JP5556985B2 - 強誘電性液晶組成物、及びそれを用いた表示素子 - Google Patents
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Description
一方、本願発明の強誘電性液晶組成物において用いられる含フッ素テトラフェニルホウ酸イオンの塩は、相間異動触媒として用いることについては多くの研究がなされているが、強誘電性液晶組成物に添加することにより、特有の効果を発現することについては知られていない(非特許文献1)。
本願発明は、少なくとも2種以上の液晶性化合物を含有する液晶性混合物及び含フッ素テトラフェニルホウ酸イオンの塩を少なくとも1種含有することを特徴とする強誘電性液晶組成物を提供し、併せて該強誘電性液晶組成物を用いた強誘電性液晶表示素子を提供する。
含フッ素テトラフェニルホウ酸イオンの塩の中にはTFPB又は小林試薬とも呼ばれる化合物があり、相間異動触媒等として工業化されている。含フッ素テトラフェニルホウ酸イオンの塩、は一般的な塩と異なり有機物と親和性が高く、またイオン伝導することが知られているが、この性質を利用して液晶媒体中あるいは液晶セル界面近傍で容易に移動し得るイオンとなることが焼き付けや反転異常等の表示不良を抑制して表示品位や生産性を良くする効果を発現する。特に、高脂溶性含フッ素テトラフェニルホウ酸イオンの塩は、通常の脂溶性有機アニオン種を用いた場合に比べて、イオン対間距離を大きくすることが可能であり、イオン対間の静電引力が小さく、その結果、対カチオン種はきわめて大きい親電子性を示すことから、極めて効果的に表示不良を抑制することができるものである。
本願発明の強誘電性液晶組成物に添加する含フッ素テトラフェニルホウ酸イオンの塩としては、高脂溶性含フッ素テトラフェニルホウ酸イオンの塩であることが好ましい。
含フッ素テトラアリールホウ酸イオンの塩は具体例には以下の一般式で表される化合物が好ましい。
含フッ素テトラアリールホウ酸イオンの塩の具体例として以下の化合物を挙げることができる。
含フッ素テトラフェニルホウ酸イオンの塩において、対カチオン(上式中M+)としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオンが好ましいが、より疎水性を高めることが必要となる場合には、第4級アンモニウムイオン、第4級ホスホニウムイオン、第4級ピリジニウムイオン、又は第4級イミダゾリウムイオンがより好ましい。
第4級アンモニウムイオン、第4級ホスホニウムイオン、第4級ピリジニウムイオン、又は第4級イミダゾリウムイオンとして具体的には以下の化合物が好適に使用できる。
強誘電性液晶相の温度範囲を広くして安定化するという点では、下記一般式(IV)
光学活性化合物として具体的には一般式(V)
一般式(V)で表される化合物の中で、Z51が一般式(V−4)の構造を持ち、かつZ52がフッ素原子の化合物としては、下記一般式(V−b)
一般式(V)で表される化合物の中で、不斉炭素の構造としてZ51が一般式(V−5)の構造を持ち、かつR53及びR54が水素原子である化合物の例を以下に挙げる。
一般式(V)で表される化合物の中で、不斉炭素の構造としてZ51が一般式(V−4)の構造を持つ化合物の例を以下に挙げる。
カチオン包接化合物の含有量は、強誘電性液晶組成物に対する重量割合で0.01ppm〜10%であることが好ましく、0.1ppm〜5%であることがより好ましく、1ppm〜5%であることが特に好ましい。カチオン包接化合物の含有量は、カチオン包接化合物の添加により添加前の液晶性混合物のTAC点(スメクチックC−スメクチックA相転移温度)が10℃以上変化しないような添加量を選定することが好ましい。
に示す構造を有する化合物を挙げることができる。このなかでも、R761及びR762は各々独立に炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基あるいはアルコキシ基である場合がより好ましい。
(実施例1)
下記構造の化合物を下記に示す割合で混合し液晶性混合物(LC-1)を作製した。
この強誘電性液晶組成物(FLC-1)の比抵抗値は5.1×1011Ωcmであった。次にポリイミド−ラビング処理を施したセルギャップ2μmのセルに真空注入法によりFLC-1を注入し、強誘電性液晶素子(FLCD-1)を得た。このようにして得られた強誘電性液晶素子(FLCD-1)を用いて、焼き付き及び反転異常の評価を行った。FLCD-1は、焼付きを起こさず、また反転異常を示す透過率変化は0.17%であり、反転異常が起こらなく好適であった。
液晶混合物(LC-1)は、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート ナトリウム塩を含まないこと以外は実施例1の強誘電性液晶組成物(FLC-1)と同様な組成を有する強誘電性液晶であるので、(LC-1)を比較用として用い、実施例1に記載の方法と同様にして強誘電性液晶素子(LCD-1)を作製した。このようにして得られた強誘電性液晶素子(LCD-1)を用いて、焼き付き及び反転異常の評価を行ったところ、焼付きが起こり、また反転異常を示す透過率変化は7.6%であり、明確に反転異常が観察され、実施例1よりも劣っていることは明らかであった。
(実施例2)
下記構造の化合物を下記に示す割合で混合し液晶性混合物(LC-2)を作製した。
液晶混合物(LC-2)は、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート ナトリウム塩を含まないこと以外は実施例2の強誘電性液晶組成物(FLC-2)と同様な組成を有する強誘電性液晶組成物であるので、(LC-2)を比較用として用い、実施例1に記載の方法と同様にして強誘電性液晶素子(LCD-2)を作製した。このようにして得られた強誘電性液晶素子(LCD-2)を用いて、焼き付き及び反転異常の評価を行ったところ、焼付きが起こり、また反転異常を示す透過率変化は4.6%であり、明確に反転異常が観察され、実施例2よりも劣っていることは明らかであった。
(実施例3)
下記構造の化合物を下記に示す割合で混合し液晶性混合物(LC-3)を作製した。
この強誘電性液晶組成物(FLC-3)の比抵抗値は1.1×1011Ωcmであった。実施例1と同様に強誘電性液晶素子(FLCD-3)を作製した。このようにして得られた強誘電性液晶素子(FLCD-3)を用いて、焼き付き及び反転異常の評価を行った。FLCD-3は、焼付きを起こさず、また反転異常を示す透過率変化は0%であり、反転異常が起こらなく好適であった。
液晶混合物(LC-3)は、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート ナトリウム塩を含まないこと以外は実施例3の強誘電性液晶組成物(FLC-3)と同様な組成を有する強誘電性液晶組成物であるので、(LC-3)を比較用として用い、実施例1に記載の方法と同様にして強誘電性液晶素子(LCD-3)を作製した。このようにして得られた強誘電性液晶素子(LCD-3)を用いて、焼き付き及び反転異常の評価を行ったところ、焼付きが起こり、また反転異常を示す透過率変化は10.5%であり、明確に反転異常が観察され、実施例3よりも劣っていることは明らかであった。
(実施例4)
実施例1に記載の液晶性混合物(LC-1)に含フッ素テトラフェニルホウ酸イオンの塩としてテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート ナトリウム塩を5ppm、及びカチオン包接化合物として下記構造の化合物(I−aa)
実施例1と同様に強誘電性液晶素子(FLCD-4)を作製した。このようにして得られた強誘電性液晶素子(FLCD-4)を用いて、焼き付き及び反転異常の評価を行った。FLCD-4は、焼付きを起こさず、また反転異常を示す透過率変化は0%であり、反転異常が起こらなく好適であった。
Claims (5)
- 少なくとも2種以上の液晶性化合物を含有する液晶性混合物及び含フッ素テトラフェニルホウ酸イオンの塩を少なくとも1種含有することを特徴とする強誘電性液晶組成物であって、
前記含フッ素テトラフェニルホウ酸イオンの塩の含有量が0.01ppm〜10%であり、
前記液晶性混合物が、下記一般式(I−a)
- 含フッ素テトラフェニルホウ酸イオンの塩が、高脂溶性を有する請求項1記載の強誘電性液晶組成物。
- 含フッ素テトラフェニルホウ酸イオンの塩が、アルカリ金属塩、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、第4級ピリジニウム塩、又は第4級イミダゾリウム塩である請求項1又は2記載の強誘電性液晶組成物。
- 比抵抗値が1×1010〜1×1014Ωcmである請求項1から3の何れかに記載の強誘電性液晶組成物。
- 請求項1から4の何れかに記載の強誘電性液晶組成物を用いた強誘電性液晶表示素子。
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