JP5547823B2 - 流体式動力伝達システム - Google Patents
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Description
トルクコンバータは、内部に充填された作動流体が循環することによって動力を伝達する機能を有しており、さらに速度比に応じてトルクを増幅する機能を有している。
トルクコンバータは、三種の羽根車(インペラー、タービンおよびステータ)から構成されている。インペラーは、例えば、エンジンのクランクシャフトに連結されている。タービンは、インペラーに対向して配置され、例えば、トランスミッションの入力シャフトに連結されている。タービンは、インペラーから流れる流体によって駆動される。ステータは、例えば、インペラーの内周部とタービンの内周部との間に配置されている。ステータは、例えば、ワンウェイクラッチを介して、トランスミッションから延びる固定シャフトに支持されている。
このような問題は、トルクコンバータの速度比の低い領域での運転頻度の高いホイルローダのような建設機械において顕著であり、特にトルクコンバータの外径が大きく、入力回転速度が高い場合に問題となりやすい。
なお、ここで言う所定の範囲とは、上述の説明からも理解できるとおり、下限値がキャビテーションを防止するために必要な設計的に決められる値であり、上限値がトルクコンバータの強度や重量などの制約から設計的に決められる値である。
この装置では、入口圧検出手段が流体式動力伝達装置の入口における作動流体の圧力を検出して、制御手段が入口における作動流体の圧力に応じて流体式動力伝達装置の出口における作動流体の圧力を調整する。その結果、入口における作動流体の圧力は、出口における作動流体の圧力を介して、フィードバック制御され、入口における作動流体の圧力が所定の必要圧より低下することを防ぐことができる。
この装置では、流体式動力伝達装置の入口における作動流体の圧力が低くなると、出口リリーフ弁は出口における作動流体の圧力を上昇させる。これにより、流体式動力伝達装置の入口における作動流体の圧力が所定の必要圧より低下すなることを防ぐことができる。
この装置では、流体式動力伝達装置の速度比の全領域にわたって、入口における作動流体の圧力が所定の必要圧以下にならない。
以上より、出入口圧差検出ピストンにより検出された入口における作動流体の圧力と出口における作動流体の圧力の比較結果に応じて流体式動力伝達装置の入口における作動流体の圧力が制御され、入口における作動流体の圧力が所定の必要圧より低下することを抑えることができる。
この装置では、流体式動力伝達装置の入口における作動流体の圧力が所定の必要圧より低くならない。
本発明の一実施形態に係るホイルローダ50は、図1に示すように、車体51と、車体の前部に装着されたリフトアーム52と、このリフトアーム52の先端に取り付けられたバケット53と、車体51を支持しながら回転して車体を走行させる4本のタイヤ54と、車体51の上部に搭載されたキャブ55と、を備えている。
リフトアーム52は、先端に取り付けられたバケット53を持ち上げるためのアーム部材であって、併設されたリフトシリンダによって駆動される。
バケット53は、リフトアーム52の先端に取り付けられており、バケットシリンダによってダンプおよびチルトされる。
キャブ55は、転倒時運転者保護構造(ROPS構造)を有し、複数の鋼管と鋼板とを組み合わせて構成されるオペレータ用の運転室を形成している。
ホイルローダ50は、図2に示すように、主に、エンジン61と、このエンジン61によって駆動される走行側の機構および作業機側の機構や、これらの機構を制御するためのコントローラ等を含むエンジン負荷制御装置を、内部に備えている。
このホイルローダ50は、エンジン61によって駆動される機構として、走行系の機構以外に、主に、ステアリング機構(図示せず)、車体の前部に設けられたリフトアーム52やバケット53等のローダ、およびファン(図示せず)を有している。
これらの各機構を駆動するために、複数の油圧ポンプが、PTO機構66を介してエンジン61に連結されている。
図3に、本発明の一実施形態としての流体式動力伝達システムの模式図を示す。この装置は、主に、トルクコンバータ62と、制御手段2とから構成されている。
トルクコンバータ62は、エンジンのクランクシャフト4とトランスミッションの入力シャフト5との間で作動流体によって動力を伝達するための流体動力伝達装置である。トルクコンバータ62は、フロントカバー6とインペラー7によって流体室を形成している。フロントカバー6は、内周部がクランクシャフト4に固定され、外周部がインペラー7の外周部に固定されている。トルクコンバータ62は、流体室内に、インペラー7とタービン8とステータ9とを有している。トルクコンバータ62内部で作動流体が循環すると、インペラー7からタービン8に動力が伝達される。
トルクコンバータ62内では、作動流体は、インペラー7からタービン8に向かって流れることで、タービン8を回転させる。次に、作動流体は、タービン8からステータ9を通ってインペラー7に戻る。作動流体は、ステータ9によって流れの向きを変えられてから、インペラー7に戻る。
制御手段2は、トルクコンバータ62の出口圧を調整することで、入口圧を制御するための手段である。より具体的には、トルクコンバータ62の出口14にはリリーフ弁18が接続されており、制御手段2の他の構成がリリーフ弁18を操作して出口圧を制御する。
コントローラ15は、入力回転センサ16から入力回転速度信号を受信する。また、コントローラ15は、入力回転センサ16から受信した入力回転速度信号と出力回転センサ17から受信した出力回転速度信号から速度比を算出する。コントローラ15は、速度比に応じて、または、入力回転速度信号と速度比に応じて、比例制御弁19に適切な制御信号を送信する。
リリーフ弁18は、比例制御弁19によって設定された圧力に出口14の圧力を調整する。
図4に、トルクコンバータ速度比1から0に向けて出口圧が徐々に上昇するように制御した例を示す。なお、図4は、トルクコンバータ速度比に対するトルクコンバータの入口圧および出口圧の変化の一例を模式的に示す図であり、本実施形態の入口圧と出口圧は実線で示してあり、従来の入口圧と出口圧は破線で示してある。
トルクコンバータ速度比に対するトルクコンバータの入口圧の変化は、入力回転速度によって異なるが、コントローラ15は、速度比だけでなく、入力回転速度信号に応じても適切な制御信号を比例制御弁19に送信する機能を有している。
コントローラ15は、トルクコンバータが運転される全ての入力回転速度および速度比において適切な制御信号を比例制御弁19に送信するようにプログラミングされている。
したがって、入口圧の低下によるキャビテーションを抑えることができ、トルクコンバータ62の性能低下や羽根車の壊食といった問題が防止できる。また、この実施例では、高速度比領域におけるトルクコンバータ入口圧は従来と変わらないため、重量の増加などの問題を軽減することができる。
(a)この装置では、制御手段2がトルクコンバータ62の出口圧を調整することで、入口圧を制御する。したがって、トルクコンバータ62の入口圧を比較的自由に制御できるので、トルクコンバータ62の入口圧の低下を抑えることができる。本実施形態においてはトルクコンバータ62の入口圧を所定の必要圧よりも高く保つことができる。その結果、作動流体にキャビテーションが生じにくく、トルクコンバータ62の性能低下や羽根車の壊食を防止できる。
この装置では、入力回転センサ16と出力回転センサ17がトルクコンバータ62の入力回転速度と出力回転速度を検出して、制御手段2が両回転速度から得られる速度比、あるいは、入力回転速度と速度比に応じてトルクコンバータ62の出口圧を調整する。つまり、速度比、あるいは、入力回転速度と速度比に応じてトルクコンバータ62の入口圧が所定の必要圧以上に制御される。
より具体的には、速度比0またはその近傍において、入口圧が極端に低くならず、所定の必要圧よりも高くできる。
図5に、本発明の一実施形態としての流体式動力伝達システムの模式図を示す。この装置は、主に、トルクコンバータ62と、制御手段2とから構成されている。
(1)トルクコンバータ
トルクコンバータ62の構成は第1実施形態と同じである。
制御手段2は、トルクコンバータ62の出口圧を調整することで、入口圧を制御するための手段である。より具体的には、トルクコンバータ62の作動流体出口14にはリリーフ弁18が接続されており、制御手段2の他の構成がリリーフ弁18を操作して出口圧を制御する。
制御手段2は、コントローラ15と、入口圧センサ20と、比例制御弁19とを備えている。入口圧センサ20は、トルクコンバータ62の入口圧を検出するセンサである。リリーフ弁18は、作動流体出口14の圧力が設定圧力以下の時には弁が閉じて作動流体出口14の圧力を上昇させ、作動流体出口14の圧力が設定圧力以上になると弁が開いて逃し口より圧力を逃すことで、作動流体出口14の圧力が設定圧力とほぼ等しくなるように調整している。比例制御弁19は、コントローラ15からの制御信号を受けて、リリーフ弁18の設定圧力を制御するための弁である。コントローラ15は、入口圧センサ20から入口圧信号を受信する。コントローラ15は、さらに、入口圧に応じて、比例制御弁19に制御信号を送信する。
図6に本実施形態におけるトルクコンバータ速度比に対するトルクコンバータの入口圧および出口圧の変化の一例を模式的に示す。本実施形態の入口圧と出口圧は実線で示しており、従来の入口圧と出口圧は破線で示してある。本実施形態では、出口圧は速度比の低い領域において、速度比の低下につれて上昇し、入口圧は、速度比の低い領域で、ほぼ一定になっている。より具体的には、入口圧は所定の必要圧力以上に保たれている。
コントローラ15は、図7のステップS1において入口圧P1を基準圧Psと比較する。ステップS1で、P1<Psと判断された場合は、ステップS2において比例制御弁19に対してリリーフ弁18の設定圧P2をΔPだけ上昇させるように電気信号を送る。
リリーフ弁18の設定圧P2がΔPだけ上昇することにより、出口圧もほぼΔPだけ上昇し、これにより、入口圧も上昇する。
したがって、入口圧の低下による作動流体のキャビテーションを抑えることができ、トルクコンバータ62の性能低下や羽根車の壊食といった問題が防止できる。また、この実施例では、高速度比領域におけるトルクコンバータ入口圧は従来と同等とすることができる。そのため、トルクコンバータの重量増加などの問題を軽減することができる。
(a)この装置では、制御手段2がトルクコンバータ62の出口圧を調整することで、入口圧を制御する。したがって、トルクコンバータ62の入口圧を比較的自由に制御できるので、トルクコンバータ62の入口圧の低下を抑えることができる。本実施形態においてはトルクコンバータ62の入口圧を所定の必要圧よりも高く保つことができるので、作動流体にキャビテーションが生じにくく、トルクコンバータ62の性能低下や羽根車の壊食を防止できる。
この装置では、入口圧センサ20がトルクコンバータ62の入口圧を検出して、制御手段2が入口圧に応じてトルクコンバータ62の出口圧を調整する。その結果、トルクコンバータ62の入口圧は出口圧を介して、フィードバック制御され、入口圧が所定の必要圧より低下することを防ぐことができる。
この装置では、トルクコンバータ62の入口圧が所定の必要圧力を下回ろうとするとトルクコンバータ62の出口圧を上昇させることで入口圧を上昇させる。その結果、入口圧の値は所定の必要圧力以上に保たれる。
この装置では、コントローラ15が入口圧に応じて電気信号によって比例制御弁19のソレノイドを制御し、比例制御弁19が出口リリーフ弁18のリリーフ圧を制御する。その結果、トルクコンバータ62の出口圧が調整される。つまり、コントローラによって、トルクコンバータ62の入口圧は、出口圧を介して、フィードバック制御され、入口圧が所定の必要圧より低下することを防ぐことができる。
(1)トルクコンバータおよび油圧回路
図8に、発明の一実施形態としての流体式動力伝達システムの油圧回路図の一部を示す。この装置は、主に、トルクコンバータ100と、出口圧調圧弁102とから構成されている。
トルクコンバータ100の構成は第1実施形態と同じである。
トルクコンバータ100の出口124には、オリフィス101と出口圧調圧弁102が互いに並列に接続されている。
出口圧調圧弁102は、トルクコンバータ100の出口124の圧を調整することで入口123の圧を制御するものであり、より詳細にはトルクコンバータ100の入口圧を検出して、それに応じて、トルクコンバータ100の出口圧を調整する機能を有している。
図9に、制御手段としての出口圧調圧弁102の断面図の一例を示す。
出口圧調圧弁102は、主に、シリンダ111と、シリンダ111内に配置されたスプール112と、コイルスプリング113と、ピストン114と、を有している。シリンダ111は、主に、内部に、第1チャンバ116と、第2チャンバ117と、第3チャンバ118とを有している。第1チャンバ116には、トルクコンバータ100の出口124からの油路が接続される第1ポート111aが形成されている。第2チャンバ117は、第1チャンバ116に連続しており、さらに、オイルパンへの油路が接続される第2ポート111bが形成されている。第3チャンバ118は、第2チャンバ117に接続されており、さらに、トルクコンバータ100の入口123から入口圧を導入する第3ポート111cが形成されている。
図10は、本実施形態におけるトルクコンバータ100の速度比に対するトルクコンバータ100の入口圧と出口圧の変化の一例を模式的に示す図である。なお、本実施形態の入口圧と出口圧は実線で示してあり、従来の入口圧と出口圧は破線で示してある。
図10の本実施形態(実線)では、出口圧は速度比が1から低下していくにしたがい、徐々に上昇していく。そのため、入口圧は、速度比が1から低下していくにしたがい、徐々に従来より高くなっている。その結果、入口圧は基準圧Psより高い値に保持される。
出口圧調圧弁102の動作について説明する。
トルクコンバータの速度比1及びその付近ではトルクコンバータ100の入口圧が高いため、第3チャンバ118で発生する油圧力が十分に大きい。したがって、スプール112は最も第1チャンバ116側に移動しており、筒状部112bの端部はプレート130に当接している。このため、第1チャンバ116と第2チャンバ117との間の開口部121の面積は最大になっている。(図9の上側の状態)
一方、速度比が低下するにつれてトルクコンバータ100の入口圧は低下していき、したがって第3チャンバ118の油圧力も低下する。やがて第3チャンバ118の油圧力がコイルスプリング113のばね力より小さくなると、スプール112はコイルスプリング113に押されて第3チャンバ118側に移動する。そのため、第1チャンバ116と第2チャンバ117との間の連通開口部121の面積が小さくなる。この結果、トルクコンバータ100の出口圧は上昇し、これに伴い入口圧も上昇する。このようにして、出口圧調圧弁102はトルクコンバータ100の入口圧と出口圧を調圧する。出口圧調圧弁102によって調圧された結果として、スプール112は、第3チャンバ118の油圧力とコイルスプリング113のばね力が釣り合う位置で保持される。
なお、トルクコンバータ100の入口圧が上昇すると、逆の動作が生じる。
出口圧調圧弁102の各部の寸法および第1コイルスプリング113のばね定数は、トルクコンバータ100の入口圧を必要圧(具体的には、本例の場合は、基準圧Ps)以上に保ち、さらに上記の調圧機能を有するように設計される。
(a)この装置では、出口圧調圧弁102がトルクコンバータ100の出口124の圧を調整することで、入口123の圧を制御する。その結果、トルクコンバータ100の入口123の圧の低下を抑えることができる。本実施形態においてはトルクコンバータ100の入口123の圧を所定の必要圧よりも高く保つことができる。以上の結果、作動流体にキャビテーションが生じにくく、トルクコンバータ100の性能低下や羽根車の壊食といった問題が防止できる。
(c)出口圧調圧弁102は、トルクコンバータ100の出口124に接続された出口リリーフ弁である。出口圧調圧弁102は、トルクコンバータ100の入口圧に応じて出口圧を調整可能であり、トルクコンバータ100の入口圧が低くなると出口圧を高くする。これにより、トルクコンバータ100の入口圧は、出口圧調圧弁102よって、出口圧を介して、フィードバック制御され、入口圧が所定の必要圧以下になることを防ぐことができる。
図11に、本発明の一実施形態としての流体式動力伝達システムの模式図を示す。この装置は、主に、トルクコンバータ62と制御手段21とから構成されている。
(1)トルクコンバータ
トルクコンバータ62の構成は第1実施形態と同じである。
制御手段21は、トルクコンバータ62の出口圧を制御するための手段である。より具体的には、トルクコンバータ62の出口14にはリリーフ弁22が接続されており、制御手段21の他の構成がリリーフ弁22を操作して出口圧を制御する。
制御手段21は、リリーフ弁22と、それに設けられたロードスプリング23と、出入口圧差検出弁24とを備えている。ロードスプリング23はリリーフ弁22に荷重を付与し、リリーフ弁22のリリーフ圧を設定している。出入口圧差検出弁24は、入口圧と出口圧の差に応じて、ロードスプリング23を圧縮するための弁である。出入口圧差検出弁24は、シリンダ25と、その中に配置され前後に第1チャンバ27と第2チャンバ28を形成する出入口圧差検出ピストン26とを有している。第1チャンバ27には、出口14から出口圧が導入されている。第2チャンバ28には、入口13から入口圧が導入されている。出入口圧差検出ピストン26は突出部がロードスプリング23に当接している。以上の構造により、第1チャンバ27の圧力(出口圧)が第2チャンバ28の圧力(入口圧)より高くなると、出入口圧差検出ピストン26がロードスプリング23を圧縮する。ロードスプリング23は、第1チャンバ27と第2チャンバ28の圧力差によって出入口圧差検出ピストン26が押される力とロードスプリング23の荷重が釣り合う位置まで圧縮される。
トルクコンバータの速度比1及びその付近では入口圧は出口圧より高いため、第1チャンバ27の圧力は第2チャンバ28の圧力より低い。したがって、出入口圧差検出弁24の出入口圧差検出ピストン26は図11の右方向に押され、ロードスプリング23を圧縮しない。
図12に本実施形態におけるトルクコンバータ速度比に対するトルクコンバータの入口圧および出口圧の変化の一例を模式的に示す。本実施形態の入口圧と出口圧は実線で示しており、従来の入口圧と出口圧は破線で示してある。
したがって、入口圧の低下による作動流体のキャビテーションを抑えることができ、トルクコンバータ62の性能低下や羽根車の壊食といった問題が防止できる。また、この実施例では、高速度比領域におけるトルクコンバータ入口圧は従来と同等とすることができる。
(a)この装置では、制御手段21がトルクコンバータ62の出口圧を調整することで、入口圧を制御する。その結果、トルクコンバータ62の入口圧の低下を抑えることができ、入口圧を所定の必要圧よりも高く保つことができる。したがって、作動流体にキャビテーションが生じにくく、トルクコンバータ62の性能低下や羽根車の壊食といった問題が防止できる。
例えば、高い速度比領域では入口圧が出口圧より高いが、速度比の低下に伴い入口圧が低下し、低い速度比領域では入口圧が出口圧より低くなる場合がある。このような場合、この装置では、高い速度比領域では出口圧は従来と同じく一定に保たれるが、低い速度比領域では、制御手段が、入口圧と出口圧の差に応じて、出口圧を上昇させる。この結果、低い速度比領域での出口圧は速度比が低下するに連れて上昇していく。つまり、入口圧と出口圧の比較結果に応じて流体式動力伝達装置の入口圧が制御され、入口圧が所定の必要圧より低下することを抑えることができる。
本発明の実施形態の説明は例示の目的のために示されたものであり、それの変更は可能である。つまり、本発明に係る流体式動力伝達システムは前記実施形態に限定されない。
また、前記実施形態の説明に用いた、トルクコンバータの速度比に対する入口圧と出口圧の関係の図は、説明のための模式的なものであり、本発明の適用は、速度比の低下に比例して入口圧が低下する場合に限られるものではない。つまり、トルクコンバータの速度比に対する入口圧と出口圧の関係がどのような場合であっても、本発明を適用することが可能である。
本発明は、例えば、ロックアップ装置付きトルクコンバータにも適用できる。
本発明は、流体継手(フルード・カップリング)にも適用できる。
本実施形態ではホイールローダを例に挙げて説明したが、ホイールローダ以外の建設機械、あるいは建設機械以外の他の車両(バス、トラック、乗用車や農業用の作業車両など)にも適用可能であることは言うまでもない。
4 クランクシャフト
5 入力シャフト
6 フロントカバー
7 インペラー
8 タービン
9 ステータ
12 固定シャフト
13 トルクコンバータ入口
14 トルクコンバータ出口
15 コントローラ
16 入力回転センサ
17 出力回転センサ
18 リリーフ弁
19 比例制御弁
21 制御手段
22 リリーフ弁
23 ロードスプリング
24 出入口圧差検出弁
25 シリンダ
26 ピストン
62 トルクコンバータ
Claims (5)
- 作動流体の入口と出口を有し、内部で作動流体が循環することによって動力を伝達する流体式動力伝達装置と、
前記流体式動力伝達装置の前記出口における前記作動流体の圧力を調整することで、前記入口における前記作動流体の圧力を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記流体式動力伝達装置の前記入口における前記作動流体の圧力を検出する入口圧検出手段と、
前記流体式動力伝達装置の前記出口に接続され、前記流体式動力伝達装置の前記入口における前記作動流体の圧力に応じてリリーフ圧を調整可能な出口リリーフ弁を有しており、
前記制御手段は、前記入口における前記作動流体の圧力と基準圧である所定の値とを比較し、前記流体式動力伝達装置の前記入口における前記作動流体の圧力が前記所定の値より低くなると、前記入口における前記作動流体の圧力が前記所定の値以上になるまで、前記出口リリーフ弁の前記リリーフ圧を所定量ずつ上昇させて前記流体式動力伝達装置の前記出口における前記作動流体の圧力を上昇させる、
流体式動力伝達システム。 - 前記流体式動力伝達装置の前記入口における前記作動流体の圧力は、前記流体式動力伝達装置の入力回転速度に対する出力回転速度の比である速度比が小さくなるときに低くなり、
前記制御手段は、前記流体式動力伝達装置の前記速度比の全領域にわたって、前記流体式動力伝達装置の前記入口における前記作動流体の圧力が前記所定の値より低くならないように、前記出口における前記作動流体の圧力を調整する、請求項1に記載の流体式動力伝達システム。 - 前記制御手段は、
前記出口リリーフ弁のリリーフ圧を制御可能な制御弁と、
前記流体式動力伝達装置の入口における前記作動流体の圧力に応じて前記制御弁を制御するコントローラとを更に有しており、
前記コントローラは、前記流体式動力伝達装置の入口における前記作動流体の圧力が前記所定の値より低くなると、前記制御弁を動作させて前記出口リリーフ弁の前記リリーフ圧を所定量ずつ上昇させる、請求項1に記載の流体式動力伝達システム。 - 作動流体の入口と出口を有し、内部で作動流体が循環することによって動力を伝達する流体式動力伝達装置と、
前記流体式動力伝達装置の前記出口における前記作動流体の圧力を調整することで、前記入口における前記作動流体の圧力を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記流体式動力伝達装置の入口における前記作動流体の圧力と前記出口における前記作動流体の圧力とを比較する比較手段を有しており、
前記比較手段は、出入口圧差検出ピストンを有しており、
前記制御手段は、前記流体式動力伝達装置の前記出口に接続された出口リリーフ弁を有しており、
前記出口リリーフ弁は、弁と、前記弁に荷重を付与するスプリングとを有しており、
前記出口における前記作動流体の圧力が前記入口における前記作動流体の圧力より高くなると、前記出入口圧差検出ピストンが前記スプリングを圧縮して、それにより前記スプリングが前記弁に与える荷重が大きくなり、前記出口リリーフ弁の前記リリーフ圧が上昇し、前記流体式動力伝達装置の前記出口における前記作動流体の圧力が上昇する、
流体式動力伝達システム。 - 前記制御手段は、前記流体式動力伝達装置の前記入口における前記作動流体の圧力が所定の値より低くならないように、前記出口における前記作動流体の圧力を調整する、
請求項4に記載の流体式動力伝達システム。
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