JP5554207B2 - 被削性に優れるCu−Si系銅合金板材 - Google Patents

被削性に優れるCu−Si系銅合金板材 Download PDF

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この発明は、電子機器、精密機械等に使用される金属部品、特に切削加工により製造される銅合金部品に適する銅合金板材に関するものである。
金属部品を製造する方法として旋削、穿孔などの切削加工がある。切削加工は、特に複雑な形状を持つ部品や高い寸法精度を要する部品の製造には有効な加工方法である。切削加工を行う場合、被削性がしばし問題となる。被削性には切削屑処理、工具寿命、切削抵抗、切削面粗さなどの項目があり、これらが向上するように材料に改良が施されている。
銅合金は、強度が高い、導電性・熱伝導性に優れる、耐食性に優れる、色調に優れるなどの理由から多くの金属部品に使用されている。切削による加工も多く実施されており、例えば水道の蛇口、バルブ、歯車、装飾品などの用途がある。これらには、黄銅(Cu−Zn系)、青銅(Cu−Sn系)、アルミ青銅(Cu−Al系)、洋白(Cu−Zn−Ni系)などに被削性を向上させるために鉛を添加した合金が使用されている(特許文献1〜4参照)。
このように銅合金の被削性を向上させるために、一般的には鉛が添加されている。これは、鉛が銅合金に固溶しないため材料内に微細に分散し、切削加工時に切削屑がその部分で分断されやすくなることによる。しかし、鉛は人体や環境に影響を及ぼすとされていることから使用が制限されつつあり、鉛を含有せずに被削性を向上させた材料の要求が高まっている。鉛を含有する銅合金の代替材料として、黄銅や青銅にビスマスを添加した銅合金が知られている(特許文献5〜6参照)。また黄銅では、亜鉛濃度を高くして銅−亜鉛系化合物であるβ相やγ相を形成させ、あるいはケイ素を添加して銅−亜鉛−ケイ素系化合物であるκ相を形成させ、これらの化合物を切削屑分断の起点として作用させることで被削性を向上させることも知られている(特許文献7、8)。
特開昭60−056036号公報 特開昭58−113336号公報 特開昭51−101716号公報 特開平01−177327号公報 特開2001−059123号公報 特開2000−336442号公報 特開2000−319737号公報 特開2004−183056号公報
しかし、各特許文献に記載された技術は、以下の課題を有する。特許文献1〜4の各技術では、前述のとおり被削性を向上させるための添加元素として鉛を用いており、環境への負荷が心配される。また、特許文献5および6の技術では、ビスマスを添加すると被削性は改善されるが、加工中に割れやすくなり、特に熱間加工が困難となる。すなわち、熱間加工性の改善を図ることが改めて必要となる。特許文献7および8では、銅−亜鉛系化合物のγ相や銅−亜鉛−ケイ素系化合物のκ相は被削性を向上させるが、脆弱な相であるために冷間加工性に劣る。
上述のように鉛を含有しない従来の被削銅合金の発明では、被削性と加工性(熱間加工・冷間加工性)との両立が課題として残されている。歯車、時計地板等の精密機械用の金属部品は、板の形状の金属素材からプレス加工後、切削加工を施す、などの工程にて作成されるため、板形状までの加工が可能な銅合金材料が求められる。しかしながら、板形状への加工が可能な銅合金は被削性が不十分であり、いまだに鉛を含有させた被削黄銅が使用されているのが現状であり、環境および人体への影響から鉛を含有せずに被削性を向上させた銅合金板の開発が望まれている。
本発明はこのような問題に鑑みなされたもので、鉛を含有せずに被削性および展伸性に優れ、環境負荷を軽減する銅合金板材を提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の組成のCu−Si系合金において、Sn量および製造方法を制御して製造することにより、展伸性(熱間圧延性・冷間圧延性)および被削性に優れる銅合金を製造することが可能であることを見出した。また、Sを制御して添加し、Cu−S系の化合物がサイズ(平均直径)が1μm以上10μm以下で、且つ、面積率1%以上10%以下に均一分散することによって、更に被削性に優れる銅合金板になることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の解決手段を提供するものである。
(1)Siを3.0〜5.0mass%、Snを0.5〜2.5mass%含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金板材であって、母相の硬さが110〜210Hvであることを特徴とするCu−Si系銅合金板材、
(2)Siを3.0〜5.0mass%、Sを0.05〜1.0mass%含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金板材であって、Cu−S系化合物が母相に分散しており、該化合物の平均直径は1〜10μmであり、該化合物の面積率は1〜10%であることを特徴とする、Cu−Si系銅合金板材、
(3)Siを3.0〜5.0mass%、Snを0.5〜2.5mass%、Sを0.05〜1.0mass%含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金板材であって、Cu−S系化合物が母相に分散しており、該化合物の平均直径は1〜10μmであり、該化合物の面積率は1〜10%であることを特徴とする、Cu−Si系銅合金板材、及び
(4)母相の硬さが90〜210Hvであることを特徴とする、(2)又は(3)記載のCu−Si系銅合金板材
である。
なお、本発明における母相の硬さはマイクロビッカース硬さ試験機を用いJIS Z 2244に準拠して測定したものとする。
また、Cu−S系化合物の平均直径は板状サンプルの任意の3か所の圧延面について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてそれぞれ3視野について組織観察を行うことにより求めた。1視野当たり20個のCu−S系化合物の断面を円と仮定したときの相当直径を測定し、その平均を測定したものとする。
Cu−S系化合物の面積率は平均直径と同様に、板状サンプルの任意の3か所の圧延面について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてそれぞれ3視野について組織観察を行うことにより求めた。1視野に見られるCu−S系化合物の数をカウントし、平均直径より求めた面積を乗じることで、Cu−S系化合物の1視野当たりの総面積を求め、1視野の面積で除することで求めた。
本発明のCu−Si系銅合金板材は、鉛などの環境負荷物質を利用することなく、被削性および展伸性に優れたものとなる。また、本発明の銅合金板は、切削加工により製造される精密部品等の部品用材料として好適である。
本発明の銅合金板材の好ましい実施の形態について、詳細に説明する。まず、各合金元素の作用効果とその含有量の範囲について説明する。
本発明の銅合金板材に好ましい実施の形態によるケイ素(Si)は、母相を強化し被削性を向上させると共に、被削後の表面を円滑にする。その添加量は3.0〜5.0mass%であることが良い。好ましくは3.2〜4.8mass%とする。少なすぎると母相の強化が足りず被削性が劣り、多すぎる場合冷間加工性が劣化する。
本発明の第一の形態では、錫(Sn)を含有させる。SnはSiと複合で添加することによりその効果を発揮する。Snは材料の強度および被削性を向上させる。Snによる被削性向上は母相の延性を劣化させることにより、屑の分断を良好にする点にある。そのためSnの含有量は厳密に管理する必要があり、その範囲を超えると板形状に加工することが不可能になる。Snの含有量は0.5〜2.5mass%とする。好ましくは1.5〜2.5mass%とする。少なすぎると、被削性の向上が期待できない。多すぎる場合には、冷間加工性を劣化させる。
SiとSnを含有する場合には、母相の硬さは110〜210Hvにする。110Hvよりも硬さの値が低い場合には、母相の延性が大きく被削性が劣る。210Hvよりも硬さの値が高い場合には、母相の延性が小さすぎて板形状への加工ができなくなる。
母相の硬さは熱処理条件と最終圧延の加工率により制御することができる。詳しい製造方法は後述する。
本発明の第二の形態では、硫黄(S)を含有させる。
硫黄(S)は母相中に被削性向上に寄与する硫化物を形成させる。この硫化物が、切削加工を行った時の切削屑分断の起点として作用することで切削屑が細かく分断され易くなり、被削性が向上する。また、鋳造時の冷却速度を制御することで硫化物のサイズ、面積率が制御されて切削屑分断性が向上し、さらに熱間および冷間における加工性を損なわなくなることにより、板形状への展伸加工が可能となる。
また、本発明の第二の形態において、Snの含有は任意であるが、SnとSを複合に含有することで、硫化物による切削屑分断の効果とSnの母相の延性劣化の効果が相乗され、被削性がより向上する。
また、本発明の第二の形態においては、硫化物の平均直径が1〜10μmであり、該硫化物が面積率で0.1〜10%存在する必要がある。そのためには、Sの含有量は0.05〜1.0mass%であり、好ましくは0.08〜0.8mass%である。少なすぎると硫化物の面積率が小さく、十分な切削屑分断性が得られない。Sの含有量が多すぎると、加工性(すなわち展伸性)が悪化する。
なお、SnとSを複合に含有することで、硫化物による切削屑分断の効果とSnの母相の延性劣化の効果が相乗され、被削性がより向上するが、本発明の第一の形態と同様、冷間加工性の観点も考慮する必要がある。Sを含有する場合のSnの含有量は、0.5〜2.5mass%とする。好ましくは0.5〜1.8mass%とする。
次に、被削性向上に寄与する化合物である硫化物のサイズと面積率の規定、並びに特徴について述べる。硫化物は、切削加工時に発生する切削屑を細かく分断する作用があり、それにより被削性が向上する。ただし、サイズ(平均直径)が小さすぎると、十分な効果は得られない。また、サイズ(平均直径)が1μm以上の硫化物があったとしても、トータルの面積率が小さいと切削屑は細かく分断されない。具体的には、1μm以上の平均径の硫化物が面積率で0.1〜10%の密度で分布していないと、切削屑が十分には分断されない。なお、硫化物は軟らかいため加工の加工度に応じて長手に伸ばされることがあるが、硫化物のサイズと面積率は長手方向に垂直な断面で上記を満足すれば良い。
一方、硫化物は材料の熱間および冷間の加工性を悪化させる。硫化物は結晶粒界に形成され易く、粒界強度を低下させるため、サイズが大き過ぎたり、面積率が大き過ぎたりすると、熱間加工や冷間加工を施した時に割れを生じさせ、展伸材として使用できなくなる。従って、硫化物の大きさは10μm以下、面積率は10%以下にする必要がある。
本発明の第二の形態においては、母相の硬さは90〜210Hvにすることが好ましい。母相の硬さの値が高い場合には、母相の延性が小さすぎて板形状への加工ができなくなる。
硫化物のサイズは、鋳造時の冷却速度により変化する。冷却速度が遅いと硫化物は大きくなり、逆に速いと小さくなる。好ましい冷却速度は0.1〜50℃/秒、より好ましくは0.3〜40℃/秒である。
本発明の展伸材の製造は以下のようにして行える。
熱間圧延前の、保持温度は600〜900℃で行い、保持時間は1〜2時間保持することが望ましい。保持温度が900℃を超えて高い場合、熱間圧延割れをする可能性がある。600℃未満の場合、再結晶が十分行われず鋳造による不均一組織が残存する可能性がある。熱延後は速やかに水冷を行い、金属組織変化を抑制する。
熱間圧延後は、酸化膜の除去を実施後、冷間圧延および熱処理の組み合わせにより、母相の硬さを調整する。Snを含有する場合には、最終の圧延加工の加工率を50%以下にすることが望ましい。
熱処理は350〜900℃で0.5〜4時間の範囲で行うことが望ましい。400℃未満では、再結晶が十分起きずに均一な組織が得られない。900℃を超え超えて高い場合、結晶粒の粗大化を引き起こす。0.5時間未満では、再結晶が十分起きずに均一な組織が得られない。4時間を超える場合は熱処理時間過多になり、いたずらにコストを費やすのみである。
以下に、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
(実施例1)
表1の合金成分で示される組成の銅合金を高周波溶解炉にて溶解し、厚さ30mm、幅120mm、長さ150mmの鋳型に冷却速度0.5〜5℃/秒で鋳造し鋳塊を得た。次にこれら鋳塊を800℃に加熱し、この温度に1時間保持後、厚さ12mmに熱間圧延して速やかに水冷を行った。次いで両面を各1.5mmずつ面削して酸化皮膜を除去した。
本発明例1−1〜1−8、比較例1−1〜1−5および比較例1−8は、続けて厚さ4mmまで冷間圧延を実施した。この時比較例1−3および比較例1−5は冷間加工中に板全体に割れが発生し圧延を継続することは不可能であった。その後、各試料Arガス雰囲気炉にて800℃で1時間の熱処理を施し室温まで炉内で冷却した。熱処理後、各試料を厚さ3mmまで冷間圧延を実施した。なお比較のため、比較例1−3および比較例1−5も割れた破片部について上記と同様に熱処理を実施した。
本発明例1−9は、面削後、厚さ3.2mmまで冷間圧延を実施して、Arガス雰囲気炉にて800℃で1時間の熱処理を施し室温まで炉内で冷却した後、厚さ3mmまで冷間圧延を実施した。なお成分は本発明例1−2と同じである。
本発明例1−10は、面削後、厚さ6mmまで冷間圧延を実施して、Arガス雰囲気炉にて800℃で1時間の熱処理を施し室温まで炉内で冷却した後、厚さ3mmまで冷間圧延を実施した。なお成分は本発明例1−2と同じである。
比較例1−6は、面削後、厚さ3mmまで冷間圧延を実施して、Arガス雰囲気炉にて850℃で1時間の熱処理を施し室温まで炉内で冷却した。なお成分は本発明例1−2と同じである。
比較例1−7は、面削後、Arガス雰囲気炉にて800℃で1時間の熱処理を施し室温まで炉内で冷却した後、厚さ3mmまで冷間圧延を実施した。なお成分は本発明例1−2と同じである。
上述の冷間圧延加工において、材料に割れがなく圧延が可能であったものを“優”、材料端部割れ(コバ割れ)は生じるが板形状への圧延が可能なであったものを“良”、材料全体に割れが生じ板形状への圧延が不可であったものを“不可”として、圧延性を評価した。
このようにして得られた各々の銅合金展伸板材のサンプルについて被削性を調べた。被削性として、汎用ボール盤を用いて切削屑の分断性を評価した。切削屑が5mm以下に分断されるものは優、切削屑が分断されるがその長さが5mm以上のものは良、切削屑が螺旋状につながっているものは不良とした。使用可能な水準は優および良である。なお切削条件は、2mmφの超硬製ドリルを用い、回転数420rpmとし、切削油は不使用とした。
また、板状サンプルの結晶粒径は任意の3箇所の圧延方向垂直断面について光学顕微鏡観察を行い、JIS H 0501の切断法に基づき実施した。なお、比較例1−3および比較例1−5については、熱処理終了後のサンプルにて、圧延方向垂直断面に相当する面を、光学顕微鏡観察を行って実施した。
表1に結果を示す。本発明例1−1〜1−10は、成分が本発明の範囲内であり、いずれも、板形状の加工が可能であった。また被削性も満足している。
比較例1−1〜1−8は、本発明の範囲外の例である。比較例1−1、1−2はSi量が発明の範囲外であり、硬さが規定の範囲外であるため被削性が劣った。比較例1−3はSn量が発明の範囲よりも多いため、板形状に加工ができなかった。比較例1−4および1−8はSn量が発明の範囲外であり、硬さが規定の範囲外であるため被削性が劣った。比較例1−5はSi量が発明の範囲よりも多いため、板形状に加工ができなかった。比較例1−6および1−7は硬さが本発明の範囲外であるため被削性が劣った。
Figure 0005554207
(実施例2)
表2の合金成分で示される組成の銅合金を高周波溶解炉にて溶解し、厚さ30mm、幅120mm、長さ150mmの鋳型に冷却速度0.5〜5℃/秒で鋳造し鋳塊を得た。次にこれら鋳塊を800℃に加熱し、この温度に1時間保持後、厚さ12mmに熱間圧延して速やかに水冷を行った。次いで両面を各1.5mmずつ面削して酸化皮膜を除去した。
続けて厚さ4mmまで冷間圧延を実施した。この時比較例2−2〜2−4は冷間加工中に板全体に割れが発生し圧延を継続することは不可能であった。その後、各試料Arガス雰囲気炉にて700℃で1時間の熱処理を施し室温まで炉内で冷却した。熱処理後、各試料を厚さ3mmまで冷間圧延を実施した。なお比較のため、比較例2−2〜比較例2−4も割れた破片部について上記と同様に熱処理を実施した。
上述の冷間圧延加工において、材料に割れがなく圧延が可能であったものを“優”、材料端部割れ(コバ割れ)は生じるが板形状への圧延が可能なであったものを“良”、材料全体に割れが生じ板形状への圧延が不可であったものを“不可”として、圧延性を評価した。
このようにして得られた各々の銅合金展伸板材のサンプルについて被削性を調べた。被削性として、汎用ボール盤を用いて切削屑の分断性を評価した。切削屑が5mm以下に分断されるものは優、切削屑が分断されるがその長さが5mm以上のものは良、切削屑が螺旋状につながっているものは不良とした。使用可能な水準は優および良である。なお切削条件は、2mmφの超硬製ドリルを用い、回転数420rpmとし、切削油は不使用とした。
また、板状サンプルの結晶粒径は任意の3箇所の圧延方向垂直断面について光学顕微鏡観察を行い、JIS H0501の切断法に基づき実施した。なお、比較例1−3および比較例1−5については、熱処理終了後のサンプルにて、圧延方向垂直断面に相当する面を、光学顕微鏡観察を行って実施した。
また、化合物のサイズと面積率は、板状サンプルの任意の3か所の圧延面について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてそれぞれ3視野について組織観察を行うことにより求めた。粒子サイズ(平均径)は、1視野当たり20個の化合物のサイズを測定し、その平均をとった。面積率は、1視野に見られる化合物の数をカウントし、化合物を円と仮定して平均径より求めた面積を乗じることで化合物の1視野当たりの総面積を求め、1視野の面積で除することで求めた。
表1に結果を示す。本発明例2−1〜2−10は、成分が本発明の範囲内であり、いずれも、板形状の加工が可能であった。また被削性も満足している。なお、発明例2−10は(実施例1)の本発明例1−6にSを0.22%添加したこと以外は同様であり、製法も同じであるが、本発明例2−10のほうが本発明例1−6よりもさらに優れていることが分かり、S添加の被削性向上効果が分かる。
比較例2−1〜2−4は本発明の範囲外の例である。比較例2−1はS量が発明の範囲外であり、粒子面積率が範囲外であるため被削性が劣った。比較例1−2〜1−4はS量およびSn量が発明の範囲よりも多いため、板形状に加工ができなかった。
Figure 0005554207

Claims (4)

  1. Siを3.0〜5.0mass%、Snを0.5〜2.5mass%含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金板材であって、母相の硬さが110〜210Hvであることを特徴とするCu−Si系銅合金板材。
  2. Siを3.0〜5.0mass%、Sを0.05〜1.0mass%含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金板材であって、Cu−S系化合物が母相に分散しており、該化合物の平均直径は1〜10μmであり、該化合物の面積率は1〜10%であることを特徴とする、Cu−Si系銅合金板材。
  3. Siを3.0〜5.0mass%、Snを0.5〜2.5mass%、Sを0.05〜1.0mass%含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金板材であって、Cu−S系化合物が母相に分散しており、該化合物の平均直径は1〜10μmであり、該化合物の面積率は1〜10%であることを特徴とする、Cu−Si系銅合金板材。
  4. 母相の硬さが90〜210Hvであることを特徴とする、請求項2又は3に記載のCu−Si系銅合金板材。
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