JP5562894B2 - 組電池の容量調節回路 - Google Patents

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Description

本発明は、1個又は隣接する複数個の電池セルである単位電池の直列接続体としての組電池に適用される組電池の容量調節回路に関する。
この種の回路としては、下記特許文献1に見られるように、組電池を構成する複数個の単位電池(素電池)のそれぞれの電圧を均等化するものが知られている。詳しくは、この回路は、組電池の出力電圧を1次側入力とし、単位電池のそれぞれを充電する方向に2次側出力を接続したON/OFF方式のコンバータ回路を備えている。そして、このコンバータ回路によって電圧の最も低い単位電池を集中的に充電するようにしている。
特開平11−176483号公報
ここで、上記技術では、電荷の供給元及び供給先となる単位電池を選択することができないため、単位電池同士の間における電荷の授受の自由度が小さくなり、単位電池のそれぞれの容量を適切に調節することができなくなる懸念がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、組電池を構成する単位電池のそれぞれの容量を適切に調節することのできる組電池の容量調節回路を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
第1の発明は、1個又は隣接する複数個の電池セルである単位電池の直列接続体としての組電池に適用され、前記単位電池のそれぞれと接続されるトランスの1次側コイル、前記単位電池のそれぞれと前記1次側コイルとを接続する電気経路のそれぞれを選択的に開閉可能な1次側開閉手段、前記単位電池のそれぞれと接続される前記トランスの2次側コイル、及び前記単位電池のそれぞれと前記2次側コイルとを接続する電気経路のそれぞれを選択的に開閉可能な2次側開閉手段を備えることを特徴とする。
上記発明では、トランス、1次側開閉手段及び2次側開閉手段を備える上記構成を採用することにより、電荷の供給元及び供給先となる単位電池の選択の自由度を向上させ、トランスを介した単位電池同士の間の電荷の授受の自由度を向上させることができる。こうした上記発明によれば、1次側開閉手段及び2次側開閉手段を適切に開閉操作することで、単位電池のそれぞれの容量を適切に調節することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記2次側コイルの電流の流れを1方向に制限する整流手段を更に備え、前記トランス、前記1次側開閉手段、前記2次側開閉手段、及び前記整流手段のそれぞれは、前記単位電池のそれぞれに対して備えられ、前記トランスは、前記1次側コイル及び前記2次側コイルを備え、前記単位電池のそれぞれには、前記1次側コイル及び前記1次側開閉手段の直列接続体が並列接続されるとともに、前記2次側開閉手段を介して前記2次側コイル及び前記整流手段の直列接続体のそれぞれが並列接続され、前記整流手段は、前記2次側コイルから前記単位電池の正極側へと向かう方向に電流を流す機能を有することを特徴とする。
上記発明では、電荷の供給元となる単位電池に対応する1次側開閉手段が閉状態とされることで、電荷の供給元となる1又は複数の単位電池に対応するトランスの1次側コイルにエネルギが蓄えられる。そして、その後、電荷の供給先となる単位電池に対応する2次側開閉手段が閉状態とされる状況下、1次側開閉手段が開状態とされることで、2次側コイルに誘導電流が流れる。これにより、電荷の供給先となる単位電池を充電することができる。
第3の発明は、第1の発明において、前記2次側コイルの電流の流れを1方向に制限する整流手段を更に備え、前記トランスは、1次側コイル及び2次側コイルを複数対備え、前記1次側開閉手段、前記2次側開閉手段及び前記整流手段のそれぞれは、前記単位電池のそれぞれに対して備えられ、前記単位電池のそれぞれには、前記1次側コイル及び前記1次側開閉手段の直列接続体とともに、前記2次側コイル、前記2次側開閉手段及び前記整流手段を備える2次側電気経路が並列接続され、前記2次側開閉手段は、前記2次側電気経路を開閉するものであり、前記整流手段は、前記単位電池の正極側に向かって前記2次側電気経路に電流が流れるように備えられることを特徴とする。
上記発明では、電荷の供給元となる1又は複数の単位電池に対応する1次側開閉手段が閉状態とされることで、電荷の供給元となる単位電池に対応するトランスの1次側コイルにエネルギが蓄えられる。そして、その後、電荷の供給先となる1又は複数の単位電池に対応する2次側開閉手段が閉状態とされる状況下、1次側開閉手段が開状態とされることで、2次側コイルに誘導電流が流れる。これにより、電荷の供給先となる単位電池を充電することができる。
第4の発明は、第1〜3のいずれか1つの発明において、前記単位電池のそれぞれの電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の検出値に基づき、前記単位電池の中から、該単位電池の蓄電エネルギと正の相関を有するパラメータの値が高い水準の単位電池と、前記パラメータの値が低い水準の単位電池とを選択する処理を行う選択手段と、前記高い水準の単位電池から前記低い水準の単位電池へと電荷を供給すべく、前記1次側開閉手段及び前記2次側開閉手段を操作する操作手段とを更に備えることを特徴とする。
上記発明では、上記高い水準の単位電池から上記低い水準の単位電池に電荷を供給して充電するため、上記低い水準の単位電池の容量を極力速やかに増大させることができる。
第5の発明は、第4の発明において、前記選択手段は、前記低い水準の単位電池として、前記電圧検出手段によって検出された電圧の最小値に対応する単位電池を選択する処理を行うことを特徴とする。
上記発明では、単位電池のうち電圧が最小となるものの容量を速やかに増大させることができる。
第6の発明は、第5の発明において、前記選択手段は、前記高い水準の単位電池として、前記電圧検出手段によって検出された電圧の最大値に対応する単位電池を選択する処理を行うことを特徴とする。
第7の発明は、第5の発明において、前記電圧検出手段の検出値に基づき、複数の前記単位電池の平均電圧を算出する手段を更に備え、前記選択手段は、前記高い水準の単位電池として、前記算出された平均電圧よりも高い電圧に対応する単位電池を選択する処理を行うことを特徴とする。
第8の発明は、第6又は7の発明において、前記選択手段は、前記組電池から放電される状況下において、前記選択する処理を行うことを特徴とする。
単位電池が劣化すると通常、満充電状態における容量が低くなる。詳しくは、単位電池の劣化度合いが大きいほど、上記容量の低下度合いが大きくなり、単位電池の蓄電エネルギが小さくなる傾向にある。このため、劣化度合いが小さい単位電池から、劣化度合いが大きい単位電池へと電荷を供給して充電することが望ましい。
ここで、単位電池の劣化度合いが大きいほど、上記容量の低下度合いが大きくなることで、単位電池の同一充放電電荷量に対する単位電池の端子電圧の変化量が大きくなる傾向にある。このため、組電池が充電される状況下においては、劣化度合いの大きい単位電池の電圧上昇量が劣化度合いの小さい単位電池の電圧上昇量よりも大きくなり、劣化度合いの大きい単位電池の電圧が、劣化度合いの小さい単位電池の電圧よりも高くなることがある。この場合、単位電池の電圧に基づき上記選択する処理を行うと、上記高い水準の単位電池及び上記低い水準の単位電池が適切に選択されず、劣化度合い大きい単位電池から劣化度合いの小さい単位電池に電荷が供給されるおそれがある。
この点に鑑み、上記発明では、組電池から放電される状況下において上記選択する処理を行う。放電される状況下においては、劣化度合いの小さい電池セルの電圧が、劣化度合いの大きい電池セルの電圧よりも高くなる蓋然性が高い。このため、上記高い水準及び低い水準の単位電池が誤って選択される事態の発生を抑制することができる。
第9の発明は、第4の発明において、前記電圧検出手段の検出値に基づき、前記組電池の充放電時における前記単位電池のそれぞれの電圧変化量を算出する手段を更に備え、前記選択手段は、前記低い水準の単位電池として、前記算出された電圧変化量の絶対値の最大値に対応する単位電池を選択し、前記高い水準の単位電池として、前記算出された電圧変化量の絶対値の最小値に対応する単位電池を選択する処理を行うことを特徴とする。
単位電池が劣化すると通常、満充電状態における容量が低くなる。詳しくは、単位電池の劣化度合いが大きいほど、上記容量の低下度合いが大きくなり、単位電池の蓄電エネルギが小さくなる傾向にある。このため、劣化度合いが小さい単位電池から、劣化度合いが大きい単位電池へと電荷を供給して充電することが望ましい。
ここで、単位電池の劣化度合いが大きいほど、上記容量の低下度合いが大きくなることで、単位電池の同一充放電電荷量に対する単位電池の端子電圧の変化量が大きくなる傾向にある。このため、単位電池の電圧変化量によれば、単位電池の劣化度合いの大小を把握することが可能となる。
この点に鑑み、上記発明では、上記態様の選択処理を行うことで、上記高い水準及び低い水準の単位電池を適切に選択することができる。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかる均等化処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる均等化処理の一例を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる均等化処理の効果を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかる均等化処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる均等化処理の効果を示すタイムチャート。 第3の実施形態にかかる均等化処理の手順を示すフローチャート。 その他の実施形態にかかる均等化処理の一例を示すタイムチャート。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる組電池の容量調節装置を、車載主機として内燃機関及び回転機(モータジェネレータ)を備えるハイブリッド車両に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。
図示されるように、組電池10は、車載高圧システムを構成し、モータジェネレータの電源となるものである。組電池10は、電池セルCi(i=1〜n:nは2以上の整数)の直列接続体であり、その電圧(端子電圧)が所定の高電圧(例えば数百V)となるものである。なお、本実施形態では、電池セルCiとしてリチウムイオン2次電池を想定している。また、各電池セルCiは、その電圧が数Vとなるものである。
各電池セルCiの正極端子には、信号線Liが接続され、各電池セルCiの負極端子には、信号線L(i+1)が接続されている。すなわち、信号線L1,L(n+1)を除いて、隣接する電池セルCiのうちの高電位側の電池セルの負極端子側の信号線と低電位側の電池セルの正極端子側の信号線とは共有化されている。
電池セルCiの電圧は、信号線Li,L(i+1)と、抵抗体12及びコンデンサ14を備えて構成されるCR回路(ローパスフィルタFi)とを介して制御回路16に取り込まれる。ここで、ローパスフィルタFiは、電圧信号に重畳する高周波ノイズを除去し、各電池セルCiの電圧の検出精度を向上させるためのものである。なお、図中、ローパスフィルタF1を構成する抵抗体12及びコンデンサ14のみに番号を付している。
電池セルCiには、電池セルCiに過電圧が印加されることを回避するためのツェナーダイオードZDiが並列接続されている。より具体的には、ツェナーダイオードZDiのカソード側が信号線Liに接続されており、ツェナーダイオードZDiのアノード側が信号線L(i+1)に接続されている。
また、電池セルCiのそれぞれに対して、一対の1次側コイルw1i,2次側コイルw2iを備えて構成されるトランスTi、電池セルCiと1次側コイルw1iとを接続する電気経路をオン・オフする1次側スイッチSW1i、及び電池セルCiと2次側コイルw2iとを接続する電気経路をオン・オフする2次側スイッチSW2iが設けられている。ここで、各トランスTiの1次側コイルw1i及び2次側コイルw2iの巻数比Nは、1よりも大きい値とされている。なお、上記巻数比Nは、1次側コイルw1iの巻数をN1とし、2次側コイルw2iの巻数をN2とすると、「N2/N1」で与えられる。
ちなみに、本実施形態では、1次側スイッチSW1iとして、NチャネルMOSFETを想定している。
また、本実施形態では、2次側スイッチSW2iを一対のスイッチ(第1の2次側スイッチSW2ip,第2の2次側スイッチSW2in)によって構成している。詳しくは、2次側スイッチSW2iとして、フォトMOSFET(発光ダイオード、受光素子、及びFETが集積化されたスイッチング素子)を想定している。より具体的には、メーク型接点のフォトMOSFETである。これについて説明すると、発光ダイオードの点灯によって、受光素子がFETのゲート容量を充電してゲート−ソース間電圧が高くなり、FETが導通してフォトMOSFETがオンされる。一方、発光ダイオードの消灯によって、内部の放電スイッチが自動的に動作してゲート電荷を強制的に放電させることで、ゲート−ソース間電圧が急速に低下し、FETが非導通となってフォトMOSFETがオフされる。
なお、図1では、電池セルC1に対応する2次側スイッチSW21以外の2次側スイッチを簡略化して示している。
電池セルCiのそれぞれには、1次側コイルw1i及び1次側スイッチSW1iの直列接続体が並列接続されている。詳しくは、1次側スイッチSW1iのドレイン側が1次側コイルw1iに直列接続されており、この直列接続体が信号線Li,L(i+1)間に接続されている。
また、電池セルCiのそれぞれには、2次側スイッチSW2iを介して、2次側コイルw2i及びダイオードDiの直列接続体のそれぞれが並列接続されている。詳しくは、電池セルCiのそれぞれには、第1の2次側スイッチSW2ip、2次側コイルw2i、ダイオードDi、及び第2の2次側スイッチSW2inの直列接続体が並列接続されている。この直列接続体の両端のうち、第1の2次側スイッチSW2ip側は、信号線Liに接続されており、第2の2次側スイッチSW2in側は、電池セルCiの負極端子に接続されている。
より具体的には、2次側コイルw2iのうち電池セルCiの正極端子側は、2次側コイルw2iに生じる電圧の極性が正となる側である。また、ダイオードDiのアノード側は、第2の2次側スイッチSW2inのドレイン側に接続されている。
電池セルCiのそれぞれについて、電池セルCiに並列接続された1次側コイルw1iを含む電気経路と、電池セルCiに並列接続された2次側コイルw2iを含む電気経路とは、信号線Liの一部を共有している。詳しくは、信号線Liのうち、第1の2次側スイッチSW2ipと電池セルCiとの間を接続する電気経路(共有経路)を共有している。そして、共有経路には、この経路を流れる電流を検出するコイル電流検出器Aiが設けられている。これは、1次側コイルw1i及び2次側コイルw2iのそれぞれに流れる電流を単一の電流検出器によって検出し、回路の簡素化を図るためである。なお、本実施形態では、コイル電流検出器Aiとして、シャント抵抗を想定している。
第1の2次側スイッチSW2ipと2次側コイルw2iとの接続点同士は、第1電気経路Laによって接続されており、ダイオードDiのアノード側と第2の2次側スイッチSW2inとの接続点同士は、第2電気経路Lbによって接続されている。
ちなみに、本実施形態において、2次側スイッチSW2iとしてフォトMOSFETを用いるのは、回路の簡素化を目的とするためである。
詳しくは、2次側スイッチSW2iをオンさせるためには、ゲート−ソース間電圧をある電圧以上とすることが要求される。ここで、2次側スイッチSW2iがオンされる際には、フォトMOSFETを構成する一対の(2つの)MOSFETのソース側はそれぞれ、高電位側及び低電位側の電池セルのそれぞれの電圧が印加される。このため、各2次側スイッチSW2iを構成する4つのMOSFETのそれぞれをオンさせるために要求される適切なゲート−ソース間電圧が相違することとなる。ここで、例えば、各2次側スイッチSW2iのMOSFETのそれぞれについて適切な電圧を印加するための定電圧電源を備える駆動回路を設ける構成とすると、部品点数が増大し、ひいては回路規模が拡大することが懸念される。こうした事態を回避すべく、2次側スイッチSW2iとしてフォトMOSFETを用いる。
しかも、この場合、2次側スイッチSW2iがオフされているにもかかわらず、高電位側の電池セルから低電位側の電池セルへと電流が流れることを回避することもできる。つまり、フォトMOSFETは、一対のNチャネルMOSFETのソース同士の直列接続体を備えて構成される。このため、2次側スイッチSW2iがオフされているにもかかわらず、例えば、高電位側の電池セルC1の正極端子、信号線L1、第1の2次側スイッチSW21pのボディダイオード、第1電気経路La、第1の2次側スイッチSW23pのボディダイオード、信号線L3、及び低電位側の電池セルC2へと電流が流れることを回避できる。
コイル電流検出器Aiとしてのシャント抵抗の両端の電圧や、組電池10を流れる電流を検出する負荷電流検出器18(シャント抵抗)の両端の電圧は、制御回路16に取り込まれる。
制御回路16は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、各電池セルCiに対応する駆動回路DUiを介して、1次側スイッチSW1i及び2次側スイッチSW2iをオン・オフ操作する。
また、制御回路16は、コイル電流検出器Aiにおける電圧降下量に基づき、1次側コイルw1i又は2次側コイルw2iに流れる電流を検出したり、負荷電流検出器18における電圧降下量に基づき、組電池10を流れる電流を検出したり、信号線Ci,C(i+1)を介して取得される電圧に基づき、各電池セルCiの電圧Viを検出したりする。
ちなみに、制御回路16には、外部(車載低圧システム)から車両が走行中であるか否かについての情報SPDが入力される。ここで、車両が走行中であるか否かの情報SPDは、例えば、低圧システムに備えられる車両走行速度を検出する車速センサの出力信号に基づき生成され、フォトカプラ等の絶縁手段を介して制御回路16に入力される。
特に、制御回路16は、電池セルCiの電圧Viのばらつきを解消するための均等化処理を行う。この処理は、電池セルCiの信頼性の低下を回避するために行われる処理である。
つまり、車両の走行時における電池セルCiの充放電の繰り返しや、電池セルCiが高温環境にさらされること等に起因して、電池セルCiに劣化が生じることがある。電池セルCiに劣化が生じると通常、電池セルCiの満充電状態における容量が低くなる。詳しくは、電池セルCiの劣化度合いが大きいほど、電池セルCiの容量の低下度合いが大きくなる傾向にある。そして、電池セルCiの容量が低下すると、同一電流値で電池セルCiが充放電されている期間における電池セルCiの端子電圧変化量が大きくなる傾向にある。
ここで、各電池セルCiの劣化度合いには通常、ばらつきが生じる。劣化度合いにばらつきが生じると、組電池10の充放電によって各電池セルCiの電圧にばらつきが生じる。このばらつきに起因して、一部の電池セルの電圧が過度に低くなると、電圧が過度に低下した電池セルの信頼性が低下する懸念がある。また、電圧が過度に低くなった電池セル以外の電池セルの電力を適切に使用することができず、組電池10の性能が当初想定したものよりも低くなる懸念がある。
こうした事態を回避すべく、均等化処理を行う。以下、図2を用いて、本実施形態にかかる均等化処理手法について詳述する。
図2は、本実施形態にかかる均等化処理の手順を示すものである。この処理は、制御回路16によって例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、各電池セルCiの電圧Viを検出する。
続くステップS12では、車両が走行中であるか否かを判断する。ここで、車両が走行中であるか否かは、低圧システム側から入力される上記情報SPDに基づき判断すればよい。
ステップS12において車両が走行中であると判断された場合には、ステップS14に進み、各電池セルCiの電圧Viのうちの最小値(最小電圧Vmin)が下限電圧Vth(例えば3V)を上回っているか否かを判断する。本実施形態では、下限電圧Vthを、電池セルCiの信頼性を維持可能な電圧の下限値として設定する。この処理は、モータジェネレータの駆動によって組電池10の電力が消費される状況下、電池セルCiの電圧が過度に低下し、電池セルCiの信頼性が低下する状況であるか否かを判断するためのものである。
上記ステップS12において否定判断(例えば、モータジェネレータが停止されて停車される状況であると判断)された場合や、ステップS14において肯定判断された場合には、ステップS16に進み、負荷電流検出器18によって検出された負荷電流値Irが0A以上であるか否かを判断する。本実施形態では、組電池10からの放電時における負荷電流値Irを正と定義する。この処理は、組電池10の充電時に、後述するS22〜S34の均等化処理を行わないようにするための処理である。
つまり、上述したように、電池セルCiの劣化度合いが大きいと電池セルCiの容量が小さくなり、電池セルCiの蓄電エネルギが小さくなる傾向にある。このため、劣化度合いが小さい電池セルから、劣化度合いが大きい電池セルへと電力を供給して充電することが望ましい。
ここで、上述したように、電池セルCiの劣化度合いが大きいと、電池セルCiの同一充放電電流値に対する電池セルCiの電圧変化量が大きくなる傾向にある。このため、例えばモータジェネレータを用いた回生発電により、組電池10が充電される状況下においては、劣化度合いの大きい電池セルの電圧上昇量が劣化度合いの小さい電池セルの電圧上昇量よりも大きくなり、劣化度合いの大きい電池セルの電圧が、劣化度合いの小さい電池セルの電圧よりも高くなることがある。
こうした状況下において、均等化処理を行うと、劣化度合いの大きい電池セルから劣化度合いの小さい電池セルに電力が供給されることがある。この場合、その後直ぐに、組電池10から放電されることで、劣化度合いの大きい電池セルと劣化度合いの小さい電池セルの電圧との大小関係が逆転する事態が発生し、均等化処理を効果的に行うことができなくなるおそれがある。
ここで、組電池10から放電される状況においては、劣化度合いの小さい電池セルの電圧が、劣化度合いの大きい電池セルの電圧よりも高くなる蓋然性が高く、電池セルCiの電圧によって電池セルの劣化度合いの把握精度を向上させることが可能である。このため、本ステップの処理を設けることで、均等化処理の対象となる電池セルを適切に選択することが困難な状況における均等化処理の実行を回避することができる。
ステップS16において肯定判断された場合には、ステップS18に進み、電池セルCiの電圧Viのうち、最大値(最大電圧Vmax)と最小電圧Vminとの電圧差ΔVが、規定電圧Ve(>0)を上回るか否かを判断する。本実施形態では、規定電圧Veを、図示しないA/D変換器を介して制御回路16に入力される電圧信号の最小分解能以上に設定する。この処理は、電池セルの電圧のばらつきが小さく、均等化処理を実行する必要がない状況下において均等化処理が実行されることで、電池セルCiの電圧Viが変動する事態(ハンチング)の発生を抑制するためのものである。なお、上記電圧差ΔVは、具体的には、最大電圧Vmaxから最小電圧Vminを減算することで算出すればよい。
ステップS18において上記電圧差ΔVが規定電圧Veを上回ると判断された場合には、ステップS20に進み、上記電圧差ΔVに基づき、1次側コイルw1iに流すべき電流のピーク値(均等化電流値Ib)を設定する。詳しくは、均等化電流値Ibを、上記電圧差ΔVが大きいほど高く設定する。これは、均等化処理の実行期間内における電池セルCiの充電量を最適化するための設定である。
続くステップS22では、電池セルCiのうち最小電圧Vminを有する電池セルに対応する2次側スイッチSW2iをオンする。詳しくは、第1,第2の2次側スイッチSW2ip,SW2inの双方を同時にオンする。
続くステップS24では、最小電圧Vminを有する電池セルの2次側スイッチSW2iがオンされてからの経過時間(2次側オン時間T)が規定時間T2on(例えば1秒)未満であるか否かを判断する。この処理は、均等化処理の実行期間が経過していないか否かを判断するためのものである。
ここで、規定時間T2onは、例えば、均等化処理の実行に伴う電池セルの消費電力が大きくならないこと、及び均等化処理によって電力供給元の電池セルから電力供給先の電池セルへと電力を供給する十分な時間を確保すること等の観点から設定される時間である。つまり、均等化処理を行うと、トランスTiを介した電力の授受や電圧検出等のために、電池セルの電力が無駄に消費されることとなる。また、規定時間T2onが短いと、均等化処理による電池セルの電圧変化が小さくなるため、電力供給元から電力供給先に十分な電力を供給することができず、適切に均等化することができない懸念がある。
ステップS24おいて2次側オン時間Tが規定時間T2on未満であると判断された場合には、ステップS26に進み、最大電圧Vmaxを有する電池セルに対応する1次側スイッチSW1iをオンする。
続くステップS28では、コイル電流検出器Aiによって検出された1次側コイルw1iに流れる電流値(1次側電流値I1)が、均等化電流値Ibに到達するまで待機する。この処理は、1次側コイルw1iに、電力供給元となる電池セルのエネルギを蓄えるための処理である。
そして、1次側電流値I1が均等化電流値Ibに到達したと判断された場合には、ステップS30に進み、最大電圧Vmaxを有する電池セルに対応する1次側スイッチSW1iをオフする。これにより、最大電圧Vmaxを有する電池セルに対応する2次側コイルw2iに、ダイオードDi側を負とする電圧が印加され、2次側コイルw2iから最小電圧Vminを有する電池セルへと充電電流が流れることとなる。
続くステップS32では、2次側コイルw2iから最小電圧Vminを有する電池セルへと流れる電流値(充電電流値I2)が0Aになるか否かを判断する。この処理は、充電電流値I2が過度に大きくなる事態を回避するためのものである。
つまり、例えば、充電電流値I2が0Aとなる以前に、すなわち充電電流が流れる期間に、最大電圧Vmaxを有する電池セルのエネルギが蓄えられた1次側コイルw1iの1次側スイッチSW1iをオンからオフに切り替えると、現在流れている充電電流に加えて、2次側コイルw2iに今回発生した電圧に起因する充電電流が流れ、充電経路の信頼性が低下する懸念がある。このため、本ステップの処理を設けることで、充電経路の信頼性が低下する事態の発生を回避する。なお、充電電流値I2は、コイル電流検出器Aiによって検出される。
一方、上記ステップS24において2次側オン時間Tが規定時間T2on以上になると判断された場合には、ステップS34に進み、最小電圧Vminを有する電池セルに対応する2次側スイッチSW2iをオフする。
なお、上記ステップS14、S16、S18において否定判断された場合や、ステップS34の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図3に、本実施形態にかかる均等化処理の一例を示す。詳しくは、同図を用いて、最大電圧Vmaxを有する電池セルとして電池セルC1が選択されるとともに、最小電圧Vminを有する電池セルとして電池セルC3が選択された場合における均等化処理について説明する。なお、図3(a)に、1次側スイッチSW11の操作状態の推移を示し、図3(b)に、2次側スイッチSW23のゲート−ソース間電圧Vgsの推移を示し、図3(c)に、1次側電流値I1の推移を示し、図3(d)に、充電電流値I2の推移を示す。
図示される例では、電池セルCiの電圧検出がなされ、最大電圧Vmax,最小電圧Vminを有する電池セルC1,C3が選択された後、時刻t1において、2次側スイッチSW23のオン操作指令がなされ、均等化処理が開始される。ちなみに、2次側スイッチSW23のオン操作指令がなされてから、ゲート−ソース間電圧Vgsが2次側スイッチSW23をオンさせるための電圧となるまでに期間(時刻t1〜t2)は、フォトMOSFETのスイッチング速度に起因するものである。
その後、時刻t2において、2次側スイッチSW23がオンされるとともに、1次側スイッチSW11がオンされる。1次側スイッチSW11がオンされることで、電池セルC1の正極端子、信号線L1、1次側コイルw11、1次側スイッチSW11、信号線L2、及び電池セルC1の負極端子からなる閉ループ回路が形成され、1次側コイルw11に流れる1次側電流値I1が漸増を開始する。また、2次側スイッチSW23がオンされることで、2次側コイルw21、第1電気経路La、第1の2次側スイッチSW23p、信号線L3、電池セルC3、第2の2次側スイッチSW23n、第2電気経路Lb、ダイオードD1からなる閉ループ回路が形成される。
そして、1次側電流値I1が均等化電流値Ibに到達する時刻t3において、1次側スイッチSW11がオフされる。これにより、電磁誘導によって2次側コイルw21にダイオードDi側を負とする電圧が印加され、電池セルC3に充電電流が流れることとなる。そして、充電電流値I2が0Aとなる時刻t4において、1次側スイッチSW11がオンされる。
以降、2次側オン時間Tが規定時間T2onとなる時刻t5まで、1次側スイッチSW11及び2次側スイッチSW23の上記態様のスイッチング操作が繰り返される。なお、規定時間T2onに渡って2次側スイッチSW23のオンを継続させるのは、2次側スイッチSW23のターンオン及びターンオフ時におけるスイッチング損失を低減するためである。
次に、図4に、本実施形態にかかる均等化処理の効果を示す。詳しくは、図4は、均等化処理を行う場合における電池セルの容量及び電池セルの電圧の推移を示すものである。なお、図中、組電池10を構成する電池セルの数を5つとしている。
図示される例は、各電池セルCi(i=1〜5)の電圧が略同一(4.1V)となっているものの、各電池セルの劣化度合いが相違することで、各電池セルCiの満充電状態における容量にばらつきが生じている場合を示している。
こうした状況下において、車両を走行させるべくモータジェネレータの駆動が開始されると、各電池セルCiの電圧が低下し始める。詳しくは、劣化度合いが最も大きい電池セルC5の電圧低下量が最も大きくなる。
そして、最大電圧Vmax及び最小電圧Vminを有する電池セルC1,C5同士の電圧差ΔVが規定電圧Veを上回る時刻t1において、均等化処理が開始される。この均等化処理によって、最大電圧Vmaxを有する電池セルC1から最小電圧Vminを有する電池セルC5へと電力が供給される。これにより、電池セルC1の容量及び電圧の低下速度が高くなるとともに、電池セルC5の容量及び電圧V5の低下速度が低くなる。
その後、時刻t2になると、電池セルC2の電圧が電池セルC1の電圧と等しくなり、以降、最大電圧Vmaxを有する電池セルとして、電池セルC1と電池セルC2とが交互に選択される。
その後、時刻t3になると、電池セルC5の電圧と電池セルC4の電圧とが等しくなり、以降、最小電圧Vminを有する電池セルとして、電池セルC4と電池セルC5とが交互に選択される。
時刻t4になると、電池セルC1,C2,C3の電圧が略等しくなる。そして、その後、時刻t5において、最小電圧Vminを有する電池セルC5の電圧が下限電圧Vth(3V)以下になると判断されることで、均等化処理が終了される。なお、均等化処理の終了とともに、組電池10の信頼性の低下を回避すべく、モータジェネレータの駆動を禁止する処理がなされる。
このように、本実施形態では、最大電圧Vmaxを有する電池セルから最小電圧Vminを有する電池セルにトランスTiを介して電力を供給する均等化処理を行うことで、電池セルCiを適切に均等化することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)電池セルCiの中から最大電圧Vmaxを有する電池セル及び最小電圧Vminを有する電池セルを選択した。そして、最大電圧Vmaxを有する電池セルから、最小電圧Vminを有する電池セルにトランスTiを介して電力を供給する均等化処理を行った。これにより、電池セルCiの均等化を適切に行うことができ、組電池10の使用可能時間を長くすることができる。これにより、車両の走行距離を拡大することなどができる。
(2)組電池10から放電される状況であると判断された場合、均等化処理を行った。これにより、電力供給元の電池セルとして、劣化度合いの小さい電池セルを適切に選択し、電力供給先の電池セルとして、劣化度合いの小さい電池セルを適切に選択することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、均等化処理において、全ての電池セルCiの平均電圧Vaveを算出し、電力供給元の電池セルとして、平均電圧Vaveよりも高い電圧Vcに対応する1又は複数の電池セルを選択する処理を行う。
図5に、本実施形態にかかる均等化処理の手順を示す。この処理は、制御回路16によって例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図5において、先の図2に示した処理と同一の処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS18において肯定判断された場合には、ステップS36に進み、上記平均電圧Vaveを算出する。
続くステップS38では、全ての電池セルCiの中から、平均電圧Vaveよりも高い電圧Vcを有する電池セルを選択する。
続くステップS20aでは、均等化電流値Ibを設定する。本実施形態では、均等化電流値Ibを、平均電圧Vaveよりも高い電圧Vcの電池セルの数と、平均電圧Vaveよりも高い電圧Vcと最小電圧Vminとの差(規定電圧差ΔVα)とに基づき設定する。詳しくは、平均電圧Vaveよりも高い電圧Vcを有する電池セルの数が多かったり、規定電圧差ΔVαが小さかったりするほど、均等化電流値Ibを小さく設定する。具体的には、上記電池セルの数及び規定電圧差ΔVαと関係付けられた均等化電流値Ibが規定されるマップを用いて算出すればよい。
ステップS20aの処理の完了後、ステップS24〜S34において、2次側オン時間Tが規定時間T2on内であると判断される状況下、最小電圧Vminを有する電池セルに対応する2次側スイッチSW1iのオン操作を継続しつつ、平均電圧Vaveよりも高い電圧Vcを有する電池セルに対応する1次側スイッチSW1iのオン・オフ操作を行う。
なお、上記ステップS14、S16、S18において否定判断された場合や、ステップS34の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
次に、図6に、本実施形態にかかる均等化処理の効果を示す。詳しくは、図6は、先の図4に対応するものである。なお、図中、組電池10を構成する電池セルの数を百数十個としている。
組電池10から放電される状況下において、同図(A)に示すように、均等化処理が行われる場合、平均電圧Vaveよりも高い電圧Vcを有する複数の電池セルの電力が、最小電圧Vminを有する電池セルに供給される。このため、電池セル同士の容量のばらつきを極力速やかに小さくすることができ、電池セルの電圧が所定の低電圧まで低下するまでの時間を伸長させることができる。
これに対し、均等化処理が行われない場合(従来技術の場合)には、同図(B)に示すように、電池セル同士の容量のばらつきを抑制することができず、電池セルの電圧が所定の電圧まで低下するまでの時間が短くなる。
なお、本実施形態にかかる均等化処理によれば、従来技術と比較して、車両の走行距離が23%長くなることが本発明者によって調べられている。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、電池セルCiのそれぞれの電圧変化速度Vdot(単位時間あたりの電圧変化量)を算出し、算出された電圧変化速度Vdotに基づき、電池セルCiの中から最小容量及び最大容量の電池セルを推定する。そして、電力供給元の電池セルとして最大容量の電池セルを選択し、電力供給先の電池セルとして最小容量の電池セルを選択する処理を行う。
この選択手法は、上述したように、電池セルCiの劣化度合い、満充電状態における容量の低下度合い及び電圧変化量が関係付けられることに基づくものである。つまり、電池セルCiの劣化度合いが大きいほど、上記容量の低下度合いが大きくなり、同一電流値で電池セルCiが充放電される期間における電圧変化量が大きくなる傾向にある。ここで、初期状態(例えば組電池10の製品出荷時)における電池セルの満充電状態の容量のばらつきは小さいと考えられることから、電圧変化速度Vdotが大きいほど、容量の低下度合いが大きい、すなわち容量が小さいことを把握可能である。したがって、電圧変化速度Vdotの絶対値が最大の電池セルを、最小容量の電池セルとして推定し、電圧変化速度Vdotの絶対値が最小の電池セルを、最大容量の電池セルとして推定することができる。
図7に、本実施形態にかかる均等化処理の手順を示す。この処理は、制御回路16によって例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図7において、先の図2に示した処理と同一の処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS12において否定判断された場合や、ステップS14において肯定判断された場合には、ステップS18に進む。そして、ステップS18において肯定判断された場合には、ステップS20を介して、ステップS40に進む。ステップS40では、電池セルCiの電圧変化速度Vdotに基づき、電池セルCiの中から最大容量及び最小容量の電池セルを選択する。
そして、ステップS24b〜S34bにおいて、2次側オン時間Tが規定時間T2on内であると判断される状況下、最小容量の電池セルに対応する2次側スイッチSW1iのオン操作を継続しつつ、最大容量の電池セルに対応する1次側スイッチSW1iのオン・オフ操作を行う。
なお、上記ステップS14、S18において否定判断された場合や、ステップS34bの処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
このように、本実施形態では、電池セルの電圧変化速度Vdotに基づき、電力供給元の電池セルとして最大容量の電池セルを選択し、電力供給先の電池セルとして最小容量の電池セルを選択することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1の実施形態では、均等化電流値Ibを調節することで1次側スイッチSW1iのオン時間T1onを調節したが、先の図2のステップS20の処理においてオン時間T1onを可変設定してもよい。
・上記第1の実施形態では、均等化処理の実行中において2次側スイッチSW2iを常時オンする制御ロジックを採用したがこれに限らない。例えば、充電電流が流れる期間に限って2次側スイッチSW2iをオンする制御ロジックを採用してもよい。
・下限電圧Vthの設定手法としては、上記各実施形態に例示したものに限らない。例えば、組電池10の容量が少ない旨を低圧システム側に通知する処理を行うために、下限電圧Vthを、電池セルの信頼性を維持可能な電圧の下限値よりも高い値に設定してもよい。
・上記第2の実施形態では、均等化電流値Ibを同一の値としたがこれに限らない。例えば、電力供給元となる複数の電池セルに対応する均等化電流値Ibを互いに相違させてもよい。
・上記第2の実施形態では、平均電圧Vaveよりも高い電圧Vcを有する複数の電池セルに対応する1次側スイッチSW1iを同時にオン・オフさせたがこれに限らない。例えば、1次側スイッチSW1iのオンタイミングをずらず均等化処理を行ってもよい。以下、この処理について、図9を用いて説明する。
は、本実施形態にかかる均等化処理の一例である。詳しくは、同図を用いて、平均電圧Vaveよりも高い電圧Vcを有する電池セルとして3つの電池セルC1〜C3が選択された場合における均等化処理について説明する。なお、図(a)〜図(c)は、平均電圧Vaveよりも高い電圧Vcを有する電池セルに対応する1次側電流値I1の推移であり、先の図3(c)に対応するものである。また、図(d)は、先の図3(d)に対応する。
図示される例では、2次側スイッチがオンされる時刻t1において、第1の電力供給元の電池セルC1に対応する1次側スイッチSW11がオフされることで、1次側コイルw11に流れる1次側電流値I1―1が漸増を開始する。その後、時刻t1から所定時間Δt遅延した時刻t2において、第2の電力供給元の電池セルC2に対応する1次側スイッチSW12がオンされることで、1次側コイルw12を流れる1次側電流値I1―2が漸増を開始する。
その後、時刻t2から所定時間Δt遅延した時刻t3において、第3の電力供給元の電池セルC3に対応する1次側スイッチSW13がオンされることで、1次側コイルw13に流れる1次側電流値I1―3が漸増を開始する。
そして、こうした1次側スイッチSW11〜SW13のオン操作によって流れる充電電流値I2が0Aになると判断される時刻t4以降、2次側オン時間Tが規定時間T2on内であると判断される限り、1次側スイッチSW11〜SW13の上記態様の操作が繰り返されることとなる。
こうした均等化処理によれば、充電電流値I2のピーク値を低くすることができるため、回路規模の拡大を抑制することができる。
・均等化処理手法としては、上記第1の実施形態に例示したものに限らない。例えば、均等化処理時における電池セルの電圧変化速度に関する情報の履歴を記憶する手段を備え、上記電圧変化速度に関する情報に基づき、最小電圧を有する電池セルの劣化度合いを把握し、把握された劣化度合いが大きいほど、均等化電流値Ibを低く設定してもよい。
この手法によれば、1回の均等化処理の実行毎(2次側オン時間Tが規定時間T2on経過する毎)に、最小電圧Vminを有していた電池セルの電圧上昇量を抑制することとなる。このため、均等化処理終了時において最小電圧Vminを有していた電池セルの電圧が、最大電圧Vmaxを有していた電池セルの電圧を上回る事態の発生を抑制することができる。これにより、劣化度合いの大きい電池セルから劣化度合いの小さい電池セルへの電力の供給頻度を低減させることができ、電池セルを極力早期に均等化させることなどが期待できる。
また、均等化処理手法としては、上記第3の実施形態に例示したものに限らない。例えば、最小電圧Vminと最大電圧Vmaxとの電圧差ΔVの絶対値が、規定電圧Veよりも高い所定の閾値(>0)以上になると判断されることに基づき、電池セルの推定容量に基づく均等化処理に代えて、上記第1の実施形態に示した電池セルの電圧に基づく均等化処理を行ってもよい。これは、電力供給先及び電力供給元の電池セルの電圧差が大きい場合には、均等化処理によって電力供給元から電力供給先へと電力が供給されるときであっても、劣化度合いの大小と電池セルの電圧の大小との逆転現象が生じる蓋然性が低いことに基づくものである。
・上記各実施形態では、1個の電池セルCiを単位電池として均等化処理を行ったがこれに限らない。例えば、互いに隣接する複数個の電池セルの直列接続体(1ブロック)を単位電池として均等化処理を行ってもよい。
・電池セルとしては、リチウム2次電池に限らず、ニッケル水素2次電池等であってもよい。
・整流手段としては、ダイオードに限らず、例えばサイリスタ等であってもよい。
・上記各実施形態では、ハイブリッド車に本発明を適用したがこれに限らず、車載主機として内燃機関を搭載しない電気自動車等に本発明を適用してもよい。
10…組電池、Ci…電池セル、16…制御回路、Ti…トランス、SW1i…1次側スイッチ、SW2i…2次側スイッチ、Di…ダイオード。

Claims (9)

  1. 1個又は隣接する複数個の電池セルである単位電池の直列接続体としての組電池に適用され、
    1次側コイル及び2次側コイルを有し、前記単位電池のそれぞれに対応して個別に設けられたトランスと、
    前記単位電池と、該単位電池に対応する前記トランスの1次側コイルとを接続する電気経路を開閉可能な1次側開閉手段と、
    前記2次側コイルのそれぞれを互いに並列接続する電気経路と、
    前記単位電池のそれぞれに対応して設けられ、前記単位電池と前記並列接続する電気経路とを接続する電気経路を開閉可能な2次側開閉手段を備えることを特徴とする組電池の容量調節回路。
  2. 前記単位電池には、該単位電池に対応する前記1次側開閉手段と前記1次側コイルとの直列接続体が並列接続され、
    前記2次側開閉手段は、第1の2次側開閉手段及び第2の2次側開閉手段を含み、
    前記並列接続する電気経路は、前記2次側コイルのそれぞれの一端に接続された第1電気経路と、前記2次側コイルのそれぞれの他端に接続された第2電気経路とを含み、
    前記単位電池の正極端子には、該単位電池に対応する前記第1の2次側開閉手段を介して前記第1電気経路が接続され、
    前記単位電池の負極端子には、該単位電池に対応する前記第2の2次側開閉手段を介して前記第2電気経路が接続され、
    電力供給元の前記単位電池から電力供給先の前記単位電池へと電力を供給すべく、前記電力供給先に対応する前記第1の2次側開閉手段と前記第2の2次側開閉手段とをオン操作し、前記電力供給元に対応する前記1次側開閉手段のオンオフ操作を繰り返す操作手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の組電池の容量調節回路。
  3. 前記操作手段は、前記1次側開閉手段のオンオフ操作が繰り返される期間に渡って、前記第1の2次側開閉手段と前記第2の2次側開閉手段とのオン操作を継続することを特徴とする請求項2記載の組電池の容量調節回路。
  4. 前記単位電池のそれぞれの電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段の検出値に基づき、前記単位電池の中から、該単位電池の蓄電エネルギと正の相関を有するパラメータの値が高い水準の単位電池を電力供給元として選択し、前記パラメータの値が低い水準の単位電池を電力供給先として選択する処理を行う選択手段と、
    前記高い水準の単位電池から前記低い水準の単位電池へと電荷を供給すべく、前記1次側開閉手段及び前記2次側開閉手段を操作する操作手段とを更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の組電池の容量調節回路。
  5. 前記選択手段は、前記低い水準の単位電池として、前記電圧検出手段によって検出された電圧の最小値に対応する単位電池を選択する処理を行うことを特徴とする請求項4記載の組電池の容量調節回路。
  6. 前記選択手段は、前記高い水準の単位電池として、前記電圧検出手段によって検出された電圧の最大値に対応する単位電池を選択する処理を行うことを特徴とする請求項5記載の組電池の容量調節回路。
  7. 前記電圧検出手段の検出値に基づき、複数の前記単位電池の平均電圧を算出する手段を更に備え、
    前記選択手段は、前記高い水準の単位電池として、前記算出された平均電圧よりも高い電圧に対応する単位電池を選択する処理を行うことを特徴とする請求項5記載の組電池の容量調節回路。
  8. 前記選択手段は、前記組電池から放電される状況下において、前記選択する処理を行うことを特徴とする請求項6又は7記載の組電池の容量調節回路。
  9. 前記電圧検出手段の検出値に基づき、前記組電池の充放電時における前記単位電池のそれぞれの電圧変化量を算出する手段を更に備え、
    前記選択手段は、前記低い水準の単位電池として、前記算出された電圧変化量の絶対値の最大値に対応する単位電池を選択し、前記高い水準の単位電池として、前記算出された電圧変化量の絶対値の最小値に対応する単位電池を選択する処理を行うことを特徴とする請求項4記載の組電池の容量調節回路。
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