JP5558723B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、着用者の股部に着用される使い捨て吸収性物品に備えられる使い捨て吸収性物品に関する。
この種の従来の吸収コアは、集合された繊維等からなる繊維集合体をティッシュペーパーで包んで構成されている。ティッシュペーパーは透液性に優れているため、尿等の排泄液がティッシュペーパーを介して吸収コア内に迅速に取り込まれるという利点がある。しかし、従来の吸収コアでは、吸収コアの肌面側表面だけでなく吸収コアの外面側表面及び左右両側の縁部についても、包装材にティッシュペーパーが用いられるため、吸収コア内に取り込まれた排泄液が吸収コアの外面側表面及び左右両側の縁部のティッシュペーパーを介して外部に漏れやすいという問題がある。
例えば、特許文献1に記載の使い捨て吸収性物品のような構成では、吸収コアが、透液性のトップシート及び不透液性の左右のサイドシートを有する内装材と、バックシート等を有する不透液性の外装材との間に配置されている。このような構成では、サイドシートに防水機能を有する撥水性不織布が用いられる場合が多いため、撥水性不織布の防水機能は完全なものではなく、圧力が加わった場合又は排泄液に長時間晒された場合等には、排泄液が撥水性不織布を透過する場合がある。このため、吸収コアの外面側表面及び左右両側の縁部のティッシュペーパーを介して吸収コアの外部に漏れた排泄液が、サイドシートを介して使い捨て吸収性物品の外部に漏れるおそれがある。
特開2008−259766号公報
そこで、本発明の解決すべき課題は、吸収コアの外面側表面及び左右の縁部からの排泄液の漏れを効果的に抑制できる使い捨て吸収性物品を提供することである。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明では、着用者の股部に着用される使い捨て吸収性物品であって、着用者が排泄した排泄液を吸収する第1吸収コアと、前記第1吸収コアの外面側に配置され、前記排泄液を吸収する第2吸収コアと、を備え、前記第1吸収コアは、集合された繊維を少なくとも備えて構成された繊維集合体と、撥水性不織布からなり、前記繊維集合体の外面側に面する外面側表面の全体を覆うとともに、左右両側の縁部の全体を覆う第1シート体と、前記第1シート体よりも高い透液性を有し、前記繊維集合体の肌面側に面する肌面側表面における少なくとも中央部を覆う第2シート体と、を備える。
また、請求項2の発明では、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品において、前記第1吸収コアの前記第2シート体は、ティッシュペーパーである。
また、請求項3の発明では、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品において、前記第1吸収コアの前記第2シート体は、親水性不織布である。
また、請求項4の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の使い捨て吸収性物品において、少なくとも一部の部分が透液性を有し、前記第1吸収コアの前記肌面側に配置された内装材と、不透液性を有し、前記第2吸収コアの前記外面側に配置された外装材と、をさらに備える。
また、請求項5の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の使い捨て吸収性物品において、前記第1吸収コアの前記第1シート体は、撥水性を有するエアスルー不織布である。
また、請求項6の発明では、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の使い捨て吸収性物品において、前記第2吸収コアは、集合された繊維を少なくとも備えて構成された繊維集合体を備え、前記第1吸収コア及び前記第2吸収コアの前記繊維集合体は、吸収性樹脂粉末を含有しており、前記第1吸収コアの前記繊維集合体における前記吸収性樹脂粉末に対する前記繊維の比率は、前記第2吸収コアの前記繊維集合体における前記吸収性樹脂粉末に対する前記繊維の比率よりも高い。
請求項1に記載の発明によれば、吸収コアが、集合された繊維を少なくとも備えて構成された繊維集合体と、撥水性不織布からなり、繊維集合体の外面側に面する外面側表面を覆うとともに、左右両側の縁部を覆う第1シート体とを備えて構成されている。このため、撥水性不織布からなる第1シート体によって、吸収コアの外面側表面及び左右の縁部からの排泄液の漏れを効果的に抑制できる。その結果、本発明に係る吸収コアが使い捨て吸収性物品に備えられた場合に、吸収コアの外面側表面及び左右の縁部から漏れた排泄液が使い捨て吸収性物品の外部に漏れる等の不都合を効果的に抑制できる。
また、繊維集合体の肌面側に面する肌面側表面における少なくとも中央部が透液性を有する第2シート体によって覆われているため、繊維集合体の肌面側における少なくとも中央部を第2シート体によって保護できる。
また、繊維集合体の肌面側表面における少なくとも中央部を覆う第2シート体が、第1シート体よりも高い透液性を有しているため、着用者が排泄した尿等の排泄液の吸収コア内への受け入れが第2シート体によって阻害されることなく迅速に行われる。
請求項に記載の発明によれば、ティッシュペーパーは透液性に優れるため、第2シート体にティッシュペーパーを用いることにより、着用者が排泄した尿等の排泄液を、第2シート体を介して迅速に吸収コア内に取り込んで繊維集合体に吸収させることができる。
また、ティッシュペーパーは材料コストが安価であるため、吸収コアの製造コストを抑制できる。
請求項に記載の発明によれば、親水性不織布は破れにくく強度が高いため、第2シート体に親水性不織布を用いることにより、第2シート体の破損等を防止できる。
請求項に記載の発明によれば、肌面側に配置された第1吸収コアの繊維集合体の包装材として、撥水性不織布からなる第1シート体が用いられ、その第1シート体が繊維集合体の外面側表面及び左右両側の縁部を覆っている。このため、着用者が排泄した尿等の排泄液が第1吸収コア内に到達した際、排泄液が第1吸収コアの第1シート体を直ぐには透過せずに第1シート体に浸透しながら、第1シート体の内側で第1吸収コアの広い範囲(例えば、ほぼ全体)に拡散されて吸収される。そして、このように排泄液が第1吸収コアの広い範囲に拡散された後、第1シート体を透過して第2吸収コアに移行し、第2吸収コアの広い範囲(例えば、ほぼ全体)でほぼ同時に吸収される。このため、第1及び第2吸収コアの広い範囲(例えば、ほぼ全体)を有効に利用して、排泄液を効率よく吸収することができる。
請求項に記載の発明によれば、第1吸収コアの第1シート体に撥水性を有するエアスルー不織布が用いられているため、排泄液が第1吸収コアから第2吸収コアに移行する際に、第1吸収コアの第1シート体によって、排泄液を適度に拡散させながら透過させることができ、排泄液の第1吸収コアから第2吸収コアへの移行が妨げられることもない。
請求項に記載の発明によれば、第1吸収コアの繊維集合体における吸収性樹脂粉末に対する繊維の比率は、第2吸収コアの繊維集合体における吸収性樹脂粉末に対する繊維の比率よりも高い。それ故、肌面側に配置された第1吸収コアでは、外面側に配置された第2吸収コアに比して、排泄液の吸収速度が速く、かつ排泄液の保持能力が弱い。このため、排泄液を第1吸収コアの広い範囲(例えば、ほぼ全体)に迅速に拡散させて吸収させつつ、第1吸収コアから第2吸収コアへ広い範囲でほぼ同時に移行させることができる。その結果、第1及び第2吸収コアの広い範囲(例えば、ほぼ全体)をさらに有効に利用して、排泄液を効率よく吸収することができる。
本発明の第1実施形態に係る使い捨て吸収性物品としての使い捨ておむつの平面図である。 図1の使い捨ておむつのA−A線に沿った断面の構成を模式的に示す図である。 図1の使い捨ておむつに備えられる吸収コアの平面図である。 図3の吸収コアの変形例を示す図である。 図3の吸収コアの他の変形例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る使い捨て吸収性物品としての使い捨ておむつの横方向に沿った断面の構成を模式的に示す断面図である。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る使い捨て吸収性物品としての使い捨ておむつ(以下、単に「おむつ」という)の平面図であり、図2は図1のおむつのA−A線に沿った断面の構成を模式的に示す図である。なお、図1、図2及び後述する他の図において、横方向Xは着用者の左右方向に対応しており、縦方向Yは着用者の前後又は上下方向に対応している。また、図1に示すおむつ1の構成において、図1の図面上における上側がおむつ1の前側に対応している。
本実施形態に係るおむつ1は、テープ型又はパンツ型のおむつ等の股部の内側に敷き込まれて用いられるものである。このおむつ1をテープ型又はパンツ型のおむつ等の股部に敷き込むことにより、おむつの吸液容量が補強され、多量の尿が排尿された場合又は多量の水分を含んだ軟便が排便された場合に対応できるようになる。また、通常又は比較的少量の排尿又は排便がされた場合には、テープ型又はパンツ型のおむつの内側に敷き込んでいるおむつ1のみを交換すれば、外側のおむつはそのまま継続して使用できるという利点もある。なお、テープ型のおむつとは、おむつの後縁部の左右両側等に面ファスナー等の止着部材が設けられたタイプのおむつであり、パンツ型のおむつとは、左右の脚穴と腰穴を有し、左右の脚穴に着用者の脚を通して装着するタイプのおむつである。
このおむつ1は、図1及び図2に示すように、少なくとも一部が透液性を有し、肌面側に配置される内装材11と、不透液性を有し、外面側に配置される外装材12と、内装材11と外装材12との間に配置され、着用者が排泄した排泄液(例えば、尿又は便に含まれる水分等)を吸収する吸収コア13とを備えている。
内装材11は、表面シートとしてのトップシート16、及び左右のサイドシート17等を備えている。トップシート16は、おむつ1の肌面側における横方向Xの中央部に、縦方向Yに沿って配置されている。左右のサイドシート17は、トップシート16の左右の縁部に肌面側から重なるように、縦方向Yに沿って配置されている。トップシート16は、透液性の合成繊維製不織布又は織布で形成される。サイドシート17は、撥水性不織布等により形成される。
また、サイドシート17の横方向Xの内方側の端部には糸状の弾性部材18が伸張された状態で付与されている。この弾性部材18の収縮によってサイドシート17の一部が肌面側に向かって立ち上がり、立体ギャザーとして機能する。この立体ギャザーにより排泄物の横漏れが防止される。なお、この弾性部材18を含む立体ギャザーは省略してもよい。
外装材12は、バックシート19によって構成される。バックシート19は、不透液性の素材が好ましく、撥水性を有する合成繊維製不織布、ポリエチレン等の合成樹脂製フィルム(不透液性でかつ通気性を有するフィルムが好ましい)、又はそれらが貼り合わされてなる複合シートが用いられる。
吸収コア13は、図2及び図3に示すように、集合された繊維を少なくとも備えて構成された繊維集合体21と、繊維集合体21を包み込む包装材としての第1及び第2シート体22,23とを備えている。好ましくは、繊維集合体21には、繊維集合体21に混入又は散布された吸収性樹脂粉末が含まれる。また、吸収コア13の構成要素のうち、吸収性樹脂粉末及び第2シート体23については省略してもよい。
繊維集合体21に用いられる繊維としては、主に解繊パルプ繊維又はセルロース繊維が用いられ、必要に応じて熱融着性繊維等を混合してもよい。
第2シート体23は、後述する第1シート体22よりも高い透液性を有し、繊維集合体21の肌面側を向いた肌面側表面21aにおける少なくとも中央部を覆っている。本実施形態では、第2シート体23の縦方向Yの寸法は繊維集合体21の縦方向Yの寸法とほぼ等しく、第2シート体23の横方向Xの寸法は繊維集合体21の横方向Xの寸法よりもやや小さい。このため、第2シート体23が繊維集合体21の肌面側表面21aにおけるほぼ全体を覆っている。なお、変形例として、第2シート体23の横方向Xの寸法を図2に示す構成よりもさらに小さくしてもよい。
第2シート体23の素材としては、ティッシュペーパー又は親水性不織布が用いられる。親水性不織布としては、親水性を有する不織布材料により形成された不織布が用いられる場合と、撥水性を有する不織布材料により形成された不織布に対して親水性を持たせるための処理を施して得られた不織布が用いられる場合とがある。
第1シート体22は、撥水性不織布からなり、繊維集合体21の外面側を向いた外面側表面21d及び左右両側の縁部21b,21cを覆っている。本実施形態では、第1シート体22の左右の縁部22a,22bが繊維集合体21の外面側から左右両側の縁部21b,21cを経て肌面側に巻き上げられ、第2シート体23の左右の縁部に肌面側から重ね合わされている。また本実施形態では、第2シート体23の縦方向Yの寸法は繊維集合体21の縦方向Yの寸法とほぼ等しい。このため、第1及び第2シート体22,23によって、繊維集合体21の肌面側表面21a、左右両側の縁部21b,21c及び外面側表面21dの全体が覆われている。また本実施形態では、第1シート体22の左右の縁部22a,22bと第2シート体23との積極的な固定は行っていないが、第1シート体22の左右の縁部22a,22bと第2シート体23とを接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)等の接合手段を用いて固定してもよい。
また、本実施形態では、繊維集合体21の平面形状としては、図3に示すように略長方形型が採用されている。変形例として、繊維集合体21の平面形状を図4に示すように砂時計型にしてもよい。この図4に示す構成では、繊維集合体21の縦方向Yの略中央部(着用者の股下に対応する部分)に横方向Xの幅が狭くなった左右の括れ部26a,26bが形成される。
この場合、繊維集合体21の括れ部26a,26bに対応する第1シート体22(あるいは、第1シート体22及び第2シート体23)の部分27a,27bには繊維集合体21が存在しないこととなるが、この部分27a,27bについては、図4に示すようにそのまま残しておいてもよいし、図5に示すように繊維集合体21の括れ部26a,26bの外形に沿って切除してもよい。但し、部分27a,27bを切除した場合には、切除によって生じた第1シート体22等の開口部を接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)等の接合手段により接合して塞ぐのが好ましい。また、繊維集合体21の平面形状の他の例としては、略楕円型等の種々の形状が採用可能である。
以上のように、本実施形態によれば、吸収コア13の繊維集合体21の外面側表面21d及び左右両側の縁部21b,21cが撥水性不織布からなる第1シート体22によって覆われているため、第1シート体22によって、吸収コア13の外面側表面及び左右の縁部からの排泄液の漏れを効果的に抑制できる。その結果、吸収コア13の外面側表面及び左右の縁部から漏れた排泄液がおむつ1の外部に漏れる等の不都合を効果的に抑制できる。
また、吸収コア13の繊維集合体21の肌面側表面21aにおける少なくとも中央部が透液性を有する第2シート体23によって覆われているため、繊維集合体21の肌面側における少なくとも中央部を第2シート体23によって保護できる。特に、本実施形態では、第1及び第2シート体22,23によって、繊維集合体21の肌面側表面21a、左右両側の縁部21b,21c及び外面側表面21dの全体を覆っているため、繊維集合体21を確実に保護できる。
また、繊維集合体21の肌面側表面21aにおける少なくとも中央部を覆う第2シート体23が、第1シート体22よりも高い透液性を有しているため、着用者が排泄した尿等の排泄液の吸収コア21内への受け入れが第2シート体23によって阻害されることなく迅速に行われる。
また、第2シート体23にティッシュペーパーを用いた場合には、ティッシュペーパーは透液性に優れるため、着用者が排泄した尿等の排泄液を、第2シート体23を介して迅速に吸収コア内に取り込んで繊維集合体に吸収させることができる。さらに、ティッシュペーパーは材料コストが安価であるため、吸収コア13及びおむつ1の製造コストを抑制できる。
また、第2シート体23に親水性不織布を用いた場合には、親水性不織布は破れにくく強度が高いため、第2シート体23の破損等を防止できる。
[第2実施形態]
図6は、本発明の第2実施形態に係る使い捨て吸収性物品としてのおむつの横方向に沿った断面の構成を模式的に示す断面図であり、断面の位置は図1に示す構成におけるA−A線の位置とほぼ同一である。本実施形態に係るおむつ31が上述の第1実施形態に係るおむつ1と実質的に異なる点は、吸収コア13の外面側に吸収コア32を追加した点と、それに関連する部分のみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明の重複を回避する。
本実施形態に係るおむつ31では、図6に示すように、第1実施形態に係るおむつ1に用いられている吸収コア13である第1吸収コア13の外面側に、第2吸収コア32が追加されている。この第2吸収コア32は、集合された繊維を少なくとも備えて構成された繊維集合体33と、透液性を有し、繊維集合体33を包み込む包装材としてのシート体34とを備えている。好ましくは、繊維集合体21には、繊維集合体21に混入又は散布された吸収性樹脂粉末が含まれる。なお、この吸収性樹脂粉末については省略してもよい。
第2吸収コア32の繊維集合体33に用いられる繊維は、第1吸収コア13の繊維集合体21に用いられる繊維とほぼ同様なものが用いられる。シート体34には、例えばティッシュペーパーが用いられる。なお、第2吸収コア32の包装材の構成として、第1吸収コア13の第1及び第2シート体22,23による構成と同様な構成を採用してもよい。
第1吸収コア13の繊維集合体21の平面形状、及び第1及び第2シート体22,23からなる包装材の平面形状は、前述の如く、略長方形型、砂時計型、略楕円型等の種々の形状が採用可能である。また、第2吸収コア32の繊維集合体33の平面形状、及びシート体34からなる包装材の平面形状についても、同様に略長方形型、砂時計型、略楕円型等の種々の形状が採用可能である。また、本実施形態では、第1及び第2吸収コア13,32の繊維集合体21,33は、その縦方向Y及び横方向Xの寸法及び平面形状が同一のものを採用しているが、その縦方向Y及び横方向Xの寸法及び平面形状のいずれか一方又は両方が互いに異なったものを採用してもよい。なお、繊維集合体21,33の縦方向Y及び横方向Xの寸法及び平面形状のいずれか一方又は両方が互いに異なっている場合であっても、着用者の股下に対応するおむつ31の股下部では、繊維集合体21,33の横方向Xの寸法をほぼ一致させるようにしてもよい。
このように、本実施形態に係るおむつ31では、肌面側に配置された第1吸収コア13の繊維集合体21の包装材として、撥水性不織布からなる第1シート体22が用いられ、その第1シート体22が繊維集合体21の外面側表面21d及び左右両側の縁部21b,21cを覆っている。このため、着用者が排泄した尿等の排泄液が、図6の矢印B1で示すように第1吸収コア13内に到達した際、排泄液が第1吸収コア13の第1シート体22を直ぐには透過せずに第1シート体22に浸透しながら、矢印B2で示すように第1シート体22の内側で第1吸収コア13の繊維集合体21中の広い範囲(例えば、ほぼ全体)に拡散されて吸収される。そして、このように排泄液が第1吸収コア13の広い範囲に拡散された後、矢印B3で示すように第1シート体22を透過して第2吸収コア32に移行し、第2吸収コア32の繊維集合体33中広い範囲(例えば、ほぼ全体)でほぼ同時に吸収される。このため、第1及び第2吸収コア13,32の繊維集合体21,33の広い範囲(例えば、ほぼ全体)を有効に利用して、排泄液を効率よく吸収することができる。
また、本実施形態では、第1吸収コア13の第1シート体22に、撥水性を有するエアスルー不織布が用いられている。このため、排泄液が第1吸収コア13から第2吸収コア32に移行する際に、第1吸収コア13の第1シート体22によって、排泄液を適度に拡散させながら透過させることができ、排泄液の第1吸収コア13から第2吸収コア32への移行が妨げられることもない。変形例として、第1吸収コアの第1シート体22の目付を低減することにより、第1シート体22に適度な透液性を持たせるようにしてもよい。
また、本実施形態では、第1吸収コア13の繊維集合体21における吸収性樹脂粉末に対する繊維の比率が、第2吸収コア32の繊維集合体33における吸収性樹脂粉末に対する繊維の比率よりも高く設定されている。すなわち、第1吸収コア13の繊維集合体21の方が第2吸収コア32の繊維集合体33よりも、繊維集合体21,33に含まれる繊維の割合が大きくなっている。それ故、肌面側に配置された第1吸収コア13では、外面側に配置された第2吸収コア32に比して、排泄液の吸収速度が速く、かつ排泄液の保持能力が弱い。このため、排泄液を第1吸収コア13の繊維集合体21の広い範囲(例えば、ほぼ全体)に迅速に拡散させて吸収させつつ、第1吸収コア13から第2吸収コア32へ広い範囲でほぼ同時に移行させることができる。その結果、第1及び第2吸収コア13,32の繊維集合体21,33の広い範囲(例えば、ほぼ全体)をさらに有効に利用して、排泄液を効率よく吸収することができる。
なお、上述の第1及び第2実施形態では、本発明に係る技術をテープ型又はパンツ型のおむつ等の股部に敷き込まれて使用されるパット型のおむつに適用した例について示したが、本発明に係る技術をテープ型のおむつ又はパンツ型のおむつに適用してもよい。あるいは、本発明に係る技術を生理用ナプキンに適用してもよい。
1 使い捨ておむつ、11 内装材、12 外装材、13 吸収コア(第1吸収コア)、16 トップシート、17 サイドシート、18 弾性部材、19 バックシート、21 繊維集合体、22 第1シート体、23 第2シート体、31 使い捨ておむつ、32 第2吸収コア、33 繊維集合体、34 シート体。

Claims (6)

  1. 着用者の股部に着用される使い捨て吸収性物品であって、
    着用者が排泄した排泄液を吸収する第1吸収コアと、
    前記第1吸収コアの外面側に配置され、前記排泄液を吸収する第2吸収コアと、
    を備え、
    前記第1吸収コアは、
    集合された繊維を少なくとも備えて構成された繊維集合体と、
    撥水性不織布からなり、前記繊維集合体の外面側に面する外面側表面の全体を覆うとともに、左右両側の縁部の全体を覆う第1シート体と、
    前記第1シート体よりも高い透液性を有し、前記繊維集合体の肌面側に面する肌面側表面における少なくとも中央部を覆う第2シート体と、
    を備えることを特徴とする使い捨て吸収性物品。
  2. 請求項1に記載の使い捨て吸収性物品において、
    前記第1吸収コアの前記第2シート体は、ティッシュペーパーであることを特徴とする使い捨て吸収性物品
  3. 請求項1に記載の使い捨て吸収性物品において、
    前記第1吸収コアの前記第2シート体は、親水性不織布であることを特徴とする使い捨て吸収性物品
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の使い捨て吸収性物品において、
    少なくとも一部の部分が透液性を有し、前記第1吸収コアの前記肌面側に配置された内装材と、
    不透液性を有し、前記第2吸収コアの前記外面側に配置された外装材と、
    をさらに備えることを特徴とする使い捨て吸収性物品。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の使い捨て吸収性物品において、
    前記第1吸収コアの前記第1シート体は、撥水性を有するエアスルー不織布であることを特徴とする使い捨て吸収性物品。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の使い捨て吸収性物品において、
    前記第2吸収コアは、集合された繊維を少なくとも備えて構成された繊維集合体を備え、
    前記第1吸収コア及び前記第2吸収コアの前記繊維集合体は、吸収性樹脂粉末を含有しており、
    前記第1吸収コアの前記繊維集合体における前記吸収性樹脂粉末に対する前記繊維の比率は、前記第2吸収コアの前記繊維集合体における前記吸収性樹脂粉末に対する前記繊維の比率よりも高いことを特徴とする使い捨て吸収性物品。
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