以下、図面に従って本発明を適用したデジタルカメラを用いて好ましい実施形態及びこれに関連する技術について説明する。本発明の一実施形態に係るデジタルカメラは、概略、レリーズ釦の操作に応じて、撮像素子で取得した被写体像の画像データを記録媒体に記録可能である。また、デジタルカメラ内には、被写体画像の顔を検出する機能があり、さらに、若い頃の画像を生成する機能も有する。そして、記録部に記録されている多数の画像データから、検出された顔(場合によって若返させた画像)に類似する画像を検索する機能を有している。なお、記録されている画像のほか、インターネット網を通じて外部のサーバーに蓄積されている画像の中から検索することも可能としている。
本発明の一実施形態を説明するに先立って、本発明に関連する第1技術に係わるデジタルカメラについて詳述する。図1(A)は、本発明に関連する第1技術に係わるデジタルカメラ10のブロック図である。カメラ10の内部には、制御部1、撮像部2、レンズ判定部3、記録部4、画像データベース4b、顔検出部5、操作判定部6、年齢処理部7、表示部8、時計部9、類似検出部11、通信部14が設けられている。
制御部1は、MPU(Micro Processing Unit)等によって構成され、前述の撮像部2〜通信部14等の各部と接続されており、これら各部から信号を入力すると共に制御信号を出力し、カメラ10全体を制御する。撮像部2は、被写体像を結像するための撮影レンズを有し、この撮影レンズによって結像された被写体像を光電変換し、画像信号を出力する。
レンズ判定部3は、撮影レンズのズーム位置(焦点距離、ズーム倍率)やピント位置(被写体距離)を判定可能であり、ここで判定されたズーム位置やピント位置の情報は、撮影画像データを記録する際に、併せて記録可能である。また、撮影レンズのピント合わせのための焦点状態の判定も行う。時計部9は、日時を計測する時計であり、記録部4に撮影画像データを記録する際に併せて、この日時情報(時刻情報)の記録が可能である。
記録部4は、撮像部2によって出力される画像信号に基づく画像データを圧縮処理して記録メディアに記録する。記録部4内の画像データベース4bは、記録されている人物名と顔の情報を対応付けしたデータベースである。画像データベース4bは、例えば、図1(B)のように、誰の顔がどの写真にあるかを、マニュアルで入力してある。図1(B)の例では、Xさんについては、写真M(写真の識別番号であり、数字等で表しても良い)のA部(例えば、左上とか右下等の位置を示す。座標で位置を示すようにしてもよい)や、写真NのB部に写っていることを表している。
また、顔検出部5は、画像の中の、人間の顔特有の陰影を抽出して、撮影画像が顔を含むか、また含むとしたら、画像のどの部分にあるかを判定する。制御部1内の類似検出部11は、顔検出部5によって検出された顔のパターンと、記録部4内の画像データベース4bに記録されている顔のパターンとを比較して、その顔が誰の顔であるか、すなわち、被写体が誰であるかを判定する。
操作判定部6は、カメラ10に設けられている、操作スイッチ、操作ダイヤル等の操作部材の状態を検出し、操作状態を判定する。カメラをユーザーが操作すると、操作判定部6は操作状態を検出し、その結果に応じた撮影や再生の制御を、制御部1が行う。また、年齢処理部7は、画像中に写っている人物に対して、年齢が若いときの表情となるように、目元や口元等に対して年齢処理を行う。
表示部8は、カメラ10の背面に設けられており、撮像部2から出力された画像データに基づいて被写体像を動画像としてライブビュー表示し、撮影時のファインダ代わりに利用することができる。また、再生釦等の操作に応じて、記録部4の記録メディアに記録されている画像データを読出し、伸張処理した後、表示部8に表示する。さらに、表示部8は、後述するように、撮影画像に写っている人物の関係を表示する。通信部14は、ホットスポット等において、インターネット網15を介して、外部サーバー22、他のユーザー23、外部記録21と、顔特徴信号20や画像データ等の送受信を行う。
前述の制御部1は、上述の出力を有効利用して、画像を分類することができる。ここで、分類とは、撮影画像に誰が写っているかという分類であり、総ての人の顔データを画像データベース4bに持たせるわけには行かないので、本技術においては、どの人とどの人が、交友関係にあるかを、調べることによって、その被写体の人物を判定するようにしている。
つまり、検索対象の人物が写っている画像を指定すると(例えば、図1の画像51)、制御部1(類似検出部11も含む)は、その人が誰と一緒に写っているかを判定し、指定したAさんの画像51に対して、Aさんが写っているが、他の人も写っている画像52、53、54を、順次、検索して表示する。
この表示から、Aさんが、どのような交友関係にあるかを一目で分かる。ユーザーは、この表示から、いろいろな人のことを思い出して、思いを馳せることが可能となる。指定した人物は(図1(A)ではAさん)、表情や顔の角度によって、別人に見えることがあるので、図1(A)の画像51のように、複数の画像を指定した方が、検出精度は上がる。
カメラ内の記録部4に記録された画像では、類似画像が検索されない場合には、カメラ外部の外部記録部21に記録されている画像までも検索してもよい。また、外部サーバー22に顔特徴信号20を出力して、検索の一部またはすべてを手伝わせても良い。もちろん、表示部8に示したような検索結果を、外部ユーザー23が閲覧できるようにし、ユーザー間で楽しむことができるようにしても良い。このようにして検索できた画像を用いて、この画像を楽しむ仲間を決めることができる。
次に、制御部1によって行われる関係者検索の表示について、図2のフローチャートを用いて説明する。まず、関係者検索を行いたい人物(例えば、Aさん)等の画像を指定する(S1)。このステップから、人物(Aさん)の交友関係を探す検索を行う準備を、ユーザーに行わせる。ここでの指定では、1枚の画像でもよいが、図1の画像51のように、複数選択することにより検索精度を高めることができる。続いて、顔検索を開始する(S2)。すなわち、ステップS1において指定された顔の画像と類似する画像を、記録部4に記録されている画像データや、また、場合によっては外部記録部21に記録されている画像データの中から検索する。
次に、記録部4や外部記録部2に記録されている全て顔の画像について、人物(例えば、Aさん)の顔と類似する画像があるか否かについて検索が終了したかを判定する(S3)。判定の結果、全ての画像データについて検索が終了していない場合には、検索を続行し、同じ顔の有る画像が存在するか否かの判定を行う(S11)。判定の結果、同じ顔のある画像が存在しない場合には、ステップS3に戻り、例えばAさんのある画像の検索を続行する。
ステップS11における判定の結果、同じ顔(例えば、Aさん)のある画像が有った場合には、続いて、その画像の中に複数の人物が写っているかを判定する(S12)。判定の結果、その人物(例えばAさん)しか写っていない場合には、ステップS14にジャンプし、一方、複数人の人物が写っている画像の場合には、検索対象の人物(例えば、Aさん)の隣に写っている顔の画像を仮記憶する(S13)。
隣の人物の顔を仮記憶すると、次に、この隣の人物の写っている画像(ステップS12からジャンプしてきた場合には、その画像)を仮記憶する(S14)。仮記憶が終わると、ステップS3に戻り、上述のステップを繰り返す。これらのステップを繰り返すことにより、ステップS1で指定された人物の顔が写っている画像を検索し、その画像を仮記憶するとともに、人物の隣に写っている顔を仮記憶することができる。なお、ステップS13における隣の顔は、直接、隣の人物に限らず、その画像内に写っている顔も仮記憶するようにしてもよい。
ステップS3における判定の結果、顔の検索が終了すると、すなわち、検索対象人物(例えば、Aさん)の写っている画像で、他の人物も写っている画像を探し終わると、次に、それらの画像から代表画像を選出する準備に入る(S4)。代表画像は、ステップS14で仮記憶していた画像データから、ステップS13の顔データを利用し、隣の人物が同じ人物の場合、その中から、代表画像を選ぶようにする。
代表画像判定を開始すると(S4)、まず、ステップS14で仮記憶された画像ごとに、顔の大きさで重み付け(適度な大きさが高得点)を行い(S5)、続いて、画像ごとに表情で重み付け(笑顔ほど高得点)を行い(S6)、そして、対象となる顔が画面中央に近いものほど高得点になるような重み付けを行う(S7)。この後、ステップS5〜S7を繰り返し行い、これらのステップで付けられた得点の合計に基づいて、同じ人物が写っている中から代表画像を選択する(S8)。ここで選択された代表画像は、後述するステップS10において、代表画像52(図1参照)として表示される。
ステップS8において代表画像を選定すると、続いて、全ての代表画像の選定が終了したかを判定する(S9)。すなわち、ステップS13において、仮記憶されている顔の中で同じ顔が他にもある場合には、次の顔について、ステップS4〜S8を繰り返すことにより、次の顔について代表画像を選定する。選定された代表画像は、後述するステップS10において、代表画像53(図1参照)として表示される。図1に示した例では、検索対象の人物(画像51で表示)と関係のある人物は3人おり、代表画像52、53、54として表示される。
ステップS9において、全代表画像の選定が終わったと判定されると、代表画像52、53、54を表示部8に並べて表示する。もちろん、検索される都度、その画像を未整理で、表示していくような表示方法でもよいが、図1に示した例では、交友関係を整理して表示している。ただし、総ての検索を終了するまで表示が始まらないので、待ちきれないユーザーもいることから、検索の都度、表示を行うようにしてもよい。
このように本発明に関連する第1技術においては、検索対象となる人物(図1の代表画像51)と一緒に写っている人物の代表画像52、53、54を並べて表示するようにしている。このため、検索対象となった人物の交友関係等が一目で分かる。また、仮に、検索対象の人物が面識のない人物(画像51の人物)であっても、代表画像52、53、54に表示される人物と面識があれば、これらの関係から検索対象の人物を特定することが可能となる。
次に、本発明に関連する第2技術について、図3および図4を用いて説明する。第2技術は、第1技術で得た検索対象人物との交友関係を利用して、撮影画像を鑑賞するのに相応しい相手先に画像データの送信を行うものである。第2技術に係わるデジタルカメラ10は第1技術と同様であるので、その説明は省略し、その動作と表示部8における表示方法を中心に説明する。
デジタルカメラ10がパワーオンリセットすると、通常の撮影動作を行う(S31)。この撮影動作では、表示部8におけるライブビュー表示によって被写体のフレーミングを行い、レリーズ釦の操作状態を操作判定部6によって判定し、レリーズ釦の全押しがなされた場合には、撮像部2によって取得した画像データを記録部4に記録する。
続いて、記録部4に記録された画像データに写っている人物(例えば、Aさん)の顔と類似の画像の検索を行う(S32)。すなわち、Aさんが写っている画像を検索する。次に、検索された画像について、複数の人物の顔が写っている写真か否かの判定を行う(S33)。判定の結果、複数の顔が写っている写真ではない場合には、ステップS31に戻る。
上述のステップS32およびステップS33は、第1技術における関係者検索のフロー(図2)を適用すればよい。ただし、図2に示したフローにおいては、代表画像を表示していたが、このステップは不要である。ステップS33における判定の結果、Aさんと
類似の顔が存在する画像の中に複数の顔が写っている場合には、もう一人の顔の画像を抽出する(S34)。
次に、抽出された顔について、画像データベース4bに登録されているか否かを判定する(S35)。すなわち、Aさん以外のもう一人の顔が検出され、その人物の顔画像が、図1(B)に示すデータベース(画像データベース4bに対応)に登録されているか否かを判定する。判定の結果、登録されていた場合には、登録されている人物(図1(B)におけるXさんやYさん)に、画像送信の候補として記録する(S36)。
この後、図示されていないが、ユーザーの選択により、Aさんの写っている画像を、送信先の候補として挙げられた相手先に送信すれば、相手先は送信者と共にAさんの近況を楽しむことができる。このとき、画像データベース4bにメールアドレスも記述されていれば、わざわざ、送信先は誰と誰かを、考えなくとも、コミュニティのようなものを形成して、その輪の中で楽しむことが可能となる。
例えば、被写体12(Aさん)の画像を撮影した場合、Aさんを知っている人なら、画像を見て楽しめるが、Aさんを知らない人では、誰の写真かも分からず楽しむことができない。そこで、第2技術においては、Aさんの交友関係を、撮影済み画像(記録部4に記録)や、公開されている画像データベース(外部記録部21に記録)から割り出し、これを表示部8に表示するようにしている。
つまり、Aさん(画像55参照)と一緒に写ったことのあるXさん(画像56、画像58参照)、Yさん(画像57、画像59参照)なら、Aさんのことを知っているはずであり、Aさんの近況を伝えて喜ばれると考えて、本実施形態においては、その人たちにAさんの画像を送信することを可能にしている。
次に、本発明の一実施形態について図5乃至図8を用いて説明する。本発明に関連する第1および第2技術においては、検索対象の人物と一緒に写っている人物等の検索を行っていたが、本発明の一実施形態においては、検索対象の人物と一緒に写っている人物に限らず、写っていた人物と一緒に写っている人物等、連鎖的に関係者を検索するようにしている。また、本発明の一実施形態においては、顔画像に対して年齢処理を行うことにより、世代を超えた検索ができるようにようしている。本実施形態に係わるデジタルカメラ10は第1技術と同様であるので、その詳しい説明は省略し、その動作と表示部8における表示方法を中心に説明する。なお、図5に示すフローチャートは、制御部1(図1参照)によって実行される。
まず、ステップS1と同様に、関係者検索を行いたい人物(例えば、Aさん)等の画像51(図6参照)を指定する(S51)。この指定画像は、1枚の画像でもよいが、複数選択することにより検索精度を高めることができる。続いて、ステップS2と同様に、指定画像の中の顔部を検出し、同じ顔の画像を記録部4や外部記録部21に記録されている画像データの中から、指定画像と類似する画像を検索する(S52)。
続いて、類似画像の画像データの中に、複数の顔画像を有するか否かを判定する(S53)。判定の結果、複数の顔画像を有している場合には、その画像52を指定画像51に隣接して表示する(S54)。続いて、ユーザーが候補を変更したか否かの判定を行う(S55)。すなわち、複数の顔が写っている画像52が検索されると、その画像52がステップS54において、もとの指定画像51に隣接して表示される。この画像52から交友関係が分かり、ユーザーが画像52に登場する人物に興味を持つ場合には、候補の変更を操作部材によって指示する。
ステップS55における判定の結果、候補の変更がなされた場合には、もとの指定画像51から、検索の顔を画像52に変更する(S56)。続いて、画像52から新しい候補の画像53を検索し、画像52の下に表示する(S57)。そして、ステップS52に戻り、この新しい候補(指定画像53)について、前述と同様のステップを処理することにより、類似の顔が存在するか否かを検索し、図6に示すように、画像54等を表示する。
このように、ステップS52乃至ステップS57を繰り返すことにより、指定画像51から始まって連鎖的に関係者を順次、検索し表示することができる。この間、ステップS53において、複数の顔のある写真を発見できなかった場合、またはステップS55において、候補の変更を行わなかった場合には、記録部4や外部記録部21記録されている全ての画像データについて検索が終了したか否かの判定を行う(S61)。
ステップS61における判定の結果、全ての画像データについて検索が終了した場合には、本ルーチンを終了するが、検索終了していない場合には、検索を続行する。検索を続行するにあたって、候補がなくなってしまったか否かの判定を行う(S62)。判定の結果、候補が有る場合には、ステップS64にジャンプするが、候補がない場合には、年齢処理を行う(S63)。ここで、年齢処理を行うのは、現在、検索している顔画像は、実は、年を取ってからのものであり、若い頃の写真であれば、候補がある場合があることから、顔の画像に年齢処理を施すようにしている。この年齢処理については、図7および図8を用いて後述する。
続いて、検索中表示を行う(S64)。検索中表示は、本ルーチンにおいては、類似画像の検索や年齢処理等、処理に時間のかかるステップが多く、表示までに時間がかかってしまい、処理を行っていないように外見上、見える場合があるためである。処理速度が高速で、表示までに時間がかからない場合には、検索中表示を省略することができる。
図5に示すフローを実行することにより、表示部8に最初の画像51を表示すると、その画像51に写っている人物(Aさん)と他の人が一緒に写った画像(写真)52が表示され、この表示画像52を見て、ユーザーは、Aさんの隣に位置する人物(Bさん)に興味を持つことがある。この場合、操作部材等により所定の操作を行うと、画像53に示すような、Bさんのほかの画像が表示され、Aさんのときと同様、Bさんがどのような交友関係であったかを示す画像54を検索し表示する。さらに、Bさんの隣に位置する人物(Cさん)に興味が移ると、Cさんのほかの画像を検索することが可能となっている。
このように、Aさんの画像が、誰か分からなくとも、Bさん、Cさんと見ていくうちに、それが誰であるか、また、自分との関係の糸口を掴むことが可能となる。さらに、画像鑑賞を興味深く進めていくことができ、AさんやBさん、Cさんの交遊に思いを馳せながら、画像表示にストーリーを感じながら楽しむことができる。
次に、ステップS63における年齢処理について、図7および図8を用いて説明する。図8(a)に、人の顔に現れる加齢サイン(陰影の特徴)の例を示す。特に、目立つのは、目尻の皺61のたるみ、唇の横の線62、頬63のたるみなどである。このサインを図8(b)→図8(c)と、修正(薄く)していくことによって、顔つきは若い頃のものになる。つまり、年代を遡って検索を行う場合には、年齢による顔つきの変化を考慮して、このような加齢サインを無くしていきながら、検索を行えばよい。
顔つき補正付き検索のための図7に示す顔つき補正のフローに入ると、まず、顔検出を行うが(S71)、この顔検出にあたっては、円内65付近の明るさを均一化、すなわち、円内65の一番明るい部分、または、面積的に大きい部分の明るさに合わせて、明るさの均一化を行う。続いて、検出された顔の中から、眼、口、頬の部分を検出する(S72)。
検出された眼等の部分を用いて加齢サインの判定を行うが、その前に、眼鏡をかけているか否かの判定を行う(S73)。これは、眼鏡をかけている人に、このような操作を行うと、眼鏡の縁が不自然になるので、本実施形態においては、顔検出(S71)および顔部分検出(S72)を行った際に、眼の周りにコントラストの高い部分があれば眼鏡をしていると判定している。
ステップS73における判定の結果、眼鏡をかけていた場合には、元のルーチンにリターンし、これらの一連の処理を行わないようにしている。これは、眼鏡をかけることによって加齢サインの表れる部分が隠れるので、あえて、こうした処理を行わなくとも、年齢による誤差は生じにくいと考えてのものである。ただし、眼鏡をかけたりかけなかったりする人は、この検索できない場合がある。これはここでは、制限条件となる。
ステップS73における判定の結果、眼鏡をかけていなかった場合には、続いて、加齢サイン判定を行う(S74)。ここではステップS72において、検出された顔部分(目尻の皺61、唇の横の線62、頬63のたるみ)に、加齢サインがあるか否かを判定する。このステップにおける判定の結果、加齢サインがあった場合には(S75→Yes)、写真から得られた検索する年と元データの関係から、どれだけ若返らせるかを決める(S76)。
続いて、目じり、唇の端、頬輪郭部を含む領域の明るさの均一化を行う(S77)。すなわち、目尻、口の端、頬の輪郭部を含む領域を、回りから不自然にならないように連続的に、かつ、均一になるように明るさを、年度の差に応じて調整する。この領域を回りと同じくらいに明るくすることによって、図8(c)に示すように、若い頃の顔つきに補正することができる。しかし、それほど昔の画像を検索する場合でなければ、わずかにこれを明るくするくらいの顔画像とする。このようにして得られた顔画像を検索時の顔画像に反映させる(S78)。
ステップS75における判定の結果、加齢サインがない場合には、顔画像の補正を行うことなく、元のルーチンに戻る。本実施形態においては、加齢サインがあるときのみに、この処理を行うことから、所定年代以上の人物に対して年齢処理を施すようにしている。しかし、これに限らず、例えば、データベース4bに年齢の情報も記録するようにしておき、20代、30代の人には、このような年齢処理を行わないようにしてもよい。
このように、本発明の一実施形態における年齢処理では、もっと古い時代の写真まで、検索の候補に加え、昔の写真からも交友関係が分かるようにすることができる。年齢処理を施した顔画像補正を行うことにより、世代を超えた検索が可能となり、例えば、最初に指定したAさんの画像から、さらに他の人に思いを馳せた画像鑑賞を楽しむことができる。
また、本発明の一実施形態においては、単に画像がきれいであるとか、表情がすばらしいという楽しみ方ではなく、ある人物が写っている画像から、次々と登場人物を検索し、どのように人と人がつながっているかを調べ、知的な楽しみ方ができるカメラや写真鑑賞システムが可能となる。
次に、本発明に関連する第3技術について、図9乃至図11を用いて説明する。顔画像による人物画像検索では、改まった記念写真などでは有効であるが、スナップ写真のような、身近な写真では、人物の表情によっては、誤検出の虞がある。そこで、ある人物がどのような顔の変化を見せるかの一覧の顔データを得るために、第3技術においては、人物の服装も考慮して顔データベースを作成するようにしている。つまり、パーティや会合など、所定時間内に撮影された画像では、同じ人物は、同じ服装をしていたと考えられることから、服装に着目して顔データベースを作成する。第3技術においても、第1技術と同様のデジタルカメラ10によって構成されるので、相違点を中心に説明する。
図10に示す、同じ人物の顔データベース(DB)作成のフローに入ると、まず、ある人物画像を選び、同じ時間帯に撮影された画像を記録部4から集める(S81)。続いて、複数の人物が写っている画像をそこから選ぶ(S82)。そして、各顔の下の色やパターン(服)が、同じ人がいるかどうか判定する(S83)。判定の結果、同じ服の色、パターンがない場合は、服で個人特定が可能であると想定し、同じ服の人は同じ人物に分類する(S84)。すなわち、図9に示すように、同じAさんかどうかを服で判断し、Aさんが、どのような顔の変化をするかを、データ収集するようにしている。
ステップS83における判定の結果、顔の下が同じ服の色で同じパターンであった場合には(S83→有)、この時間帯に撮影された画像に登場する人物は、制服を着用していたと考えられることから、同じ人物の画像か否は、ユーザーが逐次判断することとし、同じ人物の画像をマニュアル選択する(S89)。
同じ時間帯では同じ服を着用していても、他の機会(時間帯)は顔の画像で検索する必要がある。そこで、顔の画像としては多様なパターンをデータベースとして蓄積しておいた方が、より精度の高く確実な検索を行うことができる。第3技術においては、図9に示すように、デジタルカメラ10内の記録部4から抽出した画像を利用して、画像データ ベース4bに同じ人物の顔パターンを複数持つようにしている。
ステップS84またはステップS89において、分類が終わると、次に、表示部8に同じ人物の画像を、図9の符号4bと表示された部分について、一覧表示する(S85)。この画像の一覧表示をユーザーがチェックし、間違いがなければ、ユーザーが承認操作を行うので、承認がなされたか否かの判定を行う(S86)。判定の結果、承認がなされない場合には、ステップS89に移行して、マニュアルで画像の選択を行う。一方、ステップS86において、ユーザーによって承認された場合には、顔一覧を作成し、この一覧を画像データベース4bに記録する(S87)。
このように、第3技術においては、人物が着用している服装情報も併用することによって、人物の顔が変化しても、より正確に同一人物か否かを判定することができ、精度の高いデータベースを作成することができる。そして、このデータベースを利用することにより、より確実な顔の類似画像の検索が可能となる。また、ステップS83において、顔の下の服が同じ色でパターンも同じか否かを判定することにより、制服のように、メンバーが同一の服を着用している場合でも、正しく認識し、正確な顔のデータベースを作成することができる。
次に、本発明に関連する第3技術における複数の顔データのデータベース4bを利用して、指定画像の人物の顔と類似する画像を検索し、表示することのできるデジタルカメラ10について、図11を用いて説明する。このデジタルカメラ10は、前述したように、図1に示すデジタルカメラ10と同様の構成を有する。
まず、デジタルカメラ10の制御部1は、特定された人物(ここでは、Aさん)の画像を指定する。図11(B)に示すフローに入ると、その人物の顔の変形を考慮して、ユーザーが、指定した画像の顔部を判定する(S91)。そして、画像データベース4bから類似の顔パターンを検索する(S92)。その顔画像が、どの人物の顔であるかを特定し(S93)、その人の顔の変形例パターンを利用した検索を行う(S94)。
検索を行うにあたって、まず、代表顔画像を用いて、そのパターンの顔が撮影された画像を検索する(S95)。すなわち、複数ある顔画像の中の代表画像を用いて、類似画像を検索する。この代表画像に基づいて類似画像を検索することができたか否かを判定し(S96)、検索できた場合には、その画像を検索結果とし表示部8に表示する。
一方、代表画像で検索することができない場合には、変形例があるか否かの判定を行う(S97)。すなわち、同一人物について、複数の顔画像のデータがある場合には(図11(A)の例では、3種類あり)、未検索の顔画像があるか判定する(S97)。顔画像の変形例がない場合には、元のルーチンに戻るが、有った場合には、その顔画像の変形例を用いて検索し(S98)、検索が終わると、ステップS96に戻り、前述の動作を実行する。
以上のように、本発明に関連する第3技術においては、同一人物に対応する顔の画像を複数収集し、この顔の画像をデータベース化している。そして、この顔画像データベースを用いて、指定された人物が写っている画像を検索するようにしているので、第1技術、第2技術、および本発明の一実施形態と同様に、人物の交友関係等を表示させることができる。第3技術においては、第2技術のように、友人に画像を送信する機能を設けていなかったが、この機能を付加しても勿論構わない。また、第3技術においては、本発明の一実施形態のように、交友関係を連鎖的に表示していないが、勿論、本発明の一実施形態と同様に表示させてもよい。さらに、一実施形態のように、年齢を考慮した検索としてもよい。
なお、本発明の一実施形態や関連する技術においては、検出された類似画像は、隣接して表示するようにしていたが、この表示方法には種々変形が可能であり、また、最初に指定した画像と検索された画像を同時に表示する以外にも、検索された画像のみを表示するようにしてもよい。また、検索された画像が多数の場合には、複数ページに分けて表示してもよい。また、本発明の一実施形態や関連する技術においては、最初に指定する画像の顔を特徴部分として検出し、この顔をベースにして類似画像を検索していたが、特徴部分としては、顔に限らず、人物の全体でもよく、また、目鼻等、目立つ部分等でもよい。
さらに、本発明の一実施形態や関連する技術においては、デジタルカメラを用いて説明したが、デジタルカメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、また、携帯電話や携帯情報端末(PDA Personal Digital Assist)等に内蔵されるカメラでも勿論構わない。また、デジタルカメラ等で撮影された画像データを記録したパーソナルコンピュータ等でも勿論構わない。さらに、デジタルカメラ等で撮影された画像データを記録した外部データベースの内部で、本発明を実施してもよい。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。