JP5552984B2 - 脈圧計測装置、及び脈圧計測方法 - Google Patents

脈圧計測装置、及び脈圧計測方法 Download PDF

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本発明は、流体脈動圧計測装置、流体脈動圧計測方法、脈圧計測装置、及び脈圧計測方法に関するものである。
導管内を流動する流体の脈動圧を求める手段として、導管内に直接センサーなどを設置して流動する液体の脈動圧を計測するのではなく、マイクロ波や超音波といった波動を用いることにより、導管の外部から導管内の状態を計測する技術が求められている。
特に生体において、体外から体内の状態を計測する方法として、痛みの伴わない非侵襲計測が求められ、血管内の状態、例えば脈圧を超音波により計測する方法が提案されている。
生体の血管内の状態を表すものに、動脈硬化の進行度を観察する指標として脈圧値が注目されている。脈圧値は心臓の収縮期血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最低血圧)との差から求められる。動脈の局所部位において、最大直径及び最小直径を求め、それらのパラメーター値を非線形関数に与えて、その非線形関数により、入力される各時刻の直径を換算することにより、局所部位についての各時刻の圧力を演算するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−041382号公報
特許文献1にあるように従来の超音波を用いた血圧値の算出には、カフ型血圧計による校正が必要となる。これは24時間自由行動下、血圧測定(24時間ABPM)や一拍ごとの連続血圧測定を考えた場合、カフを常時身に付けたり、持ち歩いて適時使用するといった不便があり、普段の生活を送る上で実用が困難になる虞がある。
また、カフ型血圧計による校正が必要なことに加え、その校正が定期的(30分〜1時間程度)に必要であることがさらに問題となる虞がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]可撓性を有した帯状の基材の長手方向に直交する方向に沿って、互いに離間して配置された少なくとも2つの計測部と、該計測部を制御する制御部を備えた流体脈動圧計測装置であって、前記計測部は、計測媒体を計測対象部に送出する計測媒体送信部と、前記計測対象部から戻って来る前記計測媒体の少なくとも一部を受信する計測媒体受信部と、を備え、前記制御部は、一方及び他方の前記計測部によって前記計測対象部に内在する導管径を計測し、前記少なくとも1つの計測部において計測した前記導管径の変化量、前記一方の計測部と前記他方の計測部との前記導管径の差、及び前記少なくとも2つの計測部の間の距離に基づいて導き出される水頭差、及び該水頭差に基づいて導き出される前記計測対象部の流体圧の最大値と最小値との差分を求めることを特徴とする流体脈動圧計測装置。
これによれば、前記少なくとも2つの計測部での導管の径及び計測部間の距離から求まる係数値を算出することによって、その後は特別な校正をせずに容易に流体の圧力を得ることができる。
[適用例2]上記流体脈動圧計測装置であって、前記2つの計測部間の重力方向の距離を決定する高低差決定部をさらに備えることを特徴とする流体脈動圧計測装置。
これによれば、水頭圧を求める際の一要素である高低差を容易に決定できる。
[適用例3]上記流体脈動圧計測装置であって、前記少なくとも2つの計測部の間の重力(鉛直)方向の距離は、前記少なくとも2つの計測部のそれぞれの離間距離と、前記少なくとも2つの計測部の重力方向との傾き角度により算出されることを特徴とする流体脈動圧計測装置。
これによれば、2つの計測部の空間的配置に拠らず、水頭圧を求める際の一要素である高低差を容易に測定できる。
[適用例4]計測対象部の第一部位が流体の圧力基準面の高さに位置決めされた状態で、所定の第一部位と所定の第二部位との導管径の時間変化を計測し、平均導管径を求める工程と、前記第一部位での導管径の時間変化から、最高圧力時及び最低圧力時での、導管径を求める工程と、前記第一部位での平均導管径と前記第二部位での平均導管径とを用いて平均導管径の変化量を求める工程と、前記状態で、前記第一部位と前記第二部位との高低差を測定する高低差測定工程と、前記高低差を用いて前記第一部位と前記第二部位との間の水頭圧を求める工程と、前記水頭圧、前記平均導管径の変化量、前記最高圧力時の導管径、及び前記最低圧力時の導管径を用いて最高圧力と最低圧力との圧力差を求める工程と、を有することを特徴とする流体脈動圧計測方法。
これによれば、他の特別な計測器を校正に使用することなく、精度よく導管内の流体圧力差を測定することができる。
[適用例5]可撓性を有した帯状の基材の長手方向に直交する方向に沿って、互いに離間して配置された少なくとも2つの血管径計測部と、該血管径計測部を制御する制御部を備えた脈圧計測装置であって、前記血管径計測部は、超音波を生体内部の血管に送出する送信部と、前記生体内部の血管から反射して戻って来る前記超音波の少なくとも一部を受信する受信部と、を備え、前記制御部は、一方及び他方の前記血管径計測部によって前記生体内部の血管径を計測し、前記少なくとも1つの血管径計測部において計測した前記血管径の変化量、前記一方の血管径計測部と前記他方の血管径計測部との前記血管径の差、及び前記少なくとも2つの血管径計測部の間の距離に基づいて導き出される水頭差、及び該水頭差に基づいて導き出される前記生体内部の血管を流動する血液の圧力(血圧)の最大値と最小値との差分である脈圧を求めることを特徴とする脈圧計測装置。
これによれば、最初に2つの血管径計測部での血管径及び2つの血管径計測部間の距離から水頭圧を求めることによって、その後は簡易に脈圧を求めることができる脈圧計測装置を提供できる。
[適用例6]上記脈圧計測装置であって、前記2つの血管径計測部間の重力方向の距離を決定する高低差決定部をさらに備えることを特徴とする脈圧計測装置。
これによれば、水頭圧を求める際の一要素である高低差を容易に決定できる。
[適用例7]上記脈圧計測装置であって、前記少なくとも2つの血管径計測部の間の重力方向の距離は、前記少なくとも2つの血管径計測部のそれぞれの離間距離と、前記少なくとも2つの血管径計測部の重力方向との傾き角度により算出されることを特徴とする脈圧計測装置。
これによれば、2つの血管径計測部の空間的配置に拠らず、水頭圧を求める際の一要素である高低差を容易に測定できる。
[適用例8]被測定者の第一部位が血液の圧力基準面の高さに位置決めされた状態で、所定の第一部位と所定の第二部位との血管径の時間変化を計測し、平均血管径を求める工程と、前記第一部位での血管径の時間変化から、最高血圧時及び最低血圧時での、血管径を求める工程と、前記第一部位での平均血管径と前記第二部位での平均血管径とを用いて平均血管径の変化量を求める工程と、前記状態で、前記第一部位と前記第二部位との高低差を測定する高低差測定工程と、前記高低差を用いて前記第一部位と前記第二部位との間の水頭圧を求める工程と、前記水頭圧、前記平均血管径の変化量、前記最高血圧時の血管径、及び前記最低血圧時の血管径を用いて最高血圧と最低血圧との圧力差である脈圧を求める工程と、を有することを特徴とする脈圧計測方法。
これによれば、他の特別な計測器を校正に使用することなく、精度よく脈圧を測定することができ、被測定者が自由行動下で常時脈圧計測をする場合の負荷を軽減できる。
本実施形態に係る脈圧計測装置が人体に装着された状態を示す外観図。 本実施形態に係る人体に装着された導管径センサーを含む断面図。 本実施形態に係る回路ブロックを示す図。 本実施形態に係る水頭圧分が加わった血管径を示す図。 本実施形態に係る血圧変動と血管径変動を示す図。 本実施形態に係る血管径と血圧との時間変化を示す図。 本実施形態に係る測定方法を示す図。
以下、本実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大又は縮小して表示している。
図1は、本実施形態に係る脈圧計測装置が人体に装着された状態を示す外観図である。ここでは、流体脈動圧計測装置は特に人体での脈圧計測装置として使用することを想定し、上腕動脈の脈圧を測定する場合を考える。2つの計測部として導管径センサー1,2は、可撓性を有した帯状の基材としてナイロンなどでできたバンドを用いて被測定者4の上腕部6に装着され、上腕動脈(血管)3の導管径として血管径D(図2参照)を測定することにより、流体圧として血圧を求める。上腕部6への装着は、導管径センサー1,2を測定部位へ固定できればよいので、バンドの代わりに皮膚との密着性のあるシール材(図示せず)などを用いてもよい。望ましくは、どちらか片方の導管径センサー位置が被測定者4の心臓5の位置と同じ高さであり(本実施形態では導管径センサー1)、同じ高さの導管径センサー1を常時計測に用いれば水頭圧補正が不要となる。ただし、どちらも高さ位置が心臓5と同じでなくても、予め心臓5との高低差を求めておけば正しく脈圧が求まる。つまり、実施形態のような上腕部6でなくとも計測が可能である。
図2は、本実施形態に係る人体に装着された導管径センサー1,2を含む断面図である。本実施形態に係る脈圧計測装置7の導管径センサー1,2は、被測定者4の上腕部6に装着され、上腕動脈3に超音波などの波動を送信し、血管壁からの反射波を受信することで、反射到達時間から血管径Dを測定する。
図3は、本実施形態に係る回路ブロックを示す図である。本実施形態に係る脈圧計測装置7は、導管径センサーを少なくとも2つ備えている。脈圧計測装置7は、被測定者4の上腕部6に装着され、上腕動脈3の血管径Dを測定し、収縮期血圧及び拡張期血圧から脈圧を求める。
本実施形態に係る脈圧計測装置7に備わる少なくとも2つの導管径センサーは、上腕部6の内側の上腕動脈3に対して超音波が照射できるような位置に取り付けられている。導管径センサー1,2のどちらか一方は、心臓5と同じ高さに装着されることが望ましい。高さHに装着された導管径センサー1は、発信部12から数M〜数十MHzのパルス信号やバースト信号を送信し、受信部14で上腕動脈3壁からの反射波を受信し、前記送信波と受信波の関係から到達時間を測定する。高さLに装着された導管径センサー2は、発信部16から数M〜数十MHzのパルス信号やバースト信号を送信し、受信部18で上腕動脈3壁からの反射波を受信し、前記送信波と受信波の関係から到達時間を測定する。導管径センサー1の信号演算部11は、生体内部の上腕動脈3に超音波を送信して、生体内部の上腕動脈3壁からの反射を受信することで、送信してから受信するまでの反射到達時間差を検出する。導管径センサー2の信号演算部21は、生体内部の上腕動脈3に超音波を送信して、生体内部の上腕動脈3壁からの反射を受信することで、送信してから受信するまでの反射到達時間差を検出する。
導管径センサー1は、発信部12と、受信部14と、駆動部22と、信号演算部11と、高さ位置決定部24とを備えている。導管径センサー2は、発信部16と、受信部18と、駆動部26と、信号演算部21と、高さ位置決定部28とを備えている。発信部12から生体内部の上腕動脈3に超音波を送信して、受信部14で生体内部の上腕動脈3の壁からの反射波を受信した後、導管すなわち上腕動脈3の壁に係る変位情報を含む信号を検出する。駆動部22は、発信部12から送信する超音波パルスを駆動する。信号演算部11は、駆動部22と受信部14と高さ位置決定部24とを制御し、反射到達時間差の検出と導管径センサー1の高さ位置を決定して生体内部の血管径Dを求める。また発信部16から生体内部の上腕動脈3に超音波を送信して、受信部18で生体内部の上腕動脈3の壁からの反射波を受信した後、導管すなわち上腕動脈3の壁に係る変位情報を含む信号を検出する。駆動部26は、発信部16から送信する超音波パルスを駆動する。信号演算部21は、駆動部26と受信部18と高さ位置決定部28とを制御し、反射到達時間差の検出と導管径センサー2の高さ位置を決定して生体内部の血管径Dを求める。
本実施形態に係る脈圧計測装置7は、脈圧信号演算部31と、表示部32と、スイッチ(SW)33と、操作部34と、電源部40とを備えている。脈圧信号演算部31は、信号演算部11と信号演算部21との演算結果を用いて被測定者4の脈圧を求める。表示部32は、被測定者4の脈圧を表示する。また、それをグラフなどで可視化して表示することもできる。さらに、脈拍についても同様に表示してもよい。スイッチ33は、脈圧計測装置7の各機能部に対して電源部40からの電源の供給/遮断を切り替える。電源部40は、脈圧計測装置7の各機能部に対して電源を供給する。電源部40としては、例えば充電可能な二次電池を想定している。操作部34は表示部32において、測定脈圧を表示したり、脈拍に切り替えたり、過去のロギングデータ表示に切り替えることができる。
図4は、本実施形態に係る水頭圧分が加わった血管径Dを示す図である。
図5は、本実施形態に係る血圧変動と血管径変動とを示す図である。高さHの実線と高さLの点線とから、血管径D及び血管壁圧力(血圧P)が略線形変化するとみなせるので、血管径Dの時間変化を測定することで、血圧の時間変化に相関した値が得られる。同一血圧時の、高さHとLとの血管径の差異は、水頭圧による差と考えられるので、平均血管径の差ΔDmと、高さHとLとの高低差hによる水頭圧(ρ・g・h)、(ρ:血液の密度、g:重力加速度)は一意に対応する。
次に、収縮期血圧Psys及び拡張期血圧Pdiaを算出する方法を説明する。
心臓5の位置と同じ高さH、つまり水頭圧の補正が必要ない状態、及び心臓5の位置と高低差hだけ離れた高さLとでの、収縮期血管径Dsysと拡張期血管径Ddiaとを求める。超音波を生体内部の血管3に送受信し、血管両壁の反射到達時間差から収縮期血管径Dsys及び拡張期血管径Ddiaを算出する。それと同時に、血管径Dの経時変化を測定する。血管の管法則より、無加圧若しくは微加圧時においては血管径D及び血管壁圧力(血圧)が略線形に近似できる。そのとき、血管径Dの時間変化は血圧Pの時間変化と相似である(図5参照)。
心臓5と同じ高さHから高低差がある部位における血管3には、心臓5の位置に比べ水頭圧分のみの圧力が余分にかかることになる。つまり、この高低差がある位置で血管径Dの時間変化を測定すると、水頭圧分が加わった血圧Pの時間変化が得られる(図5参照)。これより、水頭圧(ρ・g・h)、(ρ:血液の密度、g:重力加速度)に対応する血管径Dの変化分ΔDがわかる。収縮期及び拡張期での血管径Dの変化分は測定により求まり、収縮期血圧Psys及び拡張期血圧Pdiaの血圧差である脈圧ΔP(=Psys−Pdia)を算出することができる。
図6は、本実施形態に係る血管径と血圧との時間変化を示す図である。水頭圧による圧力値がどのくらいの血管径Dの変化に対応するのかの算出は、下記の(a)及び(b)の方法がある。
(a)血管径Dの変化は10秒程度計測し、図6に示すように、高さHの位置での平均血管径Dm1、及び高さLの位置での平均血管径Dm2をそれぞれ算出する。続いて、平均血管径(Dm1,Dm2)の変化分ΔDmを式(1)より求める。
ΔDm=Dm2−Dm1 …(1)
水頭圧分の血管径変化ΔDを式(2)より求める。
ΔD=ΔDm …(2)
これにより、図1の高さHの位置での平均収縮期血管径Dmsys1及び平均拡張期血管径Dmdia1を用いると、圧力及び血管径の関係を考えると式(3)が成立する。
(Psys−Pdia):ρ・g・h=(Dmsys1−Dmdia1):ΔDm …(3)
よって水頭圧(ρ・g・h)は、式(4)より求まる(図6(A)参照)。
ρ・g・h=(Psys−Pdia)・ΔDm/(Dmsys1−Dmdia1) …(4)
(b)血管径Dの変化は10秒程度計測し、図1の高さHの位置での平均収縮期血管径Dmsys1及び平均拡張期血管径Dmdia1、及び高さLの位置での平均収縮期血管径Dmsys2及び平均拡張期血管径Dmdia2をそれぞれ算出する。続いて、平均収縮期血管径(Dmsys1,Dmsys2)の変化分ΔDmsysを式(5)、及び平均拡張期血管径(Dmdia1,Dmdia2)の変化分ΔDmdiaを式(6)より求める(図6(B)参照)。
ΔDmsys=Dmsys2−Dmsys1 …(5)
ΔDmdia=Dmdia2−Dmdia1 …(6)
また、上記より平均をとり、水頭圧分の血管径変化ΔDを式(7)より求める。
ΔD=(ΔDmsys+ΔDmdia)/2 …(7)
これにより、圧力及び血管径の関係を考えると式(8)が成立する。
(Psys−Pdia):ρ・g・h=(Dmsys1−Dmdia1):(ΔDmsys+ΔDmdia)/2 …(8)
よって脈圧(Psys−Pdia)は、式(9)より求まる。
(Psys−Pdia)=2・(ρ・g・h)・(Dmsys1−Dmdia1)/(ΔDmsys+ΔDmdia) …(9)
水頭圧(ρ・g・h)の算出ができれば、前述の関係より血管径Dの計測のみで収縮期実血圧Psys及び拡張期実血圧Pdiaの血圧差(Psys−Pdia)である脈圧がわかる。水頭圧(ρ・g・h)の算出は常時連続測定開始前、つまり1日のはじめなどに一度行うことで、より高精度な測定ができる。また、測定位置高さH及びLの高低差hは精度にかかわる重要なパラメーターなので、測定ごとに同じ位置に装着して行うことが望ましい。
図7は、本実施形態に係る測定方法を示す図である。
先ず、ステップS10に示すように、図1の高さH及びLの位置での血管径Dを計測すると同時に平均血管径Dm1、Dm2を算出する。平均血管径は、1心拍内において特定してもよいし、血管径変化を10秒程度測定し、複数心拍分のアンサンブル平均を算出し、取得してもよい。
次に、ステップS20に示すように、ステップS10で測定した高さHの位置での、血管径Dの時間変化より、最高血圧に対応する血管径Dmsys1、最低血圧に対応する血管径Dmdia1を算出する。
他方、ステップS30に示すように、ステップS10で算出した平均血管径Dm1、Dm2より、平均血管径変化ΔDmを算出する。
ここで、ステップS40に示すように、水頭圧(ρgh)を算出する。水頭圧の算出及びそのための高低差hの決定方法の詳細については後述する。
そして、ステップS50に示すように、最低血圧Pdia及び最高血圧Psysの血圧差(Psys−Pdia)を算出する。図1の高さHの位置での、最高血圧Psysにおける血管径Dmsys1と、最低血圧Pdiaにおける血管径Dmdia1を用いると、式(9)より、最低血圧Pdiaと最高血圧Psysとの血圧差(Psys−Pdia)である脈圧を算出する。そして、ステップS60で示すように測定結果の表示を行う。
最後に、ステップS70で測定続行のうちは、ステップS80に示すように、高さHの位置での血管径の計測により、ステップS50で式(9)から脈圧を算出し、ステップS60で示すように測定結果の表示を行う。
ここで、水頭圧を決定する方法について説明する。
水頭圧(ρ・g・h)を求めるには、重力加速度g(≒9.8m/s2)のほかに、血液の密度及び高低差hが必要となる。血液の密度ρは男女差で1.055±0.005g/cm3程度なので、血圧値への影響は±0.数mmHgであることから、ここでは一定とみなせる。つまり、精度良く水頭圧を決定するには高低差hを正確に計測する必要がある。図1に示す通り、高低差hは、導管径センサー1と2の間の距離を予め定規などで測定しておけば求めることができる。あるいは、導管径センサー1と2を任意長さの固定部材により繋いでおけば、該任意長さを高低差とすることもできる。
ところで、被測定対象部が垂直方向に揃っていれば前記決定方法で問題ないが、被測定対象部が垂直方向から傾いている場合を考えると、誤差が生まれる。その場合は、導管径センサー1又は2の角度を傾斜センサーなどで検出し、該検出角度と導管径センサー1と2の間の距離から高低差hを算出することもできる。あるいは、最新の水晶デバイスを用いた超小型気圧センサーでは高低差3cmの分解能を持っているので、後々の高精度化により、mmオーダーの分解能で高低差が測定可能な気圧センサーができれば、これを用いてhを測定しても良い。これは、被測定者が自由行動下で適時校正を行う場合、必要となる技術であると考えられる。
なお、前記方法はあくまで一例であり、ある手法により高低差hを正確に求めることができれば、水頭圧も精度よく決定できる。実際のところ、高低差hは上腕部で15cm程度と考えれば、水頭圧は11.6mmHg程度である。
血管径Dを測定する場合、図3に示す導管径センサー1,2の駆動部22,26により、数M〜数十MHzのパルス信号やバースト信号を発信部12,16から送信し、受信部14,18で血管壁からの反射波を受信し、信号演算部11,21で反射到達時間を計測し、血管径Dを算出する。仮に、反射波到達時間が1.73μs、生体内部での音速を1500m/sとすると、血管径Dは2.6mmと算出できる。例えば、超音波の送受信にはピエゾ素子を用いてもよい。さらに血管径Dの測定方法としては、超音波ビームから得られるエコー信号に基づいて血管壁などを追跡するエコートラッキング法が知られている。エコートラッキング法により、超音波の波長以下の数μm程度の精度で血管壁などの変位を計測することができる。
本実施形態では、計測媒体として超音波を用いたが、これに限ることではなく、マイクロ波をはじめとする無線、及びレーザーやコヒーレントな光などを用いてもよい。
本実施形態においては、導管径センサー1の高さHを心臓5の高さ位置としたが、仮に高さHと心臓5の高さが違う場合でも、予め心臓5からの高低差を求めておけば水頭圧分の加減算により、上記実施形態と同様に血圧を算出することができる。また、本実施形態では、被測定対象を生体と仮定し、導管を血管、流体を血液として説明したが、本実施形態はこの仮定に限定されるものではない。
なお、流体脈動圧計測装置及び流体脈動圧計測方法に係わる実施形態については、上記実施形態により代用する。
1,2…導管径センサー 3…上腕動脈(血管) 4…被測定者 5…心臓 6…上腕部 7…脈圧計測装置 11…信号演算部 21…信号演算部 31…脈圧信号演算部 32…表示部 33…スイッチ(SW) 34…操作部 40…電源部。

Claims (2)

  1. 超音波を血管に対して送信する送信部と前記血管から反射する前記超音波を受信する受信部とを有して前記血管の血管径を計測する、少なくとも2つの血管径計測部を備えた脈圧計測装置であって、
    心拍の収縮期および拡張期において、前記血管径計測部で複数心拍分、計測した前記血管径を基に、前記心拍の収縮期の前記血管径の平均値を平均収縮期血管径として算出し、前記心拍の拡張期の前記血管径の平均値を平均拡張期血管径として算出する平均血管径算出部と、
    前記平均収縮期血管径の時間的変化量および前記平均拡張期血管径の時間的変化量を算出する平均血管径変化量算出部と、
    少なくとも2の前記血管径計測部の間の距離に応じ水頭差を計測する水頭差計測部と、
    前記平均収縮期血管径と前記平均拡張期血管径との差、前記平均収縮期血管径の時間的変化量と前記平均拡張期血管径の時間的変化量との和、および前記水頭差を用いて、前記血管の血圧の最大値と最小値との差である脈圧を算出する脈圧算出部と
    を有する、
    ことを特徴とする脈圧計測装置。
  2. 超音波を血管に対して送信し前記血管から反射する前記超音波を受信して、前記血管の血管径を少なくとも2つの血管径計測部で計測する工程と、
    心拍の収縮期および拡張期において、前記血管の血管径を計測する工程で複数心拍分、計測した前記血管径を基に、前記心拍の収縮期の前記血管径の平均値を平均収縮期血管径として算出し、前記心拍の拡張期の前記血管径の平均値を平均拡張期血管径として算出する工程と、
    前記平均収縮期血管径の時間的変化量および前記平均拡張期血管径の時間的変化量を算出する工程と、
    少なくとも2の前記血管径計測部の間の距離に応じ水頭差を計測する工程と、
    前記平均収縮期血管径と前記平均拡張期血管径との差、前記平均収縮期血管径の時間的変化量と前記平均拡張期血管径の時間的変化量との和、および前記水頭差を用いて、前前記血管の血圧の最大値と最小値との差である脈圧を算出する工程と、
    を有する、
    ことを特徴とする脈圧計測方法。
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