以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
本実施の形態における決済システムは、有料道路の料金所での渋滞緩和等を目的として料金収受を無線通信により実現するETC(Electronic Toll Collection)システムに適用されるものであり、料金所に設置された路側アンテナとの間で無線通信を行い通行料金の決済を行なうものである。この決済システムは、図1〜図3に示すETC車載器10、携帯機20を含むものである。なお、ETC(Electronic Toll Collection)は登録商標である。そして、決済システムは、図1に示すように、通信事業者(通信局)を介して、センター(クレジット会社)40との通信を行なうことによって、決済情報の新規設定、更新を行なうものである。
まず、ETC車載器10と携帯機20の構成に関して説明する。ETC車載器10(決済用車載器)は、車両に搭載され、料金収受のための通信を行うものであり、ETCカードのICチップに記憶された料金収受に必要な決済情報などを車載器側不揮発性メモリ18a(以下、不揮発性メモリ18aとも称する)に記憶させることによってETCカードを不要とするカードレスタイプである。
ETC車載器10は、図2に示すように、ヒューマン・マシン・インタフェース11(以下、HMI11とも称する)、通信インタフェース12、ETCアンテナ13、ETC無線部14、ETC通信制御部15、車載器側制御部16(以下、制御部16とも称する)、セキュリティモジュール17、不揮発性メモリ18a、車載器側ROM18b(以下、ROM18とも称する)および車載器側電源部19(以下、電源部19とも称する)の各ブロックを備えている。これらの各ブロック11〜19は、同一筐体内に収納されている。
HMI11は、表示装置、音声出力装置および入力装置(何れも図示せず)を備えている。表示装置は液晶ディスプレイなどからなり、制御部16からの信号に応じて後ほど説明する活性化結果などを表示する。音声出力装置は、制御部16からの信号に応じた音声を発生するスピーカによって構成される。入力装置は、ボタン、スイッチ等を備え、これらへのユーザの操作に基づいた信号を制御部16へ出力する。
通信インタフェース12は、携帯機20(携帯機20の通信インタフェース22)との通信を行なうものである。例えば、Bluetooth(登録商標)、赤外線、USBなどの通信を行なう通信部などを採用することができる。
ETCアンテナ13は、路側等に設置された路側アンテナ(図示せず)と電波の送受信を行う。
ETC無線部14は、ETCアンテナ13が受信した信号に対して増幅、周波数変換、復調、A/D変換等を施し、その結果のデータをETC通信制御部15に出力する。またETC無線部14は、ETC通信制御部15から入力されたデータに対してD/A変換、変調、周波数変換、増幅等を施し、その結果の信号をETCアンテナ13に出力する。
ETC通信制御部15は、ETC無線部14から入力されたデータを制御部16に出力し、また、制御部16から入力されたデータをETC無線部14に出力する。
制御部16は、図示しないCPUおよびRAMなどを備えている。この制御部16は、ROM18bからプログラムを読み出し、必要に応じて、HMI11、通信インタフェース12、ETC通信制御部15およびセキュリティモジュール17とデータの授受を行なう。また、制御部16は、後ほど説明する不揮発性メモリ18aに記憶された決済情報の活性化を行なう。なお、活性化、不活性化の処理については、セキュリティモジュール17で行っても良い。
セキュリティモジュール17は、制御部16が、ETC通信制御部15、ETC無線部14およびETCアンテナ13を介して路側アンテナと通信するデータの暗号、復号を行う。なお、これらのHMI11〜ROM18a(アンテナ13を省く)の実装としては、少なくとも1つないし、複数のICパッケージやモジュールとして集積される。
不揮発性メモリ18aには、制御部16からの信号に応じてETC通信の通信結果、利用履歴等の各種データが記憶される。また、不揮発性メモリ18aには、ETC車載器10の使用前にセットアップ(初期情報登録作業)によって、自動車登録番号、車名、型式等の車両情報やETCカード番号などの料金収受に必要な決済情報などが記憶される。このセットアップは、例えば、センター40からETC車載器10のETCアンテナ13へセットアップデータ(車両情報および料金収受に必要な決済情報、有効期限情報、パスワードが含まれる:新規設定情報)を無線送信することによって行われる。
具体的には、不揮発性メモリ18aには、図4に示すように、複数の決済情報(ここでは、決済情報1〜3)と、ETC車載器10を識別するための番号であり重複する番号が無い管理された管理番号(ここでは、車載器管理番号A)と、各決済情報1〜3を料金収受が可能となる活性化状態にするための複数のパスワード(以下、活性化暗証番号とも証する。ここでは、活性化暗証番号1〜3)と、及び各決済情報1〜3の有効期限を示す有効期限情報(ここでは、有効期限情報1〜3)とが関連付けて記憶されている(車両側記憶手段)。なお、以上の情報の記録は、必ずしも、一つの不揮発性メモリ18aに記録する必要は無く、別々の不揮発性メモリに記録しても良い。また、活性化暗証番号は、数字やコード以外にも、利用者の認証(特定)が可能な任意データを含むものである。また、上述の有効期限は、従来のETCカードを挿入するタイプのETC車載器における、ETCカードに用いられるクレジットカードの有効期限と同等のものである。そして、有効期限情報は、この有効期限に関する情報のことである。
このように、一つのETC車載器10に複数の決済情報を持つことによって、1台の車両を複数人でシェアして利用する場合に効果的で、それぞれの支払い者の決済情報で決済が可能となる。
例えば、1台の車両(例えば、会社の車両)を3名の社員で利用する場合に有効である。車両に搭載されたETC車載器の不揮発性メモリには、図4の例と同様に管理番号A、決済情報1と活性化暗証番号1と有効期限情報1、決済情報2と活性化暗証番号2と有効期限情報2、決済情報3と活性化暗証番号3と有効期限情報3とが記憶(登録)されている。一方、車両を利用する3名の社員は、それぞれ異なる携帯機(携帯機A20a〜携帯機C20c)を所持している。携帯機A20aの不揮発性メモリには、管理番号A、決済情報1、活性化暗証番号1、有効期限情報1が紐付けされて記憶されている。携帯機B20bの不揮発性メモリには、管理番号A、決済情報2、活性化暗証番号2、有効期限情報2が紐付けされて記憶されている。携帯機C20cの不揮発性メモリには、管理番号A、決済情報3、活性化暗証番号3、有効期限情報3が紐付けされて記憶されている。このように、1台の車両(ETC車載器)を3名でシェアして利用する場合であっても、それぞれの支払い者の決済情報1〜3で決済が可能となる。
このほかには、支払い者は同一であるが決済情報を複数持ち、決済情報別の利用条件やサービスポイント、割引などにより、決済情報を切り替えて使う場合にも有効である。また、決済情報が共通で同一(法人・会社)で、複数人が利用する場合も有効である。
ここで、決済情報の活性化状態とは、不揮発性メモリ18aに記憶された決済情報が外部から読み出し、書き込みできる状態である。また、決済情報が活性化状態でない場合は、不揮発性メモリ18aに記憶された決済情報が外部から読み出し、書き込みできない状態(不活性化状態)である。決済情報は、通常は不活性化状態にあって、ETC車載器10に活性化暗証番号を入力して、ETC車載器10の記憶している活性化暗証番号と一致した場合に活性化状態(決済情報が有効)になるものである。これによってETCが利用できる。
また、本実施の形態においては、複数の決済情報、複数の活性化暗証番号及び複数の有効期限情報を不揮発性メモリ18aに記憶する例を採用して説明するが本発明はこれに限定されるものではない。一つの不揮発性メモリ18aに決済情報、活性化暗証番号及び有効期限情報を一つずつ記憶するようにしてもよい。つまり、一つのETC車載器10に一つの不揮発性メモリ18aのみを備える場合に、その不揮発性メモリ18aに決済情報、活性化暗証番号及び有効期限情報を一つずつ保持するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、複数の決済情報のそれぞれに対して活性化暗証番号を設定する例を採用して説明するが本発明はこれに限定されるものではない。複数の決済情報に対して共通の活性化暗証番号を設定してもよい。例えば、活性化暗証番号1で決済情報1〜3を活性化状態にすることができるようにしてもよい。
ROM18bには、予めETC車載器10が動作するためのプログラムが記憶されている。電源部19は、車両のバッテリからアクセサリスイッチを介して供給される電圧を所定の電圧に変換して各ブロック11〜18a、18bに供給する。
一方、携帯機20(入力機器)は、例えば、携帯電話機などのユーザが携帯可能なものであり、決済システムに少なくとも一つ設けられる。この携帯機20は、車載器側不揮発性メモリ18aに記憶された決済情報を料金収受が可能となる活性化状態にするための活性化暗証番号をETC車載器10に入力するものである。換言すると、携帯機20は、ETC車載器10を料金収受ができる状態にするためのものである。
なお、本実施の形態においては、入力機器として携帯機20を採用して説明するが本発明はこれに限定されるものではない。活性化暗証番号をETC車載器10に入力できるもの(例えば、ナビゲーション装置(通信ナビ)、DCM、モバイルパソコンなど)であれば本発明の目的は達成できる。
携帯機20は、図3に示すように、ヒューマン・マシン・インタフェース21(以下、HMI21とも称する)、通信インタフェース22、携帯機側制御部23(以下、制御部23とも称する)、携帯機側不揮発性メモリ24a(以下、不揮発性メモリ24aとも称する)、携帯機側ROM24b(以下、ROM24bとも称する)、携帯機側電源部25(以下、電源部25とも称する)および携帯電話通信部26の各ブロックを備えている。これらの各ブロック21〜26は、同一筐体内に収納されている。また、携帯機20は、通常の携帯電話の機能(通話、インターネット、メールなど)を実行可能な通常モードと、パケット通信するだけ(入力されたデータを転送するだけ)のモードであり、データのコンテンツには介入しないモデムモード(モデム機能)とを有する。
HMI21は、表示装置、音声出力装置および入力装置(何れも図示せず)を備えている。表示装置は液晶ディスプレイなどからなり、制御部23からの信号に応じて後ほど説明する活性化結果などを表示する。音声出力装置は、制御部16からの信号に応じた音声を発生するスピーカによって構成される。入力装置は、ボタン、スイッチ等を備え、これらへのユーザの操作に基づいた信号を制御部23へ出力する。
通信インタフェース12は、ETC車載器10(ETC車載10の通信インタフェース12)との通信を行なうものである。例えば、Bluetooth(登録商標)、赤外線、USBなどの通信を行なう通信部などを採用することができる。
制御部23は、図示しないCPUおよびRAMなどを備えている。この制御部23は、ROM24bからプログラムを読み出し、必要に応じて、HMI21、通信インタフェース22、携帯電話通信部26とデータの授受を行なうと共に、通常モード及びモデムモードの実行制御を行なう。さらに、制御部23は、時計機能(日付取得手段)を有しており、後ほど説明する更新警告日を過ぎたか否かなどを判定する。また、制御部23は、外部から現在の日付に関する日付情報を取得(日付取得手段)するようにしてもよい。なお、ROM24bには、予め携帯機20が動作するためのプログラムが記憶されている。
不揮発性メモリ24aには、図5に示すように、複数のETC車載器の管理番号(ここでは、車載器管理番号A、車載器管理番号B)と、複数の決済情報(ここでは、決済情報1〜3)と、各決済情報1〜3に対する複数の活性化暗証番号(ここでは、活性化暗証番号1〜3)と、各決済情報1〜3の更新を警告するための更新警告日情報1〜3とが紐付け(紐付け手段)されて記憶されている(更新警告日情報記憶手段)。なお、更新警告日は、ユーザに対して決済情報の有効期限が近づいていることを知らせるためのものであり、決済情報の有効期限よりも前の日付(例えば、有効期限の数日前や数ヶ月前)が設定される。
この更新警告日は、どの決済情報の有効期限に対して同様に決められたデフォルト値(所定日数前の日付、例えば、どの有効期限に対しても一ヶ月前の日付)、ユーザの操作に応じてHMI21から入力された値(ユーザによって入力された日付でありユーザが個別に決めた日付)、または、決済情報の更新期間の初日を示す値(クレジット会社が決めた更新期間の初日の日付)などによって設定される(警告日情報設定手段)。また、更新警告日情報は、この日付に関する情報である(更新警告日を示す情報)。この更新警告日の設定に関しては後ほど説明する。
なお、更新期間は、従来のETCカードを挿入するタイプのETC車載器における、ETCカードに用いられるクレジットカードの更新期間と同等のものである。そして、決済情報は、更新期間内に更新処理を行うことによって、有効期限を更新して延ばすことができる。従って、決済情報の更新と有効期限の更新とは同等の意味を示すものである。
このように、管理番号別の決済情報と活性化暗証番号を複数記憶することによって、一人の人が複数の車両でETC車載器を利用する場合に効果がある。一人の人が3台の車両(例えば、会社の車両、自分の車両、家族の車両)を利用する場合に有効である。会社の車両に搭載されたETC車載器の不揮発性メモリには、管理番号A、決済情報1と活性化暗証番号1が記憶(登録)されている。自分の車両に搭載されたETC車載器の不揮発性メモリには、管理番号B、決済情報1と活性化暗証番号1が記憶(登録)されている。家族の車両に搭載されたETC車載器の不揮発性メモリには、管理番号C、決済情報1と活性化暗証番号1が記憶(登録)されている。一方、その3台の車両の利用者は携帯機20を所持している。携帯機20の不揮発性メモリには、管理番号Aと決済情報1と活性化暗証番号1が紐付けされて記憶されている。他にも、管理番号Bと決済情報1と活性化暗証番号1、及び管理番号Cと決済情報1と活性化暗証番号1が紐付けされて記憶されている。このように、3台の車両のいずれの車両を利用した場合であっても決済情報1での決済が可能となる。もちろん車両によって決済情報が異なっても良い。
なお、車両を廃車や譲渡する際に、ETC車載器10に記録された管理番号別の決済情報と活性化暗証番については、一斉削除できる機能を有するようにしてもよい。また、登録可能な件数を超えた場合は、携帯機20に警告を発し、上書きなどの処理が行えるようにしてもよい。
さらには、支払い者は同一であるが決済情報を複数持ち、決済情報別の利用条件やサービスポイント、割引などにより、決済情報を切り替えて使う場合にも有効である。
なお、携帯電話通信部26は、携帯電話網を介して通信を行なうものである。また、携帯電話通信部26は、ETC車載器10とセンター40(通信事業者30)との間においてモデムとして機能する。電源部25は、各ブロック21〜24a、24b、26に電源を供給する電池である。
センター40は、クレジット会社において決済情報、その決済情報の有効期限情報、更新期間情報の発行や管理などを行なうものであり、パソコンやサーバー、及び通信事業者30を介して携帯機20と通信接続可能な構成を有している。また、センター40では、決済情報や後ほど説明する更新情報などに対して暗号化することによってセキュリティを確保している(センター側セキュリティ手段)。なお、決済情報や後ほど説明する更新情報などは、ETC車載器10においても暗号化することによってセキュリティが確保されている(車載器側セキュリティ手段)。つまり、決済情報や更新情報は、センター40の持つセキュリティとETC車載機10に搭載された相互認証と通信データ暗号化のセキュリティにより担保される。相互認証とはセンター40とETC車載器10のセキュリティがお互いに正規な相手であるかを確認する機能である。なお、ETC車載器10と携帯機20との間、携帯機20と通信事業者30との間、通信事業者30とセンター40との間の各通信路そのものの暗号化や機器認証などは、通信規格に準じて搭載しても良い。この場合は、通信路のデータ信号には、通信規格に定められたセキュリティと決済情報のセキュリティが2重にかかっていることになる。
ここで、図6に記載のフローチャートを用いて、ETC車載器10と携帯機20とによって構成される決済システムの処理動作に関して説明する。
図6においては、ステップS201〜ステップS212はETC車載器10で実行される処理動作であり、ステップS213〜ステップS231は携帯機20で実行される処理動作である。また、点線は、ETC車載器10における通信インタフェース12と携帯機20における通信インタフェース22での通信を示すものである。
図6おけるフローチャートは、例えば、ETC車載器10においては、携帯機20が所定の範囲(Bluetooth(登録商標)通信が可能な範囲)内に存在する場合にスタートする。一方、携帯機20においては、電源が供給されるとスタートする。
まず、ステップS201では、ETC車載器10は、通信インタフェース12にて携帯機20の通信インタフェース22とリンク接続する。
ステップS202では、ETC車載器10は、車載器側不揮発性メモリ18aに記憶している車載器管理番号Aと共に決済情報1〜3を携帯機20に送信する(管理番号送信手段、決済情報送信手段)。なお、携帯機20の通信インタフェース22とETC車載器10の通信インタフェース12とのデータ通信において、暗号化を行っても良い。また、一つの車載器管理番号に対して、決済情報、活性化暗証番号が一つずつ紐付けされている場合は、車載器管理番号のみを送信するようにしてもよい。
ここでETC車載器10と携帯機20で扱われる決済情報とは、利用者がどの決済情報か確認できる番号であって、実際に処理される決済情報の全てではない。たとえば、決済情報として、クレジットカードやETCカードの番号下4桁を使っても良い。
一方、ステップS213では、携帯機20は、有効期限の監視処理を行う。このステップS213の有効期限の監視処理は、図8のフローチャートに示すように、携帯機20は、ステップS2131にて、現在の日付と不揮発性メモリ24aに記憶された更新警告日情報とを比較して更新警告日が過ぎたか否かを判定する(監視手段)。更新警告日を過ぎたと判定した場合は図7の有効期限の更新処理におけるステップS2222に進み、更新警告日を過ぎてないと判定した場合は図6に示す処理に戻る(ステップS214へ進む)。つまり、携帯機20は、不揮発性メモリ24aに記憶した決済情報の更新警告日をETCの利用に関係なく常に監視しているので、更新警告日になった場合は、有効期限が近いことをユーザに通知することが可能となる。
ステップS214では、携帯機20は、ETC車載器10とのリンク接続がなされたか否かを判定する。そして、リンク接続がなされたと判定した場合はステップS215へ進み、リンク接続がなされていないと判定した場合はステップS213に戻る。つまり、携帯機20は、常にステップS213における決済情報の有効期限の監視を行なう。
ステップS215では、携帯機20は、ETC車載器10から送信された車載器管理番号A、決済情報1〜3がすでに携帯機側不揮発性メモリ24aに登録(記憶)されたものであるか否かを判定する。登録有りと判定した場合はステップS216へ進み、登録なしと判定した場合はステップS224へ進む。なお、本実施の形態では、図5に示すように、携帯機側不揮発性メモリ24aに車載器管理番号A、決済情報1〜3が記憶されているのでステップS214に進むことになる。
ここで、ETC車載器10から取得した車載器管理番号A、決済情報1〜3が携帯機側不揮発性メモリ24aに登録(記憶)されてなかった場合(ステップS215でNO判定)は、ステップS224〜S228において登録を行なう。
ステップS224では、携帯機20は、ETC車載器10から取得した車載器管理番号Aと決済情報1〜3を携帯機側不揮発性メモリ24aに登録(記憶)する。次に、ステップS225では、携帯機20は、全ての決済情報1〜3をHMI21の表示装置に表示する。そして、ステップS226では、携帯機20は、HMI21の入力装置からの信号に基づいて決済情報(ここでは、決済情報1)を選択する(選択手段)。
ステップS227では、携帯機20は、ETC車載器10から送信された車載器管理番号Aがすでに携帯機側不揮発性メモリ24aに登録(記憶)されたものであるか否かを判定する。登録済みと判定した場合はステップS219へ進み、登録済みと判定しない場合はステップS228へ進む。
ステップS228では、携帯機20は、HMI21の入力装置からの信号(ユーザが入力した活性化暗証番号1)に基づいて活性化暗証番号1を携帯機側不揮発性メモリ24aに入力する。つまり、車載器管理番号Aと、選択された決済情報1と、入力された活性化暗証番号1とを紐付けして記憶する(紐付け手段)。
なお、ステップS229では、携帯機20は、HMI21の入力装置からの信号に基づいて、決済情報の活性化を自動で行なうか手動で行なうかを選択する。そして、ステップS219へ進む。なお、自動で活性化を行なうように設定する場合は、どの決済情報を使用するかをユーザが選択できるようにする。つまり、制御部23は、使用する決済情報を選択するためのメニュー画面をHMI21の表示装置に表示する。そして、HMI21の入力装置からの信号に基づいて決済情報を選択する。
決済を行なう際に、毎回同じ決済情報で決済を行なう場合や、決済情報をかえて決済を行なう場合などがある。そこで、上述のように活性化を自動で行なうか手動で行なうかを設定できるようにすることによって、決済情報の使用状態に適応でき、利便性を向上させることができる。例えば、手動に設定しておくことによって、決済情報と活性化暗証番号を送信するたびに、どの決済情報を使用するかをユーザが選択できるようにすることができるので、決済情報をかえて決済を行なう場合に好適である。一方、自動に設定しておくことによって、自動的に決済情報と活性化暗証番号が送信されるので、毎回同じ決済情報で決済を行なう場合に好適である。
一方、ETC車載器10から取得した車載器管理番号A、決済情報1〜3が携帯機側不揮発性メモリ24aに登録(記憶)されていた場合(ステップS215でYES判定)、ステップS216では、携帯機20は、自動に設定されているか否かの判定を行なう。これは、決済情報の活性化を自動で行なうか手動で行なうかを判定するものである。つまり、決済情報を活性化させるための活性化暗証番号を自動的に送信するか、ユーザによって選択されたものを送信するかを判定するものである。そして、自動と判定した場合はステップS218へ進み、自動と判定しなかった場合はステップS217へ進む。
ステップS217では、携帯機20は、HMI21の表示装置に、どの決済情報を活性化させるかなどの活性化の指示待ちであることを表示して、HMI21の入力装置からの入力待ち状態とする。つまり、決済情報の活性化を手動で行なうように設定されている場合は、ユーザからHMI21の入力装置にて活性化の指示がされないと、後ほど説明するステップS219での決済情報1と活性化暗証番号1が送信されない。一方、決済情報の活性化を自動で行なうように設定されている場合は、自動的に決済情報1と活性化暗証番号1が送信される。
ステップS218では、携帯機20は、HMI21の入力装置からの信号に基づいて(手動の場合)、もしくは予め設定(自動の場合)された決済情報(ここでは、決済情報1)を選択する(選択手段)。
ステップS219では、携帯機20は、選択した決済情報1とその決済情報1に紐付けされた活性化暗証番号1とを通信インタフェース22にてETC車載器10へ送信する(入力手段)。なお、一つの車載器管理番号に対して、決済情報、活性化暗証番号が一つずつ紐付けされている場合は、活性化暗証番号のみを送信するようにしてもよい。
車載器管理番号Aと共に決済情報1〜3を携帯機20に送信(ステップS202)したETC車載器10は、ステップS203にて、携帯機20からの決済情報と活性化暗証番号が入力されたか否かを判定する。つまり、決済情報と活性化暗証番号の入力待ち状態である。決済情報と活性化暗証番号が入力されない場合は、この判定を繰り返し実行する。ただし、この判定を所定回数繰り返す間、もしくは所定時間内に決済情報と活性化暗証番号が入力されない場合は、処理を終了する。一方、決済情報と活性化暗証番号が入力された場合はステップS204へ進む。なお、ここでは、決済情報1と決済情報1に対する活性化暗証番号1とが入力された例を採用して説明する。
ステップS204では、ETC車載器10は、入力された決済情報1に対する活性化暗証番号1と、予め車載器側不揮発性メモリ18aに記憶されている決済情報1に対する活性化暗証番号とを照合する(判定手段)。そして、ステップS205では、ETC車載器10は、一致すると判定した場合はステップS206へ進み、一致すると判定しない場合はステップS207へ進む(判定手段)。
ステップS206では、ETC車載器10は、車載器側不揮発性メモリ18aに記憶されている決済情報1を活性化する(活性化手段)。つまり、ETC車載器10は、決済情報1の読み出し、書き込みができる状態にする。これによって、料金所に設置された路側アンテナとの間で無線通信を行なって、決済情報1による料金収受が可能となる。
なお、ステップS205で一致すると判定しない場合は、車載器側不揮発性メモリ18aに記憶されている決済情報1は不活性化する(活性化手段)。つまり、ETC車載器10に入力された決済情報に対する活性化暗証番号と、予め車載器側不揮発性メモリ18aに記憶されている決済情報に対する活性化暗証番号とが一致した場合のみ決済情報を活性化する。
ステップS207では、ETC車載器10は、活性化結果を示す情報を通信インタフェース12にて携帯機20へ送信すると共に、携帯機20から入力された決済情報(ここでは決済情報1)に対する有効期限情報を不揮発性メモリ18aから読み出して通信インタフェース12にて携帯機20へ送信する。そして、ステップS208の有効期限の更新処理に進む。
この活性化結果を示す情報と有効期限情報とを受信した携帯機20は、ステップS220にて、ETC車載器10から送信された活性化結果を示す情報から、ETC車載器10に入力した活性化暗証番号1が予め車載器側不揮発性メモリ18aに記憶されている決済情報1に対する活性化暗証番号と一致したか否かを判定する。つまり、決済情報1が活性化したか否かを判定する。そして、一致と判定した場合はステップS221へ進み、一致してないと判定した場合はステップS230へ進む。
ステップS230では、携帯機20は、HMI21の入力装置からの信号に基づいて、取消の指示があるか否かを判定する。そして、取消と判定した場合はステップS231へ進み、取消と判定しない場合はステップS228へ進む。
ステップS231では、携帯機20は、HMI21の入力装置からの信号に基づいて、他の決済情報が指定されたか否かを判定する。そして、他の決済情報が指定されたと判定した場合はステップS225へ進み、指定されたと判定しない場合はステップS213へ戻る。
一方、ステップS220にて一致と判定した場合は、携帯機20は、ステップS221で更新警告日の設定処理を行った後に、ステップS222で有効期限の更新処理(つまり、決済情報の更新処理)を行う。
まず、更新警告日の設定処理動作に関して、図9に示すフローチャートに基づいて説明する。ステップS2211では、携帯機20は、ETC車載器10から受信した決済情報の有効期限情報(図6のステップS207でETC車載器10が送信した有効期限情報)を不揮発性メモリ24aもしくは制御部23に設けられるRAM(図示省略)に記録(記憶)する。
ステップS2212では、携帯機20は、更新警告日を個別に設定するか否かを判定する。このとき、携帯機20の制御部23は、個別に設定するか否かを選択するための画面をHMI21の表示装置に表示する。そして、HMI21の入力装置からの信号に基づいて更新警告日を個別に設定するか否かを判定する。更新警告日を個別に設定すると判定した場合はステップS2218へ進み、更新警告日を個別に設定する判定しない場合はステップS2213へ進む。
ステップS2218では、携帯機20は、ユーザがHMI21の入力装置から入力した日付を更新警告日として(入力された日付を更新警告日情報として設定する。警告日情報設定手段)、この更新警告日を示す更新警告日情報を決済情報と紐付けして不揮発性メモリ24aに記録(記憶)する。つまり、携帯機20の制御部23は、日付の入力画面をHMI21の表示装置に表示する。そして、HMI21の入力装置からの入力された信号(日付信号)を決済情報と紐付けして不揮発性メモリ24aに記録(記憶)する。
ステップS2213では、携帯機20は、携帯電話通信部26にて通信事業者30を介してセンター40と通信接続して、有効期限(決済情報)に対する更新期間をセンター40に問い合わせる。
ステップS2214では、携帯機20は、携帯電話通信部26にて更新期間に関する更新期間情報を受信したか否かを判定して、受信したと判定した場合はステップS2215へ進み、受信したと判定してない場合(受信失敗と判定した場合)はステップS2216へ進む。
ステップS2215では、携帯機20は、センター40から受信した更新期間情報に基づいて、更新期間の初日を更新警告日として(初日の日付を更新警告日情報として設定する。警告日情報設定手段)、この更新警告日を示す更新警告日情報と決済情報と紐付けして不揮発性メモリ24aに記録(記憶)する。
ステップS2216では、携帯機20は、後日、自動でセンター40への取得を行なう設定をする。つまり、携帯機20の制御部23は、受信失敗と判定すると、その日から数日後に自動で携帯電話通信部26にて通信事業者30を介してセンター40と通信接続して、有効期限に対する更新期間をセンター40に問い合わせる(更新期間情報を要求する)ように設定する。
ステップS2217では、携帯機20は、デフォルト値に基づいて設定した更新警告日情報を決済情報と紐付けして不揮発性メモリ24aに記録(記憶)する。つまり、携帯機20の制御部23は、有効期限に対して、例えば一ヶ月前(デフォルト値)の日付を更新警告日に設定する(有効期限の所定日数前の日付を更新警告日情報として設定する。警告日情報設定手段)。そして、その更新警告日を示す更新警告日情報を決済情報と紐付けして不揮発性メモリ24aに記録(記憶)する。
このようにして更新警告日情報を記録すると、図6に示す処理に戻って、ステップS222の有効期限の更新処理に進む。
次に、有効期限の更新処理動作に関して、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。この有効期限の更新処理は、本実施の形態においては、携帯機20を介してETC車載器10とセンター40とが通信接続して実行される。ただし、後ほど説明するが、変形例として、携帯機20とセンター40、携帯機20とETC車載器10が異なるタイミングで通信接続して実行することも可能である。
まず、携帯機20における処理に関して説明する。ステップS2221では、携帯機20は、現在の日付と更新警告日情報とを比較して、更新警告日(更新期間)であるか否かを判定する(監視手段)。そして、更新警告日であると判定した場合はステップSステップS2222へ進み、更新警告日でないと判定した場合は有効期限の更新処理を終了して図6の処理に戻る。なお、上述のように、図8におけるステップS2131にて、現在の日付が更新警告日を過ぎたと判定された場合もステップS2222に進む。
ステップS2222では、携帯機20は、HMI21における表示装置に決済情報の有効期限が近いことを表示して、決済情報の有効期限が近いことユーザに通知する(通知手段)。
このとき、本実施の形態のように、携帯機20が複数の決済情報1〜3と、各決済情報1〜3の更新を警告するための更新警告日情報1〜3とを不揮発性メモリ24aに記憶している場合、ステップS2222では、更新警告日になっている決済情報(有効期限が近い決済情報)と、その決済情報の有効期限が近いことユーザに通知する(通知手段)。つまり、複数の決済情報のうち、どの決済情報の有効期限が近いかをユーザに通知する。
なお、携帯機20が一つの決済情報と、その決済情報の更新を警告するための一つの更新警告日情報とを不揮発性メモリ24aに記憶している場合は、ステップS2222では、決済情報の有効期限が近いことだけをユーザに通知するようにしてもよい。
このように、決済情報の有効期限が近いことをユーザに通知することによって、決済情報の有効期限が過ぎてしまうことを抑制することができる。また、本発明においては、図7及び図8に示すように、不揮発性メモリ24aに記憶した決済情報の更新警告日をETCの利用に関係なく常に監視して、更新警告日になった場合は、決済情報の有効期限が近いことをユーザに通知するので、ETCを利用する前に決済情報の有効期限が近いことをユーザに通知することができるので好ましい。
また、更新警告日になっている決済情報と、その決済情報の有効期限が近いことユーザに通知することによって、どの決済情報の有効期限が近いかをユーザに通知することができるので好ましい。
ステップS2223では、携帯機20は、決済情報(有効期限)を更新するか否かを判定する。このとき、携帯機20の制御部23は、有効期限を更新するか否かを選択するための画面をHMI21の表示装置に表示する。このようにして、有効期限の更新を行うか否かをユーザに選択させる。そして、HMI21の入力装置からの信号(更新指示信号)に基づいて有効期限を更新するか否かを判定する(更新判定手段)。更新指示信号が入力され有効期限を更新すると判定した場合はステップS2224へ進み、有効期限を更新すると判定しない場合は有効期限の更新処理を終了して図6の処理に戻る。
ステップS2224では、携帯機20は、携帯電話通信部26にて通信事業者30を介してセンター40と通信接続して、申請情報をセンター40に送信することによって、センター40へ有効期限の更新(更新情報の送信)を申請する(更新申請手段)。
ここで、携帯機20から申請情報を受信したセンター40は、ステップS300に示す有効期限の更新処理を行う。ステップS301では、センター40は、携帯機20に対して、有効期限の更新処理を開始する旨を通知すると共に、決済情報を更新するための更新情報(決済情報を含む)を発行する。この通知をうけた携帯機20は、ETC車載器10に更新開始を通知する。
そして、ステップS2225では、携帯機20は、ETC車載器10との接続を確認したら、センター40の情報とETC車載器10の情報の通信路を確保するモデム機能を起動する。これにより、センター40とETC車載器10が直接情報交換できる状態になる。また、携帯機20は、センター40から送信された更新情報をETC車載器10に転送する(転送手段)。
このようにすることによって、携帯機20は、センター40とETC車載器10との間でやり取りされる情報を転送するだけなので、決済情報や更新情報のセキュリティを担保するセキュリティ機能を搭載する必要もなく、携帯機20を登録したり、携帯機20を限定したりせずに利用できるので好ましい。つまり、故障、電池切れ、など携帯機20にトラブルが生じた場合や買い替えがあった場合でも更新処理を行うことができる。
そして、ステップS2081では、ETC車載器10は、センター40から送信された更新情報に基づいて決済情報を更新すると共に、更新が完了したことをセンター40に通知する。
そして、ステップS302では、センター40は、更新処理完了と判断した場合、更新の完了を携帯機20に通知する(更新完了を示す信号を携帯機20へ送信する)。この通知は、モデム機能のデータとは違うコマンドフレームなど識別できる機能により実行される。
この通知を受信した携帯機20は、ステップS2226にて、モデム機能を停止する。そして、携帯機20は、ステップS2227にて、HMI21における表示装置に更新が完了したことを表示して、ユーザに対して更新完了を通知する。そして、有効期限の更新処理が完了すると図6に示す処理に戻る。
同様にETC車載器10では、ステップS2082に示すように、決済情報の更新が終了すると、HMI11における表示装置に有効期限の更新が完了したことを表示することによって、ユーザに対して更新完了を通知する。そして、有効期限の更新処理が完了すると図6に示す処理に戻る。
有効期限の更新処理が終了した後、ETC車載器10は、図6のステップS209に示すように、HMI11における表示装置に活性化結果を表示する。つまり、ETC車載器10が決済情報1での料金収受が可能な状態であるか否かを表示する。
ステップS210では、ETC車載器10は、携帯機20から決済情報とその決済情報に対す活性化暗証番号の再入力があったか否かを判定し、再入力があったと判定した場合はステップS203へ戻り、再入力がないと判定した場合はステップS211へすすむ。
そして、ETC車載器10は、ステップS211に示すように、アクセサリーオフ(ACCOFF)になると、ステップS212にて車載器側不揮発性メモリ18aに記憶されている決済情報1を不活性化する。これによって、決済情報1の読み出し、書き込みができない状態となり、料金所に設置された路側アンテナとの間で無線通信を行なって、決済情報1による料金収受が不可能となる。なお、ETC車載器10は、アクセサリーオフでない場合は、再入力があるか否かの判定(ステップS210)に戻る。
また、有効期限の更新処理が終了した後、携帯機20は、図6のステップS223に示すように、携帯機20は、HMI21における表示装置に活性化結果を表示する。つまり、ETC車載器10が決済情報1での料金収受が可能な状態であることを表示する。
このように、ETC車載器10の車載器管理番号と決済情報を活性化状態にするための活性化暗証番号とを紐付けする手段を備えた入力機器(携帯機20)を少なくとも一つ設けることによって、ETC車載器10にて決済ができなくなることを低減できる。また、ETC車載器10だけを盗んでも非活性化状態にあるので、ETCは利用できず、盗難防止の効果が絶大とある。例えば、入力機器としての携帯電話機を忘れた場合であっても、別の携帯電話機を借りてETC車載器に活性化暗証番号を入力することも可能になる。
また、上述の実施の形態においては、有効期限を更新する際には、携帯機20をモデムモードにして、ETC車載器10とセンター40とが通信する例を採用して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ETC車載器10と携帯機20との間の通信路が確保できない場合もありうる。そこで、変形例として、携帯機20に決済情報や更新情報を暗号化するなどによってセキュリティを確保する機能を設ける(第1携帯機側セキュリティ手段)。
携帯機20の制御部23は、有効期限を更新するか否かを選択するための画面をHMI21の表示装置に表示する。このようにして、有効期限の更新を行うか否かをユーザに選択させる。そして、HMI21の入力装置からの信号(更新指示信号)に基づいて有効期限を更新するか否かを判定する(更新判定手段)。そして、携帯機20は、更新指示信号が入力され有効期限を更新すると判定した場合、携帯電話通信部26にて通信事業者30を介してセンター40と通信接続して、申請情報をセンター40に送信することによって、センター40へ有効期限の更新(更新情報の送信)を申請する(更新申請手段)。
次に、携帯機20は、センター40から更新情報を取得して、その更新情報を暗号化するなどによってセキュリティを確保すると共に、RAM(図示省略)や不揮発性メモリ24aなどに一旦保存(記憶)する(更新情報記憶手段)。そして、携帯機20は、任意のとき(例えば、ETC車載器10とのリンク接続を行なったときなど、ETC車載器10と通信接続されたと判定した場合)に記憶しておいた更新情報をETC車載器10に送信(転送)する(転送手段)。このようにして更新処理をおこなってもよい。このようにすることによって、一旦、センター40から更新情報を取得しておけば、ETC車載器10と携帯機20との間の通信路が確保できる時に更新処理ができるので好ましい。
また、決済情報を新規に設定する場合、つまりセットアップ時に関しても、上述のように携帯機20を介したETC車載器10とセンター40との通信によって行なわれるものである。センター40は、暗号化などによってセキュリティを確保された(センター側セキュリティ手段)、決済情報を新規設定するためのセットアップデータ(車両情報および料金収受に必要な決済情報、有効期限情報、パスワードが含まれる:新規設定情報)を有する。
まず、決済情報を新規に設定する場合、携帯機20は、携帯電話通信部26にて通信事業者30を介してセンター40と通信接続して、決済情報の新規設定を示す申請情報(クレジット番号などを含む)をセンター40に送信することによって、センター40へ決済情報の新規設定を申請する(新規設定申請手段)。つまり、セットアップデータの送信をセンターに申請する。
このとき、携帯機20は、HMI21の入力機器からの信号に基づいて、決済情報の新規設定を申請するための画面をHMI21の表示装置に表示する。そして、携帯機20は、HMI21の入力機器から決済情報の新規設定を示す新規設定指示信号が入力されたか否かを判定する(新規設定判定手段)。そして、携帯機20は、新規設定指示信号が入力されたと判定された場合、セットアップデータの送信をセンターに申請する(新規設定申請手段)。
次に、携帯機20から新規設定の申請を示す申請情報を受信したセンター40は、携帯機20の承認が完了すると、携帯機20に対して、決済情報の発行処理を開始する旨を通知すると共に、セットアップデータを発行する。
なお、センター40から発行処理の開始の通知を受けた携帯機20は、ETC車載器10との接続を確認したら、センター40の情報とETC車載器10の情報の通信路を確保するモデム機能を起動する。これにより、センター40とETC車載器10が直接情報交換できる状態になる。また、携帯機20は、センター40から送信されたセットアップデータをETC車載器10に転送する(転送手段)。
このようにすることによって、携帯機20は、センター40とETC車載器10との間でやり取りされるセットアップデータを転送するだけなので、決済情報やセットアップデータを担保するセキュリティを搭載する必要もなく、携帯機20を登録したり、携帯機20を限定したりせずに利用できるので好ましい。つまり、故障、電池切れ、買い替えなど携帯機20に日常茶飯事におこるトラブルが生じた場合であっても新規設定処理を行うことができる。そして、ETC車載器10は、センター40から送信されたセットアップデータを受信すると、セットアップを行なう。
また、上述の実施の形態においては、決済情報を新規設定する際には、携帯機20をモデムモードにして、ETC車載器10とセンター40とが通信する例を採用して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ETC車載器10と携帯機20との間の通信路が確保できない場合もありうる。そこで、変形例として、携帯機20に決済情報やセットアップデータを暗号化するなどによってセキュリティを確保する機能を設ける(第2携帯機側セキュリティ手段)。
携帯機20の制御部23は、有効期限を新規設定するか否かを選択するための画面をHMI21の表示装置に表示する。このようにして、有効期限の更新を行うか否かをユーザに選択させる。そして、HMI21の入力装置からの信号(新規設定指示信号)が入力されたか否かに基づいて有効期限を新規設定するか否かを判定する(新規設定判定手段)。そして、携帯機20は、新規設定指示信号が入力され有効期限を新規設定すると判定した場合、携帯電話通信部26にて通信事業者30を介してセンター40と通信接続して、申請情報をセンター40に送信することによって、センター40へ有効期限の新規設定(セットアップデータの送信)を申請する(新規設定申請手段)。
次に、携帯機20は、センター40からセットアップデータを取得して、そのセットアップデータを暗号化するなどによってセキュリティを確保すると共に、RAM(図示省略)や不揮発性メモリ24aなどに一旦保存(記憶)する(新規設定情報記憶手段)。そして、携帯機20は、任意のとき(例えば、ETC車載器10とのリンク接続を行なったときなど、ETC車載器10と通信接続されたと判定した場合)に記憶しておいたセットアップデータをETC車載器10に送信(転送)する(転送手段)。このようにして更新処理をおこなってもよい。このようにすることによって、一旦、センター40から更新情報を取得しておけば、ETC車載器10と携帯機20との間の通信路が確保できる時に更新処理ができるので好ましい。このようにしてセットアップをおこなってもよい。このようにすることによって、一旦、センター40からセットアップデータを取得しておけば、ETC車載器10と携帯機20との間の通信路が確保できる時にセットアップができるので好ましい。
尚、上記実施例に記載の決済システムは、車両に搭載され、外部と料金収受のための通信を行うものであり、自身の管理番号と料金収受に必要な決済情報と決済情報を料金収受が可能となる活性化状態にするためのパスワードとが関連付けて記憶された車両側記憶手段を有する決済用車載器と、車両側記憶手段に記憶された決済情報を料金収受が可能となる活性化状態にするためのパスワードを決済用車載器に入力する少なくとも一つの入力機器と、を備える決済システムであって、入力機器は、決済情報の有効期限よりも前の日付に設定されるものであり、決済情報の更新を警告するための更新警告日を示す更新警告日情報を記憶する更新警告日情報記憶手段と、現在の日付を取得する日付取得手段と、更新警告日情報記憶手段に記憶された更新警告日と日付取得手段にて取得した現在の日付とを比較して、現在、更新警告日になっているか否かを監視する監視手段と、監視手段にて更新警告日になっていると判定された場合、決済情報の有効期限が近いことをユーザに通知する通知手段と、を備える。
このように、決済情報の有効期限が近いことをユーザに通知することによって、決済情報の有効期限切れによって決済ができなくなることを低減できる。また、入力機器(更新警告日情報記憶手段)に記憶した更新警告日を決済用車載器へのパスワードの入力や、料金収受のための通信の利用に関係なく常に監視して、更新警告日になった場合は、決済情報の有効期限が近いことをユーザに通知するので、料金収受のための通信を行なう前に決済情報の有効期限が近いことをユーザに通知することができる。
また、上記実施例に示すように、決済用車載器は、決済情報を更新するための更新情報を有すると共に決済情報及び更新情報のセキュリティを確保するセンター側セキュリティ手段を有したセンターから更新情報を取得するものであり、決済情報及び更新情報のセキュリティを確保する車載器側セキュリティ手段を有し、入力機器は、決済情報の更新を示す更新指示信号が入力されたか否かを判定する更新判定手段と、更新指示信号が入力されたと判定された場合、更新情報の送信をセンターに申請する更新申請手段と、センターから送信された更新情報を決済用車載器に転送する転送手段とを備えるようにしてもよい。
このように、入力機器は、センターから送信された更新情報を決済用車載器に転送するだけなので、更新情報のセキュリティを担保するセキュリティ機能を搭載する必要がなく、入力機器を登録したり、入力機器を限定したりせずに利用できるので好ましい。つまり、故障、電池切れ、など入力機器にトラブルが生じた場合や買い替えがあった場合でも、新しい入力機器で、更新処理を行うことができる。
また、上記実施例に示すように、入力機器は、決済情報を更新するための更新情報を有すると共に決済情報及び更新情報のセキュリティを確保するセンター側セキュリティ手段を有したセンターと通信接続可能なものであり、決済情報の更新を示す更新指示信号が入力されたか否かを判定する更新判定手段と、更新指示信号が入力されたと判定された場合、決済情報を更新するための更新情報の送信をセンターに申請する更新申請手段と、センターから送信された更新情報を記憶する更新情報記憶手段と、更新情報のセキュリティを確保する第1携帯機側セキュリティ手段と、決済用車載器と通信接続されたか否かを判定し、通信接続されたと判定した場合に更新情報記憶手段に記憶された更新情報を決済用車載器に転送する転送手段とを備えるようにしてもよい。
このようにすることによって、一旦、センターから更新情報を取得しておけば、決済用車載器と入力機器との間の通信路が確保できる時(通信接続された時)に更新処理ができるので好ましい。即ち、更新は、入力機器を保持したユーザが必ず車に乗込む必要は無く、入力機器とセンターが通信接続可能な圏内であれば、いつでも、どこでも事前に更新が可能であり、車に乗込んだ時に入力機器とセンターの通信接続が圏外であっても、入力機器から決済車載器に対して、スムーズに更新処理が行われる。
また、上記実施例に示すように、センターは、センター側セキュリティ手段にてセキュリティを確保された決済情報を新規設定するための新規設定情報を有するものであり、入力機器は、決済情報の新規設定を示す新規設定指示信号が入力されたか否かを判定する新規設定判定手段と、新規設定指示信号が入力されたと判定された場合、新規設定情報の送信をセンターに申請する新規設定申請手段とを備え、転送手段は、センターから送信された新規設定情報を決済用車載器に転送するようにしてもよい。
このように、入力機器は、センターから送信された新規設定情報を決済用車載器に転送するだけなので、新規設定情報を担保するセキュリティを搭載する必要もなく、入力機器を登録したり、入力機器を限定したりせずに利用できるので好ましい。つまり、故障、電池切れ、など入力機器にトラブルが生じた場合や買い替えがあった場合でも、新しい入力機器で、新規設定処理を行うことができる。
また、上記実施例に示すように、センターは、センター側セキュリティ手段にてセキュリティを確保された決済情報を新規設定するための新規設定情報を有するものであり、入力機器は、決済情報の新規設定を示す新規設定指示信号が入力されたか否かを判定する新規設定判定手段と、新規設定指示信号が入力されたと判定された場合、新規設定情報の送信をセンターに申請する新規設定申請手段と、センターから送信された新規設定情報を記憶する新規設定情報記憶手段と、新規設定情報のセキュリティを確保する第2携帯機側セキュリティ手段とを備え、転送手段は、決済用車載器と通信接続されたか否かを判定し、通信接続されたと判定した場合に新規設定情報記憶手段に記憶された新規設定情報を決済用車載器に転送するようにしてもよい。
このようにすることによって、一旦、センターから新規設定情報を取得しておけば、決済用車載器と入力機器との間の通信路が確保できる時(通信接続された時)に新規設定ができるので好ましい。
また、更新警告日情報は、上記実施例に示すようにユーザによって入力された日付を設定してもよいし、上記実施例に示すように更新期間の初日の日付を設定してもよいし、また、上記実施例に示すように有効期限の所定日数前の日付を設定してもよい。
また、上記実施例に示すように、入力機器は、複数の決済情報を有し、更新警告日情報記憶手段は、複数の決済情報に対する複数の更新警告日情報を記憶している場合、通知手段は、監視手段にて更新警告日になっていると判定された場合、更新警告日になっている決済情報と、その決済情報の有効期限が近いことをユーザに通知するようにしてもよい。
このようにすることによって、複数の決済情報のうち、どの決済情報の有効期限が近いかをユーザに通知することができるので好ましい。