検出するガス濃度センサFAを備え、図示されない消音器(マフラー)に接続される。
内燃機関Aは、更に、点火プラグPG及び点火コイルCL(点火系統C)と、燃焼室Sdの内部を摺動自在とするピストンPtと、ピストンPtの動作を伝達させるピストンロッドPrと、ピストンロッドPrの動作によって回転力を発生させるクランクシャフトCsとから構成される。当該内燃機関Aは、吸気バルブViから混合気を吸入し、点火コイルCLによって高電圧が印加されると、点火プラグPGがシリンダ内の混合気を燃焼させる。このとき、ピストンPtは、混合気の熱膨張によって押し下げられ、クランクシャフトCsに回転力が与えられる。尚、クランクシャフトCsには、内燃機関(クランクシャフト)の回転数を検出するクランクポジションセンサ50が設けられ、当該クランクポジションセンサ50は、内燃機関Aの回転数に関する電気信号を出力させる。
燃料供給系統Bは、燃料タンクTKと燃料ポンプPMとインジェクションINJとから構成され、燃焼制御装置ECUによって、燃料ポンプPMが制御され、インジェクションINJに内蔵されるバルブ直前の管内圧力が適宜に調節される。
排気ガス再循環部Dは、排気通路Poに接続された帰還通路Peoと、排気通路Piに接続された帰還通路Peiと、双方の帰還通路Peo,Peiの間に設けられた再循環バルブVeとから構成される。図示の如く、排気ガス再循環部Dは、排気通路Poと吸気通路Piとを連通させ、再循環バルブVeを駆動させることにより、外部EGR量を調整する。
燃焼制御装置ECUは、各センサとの接続端子、信号出力端子、電源入出力端子、各種回路を備え、内燃機関の制御に特化した「Engine Control Unit」と呼ばれる装置である。図示の如く、燃焼制御装置ECUは、吸気流量に関する信号、スロットルバルブ91の開度信号、内燃機関の回転数に関する信号、排気ガスの残存ガス濃度に関する信号、アクセルペダルモジュール80の踏込み操作に関する信号、この他、イオン電流検出回路による検出信号(後述)が入力される。当該装置ECUには、これらの信号に基づいて各機構部の制御信号を生成出力させる信号処理部SGPが搭載されている。信号処理部SGPは、CPU、所定のプログラムを格納させたメモリ回路、A/D変換回路、クロック回路等を内蔵させている。
信号処理部SGPを構成するメモリ回路は、各種の制御プログラムが格納されている。そして、信号処理部SGPは、演算回路等のハードウェアと所定の制御プログラムとが協働し、使用目的に応じた演算処理を実行させることにより、インジェクションINJ、イグナイタIg、スロットルバルブ91、吸排気バルブ機構Vm、再循環弁Ve等の各々についての制御装置が構築されている。また、当該メモリ回路には、後述するクランク角参照マップ、割合値参照マップ、現EGR量参照マップ、適正EGR量参照マップが記憶されている。これらのマップの構造については、追って説明することとする。
図2は、点火系統Cに組込まれるイオン電流検出回路が示されている。イオン電流検出回路100は、点火プラグPGと、点火コイルCLと、イグナイタIgと、イオン電流検出部INSとから構成される。
点火プラグPGは、内燃機関のプラグホール内へ各々設けられ、印加電圧(二次コイルの誘導電圧)に応じてプラグギャップ間を放電させ、シリンダ内の混合気を燃焼させる。
点火コイルCLは、一次コイルL1及び二次コイルL2及び鉄心等から構成され、一次コイルL1に流れる電流が変動すると、当該電流値の変動に応じて、二次コイルL2から誘導電圧を発生させる。かかる点火コイルCLは、絶縁樹脂によってパッケージされ、点火プラグPGの端子部へ装着される。これにより、二次コイルL2は、点火プイラグPGへ電気的に接続され、一次コイルL1の通過電流が変動すると点火プラグPGへ誘導電圧を出力させる。尚、一次コイル側に示されるVBは、車載バッテリから供給されるバッテリ電圧を指す。
イグナイタIgは、制御ICとスイッチング素子Trとから構成され、点火信号SGに応じてスイッチング素子TrのON/OFF状態を制御させる。当該スイッチング素子Trは、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transister)、MOSFET等のパワートランジスタが用いられる。かかるスイッチング素子Trは、一次コイルL1の出力端とグランドとの間に介挿され、点火信号SGに応じて、一次コイルL1の通電状態を制御させる。尚、点火信号SGは、点火制御用の制御プログラムが機能することによって生成される信号であって、燃焼制御装置ECUから出力される。
イオン電流検出部INSは、図示の如く、ツェナーダイオードZD、ダイオードD1,D2、コンデンサC1、抵抗R1〜R3、オペアンプAMPとから構成され、オペアンプAMPの出力端子からイオン電流I2の増幅値を出力させる(以下、検出信号Sionと呼ぶ)。かかるイオン電流検出部INSは、シリンダSd内に発生するイオン電流を検出する回路であって、イグナイタIg又は燃焼制御装置ECU等の回路部に内蔵される。
ここで、燃焼制御装置ECUから点火信号SGが出力されると、点火プラグPGのプラグギャップが放電し、点火プラグPG→二次コイルL2→コンデンサC1→ダイオードD1、に示す経路で放電電流I1が流れる。このとき、コンデンサC1は、イオン電流検出のための電力がチャージされることとなる。その後、燃焼による化学反応が進行すると、周知の通り、回路内には、抵抗R2→抵抗R1→コンデンサC1→二次コイルL2→点火プラグPG、に示す経路でイオン電流I2が流れる。このイオン電流I2は、燃焼・失火状態、EGR量の状態等、混合ガスの燃焼状態を示すこととなる。
イオン電流検出部INSは、上述した回路構成によって、イオン電流I2をその電流値に比例する電圧値へと変換させる。この電圧値によって現される検出信号Sionは、燃焼制御装置ECUのAD入力端子へ入力される。
燃焼制御装置ECUでは、EGR量の制御を行う場合、EGR制御用の制御プログラムを起動させることにより、排気ガス再循環制御装置が構築される。この排気ガス再循環制御装置は、イオン電流検出回路100から出力された検出信号Sionを解析し、吸排気バルブ機構Vmの制御信号及び再循環弁Veの制御信号の各々を生成する。EGR制御用の制御プログラムは、ウィンドウ設定処理と、波形データ記憶処理と、積分演算処理と、割合特定処理と、バルブ機構制御処理について規定されている。以下、EGR量制御の場面での燃焼制御装置ECUのことを、排気ガス再循環制御装置ECUと呼ぶこととする。
図3は、本実施の形態に係るEGR制御プログラム100のフローチャートが示されている。EGR制御プログラム100が起動されると、先ず、ウィンドウ設定処理S110が実行される。当該処理S110は、波形データを記憶するウィンドウ区間を設定するものであって(図4a参照)、其のウィンドウ区間は、放電ノイズAの終了後であって、且つ、主燃焼波形B〜Cが発生する区間に対応させて設定される。ここで、ウィンドウ区間の開始点及び終了点は、内燃機関Aの運転状態(回転数,負荷等)によって推定すると良い。また、特開2002−188552号公報,特開2009−115023等で紹介される方法によって、主燃焼の開始点を推測するようにしても良い。
尚、図4bは、実際のイオン電流の波形が現されており、図4c〜図4fは、イオン電流検出回路100から出力される検出信号Sinの波形が現されている。また、この波形には、ADタイミングt1〜tnが示されており、これに対応する値D1,D2,・・・,Dnは、A/D変換回路によって認識された検出信号の離散値を意味する。以下、D1,D2,・・・,Dnを、検出信号値と呼ぶこととする。かかる検出信号値の各々は、イオン電流検出用に設けられた閾値より大きい場合、信号検出部によって認識されることとなる。
処理S110が終了すると、次に、波形データ記憶処理S120が実行される。当該処理S120は、ADタイミング毎に検出信号値を記憶する。この処理120は、ウィンドウ区間について、検出信号値の記憶を逐次繰返し、ウィンドウ区間が終了する時刻迄に、D1〜Dnの検出信号値をメモリ回路へ記憶させる。かかる検出信号値D1〜Dnは、信号処理部SGPによって読込まれることにより、検出した主燃焼の波形を再現するデータの役割を果たす。以下、検出信号値D1〜Dnの全体集合を、波形データDwと呼ぶこととする。
また、波形データ記憶処理S120は、上記の処理と併せて、クランク角参照マップを作成させる。当該クランク角参照マップは、検出信号値を検出したADタイミングと当該ADタイミングに対応するクランク角とを関連付けて、双方の情報がメモリ回路に記録されたものである。当該マップを格納したメモリ回路は、所定のADタイミングを指定すると、これに対応するクランク角を出力させるように構成されている。クランク角参照マップを作成する場面では、例えば、ADタイミングt1において、検出信号値D1が記録されると、そのタイミングでのクランク角CA1についても記録される。かかる記録処理は、ADタイミングD2,D3,・・・、と順次繰返される。そして、クランク角参照マップからクランク角を抽出する場面では、メモリ回路に対して参照したいADタイミングtkを指定すると、当該メモリ回路からADタイミングADkに対応するクランク角CAkが出力される。
処理120が終了すると、第1の積算処理S130が実行される。当該処理S130は、メモリ回路から波形データDwを呼び出し、当該波形データDwの各値D1,D2,・・・,Dnを積算させる。そして、かかる積算処理によって総積算値Swを算出し(図4d参照)、其の値Swをメモリ回路へ一時的に記憶させる。尚、第1の積算処理S130は、検出信号値D1〜D2の全てを積算させるようにしても良く、ノイズ等の影響を受けている検出値については積算処理をスキップさせたり、適宜な補正を行う等の処理を加えても良い。また、ここで説明するところの積算とは、検出信号値の各成分D1,D2,・・・,Dnを単純に加算(D1+D2+・・・+Dn−1+Dn)させる演算のほか、図4dの斜線部に相当する面積Swを実際に算出する演算をも含む。
その後、割合特定処理S140が実行される。当該処理S140では、予め作成されている割合値参照マップから割合値RATEthが参照される(図4e参照)。割合値RATEthは、先に算出された総積算値Swに対する割合を規定するものである。例えば、割合値RATEth(10%)と示される場合、其の割合値は、或る全体に対する10%の割合を意味する。割合値参照マップは、この割合値RATEthと内燃機関の運転状態(回転数、負荷状態等)との相関関係が記録されている。この割合値参照マップは、予め実験的に把握されるものであって、後述するパラメータについて同一運転条件の中から最適なパラメータを設定する役割を担う。後述するが、本実施の形態の場合、同一の運転条件(回転数、負荷状態)であったとしても、先の割合値RATEthを種々変更することにより、EGR量制御に用いられるパラメータを複数作成することが可能である。そして、これらのパラメータの中には、EGR量制御を行う際に好適なものと不適なものとが存在する。このため、割合値参照マップには、かかるパラメータが最適なものとなるように、内燃機関の運転状態と割合値との関係が記録されているのである。
処理140が終了すると、クランク角算定処理S150が実行される。当該処理S150は、第2の積算処理S150aと、積算値比演算処理S150bと、クランク角参照処理S150cとから構成される。先ず、第2の積算処理150aは、波形データDwの部分積算値Srの算出を開始させる。当該部分積算値Srは、最初のADタイミングt1から順に検出信号値を積算させることで算出される(図4f参照)。
第2の積算処理S150aが終了すると、次に、積算値比演算処理S150bが実行される。当該処理S150bは、算出された直後の部分積算値Srと先の総積算値Swとの比(以下、積算値比と呼ぶ)を算出する。具体的には、積算値比Rs(X%)=(部分積算値Sr/総積算値Sw)×100,によって算出される。
尚、算出された積算値比Rsが割合値RATEthを上回らなければ(又は、到達しなければ)、第2の積算処理S150a及び積算値比演算処理S150bが繰返される。そして、算出された積算値比Rsが割合値RATEthを上回った時点で(又は、到達した時点で)、次のクランク角参照処理S150cが実行される。図4では、ADタイミングt1,t2,・・・、といった具合に、各ADタイミングを迎える毎に積算値比Rsが算出され、ADタイミングt3に至った時点で積算値比Rsが割合値RATEth(10%)に略一致する。
クランク角参照処理S150cは、積算値比Rsと割合値RATEthとが略一致した時点のADタイミングに基づいて、先のクランク角参照マップからクランク角を抽出する。具体的に説明すると、図4(f)にあっては、積算値比Rsと割合値RATEthとが略一致した時点のADタイミングがt3であるところ、クランク角参照マップが格納されたメモリ回路では、ADタイミングt3が指定され、当該ADタイミングt3に対応するクランク角の情報が出力される。以下、積算値比と割合値とが一致した局面でのADタイミングに対応するクランク角を「特定クランク角」と呼ぶこととする。
ここで、本実施の形態で用いられるパラメータは、クランク角算定処理S150cにて算定された「特定クランク角」を用いて成るものであり、具体的には、「特定クランク角」そのものとされる。図5(a)は、運転状態(回転数、負荷状態)を同一条件とした場合における特定クランク角の実測結果が示されている。より具体的には、割合値RATEth(10%)とした場合における特定クランク角CA(10%)がプロットされている。尚、本実測方法にあっては、観測する為のEGR量を複数点設定して計測が行なわれている。
かかる実測結果(図5a)を参照すると、EGR量(内部EGR量及び外部EGR量の双方を含む)が小さいほど、特定クランク角CA(10%)の分布が収束し、EGR量が大きくなるにつれ、特定クランク角CA(10%)の分布が拡大する傾向が見られる(傾向1)。また、実測結果を全体的に観察すると、EGR量の増加に応じて特定クランク角も増加する傾向が見られる(傾向2)。傾向2については、EGR量を増加させるとイオン電流が全体的に遅角側へシフトする一般的傾向に合致するものであり、本観測結果は、特に、割合値RATEth(10%)におけるイオン電流の状態を現すものである。
尚、イオン電流検出回路等の電気的バラツキ、又は、燃焼室内部の形状誤差等による機構的バラツキが生じたとしても、この実測結果は、特定クランク角CA(X%)が割合値に基づいて算出されるところ、「特定クランク角」の各々の実測値に影響を及ぼすことは殆ど無い。
図5(b)には、本実施の形態に係るパラメータの一形態が示されている。当該パラメータPm1は、実測対象として設定されたEGR量毎に平均値が求められた後、其の平均値を繋いで形成される。このように、EGR量制御で用いられパラメータPm1は、所定EGR量の実測結果群の中から「特定クランク角」の値を見極めることで、特定クランク角とEGR量との相関関係が得られる。尚、当該パラメータPm1は、上述のように平均値を用いて所定EGR量に対応する特定クランク角を割出しているが、これに限らず、平均値、標準偏差値、中間値、この他、最大値又は最小値等によって特定クランク角を割り出すようにしても良い。
信号処理部SGPを構成するメモリ回路には、上述の如く、現EGR量参照マップが記録されている。この現EGR量参照マップは、図5(b)に示されるような、パラメータ(本実施の形態にあっては特定クランク角)とEGR量との相関関係が記録されている。当該マップを記録させたメモリ回路は、パラメータ(特定クランク角)が指定されると、これに対応するEGR量を出力させるよう機能する。このため、指定されるパラメータが現時点の値であれば、出力されるEGR量についても現時点の値を示すこととなる。
図5(b)に示されるRWth(以下、燃焼ボトム値又は適正EGR量と呼ぶ)は、燃焼悪化を招くことなく且つ燃費率が最大となる燃焼状態を示す値であって、言い換えると、EGR量の最適値を現すものである。内燃機関の燃焼制御では、要求負荷が変動する場合、燃料の供給量が調整される他、スロットルバルブの開度調節によって燃焼室への外気投入量が制御される。このため、適正EGR量RWthは、負荷に応じて適宜変更される。本実施の形態では、信号処理部SGPを構成するメモリ回路に適正EGR量参照マップが記録されている。この適正EGR量参照マップは、負荷を示すパラメータ(例えば、エアーフローメータの値)と適性EGR量RWthとの情報によって構成される。かかるマップを記録させたメモリ回路は、負荷パラメータが指定されると、これに対応する適正EGR量RWthを出力するよう機能する。
図3に示す如く、これらのマップを参照して機能するバルブ機構制御処理は(S160〜S180)、処理S150の後に実行される。当該バルブ機構制御処理は、パラメータPm1に基づいて、内部EGR量及び外部EGR量(以下、EGR量と呼ぶ)を調整させる役割を担う。
先ず、処理160では、現EGR量参照処理と適正EGR量参照処理と制御偏差検出処理とが実行される。このうち、現EGR量参照処理は、メモリ回路に対して現在の特定クランク角CA(X%)を与え、これに対応するEGR量を現EGR量参照マップから抽出する。特定クランク角(X%)が現在の値であるところ、当該処理によって抽出されるEGR量についても、現在の値を示すこととなる。
また、適正EGR量参照処理は、メモリ回路に対して現在の運転状態(例えば、エアーフローメータの値)を与え、これに対応する適正EGR量RWthを抽出する。当該適正EGR量についても、現在の運転状態を反映させたものとなる。
これらの処理が終了すると、制御偏差検出処理が実行される。当該制御偏差検出処理では、先の処理で認識した「現在のEGR量」と「適正EGR量RWth」とを比較させ、「現在のEGR量」と「適正EGR量RWth」との大小関係に応じて、制御信号出力処理(S170及びS180)の動作モードを決定する。かかる処理では、大小関係だけでなく差分値についても算出しておくと良い。この場合、次の制御信号出力処理では、差分値を用いてフィードバック制御を行うことができるので、応答特性又はオーバーシュート等の制御上の問題を改善させることが可能となる。
かかる制御信号出力処理では、「現在のEGR量」が「適正EGR量RWth」より大きい場合(図5bにおけるRW1を参照)、吸排気バルブ機構のバルブオーバーラップ期間を減少させる、又は、再循環バルブの開度を閉成させる制御信号を出力させる。このとき、EGR量は、減少するので、適正EGR量RWへ近づくよう制御される。一方、「現在のEGR量」が「適正EGR量RWth」より小さい場合(図5bにおけるRW2を参照)、吸排気バルブ機構のバルブオーバーラップ期間を増加させる、又は、再循環バルブの開度を開成させる制御信号を出力させる。このとき、EGR量は、増大するので、適正EGR量RWへ近づくよう制御される。
図6は、複数種類に係る特定クランク角とEGR量との相関関係が示されている。具体的には、割合値RATEthを10%とした場合の相関関係L(10%)、割合値RATEthを30%とした場合の相関関係L(30%)、割合値RATEthを50%とした場合の相関関係L(50%)、割合値RATEthを90%とした場合の相関関係L(90%)、が示されている。これらの相関関係の各々は、先と同様、実測対象として設定されたEGR量毎に平均値が求められた後、其の平均値を繋いで形成されている。これらの相関関係L(10%)〜L(90%)は、一つの波形データから求められており、同一の運転条件に対応している。
図示の如く、EGR量の区間a−bにあっては、何れの相関関係L(10%)〜L(90%)を参照しても特定クランク角の変動が殆ど無い。このため、特定クランクに基づいて現在のEGR量を定める際、何れの関係を用いても誤差を生じる危険がある。即ち、区間a−bをデータ化して現EGR量参照マップとして用いることは、制御上好ましく無い。
次に、区間b−cについて検討すると、相関関係L(90%)は、極小値となる点を具備しているので、この関係を用いて現EGR量参照マップを作成するのは好ましくない。また、相関関係L(10%)〜L(50%)は、共に単調増加傾向を示しているが、相関関係L(10%)にあっては、他の相関関係L(30%)及びL(50%)と比較して、傾きが緩慢である。そうすると、区間b−cにあっては、相関関係L(30%)又はL(50%)をデータ化し、現EGR量参照マップとして用いるのが好ましいことが判る。
次に、区間c−dについて検討すると、全ての相関関係L(10%)〜L(90%)が単調増加を示しているが、このうち、相関関係L(10%)の変化率がもっとも大きい。そうすると、区間c−dにあっては、相関関係L(10%)をデータ化し、現EGR量参照マップとして用いるのが好ましいことが判る。
このような検討結果によると、最適EGR量RWthの位置が区間b−cに配される場合、当該区間b−cに係るEGR量を現EGR量参照マップから参照することになるので、現EGR量参照マップを相関関係L(30%)又はL(50%)のデータに基づいて作成するのが好ましい。
また、最適EGR量RWthの位置が区間c−dに配される場合、当該区間c−dに係るEGR量を現EGR量参照マップから参照することになるので、現EGR量参照マップを相関関係L(10%)のデータに基づいて作成するのが好ましい。
このように、同一の運転条件であったとしても、割合値RATEthを種々変更することにより、パラメータ(特定クランク角)とEGR量との相関関係を複数見出すことが可能である。しかし、これらのパラメータの中には、EGR量制御を行う際に好適なものと不適なものとが存在する。このため、実験段階では、パラメータとEGR量との相関関係のうち最適なものを予め把握しておき、実際の信号処理段階では、好適な相関関係を示す割合値及びパラメータ(特定クランク角)を用いて、より確実なEGR量制御(再循環バルブの弁開度の制御,バルブオーバーラップ期間の制御)が実現されるのである。
上述の如く、本実施の形態に係る排気ガス再循環制御装置ECUによると、同一条件の中から最適化されたパラメータが用いられるので、最適EGR量RWth(燃焼ボトム値)とされる条件の特定、及び、当該条件に追従させるEGR制御が、より正確に行われることとなる。
また、特定クランク角CA(X%)は、波形データの絶対的な値でなく割合値に基づき算出されるので、仮に、イオン電流検出回路等の電気的バラツキ、又は、燃焼室内部の形状誤差等による機構的バラツキが生じたとしても、当該特定クランク角の値について誤差を生じさせることは殆ど無い。
以下、図7を参照して、イオン電流の波形と燃焼サイクルにおける点火動作との関係について説明する。同図には、主燃焼時に現われるイオン電流Sionとクランク角CAとの関係が示されている。尚、当該波形Sionには、図示の如く、燃焼室内を摺動するピストンPtの上死点TDC,下死点BDCが示されている。また、Dは初期燃焼を示す波形、Ip2は第2ピーク値、Ip3は第3ピーク値と呼ぶこととする。また、Bは第2ピーク値Ip2の前後周辺の波形、Cは第3ピーク値Ip3の前後周辺の波形を指す。
通常の燃焼制御では、ピストンPtが上死点TDCに到達する前段にて、点火プラグにおけるギャップ間の放電が開始する。燃焼室内では、放電によって火炎核が成長し始めると、火炎面に電離した物質(イオン)が形成され、当該電離物質を介してイオン電流が流れ始める。このため、イオン電流は、図7に示す如く、上死点TDCの手前で流れ始めることとなる。
一般に、EGR量が制御されている局面において、火炎核の成長速度は、EGR量の増加に応じて低下するので、イオン電流は、EGR量が増加すると、波形全体が遅角側へオフセットされる傾向がある。但し、このEGR量のうち内部EGRによるものは、火炎核の成長速度を低下させることに変わりは無いが、高温状態のまま燃焼室内に停滞するので、初期燃焼を促進させる働きをする。このため、初期燃焼に係る波形Dは、内部EGRを増加させても、あまり変化が現われない傾向がある。これに対し、外部EGRは、燃焼室内に還流されるまでに温度が低下してしまうので、初期燃焼に係る波形Dを遅角側へオフセットさせる働きをする。
また、初期燃焼から第2ピーク値前後に至る範囲(波形D〜波形B)では、投入された混合ガスが燃焼し、NOxが形成されることとなる。かかる範囲では、波形Bの大きさによって燃焼の度合が示されることとなるが、当該範囲では、初期燃焼波Dに影響を受けるので、内部EGRが多い場合には顕著な変化が見られず、外部EGRが多い場合には遅角側へオフセットされるという違いが見られる。
第2ピーク値から更に点火動作が進行すると、ピストンPtは、上死点TDCを通過するに至る。このような場面において、火炎角は、燃焼室内の空間全域に到達し、燃焼室内では、当該燃焼に伴いラジカルなNOxが多量に形成されることとなる。このように、燃焼室内では、NOxの電離物質が増加してゆく為、イオン電流が流れる環境が整えられることとなる。第3ピーク値Cの近傍の波形Cは、このようなプロセスでNOxの電離物質が増加した時に検出されるものと考えられている。
ここで、本実施の形態に係る排気ガス再循環制御装置ECUによると、特定クランク角CA(X%)を算出させるために割合値RATEthを適宜に設定するとされている。例えば、この割合値RATEthが10%程度に設定される場合、特定クランク角CA(10%)には、初期燃焼時の情報が組み込まれることとなる。また、割合値RATEthが80%程度に設定される場合、特定クランク角CA(80%)には、初期燃焼時の情報の他、第3ピーク値Ip3の前後周辺の波形Cに係る情報が追加されることとなる。
かかる如く、特定クランク角CA(X%)は、割合値RATEthを適宜に設定することで、内部EGR量の程度,EGR量全体の程度といった物理的意味が含まれることとなる。従って、内部EGRの制御割合が多い場合には、パラメータを特定クランク角CA(10%)〜CA(30%)程度に設定し、即ち、初期燃焼に係る特定クランク角をパラメータとすることで、吸排気バルブの好適な制御が期待できる。また、外部EGRの制御割合が多い場合には、パラメータを特定クランク角CA(70%)〜CA(90%)程度に設定し、即ち、燃焼時全体に亘る火炎核の成長速度に着目することで、再循環バルブの好適な制御が期待できる。
このように、本実施の形態に係る排気ガス再循環制御装置ECUによると、所定の物理現象に着目して特定クランク角CA(X%)を設定することも可能となるので、EGRの制御機構・制御モードに応じて適切なパラメータを個別的に作成することができる。このため、当該排気ガス再循環制御装置ECUでは、かかる適切なパラメータが採用されることで、最適EGR量RWth(燃焼ボトム値)とされる条件の特定、及び、当該条件に追従させるEGR制御が、より正確に行われることとなる。
尚、本実施の形態に係るパラメータは、所定の物理現象に着目して作成し、併せて、当該パラメータの相関関係に起因する制御性が考慮されていると尚良い。また、当該パラメータについて、何れの性質を優先させるかは、EGR量の制御機構、適合化等に基づいて適宜解決すれば良い。
以下、実施の形態に係る排気ガス再循環制御装置ECUの改変例について説明する。図8は、本実施例に係るEGR制御プログラム200のフローチャートが示されている。尚、便宜上、実施の形態で既に説明された同一処理部については、同一符号を付し、其の説明を省略することとする。
図示の如く、EGR制御プログラム200が起動されると、ウィンドウ設定処理S110,波形データ記憶処理S120,第1の積算処理S130の流れで処理が進み、最初の割合特定処理S210が実行される。本実施例に係る処理S210では、割合値RATEthを10%に設定し、次の処理S220では、波形データDwの積算処理をD1から開始させ、割合値RATEth(10%)に到達した時点でのクランク角(特定クランク角)を、クランク角参照マップから抽出する(図9a参照)。尚、本処理では、ADタイミングt2にて特定クランク角が到来したものとする。
その後、次の割合特定処理S230が実行される。当該処理S230では、割合値RATEthを30%に設定し、処理S240では、波形データDwの積算処理をD1から開始させ、特定クランク角CA(30%)をクランク角参照マップから抽出する(図9b参照)。尚、本処理では、ADタイミングt3にて特定クランク角が到来したものとする。このように、本実施例では、割合値を異なる複数種類の値に設定し、特定クランク角算定処理では、当該複数の割合値に対応させて特定クランク角が各々算出されることとなる。
かかる後、合成演算処理S250が実行される。当該処理S250では、先に算出した特定クランク角CA(10%)及びCA(30%)を加算処理させ、新たなパラメータPm2が算出される(図9c参照)。尚、本実施例では、特定クランク角を合成させるにあたって、加算処理が用いられているが、これに限らず、異なる特定クランク角を減算処理,乗算処理,除算処理させても良い。
図9(c)に示す如く、本実施例では、特定クランク角の加算演算によってパラメータPm2が算出される。パラメータPm2は、割合値RATEthが10%〜30%に設定されるので、初期燃焼の情報が含まれることとなる。また、当該パラメータPm2は、割合値RATEth(10%)迄の物理的情報が強調されることとなる。
このように、図9(c)にて示されるパラメータPm2によると、初期燃焼の物理的情報が現される上、当該初期燃焼の前段の情報が強く現されることとなる。かかるパラメータPm2を用いる場合、排気ガス再循環制御装置ECUでは、吸排気バルブの挙動が詳細に解析され、これに基づいて、正確なEGR制御が実現される。
以下、図10を参照し、本実施例で算出されたパラメータPm2による制御性について検討する。尚、同図には、先に説明された特定クランク角CA(10%)とEGR量の相関関係L(10%)、特定クランク角CA(30%)とEGR量の相関関係L(30%)、パラメータPm2とEGR量の相関関係L(Pm2)、について各々示されている。
区間a−bについて検討すると、先にも説明したように、各々の特定クランク角は、勾配が殆ど形成されないため制御性に不適とされる。これに対し、パラメータPm2に対応する相関関係L(Pm2)は、区間a−bの後段において、勾配が形成されているのが認められる。従って、当該区間a−bの後段については、パラメータPm2による制御性は改善されたことになる。
また、区間b−cについて検討すると、パラメータPm2に対応する相関関係L(Pm2)は、CA(10%),CA(30%)に対応する相関関係よりも勾配が大きくなり、制御性が改善されているのが認められる。このような傾向は、区間c−dについても同様に認められる。
かかる如く、本実施例に係るパラメータPm2は、各々の特定クランク角が単調増加傾向を示していれば、複数の特定クランク角が加算されることにより、当該パラメータPm2の勾配が増幅され、EGR量に係る制御性を向上させることとなる。従って、燃焼状態の現象に着目して特定クランク角を複数設定させるだけで、パラメータPm2は、EGR制御に係る制御性を向上させることとなる。
そして、かかるパラメータPm2,これに基づき作成された現EGR量参照マップを用いることにより、EGR制御プログラム200では、バルブ機構制御処理(S260〜S280)においてバルブ開度等が精度良く調節され、EGR量の制御が精度良く行われる。
尚、本実施例では、EGR制御に用いるパラメータを減算処理によって算出させても良い。例えば、図11に示されるEGR制御処理では、減算処理によって算出されたパラメータPm3が設定される。
具体的に説明すると、パラメータPm3を用いるEGR制御プログラムでは、特定クランク角(90%)を算出させ(図11a)、その後、特定クランク角CA(60%)を算出させる(図11b)。そして、合成演算処理S250では、Pm3=CA(90%)−CA(60%),の演算を実行させ、パラメータPm3の値を得る。かかるパラメータPm3は、図11(c)に示す如く、割合値RATEth60%〜90%に関する燃焼波形の情報が含まれる。このため、当該パラメータPm3は、内部EGRに関する情報が希薄化され、其の反面、外部EGRに関する情報が強調される。
また、図12に示されるEGR制御処理では、複数の演算処理によって算出されたパラメータPm4が設定される。具体的に説明すると、パラメータPm4を用いるEGR制御プログラムでは、特定クランク角(40%)、特定クランク角(60%)、及び、特定クランク角(90%)、を算出させる(図12a〜図12c)。そして、合成演算処理S250では、Pm4=CA(90%)−CA(60%)+CA(40%),の演算を実行させ、パラメータPm4の値を得る。かかるパラメータPm4は、図12(d)に示す如く、初期燃焼に係る情報と、クランク角CAが60%〜90%に関する燃焼波形の情報とが強調されることとなる。従って、かかるパラメータPm4は、内部EGR及び外部EGRの双方を好適に制御させたい場面で好適である。
尚、EGR量との相関関係についても、これらのパラメータPm3,Pm4を幾分調整することで、EGR量の制御性を向上させることが可能である。例えば、パラメータPm3では、第2項〔クランク角CA(60%)〕に係る割合値RATEthを幾分低く設定しなおすことで、当該パラメータとEGR量との相関関係を改善させることが可能である。また、パラメータPm4では、第3項〔クランク角CA(40%)〕に係る割合値RATEthを幾分大きく設定しなおすことで、当該パラメータとEGR量との相関関係を改善できる。
実施の形態,実施例1では、EGR制御に用いるパラメータの算出方法の一例について述べたが、当該パラメータの算出手法は、これに限定されるものではない。以下、当該算出方法のバリエーションについて説明する。
尚、以下紹介するパラメータを用いる場合にも、現EGR量参照マップは、解析に用いるパラメータとEGR量との相関関係が記録されることとなる。例えば、補正係数を加味したパラメータPm5が用いられる場合、このときの現EGR量参照マップは、先に説明したパラメータ(例えば、Pm1)の代わりにパラメータPm5へと置き換えられる。これにより、パラメータPm5を用いたEGR制御プログラムでは、パラメータPm5に基づいて、適正なEGR量を特定することが可能となる。
(パラメータPm5/補正係数)
補正係数を採り入れたパラメータPm5は、Pm5=K・CA(X%),といったように、特定クランク角CA(X%)へ定数Kを乗算させて算出される。パラメータPm5は、補正係数Kが「1以上」であれば、当該パラメータとEGR量との相関関係が改善される。尚、ここで用いられる定数Kは、整数であるか否かを問うものではない。
(パラメータPm6/冪乗演算)
冪乗演算を採り入れたパラメータPm6は、Pm6=CA(X%)・CA(X%),といったように、同一の特定クランク角CA(X%)同士を複数回乗算させて算出される。この場合、パラメータPm6は、燃焼が進行した場面での物理情報を強調させる。
(パラメータPm7,Pm8/多項式関数)
多項式関数を採り入れたパラメータは、例えば、Pm7=α・CA(X%)・CA(X%)+β・CA(X%)+γ、又は、Pm8=α・CA(X%)+β・CA(Y%)+γ・CA(Z%),といったように算出される。かかるパラメータPm7,Pm8は、物理的に有意な特定クランク角が各々設定され、併せて、当該パラメータとEGR量との相関関係を好適化させるよう定数α〜γが設定される。
(パラメータPm9/統計的演算)
統計的演算を採り入れたパラメータPm9は、現パラメータ,前回のパラメータ,前々回のパラメータといったように、過去に算出されたパラメータを合成させて算出される。平均値によって算出されるパラメータPm9について説明すると、パラメータPm9の算出にあたっては、現在算出された特定クランク角と、過去に演算された特定クランク角の数点とが解析に必要な事象の集合とされる。パラメータPm9は、当該集合について平均値Pm(ave)を算出させる。そして、これによるEGR制御プログラムでは、当該平均値に係る参照マップを用いて、EGR量の制御が行われる。尚、統計的演算には、平均値によるものの他、標準偏差,変動率(標準偏差/平均),相加・相乗平均、荷重平均,及び、これらの適宜な組合せによって算出されるものを含む。当然のことながら、統計的演算を採り入れたパラメータPm9では、かかる統計値が適宜に用いられ、これを構成する特定クランク角は、物理現象に着目して有意に決定される。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記された技術的思想の範囲内において、種々の変更が可能である。例えば、上述した内燃機関は、外部EGRを制御する再循環バルブと内部EGRを制御するVVT機構とが組み込まれているが、これらのうち一方の機構のみを具備する内燃機関であっても、本発明による効果は十分に奏される。仮に、VVTのみを具備する内燃機関とされる場合、初期燃焼の情報を反映させたパラメータを作成することで、吸排気バルブのバルブ調節が燃焼状態に対応したものとなり、内部EGR量が好適に制御される。また、外部EGR用の再循環バルブのみによるEGR制御の場合、イオン電流の第3ピーク値近傍の情報をパラメータに与えることで、再循環バルブのバルブ調節が燃焼状態に対応したものとなり、外部EGR量が好適に制御される。
1 内燃機関の燃焼制御システム, A 内燃機関, Sd 燃焼室, Pi 吸気通路, Vi 吸気バルブ, Po 排気通路, Vo 排気バルブ, ECU 内燃機関の排気ガス再循環制御装置, CNT 信号処理部, Iion イオン電流, D1〜Dn 検出信号, Dw 波形データ, Sw 総積分値, RATEth 割合値, CA(X%) 特定クランク角, 110 ウィンドウ設定処理, 120 波形データ記憶処理, 130 第1の積分演算処理, 140 割合特定処理, 150 クランク角算定処理,160〜180 バルブ機構制御処理,

Claims (12)

  1. 内燃機関の燃焼室及び吸気通路の連通部に設けられた吸気バルブと、前記燃焼室及び排気通路の連通部に設けられた排気バルブと、前記吸気バルブ及び前記排気バルブのバルブタイミングを変更自在に各々開閉動作させ前記燃焼室に残存する内部EGR量を調整する吸排気バルブ機構と、混合ガスの燃焼状態を示すイオン電流を検出するイオン電流検出回路とを具備する機構に設けられ、
    信号処理部及び所定の制御プログラムが協働して、前記イオン電流検出回路の検出信号を解析し、前記吸排気バルブ機構の制御信号を生成する内燃機関の排気ガス再循環制御装置であって、
    前記信号処理部は、
    前記検出信号のうち放電ノイズ終了後の主燃焼が発生する区間に対応させて波形データを記憶するためのウィンドウ区間を設定するウィンドウ設定処理と、
    前記ウィンドウ区間について所定タイミング毎に前記検出信号の値を記憶する処理を繰返し前記ウィンドウ区間に現われる前記波形データを記憶する波形データ記憶処理と、
    前記波形データの各値を積算させて当該波形データの総積算値を算出する第1の積算処理と、
    前記総積算値に対する割合値を前記内燃機関の運転状態に応じて特定する割合特定処理と、
    前記割合値に到達する時点の特定クランク角を算定するクランク角算定処理と、
    前記特定クランク角を用いたパラメータに基づいて前記内部EGR量を調整するバルブ機構制御処理と、を実行させることを特徴とする内燃機関の排気ガス再循環制御装置。
  2. 内燃機関の燃焼室及び吸気通路の連通部に設けられた吸気バルブと、前記燃焼室及び排気通路の連通部に設けられた排気バルブと、前記排気通路及び前記吸気通路を連通させる帰還通路に設けられた再循環弁を有し前記再循環弁を駆動させて外部EGR量を調整させる排気ガス再循環機構と、混合ガスの燃焼状態を示すイオン電流を検出するイオン電流検出回路とを具備する機構に設けられ、
    信号処理部及び所定の制御プログラムが協働して、前記イオン電流検出回路の検出信号を解析し、前記再循環弁の制御信号を生成する内燃機関の排気ガス再循環制御装置であって、
    前記信号処理部は、
    前記検出信号のうち放電ノイズ終了後の主燃焼が発生する区間に対応させて波形データを記憶するためのウィンドウ区間を設定するウィンドウ設定処理と、
    前記ウィンドウ区間について所定タイミング毎に前記検出信号の値を記憶する処理を繰返し前記ウィンドウ区間に現われる前記波形データを記憶する波形データ記憶処理と、
    前記波形データの各値を積算させて当該波形データの総積算値を算出する第1の積算処理と、
    前記総積算値に対する割合値を前記内燃機関の運転状態に応じて特定する割合特定処理と、
    前記割合値に到達する時点の特定クランク角を算定するクランク角算定処理と、
    前記特定クランク角を用いたパラメータに基づいて前記外部EGR量を調整するバルブ機構制御処理と、を実行させることを特徴とする内燃機関の排気ガス再循環制御装置。
  3. 内燃機関の燃焼室及び吸気通路の連通部に設けられた吸気バルブと、前記燃焼室及び排気通路の連通部に設けられた排気バルブと、前記吸気バルブ及び前記排気バルブのバルブタイミングを変更自在に各々開閉動作させ前記燃焼室に残存する内部EGR量を調整する吸排気バルブ機構と、前記排気通路及び前記吸気通路を連通させる帰還通路に設けられた再循環弁を有し前記再循環弁を駆動させて外部EGR量を調整させる排気ガス再循環機構と、混合ガスの燃焼状態を示すイオン電流を検出するイオン電流検出回路とを具備する機構に設けられ、
    信号処理部及び所定の制御プログラムが協働して、前記イオン電流検出回路の検出信号を解析し、前記吸排気バルブ機構の制御信号及び前記再循環弁の制御信号の各々を生成する内燃機関の排気ガス再循環制御装置であって、
    前記信号処理部は、
    前記検出信号のうち放電ノイズ終了後の主燃焼が発生する区間に対応させて波形データを記憶するためのウィンドウ区間を設定するウィンドウ設定処理と、
    前記ウィンドウ区間について所定タイミング毎に前記検出信号の値を記憶する処理を繰返し前記ウィンドウ区間に現われる前記波形データを記憶する波形データ記憶処理と、
    前記波形データの各値を積算させて当該波形データの総積算値を算出する第1の積算処理と、
    前記総積算値に対する割合値を前記内燃機関の運転状態に応じて特定する割合特定処理と、
    前記割合値に到達する時点の特定クランク角を算定するクランク角算定処理と、
    前記特定クランク角を用いたパラメータに基づいて前記内部EGR量及び/又は前記外部EGR量を調整するバルブ機構制御処理と、を実行させることを特徴とする内燃機関の排気ガス再循環制御装置。
  4. 前記波形データ記憶処理は、
    前記検出信号を検出したタイミングと当該検出信号に対応するクランク角とを関連付けてクランク角参照マップを作成し、
    前記クランク角算定処理は、
    前記波形データの一部分を積算させた部分積算値の算出を開始する第2の積算処理と、
    前記部分積算値と前記総積算値との比である積算値比を算出する積算値比演算処理と、
    前記積算値比が前記割合値に略到達する時刻に基づいて前記クランク角参照マップから前記特定クランク角を参照するクランク角参照処理と、を実行させることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の内燃機関用の排気ガス再循環制御装置。
  5. 前記パラメータは、前記特定クランク角そのものによって成ることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の内燃機関用の排気ガス再循環制御装置。
  6. 前記パラメータは、前記特定クランク角の冪乗値から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の内燃機関用の排気ガス再循環制御装置。
  7. 前記パラメータは、前記特定クランク角に基づく統計的演算値から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の内燃機関用の排気ガス再循環制御装置。
  8. 前記割合特定処理は、前記割合値を異なる複数種類の値に設定し、前記特定クランク角算定処理は、当該複数の割合値に対応させて前記特定クランク角を各々算定するものであって、
    前記パラメータは、加算,減算,乗算,又は除算のうち少なくとも一つの算術処理によって、複数の特定クランク角が合成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の内燃機関用の排気ガス再循環制御装置。
  9. 前記パラメータは、前記特定クランク角を用いた多項式関数によって規定されることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の内燃機関用の排気ガス再循環制御装置。
  10. 前記パラメータは、当該パラメータを構成する何れかの項に補正係数が与えられていることを特徴とする請求項5乃至請求項9に記載の内燃機関用の排気ガス再循環制御装置。
  11. 前記信号処理部を構成するメモリ回路は、
    前記内部EGR量及び/又は前記外部EGR量によって成るEGR量と前記パラメータとの相関関係を記録させた現EGR量参照マップと、
    前記内燃機関の運転状態と前記EGR量の最適値とされる適正EGR量との対応関係を記録した適性EGR量参照マップと、
    が記録されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10に記載の内燃機関の排気ガス再循環制御装置。
  12. 前記バルブ機構制御処理は、
    前記現EGR量参照マップを参照し、現在のEGR量を前記メモリ回路から抽出する現EGR量参照処理と、
    前記適正EGR量参照マップを参照し、前記適正EGR量を前記メモリ回路から抽出する適正EGR量参照処理と、
    前記適正EGR量と前記現在のEGR量とを比較させる制御偏差検出処理と、
    前記現在のEGR量から前記適性EGR量へ近づけるよう前記制御信号を出力させる制御信号出力処理と、
    を実行させることを特徴とする請求項11に記載の内燃機関用の排気ガス再循環制御装置。
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