JP5551810B1 - 無線通信装置及び無線伝送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】MIMO無線伝送方式の無線伝送路におけるSINRに基づくランクの切り換え精度を高めてスループットの劣化を抑制できる無線通信装置及び無線伝送システムを提供する。
【解決手段】複数の無線通信装置の間の無線伝送路で送受信された信号から取得された伝送路応答の推定値と、雑音電力の推定値より算出される希望信号対干渉雑音電力比(SINR)の推定値とに基づいて、無線伝送路における複数のランクの候補値ごとに、無線伝送路における送信方式及び受信方式を考慮した情報理論的容量を求める。また、複数のランクの候補値ごとに、前記情報理論的容量に対して重み係数を用いて補正する。そして、前記複数のランクの候補値ごとに求めて補正した情報理論的容量のうち情報理論的容量が最大となるランクを、無線伝送路における次回のデータ送信に使用するランクとして決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線伝送路を介して通信可能な無線通信装置及び無線伝送システムに関するものである。
従来、複数のアンテナでデータの送受信を行うMIMO(Multi Input Multi Output)無線伝送方式が知られている。このMIMO無線伝送方式は、第3世代(3G)移動体通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定されているLTE(Long Term Evolution)の通信規格で採用され、またLTE−Advancedの通信規格でも採用されている。MIMO無線伝送方式を採用した移動体通信システムでは、データ送受信を行う複数の無線通信装置のうち一方の無線通信装置である基地局装置(eNode−B)と他方の無線通信装置である移動局(UE:ユーザ装置)との間で、複数のアンテナを用いた複数の異なる送信レイヤ(送信ストリーム)によるデータの送受信を行うことにより、MIMO空間多重方式やMIMOダイバーシティ方式による無線伝送を行うことができる。MIMO空間多重方式は、同じ無線リソース(周波数及び時間)を用いて複数のアンテナから異なる信号を並列に送信する方式であり、MIMOダイバーシティ方式は、複数のアンテナから同一の信号を空間−時間(又は、空間−周波数)符号化により送信する方式である。また、LTE/LTE−Advancedでは、MIMO空間多重方式およびMIMOダイバーシティ方式共に、送信側でプリコーディングが適用されるが、受信側からのフィードバック制御を用いない開ループ型(Open-Loop MIMO)と、受信側からのフィードバック情報を用いる閉ループ型(Closed-Loop MIMO)とがある(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3参照)。
上記MIMO無線伝送方式では、受信信号の希望信号対干渉雑音電力比(SINR:Signal-to-Interference plus Noise power Ratio)などのチャネル状態に応じてランク(「送信ストリーム数」、「送信レイヤ数」又は「空間多重数」とも呼ばれる。)を適応制御するランクアダプテーション制御が一般的に適用される(例えば、非特許文献4〜5参照)。ここで、ランクが1の場合は、MIMOダイバーシティ方式に対応し、ランクが2以上の場合はMIMO空間多重方式に対応する。上記ランクアダプテーション制御を適用するために、受信側の移動局(UE)は送信側の基地局(eNode−B)に対して、移動局内で決定したランクに関する情報(RI:Rank Indicator)をフィードバックすることにより、基地局が動的なランク制御を行う(例えば非特許文献4、5参照)。
非特許文献6には、OFDM伝送と組合せたMIMO−OFDMを対象とし、受信側において信号分離合成前のSINRに基づいて最適な送信ランクを予測し、送信側へフィードバックするMIMO無線伝送方式が開示されている。この方式では、信号分離合成処理前における全ての送信アンテナからの送信信号の平均受信電力をサブキャリアおよび受信アンテナ間で平均し、干渉雑音電力との比をとることにより求めた処理前平均受信SINRと、各送信ランクのスループットの関係から各送信ランクを選択する平均受信SINR閾値を予め決定し、処理前平均受信SINRに基づいて使用する送信ランクを選択する。一方、特許文献1には、受信側において信号分離合成処理後のSINRに基づいて最適な送信ランクを予測し、送信側へフィードバックするMIMO無線伝送方式が開示されている。MIMOの各送信ストリームのサブキャリア毎のSINR(信号分離合成処理後受信SINR)を計算し、送信ストリーム間で平均した処理後平均受信SINRから、複数のランクそれぞれについて平均チャネル容量(シャノン容量)を計算し、その計算結果に基づいて、使用するランクを選択するMIMO無線伝送方式が開示されている。非特許文献6および特許文献1に開示されたMIMO無線伝送方式では、例えば、平均受信SINRが低い環境では低い送信ランクに制御され、平均受信SINRが高い環境では高い送信ランクに制御される。
しかしながら、上記非特許文献6や特許文献1などに開示されている従来のMIMO無線伝送方式では、SINRに応じてランクを切り換える場合、実現可能な誤り訂正符号の符号化利得、アンテナ間のフェージング相関の有無や変調多値数等の影響を受けてランクを精度よく切り換えることができず、無線伝送路におけるスループットが劣化するおそれがある。また、MIMO無線伝送システムにおけるスループット特性に大きな影響を与えるランク制御、変調多値数および符号化方式の組合せ(MCS)制御、ハイブリッドARQ再送制御におけるフィードバック遅延およびフィードバック情報量の制限の影響を含めて最適化が必要であるが、上記非特許文献6や特許文献1では、フィードバック情報量の制限やフィードバック遅延による影響を考慮した最適化手法については開示されていない。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、MIMO無線伝送方式の無線伝送路におけるSINRに基づくランクの切り換え精度を高めてスループットの劣化を抑制できる無線通信装置及び無線伝送システムを提供することである。
本発明に係る無線伝送システムは、複数の無線通信装置の間で複数の異なる送信ストリームによるデータの送受信が可能な無線伝送システムであって、前記複数の無線通信装置の間の無線伝送路で送受信された信号から取得された伝送路応答の推定値と雑音電力の推定値より算出される希望信号対干渉雑音電力比(SINR)の推定値とに基づいて、前記無線伝送路における複数のランクの候補値ごとに、該無線伝送路における送信方式及び受信方式を考慮した情報理論的容量を求める手段と、前記複数のランクの候補値ごとに、前記情報理論的容量に対して重み係数を用いて補正する手段と、前記複数のランクの候補値ごとに求めて補正した情報理論的容量のうち該情報理論的容量が最大となるランクを、前記無線伝送路における次回のデータ送信に使用するランクとして決定する手段と、を備える。
また、本発明に係る無電通信装置は、複数の無線通信装置の間で複数の異なる送信ストリームによるデータの送受信が可能な無線伝送システムにおけるデータ受信側の無線通信装置であって、前記複数の無線通信装置の間の無線伝送路で送受信された信号から取得された伝送路応答の推定値と雑音電力の推定値より算出される希望信号対干渉雑音電力比(SINR)の推定値とに基づいて、前記無線伝送路における複数のランクの候補値ごとに、該無線伝送路における送信方式及び受信方式を考慮した情報理論的容量を求める手段と、前記複数のランクの候補値ごとに、前記情報理論的容量に対して重み係数を用いて補正する手段と、前記複数のランクの候補値ごとに求めて補正した情報理論的容量のうち該情報理論的容量が最大となるランクを、前記無線伝送路における次回のデータ送信に使用するランクとして決定する手段と、前記決定したランクの情報をデータ送信側の無線通信装置に通知する手段と、を備える。
この無線伝送システム及び無線通信装置では、伝搬路推定精度や使用する誤り訂正符号化の影響を考慮し、無線伝送路における複数のランクの候補値ごとに、その無線伝送路における送信方式及び受信方式を考慮して求めた情報理論的容量に対して重み係数を用いて補正する。このように複数のランクの候補値ごとに求めて補正した情報理論的容量により、実際の伝搬路推定精度、誤り訂正符号化利得、アンテナ間のフェージング相関の有無などが考慮された複数のランクの候補値それぞれに対する容量を精度よく判断することができる。従って、実際の無線伝送路におけるSINRに応じてスループットの劣化を抑制するように、次回のデータ送信に使用するランクを精度よく決定することができる。よって、MIMO無線伝送方式の無線伝送路におけるSINRに基づくランクの切り換え精度を高めてスループットの劣化を抑制できる。
前記無線伝送システム及び無線通信装置において、前記情報理論的容量を補正する手段は、前記情報理論的容量に対する重み係数を用いた補正に加えて、該情報理論的容量に上限値を設けるクリッピングを行ってもよい。
この無線伝送システム及び無線通信装置では、情報理論的容量に上限値を設けることにより、マルチパス遅延の拡がりなどの無線伝送路の環境変化による無線伝送性能の変動の影響を考慮して、各ランクの候補値に対する容量を精度よく算出することができる。従って、マルチパス遅延の拡がりなどの無線伝送路の環境変化に対し、ロバストなランクの切り換えが可能になる。
また、前記無線伝送システム及び無線通信装置において、前記重み係数は、前記送信ストリームにおける伝送損失に対応する損失係数であり、前記クリッピングにおける上限値は、前記送信ストリームにおいて使用される変調方式及び符号化方式に応じて設定してもよい。
この無線伝送システム及び無線通信装置では、送信ストリームにおける伝送損失や変調方式及び符号化方式を考慮して、各ランクの候補値に対する容量を精度よく算出することができる。従って、MIMO無線伝送方式の無線伝送路におけるSINRに基づくランクの切り換え精度をより高めることができる。
また、前記無線伝送システム及び無線通信装置において、前記情報理論的容量として、シャノン容量又は信号点拘束容量を用いてもよい。
この無線伝送システム及び無線通信装置では、計算が容易なシャノン容量を用いることにより、容量算出処理の簡略化を図ることができる。また、情報理論的容量として信号点拘束容量を用いることにより、実際の変調方式における信号点配置による制限を考慮した容量を算出できるので、前記SINRに基づくランクの切り換え精度を更に高めることができる。
また、前記無線伝送システム及び無線通信装置において、前記無線伝送路における信号の送受信は、複数のサブキャリアを介して行われ、前記情報理論的容量を求める手段は、前記複数のランクの候補値ごとに、前記複数のサブキャリアそれぞれについて前記無線伝送路における送信方式及び受信方式を考慮した情報理論的容量を求め、前記情報理論的容量を補正する手段は、前記複数のランクの候補値ごとに、前記複数のサブキャリアそれぞれについて求めた情報理論的容量を補正し、前記ランクを決定する手段は、前記複数のランクの候補値ごとに、前記複数のサブキャリアそれぞれについて求めて補正した情報理論的容量を、該複数のサブキャリアのすべて又は一部について加算又は平均化し、前記複数のランクの候補値ごとに求めた前記情報理論的容量の加算値又は平均値が最大となるランクを、前記無線伝送路における次回のデータ送信に使用するランクとして決定してもよい。
この無線伝送システム及び無線通信装置では、複数のサブキャリアを介したMIMO無線伝送方式の無線伝送路におけるSINRに基づくランクの切り換え精度を高めてスループットの劣化を抑制できる。
なお、本明細書において、「情報理論的容量」とは、情報理論に基づいて無線伝送路をモデル化して求めた通信路容量である。また、「シャノン容量」とは、通信路容量を最大化できる送信信号源としてガウス分布する送信信号を仮定した場合の通信路容量である。また、「信号点拘束容量」とは、ガウス分布の送信信号の条件ではなく、非特許文献7に説明されているように四位相偏移変調(QPSK)、16QAM、64QAM等の変調における信号空間ダイヤグラム上の信号点を拘束した送信信号の条件の下で求めた容量、すなわちConstellation Constrained Capacity またはConstellation Constraint Capacity(CCC)である。なお、「信号点拘束容量」では、16QAMや64QAM等の多値変調方式の場合、誤り訂正符号化後の0または1の2値データの複数ビットをまとめて1つの変調シンボルへグレイ符号化等の手段を用いてIQマッピングする際に発生する容量の喪失が考慮されてもよい(非特許文献7参照)。
本発明によれば、MIMO無線伝送方式の無線伝送路におけるSINRに基づくランクの切り換え精度を高めてスループットの劣化を抑制できる、という効果を奏する。
本発明を適用可能な一実施形態に係る閉ループ型のMIMO無線伝送システムの下りリンクにおける無線基地局及びユーザ装置の概略構成の一例を示す機能ブロック図。 本発明を適用可能な他の実施形態に係る開ループ型のMIMO無線伝送システムの下りリンクにおける無線基地局及びユーザ装置の概略構成の一例を示す機能ブロック図。 本発明を適用可能な更に他の実施形態に係る閉ループ型のMIMO無線伝送システムの上りリンクにおける無線基地局及びユーザ装置の概略構成の一例を示す機能ブロック図。 送信側のアンテナ間フェージング空間相関がない場合の開ループ型のMIMO無線伝送システムの下りリンクにおける計算機シミュレーションの結果を示すグラフ。 送信側のアンテナ間フェージング空間相関がある場合の開ループ型のMIMO無線伝送システムの下りリンクにおける計算機シミュレーションの結果を示すグラフ。 ランク(空間多重数)が2以上の場合のMIMO無線伝送路のシステムモデルの一例を示す模式図。 図6のMIMO無線伝送路のシステムモデルを近似等価パラレルSISOチャネル伝送モデルで示した模式図。 ランク(空間多重数)が1の場合のMIMO無線伝送路のシステムモデルの一例を示す模式図。 図8のMIMO無線伝送路のシステムモデルを近似等価パラレルSISOチャネル伝送モデルで示した模式図。 ランクが1及び2それぞれの場合についてシャノン容量から算出したスループットと実際の無線伝送システムで測定したスループットとを比較したグラフ。 ランクが1及び2それぞれの場合について信号点拘束容量(CCC)から算出したスループットと実際の無線伝送システムで測定したスループットとを比較したグラフ。 ランクが1であるSFBC送信ダイバーシティ(受信方式:MRC)の場合の重み係数α1,1及び上限値βのパラメータチューニングの一例を示すグラフ。 ランクが2であるCDDプリコーディングを併用したSDM(受信方式:MMSE)の場合の重み係数αL,l及び上限値βのパラメータチューニングの一例を示すグラフ。 最大ドップラー周波数シフトfdが5[Hz]の場合のランクアダプテーションにおける情報理論的容量C,Cの補正に用いた補正パラメータ(重み係数αL,l1,1)の効果を示すグラフ。 最大ドップラー周波数シフトfdが70[Hz]の場合のランクアダプテーションにおける情報理論的容量C,Cの補正に用いた補正パラメータ(重み係数αL,l1,1)の効果を示すグラフ。 遅延スプレッドが大きい場合に情報理論的容量C,Cの補正に上限値を設けたクリッピングを行わないランクアダプテーションを適用したときのスループットの一例を示すグラフ。 遅延スプレッドが大きい場合に情報理論的容量C,Cの補正に上限値を設けたクリッピングを行うランクアダプテーションを適用したときのスループットの一例を示すグラフ。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
まず、本発明を適用可能な無線通信装置を有するMIMO無線伝送システムの全体構成について説明する。
図1は、本発明を適用可能な一実施形態に係る閉ループ型のMIMO無線伝送システムの下りリンクにおける無線基地局及びユーザ装置の概略構成の一例を示す機能ブロック図である。図1に示すMIMO無線伝送システムは、ユーザ装置10からフィードバックされる最適な送信アンテナウェイト行列の候補データテーブル(コードブック)のインデックスを示す制御情報(PMI:Precoding Matrix Indicator)に基づき、送信レイヤ(ストリーム)ごとに異なる送信アンテナウェイトを送信信号に乗算する、閉ループ型のMIMO無線伝送システムである。
なお、本実施形態の閉ループ型のMIMO無線伝送システム(Closed-Loop MIMO)では、LTEの通信規格に準拠した2−送信レイヤ(ランク数が2)の構成の場合について例示するが、本発明は、この構成に限定されるものではない。
図1において、ユーザ装置10は、ユーザが各種通信サービスを利用する際に使用可能な無線通信装置であり、「通信端末」や「端末」と呼ばれたり、移動可能なものであるため「移動局」と呼ばれる場合もあり、また、「無線機」と呼ばれる場合もある。ユーザ装置10は、携帯電話機等の移動通信端末であってもよい。図1に示すように、ユーザ装置10は、複数のアンテナ100と、下りリンクチャネル推定部101と、下りリンク制御信号復調部102と、データ信号分離合成部103と、直列並列変換部(S/P)104と、制御情報(RI/PMI/CQI)生成部105と、上りリンク送信部106とを備えている。
なお、図1の例では、ユーザ装置10が複数のアンテナ100を備えた場合を示しているが、ユーザ装置10が有するアンテナ100の数は特定の数に限定されるものではない。例えば、ユーザ装置10は、1本のアンテナ100を備えるものでもよいし、2本又は4本等の複数本のアンテナ100を備えるものであってもよい。また、ユーザ装置10は、複数のアンテナ100を備える場合、実際のMIMO通信時に使用されるアンテナの本数を切り換えることができるものであってもよい。
また、ユーザ装置10の下りリンクチャネル推定部101において、基地局装置20の各アンテナ200〜ユーザ装置10の各アンテナ間の無線伝搬路応答をそれぞれ推定し、MIMOチャネル応答を取得するため、無線基地局20のマルチプレクサ208において、既定のパイロット信号である参照信号RSが多重されるが、本図では図示していない。ここで、3GPP LTE Release−8/9規格の下りリンクにおいて、データ復調用に通常用いる参照信号RSは、複数送信アンテナ間で互いに周波数軸・時間軸上で直交する信号であり、セルに固有の信号であることから、セル固有参照信号(CSRS:Cell-Specific Reference Signal)とも呼ばれる。3GPP LTE−Advanced Release−10/11規格の下りリンクにおいて、データ復調用通常用いる参照信号RSは、複数送信レイヤ間で互いに符号軸上で直交する信号が用いられ、移動局毎(UE)に固有の信号であるため、UE固有参照信号(UE-Specific Reference Signal)とも呼ばれる。
下りリンクチャネル推定部101は、まず、各アンテナ100からの受信信号を参照信号RS部分、データ信号部分、下り制御信号部分の受信信号にそれぞれ分割する。次に参照信号RS部分の受信信号と既定の参照信号RSの送信系列に基づきMIMOチャネル応答を推定する。そして、そのMIMOチャネル応答の推定結果であるチャネル推定値をデータ信号部分および下り制御信号部分の受信信号ともに、データ信号分離部103および下り制御信号復調部にそれぞれ出力する。さらに、上記チャネル推定値を制御情報(RI/PMI/CQI)生成部105に出力する。
下りリンク制御信号復調部102は、下りリンクチャネル推定部101から受けた受信信号から制御信号を復調し、ユーザデータを復調および復号するために必要な送信方式の情報であるMCS(Modulation and Coding Scheme)、ランク(Rank)及びT−PMI(Transmit-Precoding Matrix Indicator)を制御情報として取得し、データ信号分離合成部103に出力する。
データ信号分離合成部103は、下りリンク制御信号復調部102から受けた制御情報に基づいて、下りリンクチャネル推定部101から受信したユーザデータの受信信号を分離及び/又は合成し、所定数のコードワードからなるデータとして直列並列変換部(S/P)104に出力する。
直列並列変換部(S/P)104は、下りリンクのランク数に応じて、データ信号分離合成部103から受けた所定数のコードワードからなるデータを、ユーザが利用可能な受信データ(ユーザデータ)に変換する。
制御情報(RI/PMI/CQI)生成部105は、下りリンクチャネル推定部101から受けたチャネル推定値に基づいて、データレートを最大化するランクを決定し、このランクをランク情報(RI:Rank Indicator)として生成して出力する。また、制御情報(RI/PMI/CQI)生成部105は、上記チャネル推定値に基づいて、下りリンクのデータ送信に適したプリコーディングマトリクスを決定し、このプリコーディングマトリクスを示すPMI(Precoding Matrix Indicator)を候補データテーブル(コードブック)の中から選択して出力する。さらに、制御情報(RI/PMI/CQI)生成部105は、上記チャネル推定値に基づいて、チャネル品質情報としてのCQI(Channel Quality Indicator)を測定して出力する。この制御情報(RI/PMI/CQI)生成部105から出力されたランク情報RI、PMI及びCQIはそれぞれ、制御情報として上りリンク送信部106に出力され、上りリンクの制御チャネル(PUCCHまたはPUSCH)を介して、アンテナ100から無線基地局20に送信される。
特に、上記下りリンクチャネル推定部101及び制御情報(RI/PMI/CQI)生成部105は、次の(1)〜(3)の各手段としても機能する。
(1)ユーザ装置10と無線基地局20との間の無線伝送路で送受信された信号から取得された伝送路応答の推定値と、雑音電力の推定値により算出される希望受信信号対干渉雑音電力比(SINR)の推定値とに基づいて、前記無線伝送路における複数のランクの候補値ごとに、当該無線伝送路における送信方式及び受信方式を考慮した情報理論的容量を求める手段。
(2)前記複数のランクの候補値ごとに、前記情報理論的容量に対して重み係数を用いて補正する手段。
(3)前記複数のランクの候補値ごとに求めて補正した情報理論的容量のうち該情報理論的容量が最大となるランクを、前記無線伝送路における次回のデータ送信に使用するランクとして決定する手段。
また、上りリンク送信部106は、制御情報(RI/PMI/CQI)生成部105で決定したランク情報RIを無線基地局20に通知する手段、すなわち制御情報(RI/PMI/CQI)生成部105で生成したランク情報RIを無線基地局20に送信するランク情報送信手段としても機能する。
図1の構成のユーザ装置10は、下りリンクの既知のパイロット信号である参照信号RSの受信結果に基づいてMIMOチャネル応答を推定してチャネル推定値を求め、そのチャネル推定値から最適なランク情報RIを決定し、そのランク情報RIの値を最適なPMI/CQIとともに無線基地局20にフィードバックする。
なお、3GPP LTE(Long Term Evolution)の仕様にあるように、ランク情報RIの送信タイミングと、他の制御情報であるPMIやCQIの送信タイミングとが重なった場合、ランク情報RIの送信が優先される。
また、図1において、無線基地局20は、通信ネットワーク側とユーザ端末装置10との無線通信を中継する無線通信装置であり、「基地局装置」と呼ばれたり、単に「基地局」と呼ばれたりする場合もある。また、無線基地局20は、3GPP、LTEの仕様では「eNodeB(evolved Node B)」と呼ばれたりする場合がある。
図1に示すように、無線基地局20は、複数のアンテナ200と、上りリンク受信部201と、下りリンクスケジューラ202と、プリコーディングウェイト生成部203と、下りリンク制御信号生成部204と、直列並列変換・変調部205と、乗算器206と、加算処理部(Σ)207と、マルチプレクサ208とを備えている。
なお、図1の例では、無線基地局20が複数のアンテナ200を備えた場合を示しているが、無線基地局20が有するアンテナ200の数は特定の数に限定されるものではない。例えば、無線基地局20は、1本のアンテナ200を備えるものでもよいし、2本又は4本等の複数本のアンテナ200を備えるものであってもよい。また、無線基地局20は、複数のアンテナ200を備える場合、実際のMIMO通信時に使用されるアンテナの本数を切り換えることができるものであってもよい。
上りリンク受信部201は、上りリンクの制御チャネル(PUCCH)を介して、ユーザ装置10から制御情報(RI、CQI、PMI)を受信し、下りリンクスケジューラ202に送る。
下りリンクスケジューラ202は、上りリンク受信部201から受信した制御情報(RI、CQI、PMI)に基づいて、ユーザ装置10との間の下りリンクで用いる各種制御パラメータを決定する。例えば、下りリンクスケジューラ202は、空間多重の送信レイヤ数を示すランク数(Rank)と、送信プリコーディング行列を指定するT−PMIと、変調及び符号化の方式を指定するMCSとを決定する。そして、下りリンクスケジューラ202は、上記決定したMCS及びRankの信号を直列並列変換・変調部205に送り、上記Rank及びT−PMIの信号をプリコーディングウェイト生成部203に送り、上記MCS、Rank及びT−PMIの信号を下りリンク制御信号生成部204に送る。
プリコーディングウェイト生成部203は、下りリンクスケジューラ202から受けたRank及びT−PMIの信号に基づいて、ユーザ装置10に割り当てたリソースブロックでの上りリンクの受信品質から、複数のアンテナ200ごとに送信信号の位相及び/又は振幅を制御するためのプリコーディングウェイトを生成し、乗算器206に送る。
下りリンク制御信号生成部204は、下りリンクスケジューラ202から受けたMCS、Rank及びT−PMIの信号に基づいて、下りリンクで用いる参照信号RSと、制御信号とを生成し、マルチプレクサ208に送る。
直列並列変換・変調部205は、下りリンクスケジューラ202から受けたランク数(Rank)に基づいて、送信対象のユーザデータを送信レイヤ数分に分配する。また、乗算器206は、3本のアンテナ200に対応する3系統の乗算器206a、206b、206cで構成されている。ユーザデータが入力されると、直列並列変換・変調部205で下りリンクスケジューラ202から受けたデータを、乗算器206a、206b、206cによって送信データにプリコーディングウェイトが乗算され、位相・振幅がそれぞれ制御(シフト)されることにより、複数のアンテナ200ごとに送信信号が生成される。そして、複数の送信レイヤ(図1の例では2レイヤ)に分配されて生成された送信信号は、その送信レイヤごとに加算器(Σ)207で加算された後、マルチプレクサ208で参照信号RS及び制御信号が更に多重され、3本のアンテナ200それぞれから送信される。
上記図1の構成のMIMO無線伝送システムでは、上記ランク数Rankは、上述したようにユーザ装置10からフィードバックされたランク情報RIに基づいて、無線基地局20側が決定する。例えば、ランク情報RI=1のときにランク数Rank=1、ランク情報RI=2のときにランク数Rank=2のように通常選択される。そして、ランク数Rank=1のとき単一送信ビームフォーミング、ランク数Rank≧2のときマルチビーム送信空間多重となる。
なお、3GPPの仕様にあるように、ランク数Rankの最終決定権は無線基地局20側が持っているので、無線基地局20側でランク数Rankを決定する際に、ユーザ装置10のランク情報RIの値に必ずしも従わなくてもよい。
図2は、本発明を適用可能な他の実施形態に係る開ループ型のMIMO無線伝送システム(Open-Loop MIMO)の下りリンクにおける無線基地局及びユーザ装置の概略構成の一例を示す機能ブロック図である。
図2のMIMO無線伝送システムは、ランク情報RIとCQIとをユーザ装置10から無線基地局20にフィードバックするがPMIをフィードバックしない開ループ型のMIMO無線伝送システムである。なお、上記図1と同様の構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図2において、ユーザ装置10の制御情報(RI/CQI)生成部115は、下りリンクチャネル推定部101から受けたチャネル推定値に基づいて、データレートを最大化するランクを決定し、このランクをランク情報RIとして生成して出力する。また、制御情報(RI/CQI)生成部115は、下りリンクチャネル推定部101から受けたチャネル推定値に基づいて、チャネル品質情報としてのCQIを測定して出力する。この制御情報(RI/CQI)生成部115から出力されたランク情報RI及びCQIは、制御情報として上りリンク送信部106に出力され、アンテナ100を介して無線基地局20に送信される。なお、上記図1の構成と異なり、PMIの決定及び送信は行われない。
このように、図2の構成のユーザ装置10は、下りリンクの既知のパイロット信号である参照信号RSの受信結果に基づいてMIMOチャネル応答を推定してチャネル推定値を求め、そのチャネル推定値からランク情報RIを決定し、そのランク情報RIの値を最適なCQIとともに、上りリンクの制御チャネル(PUCCHまたはPUSCH)を介して無線基地局20に送信してフィードバックする。
なお、3GPPの仕様にあるように、ランク情報RIの送信タイミングと、他の制御情報であるCQIの送信タイミングとが重なった場合、ランク情報RIの送信が優先される。
また、図2において、無線基地局20の下りリンクスケジューラ202は、上りリンク受信部201から受信した制御情報(RI、CQI)に基づいて、ユーザ装置10との間の下りリンクで用いる各種制御パラメータを決定する。例えば、下りリンクスケジューラ202は、空間多重の送信レイヤ数を示すランク数(Rank)と、変調及び符号化の方式を指定するMCSとを決定する。そして、下りリンクスケジューラ202は、上記決定したMCS及びRankの信号を直列並列変換・変調部205に送り、上記Rankの信号をプリコーディングウェイト生成部203に送り、上記MCS及びRankの信号を下りリンク制御信号生成部204に送信する。
なお、図2の構成の無線基地局20では、ユーザ装置10からのPMIの受信と、そのPMIの受信結果に基づくT−PMIの生成とは行われない。プリコーディングウェイト生成部203及び下りリンク制御信号生成部204では、ユーザ装置10からのPMIを用いないで予め仕様でランク数毎に既定されたプリコーディング方式が用いられる。
上記図2の構成のMIMO無線伝送システムでは、上記ランク数Rankは、上述したようにユーザ装置10からフィードバックされたランク情報RIに基づいて、無線基地局20側が決定する。例えば、情報RI=1のときにランク数Rank=1、ランク情報RI=2のときにランク数Rank=2のように通常選択される。そして、ランク数Rank=1のときSFBC(空間周波数ブロック符号化)を用いた送信ダイバーシティ、ランク数Rank≧2のときCDD(循環遅延ダイバーシティ)を併用した空間多重となる。
なお、図2の構成のMIMO無線伝送システムにおいても、3GPPの仕様にあるように、ランク数Rankの最終決定権は無線基地局20側が持っているので、無線基地局20側でランク数Rankを決定する際に、ユーザ装置10のランク情報RIの値に従わなくてもよい。
上記図1及び図2のMIMO無線伝送システムでは、無線基地局20からユーザ装置10への下りリンクについて、最適な送信レイヤ数の決定について説明したが、本発明はユーザ装置10から無線基地局20へデータを送信する上りリンクの場合についても適用することができる。
図3は、本発明を適用可能な更に他の実施形態に係る閉ループ型のMIMO無線伝送システムの上りリンクにおける無線基地局及びユーザ装置の概略構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態の閉ループ型のMIMO無線伝送システムでは、LTE−Advancedの通信規格に準拠した2−送信レイヤ(ランク数が2)の構成の場合について例示するが、本発明は、この構成に限定されるものではない。また、上記図1と同様の構成については詳細な説明を省略する。
図3に示すように、ユーザ装置30は、複数のアンテナ300と、下りリンク受信部301と、プリコーディングウェイト生成部302と、直列並列変換・変調部303と、乗算器304と、加算器(Σ)305と、マルチプレクサ306と、上りリンク参照信号生成部307と、を備えている。
なお、図3の例では、ユーザ装置30が複数のアンテナ300を備えた場合を示しているが、ユーザ装置30が有するアンテナ300の数は特定の数に限定されるものではない。例えば、ユーザ装置30は、1本のアンテナ300を備えるものでもよいし、2本又は4本等の複数本のアンテナ300を備えるものであってもよい。また、ユーザ装置30は、複数のアンテナ300を備える場合、実際のMIMO通信時に使用されるアンテナの本数を切り換えることができるものであってもよい。
ユーザ装置30では、上りリンク参照信号生成部307で生成された参照信号RSが、マルチプレクサ306で他の制御信号が多重されて、複数のアンテナ300から送信される。
また、ユーザ装置30は、無線基地局40から受信した下りリンクの制御チャネルに含まれる制御情報(RI、MCS、PMI)を下りリンク受信部301で分離し、PMIをプリコーディングウェイト生成部302に出力し、RI及びMCSを直列並列変換・変調部303に出力する。これにより、ユーザ装置30は、受信した下りリンク制御チャネルに含まれるRI、MCS、PMIに従い、上りリンクデータチャネルでユーザデータの送信を行う。
また、図3に示すように、無線基地局40は、複数(本例では3本)のアンテナ400と、上りリンクチャネル推定部401と、データ信号分離合成部402と、直列並列変換部(S/P)403と、上りリンクスケジューラ404と、下りリンク送信部405とを備えている。
無線基地局40では、複数のアンテナ400で受信された信号が、上りリンクチャネル推定部401に送られる。上りリンクチャネル推定部401は、各アンテナ400からの信号の歪み補正を行い、その歪み補正後の受信信号をデータ信号分離合成部402に出力する。また、上りリンクチャネル推定部401は、ユーザ装置30から受信した既定のパイロット信号としての参照信号RSに基づいてMIMOチャネル応答を推定し、そのMIMOチャネル応答の推定結果であるチャネル推定値を上りリンクスケジューラ404に出力する。
上りリンクスケジューラ404は、上りリンクチャネル推定部401から受けたチャネル推定値に基づいて、ユーザ装置10との間の上りリンクで用いる各種制御パラメータを決定する。例えば、上りリンクスケジューラ404は、上りリンクにおけるデータレートを最大化する空間多重の送信レイヤ数を示すランク情報RIを生成して出力する。また、上りリンクスケジューラ404は、上りリンクのデータ送受信に適したプリコーディングマトリクスを決定し、このプリコーディングマトリクスを示すPMIをコードブックの中から選択して出力する。また、上りリンクスケジューラ404は、変調及び符号化の方式を指定するMCSを決定して出力する。そして、上りリンクスケジューラ404は、上記ランク情報RIを直列並列変換部(S/P)403に送り、上記RI情報、MCS及びPMIをデータ信号分離合成部402と下りリンク送信部405に送信する。下りリンク送信部405は、上りリンクスケジューラ404から受けたランク情報RIを、下りリンクの制御チャネル(PDCCH)を介して、ユーザ装置30に送信してフィードバックする。
なお、LTE−Advancedでは、下りリンク、上りリンクともにユーザ装置30の送信方法の決定権は無線基地局40側にあるので、無線基地局40の上りリンクスケジューラ404が算出したランク情報RIがそのまま、上りリンクのランク数Rankとなる。
上記図3の上りリンクの構成において、上りリンクチャネル推定部401及び上りリンクスケジューラ404は、次の(1)〜(3)の各手段としても機能する。
(1)ユーザ装置30と無線基地局40との間の無線伝送路で送受信された信号から取得された伝送路応答の推定値と、雑音電力の推定値により算出される希望受信信号対干渉雑音電力比(SINR)の推定値とに基づいて、前記無線伝送路における複数のランクの候補値ごとに、当該無線伝送路における送信方式及び受信方式を考慮した情報理論的容量を求める手段。
(2)前記複数のランクの候補値ごとに、前記情報理論的容量に対して重み係数を用いて補正する手段。
(3)前記複数のランクの候補値ごとに求めて補正した情報理論的容量のうち該情報理論的容量が最大となるランクを、前記無線伝送路における次回のデータ送信に使用するランクとして決定する手段。
また、下りリンク送信部405は、上りリンクスケジューラ404で決定したランク情報RIをユーザ装置30に通知する手段、すなわち上りリンクスケジューラ404で生成されたランク情報RIをユーザ装置30に送信するランク情報送信手段としても機能する。
次に、上記図1〜3のMIMO無線伝送システムにおいてランクを最適化するランクアダプテーションの適用例について説明する。
図4及び図5はそれぞれ、前述の図2に示した3GPP LTE/LTE−Advancedの開ループ型のMIMO無線伝送システム(Open-Loop MIMO)の下りリンクにおける計算機シミュレーションの結果を示すグラフである。以降、本明細書において例示する計算機シミュレーションでは、全て表1に示す諸元を仮定し、無線基地局20からユーザ装置10への下りリンクにおいてMAC(Medium Access Control)層でのPDU(プロトコル・データ・ユニット)レベルのスループットをリンクレベルシミュレーションによりフィードバック制御遅延の影響を考慮して評価した。また、本計算機シミュレーションでは、より現実に近いシステムの動作を模擬するため、ランクアダプテーションの性能に大きな影響を与えると考えられるフィードバック制御関連のパラメータ、具体的にはCQIのフィードバック遅延およびフィードバック間隔、ハイブリッドARQ再送におけるACK/NACK情報のフィードバック遅延および再送間隔、ランクアダプテーション適用時RIのフィードバック遅延およびフィードバック間隔等のパラメータに関して、実際のLTE/LTE−Advancedシステムで実現または設定可能なパラメータを用いた。さらに、ランクアダプテーションを適用した場合の計算機シミュレーションについては、実際のLTE/LTE−Advanced仕様と同様、RIの報告タイミングがCQIの報告タイミングと重なる場合、このタイミングについては、RIの送信を優先し、CQIの送信をドロップするものとし、現実のフィードバック遅延やフィードバック情報量制限の影響を含まれた形で評価している。図4及び図5は送信側のフェージング空間相関が互いに異なる。具体的には、図4が送信側のアンテナ間フェージング空間相関がない場合(フェージング空間相関係数ρt=0の場合)の結果であり、図5が送信側のアンテナ間フェージング空間相関がある場合(フェージング空間相関係数ρt=0.7の場合)の結果である。なお、図4及び図5それぞれにおいて、受信側のアンテナ間フェージング空間相関は発生していないと仮定した。図中の横軸は受信アンテナあたりの平均SINR(以下「受信レベル」又は「受信SINR」という。)[dB]であり、図中の縦軸は平均スループット[Mbps]である。
図4及び図5の例では、送信方式として、SFBC(空間周波数ブロック符号化)プリコーディングを用いた「送信ダイバーシティ」方式、及びCDD(循環遅延ダイバーシティ)プリコーディングを併用した「空間分割多重」(SDM)方式のどちらか一方を選択する。これらの送信方式の切替制御を最適化するランクアダプテーションを実行することにより、スループットの最大化を実現することができる。
例えば、図4の送信側のアンテナ間フェージング空間相関がない場合(フェージング空間相関係数ρt=0の場合)、ランクを切り替える受信レベルの閾値は図中の矢印Aで示す22[dB]である。この場合、受信レベルが閾値22[dB]以下のときに「送信ダイバーシティ」方式を選択し、受信レベルが閾値22[dB]よりも大きいときに「空間分割多重」(SDM)方式を選択するように制御する。
一方、図5の送信側のアンテナ間フェージング空間相関がある場合(フェージング空間相関係数ρt=0.7の場合)、ランクを切り替える受信レベルの閾値は図中の矢印Aで示す26[dB]である。この場合、受信レベルが閾値26[dB]以下のときに「送信ダイバーシティ」方式を選択し、受信レベルが閾値26[dB]よりも大きいときに「空間分割多重」(SDM)方式を選択するように制御する。
このように送信方式の切替制御を最適化することによりスループットの最大化を実現することができるが、最適なランク数(空間多重数)は受信レベルだけでなく無線伝搬路のアンテナ間フェージング空間相関に依存し、アンテナ間フェージング空間相関の有無によって最適なランク数(空間多重数)が異なる。例えば、図4及び図5中の受信レベルが22〜26[dB]の範囲では、アンテナ間フェージング空間相関がない場合(ρt=0)にはランク数が2の「空間分割多重」(SDM)方式が好適であり、アンテナ間フェージング空間相関がある場合(ρt=0.7)にはランク数が1の「送信ダイバーシティ」方式が好適である。
しかしながら、上記ランクアダプテーションの実際の無線伝送システムへの適用を考慮すると、次の(A)〜(C)に示す理由により、フェージング空間相関係数ρtの値毎に異なる受信レベル(SINR)閾値のテーブルを持つことは非現実的である。
(A)実際の無線伝搬路では、フェージング空間相関は送信側だけでなく受信側にも発生する。
(B)実際のフェージング相関係数ρtは実数とは限らず、一般的に複素数となる。
(C)送受信アンテナ数が増えるほど、これらの送信側及び受信側のフェージング空間相関の組合せの数は膨大となる。
そこで、本実施形態では、上記ランクアダプテーションの実際の無線伝送システムへの適用を考慮し、受信側の無線通信装置(ユーザ装置又は無線基地局)でのフェージング空間相関の情報を用いることなく、複数のランク(空間多重数)の候補値ごとにスループット(または周波数利用効率)を予測し、その予測スループット(または予測周波数利用効率)が最大となることが見込まれるランク(空間多重数)を、送信側の無線通信装置(無線基地局又はユーザ装置)に通知している。
例えば、本実施形態では、まず、上記ランク(空間多重数)毎に予測するスループット(または周波数利用効率)を示す指標値として、無線伝送路における送信方式及び受信方式を考慮した情報理論的容量を求める。ここで、「情報理論的容量」は、情報理論に基づいて無線伝送路をモデル化して求めた通信路容量である。この情報理論的容量としては、通信路容量を最大化できる送信信号源としてガウス分布する送信信号を仮定した場合の通信路容量である「シャノン容量」を用いてもよいし、いわゆる「信号点拘束容量」を用いてもよい。ここで「信号点拘束容量」とは、ガウス分布の送信信号の条件ではなく、非特許文献7に説明されているように四位相偏移変調(QPSK)、16QAM、64QAM等の変調における信号空間ダイヤグラム上の信号点を拘束した送信信号の条件の下で求めた容量、すなわちConstellation Constrained Capacity またはConstellation Constraint Capacity(CCC)である。なお、「信号点拘束容量」では、16QAMや64QAM等の多値変調方式の場合、誤り訂正符号化後の0または1の2値データの複数ビットをまとめて1つの変調シンボルへグレイ符号化等を用いてマッピングする際に発生する容量喪失が考慮されてもよい(非特許文献7参照)。また、上記「信号点拘束容量」としては、受信符号化ビット情報レート(RBIR:Received Bit mutual Information Rate)すなわち変調シンボルあたりの相互情報量に基づく周波数利用効率を用いてもよいし、符号化ビットあたりの平均相互情報量(MMIB:Mean Mutual Information per Coded Bit)に基づく周波数利用効率を用いてもよい。なお、スループットは「周波数利用効率」と「伝送帯域幅」との積から参照信号、制御信号、サイクリックプレフィックス等によるオーバーヘッド分を差し引くことにより求めることができるため、一般的に周波数利用効率はスループットと相対的に等価な指標である。したがって、予測スループットの大小関係をランク間で比較する場合、周波数利用効率の大小関係をランク間で比較することと等価である。
上記ランク(空間多重数)が1及び2以上それぞれの場合における上記情報理論的容量としてのシャノン容量は、例えば次のように求めることができる。
図6は、ランク(空間多重数)が2以上の場合のMIMO無線伝送路のシステムモデルの一例を示す模式図である。このモデルの送信方式は空間分割多重(SDM)方式であり、受信方式は線形MMSE方式である。
なお、以下の説明では、ユーザ装置と無線基地局との間のデータ通信は複数のサブキャリアを使って行われる。Kは送信サブキャリア数又は送信間隔単位の変調シンボル数、kはサブキャリア番号又は変調シンボル番号である。また、Ntは送信アンテナ数、Nrは受信アンテナ数である。また、Psはアンテナあたりの送信電力、Lは送信サブストリーム数(空間多重数)、σは雑音分散係数である。
図6のMIMO無線伝送路における第k変調シンボルにおける周波数領域の伝送路応答すなわちMIMOチャネル行列H(k)は、次の数1の式で表される。
送信信号s(k)はプリコーダP(k)で符号化されて送信アンテナから送信され、MIMO無線伝送路H(k)を伝送した後、受信アンテナで受信される。この受信信号x(k)は、次の数2の式で表される。ここで、n(k)は受信信号に加えられる雑音信号、P(k)はプリコーディングおよび送信ストリーム数制御行列(Nt×L行列)である。
ここで、プリコーダP(k)で符号化する前後の送信信号s(k)及びs’(k)並びに雑音n(k)それぞれの期待値は、次の数3〜数5の式で表される。
そして、受信側の空間フィルタ及びポストコーダW(k)で処理された後の受信信号y(k)は、次の数6の式で表される。W(k)は、数7で示す空間フィルタリング重みベクトルW(k)であり、G(k)は、MIMO無線伝送路のチャネル利得である。
図7は、上記図6のMIMO無線伝送路のシステムモデルを近似等価パラレルSISOチャネル伝送モデルで示した模式図である。図中の等価雑音n’(k)の期待値は次の数8の式で表される。
また、図7の近似等価パラレルSISO無線伝送路のチャネル利得G(k)は次の数9及び数10の式で近似でき、空間フィルタリング重みベクトルW(k)は次の数11の式で近似できる。

上記等価雑音n’(k)の期待値、チャネル利得G(k)及び空間フィルタリング重みベクトルW(k)に基づき、空間多重数Lにおける第k変調シンボルの第l番目のサブストリームの信号をMMSE方式で受信したときの希望信号対干渉雑音電力比(SINR)の推定値γL,l(k)は、次の数12の式で表される。
上記SINRの推定値γL,l(k)を用いて、空間多重数Lの空間分割多重(SDM)におけるシャノン容量(周波数利用効率)Cは、次の数13の式で求めることができる。
図8は、ランク(空間多重数)が1の場合のMIMO無線伝送路のシステムモデルの一例を示す模式図である。このモデルの送信方式はSFBC(空間周波数ブロック符号化)による送信ダイバーシティであり、受信方式はMRCである。なお、上記図6及び図7で示したランク(空間多重数)が2以上の空間分割多重(SDM)の例と共通する部分については説明を省略する。
図8のMIMO無線伝送路において、送信信号s(k)はプリコーダP(k)で符号化されて送信アンテナから送信され、MIMO無線伝送路H(k)を伝送した後、受信アンテナで受信される。この受信信号x(k)は、次の数14の式で表される。
また、受信側の空間フィルタ及びポストコーダW(k)で処理された後の受信信号y(k)は、次の数15の式で表される。
図9は、上記図8のMIMO無線伝送路のシステムモデルを近似等価パラレルSISOチャネル伝送モデルで示した模式図である。図中の等価雑音n’(k)の期待値は次の数16の式で表される。
上記等価雑音n’(k)の期待値に基づき、ランク(空間多重数)が1におけるマルチアンテナ送信方式としてSFBC送信ダイバーシティを適用した場合、第k変調シンボルの信号をMRC方式で受信したときの希望信号対干渉雑音電力比(SINR)の推定値γ(k)は、次の数17の近似式で表される。ここで、hnr,nt(k)は、MIMOチャネル行列H(k)の第(n,n)要素である。
上記SINRの推定値γ(k)を用いて、ランク(空間多重数)が1におけるマルチアンテナ送信方式としてSFBC送信ダイバーシティを適用した場合のシャノン容量(周波数利用効率)Cは、次の数18の近似式で求めることができる。
なお、上記図8及び図9並びに数14〜数18を用いて示したシャノン容量(周波数利用効率)Cの算出法は、マルチアンテナ送信方式がSTBC(時空間ブロック符号化)による送信ダイバーシティの場合も同様に適用できる。
図10は、ランクが1及び2それぞれの場合について、上記図6〜9及び数1〜数18を用いて説明した情報理論的容量としてのシャノン容量から算出したスループット[Mbps]と、実際の無線伝送システム(符号化変調通信システム)で測定したスループット[Mbps]とを比較したグラフである。
また、図11は、ランクが1及び2それぞれの場合について、情報理論的容量としての信号点拘束容量(CCC)から算出したスループット[Mbps]と、実際の無線伝送システム(符号化変調通信システム)で測定したスループット[Mbps]とを比較したグラフである。信号点拘束容量(CCC)は、前述のとおり、ガウス分布の送信信号の条件ではなく、非特許文献7に説明されているように四位相偏移変調(QPSK)、16QAM、64QAM等の変調における信号空間ダイヤグラム上の信号点を拘束した送信信号の条件の下で求めた容量である。
なお、図10及び図11において、上記情報理論的容量としてのシャノン容量からのスループットの算出にあたっては、制御信号などのオーバーヘッドによる損失分を考慮した。また、ランク1の場合の送信方式はSFBCによる送信ダイバーシティであり、受信方式はMRCである。また、ランク2の場合の送信方式は空間分割多重(SDM)方式であり、受信方式は線形MMSEである。
図10及び図11に示すように、ランクが1及び2それぞれの場合についてシャノン容量や信号点拘束容量等の情報理論的容量から求めたスループットは、実際の無線伝送システム(符号化変調通信システム)で測定したスループットから大きく乖離している。そのため、各ランクにおけるシャノン容量や信号点拘束容量等の情報理論的容量を単純に比較するだけでは、最適なランクを求めることができない。
そこで、本実施形態におけるランクアダプテーションでは、実際の無線伝送システム(符号化変調通信システム)における容量に近づくように、複数のランクの候補値ごとに、上記シャノン容量や信号点拘束容量等の情報理論的容量に対して重み係数を用いて補正している。なお、この重み係数を用いた補正に加えて、補正後の情報理論的容量に上限値を設けるクリッピングを行ってもよい。
例えば、前述の数13の式等で求めた空間多重数Lの空間分割多重(SDM)における情報理論的容量Cについては、次の数19の式を用いて補正することができる。また、前述の数18の式等で求めたSFBC送信ダイバーシティにおける情報理論的容量Cについては、次の数20の式を用いて補正することができる。
ことにより、

上記数19の式を用いた補正例では、複数のサブキャリア(k)及び複数のサブストリーム(l)ごとに、情報理論的容量CL,l(k)に対して重み係数αL,lを乗算している。そして、重み係数αL,lを乗算した後の情報理論的容量αL,l・CL,l(k)を、複数のサブキャリア(k)及び複数のサブストリーム(l)について平均化処理している。この平均化処理を行う際に、補正後の情報理論的容量αL,l・CL,l(k)に上限値βを設けるクリッピングを行っている。
なお、上記数19の式中のCL,l(k)は、ランク(空間多重数)Lのときの、第lサブストリーム中の第k変調シンボルにおける情報理論的容量である。また、上記数19の式中の重み係数αL,lは、空間多重数Lのときの、第lサブストリームにおける情報理論的容量に対する損失係数である。また、上限値βは、第lサブストリームにおける使用可能MCSを考慮したクリッピングパラメータである。
また、上記数20の式を用いた補正例では、複数のサブキャリア(k)ごとに、情報理論的容量C1,1(k)に対して重み係数α1,1を乗算している。そして、重み係数α1,1を乗算した後の情報理論的容量α1,1・C1,1(k)を、複数のサブキャリア(k)について平均化処理している。この平均化処理を行う際に、補正後の情報理論的容量α1,1・C1,1(k)に上限値βを設けるクリッピングを行っている。この場合の重み係数αL,l及び上限値βは、表1中で例示している適応変調符号化(AMC:Adaptive Modulation and Coding)で用いられる変調方式と誤り訂正符号化方式の組み合わせ(MCS)を考慮して設定される。
また、前述の数13の式等で求めた空間多重数Lの空間分割多重(SDM)における情報理論的容量Cについては、次の数21の式を用いて補正し、前述の数18の式等で求めたSFBC送信ダイバーシティにおける情報理論的容量Cについては、次の数22の式を用いて補正してもよい。これらの補正例では、空間分割多重(SDM)における情報理論的容量Cの補正の前に、複数のサブキャリア(k)及び複数のサブストリーム(l)に関する平均化処理と、複数のサブキャリア(k)に関する平均化処理とを行っている。また、SFBC送信ダイバーシティにおける情報理論的容量Cの補正の前に、複数のサブキャリア(k)に関する平均化処理を行っている。数21および数22で用いた補正法は、数19および数20の補正法に比べて重み係数の乗算回数を削減できるため、情報理論的容量を補正するための計算量が削減する効果がある。

上記複数のランクの候補値ごとに数19及び数20の式や数21及び数22の式を用いて補正した後、次の数23の式に示すように、補正後の情報理論的容量C,Cが最大となるランクを、MIMO無線伝送路における次回のデータ送信に使用するランクとして決定する。そして、その決定したランクの情報として、当該ランクを識別するためのランク識別子(RI:をデータ送信側の無線通信装置(無線基地局、ユーザ端末装置)にフィードバックするように通知する。
上記情報理論的容量C及びCの補正に用いる補正パラメータ(重み係数αL,l1,1及び上限値β,β)は、例えば次のようなLTEリンクレベルシミュレーションに基づくパラメータチューニングによって決定することができる。
図12は、ランクが1であるSFBC送信ダイバーシティ(受信方式:MRC)の場合の重み係数α1,1及び上限値βのパラメータチューニングの一例を示すグラフである。
図中の「●」、「■」及び「◆」は、非特許文献8で定義される3種類のマルチパス・フェージング・チャネル・モデル(EPA:Extended Pedestrian-Aモデル、EVA:Extended Vehicular-Aモデル、ETU:Extended Typical Urbanモデル)それぞれを用いたLTEリンクレベルシミュレーションによって算出されたスループット[Mbps]である。EPA、EVA、ETUのRMS(Root Mean Square)遅延スプレッドの値は、それぞれ約45[ns]、357[ns]、991[ns]であり、これらのチャネルモデルのうち遅延スプレッドはEPAが最も小さく、ETUが最も大きい。各チャネル・モデルにおける最大ドップラー周波数は5[Hz]とした。また、ランク識別子RIのフィードバック遅延時間及びフェージング空間相関はいずれもないと仮定した。他の条件は前述の表1と同様に設定した。
また、図中の破線は、上記数22の式を用いて算出した情報理論的容量としてのシャノン容量C1から求めたスループット[Mbps]である。スループットの算出には、次の数24に示す式を用いた。式中のWは有効伝送帯域幅である。ここで、有効伝送帯域幅とは、参照信号、制御信号、およびOFDMガードインターバルによるオーバーヘッドを考慮して伝送に用いられる周波数の帯域幅を補正したものである。
図12において、LTEリンクレベルシミュレーションによって算出されたスループットの算出結果(「●」、「■」及び「◆」)にフィッティングさせるように、図中の破線に対応する上記数22の式中の重み係数α1,1及びクリッピングの上限値βを調整して決定する。図12中の破線で示すフィッティングの例では、重み係数α1,1として0.655を決定し、クリッピングの上限値βとしてランクあたりの最大送信データレートに設定している。
図13は、ランクが2であるCDDプリコーディングを併用したSDM(受信方式:MMSE)の場合の重み係数αL,l及び上限値βのパラメータチューニングの一例を示すグラフである。
図中の「●」、「■」及び「◆」は、図12の場合と同様に、3種類のマルチパス・フェージング・チャネル・モデル(EPA、EVA、ETU)それぞれを用いたLTEリンクレベルシミュレーションによって算出されたスループット[Mbps]である。各チャネル・モデルにおける最大ドップラーシフトは5[Hz]とし、ランク識別子RIのフィードバック遅延時間及びフェージング空間相関はいずれもないと仮定した。他の条件は前述の表1と同様に設定した。
また、図中の破線は、上記数21の式を用いて算出した情報理論的容量としてのシャノン容量Clから求めたスループット[Mbps]である。
図13において、LTEリンクレベルシミュレーションによって算出されたスループットの算出結果(「●」、「■」及び「◆」)にフィッティングさせるように、図中の破線に対応する上記数21の式中の重み係数αL,l及びクリッピングの上限値βを調整して決定する。図13中の破線で示すフィッティングの例では、重み係数α2,1及びα2,2として0.475を決定し、クリッピングの上限値β,βとしてランクあたりの最大送信データレートを決定している。
次に、ランクアダプテーションにおける上記情報理論的容量C,Cの補正に用いた補正パラメータ(重み係数αL,l1,1及び上限値β,β)の効果について説明する。
図14及び図15はそれぞれ、ランクアダプテーションにおける上記情報理論的容量C,Cの補正に用いた補正パラメータ(重み係数αL,l1,1)の効果を示すグラフである。
図中の「●」は、上記数21及び数22の式における補正パラメータ(重み係数αL,l1,1及び上限値β,β)で補正した情報理論的容量C,Cに基づいてランクアダプテーションを実行したときの平均スループット[Mbps]を示している。
また、図中の「▲」及び「■」はそれぞれ、ランクアダプテーションを実行しないときのランク1及び2の場合の平均スループット[Mbps]である。図中の横軸は受信アンテナあたりの平均SINR[dB]である。
上記平均スループットは、マルチパス・フェージング・チャネル・モデルとしてEVAを用いたLTEリンクレベルシミュレーションによって算出した。ここで、CQIのフィードバック周期を20[ms]とし、ランク識別子RIのフィードバック周期を160[ms]とし、フェージング空間相関係数ρtの値を0.9とした。
また、図14は、最大ドップラー周波数シフトfdが5[Hz]であり、2GHz帯で歩行速度程度の移動速度を想定した場合を示している。これに対し、図15は、最大ドップラー周波数fdが70[Hz]であり、2GHz帯で一般道路での車の移動速度を想定した場合を示している。
また、図14及び図15の例では、上記ランク1の情報理論的容量Cを補正する重み係数α1,1として0.655を用い、クリッピングの上限値βを無限大(クリッピングなし)とした。また、上記ランク2の情報理論的容量Cを補正する重み係数α2,1及びα2,2として0.475を用い、クリッピングの上限値βとしてランクあたりの最大送信データレートを用いた。
また、図14及び図15の例では、上記補正パラメータ(重み係数α1,1,α2,12,2及び上限値β,β)で補正したランク1及び2の情報理論的容量C,Cに基づいて、ランク1及び2の切り換えを行う受信アンテナあたりの平均SINRの閾値として、30[dB]を設定している。この閾値に基づき、図中の「●」のランクアダプテーション実行時のデータでは、受信アンテナあたりの平均SINRが30[dB]以下の範囲ではランク1で送信し、平均SINRが30[dB]よりも大きい範囲ではランク2で送信している。
図14及び図15では、送信アンテナ間のフェージング空間相関(フェージング空間相関係数ρt)が0.9、ドップラー周波数シフトfd=70[Hz]とした場合の結果であるが、上記補正パラメータ(重み係数α1,1,α2,1,α2,2及び上限値β,β)は、図12及び図13において送信アンテナ間のフェージング空間相関を0、ドップラー周波数シフトfd=5[Hz]において最適化した値を用いている。図14及び図15の結果に示すように、最適化の前提と異なるフェージング相関及びドップラー周波数シフトの環境においてもほぼ適切なランク制御ができていることがわかる。このように、補正パラメータ(重み係数α1,1,α2,1,α2,2及び上限値β,β)を適切に選んで設定することにより、MIMO無線伝送路における送信アンテナ間のフェージング空間相関(フェージング空間相関係数ρt)、や移動速度(ドップラー周波数シフトfd)などの伝搬環境の変化に対してロバストなランクアダプテーション(ランク予測)を実現することができる。また、図14及び図15の結果は、表1に示したようにスループット特性に大きな影響を与えるランク制御、MCS制御、ハイブリッドARQ再送制御のためのフィードバック情報(RI、CQI、ACK/NACK)のフィードバック遅延および実現可能なフィードバック間隔の影響が含まれた形での評価結果であるため、上記補正パラメータ(クリッピングの上限値β,β)を適切に選んで設定することにより、フィードバック遅延やフィードバック情報量制限の影響を受けにくいランクアダプテーション(ランク予測)も同時に実現していることがわかる。
図16及び図17はそれぞれ、マルチパスモデルとしてETU(遅延スプレッド:991[ns])を用い、遅延スプレッドが比較的大きい場合のランクアダプテーションにおける上記情報理論的容量C,Cの補正に用いた補正パラメータ(クリッピングの上限値β,β)の効果を示すグラフである。図16は、情報理論的容量C,Cの補正に上限値を設けたクリッピングを行わないランクアダプテーションを適用したときのスループットの一例を示すグラフである。図17は、情報理論的容量C,Cの補正に上限値を設けたクリッピングを行うランクアダプテーションを適用したときのスループットの一例を示すグラフである。
図中の「●」は、上記数21及び数22の式における補正パラメータ(重み係数αL,l1,1及び上限値β,β)で補正した情報理論的容量C,Cに基づいてランクアダプテーションを実行したときの平均スループット[Mbps]を示している。
また、図中の「▲」及び「■」はそれぞれ、ランクアダプテーションを実行しないときのランク1及び2の場合の平均スループット[Mbps]である。図中の横軸は受信アンテナあたりの平均SINR[dB]である。
上記平均スループットは、マルチパス・フェージング・チャネル・モデルとしてETU(拡張標準都市モデル)を用いたLTEリンクレベルシミュレーションによって算出した。フェージング空間相関係数ρtの値を0.9とした。
また、図16及び図17はいずれも、最大ドップラー周波数シフトfdが70[Hz]であり、2GHz帯で車速程度の移動速度を想定した場合を示している。
また、図16及び図17では、上記ランク1の情報理論的容量Cを補正する重み係数α1,1として0.655を用い、上記ランク2の情報理論的容量Cを補正する重み係数α2,1及びα2,2として0.475を用いた。
また、図16では、上記ランク1の情報理論的容量Cを補正するクリッピングの上限値βを無限大(クリッピングなし)とし、上記ランク2の情報理論的容量Cを補正するクリッピングの上限値βも無限大(クリッピングなし)とした。これに対し、図17では、上記ランク1の情報理論的容量Cを補正するクリッピングの上限値βを6.20とし、上記ランク2の情報理論的容量Cを補正するクリッピングの上限値βを5.55とした。
また、図16及び図17の例では、上記補正パラメータ(重み係数α1,1,α2,12,2及び上限値β,β)で補正したランク1及び2の情報理論的容量C,Cに基づいて、ランク1及び2の切り換えを行う受信アンテナあたりの平均SINRの閾値として、30[dB]を設定している。この閾値に基づき、図中の「●」のランクアダプテーション実行時のデータでは、受信アンテナあたりの平均SINRが30[dB]以下の範囲ではランク1で送信し、平均SINRが30[dB]よりも大きい範囲ではランク2で送信している。
図16に対する図17の結果が示すように、上記補正パラメータ(クリッピングの上限値β,β)を適切に選んで設定することにより、低ランク送信における容量を大きく見積もり過ぎることがなくなり、MIMO無線伝送路における遅延スプレッドの変化に対してロバストなランクアダプテーション(ランク予測)を実現することができる。また、図17の結果は、表1に示したようにスループット特性に大きな影響を与えるランク制御、MCS制御、ハイブリッドARQ再送制御におけるフィードバック情報(RI、CQI、ACK/NACK)のフィードバック遅延および実現可能なフィードバック間隔の影響が含まれた形での評価結果であるため、上記補正パラメータ(クリッピングの上限値β,β)を適切に選んで設定することにより、フィードバック遅延やフィードバック情報量制限の影響を受けにくいランクアダプテーション(ランク予測)も同時に実現していることがわかる。
以上、本実施形態によれば、実際のMIMO無線伝送路におけるSINRに基づき、伝搬環境の変化に応じて、次回のデータ送信に使用するランクを精度よく決定し、スループットの劣化を抑制することがすることができる。よって、MIMO無線伝送方式の無線伝送路におけるSINRに基づくランクの切り換え精度を高めてスループットの劣化を抑制できる。
特に、本実施形態によれば、情報理論的容量に上限値βを設けることにより、送信ストリームにおけるマルチパス遅延の拡がりなどの無線伝送路の環境変化による無線伝送性能の変動の影響を考慮して、各ランクの候補値に対する容量を精度よく算出することができる。従って、マルチパス遅延の拡がりなどの無線伝送路の環境変化に対し、ロバストなランクの切り換えが可能になる。
更に、送信ストリームにおける伝送損失や変調方式及び符号化方式を考慮して、各ランクの候補値に対する容量を精度よく算出することができるので、MIMO無線伝送方式の無線伝送路におけるSINRに基づくランクの切り換え精度をより高めることができる。
また、スループット特性に大きな影響を与えるランク制御、MCS制御、ハイブリッドARQ再送制御におけるフィードバック遅延の影響が含まれた形での評価結果であるため、上記補正パラメータ(クリッピングの上限値β,β)を適切に選んで設定することにより、フィードバック遅延の影響を受けにくいランクアダプテーション(ランク予測)も同時に実現していることがわかる。
本明細書では簡単のため、最大送信ランクが2となる、送信アンテナ数を2、受信アンテナ数を2、送信ランク毎にプリコーディング方式が固定され、PMIフィードバックを必要としない、3GPP LTE/LTE−Advanced下りリンクの開ループMIMO無線伝送システム(Open-Loop MIMO) の場合について詳細に説明した。本明細書で示した、ランク予測手段は、送信ランク毎に複数プリコーディングパターンを適用するため、PMIフィードバックを用いる閉ループMIMO無線伝送システム (Closed-Loop MIMO) や上りリンクの場合でも同様に適用可能であり、ランクアダプテーションが適用される様々なMIMO無線伝送方式に適用可能である。
なお、本明細書で説明された処理工程並びに無線通信システム及び無線通信装置の構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
ハードウェア実装については、実体(例えば、各種無線通信装置、Node B、端末、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、上記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
10、30 ユーザ装置
20、40 無線基地局
101 下りリンクチャネル推定部
102 下りリンク制御信号復調部
103 データ信号分離合成部
104 直列並列変換部
105 制御情報(RI/PMI/CQI)生成部
106 上りリンク送信部
201 上りリンク受信部
202 下りリンクスケジューラ
203 プリコーディングウェイト生成部
204 下りリンク制御信号生成部
205 直列並列変換・変調部
206 乗算器
208 マルチプレクサ
301 下りリンク受信部
302 プリコーディングウェイト生成部
303 直列並列変換・変調部
304 乗算器
307 上りリンク参照信号生成部
401 上りリンクチャネル推定部
404 上りリンクスケジューラ
405 下りリンク送信部
特開2012−105271号公報
3GPP TS36.211 V10.6.0,"Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical Channels and Modulation (Release 10),"Dec. 2012. 3GPP TS36.212 V10.7.0,"Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Multiplexing and channel coding (Release 10),"Dec. 2012. 3GPP TS36.213 V10.8.0,"Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical layer procedures (Release 10)," Dec. 2012. H. Taoka, S. Nagata, K Takeda, Y. Kakishima, X. She, and K. Kusume, "MIMO and CoMP in LTE-Advanced," NTT DoCoMo Technical Journal (English Edition), vol.12, no.2, pp.20-28, Sept. 2010. E. Dahlman, S. Parkvall and J. Skold, "4G LTE/LTE-Advanced for Mobile Broadband,"Academic Press, 2011. X. Yang, Y. Xiong and W. Zhao, "Cross-layer design of MIMO OFDM with mode switching and hybrid ARQ,"in Proceedings of the 5th International Conference on Wireless Communications, Networking and Mobile Computing 2009 (WiCOM2009), Beijing, China, Sept. 2009. IEEE 802.16 BWA Working Group, "IEEE 802.16m Evaluation Methodorogy Document (EMD),"IEEE 802.16m-08/004r2, July 2008. 3GPP TS36.101 V11.3.0, "Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA);User Equipment (UE) radio transmission and reception (Release 11)", Dec. 2012.

Claims (6)

  1. 複数の無線通信装置の間で複数の異なる送信ストリームによるデータの送受信が可能な無線伝送システムであって、
    前記複数の無線通信装置の間の無線伝送路で送受信された信号から取得された伝送路応答の推定値と雑音電力の推定値より算出される希望信号対干渉雑音電力比(SINR)の推定値とに基づいて、前記無線伝送路における複数のランクの候補値ごとに、該無線伝送路における送信方式及び受信方式を考慮した情報理論的容量を求める手段と、
    前記複数のランクの候補値ごとに、前記情報理論的容量に対して重み係数を用いて補正する手段と、
    前記複数のランクの候補値ごとに求めて補正した情報理論的容量のうち該情報理論的容量が最大となるランクを、前記無線伝送路における次回のデータ送信に使用するランクとして決定する手段と、を備え
    記情報理論的容量を補正する手段は、前記情報理論的容量に対する重み係数を用いた補正に加えて、該情報理論的容量に上限値を設けるクリッピングを行い、
    記重み係数は、前記送信ストリームにおける伝送損失に対応する損失係数であり、
    前記クリッピングにおける上限値は、前記送信ストリームにおいて使用される変調方式及び符号化方式に応じて設定する
    ことを特徴とする無線伝送システム。
  2. 請求項1の無線伝送システムにおいて、
    前記情報理論的容量として、シャノン容量又は信号点拘束容量を用いることを特徴とする無線伝送システム。
  3. 請求項1又は2の無線伝送システムにおいて、
    前記無線伝送路における信号の送受信は、複数のサブキャリアを介して行われ、
    前記情報理論的容量を求める手段は、前記複数のランクの候補値ごとに、前記複数のサブキャリアそれぞれについて前記無線伝送路における送信方式及び受信方式を考慮した情報理論的容量を求め、
    前記情報理論的容量を補正する手段は、前記複数のランクの候補値ごとに、前記複数のサブキャリアそれぞれについて求めた情報理論的容量を補正し、
    前記ランクを決定する手段は、
    前記複数のランクの候補値ごとに、前記複数のサブキャリアそれぞれについて求めて補正した情報理論的容量を、該複数のサブキャリアのすべて又は一部について加算又は平均化し、
    前記複数のランクの候補値ごとに求めた前記情報理論的容量の加算値又は平均値が最大となるランクを、前記無線伝送路における次回のデータ送信に使用するランクとして決定する
    ことを特徴とする無線伝送システム。
  4. 複数の無線通信装置の間で複数の異なる送信ストリームによるデータの送受信が可能な無線伝送システムにおけるデータ受信側の無線通信装置であって、
    前記複数の無線通信装置の間の無線伝送路で送受信された信号から取得された伝送路応答の推定値と雑音電力の推定値より算出される希望信号対干渉雑音電力比(SINR)の推定値に基づいて、前記無線伝送路における複数のランクの候補値ごとに、該無線伝送路における送信方式及び受信方式を考慮した情報理論的容量を求める手段と、
    前記複数のランクの候補値ごとに、前記情報理論的容量に対して重み係数を用いて補正する手段と、
    前記複数のランクの候補値ごとに求めて補正した情報理論的容量のうち該情報理論的容量が最大となるランクを、前記無線伝送路における次回のデータ送信に使用するランクとして決定する手段と、
    前記決定したランクの情報をデータ送信側の無線通信装置に通知する手段と、を備え
    記情報理論的容量を補正する手段は、前記情報理論的容量に対する重み係数を用いた補正に加えて、該情報理論的容量に上限値を設けるクリッピングを行い、
    記重み係数は、前記送信ストリームにおける伝送損失に対応する損失係数であり、
    前記クリッピングにおける上限値は、前記送信ストリームにおいて使用される変調方式及び符号化方式に応じて設定する
    ことを特徴とする無線通信装置。
  5. 請求項4の無線通信装置において、
    前記情報理論的容量として、シャノン容量又は信号点拘束容量を用いることを特徴とする無線通信装置。
  6. 請求項4又は5の無線通信装置において、
    前記無線伝送路における信号の送受信は、複数のサブキャリアを介して行われ、
    前記情報理論的容量を求める手段は、前記複数のランクの候補値ごとに、前記複数のサブキャリアそれぞれについて前記無線伝送路における送信方式及び受信方式を考慮した情報理論的容量を求め、
    前記情報理論的容量を補正する手段は、前記複数のランクの候補値ごとに、前記複数のサブキャリアそれぞれについて求めた情報理論的容量を補正し、
    前記ランクを決定する手段は、
    前記複数のランクの候補値ごとに、前記複数のサブキャリアそれぞれについて求めて補正した情報理論的容量を、該複数のサブキャリアのすべて又は一部について加算又は平均化し、
    前記複数のランクの候補値ごとに求めた前記情報理論的容量の加算値又は平均値が最大となるランクを、前記無線伝送路における次回のデータ送信に使用するランクとして決定する
    ことを特徴とする無線通信装置。
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