JP5565211B2 - インクジェット記録用処理液及び該処理液を用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像品質を向上させるためのインクジェット記録用処理液、該処理液を用いたインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、普通紙へのカラー画像の記録が可能であり、しかもランニングコストが低いなどの理由から、近年、急速に普及してきている。しかし、この方法は、インクジェット用インク(以下、単にインクということもある)と記録媒体との組み合わせによっては文字滲み(フェザリング)に代表される画像欠陥が発生しやすく、画像品質が大きく低下するという問題を有する。
そこでインクの浸透性を抑えることによりフェザリングを抑制する試みがなされているが、この場合、インクの乾燥性が悪くなり、記録物に触れるとインクが手に付いたり、画像汚れが生じるという不具合がある。
また、インクジェット記録方法によりカラー画像を記録する場合には、色の異なるインクが次々と重ねられるため、色境界部分でカラーインクが滲んだり、混ざり合いが発生し(カラーブリード)、画像品質が大きく低下するという問題がある。カラーブリードについては、インクの浸透性を高めることにより抑制する試みがなされているが、この場合、着色剤が記録媒体の内部に入り込んでしまうために画像濃度が低下するし、記録媒体裏側へのインクの浸み出しが多くなり両面印刷が良好に行えなくなるという不具合がある。
そこでこれらの問題を同時に解決して画像品質を高めるため、処理液とインクを用いた画像形成方法が提案されているが、この方法では処理液を用いたことにより画像の乾燥性やスミヤが悪くなるため、定着性樹脂を添加したり浸透性を高めたりして、画質の向上と定着性のバランスをとっている。しかし記録媒体の吸収性の差によって付着量が異なるため、画像品質にバラツキが生じてしまうという問題がある。
これらの問題を解決するため種々の方法が提案されているが(特許文献1〜3参照)、それぞれに問題があり、十分な解決策にはなっていない。
また、カチオン性基含有材料を含む処理液を用いることも知られており、例えば、カチオン性高分子化合物と有機酸の組合せにより、画像濃度向上とスミヤ定着性を向上させる方法(特許文献4参照)、カチオン性高分子化合物を含有した高粘度の処理液を塗布することにより画像濃度を向上させる方法(特許文献5参照)、処理液に両性の高分子化合物を含有させ、両性の高分子化合物の等電点とインクのpHとの差により画像濃度を向上させる方法(特許文献6)などが挙げられる。
しかし、これらの公知技術は、塗工層を持たない普通紙に対する画像濃度向上効果が十分でないか、あるいは画像濃度向上効果はあってもオフセット性が悪い等の問題がある。
本発明は、普通紙に対し、高品位の画像形成が可能であり、オフセット性に優れた高速出力可能なインクジェット記録用処理液及び該処理液を用いたインクジェット記録方法の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜7)の発明によって解決される。
1) 水溶性凝集剤、水溶性有機溶剤、水溶性両性高分子化合物及び水を含有する処理液であって、該水溶性両性高分子化合物が、(A)第4級アンモニウム基を有するカチオン性構成単位、(B)アニオン性構成単位、(C)ノニオン性構成単位を有し、(A)〜(C)の合計量を100モル%として、(A)が10〜70モル%、(B)が10〜50モル%、(C)が20〜55モル%の割合であることを特徴とするインクジェット記録用処理液。
2) 前記(A)第4級アンモニウム基を有するカチオン性構成単位が下記一般式(I)で示されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用処理液。
Figure 0005565211
上記式中、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3及びR4は、各々、アルキル基又はアラルキル基を示し、nは1〜4の整数を示し、Xはアニオンを示す。
3) 前記(B)アニオン性構成単位が下記一般式(II)で示されることを特徴とする1)又は2)に記載のインクジェット記録用処理液。
Figure 0005565211
上記式中、R5は水素原子又はメチル基、Mは水素原子、又はアルカリ金属イオンを示す。
4) 前記(C)ノニオン性構成単位が下記一般式(III)(IV)(V)のいずれかで示されることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載のインクジェット記録用処理液。
Figure 0005565211
上記式中、R6は水素原子又はメチル基、R7及びR8は、各々水素原子又はアルキル基を示す。
Figure 0005565211
上記式中、R9は水素原子又はメチル基を示す。
Figure 0005565211
上記式中、R10は水素原子又はメチル基を示し、R11はアルキル基を示す。
5) 記録媒体上に1)〜4)のいずれかに記載の処理液を塗布した後、インクを吐出して画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明によれば、普通紙に対し、高品位の画像形成が可能であり、オフセット性に優れた高速出力可能なインクジェット記録用処理液及び該処理液を用いたインクジェット記録方法を提供できる。特に、少ない凝集剤量で画像濃度向上とオフセット性を両立できる。
インクジェット記録用処理液を用い、かつ、インクジェット記録用ヘッドを走査して画像形成するタイプの記録装置の一例を示す図。 インクジェット記録用処理液を用い、かつ、インクジェット記録用ヘッドを走査して画像形成するタイプの記録装置の別の例を示す図。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明のインクジェット記録用処理液(以下、単に処理液ということもある)は、少なくとも水溶性凝集剤、水溶性有機溶剤、水溶性両性高分子化合物及び水を含有する。特に重要な材料が水溶性両性高分子化合物である。
<水溶性両性高分子化合物>
水溶性両性高分子化合物は、(A)第4級アンモニウム基を有するカチオン性構成単位、(B)アニオン性構成単位、(C)ノニオン性構成単位を含有するものであって、各構成単位を形成するモノマーを共重合させることにより製造することができる。
上記(A)カチオン性構成単位としては、例えば、下記一般式(I)で示されるものが挙げられる。このカチオン性単位には、それらの付加塩も含むものとする。付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などを例示することができる。
Figure 0005565211
一般式(I)において、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3及びR4は、各々、アルキル基又はアラルキル基を示し、nは1〜4の整数を示し、Xは、ハロゲンイオン、メチル硫酸イオンなどのアニオンを示す。
ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などの低級アルキル基が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基が挙げられる。
例えば、一般式(I)の構成単位を有するモノマーとしては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジプロピルアミノエチルアクリレート、ジプロピルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリレート、ジプロピルアミノプロピルアクリレート、ジプロピルアミノプロピルメクリレート、ジアルキルエチルアクリレート、ジアルキルエチルメタクリレート、ジアルキルプロピルアクリレート、ジアルキルプロピルメタクリレートなどとハロゲン化アルキルとの第4級アンモニウム塩などが挙げられる。該ハロゲン化アルキルとしては、例えば、塩化メチル、塩化エチル、ヨウ化メチル、ヨウ化プロピル、臭化メチル、臭化プロピル、ベンジルクロリドなどが挙げられる。
上記(B)アニオン性構成単位としては、例えば、下記一般式(II)のものが挙げられる。
Figure 0005565211
上記式中、R5は水素原子又はメチル基、Mは水素原子、又はアルカリ金属イオンを示す。
アルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンが挙げられる。
一般式(II)の化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのビニル基を有するカルボン酸及びその塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのアニオン性モノマーは1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いて良い。
上記(C)ノニオン性構成単位としては、前記カチオン性構成単位を形成するカチオン性モノマー及びアニオン性構成単位を形成するアニオン性モノマーと共重合可能なノニオン性モノマーから形成されるものであればよく、特に制限は無いが、例えば、下記一般式(III)、(IV)、(V)のものが挙げられる。
Figure 0005565211
上記式中、R6は水素原子又はメチル基、R7及びR8は、各々水素原子又はアルキル基を示す。
Figure 0005565211
上記式中、R9は水素原子又はメチル基を示す。
Figure 0005565211
上記式中、R10は水素原子又はメチル基を示し、R11はアルキル基を示す。
上記一般式(III)〜(V)の構成単位を形成するノニオン性モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、などのビニル基含有アミド類、アクリルニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類、酢酸ビニルなどのカルボン酸のビニルエステル類、酢酸ビニルなどのカルボン酸のビニルエステル類、スチレンなどの芳香族ビニル化合物などが挙げられる。
水溶性両性高分子化合物の製造方法については特に制限は無く、通常の溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などの何れの方法も用いることができる。
例えば、水性媒体中において、前記カチオン性モノマーの少なくとも1種、アニオン性モノマーの少なくとも1種、及びノニオン性モノマーの少なくとも1種を、重合開始剤の存在下、10〜100℃、好ましくは25〜70℃の温度範囲で、10〜120時間程度、好ましくは24〜96時間共重合させることにより製造することができる。
この反応において使用される水性媒体としては、例えば、水、無機塩水溶液(塩酸、硫酸、リン酸などの塩の水溶液)、有機酸水溶液、無機酸塩水溶液(塩化ナトリウム、塩化亜鉛、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどの水溶液)が挙げられる。
また、重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸素水素、tert−ブチルヒドロパーオキシドなどの過酸化物、これらの過酸化物と金属イオン、アスコルビン酸などの還元剤との組合せからなるレドックス開始剤、2,2'−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物などが挙げられる。
この共重合反応は、大気圧化において、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で行うのが好ましい。本発明においては、この水溶性の両性高分子化合物は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。
水溶液重合においては、重合開始剤として、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)の塩酸塩などを用い、通常の重合条件で、所定の割合の各モノマーを重合させればよい。
本発明の処理液は、前記(A)(B)(C)の各構成単位を形成するモノマーを共重合させた水溶性両性高分子化合物を含有することにより、記録媒体上において凝集剤が記録媒体の内部深くまで浸透せず、記録媒体の表面近傍に留まるようにする効果が高くなるため、該水溶性両性高分子化合物を含有しない場合と比較して、凝集剤の量を少なくしても画像濃度が向上する。また液付与量を少なくできるので記録媒体のコックリングが生じ難い。更にローラによる塗布時、処理液に圧力が掛かる状態での粘度が低く、記録媒体上で高粘度となるため、ローラによる薄膜塗布が可能であり、記録媒体の吸水性によらず同じ塗布量での塗布が可能となる。また、カチオンとアニオンを同時に有するため記録媒体表面で引力と反発力が同時に発現することにより、カチオン性の高分子化合物と比較して、分子間に適度な隙間ができるため、インクの溶剤成分が早く浸透する効果が期待できる。
処理液中の水溶性両性高分子化合物の含有量は、0.05〜1wt%の範囲が好ましい。0.05wt%以上であれば、十分な画像濃度向上効果が得られる。また、1wt%以下であれば、処理液の粘度が高くなりすぎるようなことはなく、容易に記録媒体に塗布することができる。
<水溶性有機溶剤>
水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。水溶性有機溶剤は、処理液の水分が蒸発して平衡状態に達した場合にも、水溶性有機溶剤が多量の水分を保持することにより、処理液に流動性を付与する。したがって、平衡水分量の高い水溶性有機溶剤を用いることにより、処理液の極端な粘度上昇を抑えることができる。
ここで平衡水分量の高い水溶性有機溶剤とは、温度23℃、湿度80%環境中の平衡水分量が30wt%以上、好ましくは40wt%以上である水溶性有機溶剤を言う(以後、水溶性有機溶剤Aと言う)。このような水溶性有機溶剤Aを用いることにより、インクの水分が蒸発して水分平衡に達した場合においても、水溶性有機溶剤Aが多量の水分を保持して粘度上昇を防ぐことができる。なお、平衡水分量とは、水溶性有機溶剤と水との混合物を一定温度、湿度の空気中に開放して、溶液中の水の蒸発と空気中の水の溶液への吸収が平衡状態になったときの水分量を言う。具体的には、平衡水分量は、塩化カリウム飽和水溶液を用いデシケーター内の温湿度を温度23±1℃、湿度80±3%に保ち、このデシケーター内に各水溶性有機溶剤を1gずつ秤量したシャーレを質量変化がなくなるまでの期間保管し、次の式により求めることができる。
Figure 0005565211
好適に用いられる水溶性有機溶剤Aとしては、温度23℃、湿度80%環境中の平衡水分量が30wt%以上の多価アルコール類が挙げられる。その具体例としては、1,3−ブタンジオール(bp203−204℃、35wt%)、ジエチレングリコール(bp245℃、43wt%)、トリエチレングリコール(bp285℃、39wt%)、テトラエチレングリコール(bp324−330℃、37wt%)、グリセリン(bp290℃、49wt%)、ジグリセリン(bp270℃/20hPa、38wt%)、1,2,3−ブタントリオール(bp175℃/33hPa、38wt%)、1,2,4−ブタントリオール(bp190−191℃/24hPa、41wt%)等が挙げられる。
これらの中でも、グリセリン、1,3−ブタンジオールは水分を含んだ場合に低粘度化することや顔料分散体が凝集せず安定に保てるなどの理由により特に好適に用いられる。
水溶性有機溶剤Aを水溶性有機溶剤全体の50wt%以上用いた場合、吐出安定性確保やインク吐出装置の維持装置での廃インク固着防止に優れるため好ましい。
本発明の処理液は、必要に応じて水溶性有機溶剤Aの一部に代えて、又は水溶性有機溶剤Aに加えて、23℃、80%での平衡水分量が30wt%未満の水溶性有機溶剤(以後、水溶性有機溶剤Bと言う)を併用することができる。
このような水溶性有機溶剤Bとしては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他の水溶性有機溶剤などが挙げられる。
水溶性有機溶剤Bの多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール(bp196−198℃)、ポリエチレングリコール(粘調液体〜固体)、プロピレングリコール(bp187℃)、ジプロピレングリコール(bp232℃)、トリプロピレングリコール(bp267℃)、ポリプロピレングリコール(bp187℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(bp203℃)、1,5−ペンタンジオール(bp242℃)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(bp197℃)、ヘキシレングリコール(bp197℃)、1,6−ヘキサンジオール(bp253−260℃)、1,2,6−ヘキサントリオール(bp178℃)、トリメチロールエタン(固体、mp199−201℃)、トリメチロールプロパン(固体、mp61℃)などが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル(bp135℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(bp171℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(bp194℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(bp197℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(bp231℃)、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(bp229℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(bp132℃)などが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル(bp237℃)、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン(bp250℃、mp25.5℃、47−48wt%)、N−メチル−2−ピロリドン(bp202℃)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(bp226℃)、ε−カプロラクタム(bp270℃)、γ−ブチロラクトン(bp204−205℃)などが挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド(bp210℃)、N−メチルホルムアミド(bp199−201℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(bp153℃)、N,N−ジエチルホルムアミド(bp176−177℃)などが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン(bp170℃)、ジエタノールアミン(bp268℃)、トリエタノールアミン(bp360℃)、N,N−ジメチルモノエタノールアミン(bp139℃)、N−メチルジエタノールアミン(bp243℃)、N−メチルエタノールアミン(bp159℃)、N−フェニルエタノールアミン(bp282−287℃)、3−アミノプロピルジエチルアミン(bp169℃)などが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド(bp139℃)、スルホラン(bp285℃)、チオジグリコール(bp282℃)などが挙げられる。
その他の固体水溶性有機溶剤としては、糖類などが好ましい。
糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類、などが挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖{例えば、糖アルコール〔一般式:HOCH(CHOH)CHOH(ただし、nは2〜5の整数を表す)で表わされる。〕}、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
水溶性有機溶剤剤の処理液中における含有量は特に限定されないが、通常、10〜80質量%、好ましくは15〜60質量%である。80質量%より多いと、水溶性有機溶剤の種類によっては処理後の記録媒体上で乾燥不良の可能性があり、10質量%より少ないと処理塗布工程等で水分蒸発が生じ、処理液の組成が大きく変わってしまう可能性がある。
<水溶性凝集剤>
処理液に水溶性凝集剤を添加すると、顔料が記録媒体表面に留まりやすくなり、塩析効果が向上するために画像濃度が増加する。
本発明の処理液に用いる水溶性凝集剤としては、水溶性脂肪族有機酸化合物又は水溶性無機金属塩が好ましい。
水溶性脂肪族有機酸化合物としては、例えば、L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸ナトリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カルシウム、琥珀酸、琥珀酸ナトリウム、琥珀酸二ナトリウム、琥珀酸二アンモニウム、クエン酸、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸アルミニウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸二アンモニウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三アンモニウム、乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸アンモニウム、乳酸カルシウム、乳酸マグネシウム、乳酸亜鉛、乳酸アルミニウム、酒石酸、酒石酸カリウム、酒石酸カルシウム、DL−酒石酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム等が挙げられる。
水溶性無機金属塩としては、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マンガン、硫酸ニッケル、硫酸鉄(II)、硫酸銅(II)、硫酸亜鉛、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硝酸コバルト、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸銅(II)、硝酸ニッケル(II)、硝酸鉛(II)、硝酸マンガン(II)、塩化ニッケル(II)、塩化カルシウム、塩化スズ(II)、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。
水溶性脂肪族有機酸化合物又は水溶性無機金属塩の添加量は、処理液全体の0.1〜30質量%が好ましく、更に好ましくは1〜20質量%である。30質量%より大きい場合には、水溶性脂肪族有機酸化合物が十分に溶解せずに析出することがあり、0.1質量%より小さい場合には画像濃度向上効果が小さくなることがある。
<界面活性剤>
本発明の処理液には通常、界面活性剤を添加するが、水溶性凝集剤と水溶性有機溶剤の組み合わせに応じて、保存安定性が良く、表面張力が低く、浸透性、レベリング性の高いものを選択することが好ましく、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種が好適である。これらの中でも、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤が特に好ましい。これら界面活性剤は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
界面活性剤の具体例としては、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも旭硝子社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431、FC−4430(いずれも住友スリーエム社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも大日本インク化学工業社製);ゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO(いずれもデュポン社製);エフトップEF−351、EF−352、EF−801、EF−802(いずれもジェムコ社製)、ソフタノールEP−7025(日本触媒社製)などが挙げられる。これらの中でも、信頼性と発色向上性が良好なゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSOが特に好適である。
界面活性剤の処理液における含有量は、0.01〜3.0質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。0.01質量%未満では、界面活性剤を添加した効果が無くなることがあり、3.0質量%を超えると、保存安定性に問題を生じる恐れがある。
<その他の成分>
本発明の処理液には、浸透剤として、炭素数8〜11の非湿潤剤性ポリオール又はグリコールエーテルを含有することが好ましい。中でも25℃の水中において0.2〜5.0質量%の溶解度を有するものが好ましく、特に、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0%(25℃)]が好ましい。
その他の非湿潤剤性ポリオールとしては、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールなどの脂肪族ジオールが挙げられる。
その他の併用可能な浸透剤としては、インク中に溶解し、所望の物性に調製できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル又はアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
浸透剤の処理液における含有量は、0.1〜5.0質量%が好ましい。含有量が0.1質量%未満であると、インクを浸透させる効果がなくなることがあり、5.0質量%を超えると、溶媒への溶解性が低い為に溶媒から分離して浸透性を向上させる効果が飽和してしまうことがある。
本発明の処理液には、必要に応じて後述するインクジェット用インクに用いられる防腐剤、防錆剤等を添加しても良い。
<インクジェット用インク>
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクは、水分散性着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤及び水を含有する。
―水分散性着色剤―
インクには、水分散性着色剤として、耐候性の面から主に顔料が用いられるが、耐候性を劣化させない範囲内で色調調製の目的で染料を含有しても構わない。顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、黒色用、或いはカラー用の無機顔料や有機顔料などが用いられる。これらは、1種を単独で用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローの他に、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、特に、水と親和性の良いものが好ましい。
より好ましく用いられる顔料の具体例としては、黒色用として、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属又は金属化合物類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、128、138、150、151、153、183、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2〔パーマネントレッド2B(Ca)〕、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等が挙げられる。
着色剤が顔料である場合には、以下の第1〜第2の形態が特に好ましい。
(1)第1形態:着色剤は、ポリマー微粒子に水不溶乃至水難溶性の色材を含有させたポリマーエマルジョン(色材を含有させたポリマー微粒子の水分散物)を含有する。
(2)第2形態:着色剤は、表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性を示す顔料(以下、「自己分散性顔料」と称することもある)を含有する。
なお、第2形態の場合は、後述する水分散性樹脂を含むことが好ましい。
前記第1形態におけるポリマー微粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンとは、ポリマー微粒子中に顔料を封入したもの、又はポリマー微粒子の表面に顔料を吸着させたものである。この場合、全ての顔料が封入又は吸着している必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲で該顔料がエマルジョン中に分散にしていてもよい。ポリマーエマルジョンを形成するポリマー(ポリマー微粒子を形成するポリマー)としてはビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、及びポリウレタン系ポリマー等が挙げられるが、特に好ましいのはビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーであり、特開2000−53897号公報、特開2001−139849号公報に開示されているポリマーを使用することができる。
前記第2形態における自己分散性顔料は、顔料の表面に少なくとも1種の親水基が直接又は他の原子団を介して結合するように表面改質されたものである。該表面改質は、顔料の表面に、ある特定の官能基(スルホン酸基やカルボキシル基等の官能基)を化学的に結合させるか、あるいは、次亜ハロゲン酸又はその塩の少なくともいずれかを用いて湿式酸化処理するなどの方法が用いられる。これらの中でも、顔料の表面にカルボキシル基が結合され、水中に分散している形態が特に好ましい。このように顔料が表面改質され、カルボキシル基が結合していると、分散安定性が向上するばかりではなく、高品位な印字品質が得られるとともに、印字後の記録媒体の耐水性がより向上する。
また、第2形態の自己分散性顔料を含有するインクは乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドノズル付近のインク水分が蒸発した場合も目詰まりを起こさず、簡単なクリーニング動作で容易に良好な印字が行なえる。
自己分散性顔料の体積平均粒径(D50)は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
自己分散性顔料としては、イオン性を有するものが好ましく、アニオン性親水基によりアニオン性に帯電したものが好適である。
前記アニオン性親水基としては、例えば、−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−SONH、−SONHCOR(ただし、Mは、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わす。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表わす)等が挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SOMがカラー顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。また、前記親水基中における「M」のアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。
前記アニオン性に帯電したカラー顔料を得る方法としては、カラー顔料表面に−COONaを導入する方法として、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化による方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられる。
前記親水基は、他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合されていてもよい。他の原子団としては、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基が挙げられる。上記した親水基が他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合する場合の具体例としては、例えば、−CCOOM(ただし、Mは、アルカリ金属、又は第4級アンモニウムを表わす)、−PhSOM(ただし、Phはフェニル基を表わす。Mは、アルカリ金属、又は第4級アンモニウムを表わす)等が挙げられる。
前記着色剤のインクにおける含有量は、固形分で2〜15質量%が好ましく、3〜12質量%がより好ましい。含有量が2質量%未満であると、インクの発色性及び画像濃度が低くなってしまうことがあり、15質量%を超えると、インクが増粘して吐出性が悪くなってしまうことがある。
―水溶性有機溶剤―
インクに用いられる水溶性有機溶剤としては、前記処理液の場合と同じ水溶性有機溶剤が好適に用いられる。
インクにおける水分散性着色剤と水溶性有機溶剤の質量比は、ヘッドからのインク吐出安定性に影響を与える。例えば、水分散性着色剤中の固形分が多いのに水溶性有機溶剤の含有量が少ないと、ノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み、吐出不良をもたらすことがある。したがって、水溶性有機溶剤のインク中における含有量は、20〜50質量%が好ましく、20〜45質量%がより好ましい。含有量が20質量%未満であると、吐出安定性が低下したり、インクジェット記録装置の維持装置で廃インク固着したりする可能性がある。また、50質量%を超えると、紙面上での乾燥性に劣り、更に普通紙上の文字品位が低下することがある。
―界面活性剤―
インクに用いられる界面活性剤としては、着色剤の種類や水溶性有機溶剤の組み合わせが変わっても分散安定性が損なわれず、表面張力が低く、浸透性、レベリング性の高いものが好ましく、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種が好適である。これらの中でも、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤が特に好ましい。これら界面活性剤は、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
インクに用いられる界面活性剤としては、前記処理液に用いられる界面活性剤が好適に用いられる。
界面活性剤のインクにおける含有量は、0.01〜3.0質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。含有量が0.01質量%未満であると、界面活性剤を添加した効果が無くなることがあり、3.0質量%を超えると、記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
―浸透剤―
インクに用いられる浸透剤としては、前記処理液に用いられる浸透剤が好適に用いられる。浸透剤のインクにおける含有量は0.1〜4.0質量%が好ましい。含有量が0.1質量%未満であると、速乾性が得られず滲んだ画像となることがあり、4.0質量%を超えると、着色剤の分散安定性が損なわれノズルが目詰まりしやすくなったり、記録媒体への浸透性が必要以上に高くなるなど、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
―水分散性樹脂―
インクには必要に応じて水分散性樹脂を含有させる。特に前述した第2形態の場合は含有させることが好ましい。
水分散性樹脂は、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えているので、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。
水分散性樹脂としては、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。
前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
これらの中でも、特にポリウレタン樹脂微粒子、アクリル−シリコーン樹脂微粒子及びフッ素系樹脂微粒子が好ましい。また、前記水分散性樹脂を2種類以上併用することは全く問題ない。
前記フッ素系樹脂としては、フルオロオレフィン単位を有するフッ素系樹脂微粒子が好ましく、これらの中でも、フルオロオレフィン単位及びビニルエーテル単位から構成されるフッ素含有ビニルエーテル系樹脂微粒子が特に好ましい。
前記フルオロオレフィン単位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、−CFCF−、−CFCF(CF)−、−CFCFCl−などが挙げられる。
前記ビニルエーテル単位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式で表わされる化合物などが挙げられる。
Figure 0005565211
前記フルオロオレフィン単位及びビニルエーテル単位から構成されるフッ素含有ビニルエーテル系樹脂微粒子としては、上記フルオロオレフィン単位とビニルエーテル単位が交互に共重合した交互共重合体が好ましい。
このようなフッ素系樹脂微粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業社製のフルオネートFEM−500、FEM−600、ディックガードF−52S、F−90、F−90M、F−90N,アクアフランTE−5A;旭硝子社製のルミフロンFE4300、FE4500、FE4400、アサヒガードAG−7105、AG−950、AG−7600、AG−7000、AG−1100などが挙げられる。
水分散性樹脂は、ホモポリマーでもコポリマーでもよく、単相構造型、コアシェル型、パワーフィード型エマルジョンのいずれのものも使用できる。
また、水分散性樹脂としては、樹脂自身が親水基を持ち自己分散性を有するもの、樹脂自身は分散性を持たず界面活性剤や親水基を持つ樹脂により分散性を付与したものが使用できる。これらの中でも、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂のアイオノマーや不飽和モノマーの乳化又は懸濁重合によって得られた樹脂粒子のエマルジョンが最適である。
不飽和モノマーの乳化重合の場合には、不飽和モノマー、重合開始剤、界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、及びpH調製剤などを添加した水中で反応させて樹脂エマルジョンを得るため、容易に水分散性樹脂を得ることができ、樹脂構成を容易に替えられるため目的の性質を作りやすい。
前記不飽和モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸類、単官能又は多官能の(メタ)アクリル酸エステルモノマー類、(メタ)アクリル酸アミドモノマー類、芳香族ビニルモノマー類、ビニルシアノ化合物モノマー類、ビニルモノマー類、アリル化合物モノマー類、オレフィンモノマー類、ジエンモノマー類、不飽和炭素を持つオリゴマー類などを単独で又は複数組み合わせて用いることができる。これらのモノマーを組み合わせることにより柔軟に性質を改質することができるし、オリゴマー型重合開始剤を用いて重合反応やグラフト反応を行なうことにより樹脂の特性を改質することもできる。
前記不飽和カルボン酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸等が挙げられる。
前記単官能の(メタ)アクリル酸エステルモノマー類としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−へキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
前記多官能の(メタ)アクリル酸エステルモノマー類としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2′−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アミドモノマー類としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
前記芳香族ビニルモノマー類としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
前記ビニルシアノ化合物モノマー類としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
前記ビニルモノマー類としては、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸又はその塩、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記アリル化合物モノマー類としては、例えば、アリルスルホン酸又はその塩、アリルアミン、アリルクロライド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
前記オレフィンモノマー類としては、例えば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
前記ジエンモノマー類としては、例えば、ブタジエン、クロロプレン等が挙げられる。
前記不飽和炭素を持つオリゴマー類としては、例えば、メタクリロイル基を持つスチレンオリゴマー、メタクリロイル基を持つスチレン−アクリロニトリルオリゴマー、メタクリロイル基を持つメチルメタクリレートオリゴマー、メタクリロイル基を持つジメチルシロキサンオリゴマー、アクリロイル基を持つポリエステルオリゴマー等が挙げられる。
水分散性樹脂は、強アルカリ性、強酸性下では分散破壊や加水分解などの分子鎖の断裂が引き起こされるため、pHは4〜12が好ましく、水分散性着色剤との混和性の点からpHは6〜11がより好ましく、7〜9が更に好ましい。
水分散性樹脂の平均子粒径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インク化したときに過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は50nm以上が好ましい。また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくても粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させる。そこで、インク吐出性を阻害させないためには平均粒子径(D50)は200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましい。
また、水分散性樹脂は、水分散性着色剤を紙面に定着させる働きを有するので、常温で被膜化して色材の定着性を向上させることができるものを用いることが好ましい。そこで水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は30℃以下であることが好ましい。しかし、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が−30℃以下、特に−40℃以下になると、樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。
水分散性樹脂のインクにおける含有量は、固形分で1〜15質量%が好ましく、2〜7質量%がより好ましい。
なお、インクの固形分含有量は、例えば、インク中から水分散性着色剤と水分散性樹脂分のみを分離する方法により測定することができる。また、水分散性着色剤として顔料を用いている場合には、熱質量分析により質量減少率を評価することで着色剤と水分散性樹脂との比率を測定できる。また、水分散性着色剤の分子構造が明らかな場合には、顔料や染料ではNMRを用いて着色剤の固形分量を定量することが可能であり、重金属原子、分子骨格に含まれる無機顔料、含金有機顔料、含金染料では蛍光X線分析を用いることで着色剤の固形分量を定量することが可能である。
―その他の成分―
インクには、前述した成分以外に、必要に応じてその他の成分を添加することができる。その他の成分としては、特に制限はなく、例えば、pH調製剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤などが挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
pHが7未満又は11を超えるとインクジェットヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。
前記ホスホニウム水酸化物としては、例えば、第4級ホスホニウム水酸化物が挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
―インクの製法―
インクは、水分散性着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤及び水、更に必要に応じて他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行なうことができる。また、通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行なうこともできる。
―インクの物性―
インクの物性には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、インクの25℃での粘度は5〜20mPa・sが好ましい。粘度を5mPa・s以上とすることによって、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。また、粘度を20mPa・s以下に抑えることにより、吐出性を確保することができる。なお、インク粘度は、例えば、粘度計(RE−550L、東機産業社製)を使用して25℃で測定することができる。
また、インクの静的表面張力は、25℃で20〜35mN/mが好ましく、20〜30mN/mがより好ましい。静的表面張力が前記範囲にあると、浸透性を高めるためブリーディングの低減に効果が高く、普通紙印字での乾燥性が良好となるし、処理層に濡れ易いので発色性が良く白ポチも改良される。静的表面張力が35mN/mを超えた場合には、被記録剤上のインクのレベリングが起こり難く、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
インクの色は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。これらの色のインクを2種以上併用したインクセットを使用して記録を行なうと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行なうと、フルカラー画像を形成することができる。
インクは、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることにより、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などのいずれのインクジェットヘッドを搭載するプリンタにも適用できる。また、例えば、印字時又は印字前後に記録媒体及びインクを50〜200℃で加熱し、印字定着を促進する機能を有するプリンタ等に適用することもできる。
<記録媒体>
本発明のインクジェット記録方法が適用される記録媒体としては、塗工層を持たない普通紙が好適であり、一般にコピー用紙として用いているサイズ度10S以上、透気度5〜50Sの普通紙が好ましい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の処理液を記録媒体に塗布する処理工程と、インクに刺激を印加し、前記処理液を塗布した記録媒体に、インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔工程とを有する。
―処理工程―
前記処理工程としては、記録媒体表面に処理液を均一に塗工できる塗工方法を用いればよく特に制限はない。このような塗工方法として、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
前記処理工程は、表面が充分乾燥した記録媒体に対して行っても、乾燥中の記録媒体に対して行っても効果を発揮する。なお、処理を施した記録媒体に対し、必要に応じて乾燥工程を設けることができる。この場合、ロールヒーター、ドラムヒーターや温風により記録媒体を乾燥することができる。
前記処理工程における処理液の記録媒体へのウエット付着量は、0.1〜30.0g/mの範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜10.0g/mである。付着量が0.1g/m未満では、画像品質(画像濃度、彩度、カラーブリード、文字滲み及び白ポチ)の向上が殆ど見られないことがあり、30.0g/mを超えると普通紙としての風合いが損なわれたり、カールが発生したりすることがある。
―インク飛翔工程―
前記インク飛翔工程は、インクに刺激(エネルギー)を印加し、処理液を塗布した記録媒体に、インクを飛翔させて記録媒体に画像を形成する工程である。インクを飛翔させて記録媒体に画像を形成する方法としては、公知のあらゆるインクジェット記録方法を適用できる。例えば、ヘッドを走査する方式のインクジェット記録方法や、ライン化されたヘッドを用いることにより、ある枚葉の記録媒体に画像記録を行うインクジェット記録方法が挙げられる。
インク飛翔工程におけるインク飛翔手段である記録ヘッドの駆動方式には特に限定はなく、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータ等を利用したオンディマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドで記録することもできる。熱エネルギーを作用させる方式では、液滴の噴射を自在に制御することは困難とされており、記録媒体種等による画像へのばらつきが大きくなりがちであるが、処理液を記録媒体に付与することによりこれらの課題が解消され、記録媒体種に依らず安定した高画質を得ることができる。
―装置―
本発明の処理液を記録媒体に付与した後、インクを用いて画像を形成する装置について、図1に具体例を示す。図1の装置は、インクジェット記録用ヘッドを走査して画像形成するタイプの記録装置である。
図1の処理液付与及びインクジェット記録装置において、記録媒体6は給紙ローラ7によって送り出され、付与ローラ4とカウンタローラ5によって処理液1が記録媒体6に均一に薄く付与される。処理液1は汲み上げローラ3によって汲み上げられ、膜厚制御ローラ2によって付与ローラ4に均一に付与される。処理液1を付与された記録媒体6はインクジェット記録ヘッド20のある記録走査部まで送られる。処理液付与動作終了部Aから記録走査開始部Bまでの用紙経路の長さは、記録媒体6の送り方向の長さより長く設定されているので、記録媒体6が記録走査開始部に到達した時点では処理液1の付与を完全に終了することができる。この場合、処理液1の付与は、インクジェット記録ヘッド20が印字のための走査を開始し、記録媒体6が間欠的に搬送される前に実施できるため、記録媒体6の搬送速度が一定の状態で連続的に付与でき、ムラのない均一な付与が可能となる。なお、図1の装置例では処理の必要な記録媒体6は下段のカセットから、必要がないか処理されては困る記録媒体17は上段のカセットから供給するようになっているため、記録媒体搬送経路を長く設けるのに好都合である。
図2に、図1とは別の具体例を示す。この装置も、インクジェット記録用ヘッドを走査して画像形成するタイプの記録装置である。図1の装置に比べて、コンパクトな装置構成とした例である。
記録媒体17は給紙ローラ18によって送り出され付与ローラ4とカウンタローラ5によって処理液1が記録媒体17に均一に薄く付与される。処理液1は汲み上げローラ3によって汲み上げられ、膜厚制御ローラ2によって付与ローラ4に均一に付与される。記録媒体17は処理液1を付与されながらインクジェット記録ヘッド20のある記録走査部を通過し、記録媒体17が処理液1の塗布を完了するまで送られ、記録媒体17が処理液1の付与を完了した時点で再び記録媒体先頭が記録走査開始位置に至るまで戻される。付与完了は、例えば、処理液付与装置の出口近傍に、公知の記録媒体検知手段(図示せず)を設けることにより検出することができる。この検知手段は必ずしも必要では無く、予め記録媒体17の長さの情報をコントローラにインプットし、モータの回転数を制御することにより、記録媒体17の搬送ローラの外周の送り量を記録媒体17の長さに対応するようなシステム構成としてもよい。
処理液1が付与された記録媒体17は、処理液1が乾燥固化する前に、再び記録走査位置に搬送されてくるが、この際には、インクジエット記録ヘッド20の走査とタイミングを合わせて間欠的に搬送される。記録媒体17を戻すとき送られてきた経路と同じ経路を戻すと記録媒体17の後端が処理液付与装置に逆進入することになり、塗りムラや汚れ、記録媒体ジャムなどの不具合が起こるが、記録媒体17を戻すときは記録媒体ガイド31で方向を切り替える。即ち、記録媒体17に処理液1を付与した後、記録媒体17を逆送する時には、記録媒体ガイド31をソレノイドやモータなどの公知の手段で移動させる。これにより、記録媒体17は、記録媒体戻しガイド34の位置に搬送されるので、記録媒体17を汚すことや、ジャムが生じることを防止できる。
なお、図1、図2の8は、給紙トレイ、10は用紙送りローラ、11〜16は記録媒体送りローラ、21はインクカートリッジ、22はキャリッジ軸、23はキャリッジ、32、33は記録媒体送りローラ、35は用紙送りガイドである。
処理工程は連続的に10〜1000mm/sの一定の線速度で行なうことが好ましい。このために、図の装置例では、枚葉の記録媒体を用い、ある枚葉の記録媒体についてみると、記録媒体に処理液を付与する工程をその枚葉について終了した後に、インクジェット記録方法により画像を記録する工程を始める。このような装置では、処理液付与の速度と画像記録の速度とが殆どの場合に一致しないので、その枚葉の記録開始部と記録終了部とでは、処理液が付与されてから画像が記録されるまでの時間に差があることになる。この差がかなり大きくなった場合でも、水よりも沸点が高く、蒸発速度の小さな水溶性有機溶媒を多量に含み、プリンタを使用している環境での空気中の水分と平衡する量に近い水分比率に調整されている処理液では、液からの水分蒸発が著しく抑制されるため、枚葉の記録媒体の、記録開始部と記録終了部で生じる画像品質の差を、少なくとも目視で観察可能な水準以下にすることができる。
図の装置例での記録媒体の搬送工程からも分かるように、処理液を付与した後、画像を形成するために、処理液の付与された記録媒体を、ローラ、コロ、ガイドなどの記録媒体に接触する手段で搬送することが必要になる。このような場合に、記録媒体に付与された処理液が記録媒体の搬送部材に転写してしまうと、搬送機能に障害を生じることや、汚れが蓄積して、画像品質が低下してしまうという問題を生じる。この問題を防止するには、装置側から、例えばガイドを波板にしたり、コロを拍車状にしたり、ローラの表面を撥水性の材料にしたりするという手段を講じ、問題の発生を軽減することができる。
しかしながら、記録媒体に付与された処理液は、極力速やかに記録媒体に吸収され、見かけ上は乾燥された状態にすることが望ましい。この目的を達成するためには、処理液の表面張力を40mN/m以下として、速やかに液が記録媒体に浸透するようにすることが有効である。処理液付与後の「乾燥固化」は、記録媒体に処理液が吸収されて、見かけ上乾燥したようになることを意味するものではなく、水分など処理液中の液状化合物が蒸発し、液体状態を保てなくなり固化することを意味している。本発明の処理液を上記のような処理液付与装置と画像記録装置がセットになった記録装置に適用することにより、処理液が記録媒体に吸収され、見かけ上は乾燥している状態になっていても、処理液が固化していない状態で、インクジェット記録を行なうことができ、処理液の付与量が極めて少ない量においても、画像品質を著しく向上できる。
図1、図2のような装置の動作を制御するため、パーソナルコンピュータなどのホストマシーンからのプリント指令を受けると、処理液付与・画像形成装置はヘッドクリーニング作業と処理液塗布作業とを同時にスタートし、すべて準備が完了した時点で記録動作を開始する。この場合、画像データの転送は1走査分であっても、複数走査分であっても、あるいは1ページ分であってもかまわない。ヘッドクリーニング、噴射チェック動作は必ずしも必要ではない。また、ヘッドクリーニング、噴射チェック動作と画像データ処理・画像データ転送をシーケンシャルに行なう必要はなく、処理液塗布、ヘッドクリーニング、噴射チェック動作と画像データ処理・画像データ転送とを同時にスタートさせるなどパラレルに処理することが可能である。このように、処理液塗布、ヘッドクリーニング、噴射チェック動作と画像データ処理・画像データ転送とをパラレルに処理することにより、処理液塗布作業を行なう場合にも、印字記録装置のスループットを殆ど落とさずに画像記録をすることが可能である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(調製例1)
<水溶性両性高分子化合物の調製>
表1に示す組成で、2.0モル/Lに調製したモノマー水溶液を室温で20分間窒素ガスバブリングを行い、全モノマーに対して0.01〜0.20モル%の過硫酸カリウムを加え、40〜55℃で6〜10時間共重合させた。次いで、得られたポリマー水溶液ゲルを細断して、多量のアセトンに投入したのち、ろ過して粉末化した。最後に真空乾燥を行い、白色の粉末ポリマーを得た。
得られた粉末ポリマーを純水に入れ、30分間スターラーで攪拌して0.1%水溶液を作製し、粘度計(RE−550L、東機産業社製)を用いて、25℃、10rpmで粘度を測定した。結果を表1、表2に示す。
Figure 0005565211
Figure 0005565211
表中の略号で示したモノマーは次のとおりである。
*DAM(CHCl):ジメチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル4級塩
*DAA(CHCl):ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル4級塩
*DAM(MeSO):ジメチルアミノエチルメタクリレートの硫酸ジメチル4級塩
*DAA(BzCl):ジメチルアミノエチルアクリレートのベンジルクロライド4級塩
*AA:アクリル酸
*AAM:アクリルアミド
*mAA:メタクリル酸
*MA:マレイン酸
*mAAM:メタクリルアミド
*AN:シアノアクリレート
*AAm:アクリル酸メチル
*DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド
(調製例2)
<処理液の作製>
表3〜表6に示す処方の材料を用い、1時間攪拌して均一に混合した。
次いで、混合液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、実施例の処理液例1〜7、18〜28、及び、比較例の処理液例8〜17を作製した。
Figure 0005565211
Figure 0005565211
Figure 0005565211
Figure 0005565211
表3〜表6中の材料の詳細は次のとおりである。
*乳酸:東京化成工業製、純度85質量%以上
*乳酸アンモニウム:和光純薬工業製、有効成分40質量%
*硝酸カルシウム4水和物:和光純薬工業製、純度98.5質量%以上
*硫酸マグネシウム(無水):和光純薬工業製、純度98質量%以上
*クエン酸:和光純薬工業製、純度99.5質量%以上
*コハク酸:日本触媒製、純度90質量%以上
*プロピオン酸カルシウム:純度97質量%以上
*乳酸カルシウム:DL-乳酸カルシウム五水和物、純度95質量%以上
*酢酸カルシウム:酢酸カルシウム水和物、純度99質量%以上
*ゼラチン:アルカリ処理品、等電点4.8、キシダ化学製
*エスレック KW−1:積水化学製、有効成分20%、水溶性の変性ポリアセタール
樹脂(ブチラール基、アセチル基、水酸基を有する水溶性高分子化合物)
*エマルジョン AKW−620:大成ファインテック製、固形分30%、両性エマル
ジョン
*ゾニールFS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル
(Dupont製、有効成分40質量%)
*ソフタノールEP−7025:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(日本触媒製、
成分100質量%)
*Proxel GXL:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンを主成分とする
防カビ剤(アビシア社製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
(調製例3)
<顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製>
―ポリマー溶液Aの調製―
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を、2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
次いで、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。
反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
―ポリマー溶液Aを用いたポリマー微粒子分散液の調製―
ポリマー溶液Aを28gと、表7に示す色材を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に混合攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、顔料15質量%含有、固形分20質量%の顔料含有ポリマー微粒子分散液を得た。
得られた顔料含有ポリマー微粒子分散液のポリマー微粒子の平均粒子径(D50)を、粒度分布測定装置(日機装社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いて測定した。
結果を表7に示す。
Figure 0005565211
(調製例4)
<インクの作製>
表8に示す水溶性有機溶剤(湿潤剤)、浸透剤、界面活性剤、防カビ剤、及び水を用い、1時間攪拌して均一に混合した。また、混合液によっては水分散性樹脂を添加して1時間撹拌し、顔料分散液、消泡剤、pH調製剤を添加して1時間攪拌した。
この分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、インク調製例1〜8の各インクを作製した。
Figure 0005565211
表8中の材料の詳細は次のとおりである。
*マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液(表7のもの)
*シアン顔料含有ポリマー微粒子分散液(表7のもの)
*イエロー顔料含有ポリマー微粒子分散液(表7のもの)
*ブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液(表7のもの)
*CAB−O−JET 260:CABOT製、顔料固形分11%、マゼンタ自己分散
顔料
*CAB−O−JET 250:CABOT製、顔料固形分11%、シアン自己分散顔

*CAB−O−JET 270:CABOT製、顔料固形分11%、イエロー自己分散
顔料
*CAB−O−JET 300:CABOT製、顔料固形分15%、ブラック自己分散
顔料
*フッ素樹脂エマルジョン:旭硝子製、ルミフロンFE4500、固形分52質量%、
平均粒子径136nm、最低造膜温度(MFT)=28℃
*アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン:昭和高分子製、ポリゾールROY6312、
固形分40質量%、平均粒子径171nm、最低造膜温度(MFT)=20℃
*KF−640:ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤(信越化学工業製、成分
100質量%)
*ソフタノールEP−7025:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(日本触媒製、
成分100質量%)
*Proxel GXL:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンを主成分とする防カ
ビ剤(アビシア製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
*KM−72F:自己乳化型シリコーン消泡剤(信越シリコーン製、成分100質量%)
実施例1〜20、比較例1〜10
<画像形成>
まず、図1に示す装置の塗布ユニット部分を試作した。
次に、塗布ユニットを用いて、記録媒体上に前記実施例及び比較例の処理液例1〜28の各処理液を、同一塗布量となるようにロール間圧力と塗布速度を調整して塗布した後、記録媒体を自然乾燥させた。
次いで、温度23±0.5℃、50±5%RHの環境下で、インクジェットプリンタ(IPSiO GX5000、リコー社製)を用い、前記インク調製例1〜8のインクを用いて、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録媒体に同じ付着量のインクが付くように設定して印字した。
上記記録媒体には、リコー社製の上質紙:My_paper、坪量69.6g/m、サイズ度23.2秒,透気度21秒、を用いた。
実施例1〜20及び比較例1〜10で用いた処理液とその付着量及び塗布方法、インクセット、及び印字モードを纏めて表9に示す。
Figure 0005565211
下記のようにして印字画像の品質(画像濃度、画像彩度、オフセット性)を評価した。また、処理液について保存安定性を評価した。
評価は評価基準に基づき各色ごとに行い、最も多い評価結果を表10に記載した。また評価結果が同数となるものが二つある場合は、良い方を記載した。

<画像濃度>
マイクロソフトワード2000で作成した64ポイントの「ベタ塗りの四角」のあるチャートを記録媒体に打ち出し、印字面の「ベタ塗りの四角」部を、分光測色濃度計:X−Rite938で測色し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで「普通紙−標準はやい」モードカラーマッチングoffとした。
なお、「ベタ塗りの四角」部の色は、RGBのカラーモデルが、次とおりになるように指定した。
Black: (R)0、(G)0、(B)0
Yellow: (R)255、(G)255、(B)0
Magenta: (R)255、(G)0、(B)255
Cyan: (R)0、(G)0、(B)255

〔評価基準〕
◎:Black : 1.3以上、
Yellow : 0.85以上、
Magenta: 1.05以上、
Cyan : 1.1以上
○:Black : 1.2以上1.3未満、
Yellow : 0.8以上0.85未満、
Magenta: 1.0以上1.05未満、
Cyan : 1.0以上1.1未満
△:Black : 1.15以上1.2未満、
Yellow : 0.75以上0.8未満、
Magenta: 0.95以上1.0未満、
Cyan : 0.95以上1.0未満
×:Black : 1.15未満、
Yellow : 0.75未満、
Magenta: 0.95未満、
Cyan : 0.95未満
<画像彩度>
画像濃度と同様にしてチャートを記録媒体に打ち出し、印字面の「ベタ塗りの四角」部をX−Rite938で測色した。印字モードは、プリンタ添付のドライバで「普通紙−標準はやい」モードカラーマッチングoffとした。
標準色(Japan color ver.2)の彩度の値(Yellow:91.34、Magenta:74.55、Cyan:62.82)に対する測定した彩度の値の比率を算出し、下記の評価基準により判定した。
〔評価基準〕
◎: 0.85以上、
○: 0.8以上0.85未満、
△: 0.75以上0.8未満、
×: 0.75未満
<オフセット性>
画像濃度と同様にチャートを記録媒体に打ち出し、印字面の40mmの長さの「ベタ塗りの四角」部に、印字後5秒以内に、直径40mmのポリエチレン製の円筒状のローラを加重5Nの強さで押し当てながら転がし、円筒状のローラから記録媒体にインクが再転写した部分をX−Rite938で測色し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで「普通紙−標準きれい」モードカラーマッチングoffとした。
〔評価基準〕
◎: 0.1未満、
○: 0.1以上0.15未満、
△: 0.15以上0.2未満、
×: 0.2以上
<保存安定性>
処理液を作製し、70℃恒温槽内に2週間静置した。静置前と静置後の処理液の粘度を測定し、粘度変化率を算出して下記評価基準により判定した。粘度の測定は粘度計(RE−550L、東機産業社製)を用いて、25℃、10rpmで行った。
〔評価基準〕
◎:粘度変化5%未満、
○:粘度変化10%未満、
△:粘度変化20%未満、
×:粘度変化20%以上
Figure 0005565211
本発明の処理液は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
A 処理液付与動作の終了部
B 記録走査開始部
1 処理液
2 膜厚制御ローラ
3 汲み上げローラ
4 付与ローラ
5 カウンタローラ
6 記録媒体
7 給紙ローラ
8 給紙トレイ
10 用紙送りローラ
11〜16 記録媒体送りローラ
17 記録媒体
18 給紙ローラ
20 インクジェット記録ヘッド
21 インクカートリッジ
22 キャリッジ軸
23 キャリッジ
31 記録媒体ガイド
32〜33 記録媒体送りローラ
34 記録媒体戻しガイド
35 用紙送りガイド
特開2004−142291号公報 特開2004−330569号公報 特開2008−260307号公報 特開2009−166387号公報 特開2007−276387号公報 特開2004−155868号公報

Claims (5)

  1. 水溶性凝集剤、水溶性有機溶剤、水溶性両性高分子化合物及び水を含有する処理液であって、該水溶性両性高分子化合物が、(A)第4級アンモニウム基を有するカチオン性構成単位、(B)アニオン性構成単位、(C)ノニオン性構成単位を有し、(A)〜(C)の合計量を100モル%として、(A)が10〜70モル%、(B)が10〜50モル%、(C)が20〜55モル%の割合であることを特徴とするインクジェット記録用処理液。
  2. 前記(A)第4級アンモニウム基を有するカチオン性構成単位が、下記一般式(I)で示されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用処理液。
    Figure 0005565211
    上記式中、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3及びR4は、各々、アルキル基又はアラルキル基を示し、nは1〜4の整数を示し、Xはアニオンを示す。
  3. 前記(B)アニオン性構成単位が、下記一般式(II)で示されることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用処理液。
    Figure 0005565211
    上記式中、R5は水素原子又はメチル基、Mは水素原子、又はアルカリ金属イオンを示す。
  4. 前記(C)ノニオン性構成単位が、下記一般式(III)(IV)(V)のいずれかで示されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用処理液。
    Figure 0005565211
    上記式中、R6は水素原子又はメチル基、R7及びR8は、各々水素原子又はアルキル基を示す。
    Figure 0005565211
    上記式中、R9は水素原子又はメチル基を示す。
    Figure 0005565211
    上記式中、R10は水素原子又はメチル基を示し、R11はアルキル基を示す。
  5. 記録媒体上に請求項1〜4のいずれかに記載の処理液を塗布した後、インクを吐出して画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
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